JP3959906B2 - Plasma processing apparatus and plasma processing method - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被処理物の表面に存在する有機物等の異物の除去、レジストの剥離、有機フィルムの密着性改善、金属酸化物の還元、製膜、表面改質、液晶用ガラス基板の表面クリーニング等に使用できるプラズマ処理装置、およびこの装置を用いて実施されるプラズマ処理に関するものであり、精密な接合が要求される電子部品の表面クリーニング等に応用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、大気圧下でグロー放電を安定に生成し、このグロー放電により得られるプラズマを用いて、基板に表面処理が実施されている。例えば、特開平2−15171号公報、特開平3−241739号公報あるいは特開平1−306569号公報には、反応容器内の放電空間に一対の電極を設けるとともに、電極間に誘電体を配置して、He(ヘリウム)やAr(アルゴン)等の希ガスを主成分とするプラズマ生成用ガスで放電空間を満たし、電極間に交流電圧を印加してプラズマ生成用ガスのプラズマを生成し、反応容器内に置かれた被処理物をこのプラズマで処理するプラズマ表面処理が開示されている。
【0003】
しかし、この方法には、被処理物の特定領域のみにプラズマ処理を施すことが困難であり、処理時間も長くかかるという問題がある。そこで、大気圧下でグロー放電により生成したプラズマ(特にプラズマの活性種)ジェットを使用して被処理物をプラズマ処理することが提案されている。例えば、特開平4−358076号公報、特開平3−219082号公報、特開平4−212253号公報、特開平6−108257号公報等に種々の方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特開平3−219082号公報、特開平4−212253号公報および特開平6−108257号公報に記載されている方法は、ノズル状の反応管からプラズマを被処理物に噴射するものである。しかし、これらの方法には以下の点で改善の余地がある。
(1)処理範囲が小さいので、大面積を処理するには不適である。
(2)放電空間を小さくすると、放熱性が低下し、反応管の内部が高温になるため、被処理物が熱ダメージを受けやすい。また、放電空間を大きくすると、処理効率が低下する。
(3)反応管の内部が高温になると、電極間あるいは反応管と被処理物の間にストリーマー放電(アーク放電)が発生しやすく、均質なプラズマ処理を安定して提供するのに不適である。
【0005】
また、特開平4−358076号公報は、平板電極間に配置された誘電体板を具備するプラズマ処理装置について開示している。このものにおいては、装置が大型化するという問題だけでなく、以下に述べる理由により高いプラズマ密度を得ることが困難で、処理速度が遅いという問題がある。すなわち、大面積の平板電極であるので、プラズマの単位体積当たりのパワーが小さくなる。印加電力を大きくすることにより、プラズマ密度を改善できるが、電極温度が上昇し、被処理物が熱ダメージを受けたり、電極が破損したり、ストリーマー放電が発生するおそれがある。また、誘電体板を平板電極上に配置する方法においては、構造上の問題から誘電体の厚みを薄くすることが難しい。構造上の問題としては、例えば、誘電体としてガラス板を平板電極上に配置する場合、ガラス板の強度が低い為に1mm以下の厚みのガラス板を大面積にわたって電極に密着させることは困難である。また、セラミックス板を誘電体として使用する場合、十分な強度を有するとともに厚みの薄いセラミック板を製造できるが、平板電極に対応する大面積を有するセラミック板を製造することが困難である。また、ガラス板と同様、電極との密着性の確保も難しい。結果的に、印加電力に対して誘電体部分での電圧降下が無視できず、プラズマの単位体積当たりの電力を増加させるのが困難であった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
したがって、本発明は上記点に鑑みてなされたものであり、ストリーマー放電の発生を防止するとともに、放電空間の下流側に配置された被処理物の大面積を効率良くプラズマ処理できるプラズマ処理装置を提供することを目的とする。本発明のプラズマ処理装置は、少なくとも一対の電極と、電極間に定義される放電空間にプラズマ生成用ガスを供給するガス供給手段と、電極間に交流電圧を印加して、放電空間にプラズマ生成用ガスのプラズマを生成するための電力供給手段とを含むものであり、一対の電極の少なくとも一方は、その外表面に誘電体層を有し、一対の電極の少なくとも一方は、放電空間に突出する曲面を有し、ガス供給手段は放電空間の上流側に配置されるとともに、放電空間を跨ぐようにその下端が前記一対の電極に連結されるガス供給容器を含み、放電空間で生成されたプラズマ生成用ガスのプラズマが前記曲面に沿って広げられ、放電空間の下流側に配置された被処理物をプラズマ処理することを特徴とする。
【0007】
放電空間に突出する曲面を有する電極を使用することは、ストリーマー放電を防止しながら、少ない電力で大きなプラズマ密度を得るのに効果的である。すなわち、先端の尖ったエッジ部を有する電極を放電空間内に突出させた場合、プラズマ密度を大きくできるが、そのようなエッジ部には不平等電界に基づくストリーマー放電(アーク放電)が発生しやすい。一旦、ストリーマー放電が発生すると、プラズマ(グロー放電)が不安定になるためにプラズマ処理を継続できなくなる。また、ストリーマー放電が電極と被処理物との間に発生した場合、被処理物が重大な損傷を受ける恐れがある。電極の曲面を放電空間内に突出させることにより、ストリーマー放電の発生を防止しながら、プラズマ密度を大きくできるのである。放電空間に突出する曲面の曲率半径は、1〜25mmであることが特に好ましい。
【0008】
また、本発明のプラズマ処理装置は、上記の構成に加えて、一対の電極の少なくとも一方に隣接して配置され、プラズマが放電空間から被加工物に向かって広がるようにプラズマを導くプラズマガイド部材を含むことが好ましい。また、プラズマガイド部材は、電極と一体に形成されることも好ましい。プラズマガイド部材は、大面積の被処理物をより効率よくプラズマ処理するのに有効である。
【0009】
また、本発明のプラズマ処理装置の一対の電極の少なくとも一方は、筒状電極、特に円筒状電極であることが好ましい。また、本発明のプラズマ処理装置は、上記の構成に加えて、プラズマ処理中、電極温度を下げるために、電極の内部に冷却材を供給する冷却材供給手段を含むことが好ましい。後述するように、電極の表面温度を下げることは、ストリーマー放電の防止に効果的である。
【0010】
本発明のさらなる目的は、上記プラズマ処理装置を用いて実施されるプラズマ処理方法を提供することである。すなわち、本発明のプラズマ処理方法は、電極間の放電空間にプラズマ生成用ガスを供給する工程と、電極間に交流電圧を印加して放電空間にプラズマ生成用ガスの大気圧プラズマを生成する工程と、大気圧プラズマで被処理物を処理する工程とを含むことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を説明する。
【0012】
図1に示すように、本発明のプラズマ処理装置は、プラズマ3を生成するプラズマ発生器10、制御手段7、被処理物を搬送するための搬送手段11を具備している。プラズマ発生器10は、一対の円筒(パイプ状)電極1,2、ガス供給容器12、ガス供給ユニット5、交流電源13、冷却材供給ユニット20、電極温度測定ユニット24、および支持部材14等で構成されている。
【0013】
図2および図3に示すように、円筒電極1,2は、電極1が電極2に対して実質的に平行に延出するとともに、所定距離dによって互いから離れて配置される。この電極間の空間が放電空間22として定義される。電極1と電極2との間の距離dは、0.1〜5mmとすることが好ましい。電極1は接地され、電極2は交流電源13に接続される。本装置においては、電極1および2の両方が放電空間22に突出する曲面Rを有する。この曲面Rの曲率半径は、1〜25mmに設定するのが好ましい。曲率半径が1mm未満であると、放電空間が小さくなり、プラズマ3を効率良く生成することができなくなる恐れがある。一方、曲率半径が25mmを超えると、放電空間22から被処理物4に向かって広がるようにプラズマ3を吹き出すことができない恐れがある。そのような場合、被処理物4の大面積を効率良くプラズマ処理するのが難しくなる。電極1,2の放熱性を向上させてグロー放電の均一化を図るために、電極1,2を、熱伝導性の高い材料で作成することが好ましい。具体的には、銅、アルミニウム、真鍮、耐食性の良いステンレス鋼等を使用できる。
【0014】
電極の外表面の表面粗さは、算術平均粗さで10〜1000μmに設定することが好ましい。表面粗さをY=f(x)の形に表した場合の算術平均粗さRa(μm)は、JIS B 0601で以下の式(1)によって定義される。
【0015】
【数1】
【0016】
表面粗さが10μm未満であると、プラズマ(グロー放電)3が生成しにくくなる恐れがあり、表面粗さが1000μmを超えると、プラズマ3が不均一になる恐れがある。表面粗さの上記範囲が、グロー放電の均一化を図る上で最適である。これは、非常に微細なマイクロディスチャージの集合体が形成され、アーク放電の発生が防止されるためであると考えられる。電極1,2の表面を粗面化するために、例えば、サンドブラストなどの物理的手段を採用することができる。
【0017】
図1の装置においては、電極1,2の各々は外表面に誘電体層6を有する。誘電体層6は、放電空間22におけるプラズマ3の低温化にとって重要な要素である。誘電体層6は、誘電率が2000もしくはそれ以下の絶縁性材料で作成されるのが好ましい。誘電率が2000を超えると、電極間に印加される電圧が大きくなるが、プラズマの温度上昇を引き起こす恐れがある。誘電率の下限値に関して限定はないが、例えば、2程度である。誘電率が2よりも小さいと、放電を維持するために電極間に印加する交流電圧を増加させる必要がある。この場合、放電空間における電力消費量が増加して、プラズマの温度上昇を引き起こす可能性がある。電極1,2のいずれか一方が誘電層を有する時は、誘電体層6を有する電極を交流電源13に接続することが好ましい。
【0018】
グロー放電の安定化を図る上で、二次電子放出係数の大きい材料の単体、もしくはその混合物で誘電体層を作成することが好ましい。二次電子放出係数の高い材料としては、たとえば、MgO,MgF2,CaF2,LiF等が挙げられる。特に、安定性の点でMgO(マグネシア)の使用が好ましい。これら二次電子放出係数の大きい材料を使用すると、プラズマ中のイオンが誘電体層6の表面に衝突した場合、多量の二次電子が放出され、放電の安定化に寄与する。マグネシアを含む誘電体材料の製造方法を例示すると、アルミナ等のセラミック粉末中に微量(0.01〜5体積%)のマグネシアを添加して燒結する方法、アルミナなどのセラミック粉末中に微量(0.01〜5体積%)のマグネシアを混合して電極表面に溶射する方法、アルミナや石英等の誘電体材料の表面にスパッタ、電子ビーム蒸着、溶射等でMgO被膜を形成する方法が挙げられる。
【0019】
誘電体層6を有する電極1,2は、例えば、以下の方法により製造することができる。まず、絶縁材料で第1の円筒を作成し、上記した電極材料で作成した第2の円筒を第1の円筒の内表面に密着させればよい。また、アルミナ、マグネシア、チタン酸バリウム、PZT等の粉末をプラズマ中に分散させ、電極材料で作成した円筒の外表面に吹き付けるプラズマ溶射法を採用しても良い。さらに、ゾルゲル法によるガラス質膜の形成方法を採用することもできる。
【0020】
以下に述べる融着法により誘電体層を有する電極を製造することが特に好ましい。この方法においては、シリカ、マグネシア、酸化スズ、チタニア、ジルコニア、アルミナ等の無機材料を主成分とするガラス質材料のフリットを溶媒中に分散させる。次いで、電極材料をフリット分散溶媒中に浸漬したり、スプレーガン等の使用によりフリットを電極材料上に吹き付けて電極材料上にガラス質材料の被膜を形成する。得られた被膜を480〜1000℃、3〜15分間加熱して、ガラス質材料の被膜を電極材料に融着する。所望の厚さを有する誘電体層6を得るために、上記操作を繰り返し行っても良い。この融着法は、厚みの薄い誘電体層を作成しやすく、セラミック溶射法によって形成した誘電体層にしばしばみられるようなピンホールの発生が少ないという長所がある。このように、融着法により形成された誘電体層6は、グロー放電の均一化を図る上で好適である。
【0021】
誘電体層の厚さは、0.1〜2mmであることが好ましい。厚さが0.1mm以下であると、誘電体層の耐電圧が低下する。さらに、クラックや剥離が発生しやすく、グロー放電の均一性を維持するのが困難になる恐れがある。厚さが2mmを超えると、耐電圧が高くなりすぎて、やはりグロー放電の均一性を維持するのが困難になる恐れがある。
【0022】
ガス供給容器12は、ガス導入口16とガス導出口17を有する。プラズマ生成用ガスを供給するガス供給ユニット5は、ガス供給ライン15を介してガス導入口16に接続される。ガス供給容器12の奥行き寸法Lは電極の長さとほぼ同じである。ガス供給体の高さHは、プラズマ生成用ガスの安定した流れをガス導出口17から提供するのに最適な長さとすることが好ましい。ガス供給容器12の幅寸法Wは、電極1,2の中心間距離に実質的に等しく、それにより電極間の放電空間22を跨ぐようにガス供給容器12を配置することができる。図3に示すように、ガス供給容器12は、プラズマ生成用ガスがガス供給容器12の内部から放電空間22に流れるように電極に固定される。電極に固定されたガス供給容器12は、図1に示すように、支持部材14によって保持される。
【0023】
冷却材供給ユニット20は、冷却材タンクおよび冷却材を汲み上げるためのポンプを具備している。冷却材9は、純水やイオン交換水を用いることができるが、電気絶縁性および0℃で不凍性を有することがより好ましい。また、冷却材は、電気絶縁性として0.1mm間隔での耐電圧が10kV以上であることが好ましい。このような絶縁性を有する冷却材は、高電圧が印加される電極からの漏電を防ぐのに好適である。上記特性を有する冷却材9としては、例えば、パーフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテル、あるいは純水にエチレングリコールを5〜60重量%添加した混合液を使用することができる。
【0024】
図3に示すように、電極1,2の各々の両端は閉じられている。冷却材供給管21は、その一端でポンプに接続され、冷却材供給管21の他端は、電極1の一端部に接続される。これにより、冷却材が電極1の内部に供給される。冷却材流通管33の一端は、電極1の他端部に接続され、冷却材流通管33の他端は、電極2の一端部に接続される。これにより、電極1の内部から電極2の内部に冷却材9を送ることができる。冷却材排出管23の一端は、電極2の他端部に接続され、冷却材排出管23の他端が冷却材タンクに接続される。したがって、冷却材を循環させて電極1,2を冷却することができる。電極間の絶縁性を維持するために、冷却材流通管33を絶縁材料で形成することが好ましい。
【0025】
電極の表面温度を測定するための電極温度測定ユニット24として、赤外線放射温度計を使用することが好ましい。図1及び図2において、番号40は、ガス供給容器12の上面に設けられた赤外線透過窓40を示す。測定された電極温度はモニター27上に表示されるとともに、後述する制御手段7のマイクロコンピュータ30に送られる。赤外線放射温度計の代りに、熱電対のような温度センサーを使用しても良い。
【0026】
搬送手段11としては、例えば、ベルトコンベヤーを使用することができる。ベルトコンベヤーの使用により連続的に被処理物4をプラズマ処理できる。コンベヤーユニット11は、制御手段7により制御される。本発明を工業的な規模で応用するにあたっては、プラズマ処理装置のさらなる処理効率の改善のために、搬送手段11を使用することが好ましい。
【0027】
制御手段7は、マイクロコンピュータ(パーソナルコンピューター)30で構成され、電極温度測定ユニット24から出力される電極の表面温度をモニターするとともに、電極に印加される交流電圧の大きさ、および被処理物の搬送速度等を制御する。また、冷却材を汲み上げるためのポンプもこの制御手段7により制御可能である。例えば、測定された電極温度が、所定の制御温度よりも高い場合、マイクロコンピューター30は、冷却材の流量を増やすように制御信号をポンプに送る。また、制御手段の信号に基づいて冷却材温度を下げる冷却手段を採用しても良い。
【0028】
次に、上記プラズマ装置を使用して実施されるプラズマ処理方法について説明する。
【0029】
まず、プラズマ生成用ガスがガス供給ユニット5からガス供給容器12に供給される。本発明に使用されるプラズマ生成用ガスは、不活性ガス(希ガス)、あるいは不活性ガスと反応性ガスの混合ガスを用いることができる。不活性ガスとしては、ヘリウム、アルゴン、ネオン、キセノン等を使用することができる。放電の安定性と経済性を考えると、ヘリウム、アルゴンもしくはアルゴンとヘリウムの混合ガスを使用することが好ましい。アルゴンとヘリウムの混合比率は、電極の表面温度と密接に関係する。例えば、電極の表面温度が250℃あるいはそれ以下にする場合、アルゴンを90重量%以下にすることが好ましい。90重量%を超えると、ストリーマー放電の発生頻度が増加する恐れがある。
【0030】
反応ガスは、プラズマ処理の目的に応じて任意に選択される。例えば、被処理物の表面に存在する有機物のクリーニング、レジストの除去、有機材料フィルムのエッチング等を行う場合、酸素、空気、二酸化炭素、水蒸気、N2O等の酸化性ガスを使用することが好ましい。また、シリコンなどのエッチングを行う場合は、CF4等のフッ素系ガスを用いるのが効果的である。また、金属酸化物の還元を行う場合は、水素やアンモニアなどの還元性ガスを用いることができる。一例として、反応ガスの添加量は、不活性ガスに対して10重量%以下、より好ましくは0.1〜5重量%である。上記処理において、反応性ガスによる被処理物表面の酸化やフッ素化が問題になる場合は、不活性ガスのみを使用してプラズマ処理を行っても良い。
【0031】
プラズマ生成用ガスは、ガス導出口17を介して電極間の放電空間22に供給される。プラズマ3は、交流電圧を電極に印加することにより生成される。本発明のプラズマ処理装置においては、交流電源の周波数を、50Hz〜200MHz、特に1kHz〜200MHzの範囲内に設定することが好ましい。周波数が、50Hz未満であると、安定した放電を維持するのが困難になる恐れがある。一方、周波数が200MHzを超えると、プラズマ温度の上昇が顕著になる。
【0032】
また、本発明のプラズマ処理装置を使用してプラズマ処理を実施する場合、特に限定しないが、プラズマの単位体積当たりの電力が10〜10000W/cm3で、プラズマ3の流速が20〜10000cm/秒であることが好ましい。上記条件を逸脱した場合、プラズマ処理が不完全であったり、被処理物に熱的なダメージを与える恐れがある。したがって、交流電圧の大きさ、プラズマ生成ガスの供給量や供給速度を上記範囲に入るように調節することが好ましい。
【0033】
プラズマ処理中、電極の表面温度を、250℃以下、より好ましくは200℃以下に保つことが好ましい。電極の表面温度が250℃を超えると、ストリーマー放電が放電空間22に生成される恐れがある。電極の表面温度の下限値に関して限定はない。例えば、下限値は0℃であっても良い。換言すれば、冷却材9が凍結しない温度であればよい。また、空冷により電極1,2を十分に冷却できる場合は、冷却材を使用する必要はない。
【0034】
ところで、ストリーマー放電(アーク放電)の発生原因の一つは、プラズマによる電極温度の上昇にあると考えられている。本発明のプラズマ処理において、プラズマ3は、プラズマ生成用ガスの大気圧付近の圧力で生成される。このプラズマ3中では、ガス粒子が絶えず衝突を繰り返している。減圧プラズマと比較して、大気圧プラズマにおいては平均自由行路が短い。これは、大気圧プラズマ中においてガス粒子の衝突頻度が高いことを意味する。衝突頻度が高くなると、プラズマ温度は上昇する。また、プラズマ中のガス粒子の衝突頻度は、交流電源の周波数にも密接に関係する。周波数が高くなるにつれて、プラズマ処理に好適なラジカルやイオンの量は増加するが、プラズマ温度は上昇し、結果的に、電極の表面温度も上昇する。特に、プラズマに曝されている電極表面の温度上昇は顕著である。この温度上昇は、電極表面から局所的な電子の放出を招き、それが原因となってストリーマー放電が発生すると考えられている。一旦、ストリーマー放電が生じると、プラズマ(グロー放電)が不安定になり、プラズマ処理を継続することができない。電極と被処理物の間にストリーマー放電が発生した場合は、ストリーマー放電が被処理物の表面に重大な損傷を及ぼす恐れがある。また、ストリーマー放電により、電極材料の一部が蒸発して、被処理物に蒸着されるという問題もある。
【0035】
本発明の図1のプラズマ処理装置においては、ストリーマー放電の発生を防ぐために、放電空間22に突出する曲面Rを有する円筒電極1,2を使用するとともに、電極内部に冷却材9を供給する冷却材供給ユニット20が、電極の表面温度を下げ、電極表面からの局所的な電子放出を防ぐために設けられている。したがって、プラズマ処理中、均一なグロー放電を安定に維持することができるのである。
【0036】
また、円筒状の電極1,2を使用しているので、電極間の距離を狭めることによりプラズマの単位体積あたりの電力(プラズマ密度)を大きくできるとともに、図4Aの矢印で示されるように、円筒電極の外周面に沿って放電空間22から下側に広がるプラズマ3のジェット(プラズマ流)を生成できる。被処理物4をこの高いプラズマ密度を有する拡張されたプラズマジェット3で処理することにより、処理効率を改善することができる。これに対して、図4Bに示すように、平板状電極1S,2Sを使用した場合、狭い幅のプラズマジェット(プラズマ流)3Sが電極間の放電空間22Sから提供されるにすぎない。また、前途したように、相対的にプラズマの単位体積当たりの電力を大きくとることが困難である。したがって、被加工物4Sの処理領域が制限されてしまう。図4Aにおいて、番号6Sは誘電体板を示す。
【0037】
電極構造の第1変更例として、図5に示すように、断面が略三角形の一対の筒状電極(1A,2A)を使用しても良い。電極は、電極1Aの底面が、電極2Aの底面と同一平面上にあるように配置される。また、電極1Aは、電極2Aに対して実質的に平行に配置されている。放電空間22は、電極1A,2Aの対向する頂点部の間に定義される。この頂点部の各々には、曲面Rが設けられ、これらの曲面Rが放電空間22内に突出している。放電空間に突出する曲面Rは、1〜25mmの曲率半径を有することが好ましい。電極の内部には、冷却材9を循環させる。また、電極の各々は、最表面にアルミナの誘電体層6を有する。電極の下部には、断面が三角形の一対のプラズマガイド部材50が設けられ、プラズマ拡散ゾーン35を形成している。このプラズマ拡散ゾーン35は、プラズマ3が放電空間22から被加工物4に向かって広がるようにプラズマを導くためのものである。円筒電極(1,2)を使用している図1のプラズマ処理装置においては、円筒電極それ自体の構造により、プラズマが放電空間から被処理物に向かって広がるように導かれる。換言すれば、電極の各々は、プラズマガイド部材の役割を担うプラズマガイド部を兼ね備えている。放電空間22内に生成されたプラズマ3は、プラズマガイド部、すなわち円筒電極の外表面の一部に沿って広がり、被加工物4に到達する。図4において、番号35は、電極の下に形成されるプラズマ拡散ゾーンを示す。
【0038】
電極構造の第2変更例として、図6に示すように、断面が略三角形の一対の電極(1B,2B)を使用することができる。尚、図6に示すように、電極が配置される場合、プラズマガイド部材を別途設けることなく、電極の下にプラズマ拡散ゾーン35を形成することができる。
【0039】
電極構造の第3変更例として、図7に示すように、断面が矩形形状である第1電極1Cと断面が楕円形状の第2電極2Cを使用しても良い。この場合、第2電極2Cの曲面Rと第1電極1Cの平坦面の間に放電空間22が形成される。また、平坦表面上に突出する略半球状表面を有する少なくとも一つの電極を使用し、略半球状表面が放電空間に突出するように電極を配置しても良い。
【0040】
また、図8に示すようなプラズマ発生器10を使用することも好ましい。このプラズマ発生器は、個々の電極ペアが円筒構造を有する電極1及び電極2でなる複数の電極ペア、及びガス導入口16を有するガス供給容器12を具備している。複数の電極1と電極2は、電極1の各々が隣接する電極2に対して実質的に平行に延出するように互い違いに配置される。電極1は隣接する電極2から距離dによって離されており、電極間に放電空間22が定義される。すべての電極2は、交流電源に接続され、すべての電極1は接地される。電極1、2は、その外表面に誘電体層6を有する。また、隣接する電極1,2の各々の外周曲面は、放電空間22内に突出している。プラズマ生成用ガスがガス導入口16を介してガス供給容器12の内部に供給され、電極間に交流電圧を印加することにより、複数のプラズマ3が生成される。
【0041】
図9は、複数のプラズマで被処理物を処理するためのプラズマ処理装置の概略断面図である。電極1,2は、インライン型扉63を両端に有する処理容器60内に配置されている。インライン型扉の代りにシャトル型扉を使用しても良い。すべての電極2は、交流電源13に接続され、すべての電極1は接地される。図中、番号61は、プラズマ生成用ガスを処理容器60内に供給するためのガス供給口を示す。番号62は、ガス排出口を示す。番号11は、被処理物4の搬送手段(ローラー)を示す。番号65は、邪魔板を示す。邪魔板65は、プラズマ生成用ガスを選択的に電極間の放電空間22に供給するのに役立つ。電極1及び電極2の内部には、プラズマ処理中、電極温度を下げるために冷却材9を循環させる。プラズマ生成用ガスがガス供給口61を介して処理容器60内に供給され、電極間に交流電圧を印加することにより、複数のプラズマ3が生成される。この装置の使用により、被処理物4は、複数のプラズマ3で処理されるので、1度に被処理物のより広い面積(より広い範囲)を処理するのに効果的である。その他の構成は、図1のプラズマ処理装置と実質的に同じである。
【0042】
図10に図9のプラズマ処理装置の変更例を示す。この処理装置においては、スリット67を有するインライン型扉63を両端に有する処理容器60を使用している。スリット67を介して被処理物4を処理容器60内に供給、あるいは処理容器から取り出すことができる。図中、番号64は、緩和室を示す。緩和室は、処理容器から流出して放散されるプラズマ生成用ガスの量を少なくするとともに、処理容器内への外気の流入を最小化するのに有用である。その他の構成は、図9の処理装置と実質的に同じである。
【0043】
<実施例1>
図1に示すプラズマ処理装置を使用して、プラズマ処理を実施した。誘電体層6として厚さ200μmのアルミナ層を有するステンレス鋼製パイプを電極1,2として使用した。電極の平均表面(周表面)粗さは、10μmである。誘電体層は、セラミック溶射法により作成した。電極間距離は、1mmである。電極1,2の各々の曲面Rの曲率半径は、5mmである。被処理物4としては、シリコンウエハーに厚さ1μmのネガ型レジスト(東京応化製のOMR−83)を塗布して形成したものを使用した。プラズマ生成用ガスとしては、ヘリウム、アルゴンおよび酸素の混合ガスを使用した。ヘリウムの流量は、2リットル/分であり、アルゴンの流量は、7リットル/分であり、酸素の流量は、50cc/分である。
【0044】
電極1を接地し、電極2を周波数が13.56MHzの交流電源13に接続した。電極間に交流電圧(印加電力:1000W)を印加することにより大気圧プラズマ3を生成させた。このプラズマ3を使用して被処理物4にエッチング処理を実施した。電極の表面温度は、プラズマエッチング処理中、赤外放射温度計(CHINO製)により測定した。電極の表面温度は、250℃であった。プラズマの単位体積当たりの電力は、400W/cm3であり、また、プラズマエッチング処理により被処理物4からレジストを完全に剥離させるのに要した時間を測定した。測定結果より、レジストエッチング速度は、1.5μm/分であった。処理後、被処理物上に熱的ダメージやストリーマー放電による損傷は観察されなかった。本実施例の実験条件および評価結果を表1に示す。
【0045】
<実施例2>
表1に示す条件を採用したことを除いて、図1のプラズマ処理装置を使用して、実施例1と実質的に同じ方法に基づいてプラズマ処理を実施した。本実施例においては、プラズマ処理中、冷却材9としてイオン交換水を電極内部に循環させた。プラズマ処理後、被処理物上に熱的ダメージやストリーマー放電による損傷は観察されなかった。評価結果を表1に示す。
【0046】
<実施例3>
表1に示す条件を採用したことを除いて、図1のプラズマ処理装置を使用して、実施例1と実質的に同じ方法に基づいてプラズマ処理を実施した。本実施例においては、アルミナとマグネシア(MgOの含有量は5体積%)の混合物を誘電体層6として使用した。また、誘電体層6は、セラミック溶射法により厚さが700μmになるように形成された。プラズマ処理中、冷却材9としてHFE−7100(住友スリーエム製)を電極内部に循環させた。プラズマ処理後、被処理物上に熱的ダメージやストリーマー放電による損傷は観察されなかった。評価結果を表1に示す。
【0047】
<実施例4>
表1に示す条件を採用したことを除いて、図1のプラズマ処理装置を使用して、実施例1と実質的に同じ方法に基づいてプラズマ処理を実施した。本実施例においては、シリカ、マグネシア、チタニア、ジルコニアおよびアルミナを主成分とする琺瑯を誘電体層6として使用した。また、誘電体層6は、融着法により厚さが1000μmになるように形成された。プラズマ処理後、被処理物上に熱的ダメージやストリーマー放電による損傷は観察されなかった。評価結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
<実施例5>
図1に示すプラズマ処理装置を使用して、プラズマ処理を実施した。誘電体層6として厚さ200μmのチタニア層を有するステンレス鋼製パイプを電極1,2として使用した。電極の平均表面(周表面)粗さは、20μmである。誘電体層6は、セラミック溶射法により作成した。電極間の距離は、1mmである。電極1,2の各々の曲面Rの曲率半径は、10mmである。プラズマ処理中、冷却材9としてフリナートFC−77(住友スリーエム製)を電極内部に循環させた。プラズマ生成用ガスとしては、ヘリウム、アルゴンおよび酸素の混合ガスを使用した。ヘリウムの流量は、3リットル/分であり、アルゴンの流量は、9リットル/分であり、酸素の流量は、100cc/分である。本実施例においては、被処理物4として、プラスチックBGA(ボールグリッドアレイ)基板(50x200mm)を使用した。この基板は、0.5mm厚のBT(ビスマレイミドトリアジン)レジンに厚さ40μmのレジスト(太陽インキ製、"PSR−4000AUS5")被膜を形成することにより得られる。このBGA基板は、金メッキ部分を有し、ICチップを搭載している。尚、被処理物をコンベヤー11の使用により2cm/秒の搬送速度で搬送した。
【0050】
電極1を接地し、電極2を周波数が13.56MHzの交流電源13に接続した。電極間に交流電圧(印加電力:1000W)を印加することにより大気圧プラズマ3を生成させた。電極の表面温度は、プラズマエッチング処理中、赤外放射温度計により測定した。電極の表面温度は、200℃であった。プラズマの単位体積当たりの電力は、200W/cm3であった。
【0051】
本実施例においては、以下の評価試験を実施した。まず、プラズマ処理前にレジスト上における水の接触角を測定した。この時の接触角は80度であった。そして、プラズマ処理後においても同様に接触角を測定した。この時の接触角は8度であった。次に、プラズマ処理なしのBGA基板(水の接触角:80度)の金メッキ部とICチップとの間にワイヤーボンディングを形成し、そのボンディング強度を測定した。この時のボンディング強度は、5gであった。同様に、プラズマ処理を施したBGA基板(水の接触角:8度)の金メッキ部とICチップとの間にワイヤーボンディングを形成し、その時のボンディング強度を測定した。この時のボンディング強度は8gであった。このように、プラズマ処理によりボンディング強度を改善できた。
【0052】
さらに、封止樹脂(松下電工株式会社製、"パナシーラーCV8100Z")を上記の未処理BGA基板およびプラズマ処理BGA基板の上に175℃でドーム形状(底面の直径は11.3mm)に成形した。未処理BGA基板上の封止樹脂のせん断剥離強度は、11MPaであったが、プラズマ処理したBGA基板上の封止樹脂のせん断剥離強度は、20MPaであった。このように、プラズマ処理により剥離強度を改善できた。本実施例の実験条件および評価結果を表2に示す。
【0053】
<実施例6>
表2に示す条件を採用したことを除いて、図1のプラズマ処理装置を使用して、実施例6と実質的に同じ方法に基づいてプラズマ処理を実施した。本実施例においては、被処理物として金メッキ部を有するとともにICチップを積載している銅系リードフレーム基板(50x200mm)を使用した。評価結果を表2に示す。評価試験の結果、ワイヤーボンディングのボンディング強度および封止樹脂のせん断剥離強度を本発明のプラズマ処理により改善できることがわかった。
【0054】
【表2】
【0055】
<実施例7>
図1に示すプラズマ処理装置を使用して、プラズマ処理を実施した。誘電体層6として厚さ500μmのチタニア層を有するステンレス鋼製パイプを電極1,2として使用した。電極の平均表面(周表面)粗さは、50μmである。誘電体層6は、セラミック溶射法により作成した。電極間距離は、0.5mmである。電極1,2の各々の曲面Rの曲率半径は、10mmである。プラズマ生成用ガスとしては、ヘリウム、アルゴン、酸素およびCF4の混合ガスを使用した。ヘリウムの流量は、1リットル/分であり、アルゴンの流量は、3リットル/分であり、酸素の流量は、100cc/分であり、CF4の流量は50cc/分である。
【0056】
電極1を接地し、電極2を周波数が13.56MHzの交流電源13に接続した。電極間に交流電圧(印加電力:1000W)を印加することにより大気圧プラズマ3を生成させた。電極の表面温度は、プラズマエッチング処理中、赤外放射温度計により測定した。電極の表面温度は、200℃であった。プラズマの単位体積当たりの電力は、100W/cm3であった。
【0057】
本実施例においては、半導体チップ上に形成されたSn−Ag半田バンプの表面およびNi/Auメタライズ基板のメタライズ部を被処理物4とした。半導体チップとNi/Auメタライズ基板の位置合わせを大気中で行った後、ベルト炉中、窒素雰囲気下(酸素濃度80ppm)、230℃の条件でリフローを実施した。プラズマ処理を半導体チップとNi/Auメタライズ基板のそれぞれに実施しなかった場合、半導体チップをNi/Auメタライズ基板に接合することができなかったが、プラズマ処理を半導体チップとNi/Auメタライズ基板のそれぞれに実施することにより、半導体チップとNi/Auメタライズ基板との間に良好な接合を得ることができた。本実施例の実験条件および評価結果を表3に示す。
【0058】
<実施例8>
図5に示すプラズマ発生器10を使用していることを除いて実質的に図1の装置と同じプラズマ処理装置を使用して、プラズマ処理を実施した。電極1A,2Aの各々は、三角形断面を有するステンレス鋼製パイプ上に誘電体層6としてアルミナ層を形成することにより作成した。ステンレス鋼製パイプの肉厚は、1mmであり、三角形断面の一辺の長さは、10mmである。各電極の頂点部には、曲面Rが設けられており、放電空間22がこれらの曲面R間に定義される。曲面Rの曲率半径は、3mmである。電極間距離は、1mmである。誘電体層6は、セラミック溶射法により厚みが500μmになるように形成された。電極の平均表面(周表面)粗さは、50μmである。電極の下部に配置された一対のプラズマガイド部材50は、テフロン製である。プラズマガイド部材50の斜辺の長さは、15mmである。プラズマ処理中、冷却材9としてイオン交換水を電極内部に循環させた。被処理物4としては、シリコンウエハーに厚さ1μmのネガ型レジスト(東京応化製のOMR−83)を塗布して形成したものを使用した。プラズマ生成用ガスとしては、ヘリウムおよび酸素の混合ガスを使用した。ヘリウムの流量は、10リットル/分であり、酸素の流量は、100cc/分である。
【0059】
電極1を接地し、電極2を周波数が100kHzの交流電源13に接続した。電極間に交流電圧(印加電力:1500W)を印加することにより大気圧プラズマ3を生成させた。このプラズマ3を使用して被処理物4にエッチング処理を実施した。処理後、被処理物上に熱的ダメージやストリーマー放電による損傷は観察されなかった。本実施例の実験条件および評価結果を表3に示す。
【0060】
<実施例9>
図9に示すプラズマ処理装置を使用してプラズマ処理を実施した。電極1,2の各々は、表面に誘電体層6を有する外径6.35mmのステンレス鋼(JIS:SUS316)製円筒パイプである。誘電体層6は、融着法により形成した。すなわち、シリカ,マグネシア、アルミナを主成分とするフリットを溶媒中に添加し、得られた混合物の150gをスプレーガンを使用してステンレス鋼製パイプ上に吹き付けた。得られた被膜を850℃で10分間加熱し、ステンレス鋼製パイプに融着させた。電極間距離は、1mmである。処理容器60は、アクリル製で長さ520mmx幅352mmx高さ200mmである。電極1,2の各々は、処理容器60の側壁に設けられたホルダー(図示せず)によって支持される。搬送手段11が処理容器60内部の電極下方に配置される。この搬送手段11は、複数のテフロン製の丸棒、処理容器の外部に配置されるモーター、プーリーおよびゴムベルトで構成される。処理容器の扉構造としては、空圧式で開閉機構を有するインライン型扉63を採用した。反応容器の内部は、Oリングのようなパッキング部材で気密性が保たれている。
【0061】
被処理物4としては、厚み0.7mmx200mmx300mmの液晶用ガラス板を使用した。電極1を接地し、電極2を周波数が100kHzの交流電源13に接続した。電極間に交流電圧(印加電力:1000W)を印加することにより大気圧プラズマ3を生成させた。プラズマ処理中、冷却材9として純水を電極内部に循環させた。プラズマ生成用ガスとしては、ヘリウムと酸素の混合ガスを使用した。ヘリウムの流量は、10リットル/分であり、酸素の流量は、100cc/分である。電極1,2と被処理物4との間の距離は5mmである。搬送手段11による被処理物4の搬送速度は、15mm/秒である。このプラズマを使用して被処理物4にプラズマ処理(表面改質およびクリーニング)を実施した。
【0062】
本実施例においては、以下の評価試験を実施した。まず、液晶用ガラス板上における水の接触角をプラズマ処理前に測定した。この時の接触角は、45度であった。そして、プラズマ処理後にも同様に水の接触角を測定した。この時の接触角は、6度であった。このように、プラズマ処理により液晶用ガラス板上における水の接触角を低減できた。水の接触角の低減は、良好なワイヤボンディング強度を提供するだろう。本実施例の実験条件および評価結果を表3に示す。
【0063】
【表3】
【0064】
【発明の効果】
上記したように、少なくとも一対の電極と、電極間に定義される放電空間にプラズマ生成用ガスを供給するガス供給手段と、電極間に交流電圧を印加して、放電空間にプラズマ生成用ガスのプラズマを生成するための電力供給手段とを含み、一対の電極の少なくとも一方がその外表面に誘電体層を有するプラズマ処理装置において、一対の電極の少なくとも一方が放電空間に突出する曲面を有するので、プラズマ処理中、ストリーマー放電の発生を抑制できるとともに、少ない電力で大きなプラズマ密度を得ることができ、結果的に放電空間の下流側に配置された被処理物の大面積を効率良くプラズマ処理できるという効果を奏するものである。
【0065】
また、上記プラズマ処理装置を用いて実施されるプラズマ処理方法は、電極間の放電空間にプラズマ生成用ガスを供給する工程と、電極間に交流電圧を印加して放電空間にプラズマ生成用ガスの大気圧プラズマを生成する工程と、大気圧プラズマで被処理物を処理する工程とを含むものであり、ストリーマ放電による損傷を被処理物に与えることなく、大気圧プラズマの使用により高効率で被処理物のプラズマ処理を実施できるという効果を奏するものである。尚、本発明のプラズマ処理は、被処理物の表面に存在する有機物のクリーニング、レジストの除去、有機材料フィルムのエッチング、シリコン等のエッチング処理、金属酸化物の還元、液晶用ガラス基板の表面クリーニング等の種々の表面処理において上記効果を達成するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラズマ処理装置の一例を示す概略断面図である。
【図2】図1のプラズマ処理装置のプラズマ発生器を示す概略断面図である。
【図3】図1のプラズマ処理装置のプラズマ発生器の外観を示す斜視図である。
【図4】 (a)は、円筒状電極間に形成されるプラズマを示す図であり、(b)は、平板電極間に形成されるプラズマを示す図である。
【図5】本発明のプラズマ処理装置の別のプラズマ発生器を示す概略断面図である。
【図6】本発明のプラズマ処理装置の電極構造の変更例を示す図である。
【図7】本発明のプラズマ処理装置の電極構造のさらなる変更例を示す図である。
【図8】複数のプラズマで被処理物を処理できる本発明のプラズマ発生器の一例を示す概略断面図である。
【図9】複数のプラズマで被処理物を処理できる本発明のプラズマ処理装置の一例を示す概略断面図である。
【図10】図9のプラズマ処理装置の変更例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 電極
2 電極
3 プラズマ
4 被処理物
5 ガス供給ユニット
6 誘電体層
7 制御手段
9 冷却材
10 プラズマ発生器
11 搬送手段
12 ガス供給容器
13 交流電源
14 支持部材
15 ガス供給ライン
16 ガス導入口
20 冷却材供給ユニット
24 電極温度測定ユニット
27 モニター
30 マイクロコンピューター
40 赤外線透過窓[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention removes foreign substances such as organic substances present on the surface of the object to be processed, resist peeling, organic film adhesion improvement, metal oxide reduction, film formation, surface modification, and surface cleaning of glass substrates for liquid crystals. The present invention relates to a plasma processing apparatus that can be used for the like, and plasma processing performed using this apparatus, and is applied to surface cleaning of electronic parts that require precise bonding.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, glow discharge is stably generated under atmospheric pressure, and surface treatment is performed on a substrate using plasma obtained by the glow discharge. For example, in JP-A-2-15171, JP-A-3-241539, or JP-A-1-306569, a pair of electrodes is provided in a discharge space in a reaction vessel, and a dielectric is disposed between the electrodes. Then, the discharge space is filled with a plasma generating gas containing a rare gas such as He (helium) or Ar (argon) as a main component, and an AC voltage is applied between the electrodes to generate plasma of the plasma generating gas. A plasma surface treatment is disclosed in which an object to be processed placed in a container is treated with this plasma.
[0003]
However, this method has a problem that it is difficult to perform plasma treatment only on a specific region of the object to be processed, and it takes a long processing time. Therefore, it has been proposed to plasma-treat an object to be processed using a plasma (particularly active species of plasma) jet generated by glow discharge under atmospheric pressure. For example, various methods are disclosed in JP-A-4-358076, JP-A-3-219082, JP-A-4-212253, JP-A-6-108257, and the like.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
In the methods described in JP-A-3-219082, JP-A-4-212253, and JP-A-6-108257, plasma is injected from a nozzle-like reaction tube onto an object to be processed. However, these methods have room for improvement in the following points.
(1) Since the processing range is small, it is not suitable for processing a large area.
(2) If the discharge space is made small, the heat dissipation is reduced and the temperature inside the reaction tube becomes high, so that the object to be processed is easily damaged by heat. Further, when the discharge space is increased, the processing efficiency is lowered.
(3) When the temperature inside the reaction tube becomes high, streamer discharge (arc discharge) is likely to occur between the electrodes or between the reaction tube and the object to be processed, which is not suitable for stably providing a homogeneous plasma treatment. .
[0005]
Japanese Laid-Open Patent Publication No. 4-358076 discloses a plasma processing apparatus having a dielectric plate disposed between flat plate electrodes. In this case, there is a problem that not only the apparatus is increased in size but also that it is difficult to obtain a high plasma density for the reasons described below, and the processing speed is slow. That is, since the plate electrode has a large area, the power per unit volume of plasma is reduced. By increasing the applied power, the plasma density can be improved, but the electrode temperature rises, the object to be treated may be thermally damaged, the electrode may be damaged, and streamer discharge may occur. In the method of disposing the dielectric plate on the flat plate electrode, it is difficult to reduce the thickness of the dielectric due to structural problems. As a structural problem, for example, when a glass plate is disposed as a dielectric on a flat plate electrode, it is difficult to adhere a glass plate having a thickness of 1 mm or less to the electrode over a large area because the strength of the glass plate is low. is there. Further, when a ceramic plate is used as a dielectric, a ceramic plate having sufficient strength and a small thickness can be manufactured, but it is difficult to manufacture a ceramic plate having a large area corresponding to a flat plate electrode. In addition, as with the glass plate, it is difficult to ensure adhesion with the electrodes. As a result, the voltage drop at the dielectric portion cannot be ignored with respect to the applied power, and it is difficult to increase the power per unit volume of plasma.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
Accordingly, the present invention has been made in view of the above points, and a plasma processing apparatus capable of efficiently performing plasma processing on a large area of an object to be processed disposed downstream of a discharge space while preventing the occurrence of streamer discharge. The purpose is to provide. The plasma processing apparatus of the present invention includes at least a pair of electrodes, a gas supply means for supplying a plasma generating gas to a discharge space defined between the electrodes, and an AC voltage applied between the electrodes to generate plasma in the discharge space. And at least one of the pair of electrodes has a dielectric layer on the outer surface thereof. Shi At least one of the pair of electrodes has a curved surface protruding into the discharge space. The gas supply means is disposed upstream of the discharge space and includes a gas supply container having a lower end connected to the pair of electrodes so as to straddle the discharge space, and the plasma generating gas generated in the discharge space The plasma is spread along the curved surface, and the object to be processed disposed on the downstream side of the discharge space is subjected to plasma processing. .
[0007]
Using an electrode having a curved surface protruding into the discharge space is effective in obtaining a large plasma density with a small amount of power while preventing streamer discharge. That is, when an electrode having an edge with a sharp tip is projected into the discharge space, the plasma density can be increased, but streamer discharge (arc discharge) based on an unequal electric field is likely to occur at such an edge. . Once the streamer discharge occurs, the plasma (glow discharge) becomes unstable and the plasma treatment cannot be continued. In addition, when streamer discharge occurs between the electrode and the object to be processed, the object to be processed may be seriously damaged. By projecting the curved surface of the electrode into the discharge space, the plasma density can be increased while preventing the generation of streamer discharge. The curvature radius of the curved surface protruding into the discharge space is particularly preferably 1 to 25 mm.
[0008]
In addition to the above configuration, the plasma processing apparatus of the present invention is disposed adjacent to at least one of the pair of electrodes and guides the plasma so that the plasma spreads from the discharge space toward the workpiece. It is preferable to contain. The plasma guide member is also preferably formed integrally with the electrode. The plasma guide member is effective for more efficiently plasma-treating an object to be processed having a large area.
[0009]
Moreover, it is preferable that at least one of a pair of electrodes of the plasma processing apparatus of this invention is a cylindrical electrode, especially a cylindrical electrode. In addition to the above configuration, the plasma processing apparatus of the present invention preferably includes a coolant supply means for supplying a coolant to the inside of the electrode in order to lower the electrode temperature during the plasma processing. As will be described later, reducing the surface temperature of the electrode is effective in preventing streamer discharge.
[0010]
The further objective of this invention is to provide the plasma processing method implemented using the said plasma processing apparatus. That is, the plasma processing method of the present invention includes a step of supplying a plasma generating gas to the discharge space between the electrodes, and a step of generating an atmospheric pressure plasma of the plasma generating gas in the discharge space by applying an AC voltage between the electrodes. And a step of processing an object to be processed with atmospheric pressure plasma.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, preferred embodiments of the present invention will be described.
[0012]
As shown in FIG. 1, the plasma processing apparatus of the present invention includes a
[0013]
As shown in FIGS. 2 and 3, the
[0014]
The surface roughness of the outer surface of the electrode is preferably set to 10 to 1000 μm in terms of arithmetic average roughness. The arithmetic average roughness Ra (μm) when the surface roughness is expressed in the form of Y = f (x) is defined by the following formula (1) in JIS B 0601.
[0015]
[Expression 1]
[0016]
If the surface roughness is less than 10 μm, the plasma (glow discharge) 3 may not be easily generated, and if the surface roughness exceeds 1000 μm, the
[0017]
In the apparatus of FIG. 1, each of the
[0018]
In order to stabilize the glow discharge, it is preferable to form the dielectric layer from a single material having a large secondary electron emission coefficient or a mixture thereof. Examples of materials having a high secondary electron emission coefficient include MgO and MgF. 2 , CaF 2 , LiF and the like. In particular, use of MgO (magnesia) is preferable from the viewpoint of stability. When these materials having a large secondary electron emission coefficient are used, when ions in the plasma collide with the surface of the
[0019]
The
[0020]
It is particularly preferable to produce an electrode having a dielectric layer by the fusing method described below. In this method, a frit of a vitreous material mainly containing an inorganic material such as silica, magnesia, tin oxide, titania, zirconia, or alumina is dispersed in a solvent. Next, the electrode material is immersed in a frit dispersion solvent, or the frit is sprayed onto the electrode material by using a spray gun or the like to form a glassy material film on the electrode material. The obtained film is heated at 480 to 1000 ° C. for 3 to 15 minutes to fuse the glassy material film to the electrode material. In order to obtain the
[0021]
The thickness of the dielectric layer is preferably 0.1 to 2 mm. When the thickness is 0.1 mm or less, the withstand voltage of the dielectric layer decreases. Furthermore, cracks and peeling are likely to occur, and it may be difficult to maintain the uniformity of glow discharge. If the thickness exceeds 2 mm, the withstand voltage becomes too high, and it may be difficult to maintain the uniformity of glow discharge.
[0022]
The
[0023]
The
[0024]
As shown in FIG. 3, both ends of each of the
[0025]
An infrared radiation thermometer is preferably used as the electrode
[0026]
As the transport means 11, for example, a belt conveyor can be used. By using a belt conveyor, the workpiece 4 can be continuously plasma processed. The
[0027]
The control means 7 comprises a microcomputer (personal computer) 30 and monitors the surface temperature of the electrode output from the electrode
[0028]
Next, the plasma processing method implemented using the said plasma apparatus is demonstrated.
[0029]
First, plasma generation gas is supplied from the gas supply unit 5 to the
[0030]
The reaction gas is arbitrarily selected according to the purpose of the plasma treatment. For example, oxygen, air, carbon dioxide, water vapor, N, etc. when performing cleaning of organic substances existing on the surface of the object to be processed, removal of resist, etching of organic material film, etc. 2 It is preferable to use an oxidizing gas such as O. When etching silicon or the like, CF Four It is effective to use a fluorine-based gas such as. Moreover, when reducing a metal oxide, reducing gas, such as hydrogen and ammonia, can be used. As an example, the addition amount of the reaction gas is 10% by weight or less, more preferably 0.1 to 5% by weight with respect to the inert gas. In the above processing, when oxidation or fluorination of the surface of the object to be processed by a reactive gas becomes a problem, plasma processing may be performed using only an inert gas.
[0031]
The plasma generating gas is supplied to the
[0032]
Further, when plasma processing is performed using the plasma processing apparatus of the present invention, the power per unit volume of plasma is 10 to 10,000 W / cm, although not particularly limited. Three Therefore, it is preferable that the flow rate of the
[0033]
During the plasma treatment, the electrode surface temperature is preferably kept at 250 ° C. or lower, more preferably 200 ° C. or lower. If the surface temperature of the electrode exceeds 250 ° C., streamer discharge may be generated in the
[0034]
By the way, it is considered that one of the causes of streamer discharge (arc discharge) is an increase in electrode temperature due to plasma. In the plasma treatment of the present invention, the
[0035]
In the plasma processing apparatus of FIG. 1 of the present invention, in order to prevent the occurrence of streamer discharge, the
[0036]
Moreover, since the
[0037]
As a first modification of the electrode structure, as shown in FIG. 5, a pair of cylindrical electrodes (1A, 2A) having a substantially triangular cross section may be used. The electrodes are arranged such that the bottom surface of the electrode 1A is on the same plane as the bottom surface of the
[0038]
As a second modification of the electrode structure, as shown in FIG. 6, a pair of electrodes (1B, 2B) having a substantially triangular cross section can be used. In addition, as shown in FIG. 6, when an electrode is arrange | positioned, the
[0039]
As a third modification of the electrode structure, as shown in FIG. 7, a first electrode 1C having a rectangular cross section and a
[0040]
It is also preferable to use a
[0041]
FIG. 9 is a schematic cross-sectional view of a plasma processing apparatus for processing an object to be processed with a plurality of plasmas. The
[0042]
FIG. 10 shows a modification of the plasma processing apparatus of FIG. In this processing apparatus, a
[0043]
<Example 1>
Plasma processing was performed using the plasma processing apparatus shown in FIG. A stainless steel pipe having an alumina layer having a thickness of 200 μm as the
[0044]
The electrode 1 was grounded, and the
[0045]
<Example 2>
Plasma treatment was performed based on substantially the same method as in Example 1 except that the conditions shown in Table 1 were employed, using the plasma treatment apparatus of FIG. In this example, ion exchange water was circulated inside the electrode as the
[0046]
<Example 3>
Plasma treatment was performed based on substantially the same method as in Example 1 except that the conditions shown in Table 1 were employed, using the plasma treatment apparatus of FIG. In this embodiment, a mixture of alumina and magnesia (MgO content is 5% by volume) was used as the
[0047]
<Example 4>
Plasma treatment was performed based on substantially the same method as in Example 1 except that the conditions shown in Table 1 were employed, using the plasma treatment apparatus of FIG. In this example, soot mainly composed of silica, magnesia, titania, zirconia and alumina was used as the
[0048]
[Table 1]
[0049]
<Example 5>
Plasma processing was performed using the plasma processing apparatus shown in FIG. A stainless steel pipe having a titania layer having a thickness of 200 μm as the
[0050]
The electrode 1 was grounded, and the
[0051]
In this example, the following evaluation test was performed. First, the contact angle of water on the resist was measured before the plasma treatment. The contact angle at this time was 80 degrees. The contact angle was also measured after the plasma treatment. The contact angle at this time was 8 degrees. Next, wire bonding was formed between the gold-plated portion of the BGA substrate (water contact angle: 80 degrees) without plasma treatment and the IC chip, and the bonding strength was measured. The bonding strength at this time was 5 g. Similarly, wire bonding was formed between a gold-plated portion of a BGA substrate (water contact angle: 8 degrees) subjected to plasma treatment and an IC chip, and the bonding strength at that time was measured. The bonding strength at this time was 8 g. Thus, the bonding strength could be improved by the plasma treatment.
[0052]
Further, a sealing resin (manufactured by Matsushita Electric Works Co., Ltd., “Panasealer CV8100Z”) was molded into a dome shape (bottom diameter is 11.3 mm) at 175 ° C. on the untreated BGA substrate and the plasma treated BGA substrate. The shear peel strength of the sealing resin on the untreated BGA substrate was 11 MPa, but the shear peel strength of the sealing resin on the plasma-treated BGA substrate was 20 MPa. Thus, the peel strength could be improved by the plasma treatment. Table 2 shows the experimental conditions and evaluation results of this example.
[0053]
<Example 6>
Plasma treatment was performed based on substantially the same method as in Example 6 using the plasma treatment apparatus of FIG. 1 except that the conditions shown in Table 2 were adopted. In this example, a copper-based lead frame substrate (50 × 200 mm) having a gold plating portion and carrying an IC chip was used as an object to be processed. The evaluation results are shown in Table 2. As a result of the evaluation test, it was found that the bonding strength of wire bonding and the shear peeling strength of the sealing resin can be improved by the plasma treatment of the present invention.
[0054]
[Table 2]
[0055]
<Example 7>
Plasma processing was performed using the plasma processing apparatus shown in FIG. A stainless steel pipe having a titania layer having a thickness of 500 μm as the
[0056]
The electrode 1 was grounded, and the
[0057]
In this embodiment, the surface of the Sn—Ag solder bump formed on the semiconductor chip and the metallized portion of the Ni / Au metallized substrate were used as the object to be processed 4. After aligning the semiconductor chip and the Ni / Au metallized substrate in the air, reflow was performed in a belt furnace under a nitrogen atmosphere (oxygen concentration 80 ppm) at 230 ° C. When the plasma treatment was not performed on each of the semiconductor chip and the Ni / Au metallized substrate, the semiconductor chip could not be bonded to the Ni / Au metallized substrate. However, the plasma treatment was performed on the semiconductor chip and the Ni / Au metallized substrate. By carrying out each, good bonding could be obtained between the semiconductor chip and the Ni / Au metallized substrate. Table 3 shows the experimental conditions and evaluation results of this example.
[0058]
<Example 8>
Plasma processing was performed using the same plasma processing apparatus as that of FIG. 1 except that the
[0059]
The electrode 1 was grounded, and the
[0060]
<Example 9>
Plasma processing was performed using the plasma processing apparatus shown in FIG. Each of the
[0061]
As the workpiece 4, a glass plate for liquid crystal having a thickness of 0.7 mm × 200 mm × 300 mm was used. The electrode 1 was grounded, and the
[0062]
In this example, the following evaluation test was performed. First, the contact angle of water on the glass plate for liquid crystal was measured before the plasma treatment. The contact angle at this time was 45 degrees. And the contact angle of water was similarly measured after the plasma treatment. The contact angle at this time was 6 degrees. Thus, the contact angle of water on the glass plate for liquid crystal could be reduced by the plasma treatment. Reduction of the water contact angle will provide good wire bonding strength. Table 3 shows the experimental conditions and evaluation results of this example.
[0063]
[Table 3]
[0064]
【The invention's effect】
As described above, at least a pair of electrodes, a gas supply means for supplying a plasma generating gas to a discharge space defined between the electrodes, an AC voltage is applied between the electrodes, and the plasma generating gas is supplied to the discharge space. And a power supply means for generating plasma, wherein at least one of the pair of electrodes has a dielectric layer on the outer surface thereof, and at least one of the pair of electrodes has a curved surface protruding into the discharge space. During plasma processing, the generation of streamer discharge can be suppressed, and a large plasma density can be obtained with a small amount of power. As a result, a large area of an object to be processed disposed downstream of the discharge space can be efficiently plasma processed. This is an effect.
[0065]
The plasma processing method implemented using the plasma processing apparatus includes a step of supplying a plasma generating gas to the discharge space between the electrodes, and an AC voltage between the electrodes to apply the plasma generating gas to the discharge space. The method includes a step of generating atmospheric pressure plasma and a step of processing the object to be processed with atmospheric pressure plasma. The object is not efficiently damaged by the streamer discharge, and can be efficiently applied by using the atmospheric pressure plasma. The effect is that the plasma treatment of the processed material can be performed. The plasma treatment of the present invention includes cleaning of organic substances existing on the surface of an object to be processed, removing a resist, etching of an organic material film, etching of silicon, etc., reduction of metal oxide, and surface cleaning of a glass substrate for liquid crystal. The above effects are achieved in various surface treatments such as:
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic sectional view showing an example of a plasma processing apparatus of the present invention.
2 is a schematic cross-sectional view showing a plasma generator of the plasma processing apparatus of FIG. 1. FIG.
3 is a perspective view showing an appearance of a plasma generator of the plasma processing apparatus of FIG. 1. FIG.
4A is a diagram showing plasma formed between cylindrical electrodes, and FIG. 4B is a diagram showing plasma formed between plate electrodes.
FIG. 5 is a schematic sectional view showing another plasma generator of the plasma processing apparatus of the present invention.
FIG. 6 is a view showing a modified example of the electrode structure of the plasma processing apparatus of the present invention.
FIG. 7 is a view showing a further modification of the electrode structure of the plasma processing apparatus of the present invention.
FIG. 8 is a schematic cross-sectional view showing an example of a plasma generator of the present invention capable of processing an object to be processed with a plurality of plasmas.
FIG. 9 is a schematic sectional view showing an example of a plasma processing apparatus of the present invention capable of processing an object to be processed with a plurality of plasmas.
10 is a schematic cross-sectional view showing a modified example of the plasma processing apparatus of FIG.
[Explanation of symbols]
1 electrode
2 electrodes
3 Plasma
4 Workpiece
5 Gas supply unit
6 Dielectric layer
7 Control means
9 Coolant
10 Plasma generator
11 Conveying means
12 Gas supply container
13 AC power supply
14 Support members
15 Gas supply line
16 Gas inlet
20 Coolant supply unit
24 Electrode temperature measurement unit
27 Monitor
30 Microcomputer
40 Infrared transmission window
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