JP4017105B2 - 切削性および熱間加工性に優れたアルミニウム合金鋳造棒 - Google Patents

切削性および熱間加工性に優れたアルミニウム合金鋳造棒 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、切削性および熱間加工性に優れたアルミニウム合金鋳造棒、詳しくは、環境保護の点で有害で公害問題を生じるおそれがあるPbを含有せず、熱間鍛造用として好適に使用し得る切削性および熱間加工性に優れたアルミニウム合金鋳造棒に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、切削用アルミニウム合金には低融点金属が添加され、低融点金属はアルミニウムマトリックスに中にほとんど固溶せず、第2相としてマトリックス中に分散することにより、切削時に切り粉が微細に分断されて切削性が高められる。従って低融点金属の分散状態および粒子径が切り粉の分断に大きく影響する。
【0003】
従来、切削用高強度アルミニウム合金として知られているA2011合金は、切削性を向上させるためにPbとBiが添加されている。Pbはマトリックス中に微細分散し易く、従って切り粉が微細に分断されて良好な切削性が得られるが、近年、Pbによる公害問題が採り上げられており、地球環境保護の観点から、有害なPbを含有しない切削用アルミニウム合金の開発が要請されるようになっている。
【0004】
Pbに代えてSnを含有させた2000系の切削用アルミニウム合金として、Cu:4.5〜6.0%、Si:0.4%以下、Fe:0.7%以下、Zn:0.3%以下、Bi:0.1〜1.0%、Sn:0.2〜0.5%を含有し、残部Alおよび不可避的不純物からなり、ビレットに鋳造して押出加工されるアルミニウム合金(特許文献1参照)が提案されている。
【0005】
上記の特許文献1に示されているアルミニウム合金については、押出用ビレットに造塊し、均質化処理後、熱間押出加工を施し、溶体化処理後、引抜き加工を行い、あるいはその後時効処理を行うが、このアルミニウム合金のように、Pbの代わりにSnを添加して、SnおよびBiを含有させた合金においては、マトリックス中に分散する低融点金属の粒子径がPbを含有する合金の場合の低融点金属の粒子径に比べて大きく、その分散状態もより粗くなるため、切削加工において微細な切り粉の分断が得られない場合があり、また、Snを多量に添加すると、とくに熱間鍛造などの熱間加工時に割れが生じ易くなるという問題がある。
【0006】
同じく、押出または圧延などの熱間加工後に溶体化・焼入れ処理および時効処理を施して切削加工に供されるアルミニウム合金として、Cu:4.8〜5.9%、Bi:0.3〜1.0%、Sn:0.3〜1.0%、Ti:0.005〜0.05%を含有する合金(特許文献2参照)も提案されているが、切削性について上記特許文献1と同様の問題があるとともに、熱間鍛造用として使用する場合、押出や圧延に比べて鍛造型と材料との摩擦が大きいため、歪速度の大きい鍛造加工では熱間割れが生じ易いという難点がある。
【0007】
鍛造用素材は棒材として供給されることが多く、鍛造用素棒は押出棒と鋳造棒に大別されるが、最近では、製造コストの点で、押出棒を鍛造するものに比べて鋳造棒を鍛造するという要望が大きい。しかしながら、Pb、Biなどの低融点金属が添加されたアルミニウム合金鋳造棒は、押出棒と比べると熱間加工が加えられていないため、低融点金属の分散度が劣り、このため鍛造割れが発生し易いという問題点がある。
【0008】
Cu:4〜5.75%、Bi:0.2〜0.9%、Sn:0.12〜1.0%、Fe:0.7%以下、Si:0.4%以下、Zn:0.3%以下を含有し、Snの含有量に対するBiの含有量の比(Bi%/Sn%)を0.8〜5とし、残部Alおよび不純物としたアルミニウム合金(特許文献3参照)が提案され、この合金は、鋳造棒としても提供されることが開示されているが、上記の問題点があり、必ずしも十分な熱間鍛造性をそなえていない。
【0009】
【特許文献1】
米国特許第5803994号公報(クレーム1、第2欄58行〜第3欄21行)
【特許文献2】
特開2001−240931号公報(請求項1、0007段落)
【特許文献3】
米国特許第6113850号公報(クレーム1、第3欄56行〜58行)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、実質的にPb、Cdを含有しない2000系アルミニウム合金の鋳造棒、とくに熱間鍛造用素棒として提供される鋳造棒における上記従来の問題点を解消するためになされたものであり、その目的は、従来のA2011合金と同等の切削性をそなえ、熱間加工性、とくに熱間鍛造性に優れたアルミニウム合金鋳造棒を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための請求項1による切削性および熱間加工性に優れたアルミニウム合金鋳造棒は、Cu:4.0〜6.0%、Sn:0.05〜0.45%、Bi:0.05〜0.45%、Fe:0.10〜0.40%を含有し、残部Alおよび不純物からなり、SnとBiの合計含有量が0.2〜0.8%、Snの含有量に対するBiの含有量の比(Bi%/Sn%)が0.3〜5であり、PbおよびCdの含有量がそれぞれ0.02%以下に規制され、平均結晶粒径が100μm以下で、マトリックス中に分散する低融点金属粒子の平均粒径(円相当直径、以下同じ)が13μm以下であることを特徴とする。
【0012】
請求項2による切削性および熱間加工性に優れたアルミニウム合金鋳造棒は、請求項1において、さらに、Si:0.1〜4.0%を含有することを特徴とする。
【0013】
請求項3による切削性および熱間加工性に優れたアルミニウム合金鋳造棒は、請求項1または2において、さらに、Mn:0.01〜2.0%、Cr:0.01〜0.3%、Zr:0.01〜0.3%、Ni:0.05〜2.3%、V:0.001〜0.2%、Zn:0.01〜0.6%のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の切削性および熱間加工性に優れたアルミニウム合金鋳造棒における合金成分の意義および限定理由について説明すると、Cuは、合金マトリックス中に固溶または析出して強度を高め、それによって切削性を向上させるよう機能する。Cuの好ましい含有範囲は4.0〜6.0%であり、4.0%未満ではその効果が小さく、6.0%を越えると熱間加工性が低下する。Cuのさらに好ましい含有量は4.5〜5.7%の範囲である。
【0015】
Snは、マトリックス中にほとんど固溶せず、マトリックス中に分散することにより切削性を向上させるよう機能する。Snの好ましい含有範囲は0.05〜0.45%であり、0.05%未満ではその効果が小さく、0.45%を越えると熱間加工性が低下する。Snのさらに好ましい含有量は0.06〜0.40%の範囲である。
【0016】
BiもSnと同様に、マトリックス中にほとんど固溶せず、マトリックス中に分散することにより切削性を向上させるよう機能する。Snの好ましい含有範囲は0.05〜0.45%であり、0.05%未満ではその効果が小さく、0.45%を越えると熱間加工性が低下する。Biのさらに好ましい含有量は0.06〜0.40%の範囲である。
【0017】
SnとBiの合計含有量は、切削性に影響するとともに、熱間加工時の割れ発生に影響を与える。好ましい合計含有量は0.2〜0.8%の範囲であり、0.2%未満では切削性の向上効果が十分でなく、0.8%を越えると熱間加工時に割れが生じ易くなり、生産性を大きく低下させる。さらに好ましいSnとBiの合計含有範囲は0.3〜0.7%である。
【0018】
Sn含有量に対するBi含有量の比(Bi%/Sn%)は、切削性に影響するとともに、熱間加工時の割れ発生に影響を与える。好ましい比率は、Bi%/Sn%:0.3/1〜5/1であり、0.3/1未満では、熱間加工時に割れが生じ易くなり生産性を大きく低下させ、5/1を越えると、低融点金属の分散が粗くなって切削加工時の切り粉が分断され難くなり、切削性が劣る。
【0019】
Feは、再結晶粒を微細化し、それによりSn、Biが微細に分散して切削性が向上する。Feの好ましい含有範囲は0.10〜0.40%であり、0.10%未満ではその効果が小さく、0.40%を越えると、粗大な化合物が晶出して熱間加工性が低下する。Feのさらに好ましい含有量は0.15〜0.35%の範囲である。Feは、アルミニウム合金中に不純物として含有されるが、本発明においては上記の範囲に厳密に規制することが重要である。
【0020】
Siは、強度および切削性を向上させるよう機能し、とくにMgと共存することによりMg2 Siを生成して強度を高め、共晶Siを分散させることにより切削性を向上させる。Siの好ましい含有範囲は0.1〜4.0%であり、0.1%未満ではその効果が十分でなく、4.0%を越えると熱間加工性を低下させ、切削加工時の切削工具の寿命を短くする。Siのさらに好ましい含有量は0.1〜3.0%の範囲である。
【0021】
Mnは、Al−Mn系およびAl(MnFe)Si系の化合物粒子を析出して再結晶粒を微細化し、切削性および耐焼き割れ性を向上させるよう機能する。Mnの好ましい含有範囲は0.01〜2.0%であり、0.01%未満ではその効果が小さく、2.0%を越えると熱間加工性が低下する。Mnのさらに好ましい含有量は0.01〜1.5%の範囲である。
【0022】
Crは、再結晶粒を微細化して強度を向上させるよう機能する。Crの好ましい含有範囲は0.01〜0.3%であり、0.01%未満ではその効果が小さく、0.3%を越えると、粗大な化合物が晶出により熱間加工性が低下する。Crのさらに好ましい含有量は0.01〜0.2%の範囲である。
【0023】
ZrはCrと同様、再結晶粒を微細化し、切削性を向上させるよう機能する。Zrの好ましい含有範囲は0.01〜0.3%であり、0.01%未満ではその効果が小さく、0.3%を越えると、粗大な化合物の晶出により熱間加工性が低下する。Zrのさらに好ましい含有量は0.01〜0.2%の範囲である。
【0024】
Niは、Ni系の析出物を析出させ、強度および切削性を向上させるよう機能する。Niの好ましい含有範囲は0.05〜2.3%であり、0.05%未満ではその効果が小さく、2.3%を越えると耐食性が低下する。Niのさらに好ましい含有量は0.5〜2.0%の範囲である。
【0025】
Vは、再結晶粒を微細化して切削性を向上させるよう機能する。Vの好ましい含有範囲は0.001〜0.2%であり、0.001%未満ではその効果が小さく、0.2%を越えると、V化合物の生成により熱間加工性が低下する。
【0026】
Znは、マトリックス中に固溶し、これが熱処理により微細に析出して強度を高め、切削性を向上させる。Znの好ましい含有範囲は0.01〜0.6%であり、0.01%未満ではその効果が小さく、0.6%を越えると、電位の低下による自己消耗が大きくなり耐食性が低下する。Znのさらに好ましい含有量は0.05〜0.5%の範囲である。
【0027】
SnおよびBiを含有させた合金においては、前記のように、マトリックス中に分散する低融点金属の粒子径がPbを含有する合金の場合の低融点金属の粒子径に比べて大きく、その分散状態もより粗くなるため、切削加工において微細な切り粉の分断が得られない場合があり、熱間鍛造時に割れが発生し易いという問題があるが、発明者らは、アルミニウム中にほとんど固溶されない低融点金属は、凝固過程において結晶粒界の最終凝固部に偏在し、結晶粒を微細化することにより低融点金属を均一且つ微細に分散させることができることを見出した。
【0028】
切削性および熱間鍛造加工性を良好にするための低融点金属の微細な分散形態について、試験、検討を行った結果、マトリックス中での低融点金属粒子の好ましい粒径は平均で13μm以下であり、平均粒径が13μmを越えると、切削時に切り粉の分断が生じず、切り粉がドリルやバイトに絡み易く自動排出されないことが認められた。切り粉が自動排出されないと、自動切削加工における生産性が低下するため好ましくない。
【0029】
また、結晶粒の平均粒径が好ましくは100μm以下、さらに好ましくは75μm以下の場合に、低融点金属をマトリックス中に均一且つ微細に分散させることができ、優れた切削性および熱間鍛造加工性を与えることができることがわかった。
【0030】
低融点金属、Sn、Biの微細な分散形態は、Sn、Biを含有する本発明のAl−Cu系合金の鋳造前の溶湯温度、鋳造速度、組織微細化剤の添加の組合わせを調整することにより得ることができる。例えば、直径15〜55mm(鋳造鋳込み径)の本発明合金の鋳造棒を製造する場合、溶湯温度を700〜780℃、鋳造速度250〜1000mm/分の範囲で調整し、鋳込み前に添加する組織微細化剤として、Ti、TiとB、またはTiとCを使用し、Ti単独の場合には0.001%以上、TiとBの場合にはTi:0.0005%以上、B:1ppm以上、TiとCの場合にはTi:0.0005%以上、C:1ppm以上となるように添加することにより、低融点金属の前記微細分散形態を得ることができる。
【0031】
【実施例】
以下、本発明の実施例を比較例と対比して説明し、本発明の効果を実証する。これらに実施例は、本発明の一実施態様であり、本発明はこれに限定されるものではない。
【0032】
実施例1
表1に示す組成のアルミニウム合金A〜Oを溶解し、DC鋳造により直径40mmの鋳造棒を製造した。鋳造時の溶湯温度は720℃、鋳造速度は500mm/分とし、鋳込み前に添加する組織微細化剤として、Ti、AlTiBまたはAlTiCを使用した。
【0033】
得られた鋳造棒を試験材として、直径方向の中央部のミクロ組織を観察して結晶粒径を測定し、低融点金属Sn、Biの平均粒径を求めた。結晶粒径の測定は、ミクロ組織観察用試料を研磨後、ケラー氏液でエッチングし、線分法により行い、Sn、Biの分散状態は、EPMA面分析により倍率320倍で撮影し、画像解析装置(ルーゼックス)により低融点金属粒子の平均粒径を測定した。
【0034】
つぎに、試験材から直径30mm、長さ45mmの円筒状の試料を切り出し、440℃に加熱した後、エアーハンマーを用いて長さ方向に減厚率85%まで鍛造し、割れ発生の有無を観察することにより熱間加工性を評価し、割れが発生しないものを合格(○)、微小割れが生じたもの(△)、3mm以上の割れが生じたもの(×)を不合格とした。また、試験材を510℃で2時間溶体化処理した後、水冷し、180℃で9時間加熱する時効処理を行ってT6調質材とし、引張試験片を採取して、常温で引張試験を行い、耐力250MPa以上のものを合格とした。
【0035】
切削性は、上記のT6調質材を、市販の直径6mmの鋼製ドリルを用いて、回転数1000rpm、送り速度100mm/分の条件で切削し、ドリルへの切り粉の巻き付きの有無により評価し、巻き付きの無いものを合格(○)、巻き付きの有るものを不合格(×)とした。耐食性は、上記のT6材について、JIS Z1271に準拠して100時間の塩水噴霧試験を行い、単位面積当たりの重量損失により評価し、重量損失が100mg/dm2 未満のものを合格(○)、100mg/dm2 以上のものを不合格(×)とした。
【0036】
測定、評価結果を表2に示す。表2にみられるように、本発明に従う試験材No.1〜15はいずれも、耐力250MPa以上の優れた強度を示し、切削加工においてドリルへの切り粉の巻き付きは無く、鍛造割れの発生も無く、優れた切削性、熱間加工性をそなえている。また、塩水噴霧試験における重量損失は100mg/dm2 未満であり、良好な耐食性を有している。
【0037】
【表1】
Figure 0004017105
【0038】
【表2】
Figure 0004017105
【0039】
比較例1
表3に示す組成のアルミニウム合金a〜pを溶解し、DC鋳造により直径40mmの鋳造棒を製造した。鋳造時の溶湯温度は720℃、鋳造速度は500mm/分とした。また、表3に示す組成のアルミニウム合金qを溶解し、DC鋳造により直径90mmの鋳造棒を製造した。この場合の鋳造時の溶湯温度は690℃、鋳造速度は200mm/分とし、合金lを除き、鋳込み前に組織微細化剤としてAlTiBを添加した。
【0040】
得られた鋳造棒を試験材として、実施例1と同様にして、直径方向の中央部の結晶粒径を測定し、低融点金属Sn、Biの平均粒径を測定し、熱間加工性、引張性質、切削性および耐食性を評価した。結果を表4に示す。なお、表3〜4において、本発明の条件を外れたものには下線を付した。
【0041】
【表3】
Figure 0004017105
【0042】
【表4】
Figure 0004017105
【0043】
表4に示すように、試験材No.16はCu量が少ないため強度が劣り、切削時に切り粉がドリルに絡みついた。試験材No.17はCu量が多いため熱間鍛造時に微小割れが生じた。試験材No.18およびNo.20は、それぞれSn量およびBi量が少なく、Bi%/Sn%も本発明の範囲を外れているため、切削性が劣る。試験材No.19およびNo.21は、それぞれSn量およびBi量が多く、SnとBiの合計量も多いため、熱間鍛造で割れが生じた。試験材No.22はFe量が少ないため、平均結晶粒径および低融点金属粒子の平均粒子径が大きくなり切削性が劣る。
【0044】
試験材No.23はFe量が多く、試験材No.24はSi量が多く、試験材No.25はMn量が多く、試験材No.26はCr量が多く、試験材No.28はZr量が多く、試験材No.30はV量が多いため、いずれも熱間鍛造時に微小割れが生じた。Ni量の多い試験材No.29は耐食性が劣っている。試験材No.27は組織微細化剤を添加しなかったため、結晶粒径が大きくなり、切削性および熱間加工性が劣っている。試験材No.31はZn量が多いため耐食性が劣り、試験材No.32は製造条件が適切でなかったため平均結晶粒径および低融点金属粒子の平均粒子径が大きくなり切削性が劣る。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、従来のA2011合金と同等の切削性をそなえ、熱間加工性、とくに熱間鍛造性に優れた2000系(Al−Cu系)アルミニウム合金の鋳造棒が提供される。

Claims (3)

  1. Cu:4.0〜6.0%(質量%、以下同じ)、Sn:0.05〜0.45%、Bi:0.05〜0.45%、Fe:0.10〜0.40%を含有し、残部Alおよび不純物からなり、SnとBiの合計含有量が0.2〜0.8%、Snの含有量に対するBiの含有量の比(Bi%/Sn%)が0.3〜5であり、PbおよびCdの含有量がそれぞれ0.02%以下に規制され、平均結晶粒径が100μm以下で、マトリックス中に分散する低融点金属粒子の平均粒径(円相当直径、以下同じ)が13μm以下であることを特徴とする切削性および熱間加工性に優れたアルミニウム合金鋳造棒。
  2. さらに、Si:0.1〜4.0%を含有することを特徴とする請求項1記載の切削性および熱間加工性に優れたアルミニウム合金鋳造棒。
  3. さらに、Mn:0.01〜2.0%、Cr:0.01〜0.3%、Zr:0.01〜0.3%、Ni:0.05〜2.3%、V:0.001〜0.2%、Zn:0.01〜0.6%のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1または2記載の切削性および熱間加工性に優れたアルミニウム合金鋳造棒。
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