JP4014543B2 - 医療器具用の除菌ユニット及びこれを備えた医療器具用の保管庫 - Google Patents

医療器具用の除菌ユニット及びこれを備えた医療器具用の保管庫 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は医療器具用の除菌ユニット及びこれを備えた医療器具用の保管庫に関する。
【0002】
【従来の技術】
医療器具を使用すると、血液、粘液、分泌液、組織片、消化物、薬剤などの汚染物質(目に見える汚れ)が付着する。細菌やウィルスなどの病原微生物(目に見えない汚れ)が付着することもある。従って、ディスポーザルタイプのものを除き、使用後の医療器具は速やかに洗浄して目に見える汚れや目に見えない汚れを除去しなければならない。
【0003】
目に見える汚れが除去されたとしても、目に見えない汚れまで消滅したとは限らない。病原微生物が生き残っていれば、その医療器具を通じて交差感染症(医療器具に付着している細菌やウィルスを他の人に感染させてしまうこと)が発生するおそれがある。そのため、洗浄後の医療器具にはさらに除菌処置を施す必要がある。
【0004】
通常の医療器具の場合、洗浄後のものを滅菌機に入れて加熱すれば、除菌と乾燥を同時に行うことができる。しかしながら内視鏡のようにプラスチックを多用した精密機器の場合、滅菌温度帯まで加熱することは不可能なので、薬液や滅菌ガスで除菌を行い、ガスブローで乾燥させることが多い。そのような内視鏡用の除菌装置の一例を特許文献1に見ることができる。特許文献1にはオゾンを用いて除菌を行う内視鏡消毒保管庫が記載されている。
【0005】
【特許文献1】
実開平7−1901号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載された内視鏡消毒保管庫は、オゾン発生装置が生成した有効濃度のオゾン気体を散気管より保管庫内に発散させ、保管庫内の対流を利用して内視鏡を消毒している。内視鏡の細管の一方の端からオゾン気体が入り、他方の端から抜けるという気体の流れがうまく形成されればよいが、保管庫内の自然対流にまかせていたのではそのような気流の発生を期待するのは難しい。すなわち保管庫内をオゾン気体で満たしたとしても、内視鏡の細管内の空気の置換が進まず、内視鏡の外面は除菌できたが内面は除菌が不十分といったことになりかねない。
【0007】
また、内視鏡を加熱しないので、洗浄後の内視鏡の乾燥という面ではほぼ自然乾燥に近い。内視鏡の外面はともかく、内視鏡の管状部分の内部の乾燥には長時間を要する。乾燥が進まないと、管状部分内の残水の中で雑菌が繁殖し、雑菌数が危険レベルに達する可能性がある。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、除菌物質を含有する気体により、医療器具の管状部分の内部を十分に除菌し乾燥させることができる医療器具用の除菌ユニット、及びこれを備えた医療器具用の保管庫を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では医療器具用の除菌ユニットを次のように構成した。
【0010】
療器具用の除菌ユニットが、除菌物質生成装置と、この除菌物質生成装置で生成された除菌物質を含有する気体を医療器具の管状部分の内部に強制的に流通させる気流形成装置と、前記医療器具の管状部分を通り抜けた気体を脱臭する脱臭器と、を備えるものとした。
【0011】
この構成によれば、除菌物質を含有する気体が医療器具の管状部分の内部に確実に送り込まれ、この部分を除菌することができる。また気体の強制流通により、管状部分の内部の乾燥が速やかに進行する。また、医療器具の管状部分の内部で発生した臭いを拡散させずに済む。
【0012】
(2)上記のような医療器具用の除菌ユニットにおいて、前記医療器具の管状部分を通り抜けた気体から水分を分離する水分分離器を備えるものとした。
【0013】
この構成によれば、真空ポンプなどの気流形成手段に吸い込まれるべき空気から水分を分離し、気流形成手段の故障を防ぐことができる。
【0016】
記のような医療器具用の除菌ユニットにおいて、前記除菌物質生成装置で生成される除菌物質がマイナスイオンであるものとした。
【0017】
この構成によれば、医療器具にダメージを与えることなく除菌を行うことができる。
【0018】
記のような医療器具用の除菌ユニットにおいて、前記気流形成装置は、前記医療器具の管状部分の一端から吸引を行って気体の強制流通を生ぜしめるものとした。
【0019】
この構成によれば、加圧した気体を管状部分に送り込むのと異なり、管状部分を内圧で破損させるおそれがない。また医療器具が内視鏡である場合、内部に複数の細管が存在するが、これらはいずれも管状部分の先端にある細管に連通している。そのため、管状部分の先端から吸引を行うこととすれば、1箇所への接続作業をもってすべての細管の内部に気流を形成することができ、接続作業が容易であるとともに作業効率が高い。
【0020】
記のような医療器具用の除菌ユニットにおいて、前記除菌物質生成装置は、前記医療器具の管状部分の他端近傍に除菌物質を放出するものとした。
【0021】
この構成によれば、管状部分の気流入口部分の除菌物質濃度が高くなり、除菌能力の大きい気体を管状部分に導入することができる。
【0022】
記のような医療器具用の除菌ユニットにおいて、医療器具が内視鏡であるものとした。
【0023】
この構成によれば、精密機器であり、プラスチックを多用している内視鏡をダメージを与えることなく除菌することができる。
【0024】
また本発明では、医療器具用の保管庫を次のように構成した。
【0025】
管庫が上記のような医療器具用の除菌ユニットを備えるものとした。
【0026】
この構成によれば、庫内の空気に除菌物質を含有させることにより、医療器具を除菌しつつ保管することができる。また既存の保管庫に除菌ユニットを後付けすることにより、除菌機能付きの保管庫とすることができる。保管庫を工場で生産する場合においても、除菌ユニットの組付工程を付加するだけでよく、除菌機能付きの保管庫を効率良く生産できる。
【0027】
記のような医療器具用の保管庫において、庫内空気の消臭装置を備えるものとした。
【0028】
この構成によれば、庫内空気から臭いが消え、医療器具の出し入れを快適に行うことができる。
【0029】
記のような医療器具用の保管庫において、庫内空気の換気装置を備えるものとした。
【0030】
この構成によれば、保管庫内の湿度を下げ、医療器具の外面を速やかに乾燥させることができる。
【0031】
記のような医療器具用の保管庫において、前記換気装置は、庫内に導入する空気に除菌物質を含有させる除菌物質生成装置を含むものとした。
【0032】
この構成によれば、庫内に導入する空気そのものを除菌するので、庫外の空気と共に病原微生物が庫内に侵入して医療器具を汚染するおそれを少なくすることができる。
【0033】
記のような医療器具用の保管庫において、医療器具をもたせかける傾斜構造体を内部に設け、この傾斜構造体の背後に前記医療器具用の除菌ユニットの機構部を設置した。
【0034】
この構成によれば、医療器具を傾斜構造体にもたせかけるので医療器具がぶらつかず、相互に衝突して傷ついたり、からまって取り出しにくくなったりすることがない。また医療器具用の除菌ユニットの機構部の置き場所を傾斜構造体の背後に確保することができるとともに、除菌ユニットの機構部は傾斜構造体によって医療器具から隔離され、医療器具によって傷つけられたり、医療器具から滴った水分で濡らされたりすることがない。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1〜8に基づき説明する。
【0036】
図1は医療器具用の保管庫10の外観斜視図で、要部を断面して内部構造を示している。保管庫10は内視鏡1の保管を主目的とするものであり、横幅約1,800mm、高さ約1,800mmの市販のキャビネット11をベースとして構成される。キャビネット11の正面の引き違い戸12は、外から庫内が見えるようにガラス戸となっている。キャビネット11は通常のスチールキャビネットを使用すればよいが、木製や合成樹脂製であっても構わない。
【0037】
保管庫10の内部には傾斜構造体13が設けられる。傾斜構造体13は、保管庫10の背面側の内壁上部に上端を接続し、底面側の内壁の途中に下端を接続した板金製の部材である。剛性を高めるため、傾斜構造体13にはリブの形成や桟の付加といった周知の補強対策を施す。板金でなく、アングル材やパイプ、板材の組み合わせにより傾斜構造体13を構成することもできる。
【0038】
傾斜構造体13の上方の内壁には内視鏡1の本体部2を保持するホルダ14が横一列に所定間隔で取り付けられている。ホルダ14に内視鏡1の本体部2を押し込み、管状部分3を下に垂らせば、管状部分3は傾斜構造体13にもたれる形で安定する。取り付けや取り外しの際に内視鏡1に衝撃が加わらないよう、保管庫10の内部には要所にクッションを配置しておく。
【0039】
キャビネット11に医療器具用の除菌ユニット20を組み合わせる。除菌ユニット20は除菌物質生成装置21と機構部22からなる。除菌物質生成装置21は保管庫10の天井部に配置され、機構部22は傾斜構造体13の背後に置かれる。
【0040】
図2に基づき除菌物質生成装置21の構成を説明する。図2は除菌物質生成装置21の概略構成を示す斜視図である。除菌物質生成装置21はケーシング30の内部にファン部31と除菌物質生成部32を備え、ファン部31の入口部分を空気浄化フィルター33で覆った構造である。除菌物質はマイナスイオンであるが、それ以外の物質でもよい。例えばマイナスイオンとプラスイオンが混在するプラズマクラスターイオンでもよく、オゾンでもよい。
【0041】
ファン部31を運転すると、上面の空気浄化フィルター33を通じてケーシング30に庫内空気が吸い込まれ、ケーシング30の下面から吐出される。除菌物質生成部32を運転すれば、除菌物質生成装置21はマイナスイオンを含有した空気を吐出することになる。ファン部31による風圧で、マイナスイオンを含有した空気は保管庫10内の隅々にまで行き渡る。空気浄化フィルター33は吸い込まれる空気から塵埃を捕集し、塵埃がファン部31に蓄積して送風能力を低下させたり、ケーシング30を汚したりするのを防ぐ。
【0042】
除菌物質生成装置21はホルダ14毎に1台ずつ設けるのが望ましいが、除菌物質生成能力が十分に大きければ、複数個のホルダ14に対し1台の除菌物質生成装置21を配置する構成としても構わない。
【0043】
キャビネット11の上面の片隅には外気導入口15を設ける。外気導入口15をパンチング板、金網、ルーバなどで覆い、その下に1台の除菌物質生成装置21aを配置する。除菌物質生成装置21aを運転すると、外気導入口15を通じ庫外から空気が吸い込まれる。空気の吸い込みによりキャビネット11内の気圧が上昇すると、入れ替わりに引き違い戸12の隙間などを通じて空気が漏出する。すなわち外気導入口15とその内側の除菌物質生成装置21aとは換気装置として機能する。
【0044】
続いて図3、4に基づき機構部22の構成を説明する。図3は機構部22のケーシング内部の構成を示す概略断面図、図4は機構部22と内視鏡1との接続手段を示す概略構成図である。
【0045】
機構部22は、ケーシング内部に気流形成装置40と庫内空気の消臭装置60を配置している。気流形成装置40で気流形成の役割を担うのは真空ポンプ41である。真空ポンプ41の吸引口には吸引チューブ42の一端が接続する。吸引チューブ42の他端は図4に示す分岐ヘッダ43に接続する。
【0046】
分岐ヘッダ43からはホルダ14と同数の可撓性吸引チューブ44が伸び出す。各吸引チューブ44の途中には閉止バルブ45及びフィルタ46が挿入されている。吸引チューブ44の先端には内視鏡1の管状部分3の先端を受け入れるソケット47が設けられる。
【0047】
図5〜7にソケット47の周辺構造を示す。図5はソケット47及び内視鏡1の管状部分3の先端を示す斜視図、図6はソケット47を備えた吸引チューブ44の先端をホルダ48に保持させた状態を示す斜視図、図7はホルダ48の正面図である。
【0048】
ソケット47にはフランジ47aが形設されている。フランジ47aは、管状部分3の先端が不用意に周囲に当たらないようにするためのものである。
【0049】
吸引チューブ44は長いので、中から水分などがこぼれて周囲に付着し、汚損を生じることがないよう、取り回しに注意が必要である。そこで、ホルダ48に吸引チューブ44の先端を保持させる。ホルダ48は図7に示すように上部が開いたコ字状断面を有し、吸引チューブ44を挟み込んで保持する。ホルダ48は根元をキャビネット11の内面に固定したスプリング49の先端に支持されており、図7に見られるように吸引チューブ44を挟んだ状態で常時は中立位置にある。ホルダ48あるいは吸引チューブ44に力を加えれば、スプリング49は仮想線のようにたわむ。
【0050】
吸引チューブ42の途中には内視鏡1の管状部分3を通り抜けた空気から水分を分離する水分分離器50が挿入される。水分分離器50の底部からは閉止バルブ52を備えた排水チューブ51が伸び出す。排水チューブ51は保管庫10内に設けた図示しない排水タンク、又は庫外の排水路に接続する。
【0051】
真空ポンプ41の吐出口には吐出チューブ53の一端が接続される。吐出チューブ53の途中には内視鏡1の管状部分3を通り抜けた空気を脱臭する脱臭器54が挿入される。脱臭器54はケーシングに活性炭などの臭気吸着材を詰め込んだものである。脱臭器54の下流には流量センサ55が接続される。吐出チューブ53の末端は庫外に連通している。
【0052】
消臭装置60は庫内空気を吸い込んで消臭を行うものであり、ケーシング61の中に次の要素を備えている。すなわち空気浄化フィルタ62、臭気吸着材63、モータ64、及びファン65であって、空気の流れの上流側からこの順で並ぶ。
【0053】
保管庫10は次のように用いる。
【0054】
使用後の内視鏡1を外面・内面ともに洗浄する。引き違い戸12を開き、空いているホルダ14に洗浄済みの内視鏡1の本体部2をはめ込む。管状部分3は傾斜構造体13にもたせかける。空いている吸引チューブ44をホルダ48から外し、その先端のソケット47に管状部分3の先端を差し込む。この吸引チューブ44の根元の閉止バルブ45を開き、除菌ユニット20を運転すると、管状部分3の入口4(図8参照)に端を発し、管状部分3→吸引チューブ44→分岐ヘッダ43→吸引チューブ42→真空ポンプ41へと続く気流が強制的に形成される。
【0055】
垂れ下がった管状部分3の先端に吸引チューブ44を接続して吸引するので、管状部分3の内面に付着していた水分は、風圧に重力が加わる形で降下する。そのため、速やかに管状部分3から抜けるとともに、入口4の方へ逆流する懸念はない。
【0056】
また内視鏡1の内部には操作部、接眼部、コネクター部などにつながる複数の細管が存在するが、これらはいずれも管状部分3の先端にある細管に連通している。そのため、管状部分3の先端から吸引を行えば、すべての細管の内部に気流を形成することができる。これと逆に細管の入口側から空気を吹き込んで気流を形成しようと思えば、細管毎の入口ポートに送気チューブを接続しなければならない。接続作業に手間がかかるうえ、空気に圧力をかけて送り込むので内視鏡1が内圧で破損するおそれもある。管状部分3の先端から吸引を行えば、1箇所への接続作業をもって複数の細管に一挙に気流を形成できるうえ、細管が内圧で破裂することもない。このように本実施形態の構成の優位性は大きい。
【0057】
除菌物質生成装置21は管状部分3の入口4の近傍にマイナスイオンを放出しており、マイナスイオンの濃度が高く除菌能力の大きい空気が管状部分3に吸い込まれる。これにより管状部分3の内面が除菌されるとともに、内面の乾燥が進む。
【0058】
除菌物質生成装置21はネジでキャビネット11に固定すればよいが、このようにするとマイナスイオンの放出部の位置も固定される。しかしながら内視鏡1には消化器系用や気管支用など様々な種類のものがあり、管状部分3の入口4の位置も一様ではない。そこで、可動式の取付スタンドやマグネット固定具を用いて除菌物質生成装置21を保持し、マイナスイオンの放出部を管状部分3の入口4に向けられるようにしておくとよい。
【0059】
空気と共に吸引チューブ44に吸い込まれた異物や水分はフィルタ46で濾過される。水分を吸収したフィルタ46は、空気の吸引を長時間続けるうちに乾燥して行く。
【0060】
分岐ヘッダ43から吸引チューブ42に入った空気は、真空ポンプ41に吸い込まれる前に水分分離器50で水分を分離される。このため真空ポンプ41の中に水が入り込むことはない。水分分離器50にたまった水は、閉止バルブ52を開くことにより排水チューブ51を介して排水できる。
【0061】
真空ポンプ41から吐出された空気は吐出チューブ53から脱臭器54に入る。ここで脱臭された空気が庫外に放出される。
【0062】
脱臭器54の下流に配置された流量センサ55は吐出チューブ53を通る空気の流量を監視する。管系のどこかがつまって流量が過小になったりすると、管状部分3の内部の除菌や乾燥が不十分になる。このような場合には、保管庫10の外面に設けた図示しない操作パネルにその旨を表示したり、警報音を発生したりして、使用者の注意を喚起する。
【0063】
内視鏡1の外面に付着した物質が原因で悪臭が発生することもある。このような悪臭は消臭装置60が消臭する。消臭装置60は除菌ユニット20の運転中絶えず庫内空気を吸い込んでは排出し、庫内に循環気流を形成しており、通り抜ける空気の中の臭い成分を臭気吸着材63で吸着する。
【0064】
外気導入口15の内側の除菌物質生成装置21aは、外気導入口15を通じ庫外から空気を吸い込み、マイナスイオンを添加して庫内に放出する。引き違い戸12を閉ざしていれば、保管庫10の内部は若干の陽圧に保たれる。この陽圧のため、キャビネット11と引き違い戸12の間の隙間から空気が少しずつ流れ出し、庫外の空気が侵入するのを防ぐ。従って庫外の空気と共に病原微生物が庫内に侵入して内視鏡1を汚染するおそれが少ない。
【0065】
保管庫10に入れた時点で内視鏡1の外面が濡れていると、保管庫10の内部の湿度が上昇する。外気導入口15の内側の除菌物質形成装置21aを運転して換気機能を働かせておけば、庫外に漏れ出す空気と共に水分を排出し、保管庫10の内部の湿度レベルを低く保つことができる。
【0066】
除菌ユニット20は常時運転しておく。これにより保管庫10は内部が常にマイナスイオンで満たされた状態となり、新たな内視鏡1を収納したとき、直ちに除菌が始まる。また、消臭装置60が庫内空気を臭いのない状態に保っているので、引き違い戸12を開けたときに悪臭で不快な思いをすることがない。
【0067】
機構部22は前述のように傾斜構造体13の背後に配置される。このため、分岐ヘッダ43、吸引チューブ44、閉止バルブ45、フィルタ46などを輻輳しないように配設するのが容易である。機構部22の位置は低い方がよい。機構部22の位置が低く、内視鏡1の位置が高ければ、水分の吸引を重力に逆らうことなく行うことができる。また管状部分3の先端と機構部22とが近づくので、吸引チューブ44も短くて済む。
【0068】
除菌と乾燥の終了した内視鏡1はそのまま保管庫10に入れておき、使用時に取り出せばよい。
【0069】
以上、本発明の一実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【0070】
【発明の効果】
本発明による医療器具用の除菌ユニットは、除菌物質生成装置で生成された除菌物質を含む気体を、気流形成装置により医療器具の管状部分の内部に強制的に流通させるので、除菌物質を含有する気体が医療器具の管状部分の内部に確実に送り込まれ、この部分を除菌することができる。また気体の強制流通により、管状部分の内部の乾燥が速やかに進行する。気流形成装置は、前記医療器具の管状部分の一端から吸引を行って気体の強制流通を生ぜしめるから、加圧した気体を管状部分に送り込むのと異なり、管状部分を内圧で破損させるおそれがない。医療器具が内視鏡である場合、内部に複数の細管が存在するが、これらはいずれも管状部分の先端にある細管に連通している。そのため、管状部分の先端から吸引を行うこととすれば、1箇所への接続作業をもってすべての細管の内部に気流を形成することができ、接続作業が容易であるとともに作業効率が高い。
【0071】
そして本発明では、上記のような除菌ユニット医療器具用の保管庫に設置したから、庫内の空気に除菌物質を含有させることにより、医療器具を除菌しつつ保管することができる。また既存の保管庫に除菌ユニットを後付けすることにより、除菌機能付きの保管庫とすることができる。保管庫を工場で生産する場合においても、除菌ユニットの組付工程を付加するだけでよく、除菌機能付きの保管庫を効率良く生産できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る医療器具用の保管庫の斜視図
【図2】 除菌ユニットの除菌物質生成装置の概略構成を示す斜視図
【図3】 除菌ユニットの機構部の構成を示す概略断面図
【図4】 除菌ユニットの機構部と内視鏡との接続手段を示す概略構成図
【図5】 吸引チューブのソケット及び内視鏡の管状部分の先端を示す斜視図
【図6】 吸引チューブの先端をホルダに保持させた状態を示す斜視図
【図7】 ホルダの正面図
【図8】 内視鏡本体部の斜視図
【符号の説明】
1 内視鏡
2 本体部
3 管状部分
10 保管庫
11 キャビネット
12 引き違い戸
13 傾斜構造体
15 外気導入口
20 除菌ユニット
21、21a 除菌物質生成装置
22 機構部
40 気流形成装置
50 水分分離器
54 脱臭器
60 消臭装置

Claims (11)

  1. 除菌物質生成装置と、
    この除菌物質生成装置で生成された除菌物質を含有する気体を医療器具の管状部分の内部に強制的に流通させる気流形成装置と
    前記医療器具の管状部分を通り抜けた気体を脱臭する脱臭器と、
    を備えた医療器具用の除菌ユニット。
  2. 前記医療器具の管状部分を通り抜けた気体から水分を分離する水分分離器を備えることを特徴とする請求項1に記載の医療器具用の除菌ユニット。
  3. 前記除菌物質生成装置で生成される除菌物質がマイナスイオンであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の医療器具用の除菌ユニット。
  4. 前記気流形成装置は、前記医療器具の管状部分の一端から吸引を行って気体の強制流通を生ぜしめるものであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の医療器具用の除菌ユニット。
  5. 前記除菌物質生成装置は、前記医療器具の管状部分の他端近傍に除菌物質を放出するものであることを特徴とする請求項4に記載の医療器具用の除菌ユニット。
  6. 医療器具が内視鏡であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の医療器具用の除菌ユニット。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の医療器具用の除菌ユニットを備えた医療器具用の保管庫
  8. 庫内空気の消臭装置を備えることを特徴とする請求項7に記載の医療器具用の保管庫。
  9. 庫内空気の換気装置を備えることを特徴とする請求項に記載の医療器具用の保管庫。
  10. 前記換気装置は、庫内に導入する空気に除菌物質を含有させる除菌物質生成装置を含むものであることを特徴とする請求項に記載の医療器具用の保管庫。
  11. 医療器具をもたせかける傾斜構造体を内部に設け、この傾斜構造体の背後に前記医療器具用の除菌ユニットの機構部を設置したことを特徴とする請求項7〜請求項10のいずれか1項に記載の医療器具用の保管庫。
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