JP4014399B2 - ノイズリダクション装置および方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノイズリダクション装置および方法に関し、特に、映像信号処理に用いるノイズリダクション装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のノイズリダクション装置では、特開平4-236781号公報に開示されているように、画像の中心画素とその周辺画素を取り込み、中心画素と周辺画素との差分を求め、相関関係の高い画素を抽出し、抽出された相関関係の高い画素だけを用いて平均化して、映像信号のノイズ低減を行っている。
【0003】
図11に、従来のノイズリダクション装置の構成を示す。図11を参照しながら、従来のノイズリダクション装置の動作を説明する。入力端子1101より入力された映像信号は、そのまま周辺画素取込手段1102に入力される。周辺画素取込手段1102は、中心画素と周辺画素を取り込み、絶対値手段1103〜1104に入力する。絶対値手段1103〜1104では、中心画素と周辺画素との差の絶対値を算出する。その出力は、あらかじめ設定した閾値1115と一緒に、相関判定手段1107〜1110に入力される。そして、相関判定手段1107〜1110において、絶対値手段1103〜1104より入力された絶対値と閾値1115とを比較することにより、相関関係の有無を判定する。判定結果を、画素数計数手段1111と相関画素加算手段1112に入力する。
【0004】
画素数計数手段1111において、相関関係のある画素の画素数を計数する。計数された値は、除算器1113に入力される。また、相関画素加算手段1112において、相関判定手段1107〜1110の出力を受けて、相関関係のあると判定された画素のみ加算する。相関関係のある画素の和が、除算器1113に入力される。除算器1113では、相関画素加算手段1112からの入力を、画素数計数手段1111から入力された画素数で除算する。この出力を中心画素に置き換えることにより、ノイズが平均化された映像信号を出力する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来のノイズリダクション装置では、入力信号が明るい状態で最適化しても、低輝度時にも最適の値にあるとは限らないという問題がある。
【0006】
本発明は、上記従来の問題を解決して、撮像条件に応じて制御パラメータを自動的に切り替えることにより、ノイズ低減精度を向上させることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明では、ノイズリダクション装置を、映像信号から中心画素とその周辺画素を取り込む周辺画素取込手段と、周辺画素数を指定するエリア選択信号に従って周辺画素を出力する手段と、予め設定した複数の閾値の1つを選択する閾値選択信号とエリア選択信号とを制御パラメータとし、映像信号の特性に基づいて制御パラメータを切り替える制御パラメータ切替手段と、中心画素と周辺画素との輝度差の絶対値を算出する絶対値手段と、閾値選択信号に従って選択された閾値と絶対値とを比較して、周辺画素を中心画素との相関が有る相関画素と相関の無い画素とに判別する相関判定手段と、相関画素の画素数を計数して画素数総和を求める画素数計数手段と、相関画素の輝度値を加算して輝度値総和を求める相関画素加算手段と、輝度値総和を画素数総和で除算する除算手段とを具備する構成とした。このように構成したことにより、映像信号の特性に応じて制御パラメータを切り替えながら、効果的なノイズ低減を行うことができる。
【0008】
また、制御パラメータ切替手段に、中心画素の輝度値に応じて閾値選択信号を切り替える手段と、中心画素の輝度値に応じてエリア選択信号を切り替える手段とを設けた。このように構成したことにより、中心画素の輝度値に応じてノイズ低減を行うことができる。
【0009】
また、制御パラメータ切替手段、映像信号の1フレーム分の輝度平均値を求める手段と、輝度平均値に応じて閾値選択信号を切り替える手段と、輝度平均値に応じてエリア選択信号を切り替える手段とを設けた。このように構成したことにより、入力信号の1フレーム分の輝度平均に応じてノイズ低減を行うことができる。
【0010】
また、制御パラメータ切替手段に、映像信号の1フレーム分の輝度分散値を求める手段と、輝度分散値に応じて閾値選択信号を切り替える手段と、輝度分散値に応じてエリア選択信号を切り替える手段とを設けた。このように構成したことにより、入力信号の1フレーム分の輝度分散に応じてノイズ低減を行うことができる。
【0011】
また、制御パラメータ切替手段に、映像信号の1フレーム分の高周波成分を抜き出して画像の細かさを示す高周波平均を求める手段と、高周波平均に応じて閾値選択信号を切り替える手段と、高周波平均に応じてエリア選択信号を切り替える手段とを設けた。このように構成したことにより、1フレーム分の高周波成分の平均値に応じてノイズ低減を行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図10を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態は、映像入力信号の中心画素の輝度値に応じて、参照する周辺画素数と相関判定閾値を設定するノイズリダクション装置である。
【0014】
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるノイズリダクション装置の機能ブロック図である。図1において、入力端子101は、映像信号を入力する端子である。周辺画素取込手段102は、入力された映像信号を、エリア選択信号に応じて、中心画素と指定エリア内の周辺画素とに分けて出力する手段である。パラメータ切替手段103は、映像入力信号の中心画素の輝度値に基づいて、エリア選択信号と閾値選択信号を選択して出力する手段である。映像信号は、カラー信号の場合、3原色ごとに処理するので、それぞれの原色の信号である。画素の輝度信号を略して、単に画素または画素信号と呼ぶこともある。絶対値手段104〜107は、中心画素と周辺画素との輝度差の絶対値を算出する手段である。相関判定手段108〜111は、輝度差の絶対値と閾値とを比較して相関関係の有無を判定する手段である。画素数計数手段112は、相関関係がある画素の数を計数する手段である。相関画素加算手段113は、相関関係があると判定された画素のみの輝度値を加算する手段である。除算器114は、加算結果を画素計数値で除算する手段である。出力端子115は、除算結果を中心画素輝度値データとして出力する端子である。図2は、ノイズリダクション装置の動作手順を示すフローチャートである。
【0015】
上記のように構成された本発明の第1の実施の形態におけるノイズリダクション装置の動作を説明する。図1を参照しながら、ノイズリダクション装置の機能を説明する。入力端子101より入力された映像信号は、周辺画素取込手段102とパラメータ切替手段103に入力される。周辺画素取込手段102は、中心画素119と周辺画素120〜123を取り込み、絶対値手段104〜107に入力する。パラメータ切替手段103は、入力信号の中心画素の輝度値に基づいて、エリア選択信号117と閾値選択信号118を選択して、周辺画素取込手段102と相関判定手段108〜111に送る。例えば、中心画素の輝度値が所定の輝度値より大きい場合は、周辺画素のエリア数を大きく閾値も大きくする。
【0016】
絶対値手段104〜107では、中心画素119と周辺画素120〜123との輝度値の差の絶対値を算出する。その出力は、あらかじめ設定した複数の閾値116と一緒に、相関判定手段108〜110に入力される。相関判定手段108〜111において、絶対値手段104〜107より入力された絶対値と、閾値116の内の閾値選択信号118で指定された1つとを比較することにより、相関関係の有無を判定する。輝度値の差の絶対値が、閾値116の内の指定された1つより小さければ、相関が有ると判定する。輝度値の差の絶対値が閾値116の内の指定された1つより大きければ、相関が無いと判定する。輝度値が中心画素と大きく異なる画素は、中心画素と無関係な画素であると判断して、平均化するデータから排除する。判定結果を、画素数計数手段112と相関画素加算手段113に入力する。画素数計数手段112において、相関関係のある画素の画素数を計数する。計数された値は、除算器114に入力される。
【0017】
相関画素加算手段113において、相関判定手段108〜111の出力を受けて、相関関係があると判定された画素のみの輝度値を加算する。相関関係のある画素の輝度値の和が、除算器114に入力される。除算器114では、相関画素加算手段113からの入力を、画素数計数手段112から入力された画素数で除算する。この出力を中心画素119として置き換えることにより、ノイズが平均化された映像信号を出力する。
【0018】
図2に示すフローチャートを用いて、ノイズリダクション装置の動作手順を説明する。
(1)ステップ1において、映像入力信号から中心画素と周辺画素をすべて取り込む。
(2)ステップ2において、相関のある画素数の計数値の初期化を行う。
(3)ステップ3において、輝度値の積算変数SUMの初期化を行う。
(4)ステップ4において、中心画素の輝度値に基づいて、パラメータ(エリア選択信号と閾値選択信号)の切り替えを行う。新しいエリア選択信号に従って、周辺画素を選択する。
(5)ステップ5において、中心画素と周辺画素の輝度値の差分値の絶対値を算出する。
(6)ステップ6において、相関閾値と絶対値の大きさを比較して、中心画素と周辺画素との相関の有無を判定する。絶対値が相関閾値以下のとき、その周辺画素は中心画素と相関が有ると判定して、ステップ7を実行する。絶対値が相関閾値より大きいときは、その周辺画素は中心画素と相関が無いと判定して、ステップ8を実行する。
(7)ステップ7において、相関のある画素数の計数値に1を加算するともに、差分値とSUMの和をSUMに代入する。
(8)ステップ8において、パラメータ切替手段で設定されたエリア数と、相関ありの画素数の計数値が等しいかどうか判定する。等しくないときは、ステップ5に戻る。エリア数と計数値が等しいときは、ステップ9を実行する。
(9)ステップ9において、SUMを計数値で除算して中心画素に加算した結果を、中心画素の補正値として出力する。
【0019】
上記のように、本発明の第1の実施の形態では、ノイズリダクション装置を、映像入力信号の中心画素の輝度値に応じて、参照する周辺画素数と相関判定閾値を設定する構成としたので、映像入力信号の輝度に適したノイズ低減処理を行うことができる。
【0020】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態は、複数の入力信号閾値とエリア選択信号と閾値選択信号を予め設定しておき、映像入力信号の中心画素の輝度値と複数の入力信号閾値とを比較して、中心画素の輝度値に応じたエリア選択信号と閾値選択信号を使用するノイズリダクション装置である。
【0021】
図3は、本発明の第2の実施の形態におけるノイズリダクション装置の機能ブロック図である。図3において、入力信号比較手段201は、入力映像信号と入力信号閾値とを比較する手段である。入力信号閾値202〜204は、入力映像信号の輝度レベルを判定するための閾値である。選択手段205は、入力映像信号の輝度レベルに応じて、エリア選択信号を選択する手段である。エリア選択信号206〜207は、周辺画素の範囲を指定する信号である。閾値選択信号208〜209は、複数の閾値116の内の1つを選択する信号である。その他の基本的な構成は、第1の実施の形態と同じである。図4は、ノイズリダクション装置のパラメータ切替の動作手順を示すフローチャートである。
【0022】
上記のように構成された本発明の第2の実施の形態におけるノイズリダクション装置の動作を説明する。図3を参照しながら、ノイズリダクション装置の機能を説明する。入力端子101より入力された映像信号は、パラメータ切替手段103に入力されて、入力信号比較手段201で、入力信号閾値202〜204と比較される。映像信号が入力信号閾値202より小さい時は、選択手段205で、エリア選択信号206と閾値選択信号208を選ぶ。入力信号閾値202より大きく、入力信号閾値203より小さい時は、選択手段205で、エリア選択信号207と閾値選択信号209を選ぶ。図示していないが、以下同様にして、入力映像信号の輝度値と入力信号閾値を比較して、対応するエリア選択信号と閾値選択信号を選ぶ。選ばれた信号は、それぞれエリア選択信号117と閾値選択信号118として、周辺画素取込手段102と相関判定手段108〜111に出力される。例えば、中心画素の輝度値が大きいほど、周辺画素のエリア数を大きくし、閾値も大きくする。
【0023】
図4に示すフローチャートを参照しながら、パラメータ切替の動作手順を説明する。パラメータ切替以外の動作手順は、図2に示した動作手順と同じである。この動作手順は、基本的な手順の例示であって、実際は、入力信号閾値の数に応じて、ステップ数が増えることになる。
(1)ステップ71において、入力信号が閾値1より小さいかどうか判定する。入力信号が閾値1より小さい時は、ステップ72を実行する。入力信号が閾値1以上の時は、ステップ73を実行する。
(2)ステップ72において、エリア数にエリア1を設定し、相関閾値に相関閾値1を設定して、パラメータ切替処理を終了する。
(3)ステップ73において、入力信号が閾値1以上で閾値2より小さいかどうか判定する。入力信号が閾値1以上で閾値2より小さい時は、ステップ74を実行する。入力信号が閾値2以上の時は、ステップ75を実行する。
(4)ステップ74において、エリア数にエリア2を設定し、相関閾値に相関閾値2を設定して、パラメータ切替処理を終了する。
(5)ステップ75において、エリア数にエリア3を設定し、相関閾値に相関閾値3を設定して、パラメータ切替処理を終了する。
【0024】
上記のように、本発明の第2の実施の形態では、ノイズリダクション装置を、複数の入力信号閾値とエリア選択信号と閾値選択信号を予め設定しておき、映像入力信号の中心画素の輝度値と複数の入力信号閾値とを比較して、中心画素の輝度値に応じたエリア選択信号と閾値選択信号を使用する構成としたので、入力信号のレベルに適したノイズ低減処理を行うことができる。
【0025】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態は、複数の平均閾値とエリア選択信号と閾値選択信号を予め設定しておき、映像入力信号の1フレーム分の輝度平均に応じたエリア選択信号と閾値選択信号を選択して使用するノイズリダクション装置である。
【0026】
図5は、本発明の第3の実施の形態におけるノイズリダクション装置の機能ブロック図である。図5において、平均算出手段301は、1フレーム分の映像信号の輝度平均を計算する手段である。平均比較手段302は、1フレーム分の映像信号の輝度平均を、平均閾値と比較する手段である。平均閾値303〜305は、映像信号の輝度平均レベルを判定するための閾値である。選択手段306は、判定結果に従って、エリア選択信号と閾値選択信号を選ぶ手段である。その他の基本的な構成は、第1の実施の形態と同じである。図6は、ノイズリダクション装置のパラメータ切替の動作手順を示すフローチャートである。
【0027】
上記のように構成された本発明の第3の実施の形態におけるノイズリダクション装置の動作を説明する。図5を参照しながら、ノイズリダクション装置の機能を説明する。入力端子101より入力された映像信号は、パラメータ切替手段103に入力される。平均算出手段301で、1フレーム分の輝度平均を計算する。フレームメモリを使用しない場合は、直前のフレームのデータを利用することになる。平均比較手段302で、輝度平均を平均閾値と比較する。平均閾値303より小さい時は、選択手段306で、エリア選択信号206と閾値選択信号208を選ぶ。平均閾値303より大きく平均閾値304より小さい時は、エリア選択信号207と閾値選択信号209を選ぶ。それぞれ、エリア選択信号117と閾値選択信号118として出力する。例えば、1フレーム分の輝度平均が大きいほど、周辺画素のエリア数を大きくし、閾値も大きくする。
【0028】
図6に示したフローチャートを参照しながら、パラメータ切替の動作手順を説明する。パラメータ切替以外の動作手順は、図2に示した動作手順と同じである。
(1)ステップ81において、1フレーム分の入力信号の輝度平均値を求める。
(2)ステップ82において、平均値が閾値1より小さいかどうか判定する。平均値が閾値1より小さい時は、ステップ83を実行する。平均値が閾値1以上の時は、ステップ84を実行する。
(3)ステップ83において、エリア数にエリア1を設定し、相関閾値に相関閾値1を設定して、パラメータ切替処理を終了する。
(4)ステップ84において、平均値が閾値1以上で閾値2より小さいかどうか判定する。平均値が閾値1以上で閾値2より小さい時は、ステップ85を実行する。平均値が閾値2以上の時は、ステップ86を実行する。
(5)ステップ85において、エリア数にエリア2を設定し、相関閾値に相関閾値2を設定して、パラメータ切替処理を終了する。
(6)ステップ86において、エリア数にエリア3を設定し、相関閾値に相関閾値3を設定して、パラメータ切替処理を終了する。
【0029】
上記のように、本発明の第3の実施の形態では、ノイズリダクション装置を、複数の平均閾値とエリア選択信号と閾値選択信号を予め設定しておき、映像入力信号の1フレーム分の輝度平均に応じたエリア選択信号と閾値選択信号を選択して使用する構成としたので、入力信号の平均レベルに適したノイズ低減処理を行うことができる。
【0030】
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施の形態は、複数の分散閾値とエリア選択信号と閾値選択信号を予め設定しておき、入力信号の1フレーム分の輝度分散に応じたエリア選択信号と閾値選択信号を選択して使用するノイズリダクション装置である。
【0031】
図7は、本発明の第4の実施の形態におけるノイズリダクション装置の機能ブロック図である。図7において、分散算出手段401は、映像信号の1フレーム分の輝度分散を計算する手段である。分散比較手段402は、輝度分散を、分散閾値と比較する手段である。分散閾値403〜405は、映像信号の輝度分散のレベルを判定する閾値である。選択手段406は、判定結果に従って、エリア選択信号と閾値選択信号を選ぶ手段である。その他の基本的な構成は、第1の実施の形態と同じである。図8は、ノイズリダクション装置のパラメータ切替の動作手順を示すフローチャートである。
【0032】
上記のように構成された本発明の第4の実施の形態におけるノイズリダクション装置の動作を説明する。図7を参照しながら、ノイズリダクション装置の機能を説明する。入力端子101より入力された映像信号は、パラメータ切替手段103に入力される。分散算出手段401で、1フレーム分の輝度分散を計算する。すなわち、1フレーム分の各画素の輝度値の平方の平均から、各画素の輝度の平均の平方を引いて、輝度分散を求める。フレームメモリを使用しない場合は、直前のフレームのデータを利用することになる。分散比較手段402で、輝度分散を分散閾値と比較する。輝度分散が分散閾値403より小さい時は、選択手段406で、エリア選択信号206と閾値選択信号208を選ぶ。分散閾値403より大きく、分散閾値404より小さい時は、エリア選択信号207と閾値選択信号209を選ぶ。それぞれ、エリア選択信号117と閾値選択信号118として出力する。例えば、1フレーム分の輝度分散が小さいほど、周辺画素のエリア数を大きくし、閾値も大きくする。
【0033】
図8に示したフローチャートを参照しながら、パラメータ切替の動作手順を説明する。パラメータ切替以外の動作手順は、図2に示した動作手順と同じである。
(1)ステップ91において、1フレーム分の入力信号の輝度分散を求める。
(2)ステップ92において、輝度分散が閾値1より小さいかどうか判定する。輝度分散が閾値1より小さい時は、ステップ93を実行する。輝度分散が閾値1以上の時は、ステップ94を実行する。
(3)ステップ93において、エリア数にエリア1を設定し、相関閾値に相関閾値1を設定して、パラメータ切替処理を終了する。
(4)ステップ94において、輝度分散が閾値1以上で閾値2より小さいかどうか判定する。輝度分散が閾値1以上で閾値2より小さい時は、ステップ95を実行する。輝度分散が閾値2以上の時は、ステップ96を実行する。
(5)ステップ95において、エリア数にエリア2を設定し、相関閾値に相関閾値2を設定して、パラメータ切替処理を終了する。
(6)ステップ96において、エリア数にエリア3を設定し、相関閾値に相関閾値3を設定して、パラメータ切替処理を終了する。
【0034】
上記のように、本発明の第4の実施の形態では、ノイズリダクション装置を、複数の分散閾値とエリア選択信号と閾値選択信号を予め設定しておき、入力信号の1フレーム分の輝度分散に応じたエリア選択信号と閾値選択信号を選択して使用する構成としたので、入力信号の輝度分散に適したノイズ低減処理を行うことができる。
【0035】
(第5の実施の形態)
本発明の第5の実施の形態は、複数の高周波平均閾値とエリア選択信号と閾値選択信号を予め設定しておき、入力信号の1フレーム分の高周波成分の平均値すなわち画像の細かさに応じたエリア選択信号と閾値選択信号を選択して使用するノイズリダクション装置である。
【0036】
図9は、本発明の第5の実施の形態におけるノイズリダクション装置の機能ブロック図である。図9において、高周波抽出手段501は、映像信号の高周波成分を抽出する手段である。平均手段502は、1フレームの高周波成分の平均を求める手段である。平均比較手段503は、1フレームの高周波成分の平均と高周波平均閾値を比較する手段である。高周波平均閾値504〜506は、高周波成分のレベルを判定する閾値である。選択手段507は、判定結果に従って、エリア選択信号と閾値選択信号を選ぶ手段である。その他の基本的な構成は、第1の実施の形態と同じである。図10は、ノイズリダクション装置のパラメータ切替の動作手順を示すフローチャートである。
【0037】
上記のように構成された本発明の第5の実施の形態におけるノイズリダクション装置の動作を説明する。図9を参照しながら、ノイズリダクション装置の機能を説明する。入力端子101より入力された映像信号は、パラメータ切替手段103に入力される。高周波抽出手段501で、1フレーム分の映像信号の高周波成分を抽出する。平均手段502で、1フレームの高周波成分の平均を求める。例えば、直前の1フレームの映像信号を、ハイパスフィルタを通して積分する。平均比較手段503で、高周波平均と高周波平均閾値を比較する。高周波平均が高周波平均閾値504より小さい時は、選択手段507で、エリア選択信号206と閾値選択信号208を選ぶ。高周波平均閾値504より大きく、高周波平均閾値505より小さい時は、エリア選択信号207と閾値選択信号209を選ぶ。それぞれ、エリア選択信号117と閾値選択信号118として出力する。例えば、1フレーム分の高周波平均が小さいほど、周辺画素のエリア数を大きくし、閾値も大きくする。
【0038】
図10に示したフローチャートを参照しながら、パラメータ切替の動作手順を説明する。パラメータ切替以外の動作手順は、図2に示した動作手順と同じである。
(1)ステップ101において、入力信号の高周波成分を抽出する。
(2)ステップ102において、1フレーム分の高周波成分の平均値を求める。
(3)ステップ103において、高周波平均が閾値1より小さいかどうか判定する。高周波平均が閾値1より小さい時は、ステップ104を実行する。高周波平均が閾値1以上の時は、ステップ105を実行する。
(4)ステップ104において、エリア数にエリア1を設定し、相関閾値に相関閾値1を設定して、パラメータ切替処理を終了する。
(5)ステップ105において、高周波平均が閾値1以上で、閾値2より小さいかどうか判定する。高周波平均が閾値1以上で閾値2より小さい時は、ステップ106を実行する。高周波平均が閾値2以上の時は、ステップ107を実行する。
(6)ステップ106において、エリア数にエリア2を設定し、相関閾値に相関閾値2を設定して、パラメータ切替処理を終了する。
(7)ステップ107において、エリア数にエリア3を設定し、相関閾値に相関閾値3を設定して、パラメータ切替処理を終了する。
【0039】
上記のように、本発明の第5の実施の形態では、ノイズリダクション装置を、複数の高周波平均閾値とエリア選択信号と閾値選択信号を予め設定しておき、入力信号の1フレーム分の高周波成分の平均値すなわち画像の細かさに応じたエリア選択信号と閾値選択信号を選択して使用する構成としたので、画像の細かさに適したノイズ低減処理を行うことができる。
【0040】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明では、ノイズリダクション装置を、映像信号から中心画素とその周辺画素を取り込む周辺画素取込手段と、周辺画素数を指定するエリア選択信号に従って周辺画素を出力する手段と、予め設定した複数の閾値の1つを選択する閾値選択信号とエリア選択信号とを制御パラメータとし、映像信号の特性に基づいて制御パラメータを切り替える制御パラメータ切替手段と、中心画素と周辺画素との輝度差の絶対値を算出する絶対値手段と、閾値選択信号に従って選択された閾値と絶対値とを比較して、周辺画素を中心画素との相関が有る相関画素と相関の無い画素とに判別する相関判定手段と、相関画素の画素数を計数して画素数総和を求める画素数計数手段と、相関画素の輝度値を加算して輝度値総和を求める相関画素加算手段と、輝度値総和を画素数総和で除算する除算手段とを具備する構成としたので、映像信号の特性に応じて、参照する周辺画素数と相関判定閾値を切り替えることができ、入力信号に適した効果的なノイズ低減を行うことができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるノイズリダクション装置の機能ブロック図、
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるノイズリダクション装置の動作手順を示すフローチャート、
【図3】本発明の第2の実施の形態におけるノイズリダクション装置の機能ブロック図、
【図4】本発明の第2の実施の形態におけるノイズリダクション装置のパラメータ切替の動作手順を示すフローチャート、
【図5】本発明の第3の実施の形態におけるノイズリダクション装置の機能ブロック図、
【図6】本発明の第3の実施の形態におけるノイズリダクション装置のパラメータ切替の動作手順を示すフローチャート、
【図7】本発明の第4の実施の形態におけるノイズリダクション装置の機能ブロック図、
【図8】本発明の第4の実施の形態におけるノイズリダクション装置のパラメータ切替の動作手順を示すフローチャート、
【図9】本発明の第5の実施の形態におけるノイズリダクション装置の機能ブロック図、
【図10】本発明の第5の実施の形態におけるノイズリダクション装置のパラメータ切替の動作手順を示すフローチャート、
【図11】従来のノイズリダクション装置の構成を示す機能ブロック図である。
【符号の説明】
101 入力端子
102 周辺画素取込手段
103 パラメータ切替手段
104〜107 絶対値手段
108〜111 相関判定手段
112 画素数計数手段
113 相関画素加算手段
114 除算器
115 出力端子
116 閾値
117 エリア選択信号
118 閾値選択信号
119 中心画素
120〜123 周辺画素
201 入力信号比較手段
202〜204 入力信号閾値
205 選択手段
206〜207 エリア選択信号
208〜209 閾値選択信号
301 平均算出手段
302 平均比較手段
303〜305 平均閾値
306 選択手段
401 分散算出手段
402 分散比較手段
403〜405 分散閾値
406 選択手段
501 高周波抽出手段
502 平均手段
503 平均比較手段
504〜506 高周波平均閾値
507 選択手段
1111 画素数計数手段
1112 相関画素加算手段
1113 除算器
1115 閾値

Claims (10)

  1. 映像信号から中心画素とその周辺画素を取り込む周辺画素取込手段と、周辺画素数を指定するエリア選択信号に従って周辺画素を出力する手段と、予め設定した複数の閾値の1つを選択する閾値選択信号と前記エリア選択信号とを制御パラメータとし、前記映像信号の特性に基づいて前記制御パラメータを切り替える制御パラメータ切替手段と、前記中心画素と周辺画素との輝度差の絶対値を算出する絶対値手段と、前記閾値選択信号に従って選択された閾値と前記絶対値とを比較して、前記周辺画素を前記中心画素との相関が有る相関画素と相関の無い画素とに判別する相関判定手段と、前記相関画素の画素数を計数して画素数総和を求める画素数計数手段と、前記相関画素の輝度値を加算して輝度値総和を求める相関画素加算手段と、前記輝度値総和を前記画素数総和で除算する除算手段とを具備することを特徴とするノイズリダクション装置。
  2. 前記制御パラメータ切替手段に、前記中心画素の輝度値に応じて前記閾値選択信号を切り替える手段と、前記中心画素の輝度値に応じて前記エリア選択信号を切り替える手段とを設けたことを特徴とする請求項1記載のノイズリダクション装置。
  3. 前記制御パラメータ切替手段に、前記映像信号の1フレーム分の輝度平均値を求める手段と、前記輝度平均値に応じて前記閾値選択信号を切り替える手段と、前記輝度平均値に応じて前記エリア選択信号を切り替える手段とを設けたことを特徴とする請求項1記載のノイズリダクション装置。
  4. 前記制御パラメータ切替手段に、前記映像信号の1フレーム分の輝度分散値を求める手段と、前記輝度分散値に応じて前記閾値選択信号を切り替える手段と、前記輝度分散値に応じて前記エリア選択信号を切り替える手段とを設けたことを特徴とする請求項1記載のノイズリダクション装置。
  5. 前記制御パラメータ切替手段に、前記映像信号の1フレーム分の高周波成分を抜き出して画像の細かさを示す高周波平均を求める手段と、前記高周波平均に応じて前記閾値選択信号を切り替える手段と、前記高周波平均に応じて前記エリア選択信号を切り替える手段とを設けたことを特徴とする請求項1記載のノイズリダクション装置。
  6. 映像信号から中心画素とその周辺画素を取り込み、周辺画素数を指定するエリア選択信号に従って周辺画素を出力し、予め設定した複数の閾値の1つを選択する閾値選択信号と前記エリア選択信号とを制御パラメータとし、前記映像信号の特性に基づいて前記制御パラメータを切り替え、前記中心画素と周辺画素との輝度差の絶対値を算出し、前記閾値選択信号に従って選択された閾値と前記絶対値とを比較して、前記周辺画素を前記中心画素との相関が有る相関画素と相関の無い画素とに判別し、前記相関画素の画素数を計数して画素数総和を求め、前記相関画素の輝度値を加算して輝度値総和を求め、前記輝度値総和を前記画素数総和で除算して、前記中心画素の輝度値とすることを特徴とするノイズリダクション方法。
  7. 前記中心画素の輝度値に応じて前記閾値選択信号を切り替え、前記中心画素の輝度値に応じて前記エリア選択信号を切り替えることを特徴とする請求項6記載のノイズリダクション方法。
  8. 前記映像信号の1フレーム分の輝度平均値を求め、前記輝度平均値に応じて前記閾値選択信号を切り替え、前記輝度平均値に応じて前記エリア選択信号を切り替えることを特徴とする請求項6記載のノイズリダクション方法。
  9. 前記映像信号の1フレーム分の輝度分散値を求め、前記輝度分散値に応じて前記閾値選択信号を切り替え、前記輝度分散値に応じて前記エリア選択信号を切り替えることを特徴とする請求項6記載のノイズリダクション方法。
  10. 前記映像信号の1フレーム分の高周波成分を抜き出して画像の細かさを示す高周波平均を求め、前記高周波平均に応じて前記閾値選択信号を切り替え、前記高周波平均に応じて前記エリア選択信号を切り替えることを特徴とする請求項6記載のノイズリダクション方法。
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