JP4014767B2 - 硬質マクロアレイ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遺伝子発現解析等の分子生物学研究や医療分野その他の分野において利用され得るマクロアレイに関する。
【0002】
【従来の技術】
メンブレン上にDNA等の生体高分子を含むスポット(ドット)が多数配置(形成)されて成るマクロアレイは、1枚のメンブレン上において多数・多種類の試料を一度に解析することが可能であることから、分子生物学・医療分野で多用されている。例えば、被検物資が種々のゲノムDNA断片である場合、当該アレイ上に全mRNA等をもとにして調製したプローブを加えてハイブリダイゼーション等を行うことによって、多数の遺伝子の挙動を一度に解析することができる。
【0003】
しかしながら、従来のマクロアレイは、ニトロセルロース等の有機高分子メンブレン上にDNA等の被検物質を含むスポットを整然と配置することによって構成されている。このため、作業者は、マクロアレイをハイブリダイゼーションやオートラジオグラフィー等に供する場合、当該アレイ構成メンブレンを細心の注意を払って取り扱ったり持ち運んだりする必要があった。一般に、ニトロセルロースメンブレンのような多孔質の高分子膜は非常に柔軟であり、作業に支障をきたす折れ曲がりやしわが発生し易いからである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の多孔質高分子膜からなるマクロアレイの作業上の取り扱い難さを解消すべく創出されたものであり、その目的とするところは、折れ曲がりやしわの発生し難い膜状材料を基材とするマクロアレイを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成し得る本発明のマクロアレイは、膜状硬質多孔体に被検物質を含むスポットを多数配置して成ることを特徴とするマクロアレイ(以下「硬質マクロアレイ」という。)である。
【0006】
なお、本明細書において「膜状硬質多孔体」とは、無機化合物(メタル系を含む)の多孔体であって、膜状(典型的には膜厚が2mm以下のもの)に成形されているものをいう。また、本明細書において「マクロアレイ」とは、かかる膜状硬質多孔体上に被検物質含有スポットが多数(典型的にはマトリクス状に)配置された膜状体をいう。典型的には、遺伝子発現解析、塩基配列の決定、変異解析、多型解析等の用途にポリヌクレオチド試料を含むスポットが多数配置されたものをいうが、かかる用途のものに限定されない。何らかの化学的反応や物理的反応によって目的とする物質(以下「標的物」という。)を同定、分析等するため、膜状硬質多孔体上にかかる標的物を含み得る被検物質のスポットが多数(典型的にはマトリクス状に)配置されたものは、いずれも本明細書における「マクロアレイ」に包含される。
【0007】
また、本明細書において「被検物質」とは、マクロアレイ上でハイブリダイゼーションその他の方法によって解析する対象となり得る物質の総称である。典型的にはDNA、RNA等のポリヌクレオチド、あるいは化学合成されたオリゴヌクレオチド、ペプチド等といった生体高分子(生体を構成する類の高分子電解質の総称)を指すが、これらに限定されない。膜状硬質多孔体上に吸着、固定(容易に離脱しない程度をいう。以下同じ。)され得るポリマーやモノマーは、いずれもここでいう被検物質に包含される。また、本明細書において「スポット」とは、生体高分子等の被検物質が吸着または固定されている、膜状硬質多孔体上の視認可能な又は視認不可能な微小ポイントをいう。
【0008】
本発明の硬質マクロアレイでは、被検物質含有スポットを形成する基材が、従来の高分子系多孔質メンブレンとは異なり、膜状硬質多孔体である。このため、高分子系多孔質メンブレンにおけるような極度の柔軟性に基づく折れ曲がりやしわが発生し難い。従って、作業者は、折れ曲がりやしわの発生防止に過度な注意を払うことなく本発明の硬質マクロアレイを従来のマクロアレイよりも安易に取り扱うことができる。
【0009】
さらに、本発明の硬質マクロアレイの基材が膜状硬質多孔体である結果、滴下した被検物質含有試料の一部が孔の内部に浸透し得る。このため、当該滴下した被検物質含有試料の基材(膜状硬質多孔体)表面上における横方向の拡散を抑止し得、結果、当該基材表面に形成されるスポットの径を小さく抑えることができる。このため、本発明の硬質マクロアレイによれば、比較的小さなスポットを高密度に配置することができる。
【0010】
また、本発明の硬質マクロアレイとして好ましいものに、上記膜状硬質多孔体は平均孔径が相対的に小さい貫通孔を有する表層部と平均孔径が相対的に大きい貫通孔を有する基層部とから構成されていることを特徴とするマクロアレイがある。ここで、表層部とは、スポットを形成・配置する表面を含む基材表層部分をいう。また、基層部とは、膜厚方向に上記表層部と隣接する層位部分をいう。かかる態様の硬質マクロアレイでは、表層部における孔径が相対的に小さいために当該表層部表面に被検物質が比較的残留し易い一方、その表層部の孔内に滲入した水等の溶媒を速やかに基層部のより大きな孔を介して膜状硬質多孔体の背面側に誘導することができる。このため、スポットの形成を効果的に行うことができる。
【0011】
また、本発明の硬質マクロアレイとして好ましい他のものに、膜状硬質多孔体における上記スポットを配置する表面には上記被検物質の固定を促す補助物質がコーティングされていることを特徴とするマクロアレイがある。かかる態様の本発明の硬質マクロアレイによれば、無機系の膜状硬質多孔体表面への被検物質の固定効率を向上させることができる。
【0012】
【発明の効果】
本発明の硬質マクロアレイは、従来の有機高分子メンブレンを基材とするマクロアレイよりも高硬度である。このため、不用意な折れ曲がり等の発生を防止しつつ、より安易に取り扱うことができる。本発明の硬質マクロアレイによれば、作業者はハイブリダイゼーションやオートラジオグフィー操作時における緊張感やストレスから開放される。また、操作性が向上することから、ハイブリダイゼーションやオートラジオグフィー等の処理を効率的にスムーズに行うことが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の硬質マクロアレイは、好ましくは以下のように作製され、以下のように使用され得る。
【0014】
本発明の硬質マクロアレイの基材となる膜状硬質多孔体には、濾材として利用されているセラミックス系多孔質膜が好ましく使用される。かかるセラミックス系多孔質膜は、アルミナ、アルミノケイ酸塩、ジルコニア、炭化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ホウ素、カーボン等の骨材に適当な結合材を加えて成形した後、500℃〜800℃や1100℃〜1200℃といった高温で焼成することによって製造することができる。いわゆる分相法あるいはゾルゲル法がかかるセラミックス系多孔質膜の代表的製造法として例示される。
【0015】
例えば、分相法は、要約すれば、ケイ砂、ソーダ灰、ホウ酸等の原料を調合した後に撹拌溶融(典型的には1200℃〜1400℃)し、概ね800℃〜1100℃の高温条件下で成形して得られた未分相状態のガラス質(ケイ酸ガラス等)を概ね500℃〜650℃の熱処理によって分相させ、その後に熱処理および焼成処理を行うことによって多孔質化したケイ酸ガラス等のセラミックスを製造する方法である。かかる分相法によれば、細孔分布の狭い(即ち孔径にばらつきのない)多孔質膜を形成することができる。
【0016】
一方、ゾルゲル法は、要約すれば、種々の金属アルコキシド(Si(OC2H5)4、Zr(OC3H7)4・2C3H7OH、等)を加水分解して生成したゾル状物を所望する形状に成形し、ゲル化後に加熱処理(典型的には150℃)および焼成処理(典型的に500℃〜800℃)をさらに施すことによって多孔質化したセラミックスを製造する方法である。かかるゾルゲル法によれば、種々の元素組成の多孔質薄膜を形成することができる。なお、これら分相法やゾルゲル法自体は無機化学工業上の周知方法であり、かかる製造方法自体は特に本発明を特徴付けるものではないため、これ以上の詳細な説明は省略する。
【0017】
本発明の硬質マクロアレイの基材となる膜状硬質多孔体として好適なものは、スポットを配置する表面部分の平均孔径が概ね0.1μm〜20μmのものである。本発明に係る膜状硬質多孔体としては、ほぼ均一な細孔径を有するものが特に好ましい。かかる平均孔径の膜状硬質多孔体では、ポリヌクレオチド等の生体高分子その他の被検物質を多孔体表面に残留させ易い一方で水等の溶媒を排出することが容易である。このため、微小な径のスポットをより高密度に形成することができる。平均孔径があまり小さすぎると滴下した試料が膜状硬質多孔体表面上を拡散してしまうため好ましくなく、平均孔径があまり大きすぎると孔内への浸透量が増大して試料の浪費になるため好ましくない。
【0018】
本発明の硬質マクロアレイにおける膜状硬質多孔体の膜厚は、マクロアレイとしての作業性が劣悪にならない限り、特に制限はない。従来の有機高分子メンブレンと同様に取り扱える程度の膜厚のものが好適に使用され得る。特に限定する意図ではないが、10μm〜2000μm、より特定すれば20μm〜200μm程度の膜厚のものが、取り扱い上の利便さと過度の脆弱性回避の観点から好ましい。
【0019】
また、上述のセラミックス系多孔質膜の他、メタル系濾材、例えばステンレス鋼の粉末、金網、長繊維、短繊維等を焼結して得た金属網積層型フィルタも本発明における膜状硬質多孔体として使用し得る。
【0020】
あるいは、上記膜状硬質多孔体として、平均孔径が相対的に小さい表層部と平均孔径が相対的に大きい基層部とから構成される二層構造の多孔体を用いてもよい。例えば、図2に示すように、相対的に小さい平均孔径(例えば0.1μm〜1.0μm)を有する表層部2aと、相対的に大きい平均孔径(例えば1.0μm〜200μm)を有する基層部2b,2cとからなる二層構造の膜状硬質多孔体2も上記膜状硬質多孔体として好ましい。また、図2に示すように、基層部2b,2cがさらに平均孔径の異なる二つ以上の層、例えば平均孔径が1.0〜20μmの中位基層部2bと平均孔径が20〜200μmの底位基層部2cとに区分されるように形成されたものも上記膜状硬質多孔体として好ましい。このような表層部2aと基層部2b,2cとに区分された膜状硬質多孔体2によると、表層部2aにおいてポリヌクレオチド等の被検物質が捕捉され易い一方で、表層部2aを通過し得た水等の溶媒は、より孔径の大きい基層部2b,2cの孔を伝わって速やかに膜状硬質多孔体2外に排出され得る。このような孔径サイズの異なる多層構造膜状硬質体は、上記分相法やゾルゲル法によって形成された単層構造からなる膜状硬質多孔体の表面に、さらにセラミックス薄膜を表面層コーティングすることによって得ることができる。例えば、微粉状アルミナ、ガラス粉末、適当な結合材を混合して所定のコーティング液を作製する。而して、単層構造膜状硬質多孔体を当該コーティング液に浸漬してその表面を当該コーティング液でコーティングし、次いで乾燥、焼付け処理等を施すことによって当該単層構造膜状硬質多孔体の表面に多孔質薄膜(即ち表層部)を形成することができる。なお、このような薄膜形成技術自体は無機化学工業上の周知方法であり、かかる製造方法自体は特に本発明を特徴付けるものではないため、これ以上の詳細な説明は省略する。
【0021】
また、本発明の硬質マクロアレイの基材となる上記膜状硬質多孔体におけるスポットを形成・配置する表面に、被検物質の固定を助長し得る補助物質を予めコーティングしておくことも上述の理由により好ましい。かかる補助物質としては、被検物質の吸着・固定を促し得るものであれば特に制限はない。例えば、被検部質がポリヌクレオチドやタンパク質等の生体高分子である場合、かかる補助物質として、カルボジイミド基を有する高分子化合物、グルタルアルデヒド等のアルデヒド基を有する有機化合物(有機ポリシラン等)あるいはポリリシンpoly(Lys)等のカチオン性ポリマーが例示される。これら補助物質でコーティングすることによって、イオン結合、疎水性結合、物理的吸着等による生体高分子の当該膜状硬質多孔体上への吸着・固定を促進することができる。
【0022】
次に、上記膜状硬質多孔体への被検物質含有スポット形成について説明する。使用する上記膜状硬質多孔体の孔径によって変動し得るが、本発明によれば様々な直径のスポットを形成することができる。典型的には1スポットの直径が50μm〜400μmまたはそれ以下、好ましくは50μm〜200μmとすることができる。50μm〜100μmの微小スポット形成が特に好ましい。かかる微小スポットの形成は、現在市販されている種々の形式のアレイ作製用スポッター装置によって行うことができる。極微量の試料(典型的には1μl以下)をスポッティングできる機構を有する限り、使用されるスポッター装置に制限はない。例えば、一般的なスライドガラスの表面にスポットの配列を形成するいわゆるマイクロアレイを作製するためのスポッター装置も使用し得る。例えば、DNA等のポリヌクレオチドを含む試料が充填された複数の格子状に配置された極細キャピラリー又はピン(例えば24×36本)の各先端を膜状硬質多孔体に接近又は接触させつつ、当該極細キャピラリー又はピンを介して当該試料をその表面にスポットすることができる。
【0023】
而して、本発明の硬質マクロアレイにおいても、従来のマクロアレイと同様、被検物質含有スポットにおいて被検物質が膜状硬質多孔体上に、少なくとも一定期間固定されていることを要する。例えば、被検物質としての生体高分子がDNA、RNA等のポリヌクレオチドである場合、当該ポリヌクレオチド含有試料(典型的には2×SSC等のバッファーに溶解したもの)を膜状硬質多孔体に滴下した後、ベーキング処理(熱乾燥処理)、紫外線照射処理等を施すことによって、滴下した試料中のポリヌクレオチドを膜状硬質多孔体上に固定することができる。例えば、ポリヌクレオチド含有溶液を膜状硬質多孔体に滴下後、120KJ程度の紫外線を膜状硬質多孔体に照射する。このことによって、滴下された試料中のポリヌクレオチドを膜状硬質多孔体表面に効果的に固定することができる。特に補助物質がコーティングされている場合、かかる吸着・固定能を増大することができる。
【0024】
上述のようにして作製された本発明の硬質マクロアレイは、従前の生体高分子吸着能を有する有機高分子メンブレンと同様、種々の解析作業に使用することができる。例えば、被検物質がポリヌクレオチドである場合、遺伝子発現解析のための研究手段、例えば、ハイブリダイゼーションおよびオートラジオグラフィー或いは蛍光ラベルしたプローブを用いた場合はハイブリダイゼーション後に蛍光スキャナーによる蛍光量の測定を、好適に行うことができる。あるいは、被検物質が抗原や抗体等を含む血清成分である場合は、従前のマイクロタイタープレートを用いた場合と同様のイムノアッセイを行うことができる。あるいは、被検物質がアレルゲンとなり得る各種化学物質である場合、種々のアレルギー検査方法等にも応用することができる。
【0025】
【実施例】
以下の実施例により、本発明の硬質マクロアレイについてより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
【0026】
図1は、本実施例の硬質マクロアレイ1を模式的に示した斜視図である。図2に示すように、本実施例の硬質マクロアレイ1は、平均孔径が約0.2μmであるほぼ均一な微細孔4を有する表層部2a(膜厚:約20μm)と、平均孔径が約10μmであるほぼ均一な微細孔を有する中位基層部2b(膜厚:約20μm)と、平均孔径が約100μmであるほぼ均一な微細孔5を有する底位基層部2c(膜厚:約1000μm)とから成る多層構造のアルミナベースのセラミックス系膜状硬質多孔体2を基材としている。
【0027】
而して、このセラミックス系膜状硬質多孔体2を予めポリリシン溶液に浸漬してその表層部2aの表面にポリリシンコーティングを施し、次いで、当該表層部2aの表面上に種々のDNA断片を被検物質として含むスポット3を形成した(図1)。すなわち、複数の極細キャピラリーを備えたスポッター装置の当該極細キャピラリーの先端を接触させてDNA断片を含む溶液を表層部2a表面上に滴下した。その結果、図1に模式的に示すように、約200μmの間隔で直径約200μmのDNA断片を含む溶液からなるスポット3が相互に分離した状態でマトリクス状に配置された。すなわち、1cm四方の領域内に600〜700個のスポット3を高密度に形成することができた。なお、図1は、模式図であるため、スポット3を実線で表しているが、実際には核酸を含むスポット3が容易に視認し得ないものであることは当業者の理解するところである。
【0028】
その後、紫外線を照射(120KJ)することによって、DNA断片を膜状硬質多孔体2の表層部2a表面上に固定した。
【0029】
次いで、DNA断片の一部(ここでの標的物)と相補的な一本鎖DNAを32Pでラベルして得たプローブを用いて通常のハイブリダイゼーション操作を行い、引き続いてオートラジオグラフィーを行った。その結果、標的物を含むスポットに特異的なシグナルを検出することができた。このことは、本実施例の硬質マクロアレイ1によって、有機高分子メンブレンを基材とする従来のマクロアレイと同様、多数の被検物質(スポット)から標的物を検出・解析し得ることを示すものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の硬質マクロアレイの一例を模式的に示す斜視図
【図2】本発明の硬質マクロアレイの一例における膜状硬質多孔体の構造を模式的に示す断面図
【符号の説明】
1 マクロアレイ
2 膜状硬質多孔体
2a 表層部
2b,2c 基層部
3 スポット
Claims (2)
- 膜状硬質多孔体に被検物質を含むスポットを多数配置して成るマクロアレイであって、
前記膜状硬質多孔体は、平均孔径が0.1 μ m 以上 1.0 μ m 未満の相対的に小さい貫通孔を有する表層部と平均孔径が1.0 μ m 以上 200 μ m 以下の相対的に大きい貫通孔を有する基層部とから構成されていることを特徴とするマクロアレイ。 - 前記膜状硬質多孔体における前記スポットを配置する表面には、前記被検物質の該表面への固定を促す補助物質がコーティングされていることを特徴とする請求項1に記載のマクロアレイ。
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