JP2006141848A - 解剖台ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】既設の解剖台や解剖室に大きい変更を加えることなく、また、解剖室全体を換気することなく、解剖時にホルマリン処理された検体から解剖台上に発散するホルムアルデヒドを効率良く除去する解剖台ユニットを提供する。
【解決手段】層流状に空気を解剖台上に吹き出す空気吹出部3、解剖台上の空気を吸引する吸引口6を有する空気吸込部5、吸引した空気中のホルムアルデヒド等の有害ガスを分解する脱臭機8、前記空気吸込部5から吸引した空気を前記脱臭機8に送風するためのダクト7,9、ホルムアルデヒド等の有害ガスが分解され脱臭された空気を前記脱臭機8から前記空気吹出部3に送風するためのダクト及び前記空気吹出部3に空気を送風し、同時に、前記空気吸込部5から空気を吸引するための送風機13からなる解剖台1上のホルムアルデヒド等の有害ガスを除去する解剖台ユニットであり、この解剖台ユニットを装着した解剖台である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、解剖台上の有害ガスを除去するための解剖台ユニットに関するものである。特に、解剖実習における、ホルムアルデヒドないしホルマリンによる人体への影響を解消ないし軽減する解剖台ユニットに関するものである。
解剖実習用の遺体等は保存のため、ホルマリン漬けにされる。従って、遺体等の解剖に際しては、ホルムアルデヒド臭が周囲に立ちこめ、解剖を行う人は勿論のこと解剖を手助けする人にも、不快感を催し、場合によっては健康を害することがある。
解剖には、病変を確認したり死因を特定するための病理解剖や司法解剖(検死)、医学生が人体構造を学習するためなどに行う解剖実習がある。病理解剖や司法解剖においては、防腐処理を施さずに冷温状態で保存した遺体をそのまま解剖台に乗せて行うので、ホルムアルデヒドにより健康を損なうという問題は軽減されているが、解剖者は病原菌やウイルスに感染する虞がある。一方、医学生が行う解剖実習においては、遺体はホルマリンで防腐処理がなされているので、病原菌やウイルスの感染の危険性は低いが、ホルマリン処理された遺体から発生するホルムアルデヒドが発散し、このホルムアルデヒドが解剖実習生や関係者に悪影響を及ぼす。その上、解剖実習においては、多くの医学生が一斉に複数の解剖台で解剖を行うため、室内のホルムアルデヒド濃度が異常に高くなり、実習生や関係者の健康に悪影響を及ぼすという問題がある。
病理解剖や司法解剖において、解剖者を病原菌やウイルスの感染から保護する解剖台として、病原菌やウイルスの解剖室内への拡散を防止する解剖台が特開2000−23987号公報に記載され、上方の天井に層流給気装置、気水分離型の解剖面吸気を行う解剖台及び解剖台の排気ファンを備えた解剖施設が特開平6−315485号公報に記載され、清浄空気をラミナーフローで吹き下ろす送風機を備え、吹き下ろした空気を吸気し、へパフィルターを通して清浄にして排出する解剖台が特開平10−272138号公報に記載され、また、解剖台天板側方に設けた吸気口から吸気した空気をへパフィルターを通して清浄にして排出するとともに、被剖検体を洗浄する設備を備えた解剖台が特開平11−206772号公報に記載されている。
解剖実習においては、ホルムアルデヒドの空気中への発散量が多いので、窓を開放したり、換気扇で室外に空気を送り出したりしているが、空調による冷房などの効果が低下し、実習環境が低下する問題が指摘されている。これに関して、解剖室全体の空気を換気する場合、解剖室の空気中に含まれるホルムアルデヒドを酸化チタン等の光触媒によって分解した後、室外に排気する方法・装置が特開2003−320220号公報に記載されている。また、4台の解剖台毎にそれらの解剖台の中央に配置されて、解剖台周辺のガスを吸引し、吸引した空気中のホルムアルデヒドをフィルターで除去するとともに、オゾン滅菌装置や紫外線ランプで滅菌を行う装置が特開2003−116859号公報に記載されている。更に、密閉状態に遺体を保持する解剖台が特開2004−451号公報に記載されている。
特開2003−320220号公報 特開2003−116859号公報 特開2004−451号公報
特許文献1(特開2003−320220号公報)記載の空気清浄化方法・装置は、解剖室の空気中のホルムアルデヒドを分解除去しようとするもので、解剖台ないし解剖台付近の空気中のホルムアルデヒドを分解除去しようとするものではないので、解剖台上におけるホルムアルデヒドの除去効率は極めて低いものとなっている。特許文献2(特開2003−116859号公報)記載の装置は、解剖台周辺の空気を吸引し、フィルターでホルムアルデヒドを除去しようとするものであるが、解剖台上のホルムアルデヒドを含む空気を直接吸引するものではなく、解剖台上におけるホルムアルデヒドの除去効率は極めて低いものとなっている。特許文献3(特開2004−451号公報)に記載の解剖台は、検体を静置する場合に、解剖台をカバーで覆い、密閉状態にして、遺体から発散するホルムアルデヒド等の臭気を解剖台外に発散しないようにしたものである。しかしながら、解剖中には解剖台を密閉状態にすることはできないので、解剖中には遺体から発散するホルムアルデヒド臭気を遮断することはできない。
一般的に、解剖室内全体を換気する方法は、建物及び空調機などの設備費が高く、その上維持費も大きな額になる。また、室内の空気全体を換気するので、冷暖房用の空調機の負荷が高くなり、その運転維持費も高いものとなっている。新設の建物に解剖室を設ける場合はまだよいが、既設の解剖室を改造することはきわめて費用の掛かるものである。かかる観点から、解剖台上の空気を局所的に処理し、しかも、費用を大きくかけないで、解剖実習における検体(以下、本発明の説明においては遺体という文言の代わりに検体という文言を使用する)から発散するホルムアルデヒドを効果的に除去する装置が求められている。ここで解剖台というのは、ホルマリン処理された検体を含め解剖するために検体を載置して解剖実習を行う器具をいう。尚、ホルマリンはホルムアルデヒドを含有する溶液である。従って、解剖台においては、主としてホルムアルデヒドが空気中に発散される。
本発明は、既設の解剖台や解剖室に大きい変更を加えることなく、また、解剖室全体を換気することなく、解剖時に検体を処理したホルマリンなどの防腐薬剤から解剖台上に発生する有害ガス、即ち、ホルムアルデヒドを解剖台上から効率良く低減することができ、それにより解剖室の室内環境を改善し、もって解剖実習者のホルムアルデヒドによる不快感、健康障害を軽減、解消、予防する、簡易で安価な、しかも、従来の解剖台に容易に取り付けられる解剖台ユニットを提供しようとするものである。
本発明の要旨は、解剖台上のホルムアルデヒド等の有害ガスを除去するに際して、層流状に空気を解剖台上に吹き出す空気吹出部、解剖台上の空気を吸引する吸引口を有する空気吸込部、吸引した空気中のホルムアルデヒド等の有害ガスを分解する脱臭機、空気吸込部から吸引した空気を脱臭機に送風するためのダクト、ホルムアルデヒド等の有害ガスが分解され脱臭された空気を脱臭機から空気吹出部に送風するためのダクト及び空気吹出部に空気を送風し、同時に、空気吸込部から空気を吸引するための送風機からなる、解剖台上のホルムアルデヒド等の有害ガスを除去するための解剖台ユニットである。
本発明の解剖台ユニットは、空気吹出部から送風される空気の吹き出し方向を調節する機構を設けることができる。また、空気吹出部における空気吹引出口のスリット巾は5〜50mmが好ましい。そして、空気吹出部から吹き出され、空気吸込部で吸引される空気の流れはプッシュープルエアカーテンを形成させることが好ましい。空気を効果的に吸引するため、空気吸込部に空気吹出部から吹き出された空気を捕捉するための邪魔板を設けることができる。
空気吸込部から吸引した空気を脱臭機に送風するためのダクト、ホルムアルデヒド等の有害ガスが分解され脱臭された空気を脱臭機から空気吹出部に送風するためのダクトの一部に、フレキシブルダクトを使用することができる。また、ホルムアルデヒド等の有害ガスが分解され脱臭された空気を脱臭機から空気吹出部に送風するためのダクトが、風量調節機構を備えることができる。脱臭機から排出され送風機で送風される空気を風量調節機構により、その一部を空気吹出部に送風し、残部は解剖台ユニット系外、即ち、解剖室に排出することができる。そして、風量調節機構はダクト内に設けたダンパーの角度を変えることにより、脱臭機から排出され送風機で送風される空気のうち、空気吹出部に送風する空気量を調節する役目を担うものである。
空気吹出部及び空気吸込部は、解剖台に取り付けた際に、いずれも上下に回転可能で、解剖台の側面に例えば、蝶番で倒すことができる。脱臭機は酸化チタンを担持する多孔質セラミックフィルター及び紫外線光源から構成される光触媒脱臭機を使用することができる。そして、脱臭機の前に水滴捕集のためのミストセパレータを設けることができる。
本発明の解剖台ユニットは、既存の解剖台に容易に取り付けることができるものである。更に、本発明の解剖台ユニットを装着した解剖台上のホルムアルデヒド等の有害ガスを効果的に除去する解剖台である。
本発明は、解剖台上の空気に着目し、検体から発散するホルムアルデヒドなどの有害物質を局所的に除去しようとする解剖台ユニットである。本発明の解剖台ユニットを装着することにより、解剖台上の空気中に含まれるホルムアルデヒドなどの有害物質を効果的に除去することができる。ホルムアルデヒドの処理は、解剖台毎に行われるので、解剖室全体の空気中のホルムアルデヒドを処理する必要が無く、解剖室の空調設備を変更する必要もない。その上、本発明の解剖台ユニットは、従来の既存の解剖台に容易に取り付けることができるものである。このように、本発明は、既設の解剖台や解剖室に大きい変更を加えることなく、また、解剖室全体を換気することなく、解剖時にホルマリンなどの防腐薬剤で処理された検体から解剖台上に発生する有害ガス、即ち、ホルムアルデヒドを解剖台上から効率良く低減することができる。これにより、解剖室の室内環境を改善し、もって解剖実習者のホルムアルデヒドによる不快感、健康障害を解消、軽減、予防することができる。
以下本発明の解剖台ユニットを実施形態に基づいて、図面を参照しながら説明する。本発明の解剖台ユニットの組立の例、即ち、解剖台ユニットを解剖台に取り付けた例を図1に示した。また、その側面図を図2に示した。解剖台上のホルムアルデヒド等の有害ガスを除去するための解剖台ユニットは、基本的には、層流状に空気を解剖台上に吹き出す空気吹出部3、解剖台1上の空気を吸引する吸引口6を有する空気吸込部5、吸引した空気中のホルムアルデヒド等の有害ガスを分解する脱臭機8、空気吸込部5から吸引した空気を脱臭機8に送風するダクト12、7、脱臭機8からホルムアルデヒド等の有害ガスを分解し脱臭された空気を空気吹出部3に送風するダクト9、16及び空気吹出部に空気を送風し同時に、吸引口6から空気を吸引するための送風機13から構成される。
本発明の解剖台ユニットは、容易に既存の解剖台に取り付けることができることを特徴としている。空気吹出部3は、既存の解剖台1の一端(検体の足が置かれる側)に取り付け、空気吸込部5は、解剖台1の他端(検体の頭が置かれる側)に取り付ける。かならずしも、検体の足が置かれる側に空気吹出部3を設け、検体の頭が置かれる側に空気吸込部5を設ける必要はなく、逆の位置に設けても構わない。空気吹出部3や空気吸込部5は、適宜金具を用いて解剖台へ取り付けることができる。例えば、図4に示したように、空気吹出部3を取付具23と蝶番21を介して取り付け、その取付具23をネジ22で解剖台の載台2に取り付ける。このようにして、空気吹出部3を解剖台1に取り付けることができる。空気吸込部5も同様に、例えば、図5(a)に示したように、空気吸込部5を取付具33と蝶番31を介して取り付け、取付具33をネジ35で解剖台の載台2に取り付けることができる。
また、空気吹出部3及び空気吸込部5を解剖台1の端に取り付けた後、空気吹出部3及び空気吸込部5は下方に、例えば、蝶番によって倒すことができる。図4(b)に示したように、空気吹出部3を解剖台1の側面に倒すことができる。倒した状態の空気吹出部を3’で示している。空気吸込部5も同様に蝶番31によって、解剖台1の側面に倒すことができる。これは、解剖台1上に検体10を載せる際の邪魔にならないようにするためである。即ち、解剖台1に検体10を載せる際には、空気吹出部3及び/又は空気吸込部5を下側に倒して、検体を解剖台1の上に載置し、しかる後に、下方に倒した空気吹出部3及び/又は空気吸込部5解剖台1に立てるのである。空気吹出部3及び空気吸込部5を解剖台1上に立てた場合、空気吹出部3は固定金具24によって取付板23に固定される。空気吸込部5も同様に、固定金具32で取付具33に固定される。尚、空気吹出部3及び空気吸込部5を解剖台1に固定する方法、空気吹出部3及び空気吸込部5を解剖台1の側面に倒す方法、空気吹出部3及び空気吸込部5を解剖台上に立てた状態で固定する方法は、上記の方法に限られるものではない。この実施形態では、それらの方法の一例を示したものである。
空気吹出部3の上方に、空気吹き出し用の空気吹出口4を設ける(図3参照)。空気吹出口4はスリット状に幅広い開口部である。空気吹出口4から空気が層流状に吹き出される。吹き出された空気は、検体10の上方を、検体10を蔽うように流れて、空気吸込部5の空気吸引口6に吸い込まれる。空気吸引口6は、空気吸込部5の下方に設けられ、従って、空気は空気吹出部3から空気吸込部5に向かってやや下方向に流れる。空気吸引口6からは、空気吹出部3から吹き出された空気と解剖台1周辺の空気を集めて吸引する。解剖台1上の検体10周辺のホルムアルデヒドは空気吹出部3から吹き出された空気とともに空気吸引口6から吸引されるので、解剖台1上のホルムアルデヒドの濃度は減少する。そして、解剖実習を行う者の顔(頭)の位置は、空気吹出部3から吹き出された空気が流れる位置よりも上方になるので、解剖実習者は、直接吸い込むホルムアルデヒドの量は極めて微量のものとなる。空気吸込部5は、空気吹出部3の空気吹出口4から吹き出される空気を効率良く捕集するものがよい。例えば、図5(a)に示したように、上部に邪魔板の一種である覆い34を設け、側面にも同様の囲いを設けることができる。
空気吹出口4は空気を層流状に吹き出すために、先に述べたように、細長いスリット状にするのが好ましい。スリット巾は、50mm以下が好ましく、5〜20mmとするのが更に好ましい。これは、スリット巾を大きくすると、空気を層流状で吹き出すために大量の空気量を必要として、実際上好ましくないからである。大量の空気を検体上に吹き出すと、検体が急速に乾燥する現象が起きて好ましくない。また、空気吹出口4は、吹き出す空気の方向を上下に変えることができる。上記の、スリット状の空気吹出口4の角度を変更することにより、吹き出す空気の方向を変えることがでる。
空気吸引口6から脱臭機8までと脱臭機8から空気吹出部3はそれぞれ、ダクトで連結されている。脱臭機8から空気吹出部3に至る間に、送風機13と風量調節機構が設けられる。送風機13は、空気を吸い込み、吸い込んだ空気を送り出す機能があるものであればよく、例えば、シロッコファンタイプのものを使用することができる。送風機13は脱臭機8から空気吹出部3に空気を送風するが、同時に、脱臭機8を介して、空気吸込部5の空気吸引口6から空気を吸引する。即ち、本実施形態では、送風機は1台で、吹出しと吸引を行っている。しかしながら、空気の吹き出しと吸引とを別々の送風機で行ってもよいし、また、一般的には、送風機は脱臭機の後に設けるが、送風機を脱臭機の前に置くこともできる。送風機13にはインバータを使用して、回転数を調節し、もって送風量を調節することができる。
風量調節機構は、基本的には、空気吹出部3の上方の空気吹出口4に送風する空気の量を調節するものである。脱臭機8を介して送風機から排出(送風)される空気は、空気吹出部3の上方の空気吹出口4から吹き出された空気に、更に、解剖台周辺の吸引した空気が加わっているので、解剖台1に送出した空気量よりも多くなっている。この量が多くなった空気を全量解剖台1に循環すると、空気量が増加して、検体の乾燥を促進するので好ましくない。従って、脱臭機8を介して送風機から排出(送風)される空気は、その一部を空気吹出部3から解剖台1上に循環し、残部は解剖ユニットの系外、即ち、解剖室内に放出する。
風量調節機構の例を図6に示している。風量調節機構は、空気の送風管であるダクト9内に設けられる。この実施形態では、板状のダンパー41を設け、このダンパー41の角度を変えることにより、空気吹出部3より解剖台1に吹き出す空気量を調節する。空気吹出部3より解剖台1に吹き出さない残りの空気は、解剖台ユニットの系外、即ち、解剖室内に放出される。解剖台1に空気吹出部3の上方の空気吹出口4から送風する空気量は、空気の流れを層流にするという観点からは、空気量を多くするのがよいが、検体の乾燥、脱臭機の脱臭の脱臭能力の観点から空気量は制限される。通常、空気吸引口6から吸引する空気量を4〜8m/minとし、空気吹出口4に送風する空気量は0.5〜1.5m/min程度とするのがよい。尚、空気吸引口6から吸引する空気量は、送風機8が送風する空気量と一致する。
脱臭機8は、基本的には、ホルムアルデヒドを分解する機能を有するものが好ましい。簡便には、チタン触媒を利用する光触媒脱臭機を使用する。特に、酸化チタンを担持する多孔質セラミックフィルターを使用し、紫外線光源と組み合わせた光触媒脱臭機が好適に使用することができる。酸化チタンを担持する多孔質セラミックフィルターは、例えば、特開2003−53194号公報の記載に従って、炭化珪素、アルミナを主成分とする多孔質セラミック基板に、酸化チタンを塗布した後焼結したセラミック光触媒フィルターを使用することができる。このセラミック光触媒フィルターを複数枚並列使用するのがよい。それらセラミック光触媒フィルターの間に、紫外線光源を配置する。紫外線光源としては、400nm以下の波長の紫外線を含む光を放射するものであればよい。通常の蛍光灯も紫外線を放射するので使用可能であるが、一般的には、紫外線の割合の多い光源が好適に使用できる。具体的には、ブラックライト、殺菌灯、水銀灯、LED、プラズマ発光体、レーザ発光体等を挙げることができる。
脱臭機8の手前、即ち、解剖台周辺の吸引した空気が脱臭機8に流入する上流側に、ミストセパレータ43を設ける。図6に基づいて説明する。空気吸引口6から吸引した空気は、脱臭機8に導入される。空気が光触媒に接触する前に、ミストセパレータ43を設け、ミストセパレータ43を通過した空気が光触媒に導かれる。解剖台上から発生する水滴もしくは体液などの液体を光触媒脱臭機に入らないようにすることが目的である。ミストセパレーターの方式としては、多くの方法があり、本発明に使用するミストセパレーターは特定の方式に限定されるものではないが、小型で安価な方式としては、衝突型、即ち、小さな網目素材を用いたフィルター方式が好適である。網目素材としては、ステンレス線材、ステンレス繊維、プラスチック繊維、発泡金属などが好ましい。セパレーターフィルターの網目の大きさについては、通常の水滴ミストが除去できるものであり、目安としては1μm以上の粒子が99%除去できるものが好ましい。また、上記網目フィルターに捕捉された水滴は集合して液体となって下方に流れるようにし、蓄積した液体を外部に流し出すためのドレインを設けるのがよい。
本発明の解剖台ユニットは、先に説明したように、既存の解剖台に容易に装着することができる。空気吹出部3、空気吸込部5を解剖台1に取り付ける方法は既に説明した。脱臭機8は、解剖台1の下に設けられている棚に設置する。棚がない場合には、解剖台1に新たに棚を設けて、その棚に脱臭機8を設置すればよい。ミストセパレータ43、脱臭機8と送風機13は並置し直接接続することができる。送風機13と空気吹出部3との接続、空気吸込部と脱臭機8手前のミストセパレータ設置室との接続にはダクトを用いる。解剖台の大きさは、一定ではないので、いずれの大きさの解剖台にも、本発明の解剖台ユニットを装着する必要がある。この観点から、ダクトの一部にフレキシブルダクトを使用して、寸法の違いを吸収する。送風機13と空気吹出部3との間には、フレキシブルダクト16、空気吸込部と脱臭機8のミストセパレータ室との接続にはフレキシブルダクト12を使用している。ここでは、主として既存の解剖台に装着することを中心に説明してきたが、勿論、本発明の解剖台ユニット付きの解剖台を新たに製作することができることはいうまでもない。
ホルムアルデヒド除去の効果の検証
図1、2に示した本発明の解剖台ユニットを装着した解剖台における、ホルムアルデヒドの濃度を測定した。空気吸込部5から吸引する空気量(送風機13が送風する空気量)を6m/min、空気吹出部3から吹き出される空気量を1m/minに設定し、各点におけるホルムアルデヒドの濃度をガス検知管で測定した。本実施例に使用した解剖台ユニット等の仕様等は以下の通りである。解剖台の大きさは、長さ1800mm、巾が698mm、高さが800mmであった。空気吸込部5は、透明なポリ塩化ビニール製で、巾が698mm、高さが200mmであり、空気吸引口6の大きさは長さが690mmで、巾が50mmであった。空気吹出部3も同様に透明なポリ塩化ビニール製で、巾が500mm、高さが400mmで、スリット巾が20mmであった。ミストセパレータは、200メッシュのステンレス製の金網を使用した。また、脱臭機8には、セラミック光触媒フィルター巾245mm、高さ295mm、厚み15mmのものを5枚使用した。紫外線光源としては、10Wのブラックライトを各光触媒フィルター毎に3本、合計15本をフィルターと交互に配置した。ホルムアルデヒドの測定結果を表1に示した。尚、測定の位置は、A点は解剖台中央部の高さ45cm(実習者の鼻の位置)、B点は空気吸引口6の中央部、C点は風量調節機構における室内排出口である。
Figure 2006141848
表1の結果から、本発明の解剖台ユニットの装着により、実習者の鼻の位置におけるホルムアルデヒド濃度が顕著に低減することが分かったばかりでなく、室内への排気の濃度も大幅に下がっていることが確認された。室内へ排出する空気中のホルムアルデヒドの濃度が大幅に下がっていることは、光触媒脱臭器がホルムアルデヒドの分解に有効に作用したことを示している。
実施例1で使用した本発明の解剖台ユニットを装着した解剖台において、以下の気流検査試験を行った。解剖台の中央部で高さ25cmの位置に煙を発生する気流検査器をセットして、送風運転を行い煙の流れを観察した。全体の風量はインバーターで調節し、空気吹出部3に循環させる空気の割合は風量調節機構のダンパーの位置で調節した。尚、気流検査器の煙は空気とほぼ同じ比重であり、ホルムアルデヒドガスも空気とほぼ同じ比重あるから、この煙の流れはホルムアルデヒドガスの流れを示していると考えられる。煙の状態を観察した結果を表2に示した。
Figure 2006141848
表2における吹き出し空気量の各欄の右欄は空気吸引口6に煙が効率良く吸い込まれるか否かの評価であり、左欄は発生源から出た直後の煙の流れが水平方向になっているか否かの評価である。いずれの項目も、××、×、△、○、◎の順に、評価の程度が高いことを示す。即ち、右欄においては、煙の吸い込まれ方が、××、×、△、○、◎の順に良くなり、左欄においては、煙の流れ方が、××、×、△、○、◎の順に水平方向になっていることを意味する。表2の結果結果から、本発明の解剖台ユニットの装着により、煙の流れ、即ち、ホルムアルデヒドが効果的に空気吸引口に水平に吸引されることがわかる。これに伴い、解剖実習者には、ホルムアルデヒドの臭気が著しく低減され、ホルムアルデヒドによる健康問題が大幅に軽減されることがわかる。このように、空気吹出部3から空気が吹き出され、空気吸込部5から空気が吸引されるので、解剖台上にプッシュープルエアカーテンが形成されることがかわる。
本発明の解剖台ユニットは、既設の解剖台や解剖室に大きい変更を加えることなく、また、解剖室全体を換気することなく、解剖時にホルマリン処理された検体から解剖台上に発散するホルムアルデヒドを効率良く除去する解剖台ユニットを提供仕様とするするものである。勿論、本発明の解剖台ユニットは、新たに製作する解剖台に装着できることはいうまでもないものである。本発明の解剖台ユニットにより、ホルムアルデヒドが解剖実習者の臭いによる不快感を和らげ、更には健康に及ぼす影響を解消ないし低減することができる。このように、本発明の解剖台ユニットは、医学、医療の分野で大きく貢献できるものであり、もって産業の発達に寄与するものである。
解剖台ユニットを解剖台に取り付けた例を示す斜視図である 解剖台ユニットを解剖台に取り付けた例を示す側面図である 空気吹出部の例を示す図である 空気吹出部の下方部を示す図である 空気吸込部の例を示す図である 脱臭機回りの例を示す図である
符号の説明
1 解剖台
2 載台
3、3’ 空気吹出部
4 空気吹出口
5 空気吸込部
6 空気吸引口
7、9 ダクト
8 脱臭機
10 検体
12、16 フレキシブルダクト
13 送風機
15 ミストセパレータ室
21、31 蝶番
22、35 ネジ
23、33 取付具
24、32 固定金具
34 空気吸込部覆
41 ダンパー
42 ダンパー調節器
43 ミストセパレータ
44 光触媒フィルター
45 フィルター
46、47 フランジ
48 ドレン抜き
49、50 囲い



Claims (14)

  1. 解剖台上のホルムアルデヒド等の有害ガスを除去するに際して、層流状に空気を解剖台上に吹き出す空気吹出部、解剖台上の空気を吸引する吸引口を有する空気吸込部、吸引した空気中のホルムアルデヒド等の有害ガスを分解する脱臭機、前記空気吸込部から吸引した空気を前記脱臭機に送風するためのダクト、ホルムアルデヒド等の有害ガスが分解され脱臭された空気を前記脱臭機から前記空気吹出部に送風するためのダクト及び前記空気吹出部に空気を送風し、同時に、前記空気吸込部から空気を吸引するための送風機からなる、解剖台上のホルムアルデヒド等の有害ガスを除去するための解剖台ユニット。
  2. 前記空気吹出部から送風される空気の吹き出し方向を調節する機構を有することを特徴とする請求項1に記載の解剖台上のホルムアルデヒド等の有害ガスを除去するための解剖台ユニット。
  3. 前記空気吹出部における空気吹引出口のスリット巾が5〜50mmであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の解剖台上のホルムアルデヒド等の有害ガスを除去するための解剖台ユニット。
  4. 前記空気吹出部から吹き出され、前記空気吸込部で吸引される空気の流れがプッシュープルエアカーテンを形成することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の解剖台上のホルムアルデヒド等の有害ガスを除去するための解剖台ユニット。
  5. 前記空気吸込部に空気吹出部から吹き出された空気を捕捉するための邪魔板を有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の解剖台上のホルムアルデヒド等の有害ガスを除去するための解剖台ユニット。
  6. 前記ダクトの一部がフレキシブルダクトであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の解剖台上のホルムアルデヒド等の有害ガスを除去するための解剖台ユニット。
  7. ホルムアルデヒド等の有害ガスが分解され脱臭された空気を前記脱臭機から前記空気吹出部に送風するためのダクトが、風量調節機構を備えたことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の解剖台上のホルムアルデヒド等の有害ガスを除去するための解剖台ユニット。
  8. 前記前記脱臭機から排出され送風機で送風される空気を前記風量調節機構により、その一部を空気吹出部に送風し、残部は解剖台ユニット系外に排出することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の解剖台上のホルムアルデヒド等の有害ガスを除去するための解剖台ユニット。
  9. 前記風量調節機構が前記ダクト内に設けたダンパーの角度を変えることにより、前記前記脱臭機から排出され送風機で送風される空気のうち、空気吹出部に送風する空気量を調節することを特徴とする請求項8に記載の解剖台上のホルムアルデヒド等の有害ガスを除去するための解剖台ユニット。
  10. 前記空気吹出部及び前記空気吸込部は、解剖台に取り付けた際に、いずれも上下に回転可能であることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の解剖台上のホルムアルデヒド等の有害ガスを除去するための解剖台ユニット。
  11. 前記脱臭機が酸化チタンを担持する多孔質セラミックフィルター及び紫外線光源から構成される光触媒脱臭機であることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記に記載の解剖台上のホルムアルデヒド等の有害ガスを除去するための解剖台ユニット。
  12. 前記脱臭機の前に水滴捕集のためのミストセパレータを設けたことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の解剖台上のホルムアルデヒド等の有害ガスを除去するための解剖台ユニット。
  13. 既存の解剖台に取り付け可能であることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の解剖台上のホルムアルデヒド等の有害ガスを除去するための解剖台ユニット。
  14. 請求項1〜請求項13に記載の解剖台上のホルムアルデヒド等の有害ガスを除去するための解剖台ユニットを装着した解剖台。

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