JP4015283B2 - 清掃用糸条 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,家庭用,業務用,その他各分野に使用できるモップやワイピングクロス等の清掃面に用いる清掃用の糸条に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来,モップやワイピングクロス等の清掃面に用いる清掃用の糸条として,綿,アクリル,ナイロン,ポリエステル等の短繊維の紡績糸を撚り合わせた糸条が使用されている。これらの糸条には,汚れ除去性を高めるために汚れ吸着力のあるオイルが付着されており,また,撚り戻りにより糸条がばらけるのを防止するために,熱接着性繊維を同時に撚り込んで構成糸条を接着したり,素材が綿である場合にはカセイソーダで処理,素材が合成繊維の場合は,熱セット処理したりしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような短繊維の紡績糸を撚り合わせた糸条では,汚れ除去性を高めるために付着させている汚れ吸着力のあるオイルが使用していると落ちてくるため,定期的にオイルを付着させなおす必要があり,手間と費用がかかると共に清掃対象物にオイルが残留するという欠点を有している。また,紡績可能な単繊維繊度の繊維である必要があるため,単繊維繊度の大きい繊維を紡績した紡績糸が使用されているため,清掃対象物が柔らかいものの場合,傷をつけることがあり,短繊維の単糸切れにより清掃対象物に逆に毛羽を残すという欠点を有し,撚り戻りによる糸条のばらけを完全になくしたものもないのが現状である。
【0004】
本発明は,上記の現状に鑑みてなされたものであり,汚れ吸着剤を付着させなくても優れた汚れ除去性を有し,微細な汚れを除去することができ,しかも清掃対象物に傷をつけたり,毛羽を残留させない清掃用の糸条を提供することを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は,上記の課題を解決するものであり,芯部が吸水性繊維からなり, 鞘部が単フィラメント繊度0.5デニール以下の極細長繊維糸の組物である芯鞘構造の紐であって,芯部と鞘部の重量割合が9:1〜5:5であることを特徴とする清掃用の糸条を要旨とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下,本発明を詳細に説明する。
【0007】
本発明の清掃用の糸条は,図1に示すように,その断面は芯鞘の二重構造となっていて,芯部1は,吸水性繊維からなっている。ここでいう吸水性繊維とは,綿やセルロース系再生繊維等のように公定水分率の大きい繊維や微細孔を持たせたり,吸水ポリマーを併用して,吸湿率や保水性を改良した合成繊維をいう。この繊維の糸条形態としては,短繊維の紡績糸であっても,長繊維糸であってもよいが,太番手の紡績糸が好ましく用いられる。芯部を形成する糸条は,1本でもよいが,図1のように複数本の糸条が撚り合わされていてもよい。
【0008】
鞘部2は,図2にも示すように製紐機で製造される組物であって,この組物は,単フィラメント繊度が0.5デニール以下の極細長繊維糸で製紐されている。
【0009】
単フィラメント繊度が0.2デニール以下であると微細な汚れの清掃性の点でさらに好ましい。
【0010】
この極細長繊維糸は,ポリエステル,ナイロン,アクリル等の合成繊維の長繊維糸で,その単フィラメントが0.5デニール以下の極細フィラメントである。
【0011】
このような極細長繊維糸は,繊維製造時に単フィラメントを0.5デニール以下にして製造されたものであってもよいが,分割割繊型繊維として製造され,製紐後の工程で分割割繊し,単フィラメントを0.5デニール以下にしたものでもよい。例えば,図3に示すような断面を有するアルカリ難溶性ポリエステル3とアルカリ易溶性ポリエステル4とを接合して配置して製造した長繊維糸を用いて製紐し,その後アルカリ処理してアルカリ難溶性ポリエステル3のみを残して,単フィラメントを0.5デニール以下にしたものが好ましく用いられる。芯部の繊維として綿の紡績糸の合撚糸を用いる場合,このような分割割繊するタイプの長繊維糸を用いると,アルカリ処理は,長繊維糸の分割割繊と共に綿の紡績糸の合撚糸の撚りの安定化にも寄与することになる。
【0012】
芯部と鞘部の重量割合は,9:1〜5:5,好ましくは8:2〜7:3とする。鞘部の極細長繊維糸の割合が10重量%未満になると,芯部を包み込むに充分な糸量が得られず,汚れ除去性能も劣るものとなる。また,芯部の吸水性繊維の割合が50重量%未満であると,汚れ除去性は充分であるが,吸水性能に乏しく,清掃対象物に水分が残ってしまう可能性がある。
【0013】
本発明の芯鞘構造を有する紐は,芯となる糸条を供給して製紐できる製紐機を用い,芯部を構成する糸条として吸水性繊維からなる紡績糸を供給し,鞘部を構成する糸条をボビンに巻いて製紐して得られる。鞘部を構成する糸条として分割割繊型の長繊維糸を用いた場合には,得られた組紐を割繊タイプに応じた分割割繊処理を行い,本発明の清掃用糸条を得ることができる。さらに必要に応じて染色加工を行う。
【0014】
本発明の清掃用糸条には,より清掃対象物に傷を付けにくくしたり,鞘部の繊維の耐久性を向上させるために,合成樹脂を1〜10重量%付与しておいてもよい。
【0015】
【作用】
本発明の清掃用糸条は,芯部が吸水性繊維からなり,鞘部が極細長繊維糸からなる芯鞘構造を有していて,鞘部の極細長繊維糸の単フィラメントの繊度が0.5デニール以下と細いので微細な汚れも効果的に除去すると共に水分や油分の吸い取り性能も優れており,乾燥状態や湿潤状態のいずれの状態の汚れを除去する場合にも,優れた汚れ除去性を発揮する。また芯部に吸水性繊維を用いているので,鞘部が取り込んだ水分等の液体を吸い込み,充分な保水性を発揮する。また,表面が極細長繊維糸であるので,清掃対象物に傷をつけにくく,芯部に紡績糸を用いる場合でも毛羽の残留の可能性も小さく,芯部に複数本の糸条を引き揃えて用いたり,合撚糸を用いる場合でも芯部の糸条のばらけが問題となることがなくなる。
【0016】
【実施例】
次に,本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0017】
実施例1
難溶性ポリエステルとしてポリエチレンテレフタレート,易溶性ポリエステルとしてポリエチレンテレフタレート単位にスルフォイソフタル酸を2モル%共重合したポリエステルを用いて,図3のごとくに配置して製造された複合長繊維糸70デニール48フィラメント(割繊処理として易溶性ポリエステルを溶解後,難溶性ポリエステル部分が繊度0.13デニールの単フィラメントとなる)を鞘部用の糸条として製紐ボビンに巻き,芯部用の吸水性繊維として綿100%の3.5番手の紡績糸を3本引き揃えて給糸して16打の製紐機を用いて製紐し,得られた組紐を綛状態でカセイソーダ10g/リットル,浴比1:10,温度100℃の条件でオーバーマイヤーにて30分間分割割繊処理を行い,続いて染料Dianix Yellow YL 0.2%,助剤ディスパーTL 1cc/リットル, 酢酸(48%) 0.2cc/リットルの染液で温度130℃時間30分の条件でオーバーマイヤーで染色して本発明の清掃用糸条を得た。得られた清掃用糸条は,1.4g/mで, 鞘部が0.45g/m(割合32%), 芯部が0.95g/m(割合68%)であった。得られた清掃用糸条でモップを作成し, ワセリンにカーボン微粉末を混練した汚れ源をガラスに塗布し,従来の綿100%の1番手の紡績糸の3本合撚糸を用いたモップと清掃性比較実験を行ったところ,従来の綿糸を用いたモップでは,ガラス面に油膜が残りくもった状態にしかならなかったのに対し,本発明の糸条によるモップでは,ガラス面にくもりもない状態にまで清掃できた。
【0018】
【発明の効果】
本発明の清掃用糸条を用いれば, 汚れ吸着剤を付着させることなく, 汚れ除去成分に優れ, 清掃対象物に傷つけることなく, 毛羽を残留させたり, 撚り戻りによるトラブルもないという点でも優れていて, 乾燥状態や湿潤状態のいずれの状態でも使用できる, モップやワイピングクロス等の清掃具を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の清掃用糸条の断面図である。
【図2】本発明の清掃用糸条の切り欠け斜視図である。
【図3】本発明の鞘部用の糸条として用いることのできる分割割繊型複合繊維の単フィラメントの断面の例である。
【符号の説明】
1 芯部(吸水性繊維)
2 鞘部(極細長繊維糸)
3 難溶性ポリエステル
4 易溶性ポリエステル
Claims (1)
- 芯部が吸水性繊維からなり, 鞘部が単フィラメント繊度0.5デニール以下の極細長繊維糸の組紐である芯鞘構造の紐であって,芯部と鞘部の重量割合が9:1〜5:5であることを特徴とする清掃用糸条。
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JP16019598A JP4015283B2 (ja) | 1998-06-09 | 1998-06-09 | 清掃用糸条 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP16019598A JP4015283B2 (ja) | 1998-06-09 | 1998-06-09 | 清掃用糸条 |
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JPH11350275A JPH11350275A (ja) | 1999-12-21 |
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JP16019598A Expired - Lifetime JP4015283B2 (ja) | 1998-06-09 | 1998-06-09 | 清掃用糸条 |
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-
1998
- 1998-06-09 JP JP16019598A patent/JP4015283B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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