JP4017152B2 - カーテン塗布方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、連続走行する支持体(ウェブ)に各種液状組成物を複層カーテン塗布する方法に関するものであり、特に感熱記録紙、感圧記録紙、インクジェット用記録用紙、写真フィルム、写真用印画紙などに用いられる連続的な塗布安定性を有する複層カーテン塗布方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
連続走行するウェブの上に複数の塗布液を同時に塗布する複層塗布方法のひとつとしてカーテン塗布方法がある。カーテン塗布方法は、塗布液をカーテン状に自由落下させ、バックアップロール等で支持されながら走行するウェブの上に衝突させることで塗膜を形成する方法である。カーテン塗布はほかの塗布方法に比べて、塗布の高速化が比較的容易であり、また、複層同時塗布も可能なことから、その技術用途は広がりをみせている。
【0003】
カーテン塗布は、形成されるカーテンの幅方向における両側縁を、通常2本のエッヂガイドによって保持し、これによってカーテンの安定を図っている。しかし、このエッヂガイドを用いた方法によると、カーテン全体がウェブ上へ形成されたとき、塗膜の両側端部の膜厚が他の部分に比べて厚くなるという問題が以前からある。
【0004】
上記厚塗り現象は、工業生産において、様々な弊害を誘発する。なかでも、厚塗り部分は、ほかの部位に比べて乾燥における所要エネルギーや所要時間が長くなる点で、生産コストを上げてしまう主要因のひとつとなる。また、乾燥が十分に行われずに以降の工程に移されると、塗布液が搬送ローラ等の製膜工程機材に転写して汚染されてしまったり、あるいは、巻き取りロールでの巻き取りで、接着してしまい、ロールからの巻き出しの際に、ウェブの切断を引き起こしたりする。乾燥におけるこの問題を解決したとしても、巻き取りロールに巻き取った際、厚塗り部であるウェブ両端部の重なり箇所は凸状になり、切断されて長尺の巻き取りが困難になることも問題として残る。また、厚塗り部分であるフィルム側端部は、後に裁断除去するため、厚塗り部に費やした乾燥工程におけるエネルギーはそのまま、生産ロスとみなすことができる。
【0005】
そこで、両側端部の厚塗りを防止するために、カーテン膜の幅を支持体の幅よりも、厚塗り幅に相当する幅分以上に大きくすることで、支持体上に形成される塗膜の厚みを均一にする方法が広く知られている。この場合には、支持体の側縁より外側のカーテン膜は、塗布されずに落下して、あらかじめ設置している容器等に回収され、塗布液として再利用する。また、塗膜を複層に形成する場合も同様に、カーテン膜の幅を支持体よりも広くして塗布を実施する方法が一般的となっている。
【0006】
このように、支持体の幅よりもカーテン膜の幅を広くして塗布をすると、支持体より外側のカーテン膜は塗布されることなく余剰液となる。カーテン塗布における余剰液としては、この他に、カーテン膜を形成してから塗布を開始するまでの間に塗布ヘッドから流される塗布液がある。
【0007】
単層塗布の場合には、これらの余剰液は回収された後、塗布液の供給タンクへ戻され再使用されるが、少なくとも2層以上の複層塗布を実施する場合には、このカーテン膜が複数の塗布液により構成されているため、余剰液は混合物となっている。したがって、再使用は困難であり、この余剰分は液ロスとされている。
【0008】
これらの問題に対応するために、カーテン塗布方法において上記余剰分とされる液を回収して、再びこれを塗布液として利用するということが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。さらに、複層のカーテン塗布においては、カーテンを構成する複層の少なくとも1層をウェブよりも幅を大きくし、他の少なくとも1層についてはウェブより幅を小さくしてウェブの幅と同等とすることにより余剰液が混合物とならないようにすることが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0009】
【特許文献1】
特公平2−1550号公報(第2−3頁、第2図)
【特許文献2】
特公昭62−47075号公報(第1−5頁、第5図)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1の方法によると、塗布が、多層の場合にも適用されるかについては言及されておらず、また、写真フィルム等の製造におけるカーテン塗布の多くは、ウェブよりもカーテンの方の幅が小さいことから、塗布開始時を除き、余剰液の問題は生じないということがいえる。
【0011】
また、特許文献2の方法では、回収された塗布液が、互いに異なる層を形成する塗布液の混合物となっている場合には廃棄とせざるをえず、さらに、ウェブの幅が規定され、これを変更する際にはカーテンを構成する層の少なくとも1層の幅を変更しなければならないという問題がある。
【0012】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、得られる製品性状を維持しつつ、塗布液のロスを抑制しながら連続塗布を安定的に実施するための複層カーテン塗布方法及び装置を提供することを目的とする。
【0013】
【議題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、塗布ダイから出される複数の塗布液により、支持体に少なくとも2層の塗膜を付与する複層カーテン塗布方法において、第1及び第2の前記塗布液を前記塗布ダイから出して前記支持体よりも大きな幅のカーテン膜を形成し、前記第1及び前記第2の塗布液が重なる前記塗膜を形成する工程と、前記支持体に塗布されずに流下した前記第1及び第2の塗布液を混合した状態で回収して回収塗布液とする工程と、前記塗布ダイの上流に設けられる前記第1塗布液の供給タンクに、前記第1塗布液を一時的に滞留させるとともに、前記供給タンクから送り出される前記第1塗布液に混ざっている第2塗布液の比率が一定範囲となるように前記回収塗布液を送って前記第1塗布液に前記回収塗布液を混合する工程と、を有することを特徴として構成されている。
【0014】
本発明の複層カーテン塗布方法では、前記一定範囲の比率となるように第2塗布液を塗布開始前の前記供給タンクに入れて前記第1塗布液と混合し、この第2塗布液が混合された前記第1塗布液を用いて塗布を開始することが好ましい。
【0015】
前記第1及び第2の塗布液の混合による影響が少ない方を、前記第1塗布液とすることが好ましく、前記供給タンクの容量が、10分以上100分以下の塗布時間における流出であることが好ましい。
【0017】
また、本発明では、第1及び第2の塗布液を塗布ダイから出して、支持体よりも大きな幅のカーテン膜を形成し、前記支持体の上に前記第1及び第2の塗布液が重なる塗膜を付与する複層カーテン塗布装置において、前記第1塗布液を前記塗布ダイに供給する第1供給タンク及び第1ポンプと、前記第2塗布液を前記塗布ダイに供給する第2供給タンク及び第2ポンプと、前記支持体に塗布されずに流下した前記第1及び第2の塗布液を混合した状態で回収する回収手段と、前記第1塗布液に混入している第2塗布液の比率が一定範囲となるように、前記回収塗布液を前記第1供給タンクに送る送液手段と、を備えることを特徴として構成されている。
【0018】
さらに、前記一定範囲の比率となるように、塗布開始前の前記第1供給タンクに第2塗布液が入れられて第1塗布液と混合され、この第2塗布液が混合された第1塗布液を用いて塗布が開始されることが好ましい。前記第1及び第2の塗布液の混合による影響が少ない方が第1塗布液とされることが好ましい。前記供給タンクは、10分以上100分以下の塗布時間における流出量を容量として有することが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明を詳細に説明する。図1は、本発明のカーテン塗布方法を実施した塗布装置の要部を示す斜視図である。塗布装置11は、塗布ダイ12と、駆動装置(図示せず)によって回転駆動されるバックアップローラ13とにより構成されている。支持体としてのウェブ15はバックアップローラ13に支持されながら搬送される。
【0020】
自由落下により形成されるカーテン膜21は、その両端をエッヂガイド(図示なし)によって保持されており、カーテン膜21の高さが概ね30mm以上300mm以下となるように塗布ダイ12を設置する。カーテン膜21は第1及び第2塗布液により形成される第1カーテン層21aと第2カーテン層21bの2層が膜面にて互いに密着した2層構成とされており、走行するウェブ15の上に衝突して、塗布開始線L1よりウェブ15の走行方向に関して下流側に、第1層22a及び第2層22bよりなる塗膜22を形成する。
【0021】
塗布開始前より、塗布ダイ12からは第1及び第2塗布液を流し、良好なカーテン膜21を形成しておくが、このカーテン膜21は、第1及び第2塗布液の混合物として回収される。さらに、第1カーテン膜21aと第2カーテン膜21bとは、互いにほぼ同一幅となっており、ウェブ15の幅よりも大きいものとなっている。なお、カーテン膜21のうち、ウェブ15の側縁より外側となる部分についても塗布開始時の流下液と同様に回収される。
【0022】
図2は、本発明の塗布方法を実施した塗布設備の概略図である。塗布設備25は、第1及び第2のストックタンク26,27と、第1及び第2の供給タンク28,29と、第1及び第2のポンプ30,31と、液受け34,35と、回収タンク36と、塗布ダイ12とバックアップローラ13(図1参照)にて構成されている。なお、ウェブ15を支持しながら搬送するバックアップローラ13については、図示を省略している。さらに、図1と同じ構成であるものについては、同様の符号を付しており、説明を略す。第1及び第2塗布液は、それぞれ別の送液路により塗布ダイ12に供給される。つまり、第1ストックタンク26の第1塗布液は一時的に第1供給タンク28に滞留してから、第1ポンプ30により塗布ダイ12へ供給され、一方、第2ストックタンク27の第2塗布液は第2供給タンク29に送られてから、第2ポンプ31により塗布ダイ12に送液されている。
【0023】
カーテン膜21を形成する第1及び第2塗布液のうち、ウェブ15の側縁より外側の塗布されない液は縮流しながら流下する。ここでは、ウェブ15の幅よりカーテン膜21の幅を大きくしているが、ウェブ15とカーテン膜21との幅をほぼ同一にして、ウェブ15の側縁部を下方に折り曲げ、側縁部を未塗布とする場合もある。ただし、本発明はウェブ15の様態に依存するものではない。
【0024】
塗布開始前における流下した塗布液は液受け34によって回収され、また、塗布中におけるウェブ15の側縁より外側とから回収された塗布液(以下、回収塗布液と称する。)は、液受け35によて回収される。液受け34は、塗布開始前にカーテン膜21の落下位置に挿入されて塗布開示前の塗布液を回収する。そして、塗布開始時にはカーテン膜21の落下位置から退避した位置にセットされる。これら液受け34,35のからの回収塗布液は、第1及び第2塗布液の混合物となる。液受け34,35の回収塗布液は、一旦回収タンク36に滞留されてから、第1供給タンク28に送液される。これらの送液は、定量ポンプ(図示なし)によって行われる。
【0025】
回収タンク36では回収塗布液が静置脱泡されており、第1供給タンク28において回収塗布液と第1塗布液とが混合される。第1塗布液は、第1供給タンク28において、この内部に設けられている攪拌手段(図示なし)によって回収塗布液と概ね均一化され、その後、塗布ダイ12へ送られて、塗布へ供される。
【0026】
第1供給タンク28は、10分以上100分以下の塗布時間におけるここからの流出液量の容量を有しており、液量調節手段(図示なし)により流出量と同量が間欠的に供給されるものとなっている。また、第1ストックタンク26から第1塗布液を一定量流入させる際に、回収塗布液も一定量流入させることにより、第1塗布液と回収塗布液との混合比率が常に一定になるようにする。具体的には、第1供給タンク28に送液された回収塗布液のうち、第2塗布液の体積をV1とし、第1ストックタンク26から送液された第1塗布液の体積をV2とするとき、V1≦0.15×V2となるように調節する。
【0027】
図3は、第1供給タンク28(図2参照)の内部の塗布液組成の経時変化を示す測定図である。縦軸は、第1供給タンク28の全液量、つまり第1塗布液と回収塗布液との液量和に対する、第2塗布液の比率を百分率(単位;体積%)にて示すものであって、この第2塗布液は回収塗布液由来のものである。横軸は、混合開始からの経過時間(単位;分)を示す。第2塗布液の比率については、第1供給タンク28から塗布液を直接サンプリングして求めるものである。ただし、第1供給タンク28からの第1塗布液の送液、または回収タンク36からの回収塗布液の送液は、独立して行われるため、第1塗布液または回収塗布液の流入時と、両方を混合して均一化した後とでは、そのサンプルにおける上記比率の値には幅がある。その幅は、図3において、曲線(a)及び曲線(b)との間の斜線部で表される。
【0028】
図3によると、第2塗布液の比率は、塗布開始後60分では約4体積%であって、変動幅は小さい。また、塗布開始後240分には約4.7体積%となっている。さらに、塗布開始後240分経過以降は、その変化率はそれ以前に比べては小さい。
【0029】
このように本発明の塗布方法は、異なる塗布液の混合物である回収塗布液を回収タンク36(図2参照)に一時滞留させて、ここからの送液量と送液のタイミングを制御することによって、回収塗布液を廃棄せず、これを混合させながらも第1塗布液の性状を維持することができる。なお、第1供給タンク28については、脱泡手段等を設けて、塗布液の性状の安定化を図ることができるものを使用することが好ましい。
【0030】
さらに、本発明においては、第1供給タンク28に対し、第2塗布液の比率が15体積%となるように予め第2塗布液を添加して塗布を開始することがさらに好ましい。この方法によって、第2塗布液の比率を塗布開始時より約15体積%として以後一定に維持することができるようになり、第1塗布液の性状及び塗布性について、さらに一定に保つことができる。なお、第1供給タンク28に対しては、第1塗布液の供給が無くなった時点で、回収塗布液の供給も停止することが好ましく、これにより、単位体積あたりの第1塗布液に混合される第2塗布液の体積の変化を抑制し、この濃度変化を防止することができる。
【0031】
本発明は、以上の方法に限定されず、例えば、回収タンク36を設けずとも効果が認められる。回収タンク36を設置しない場合に関して、第1供給タンク28における第1塗布液と回収塗布液との液量和に対する第2塗布液の比率について、図4に示す。ここで、液受け34,35の回収塗布液は、定量ポンプにより第1供給タンクへ送られているが、この方法に限定されるものではない。
【0032】
しかし、第1供給タンク28を、例えば塗布24時間分の塗布液をストックする容量として回収塗布液を戻した場合には、徐々に回収塗布液に含まれる第2塗布液の濃度が上昇し、第1塗布液の性状や塗膜22(図1参照)の性能の変化が許容できないほど大きくなってしまう場合がある。
【0033】
そこで、図2に示すように、第1供給タンク28を比較的容量の小さいタンク、例えば10分以上100分以下程度の塗布に必要な第1塗布液の量、または第1塗布液と回収塗布液の液量和がストック可能なものとすることにより、この第1供給タンク28の中の全液量に対する第2塗布液の割合を短時間で飽和させて、第1塗布液の性状変化を抑制することが好ましい。
【0034】
図4において、縦軸及び横軸は図3と同様であるので説明を略す。また、第1塗布液の流入及び回収塗布液の流入の量及びタイミングに依存する上記比率の変動幅についても同様であって、最大値を示す曲線(a)と最小値を示す(b)の間の斜線部として示している。図4によると、第2塗布液の比率は、塗布開始後60分には曲線(a)による最大値が約7体積%であって、曲線(b)による最小値が約6.0体積%となっている。また、塗布開始後200分には、最大値が約8.5体積%であって、最小値が約7%となっている。したがって、曲線(a)及び(b)との平均値は、塗布開始後60分で約6.5%であり、塗布開始後200分で約7.7%であって、さらに200分後以降では、非常に小さい変化率となっている。
【0035】
したがって、一定の経過時間内では、第1供給タンク28において、第1塗布液を一定量流入させる際に、回収塗布液を一定量流入させて、常に両者の混合比率の安定を図ることで、本発明は、回収タンク36を設けずとも、回収塗布液は廃棄されることなく、第1塗布液に混合されて使用され、また、第1塗布液の性状及び塗布性を維持することが可能である。
【0036】
以上のように、本発明によると、2種以上の塗布液が混合された回収塗布液であっても、混合される第1塗布液によって形成される塗膜の性状と塗布性が、製品性状に与える影響を抑制することができる場合には、これらを混合して使用することができる。この際、回収により第1塗布液に混合される第2塗布液の量を予測し、混合された状態で最適な性能が得られる処方設計をすることが好ましい。回収塗布液を混合する塗布液は第1塗布液または第2塗布液であって、適宜これを選択することができる。ただし、混合される塗布液については、その塗布性や塗膜性状等の、製品に与える影響が少ない方を選ばなければならならず、どちらもその影響が少ない場合には、第1塗布液と第2塗布液との両方に混合させてもよい。
【0037】
さらに、本発明の塗布方法は、カーテン膜を構成するすべての層の幅が同一でない場合や、3層以上を形成するカーテン塗布にも適用することができる。つまり、回収塗布液が3種以上の混合物である場合でも、これを混合させる塗布液の性状や塗布性に事実上影響を及ぼさずに、安定的なカーテン塗布を連続して実施することができ良好な塗膜を得ることができる。さらに、この場合には、回収塗布液を混合させる塗布液は、用いる塗布液のうちの1つに限定されず、複数であってもよい。
【0038】
例としては、複層のうち、少なくとも1層をウェブよりも幅を大きいものとし、他の少なくとも1層をウェブよりも幅の小さなものとする場合を挙げることができる。より具体的には、3層同時塗布を実施するカーテン塗布方法において、いずれか1層について塗布液の流量が不足しておりカーテン膜の形成が不可能のときには、全幅の部分を他の2層により形成して前記1層をウェブと同等の幅とする場合等である。これは、前記1層が、硬膜剤あるいは色味調整剤を含んでいる等の理由により、他層を形成する塗布液との混合が不可能である場合等であって、本発明の塗布方法は有効である。
【0039】
2層塗布の場合に関しては、例えば、感熱記録紙の感熱発色層と保護層(オーバーコート層)の複層カーテン塗布においては、第1塗布液を感熱発色層用塗布液とし、第2塗布液を保護層用塗布液とすることが好ましい。第1塗布液を保護層用塗布液とすると、回収塗布液に含まれる感熱発色層用塗布液との混合により、保護層用塗布液の塗布性や、形成された後の層における保護層としての機能が低下したりする場合がある。
【0040】
さらに、感熱記録紙において、アンダーコート層用と感熱発色層用の各塗布液を層状にカーテン塗布する場合には、第1塗布液をアンダーコート層用塗布液とし、回収塗布液をこれに混合することが好ましい。また、同様に感熱記録紙のノーカーボン顕色剤塗布液とノーカーボンカプセル塗布液の場合には、第1塗布液をノーカーボン顕色剤塗布液としてこれに回収塗布液を混合することが好ましい。
【0041】
本発明の塗布方法におけるウェブとしては、公知の各種ウェブを用いることができる。一般的には紙、紙にポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレンブテン共重合体等の炭素数が2〜10のα−ポリオレフィン類を塗布またはラミネートした各種積層紙、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)、セルロースダイアセテート(DAC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)等の公知の各種プラスチックフィルム、アルミニウム、銅、スズ等の金属箔等、帯状基材の表面に予備的な加工層を形成させたもの、あるいはこれらを積層した各種複合材料が含まれる。さらにウェブには、光学補償シート塗布液、反射防止フィルム塗布液、磁性塗布液、写真感光性塗布液、表面保護、帯電防止あるいは滑性用塗布液等がその表面に塗布され、乾燥された後、所望する長さ及び幅に裁断される場合も含まれ、この代表例としては、光学補償シート、反射防止フィルム等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0042】
本発明の塗布方法における塗布液に用いる溶媒は、公知の各種溶媒、例えば水、各種ハロゲン化炭化水素、アルコール、エーテル、エステル、ケトンなどを単独あるいは複数混合して使用することができる。また、ポリマーや色素化合物を初めとする各成分化合物の溶解性や微粒子成分等の凝集速度等、これら化合物との親和性とを考慮して決定するとよい。さらに、本発明の塗布方法は、塗布液が、塗布時における粘度を10〜300mPa・sとし、表面張力を15〜50mN/mの範囲とする場合に特に好適に用いることができる。
【0043】
【実施例】
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0044】
〔実施例1〕
80g/m2 の上質紙をウェブ15として用い、これに第1及び第2塗布液を同時にカーテン塗布した。第1塗布液は感熱紙発色層用塗布液であって、その塗布流量を5kg/分とし、また、第2塗布液は感熱紙保護層用塗布液であって、その塗布流量を5kg/分とした。カーテン膜21の幅は2層ともに同一であって900mmとした。また、ウェブ15に対する塗布幅は840mmであって、塗布速度は300m/分とした。塗布液容量を150kgとする第1供給タンク28を用い、この内部の第1塗布液が130kgになった時点で、第1ストックタンク26から第1塗布液を20kg供給したが、回収塗布液の供給は、回収タンク36を用いずに、液受け34,35から0.5kg/分で実施した。本実施例の評価については、第1供給タンク28における第2塗布液の体積含有率を、塗布開始後適宜測定し、さらに塗布されて得られた感熱紙の性能について、発色特性と白色度、画質を測定することにより総合評価とした。なお、発色測定についてはサーマルヘッドによる印画評価により行い、白色度については、ハンター白色度で比較した。また、画質についてはサーマルヘッドによる印画サンプルを目視にて評価した。
【0045】
〔実施例2〕
塗布開始時においては、第1供給タンク28の中の全塗布液量に対し第2塗布液の含有率が5重量%となるように第2塗布液を予め添加しておいた。また、回収タンク36を設置し、液受け34,35の回収塗布液を回収タンク36に一時的に滞留させて、2kgを、第1ストックタンクから第1供給タンク28に第1塗布液を供給するタイミングで第1供給タンク28に送液した。その他の条件については、実施例1と同様に実施した。
【0046】
本実施例1においては、第1供給タンク28の塗布液での第2塗布液の体積含有率が、塗布開始後60分では6%であって、240分後では10%であり、その後は変化しなかった。実施例1で得られた感熱紙は、塗布開始後60分及び240分経過時に塗膜を付与されたの部分は、塗布開始時と比べると、感度の低下が若干みられたが、実用上問題のないものであった。また、本実施例2においては、第1供給タンク28の塗布液での第2塗布液の体積含有率が、塗布開始から塗布開始後600分まで概ね10%で一定していた。実施例2で得られた感熱紙は、塗布開始時から600分経過時までの範囲に塗膜を付与された部分において、発色特性及び白色度、画質の性能の変化は見られなかった。これらの結果より、回収塗布液が混合物であっても、これを再使用するための混合対象塗布液を適切に選択し、その体積含有率を適宜調整することによって、廃棄とせず、かつ良好な塗膜を得ることができるということがわかる。さらに、本発明により、回収塗布液を混合されて得られる塗布液の性状を損なうことなく、良好な塗布を連続して実施することができることがわかる。
【0047】
【発明の効果】
以上のように、本発明のカーテン塗布方法により、得られる製品性状を維持しつつ、塗布液のロスを抑制しながら連続塗布を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したカーテン塗布装置の斜視図である。
【図2】カーテン塗布設備の概略図である。
【図3】塗布液組成の経時変化を示す測定図である。
【図4】別の実施形態である塗布液組成の経時変化を示す測定図である。
【符号の説明】
15 ウェブ
21 カーテン膜
21a 第1カーテン膜
21b 第2カーテン膜
22 塗膜
25 塗布設備
28 第1供給タンク
36 回収タンク

Claims (8)

  1. 塗布ダイから出される複数の塗布液により、支持体に少なくとも2層の塗膜を付与する複層カーテン塗布方法において、
    第1及び第2の前記塗布液を前記塗布ダイから出して前記支持体よりも大きな幅のカーテン膜を形成し、前記第1及び前記第2の塗布液が重なる前記塗膜を形成する工程と、
    前記支持体に塗布されずに流下した前記第1及び第2の塗布液を混合した状態で回収して回収塗布液とする工程と、
    前記塗布ダイの上流に設けられる前記第1塗布液の供給タンクに、前記第1塗布液を一時的に滞留させるとともに、前記供給タンクから送り出される前記第1塗布液に混ざっている第2塗布液の比率が一定範囲となるように前記回収塗布液を送って前記第1塗布液に前記回収塗布液を混合する工程と、
    を有することを特徴とする複層カーテン塗布方法。
  2. 前記一定範囲の比率となるように第2塗布液を塗布開始前の前記供給タンクに入れて前記第1塗布液と混合し、この第2塗布液が混合された前記第1塗布液を用いて塗布を開始することを特徴とする請求項1記載の複層カーテン塗布方法。
  3. 前記第1及び第2の塗布液の混合による影響が少ない方を、前記第1塗布液とすることを特徴とする請求項1または2記載の複層カーテン塗布方法。
  4. 前記供給タンクの容量が、10分以上100分以下の塗布時間における流出量であることを特徴とする請求項1ないし3いずれかひとつ記載の複層カーテン塗布方法。
  5. 第1及び第2の塗布液を塗布ダイから出して、支持体よりも大きな幅のカーテン膜を形成し、前記支持体の上に前記第1及び第2の塗布液が重なる塗膜を付与する複層カーテン塗布装置において、
    前記第1塗布液を前記塗布ダイに供給する第1供給タンク及び第1ポンプと、
    前記第2塗布液を前記塗布ダイに供給する第2供給タンク及び第2ポンプと、
    前記支持体に塗布されずに流下した前記第1及び第2の塗布液を混合した状態で回収する回収手段と、
    前記第1塗布液に混入している第2塗布液の比率が一定範囲となるように、前記回収塗布液を前記第1供給タンクに送る送液手段と、
    を備えることを特徴とする複層カーテン塗布装置。
  6. 前記一定範囲の比率となるように、塗布開始前の前記第1供給タンクに第2塗布液が入れられて第1塗布液と混合され、
    この第2塗布液が混合された第1塗布液を用いて塗布が開始されることを特徴とする請求項5記載の複層カーテン塗布装置。
  7. 前記第1及び第2の塗布液の混合による影響が少ない方が第1塗布液とされることを特徴とする請求項5または6記載の複層カーテン塗布装置。
  8. 前記供給タンクは、10分以上100分以下の塗布時間における流出量を容量として有することを特徴とする請求項5ないし7いずれかひとつ記載の複層カーテン塗布装置。
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