JP4015300B2 - 機関の負荷検出方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、作業機等に搭載される機関の負荷状態を応答性良く検出するための機関負荷検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、作業機等に搭載される機関においては、ある時点での機関回転数と、燃料噴射量を示す燃料噴射ポンプの燃料ラック位置との情報に基づいて、マップにより演算を行うことによって、その時点で機関にかかっている負荷を求めていた。そして、求めた機関負荷を用いて、機関回転数を一定に制御したり、機関負荷が一定になるように作業部の状態を制御したりして、作業効率の向上を図っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述の如く求めた機関負荷により、機関回転数や作業部状態の制御を行った場合、定常的な運転状態にあるときは機関負荷を正確に算出して出力することができるが、機関が加速時や負荷投入時等の過渡的な状態にあるときは、機関の状態変化に対して機関の状態検出が遅れて、機関の負荷状態を正確に出力することができなかった。これにより、機関が過渡状態にあるときには、機関回転数や作業部状態の制御を適切に行うことができなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。
請求項1においては、機関回転数(12)の検出手段である回転数検出センサ(5)、及び燃料ラック位置(11)の検出手段である燃料ラック位置センサ(7)を具備した機関(1)において、回転数検出センサ(5)により検出した機関回転数(12)に対して、機関(1)の任意の一燃焼サイクルに要した時間(Δt 0 )の間における機関回転数の変化(ΔN 0 )を求めるとともに、該時点における燃料ラック位置(11)の値(R 0 )を検出し、前記求めた機関回転数(12)の変化(ΔN 0 )と、検出した燃料ラック位置(11)の値(R 0 )とを用いて、該時点において機関(1)に掛かっている負荷として第一機関負荷トルク(T1)を、次式(1)に基づきコントローラ(8)により算出し、T1=K 1 ×R 0 +K 2 ×ΔN 0 /Δt 0 …(1)(但し、(1)式においてK 1 及びK 2 は比例定数である。)次に、前述の一燃焼サイクルより後の任意の時刻における、ある任意の時間(Δt)の機関回転数(12)の変化(ΔN i+1 −ΔN i )を求めるとともに、その時点における燃料ラック位置(11)の値(R 1 )を検出し、前記求めた機関回転数の変化(ΔN i+1 −ΔN i )と、検出した燃料ラック位置(11)の値(R 1 )とを用いて、その時点において機関(1)に掛かっている負荷として第二機関負荷トルク(T2)を、次式(2)に基づきコントローラ(8)により算出し、T2=K 1 ×R 1 +K 2 ×[ΔN 0 /Δt 0 +(ΔN i+1 −ΔN i )/Δt]…(2)(但し、(2)式においてK 1 及びK 2 は比例定数である。)前記算出した第一機関負荷トルク(T1)と第二機関負荷トルク(T2)との差から機関負荷の変化を検出する機関の負荷検出方法である。
【0005】
請求項2においては、機関回転数(12)の検出手段である回転数検出センサ(5)、及び燃料ラック位置(11)の検出手段である燃料ラック位置センサ(7)を具備した機関(1)において、回転数検出センサ(5)により検出した機関回転数(12)に対して、機関(1)の任意の一燃焼サイクルに要した時間(Δt 0 )の間における機関回転数の変化(ΔN 0 )を求めるとともに、該時点における燃料ラック位置(11)の値(R 0 )を検出し、前記求めた機関回転数(12)の変化(ΔN 0 )と、検出した燃料ラック位置(11)の値(R 0 )とを用いて、該時点において機関(1)に掛かっている負荷として第一機関負荷トルク(T1)を、次式(1)に基づきコントローラ(8)により算出し、T1=K 1 ×R 0 +K 2 ×ΔN 0 /Δt 0 …(1)(但し、(1)式においてK 1 及びK 2 は比例定数である。)前記一燃焼サイクル直後の、ある任意の時間(Δt)の間の機関回転数の変化(ΔN 1 −ΔN 0 )を求めるとともに、該時点における燃料ラック位置(11)の値(R 1 )を検出し、前記求めた機関回転数の変化(ΔN 1 −ΔN 0 )と検出した燃料ラック位置(11)の値(R 1 )とを用いて、その時点において機関(1)に掛かっている負荷として第二機関負荷トルク(T2)を次式(4)に基づきコントローラ(8)により算出し、T2=K 1 ×R 1 +K 2 ×[ΔN 0 /Δt 0 +(ΔN 1 −ΔN 0 )/Δt]…(4)(但し、(4)式においてK 1 及びK 2 は比例定数である。)前記算出した第一機関負荷トルク(T1)と第二機関負荷トルク(T2)との差から機関負荷トルクの変化状態を検出する機関の負荷検出方法である。
【0006】
請求項3においては、請求項1又は2記載の機関の負荷検出方法において、前記機関回転数(12)の変化(ΔN 0 )を求める際に、機関(1)の一燃焼サイクル分の時間の整数倍の時間間隔で変化を求めるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の機関の負荷検出方法により機関負荷を検出するように構成した機関を示す概略図、図2は本発明の機関の負荷検出方法を示す図、図3は同じく機関の負荷検出方法の別実施例を示す図、図4は機関回転数の変化を検出する方法を示す図、図5は同じく機関回転数の変化を検出する方法の別実施例を示す図である。
【0008】
まず、本発明の機関の負荷検出方法により機関負荷を検出するように構成した機関の概略構成について図1により説明する。機関1は、例えば、3気筒機関に構成されており、該機関1のクランク軸2の一端部にはフライホイール3が取り付けられ、該フライホイール3の外周にはリングギア4が固設されている。また、機関1には、電磁ピックアップ等により構成された機関回転数検出手段である回転数検出センサ5が、リングギア4の外周面に近接して取り付けられ、該回転数検出センサ5により機関1の回転数を検出するように構成している。さらに、機関1は燃料噴射ポンプ6を具備しており、該燃料噴射ポンプ6には燃料噴射量を調節するための燃料ラックが設けられ、燃料ラック位置はガバナ装置により制御されている。また、燃料噴射ポンプ6には、燃料ラック位置を検出する燃料ラック位置センサ7が取り付けられている。そして、回転数検出センサ5及び燃料ラック位置センサ7は、演算手段であるコントローラ8に接続されている。
【0009】
次に、機関の負荷検出方法について説明する。図2には、回転数検出センサ5により検出される機関回転数12、及び、燃料ラック位置センサ7により検出される燃料ラック位置11を経時的に示している。まず、検出した機関回転数12に対して、機関1の任意の一燃焼サイクルに要した時間Δt0 の間における機関回転数の変化ΔN0 を求めるとともに、その時点における燃料ラック位置11の値R0 を検出する。そして、求めた機関回転数の変化ΔN0 と検出した燃料ラック位置11の値R0 とを用いて、次式(1)によりその時点において機関1にかかっている負荷として第一機関負荷トルクT1をコントローラ8により算出する。
T1=K1 ×R0 +K2 ×ΔN0 /Δt0 …(1)
但し、(1)式においてK1 及びK2 は比例定数である。
【0010】
また、前述の一燃焼サイクルより後の任意の時刻における、ある任意の時間Δtの間の機関回転数の変化ΔNi+1 −ΔNi を求めるとともに、その時点における燃料ラック位置11の値R1 を検出する。そして、求めた機関回転数の変化ΔNi+1 −ΔNi と検出した燃料ラック位置11の値R1 とを用いて、次式(2)によりその時点において機関1にかかっている負荷として第二機関負荷トルクT2を算出する。
T2=K1 ×R1 +K2 ×[ΔN0 /Δt0 +(ΔNi+1 −ΔNi )/Δt]…(2)
但し、(2)式においてK1 及びK2 は比例定数である。
【0011】
そして、算出した第一機関負荷トルクT1と第二機関負荷トルクT2との差から機関負荷の変化を検出し、この機関負荷の変化に基づいて、機関回転数の制御や作業部状態の制御を行うように構成している。このように、機関の負荷を二点、例えば、一点目を定常状態における負荷として算出するとともに、二点目を過渡状態における負荷として算出して、この2点間の差により機関負荷の変化状態を検出することで、機関負荷状態を応答性良く検出することが可能となる。従って、例えば、機関1が作業機等に搭載された場合、機関1が加速時や負荷投入時等の過渡的な状態にあったときにおいても、検出した機関負荷によって、機関回転数を一定に制御したり、作業部の状態を制御して作業部にかかる負荷を一定に保持したり等の対応を正確且つ迅速に行うことができることになる。
その結果、作業機による作業精度及び作業効率の改善・向上を図ることができる。
【0012】
また、機関の負荷検出方法として、次のように行うこともできる。即ち、図3には、回転数検出センサ5により検出された機関回転数12、及び、燃料ラック位置センサ7により検出された燃料ラック位置11を経時的に示しており、まず、機関1の任意の一燃焼サイクルに要した時間Δt0 の間における、機関回転数の変化ΔN0 を求めるとともに、その時点における燃料ラック位置11の値R0 を検出する。そして、求めた機関回転数の変化ΔN0 と検出した燃料ラック位置11の値R0 とを用いて、次式(3)によりその時点において機関1にかかっている負荷として第一機関負荷トルクT1をコントローラ8により算出する。
T1=K1 ×R0 +K2 ×ΔN0 /Δt0 …(3)
但し、(3)式においてK1 及びK2 は比例定数である。
【0013】
また、前述の一燃焼サイクル直後の、ある任意の時間Δtの間の機関回転数の変化ΔN1 −ΔN0 を求めるとともに、その時点における燃料ラック位置11の値R1 を検出する。そして、求めた機関回転数の変化ΔN1 −ΔN0 と検出した燃料ラック位置11の値R1 とを用いて、次式(4)によりその時点において機関1にかかっている負荷として第二機関負荷トルクT2を算出する。
T2=K1 ×R1 +K2 ×[ΔN0 /Δt0 +(ΔN1 −ΔN0 )/Δt]…(4)
但し、(4)式においてK1 及びK2 は比例定数である。
【0014】
そして、算出した第一機関負荷トルクT1と第二機関負荷トルクT2との差から機関負荷トルクの変化状態を検出し、この機関負荷トルクの変化状態に基づいて、機関回転数の制御や作業部状態の制御を行うのである。このように、機関の負荷を2点で、例えば、一点目を定常状態における負荷として算出するとともに、二点目を過渡状態における負荷として算出して、この2点間の差により機関負荷の変化状態を検出することで、機関負荷状態を応答性良く検出することが可能となる。さらに、本例の場合、1点目の機関負荷の算出点直後で2点目の機関負荷を算出するように構成しているので、機関負荷トルクの変化状態をさらに速く検出することが可能となる。従って、例えば、機関1が作業機等に搭載された場合、機関1が加速時や負荷投入時等の過渡的な状態にあったときにおいても、検出した機関負荷によって、機関回転数を一定に制御したり、作業部の状態を制御して作業部にかかる負荷を一定に保持したり等の対応を、さらに正確且つ迅速に行うことができることになる。その結果、作業機による作業精度及び作業効率の大幅な改善・向上を図ることができる。
【0015】
また、前述の機関の負荷検出方法において、機関回転数の変化は次のように検出することができる。例えば、n枚の歯数を有する前記リングギア4に近接して設けた回転数検出センサ5により検出した機関回転信号を用いて、F/Vコンバータ等で機関回転数を求める。
【0016】
図4には、回転数検出センサ5により検出した機関回転信号であるセンサ出力16と、該センサ出力16を用いて求められた機関回転数17を示している。機関1は3気筒機関に構成されており、センサ出力16及び機関回転数17は各気筒の燃焼により変動しており、燃焼時期に合わせて脈動している。また、機関1は4サイクル機関に構成されているので、一燃焼サイクルの間に前記クランク軸2は2回転し、一燃焼サイクルの間に回転数検出センサ5は2n個のパルスを検出する。
【0017】
本例の場合、機関負荷を検出する際に用いる機関回転数は、例えば、時刻Ti における一分当たりの機関回転数Nrpmi として次式(5)によりコントローラ8内で演算して求める。
Nrpmi =2 ×60/ti …(5)
同じく、時刻Ti よりもΔti だけ、ずれている時刻Ti-1 における一分当たりの機関回転数Nrpmi-1 を、次式(6)により求める。
Nrpmi-1 =2 ×60/ti-1 …(6)
この場合、時間ti 及び時間ti-1 は、それぞれ一燃焼サイクル分の時間の整数倍の時間であって、回転数検出センサ5が2n個の整数倍のパルスを検出する間の時間と等しく、例えば、回転数検出センサ5に付設されるタイマー等によって計測される。また、図3においては、例えば、ti 及びti-1 は一燃焼サイクル分の時間の一倍の時間を示している。即ち、機関回転数Nrpmi は一燃焼サイクル分の時間の整数倍の時間間隔で求められることとなる。
【0018】
次に、時刻Ti におけるクランク軸2の角加速度ai を次式(7)により求める。
ai =(Nrpmi −Nrpmi-1 )/Δti ×2π/60…(7)
ここで、角加速度ai は機関回転数の変化を示しており、時間ti 及び時間ti-1 は一燃焼サイクル分の時間の整数倍の時間であるので、機関回転数の変化は一燃焼サイクルの整数倍の時間間隔で求められることとなる。
【0019】
さらに、前記式(5)、式(6)、及び、式(7)に基づいて、時刻Ti において機関1にかかっている負荷Hi の大きさを次式(8)により求める。
Hi =f(Ri ,Nrpmi )−KI ×ai …(8)
但し、(8)式において、KI は比例定数、Ri は時刻Ti における燃料ラック位置、f(Ri ,Nrpmi )は燃料ラック位置Ri と、機関回転数Nrpmi 及びNrpmi-1 とにより求まる時刻Ti における機関1の出力である。
【0020】
そして、式(8)により求めた機関負荷Hi に基づいて、機関回転数の制御や作業部状態の制御を行うように構成している。このように、機関負荷Hi を求める際に、機関回転数の変化を一燃焼サイクルの整数倍の時間間隔といった長い時間で求めることで、機関回転数の変化を求めるための回転数検出センサ5によるパルス検出データが、各気筒の燃焼時期に応じて脈動する機関回転数の回転変動や誤差の影響を受けることがなく、機関回転数の変化を求める時刻の違いによる値の誤差を減少することが可能となる。これにより、例えば、時刻Ti において機関1にかかる負荷を正確に検出することが可能となる。但し、機関回転数の変化を求める時間は、機関1に要求される負荷変化に対する応答時間よりも短くする必要がある。即ち、高い応答性が求められている場合は、数燃焼サイクル程度の短い時間間隔で機関回転数の変化を求める必要があり、あまり高い応答性が求められていない場合は、燃焼サイクルを整数倍する倍率を大きくとることが可能である。
【0021】
また、図5に示すように、前述の機関回転数Nrpmi を、一燃焼サイクル分の時間を気筒数で除した時間間隔、即ち、回転数検出センサ5が2n/Nc個のパルスを検出する時間19の間隔で求め、前記機関負荷Hi を求めることも可能である。この場合、リングギア4の端数nは気筒数の整数倍に構成しており、Ncは気筒数を表している。また、この間に回転数検出センサ5が検出するパルス数は、例えば、機関1が3気筒に構成されている場合、2n/3個である。
回転数検出センサ5が2n/Nc個のパルスを検出する時間19をtj とすると、時刻Tj における機関回転数Nrpmj は次式(9)によりコントローラ8内で演算して求めることができる。
Nrpmj =2×60/(Nc×tj )…(9)
また、時刻Tj よりも時間tj だけ引いた時刻Tj における機関回転数Nrpmj-1 も同様に求め、求めた機関回転数Nrpmj 及び機関回転数Nrpmj-1 により、前記式(7)と同様に、時刻Tj におけるクランク軸2の角加速度aj を求め、さらには、機関負荷Hj を前記式(8)と同様に求めることが可能である。
【0022】
このように、回転数検出センサ5が2n/Nc個のパルスを検出する時間19の間隔で機関回転数Nrpmj を検出して角加速度aj を求める際には、機関回転数Nrpmj を微分して求めるが、微分を行う時間を時間tj と長くとることで、回転変動の影響を少なくして正確に求めることができるようにしている。
【0023】
また、機関回転数は、クランク軸2と一体的に回転するリングギア4からのパルスを回転数検出センサ5によって検出しているが、機関1のカム軸端部に固設されているギアに近接して電磁ピックアップ等により構成された回転数検出センサを設け、該回転数検出センサによりギアからのパルスを検出することで、機関回転数を検出するように構成してもよい。カム軸には、従来からギアが設けられているので、このように、カム軸端部のギアを用いて機関回転数を検出することにより、新たな部材を設ける必要がなくなり、機関のコストダウンを図ることができる。
【0024】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。
即ち、請求項1記載の如く、機関回転数(12)の検出手段である回転数検出センサ(5)、及び燃料ラック位置(11)の検出手段である燃料ラック位置センサ(7)を具備した機関(1)において、回転数検出センサ(5)により検出した機関回転数(12)に対して、機関(1)の任意の一燃焼サイクルに要した時間(Δt 0 )の間における機関回転数の変化(ΔN 0 )を求めるとともに、該時点における燃料ラック位置(11)の値(R 0 )を検出し、前記求めた機関回転数(12)の変化(ΔN 0 )と、検出した燃料ラック位置(11)の値(R 0 )とを用いて、該時点において機関(1)に掛かっている負荷として第一機関負荷トルク(T1)を、次式(1)に基づきコントローラ(8)により算出し、
T1=K 1 ×R 0 +K 2 ×ΔN 0 /Δt 0 …(1)
(但し、(1)式においてK 1 及びK 2 は比例定数である。)
次に、前述の一燃焼サイクルより後の任意の時刻における、ある任意の時間(Δt)の機関回転数(12)の変化(ΔN i+1 −ΔN i )を求めるとともに、その時点における燃料ラック位置(11)の値(R 1 )を検出し、前記求めた機関回転数の変化(ΔN i+1 −ΔN i )と、検出した燃料ラック位置(11)の値(R 1 )とを用いて、その時点において機関(1)に掛かっている負荷として第二機関負荷トルク(T2)を、次式(2)に基づきコントローラ(8)により算出し、
T2=K 1 ×R 1 +K 2 ×[ΔN 0 /Δt 0 +(ΔN i+1 −ΔN i )/Δt]…(2)
(但し、(2)式においてK 1 及びK 2 は比例定数である。)
前記算出した第一機関負荷トルク(T1)と第二機関負荷トルク(T2)との差から機関負荷の変化を検出することにより、機関負荷状態を応答性良く検出することが可能となる。
従って、例えば、機関が作業機等に搭載された場合、機関が加速時や負荷投入時等の過渡的な状態にあったときにおいても、検出した機関負荷によって、機関回転数を一定に制御したり、作業部の状態を制御して作業部にかかる負荷を一定に保持したり等の対応を正確且つ迅速に行うことができることになる。
この結果、作業機による作業精度及び作業効率の改善・向上を図ることができる。
【0025】
さらに、請求項2記載の如く、機関回転数(12)の検出手段である回転数検出センサ(5)、及び燃料ラック位置(11)の検出手段である燃料ラック位置センサ(7)を具備した機関(1)において、回転数検出センサ(5)により検出した機関回転数(12)に対して、機関(1)の任意の一燃焼サイクルに要した時間(Δt 0 )の間における機関回転数の変化(ΔN 0 )を求めるとともに、該時点における燃料ラック位置(11)の値(R 0 )を検出し、前記求めた機関回転数(12)の変化(ΔN 0 )と、検出した燃料ラック位置(11)の値(R 0 )とを用いて、該時点において機関(1)に掛かっている負荷として第一機関負荷トルク(T1)を、次式(1)に基づきコントローラ(8)により算出し、
T1=K 1 ×R 0 +K 2 ×ΔN 0 /Δt 0 …(1)
(但し、(1)式においてK 1 及びK 2 は比例定数である。)
前記一燃焼サイクル直後の、ある任意の時間(Δt)の間の機関回転数の変化(ΔN 1 −ΔN 0 )を求めるとともに、該時点における燃料ラック位置(11)の値(R 1 )を検出し、前記求めた機関回転数の変化(ΔN 1 −ΔN 0 )と検出した燃料ラック位置(11)の値(R 1 )とを用いて、その時点において機関(1)に掛かっている負荷として第二機関負荷トルク(T2)を次式(4)に基づきコントローラ(8)により算出し、
T2=K 1 ×R 1 +K 2 ×[ΔN 0 /Δt 0 +(ΔN 1 −ΔN 0 )/Δt]…(4)
(但し、(4)式においてK 1 及びK 2 は比例定数である。)
前記算出した第一機関負荷トルク(T1)と第二機関負荷トルク(T2)との差から機関負荷トルクの変化状態を検出することにより、機関負荷トルクの変化状態をさらに速く検出することが可能となる。従って、例えば、機関が作業機等に搭載された場合、機関が加速時や負荷投入時等の過渡的な状態にあったときにおいても、検出した機関負荷によって、機関回転数を一定に制御したり、作業部の状態を制御して作業部にかかる負荷を一定に保持したり等の対応を、さらに正確且つ迅速に行うことができることになる。その結果、作業機による作業精度及び作業効率の大幅な改善・向上を図ることができる。
【0026】
請求項3記載の如く、請求項1又は2記載の機関の負荷検出方法において、前記機関回転数(12)の変化(ΔN 0 )を求める際に、機関(1)の一燃焼サイクル分の時間の整数倍の時間間隔で変化を求めることにより、機関回転数の変化を求めるための機関回転数の検出手段によるパルス検出データが、各気筒の燃焼時期に応じて脈動する機関回転数の回転変動や誤差の影響を受けることがなく、機関回転数の変化を求める時刻の違いによる値の誤差を減少することが可能となる。
これにより、例えば、機関にかかる負荷を正確に検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の機関の負荷検出方法により機関負荷を検出するように構成した機関を示す概略図である。
【図2】 本発明の機関の負荷検出方法を示す図である。
【図3】 同じく機関の負荷検出方法の別実施例を示す図である。
【図4】 機関回転数の変化を検出する方法を示す図である。
【図5】 同じく機関回転数の変化を検出する方法の別実施例を示す図である。
【符号の説明】
ΔN0 一燃焼サイクルにおける機関回転数の変化
ΔNi+1 −ΔNi 一定時間Δtにおける機関回転数の変化
Δt0 一燃焼サイクルに要する時間
Δt 一定時間
R0 機関回転数の変化ΔN0 を検出した時点での燃料ラック位置の値
R1 機関回転数の変化ΔNi+1 −ΔNi を検出した時点での燃料ラック位置の値
T1 第一機関負荷トルク
T2 第二機関負荷トルク
1 機関
2 クランク軸
3 フライホイール
4 リングギア
5 回転数検出センサ
6 燃料噴射ポンプ
7 燃料ラック位置センサ
8 コントローラ
11 燃料ラック位置
12 機関回転数
Claims (3)
- 機関回転数(12)の検出手段である回転数検出センサ(5)、及び燃料ラック位置(11)の検出手段である燃料ラック位置センサ(7)を具備した機関(1)において、
回転数検出センサ(5)により検出した機関回転数(12)に対して、機関(1)の任意の一燃焼サイクルに要した時間(Δt 0 )の間における機関回転数の変化(ΔN 0 )を求めるとともに、該時点における燃料ラック位置(11)の値(R 0 )を検出し、
前記求めた機関回転数(12)の変化(ΔN 0 )と、検出した燃料ラック位置(11)の値(R 0 )とを用いて、該時点において機関(1)に掛かっている負荷として第一機関負荷トルク(T1)を、次式(1)に基づきコントローラ(8)により算出し、
T1=K 1 ×R 0 +K 2 ×ΔN 0 /Δt 0 …(1)
(但し、(1)式においてK 1 及びK 2 は比例定数である。)
次に、前述の一燃焼サイクルより後の任意の時刻における、ある任意の時間(Δt)の機関回転数(12)の変化(ΔN i+1 −ΔN i )を求めるとともに、その時点における燃料ラック位置(11)の値(R 1 )を検出し、
前記求めた機関回転数の変化(ΔN i+1 −ΔN i )と、検出した燃料ラック位置(11)の値(R 1 )とを用いて、その時点において機関(1)に掛かっている負荷として第二機関負荷トルク(T2)を、次式(2)に基づきコントローラ(8)により算出し、
T2=K 1 ×R 1 +K 2 ×[ΔN 0 /Δt 0 +(ΔN i+1 −ΔN i )/Δt]…(2)
(但し、(2)式においてK 1 及びK 2 は比例定数である。)
前記算出した第一機関負荷トルク(T1)と第二機関負荷トルク(T2)との差から機関負荷の変化を検出することを特徴とする機関の負荷検出方法。 - 機関回転数(12)の検出手段である回転数検出センサ(5)、及び燃料ラック位置(11)の検出手段である燃料ラック位置センサ(7)を具備した機関(1)において、
回転数検出センサ(5)により検出した機関回転数(12)に対して、機関(1)の任意の一燃焼サイクルに要した時間(Δt 0 )の間における機関回転数の変化(ΔN 0 )を求めるとともに、該時点における燃料ラック位置(11)の値(R 0 )を検出し、
前記求めた機関回転数(12)の変化(ΔN 0 )と、検出した燃料ラック位置(11)の値(R 0 )とを用いて、該時点において機関(1)に掛かっている負荷として第一機関負荷トルク(T1)を、次式(1)に基づきコントローラ(8)により算出し、
T1=K 1 ×R 0 +K 2 ×ΔN 0 /Δt 0 …(1)
(但し、(1)式においてK 1 及びK 2 は比例定数である。)
前記一燃焼サイクル直後の、ある任意の時間(Δt)の間の機関回転数の変化(ΔN 1 −ΔN 0 )を求めるとともに、該時点における燃料ラック位置(11)の値(R 1 )を検出し、
前記求めた機関回転数の変化(ΔN 1 −ΔN 0 )と検出した燃料ラック位置(11)の値(R 1 )とを用いて、その時点において機関(1)に掛かっている負荷として第二機関負荷トルク(T2)を次式(4)に基づきコントローラ(8)により算出し、
T2=K 1 ×R 1 +K 2 ×[ΔN 0 /Δt 0 +(ΔN 1 −ΔN 0 )/Δt]…(4)
(但し、(4)式においてK 1 及びK 2 は比例定数である。)
前記算出した第一機関負荷トルク(T1)と第二機関負荷トルク(T2)との差から機関負荷トルクの変化状態を検出することを特徴とする機関の負荷検出方法。 - 請求項1又は2記載の機関の負荷検出方法において、前記機関回転数(12)の変化(ΔN 0 )を求める際に、機関(1)の一燃焼サイクル分の時間の整数倍の時間間隔で変化を求めることを特徴とする機関の負荷検出方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP26408598A JP4015300B2 (ja) | 1998-09-18 | 1998-09-18 | 機関の負荷検出方法 |
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