JP4016540B2 - Plasma processing system - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被処理物の表面に存在する有機物等の異物のクリーニング、レジストの剥離、有機フィルムの密着性の改善、金属酸化物の還元、製膜、表面改質などのプラズマ処理に利用されるプラズマを発生させるためのプラズマ処理システム、及びこれを用いたプラズマ処理方法に関するものであり、特に、精密な接合が要求される電子部品の表面のクリーニングに好適に応用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電子部品の表面のクリーニングなどを行うにあたってはプラズマ処理装置が用いられている。図7に示すプラズマ処理装置Aは減圧下でプラズマ処理を行うものであって、減圧チャンバーである反応容器50内に一対の電極51、52を上下に対向配置して形成されている。上側の電極51は高周波を発生する電源15に接続されていると共に下側の電極52は接地されている。また、反応容器50の上部にはガス投入口53が設けられていると共に反応容器50の下部には排気口54が形成されており、排気口54には真空ポンプ55が接続されている。
【0003】
このプラズマ処理装置Aを用いて被処理物6にプラズマ処理を施すにあたっては、まず、下側の電極52の上に被処理物6を載せて反応容器50内に被処理物6を配置する。次に、真空ポンプ55にて排気口54から反応容器50内の空気を脱気して反応容器50内を減圧状態にする。次に、ガス投入口53を通じて反応容器50内にHe(ヘリウム)やAr(アルゴン)などの希ガスを主成分とするプラズマ生成用ガスを投入して反応容器50内をプラズマ生成用ガスで充満する。次に、電極51、52の間に交流電界を印加して放電させることによりプラズマ生成用ガスからプラズマ56を生成する。そして、このようにしてプラズマが生成されると、プラズマ56が被処理物6の表面に供給されて被処理物6がプラズマ処理されるのである。
【0004】
図8に他のプラズマ処理装置Aを示す。このプラズマ処理装置Aは大気圧下でプラズマ処理を行うものであって、下面を吹き出し口1として開放させた円筒状の反応管2の外周に高圧電極3と接地電極4を設けて形成されるものである。このプラズマ処理装置Aを用いて被処理物6にプラズマ処理を施すにあたっては、まず、吹き出し口1の下側に被処理物6を配置する。次に、反応管2内にプラズマ生成用ガスを投入する。次に、高圧電極3と接地電極4の間に交流電界を印加して反応管2内で放電させることによりプラズマ生成用ガスからプラズマを生成する。そして、このようにしてプラズマが生成されると、プラズマが吹き出し口1からプラズマジェット5として吹き出され、吹き出されたプラズマジェット5が被処理物6の表面に吹き付けられて被処理物6がプラズマ処理されるのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のプラズマ処理装置Aでは、被処理物6が平板状であって(例えば、プリント配線板)、プラズマ処理の対象となる被処理部分(例えば、ボンディングパットなどの回路)が被処理物6の表面(上面)に形成されている場合には、プラズマ56やプラズマジェット5を被処理部分に供給することができて被処理物6の被処理部分にクリーニングなどのプラズマ処理を施すことができる。しかし、被処理物6が平板状でなく、しかも、被処理物6の真上からのプラズマ56やプラズマジェット5を供給してもプラズマ56やプラズマジェット5が供給されない箇所に被処理部分が形成されている場合では、上記のいずれのプラズマ処理装置Aを用いても被処理物6の被処理部分にプラズマ処理を施すことができず、均一なプラズマ処理を行うことができないという問題があった。
【0006】
例えば、被処理物6が図9、10に示すような回路ブロック60である場合に上記のような問題が生じる。回路ブロック60は、基台61に上面が開口する凹部62を形成し、凹部62の底面に半導体チップ等の部品63を配設すると共に凹部62の底面や部品63の表面(上面)にボンディングパットなどの回路64が形成されるものであって、基台61の側壁65の上部には凹部62の上面開口に突出する障害部66が延設されている。
【0007】
そして、図7に示すプラズマ処理装置Aで回路ブロック60にプラズマ処理を行うと、プラズマ56は回路ブロック60の真上から供給されるだけであるので、図9に示すように、凹部62の側端部において障害部66よりも下側にプラズマ56が供給されない影部67が形成されることになって、この影部67にある被処理部分70の回路64にプラズマ処理を施すことができず、凹部62の略中央部に位置する被処理部分70のみにプラズマ処理が施されるものであった。また、図8に示すプラズマ処理装置Aで回路ブロック60にプラズマ処理を行う場合でも、プラズマジェット5は回路ブロック60の真上から供給されるだけであるので、図10に示すように、凹部62の側端部において障害部66よりも下側にプラズマジェット5が供給されない影部67が形成されることになって、この影部67にある被処理部分70の回路64にプラズマ処理を施すことができず、凹部62の略中央部に位置する被処理部分70のみにプラズマ処理が施されるものであった。
【0008】
さらに、被処理部が自動車の窓枠のように3次元的に湾曲しており、その湾曲面が被処理部分である場合にも、被処理部分にプラズマ56やプラズマジェット5が均一に供給されにくいので、被処理物を略全体に亘って均一にプラズマ処理することができないという問題があった。
【0009】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、被処理物を略全体に亘って均一にプラズマ処理することができるプラズマ処理システムを提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係るプラズマ処理システムは、被処理物6のプラズマ処理の対象となる被処理部分70の上方に障害部66が形成されており、前記被処理物6に真上から供給されるプラズマジェット5が前記障害部66で遮られて吹き付けられない前記被処理部分70に対してプラズマジェット5を吹き付けるためのプラズマ処理システムであって、片側が吹き出し口1として開放された筒状の反応管2と高圧電極3と接地電極4とを具備して構成され、前記反応管2にプラズマ生成用ガスを導入し、前記高圧電極3と前記接地電極4の間に交流電界を印加することにより、大気圧下で前記反応管2内にグロー放電を発生させ、前記反応管2の前記吹き出し口1から前記プラズマジェット5を吹き出すプラズマ処理装置Aと、前記プラズマ処理装置Aを3次元的に駆動させて前記被処理物6に対する前記プラズマジェット5の吹き出し角度を調整するためのプラズマ処理装置駆動手段30とを備え、前記プラズマ処理装置駆動手段30は、水平面で回転駆動自在に形成されたアーム旋回部32と、前記アーム旋回部32の回転により移動自在に形成された上腕アーム34と下腕アーム36と支持アーム38とを備えた多関節型ロボットからなり、前記下腕アーム36は前記上腕アーム34に垂直面で回動駆動自在に枢着されると共に前記支持アーム38は前記下腕アーム36に垂直面で回動駆動自在に枢着され、前記支持アーム38に前記プラズマ処理装置Aを保持して成ることを特徴とするものである。
【0011】
本発明の請求項2に係るプラズマ処理システムは、被処理物6のプラズマ処理の対象となる被処理部分70の上方に障害部66が形成されており、前記被処理物6に真上から供給されるプラズマジェット5が前記障害部66で遮られて吹き付けられない前記被処理部分70に対してプラズマジェット5を吹き付けるためのプラズマ処理システムであって、片側が吹き出し口1として開放された筒状の反応管2と高圧電極3と接地電極4とを具備して構成され、前記反応管2にプラズマ生成用ガスを導入し、前記高圧電極3と前記接地電極4の間に交流電界を印加することにより、大気圧下で前記反応管2内にグロー放電を発生させ、前記反応管2の前記吹き出し口1から前記プラズマジェット5を吹き出すプラズマ処理装置Aと、前記被処理物6を3次元的に駆動させて前記被処理物6に対する前記プラズマジェット5の吹き出し角度を調整するための被処理物駆動手段85とを備え、前記被処理物駆動手段85は、水平面で回転駆動自在に形成されたアーム旋回部32と、前記アーム旋回部32の回転により移動自在に形成された上腕アーム34と下腕アーム36と被処理物搬送手段80とを備えた多関節型ロボットからなり、前記下腕アーム36は前記上腕アーム34に垂直面で回動駆動自在に枢着されると共に前記被処理物搬送手段80は前記下腕アーム36に垂直面で回動駆動自在に枢着され、前記被処理物搬送手段80は前記被処理物6を保持可能に形成して成ることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0014】
図1に本発明の実施の形態の一例を示す。このプラズマ処理システムはプラズマ処理装置Aとプラズマ処理装置駆動手段30と被処理物搬送手段80とを具備して構成されている。
【0015】
図2に本発明のプラズマ処理装置Aの一例を示す。このプラズマ処理装置Aは、反応管2の外周に高圧電極3と接地電極4を接触させて設けると共に高圧電極3と接地電極4を反応管2の長手方向に並べて対向させて配置することによって形成されており、反応管2の内部において高圧電極3と接地電極4の間に放電空間7が形成されている。
【0016】
反応管2は高融点の絶縁材料(誘電体材料)で円筒状に形成されるものであって、その一端はガス導入口90として、他端は吹き出し口1として開放されている。また、反応管2の吹き出し口1を設けた側の端部は直径が吹き出し口1側ほど小さくなるような先細り形状に絞り込まれたテーパー構造の集束部20が形成されている。集束部20を設けないで吹き出し口1の口径を反応管2の直径とほぼ同じに形成した場合、吹き出し口1から吹き出されるプラズマジェット5の流速を加速するのが難しいが、上記のように、反応管2の端部を吹き出し口1側に向かって徐々に小径となるように絞り込んだ集束部20として形成することによって、放電空間7の体積を小さくすることなくプラズマジェット5の流速を加速することができ、短寿命のラジカルなどの反応性ガス活性粒子が消滅する前に、被処理物6にプラズマジェット5を到達させることができて被処理物6のプラズマ処理を効率よく行うことができるものである。被処理物6の表面のクリーニングに適したプラズマジェット5の流速を得るためには、集束部20の外周面と集束部20以外の反応管2の外周面との間に形成されるテーパー角αが10〜30°であることが好ましい。
【0017】
また、吹き出し口1の開口面積は直径が0.1〜5mmの真円の面積に相当する大きさに形成されている。吹き出し口1の開口面積が上記の範囲よりも小さすぎると、吹き出されるプラズマジェット5の処理範囲が小さくなりすぎて、被処理物6のプラズマ処理に長時間を要することになり、逆に、吹き出し口1の開口面積が上記の範囲よりも大きすぎると、吹き出されるプラズマジェット5の処理範囲が大きくなりすぎて、被処理物に局所的なプラズマ処理を施すことができなくなる恐れがある。
【0018】
反応管2を形成する絶縁材料の誘電率は放電空間7における低温化の重要な要素であって、具体的には絶縁材料として、石英、アルミナ、イットリア部分安定化ジルコニウムなどのガラス質材料やセラミック材料などを例示することができる。
【0019】
高圧電極3と接地電極4は、その冷却効率を高くするために熱伝導性の高い金属材料、例えば、銅、アルミニウム、真鍮、耐食性の高いステンレス(SUS304など)などで形成されており、図3に示すように両電極3、4は同形であって、環状(リング状)に形成されている。高圧電極3と接地電極4の略中央部には挿着孔10が貫通して形成されており、挿着孔10の孔径は反応管2の外径よりもやや大きめに形成されている。また、高圧電極3と接地電極4の内部は冷媒が流通可能な流通部11として形成されており、高圧電極3と接地電極4の外周面には流通部11と連通する供給管12と排出管13が突設されている。
【0020】
高圧電極3と接地電極4の内周面(挿着孔10を構成する面)は反応管2と接触する接触面14として形成されており、接触面14の算術平均粗さで表した表面粗度は10〜1000μmに設定されている。このように接触面14の表面粗度を10〜1000μmに設定することによって、放電空間7における放電の均一化を図ることができる。これはミクロ的に見た場合に、非常に微細なマイクロディスチャージの集合体が形成され、アークへの移行が阻害されるためであると考えられる。高圧電極3と接地電極4の接触面14の表面粗度が10μm未満であれば、放電しにくくなる恐れがあり、高圧電極3と接地電極4の接触面14の表面粗度が1000μmを超えると、放電の不均一化が生じる恐れがある。このように高圧電極3と接地電極4の接触面14を粗面化する加工としては、サンドブラストなどの物理的手段を採用することができる。尚、表面粗さをy=f(x)の形に表した場合の算術平均粗さRa(μm)はJIS B 0601で以下の式(1)で定義されている。
【0021】
【数1】
【0022】
そして、反応管2を挿着孔10に差し込むことによって、高圧電極3と接地電極4を反応管2の外周に取り付けると共に高圧電極3と接地電極4の内周面の接触面14を反応管2の外周面に接触させるように配置する。また、高圧電極3は交流電界を発生させる電源15と接続されると共に接地電極4は接地される。接地電極4は高圧電極3よりも吹き出し口1に近い位置に配置される。このことで、接地電極4が高圧電極3よりも被処理物6に近くに位置することになり、すなわち、高圧電極3が接地電極4よりも被処理物6から遠くに位置することになり、高圧電極3から被処理物6にアーク放電が飛びにくくなって、アーク放電による被処理物6の破損を防止することができるものである。
【0023】
高圧電極3と接地電極4の間隔Lは3〜20mmに設定するのが好ましい。高圧電極3と接地電極4の間隔Lが3mm未満であれば、反応管2の外部で高圧電極3と接地電極4の間で短絡が起こって放電空間7で放電が起こらなくなる恐れがあり、しかも、放電空間7が狭くなって、効率よくプラズマを生成することが難しくなる恐れがある。また、高圧電極3と接地電極4の間隔Lが20mmを超えると、放電空間7で放電が起こりにくくなって、効率よくプラズマを生成することが難しくなる恐れがある。
【0024】
上記の高圧電極3と接地電極4は冷媒により冷却されるが、冷媒としてはイオン交換水や純水も使用することができる。イオン交換水や純水を用いることによって、冷媒中に不純物が含まれることがなく、高圧電極3と接地電極4が冷媒で腐食されにくくなるものである。また、冷媒としては0℃で不凍性を有し、且つ電気絶縁性及び不燃性や化学安定性を有する液体であることが好ましく、例えば、電気絶縁性能は0.1mm間隔での耐電圧が10kV以上であることが好ましい。この範囲の絶縁性を有する冷媒を用いる理由は、高電圧が印加される電極からの漏電を防止するためである。このような性質を有する冷媒としては、パーフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテル等を例示することができ、また純水にエチレングリコールを5〜60重量%添加した混合液であってもよい。さらに冷媒は空気であってもよい。
【0025】
上記のように形成されるプラズマ処理装置Aでは、プラズマ生成用ガスとして不活性ガス(希ガス)あるいは不活性ガスと反応ガスの混合気体を用いる。不活性ガスとしては、ヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトンなどを使用することができるが、放電の安定性や経済性を考慮すると、アルゴンやヘリウムを用いるのが好ましい。また反応ガスの種類は処理の内容によって任意に選択することができる。例えば、被処理物の表面に存在する有機物のクリーニング、レジストの剥離、有機フィルムのエッチングなどを行う場合は、酸素、空気、CO2、N2Oなどの酸化性ガスを用いるのが好ましい。また反応ガスとしてCF4などのフッ素系ガスも適宜用いることができ、シリコンなどのエッチングを行う場合にはこのフッ素系ガスを用いるのが効果的である。また金属酸化物の還元を行う場合は、水素、アンモニアなどの還元性ガスを用いることができ、その添加量は不活性ガスの全量に対して10重量%以下、好ましくは0.1〜5重量%の範囲である。反応ガスの添加量が0.1重量%未満であれば、処理効果が低くなる恐れがあり、反応ガスの添加量が10重量%を超えると、放電が不安定になる恐れがある。
【0026】
上記のように形成されるプラズマ処理装置Aでプラズマジェット5を生成するにあたっては、まず、矢印▲1▼で示すようにガス導入口90から反応管2の内部にプラズマ生成用ガスを導入し、ガス導入口90側から吹き出し口1側に向かってプラズマ生成用ガスを流通させて放電空間7に供給すると共に高圧電極3に電源15から高周波電圧を印加して、高圧電極3と接地電極4の間の放電空間7に高周波の交流電界を印加する。この交流電界の印加により大気圧下で放電空間7にグロー放電を発生させ、グロー放電でプラズマ生成用ガスをプラズマ化してプラズマ活性種を含むプラズマを生成した後、このプラズマを吹き出し口1からプラズマジェット5として連続的に流出させて吹き出すようにする。
【0027】
本発明において、印加される交流電界の周波数は1kHz〜200MHzに設定するのが好ましい。交流の周波数が1kHz未満であれば、放電空間7での放電を安定化させることができなくなり、プラズマ処理を効率よく行うことができなくなる恐れがある。交流の周波数が200MHzを超えると、放電空間7でのプラズマの温度上昇が著しくなり、反応管2や高圧電極3や接地電極4の寿命が短くなる恐れがあり、しかも、プラズマ処理装置が複雑化及び大型化する恐れがある。
【0028】
また本発明において、放電空間7に印加される印加電力は20〜3500W/cm3に設定するのが好ましい。放電空間7に印加される印加電力が20W/cm3未満であれば、プラズマを充分に発生させることができなくなり、逆に、放電空間7に印加される印加電力が3500W/cm3を超えると、安定した放電を得ることができなくなる恐れがある。尚、印加電力の密度(W/cm3)は、(印加電力/放電空間体積)で定義される。
【0029】
また上記のようにプラズマジェット5を発生させている間、高圧電極3と接地電極4は冷媒により冷却されている。つまり、矢印▲2▼で示すように供給管12を通じて高圧電極3と接地電極4の内部の流通部11に冷媒を供給することによって、高圧電極3と接地電極4が冷却される。流通部11に供給された冷媒は、矢印▲3▼で示すように排出管13を通じて排出される。そして、高圧電極3と接地電極4を冷媒により冷却するので、大気圧下で周波数の高い交流でプラズマを生成しても、高圧電極3と接地電極4の両方の温度上昇をより抑えることができ、よって放電空間7に生成されるプラズマの温度(ガス温度)がより高くならないようにすることができて被処理物6の熱的損傷をより少なくすることができるものである。また高圧電極3と接地電極4の両方を冷却することによって、放電空間7の局所的な加熱をより防ぐことができ、より均質なグロー放電を生成してストリーマー放電の生成を抑えることができて被処理物6のストリーマー放電による損傷をより少なくすることができるものである。これは、高圧電極3と接地電極4の両方を冷却することによって、高圧電極3と接地電極4の両方からの部分的な電子の放出が抑えられるためであると考えられる。
【0030】
そして本発明では、放電空間7に交流電界を印加するための高圧電極3と接地電極4の両方を反応管2の外側に設けるので、高圧電極3と接地電極4の両方が放電空間7に生成されるプラズマに直接曝されることが無くなって、プラズマによりスパッタリングを受けないようにすることができると共に反応ガスにより腐食されないようにすることができ、高圧電極3と接地電極4がダメージを受けなくなって寿命を長くすることができるものである。しかも、スパッタリングや腐食により不純物が生じないので、長期間の使用であっても被処理物6が不純物より汚染されないようにすることができるものである。
【0031】
また、高圧電極3と接地電極4をプラズマ生成用ガスの導入方向と略平行に並ぶように、すなわち、高圧電極3と接地電極4を反応管2の長手方向に並べて対向させて配置するので、放電空間7に生成される交流電界の方向とプラズマ生成用ガス及びプラズマジェット5の流れ方向とをほぼ一致させることができ、プラズマジェット5の活性種を効率よく生成することができるものであり、しかも、高圧電極3と接地電極4の間隔Lを変えることによって、放電空間7の大きさを簡単に変えることができ、プラズマジェット5の生成量を容易に調整することができるものである。
【0032】
図1に示すプラズマ処理装置駆動手段30は多関節型ロボットで形成されている。31は床面上に設置される基盤であって、基盤31の上面にはアーム旋回部32が基盤31に対して水平面で回転駆動自在に設けられている。また、アーム旋回部32の上面には制御部33が設けられている。この制御部33にはプラズマ処理装置駆動手段30の動作を制御する回路が内蔵されている。また、制御部33はアーム旋回部32の回転により水平面で回転駆動自在に形成されている。制御部33の上部には上腕アーム34の一端が肩軸35により枢着されている。この上腕アーム34は肩軸35を軸として垂直面で回動(回転)駆動自在に形成されている。上腕アーム34の他端には下腕アーム36の一端が肘軸37により枢着されている。この下腕アーム36は肘軸37を軸として垂直面で回動(回転)駆動自在に形成されている。下腕アーム36の他端には支持アーム38の一端が手首軸39により枢着されている。この支持アーム38は手首軸39を軸として垂直面で回動(回転)駆動自在に形成されている。従って、上腕アーム34と下腕アーム36と支持アーム38は制御部33の回転により水平面で移動自在に形成されている。そして、支持アーム38の他端は把持する把持部40として形成されており、把持部40にプラズマ処理装置Aの反応管2を把持させることによって、プラズマ処理装置駆動手段30にプラズマ処理装置Aを保持させることができるものである。尚、アーム旋回部32、上腕アーム34、下腕アーム36、支持アーム38の回転駆動や回動駆動及び把持部40の把持の際の駆動は、油圧モータや油圧シリンダーや空気圧シリンダーなどのアクチュエータを駆動源として行われる。
【0033】
また、図4に示すように、反応管2のガス導入口90側の端部にはキャップ71が取り付けられている。このキャップ71にはガス導入管72が突設されており、ガス導入管72にはホースなどで形成されるガス供給ラインが接続されている。そして、プラズマ生成用ガスはガス供給ライン、ガス導入管72、キャップ71、ガス導入口90を通じて反応管2に供給されるように形成されている。また、高圧電極3及び接地電極4の供給管12にはホースなどで形成される冷媒供給ラインが接続されていると共に、高圧電極3及び接地電極4の排出管13にはホースなどで形成される冷媒排出ラインが接続されている。そして、冷媒は冷媒供給ラインを通じて高圧電極3及び接地電極4に供給され、冷媒排出ラインを通じて高圧電極3及び接地電極4から排出されるように形成されている。
【0034】
このように形成されるプラズマ処理装置駆動手段30の制御部33に内蔵される回路とパーソナルコンピュータ等で形成される制御用端末41は制御線42により電気的に接続されており、制御用端末41によりプラズマ処理装置駆動手段30が制御自在に形成されている。すなわち、プラズマ処理時においてプラズマ処理装置Aをどのような位置に配置するかを位置情報として制御用端末41に入力すると、この位置情報が制御線42を通じて制御部33の回路に入力されるものであり、制御部33の回路に入力された位置情報に基づいて、制御部33でアーム旋回部32を水平面で回転駆動させたり上腕アーム34や下腕アーム36や支持アーム38を回動(回転)駆動させるものである。そして、アーム旋回部32を水平面で回転駆動させたり上腕アーム34や下腕アーム36や支持アーム38を回動(回転)駆動させてプラズマ処理装置駆動手段30を動作させることによって、プラズマ処理装置Aの位置や姿勢をほぼ任意に変更することができるものである。
【0035】
被処理物搬送手段80はベルトコンベアなどで形成されているものであって、被処理物6をインラインで搬送するためのものであり、複数本の駆動ローラー81にベルト82を無端ループ状に掛架して形成されるものである。そして、ベルト82は駆動ローラー81の回転駆動により一方向に進行駆動自在に形成されている。この被処理物搬送手段80はプラズマ処理装置駆動手段30に保持されたプラズマ処理装置Aの下方に配置されている。
【0036】
上記のようなプラズマ処理システムを用いて被処理物6の被処理部分70にプラズマ処理を施すにあたっては、次のようにして行う。まず、プラズマ処理装置Aの反応管2の吹き出し口1が下側に向いて反応管2の軸方向が鉛直方向と略平行になるように、プラズマ処理装置駆動手段30の動作によりプラズマ処理装置Aを移動駆動させる。次に、被処理物搬送手段80のベルト82の上に被処理物6を載せ、ベルト82の進行駆動により被処理物6を反応管2の吹き出し口1の下側にまで搬送する。次に、吹き出し口1から吹き出されるプラズマジェット5を被処理物6の被処理部分70に上方から吹き付けて被処理部分70にプラズマ処理を施す。この後、ベルト82の進行駆動により被処理物6を次工程に搬送する。
【0037】
被処理物6が平板状であって、被処理部分7が被処理物6の表面(上面)に形成されている場合は、プラズマジェット5を上方から吹き付けるだけで被処理部分70のプラズマ処理を行うことができるが、被処理物6が障害部66を有する回路ブロック60である場合には、図4に示すように、プラズマ処理装置駆動手段30の動作によりプラズマ処理装置Aを3次元的(鉛直方向と水平方向と斜め方向)に移動駆動させて鉛直方向に対して傾けて、被処理物6に対するプラズマジェット5の吹き出し角度を変更する。このようにして被処理物6に対するプラズマジェット5の吹き出し角度を変更することによって、被処理物6に真上からプラズマジェット5を供給するだけでは障害部66が邪魔になって被処理部分70のプラズマ処理が行えない場合であっても、障害部66を避けて(迂回して)影部67にある被処理部分70にプラズマジェット5を直接吹き付けることができる。図4の場合は、凹部62の上面開口及び影部67の側面開口を通じてプラズマジェット5を被処理部分70に吹き付けるようにしている。
【0038】
上記の実施の形態では、プラズマ処理装置Aを3次元的に駆動させて被処理物6の被処理部分7に対するプラズマジェット5の吹き出し角度を調整するためのプラズマ処理装置駆動手段30を備えているので、真上からのプラズマジェット5の吹き出しではプラズマジェット5が供給されにくい箇所が影部67として被処理物6に存在していても、プラズマ処理装置駆動手段30の動作により、プラズマ処理装置Aを3次元的に駆動させて被処理物6の被処理部分7に対するプラズマジェット5の吹き出し角度を調整することによって、影部67の被処理部分7にプラズマジェット5を確実に供給することができ、被処理物6の略全体に亘って被処理部分70に均一なプラズマ処理を施すことができるものである。
【0039】
図5に他の実施の形態を示す。このプラズマ処理システムは、上記と同様のプラズマ処理装置Aと被処理物駆動手段85とを備えて形成されている。プラズマ処理装置Aは、その反応管2の吹き出し口1が下側に向いて反応管2の軸方向が鉛直方向と略平行になるように配設されている。そして、吹き出し口1の下方に被処理物駆動手段85が配設されている。
【0040】
被処理物駆動手段85は多関節型ロボットで形成されている。33は床面上に設置される制御部であって、制御部33の上面にはアーム旋回部32が制御部33に対して水平面で回転駆動自在に設けられている。この制御部33には被処理物駆動手段85の動作を制御する回路が内蔵されている。また、アーム旋回部32の上面には肩軸受け86が設けられており、肩軸受け86には上腕アーム34の一端(下端)が肩軸35により枢着されている。この上腕アーム34は肩軸35を軸として垂直面で回動(回転)駆動自在に形成されている。上腕アーム34の他端(上端)には下腕アーム36の一端(下端)が肘軸37により枢着されている。この下腕アーム36は肘軸37を軸として垂直面で回動(回転)駆動自在に形成されている。下腕アーム36の他端(上端)にはベルトコンベアなどで形成される上記と同様の被処理物搬送手段80が手首軸39により枢着されている。手首軸39は被処理物搬送手段80から下方に突設された手首軸受け87と下腕アーム36の他端(上端)を貫通するように設けられており、このことで被処理物搬送手段80は手首軸39を軸として垂直面で回動(回転)駆動自在に形成されている。従って、上腕アーム34と下腕アーム36と被処理物駆動手段85はアーム旋回部32の回転により水平面で移動自在に形成されている。また、被処理物搬送手段80のベルト82において、吹き出し口1の直下に位置する部分の下側には、被処理物6を吸引により保持する吸引装置88が設けられている。尚、アーム旋回部32、上腕アーム34、下腕アーム36、被処理物搬送手段80の回転駆動や回動駆動は、油圧モータや油圧シリンダーや空気圧シリンダーなどのアクチュエータを駆動源として行われる。
【0041】
このように形成される被処理物駆動手段85の制御部33に内蔵される回路とパーソナルコンピュータ等で形成される制御用端末41は制御線42により電気的に接続されており、制御用端末41により被処理物駆動手段85が制御自在に形成されている。すなわち、プラズマ処理時において被処理物6をどのような位置に配置するかを位置情報として制御用端末41に入力すると、この位置情報が制御線42を通じて制御部33の回路に入力されるものであり、制御部33の回路に入力された位置情報に基づいて、制御部33でアーム旋回部32を水平面で回転駆動させたり上腕アーム34や下腕アーム36や被処理物搬送手段80を回動(回転)駆動させるものである。そして、アーム旋回部32を水平面で回転駆動させたり上腕アーム34や下腕アーム36や被処理物搬送手段80を回動(回転)駆動させて被処理物駆動手段85を動作させることによって、被処理物6の位置や姿勢をほぼ任意に変更することができるものである。
【0042】
上記のようなプラズマ処理システムを用いて被処理物6の被処理部分70にプラズマ処理を施すにあたっては、次のようにして行う。まず、被処理物搬送手段80のベルト82の上に被処理物6を載せ、ベルト82の進行駆動により被処理物6を反応管2の吹き出し口1の下側にまで搬送する。次に、吹き出し口1から吹き出されるプラズマジェット5を被処理物6の被処理部分70に上方から吹き付けて被処理部分70にプラズマ処理を施す。この後、ベルト82の進行駆動により被処理物6を次工程に搬送する。
【0043】
被処理物6が平板状であって、被処理部分7が被処理物6の表面(上面)に形成されている場合は、プラズマジェット5を上方から吹き付けるだけで被処理部分70のプラズマ処理を行うことができるが、被処理物6が障害部66を有する回路ブロック60である場合には、図6に示すように、被処理物駆動手段85の動作により被処理物6を3次元的(鉛直方向と水平方向と斜め方向)に移動駆動させて鉛直方向に対して傾けて、被処理物6に対するプラズマジェット5の吹き出し角度を変更する。この時、被処理物6がベルト82からずれ落ちないように吸引装置88で吸引して保持しておく。このようにして被処理物6に対するプラズマジェット5の吹き出し角度を変更することによって、被処理物6に真上からプラズマジェット5を供給するだけでは障害部66が邪魔になって被処理部分70のプラズマ処理が行えない場合であっても、障害部66を避けて(迂回して)影部67にある被処理部分70にプラズマジェット5を吹き付けることができる。図6の場合は、凹部62の上面開口及び影部67の側面開口を通じてプラズマジェット5を被処理部分70に吹き付けるようにしている。
【0044】
この実施の形態では、被処理物6を3次元的に駆動させて被処理物6の被処理部分7に対するプラズマジェット5の吹き出し角度を調整するための被処理物駆動手段85とを備えているので、真上からのプラズマジェット5の吹き出しではプラズマジェット5が供給されにくい箇所が影部67として被処理物6に存在していても、被処理物駆動手段85の動作により、被処理物6を3次元的に駆動させて被処理物6の被処理部分7に対するプラズマジェット5の吹き出し角度を調整することによって、影部67にプラズマジェット5を確実に供給することができ、被処理物6の略全体に亘って被処理部分70に均一なプラズマ処理を施すことができるものである。
【0045】
また、図1の実施の形態では、プラズマ処理装置Aに接続されるガス供給ラインや冷媒供給ラインや冷媒排出ラインが邪魔になってプラズマ処理装置Aを移動駆動させにくくなり、プラズマ処理がスムーズに行えない場合があるが、図5に示す実施の形態では、プラズマ処理装置Aを移動させず、被処理物6の方を移動駆動するので、ガス供給ラインや冷媒供給ラインや冷媒排出ラインが邪魔になるようなことがなく、プラズマ処理をスムーズに行うことができる。
【0046】
【実施例】
以下本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0047】
(実施例1)
図1に示すプラズマ処理システムを用いて被処理物6にプラズマ処理を施した。被処理物6として図4に示すようなICが搭載された回路ブロック60を用いた。この回路ブロック60は次のようにして作成した。まず、凹部62が形成された異形の基台(帝人(株)製のアモデル)61の表面(凹部62の底面)に電解金めっきを施して厚み0.5μmの回路(ボンディングパッドを含む)64を形成した。次に、この基台61にクリーム半田をスクリーン印刷し、クリーム半田にチップ抵抗を搭載してリフロー炉でチップ抵抗を基台61に接合した。さらに、基台61の凹部62の底面にエポキシ系銀パラジウム接着剤(日本ネーブルスティック製の84−IMI)を塗布し、部品63(IC)をダイマウンターでマウントし、175℃、1.5時間の加熱によって接着剤を硬化させて凹部62の底面に部品63を搭載した。
【0048】
プラズマ生成の条件としては、不活性ガスであるヘリウムとアルゴンおよび反応ガスの酸素の混合気体をプラズマ生成用ガスとして用い、ヘリウムの流量を1リットル/分、アルゴンの流量を3リットル/分、酸素の流量を50cc/分と設定した。また、高圧電極3への高周波の印加条件を周波数13.56MHz、印加電力を300Wとし、5秒間プラズマ処理を行った。その結果、プラズマ処理なしでの回路64のボンディング強度が5.1gであったのに対して、プラズマ処理をすることでボンディング強度が8.9gと向上した。
【0049】
(実施例2)
図5に示すプラズマ処理システムを用いて被処理物6にプラズマ処理を施した。被処理物6としては実施例1と同様のものを用いた。また、プラズマ生成の条件としては、不活性ガスであるヘリウムとアルゴンおよび反応ガスの酸素の混合気体をプラズマ生成用ガスとして用い、ヘリウムの流量を1リットル/分、アルゴンの流量を3リットル/分、酸素の流量を50cc/分と設定した。また、高圧電極3への高周波の印加条件を周波数200MHz、印加電力を200Wとし、5秒間プラズマ処理を行った。その結果、プラズマ処理なしでの回路64のボンディング強度が5.1gであったのに対して、プラズマ処理をすることでボンディング強度が10.2gと向上した。
【0050】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1の発明は、被処理物のプラズマ処理の対象となる被処理部分の上方に障害部が形成されており、前記被処理物に真上から供給されるプラズマジェットが前記障害部で遮られて吹き付けられない前記被処理部分に対してプラズマジェットを吹き付けるためのプラズマ処理システムであって、片側が吹き出し口として開放された筒状の反応管と高圧電極と接地電極とを具備して構成され、前記反応管にプラズマ生成用ガスを導入し、前記高圧電極と前記接地電極の間に交流電界を印加することにより、大気圧下で前記反応管内にグロー放電を発生させ、前記反応管の前記吹き出し口から前記プラズマジェットを吹き出すプラズマ処理装置と、前記プラズマ処理装置を3次元的に駆動させて前記被処理物に対する前記プラズマジェットの吹き出し角度を調整するためのプラズマ処理装置駆動手段とを備え、前記プラズマ処理装置駆動手段は、水平面で回転駆動自在に形成されたアーム旋回部と、前記アーム旋回部の回転により移動自在に形成された上腕アームと下腕アームと支持アームとを備えた多関節型ロボットからなり、前記下腕アームは前記上腕アームに垂直面で回動駆動自在に枢着されると共に前記支持アームは前記下腕アームに垂直面で回動駆動自在に枢着され、前記支持アームに前記プラズマ処理装置を保持しているので、真上からのプラズマジェットの吹き出しではプラズマジェットが供給されにくい箇所が前記被処理物に存在していても、前記プラズマ処理装置駆動手段の動作により、前記プラズマ処理装置を3次元的に駆動させて前記被処理物に対するプラズマジェットの吹き出し角度を調整することによって、真上からのプラズマジェットの吹き出しではプラズマジェットが供給されにくい箇所の被処理部分にも障害部を避けてプラズマジェットを確実に供給することができ、前記被処理物を略全体に亘って均一にプラズマ処理することができるものである。
【0051】
また本発明の請求項2の発明は、被処理物のプラズマ処理の対象となる被処理部分の上方に障害部が形成されており、前記被処理物に真上から供給されるプラズマジェットが前記障害部で遮られて吹き付けられない前記被処理部分に対してプラズマジェットを吹き付けるためのプラズマ処理システムであって、片側が吹き出し口として開放された筒状の反応管と高圧電極と接地電極とを具備して構成され、前記反応管にプラズマ生成用ガスを導入し、前記高圧電極と前記接地電極の間に交流電界を印加することにより、大気圧下で前記反応管内にグロー放電を発生させ、前記反応管の前記吹き出し口から前記プラズマジェットを吹き出すプラズマ処理装置と、前記被処理物を3次元的に駆動させて前記被処理物に対する前記プラズマジェットの吹き出し角度を調整するための被処理物駆動手段とを備え、前記被処理物駆動手段は、水平面で回転駆動自在に形成されたアーム旋回部と、前記アーム旋回部の回転により移動自在に形成された上腕アームと下腕アームと被処理物搬送手段とを備えた多関節型ロボットからなり、前記下腕アームは前記上腕アームに垂直面で回動駆動自在に枢着されると共に前記被処理物搬送手段は前記下腕アームに垂直面で回動駆動自在に枢着され、前記被処理物搬送手段は前記被処理物を保持可能に形成しているので、真上からのプラズマジェットの吹き出しではプラズマジェットが供給されにくい箇所が前記被処理物に存在していても、前記被処理物駆動手段の動作により、前記被処理物を3次元的に駆動させて前記被処理物に対するプラズマジェットの吹き出し角度を調整することによって、真上からのプラズマジェットの吹き出しではプラズマジェットが供給されにくい箇所の被処理部分にも障害部を避けてプラズマジェットを確実に供給することができ、前記被処理物を略全体に亘って均一にプラズマ処理することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す正面図である。
【図2】同上のプラズマ処理装置を示す正面図である。
【図3】同上の高圧電極と接地電極を示す斜視図である。
【図4】同上の動作を示す断面図である。
【図5】同上の他の実施の形態の一例を示す正面図である。
【図6】同上の動作を示す断面図である。
【図7】従来例を示す断面図である。
【図8】他の従来例を示す正面図である。
【図9】従来例の問題点を示す断面図である。
【図10】従来例の問題点を示す断面図である。
【符号の説明】
1 吹き出し口
2 反応管
3 高圧電極
4 接地電極
5 プラズマジェット
6 被処理物
30 プラズマ処理装置駆動手段
32 アーム旋回部
34 上腕アーム
36 下腕アーム
38 支持アーム
66 障害部
70 被処理部分
80 被処理物搬送手段
85 被処理物駆動手段[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention is used for plasma treatments such as cleaning of foreign substances such as organic substances existing on the surface of an object to be processed, resist peeling, improvement of adhesion of an organic film, reduction of metal oxide, film formation, surface modification, and the like. In particular, the present invention relates to a plasma processing system for generating a plasma and a plasma processing method using the same, and is particularly suitable for cleaning the surface of an electronic component that requires precise bonding.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, a plasma processing apparatus has been used for cleaning the surface of an electronic component. A plasma processing apparatus A shown in FIG. 7 performs plasma processing under reduced pressure, and is formed by vertically arranging a pair of
[0003]
In performing plasma processing on the
[0004]
FIG. 8 shows another plasma processing apparatus A. This plasma processing apparatus A performs plasma processing under atmospheric pressure, and is formed by providing a high-
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
In the above-described plasma processing apparatus A, the
[0006]
For example, the above problem occurs when the
[0007]
When the plasma processing is performed on the
[0008]
Furthermore, even when the portion to be processed is curved three-dimensionally like an automobile window frame and the curved surface is the portion to be processed, the
[0009]
The present invention has been made in view of the above points, and a plasma processing system capable of uniformly plasma-treating an object to be processed over substantially the whole.TheIt is intended to provide.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
A plasma processing system according to
[0011]
A plasma processing system according to
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below.
[0014]
FIG. 1 shows an example of an embodiment of the present invention. The plasma processing system includes a plasma processing apparatus A, a plasma processing
[0015]
FIG. 2 shows an example of the plasma processing apparatus A of the present invention. The plasma processing apparatus A is formed by arranging the
[0016]
The
[0017]
Further, the opening area of the
[0018]
The dielectric constant of the insulating material forming the
[0019]
The high-
[0020]
The inner peripheral surfaces of the high-
[0021]
[Expression 1]
[0022]
Then, by inserting the
[0023]
The distance L between the
[0024]
The
[0025]
In the plasma processing apparatus A formed as described above, an inert gas (rare gas) or a mixed gas of an inert gas and a reactive gas is used as a plasma generating gas. As the inert gas, helium, argon, neon, krypton, or the like can be used, but it is preferable to use argon or helium in consideration of discharge stability and economy. Moreover, the kind of reaction gas can be arbitrarily selected according to the content of processing. For example, when cleaning organic substances existing on the surface of the object to be processed, stripping resist, etching organic films, etc., oxygen, air, CO2, N2It is preferable to use an oxidizing gas such as O. CF as a reaction gas4A fluorine-based gas such as can also be used as appropriate. When etching silicon or the like, it is effective to use this fluorine-based gas. In the case of reducing the metal oxide, a reducing gas such as hydrogen or ammonia can be used, and the amount added is 10% by weight or less, preferably 0.1 to 5% by weight based on the total amount of the inert gas. % Range. If the addition amount of the reaction gas is less than 0.1% by weight, the treatment effect may be lowered, and if the addition amount of the reaction gas exceeds 10% by weight, the discharge may become unstable.
[0026]
In generating the
[0027]
In the present invention, the frequency of the applied AC electric field is preferably set to 1 kHz to 200 MHz. If the AC frequency is less than 1 kHz, the discharge in the discharge space 7 cannot be stabilized, and the plasma treatment may not be performed efficiently. If the AC frequency exceeds 200 MHz, the temperature of the plasma in the discharge space 7 will rise significantly, and the life of the
[0028]
In the present invention, the applied power applied to the discharge space 7 is 20 to 3500 W / cm.3It is preferable to set to. The applied power applied to the discharge space 7 is 20 W / cm.3If it is less, plasma cannot be generated sufficiently, and conversely, the applied power applied to the discharge space 7 is 3500 W / cm.3If it exceeds, stable discharge may not be obtained. The applied power density (W / cm3) Is defined by (applied power / discharge space volume).
[0029]
While the
[0030]
In the present invention, since both the high-
[0031]
Further, since the
[0032]
The plasma processing apparatus driving means 30 shown in FIG. 1 is formed by an articulated robot.
[0033]
As shown in FIG. 4, a
[0034]
The
[0035]
The
[0036]
When the plasma processing is performed on the
[0037]
When the
[0038]
In the above embodiment, the plasma processing apparatus driving means 30 is provided for driving the plasma processing apparatus A three-dimensionally to adjust the blowing angle of the
[0039]
FIG. 5 shows another embodiment. This plasma processing system includes a plasma processing apparatus A and a workpiece driving means 85 similar to those described above. The plasma processing apparatus A is arranged so that the
[0040]
The workpiece driving means 85 is formed by an articulated robot.
[0041]
The
[0042]
When the plasma processing is performed on the
[0043]
When the
[0044]
In this embodiment, the object to be processed 6 is three-dimensionally driven and includes an object to be processed driving means 85 for adjusting the blowing angle of the
[0045]
Further, in the embodiment of FIG. 1, the gas supply line, the refrigerant supply line, and the refrigerant discharge line connected to the plasma processing apparatus A become obstructive, making it difficult to move and drive the plasma processing apparatus A, so that the plasma processing is smooth. In the embodiment shown in FIG. 5, since the plasma processing apparatus A is not moved and the
[0046]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described specifically by way of examples.
[0047]
Example 1
Plasma treatment was performed on the
[0048]
As conditions for plasma generation, a mixed gas of helium, argon, which is an inert gas, and oxygen of a reaction gas is used as a plasma generation gas, the flow rate of helium is 1 liter / minute, the flow rate of argon is 3 liters / minute, oxygen Was set at 50 cc / min. In addition, a high-
[0049]
(Example 2)
Plasma treatment was performed on the
[0050]
【The invention's effect】
As described above, the invention of
[0051]
The invention of
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a front view showing an example of an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a front view showing the plasma processing apparatus.
FIG. 3 is a perspective view showing the high voltage electrode and the ground electrode.
FIG. 4 is a cross-sectional view showing the operation of the above.
FIG. 5 is a front view showing an example of another embodiment according to the present invention.
FIG. 6 is a cross-sectional view showing the operation described above.
FIG. 7 is a cross-sectional view showing a conventional example.
FIG. 8 is a front view showing another conventional example.
FIG. 9 is a cross-sectional view showing a problem of a conventional example.
FIG. 10 is a cross-sectional view showing a problem of a conventional example.
[Explanation of symbols]
1 Outlet
2 reaction tubes
3 High voltage electrode
4 Ground electrode
5 Plasma jet
6 Workpiece
30 Plasma processing apparatus driving means
32 Arm turning part
34 Upper arm
36 Lower arm
38 Support arm
66 Disability
70 Processed part
80 Material transfer means
85 Workpiece drive means
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