JP4014128B2 - 空気圧縮機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は空気圧縮機に関するものであり、特に、アフタクーラを装備したエンジン駆動型の空気圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、作業現場の動力用として、また、設備用として利用されるエンジンにより駆動される空気圧縮機に、圧縮空気から水分を除去するためにアフタクーラを装備することがある。
【0003】
そして、前記エンジン駆動型の空気圧縮機(以下、空気圧縮機という。)にアフタークーラを装備する場合は、図4(a),(b)に示すように、エンジンEのファンFとラジエータRもしくはオイルクーラOとの間の空隙部位(イ)に設置されるか、もしくは、防音ケース(ボンネット)Bの通気口、すなわち、エンジンEのファンFの反対側に位置し、圧縮機本体Kと防音ケースBの後壁に設けられた通気口BHとの間の空隙部位(ロ)に設置される。なお、図中、Vは負荷との接続のためのサービスバルブを示す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記空気圧縮機は、一般に、エンジン、圧縮機本体等を防音ケース等に収容させて、車両で各作業現場まで搬送されて使用されたり、また、設備用として狭い場所に設置されて使用されたりするために、外観寸法の小型化が常に要求されており、前記したように、空隙部位(イ)または(ロ)にアフタクーラを装備する場合は、アフタクーラを装備しない場合と比較して全長が長くなってしまうという問題がある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みて案出されたものであり、その目的は、エンジン駆動型の空気圧縮機の全長を変えることなく防音ケース内にアフタクーラを装備できるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するために提案されたものであり、防音ケース内に、エンジンと、該エンジンにより駆動されるファンと、該エンジンにより駆動される空気圧縮機本体と、該空気圧縮機本体から吐出された圧縮空気から水分を除去するアフタクーラとを収容し、前記ファンにより通気口から前記防音ケース内に外気を吸い込んで排気口から外部に排出させることにより前記防音ケース内を冷却するようにした空気圧縮機において、前記防音ケース内が、少なくとも、前記エンジン、前記ファン及び前記空気圧縮機本体を配置している機械室と、前記機械室の上部に位置し、前記通気口を備えるとともに、前記機械室と連通口を介して接続されているダクト状に構成した吸気室と、に区画するとともに、前記機械室と前記吸気室とを区画する水平隔壁に形成された前記連通口の開口面に対向させて熱交換部のコアー部を密着配置して前記アフタクーラを取り付けた空気圧縮機を提供するものである。
【0007】
かかる構成において、エンジンが駆動されると、エンジンによって空気圧縮機本体とファンとが駆動される。空気圧縮機本体はエンジンの回転数に対応して圧縮空気を生成する。ファンの回転により、防音ケース内の雰囲気は排気口を通じて機外に排出され、外気は、通気口、吸気室及び連通口を通じて機械室に導入される。このとき、外気は、連通口から機械室内に吸い込まれる間にアフタクーラを冷却し、機械室を通過して排気口に至る間に、機械室内と、機械室内に設置されているエンジン、空気圧縮機本体等を冷却する。このため、空気圧縮機の安定した連続運転が可能となり、さらに、前記吸気室をダクト状に構成することにより、機械室内のエンジン等の機械音や燃焼音が連通口から吸気室を通り通気口より漏れる騒音を低減できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図1ないし図3を参照して説明する。
図1(a)は本発明の一実施の形態にかかる空気圧縮機の外観構造を示し、図1(b)及び図2は空気圧縮機の内部構造を、図3はアフタクーラの取付構造を示す。なお、図1及び図2において、矢印Fは空気圧縮機1の前方側を示し、矢印Rは空気圧縮機1の後方側を示す。
【0009】
図1(a)に示されるように、空気圧縮機1の本体は、所謂、共通架台と称せられるベース2と外部への騒音漏れを防止するために内面に吸音材が貼り付けられた防音ケース3とで構成される。
図1(b)及び図2に示されるように、防音ケース3内は、垂直隔壁4と水平隔壁5によって、前部の排風室6、後部の機械室7、機械室7の上方の吸気室8の少なくとも3室に仕切られており、機械室7に設置されたエンジン9によって空気圧縮機本体10が駆動される。
【0010】
前記排風室6の天井部11と垂直隔壁4には、機外と排風室6及びこの排風室6と機械室7とを連通すべくそれぞれ排気口12a,通風口12bが設けられ、防音ケース3の両側面上部と後面上部には、機外と吸気室8とを連通すべく通気口13,13,16,16が設けられる。
そして、前記吸気室8は次のようなダクト構造を有している。
すなわち、前記水平隔壁5の後方部には前記吸気室8から機械室7に外気を導入させるために、機械室7と吸気室8とを連通する連通口14が形成される。また、前記吸気室8内には前記防音ケース3の両側面上部に設けられた各通気口13,13からそれぞれ吸気室8に導入された外気を各通気口13毎に独立に且つ後方に向きを変えて前記連通口14に案内するための仕切壁15が設けられるとともに、防音ケース3の後面部に設けられた通気口16,16から導入する外気を連通口14に案内するための案内壁17が設けられる。
【0011】
前記案内壁17は、前記仕切壁15によって分割された左右2本の吸気ダクト18a,18b内を通ってそれぞれ前記連通口14に至る外気と、前記防音ケース3の後面部の通気口16,16から前記連通口14に至る外気との相互の干渉を防止するとともに、防音ケース3の後面部の通気口16,16から導入された外気が連通口14にスムーズに導入されていくようにするためと、通気口16,16から連通口14を覗けない構造にして機械室7の機械音や燃焼音が連通口14を通ってから直線的に、通気口16,16に達しないようにして通気口16,16から漏れる騒音を低減する吸気ダクト18cを形成すべく、図3に示すように、防音ケース3の後面部の通風口16,16側から連通口14の上方までの間で吸気室8の幅方向いっぱいを斜め上向きに傾斜させてブラケットBにより防音ケース3に取り付けられている。
そして、図2に示すように、前記防音ケース3の各通気口13,13,16,16には、外部からゴミ等の異物が入らないようにグリルを内側に備えるとともに、機械室7からの機械音等の漏れを抑えるためのルーバー19a,19b,20a,20bが取り付けられる。
【0012】
図2に示すように、前記機械室7には、エンジン9を前部側、圧縮機本体10を後部側として、前記エンジン9と前記垂直隔壁4との間にラジエータ21とオイルクーラ22とが長手方向に直列に配置される。前記ラジエータ21は前記エンジン9の冷却水循環系統と配管(図示せず)を介して連通しており、前記オイルクーラ22も配管(図示せず)を介して空気圧縮機本体10の潤滑油供給系統(図示せず)に連通している。
【0013】
また、機械室7の空気圧縮機本体10の上方で水平隔壁5の下方には、前記圧縮機本体10から吐出された圧縮空気の水分を除去するためのアフタクーラ23が配置される。このアフタクーラ23は、一方側のタンク23dと他方側のタンク23e間の熱交換部、すなわち、チューブ23aとフィン23bより構成されるコアー部23cを前記連通口14に臨ませて配置される。
本実施の形態にあって、前記アフタクーラ23は、図3に示されるようにアングルやチャンネル材によって額縁状に枠組みされた支持枠30内に配置されて固定されており、この支持枠30を介して前記機械室7の後部の前記ベース2から立ち上がらせた門型の架台24の上部に支持固定される。そして、前記アフタクーラ23は、前記水平隔壁5下面の連通口周縁部にパッキン25を介して下方から密着している。なお、前記架台24は圧縮機本体10等の各種機器を操作する制御盤(図示せず)を取り付ける部材としても兼用している。
【0014】
前記圧縮機本体10の吐出口と前記アフタクーラ23の圧縮空気入口とはレシーバータンク27に連通し、アフタクーラ23の圧縮空気排出口はサービスバルブ(図示せず)を介して負荷に接続するように構成され、レシーバータンク27で前記圧縮機本体10から吐出された圧縮空気からオイルを分離したものをアフタクーラ23で水分を除去し、サービスバルブを介して負荷に供給するようになっている。また、アフタクーラ23の下流側となる他方側のタンク23eにはドレン装置28を取り付けて、圧縮空気から凝縮水が回収されるようになっている。
【0015】
そして、前記垂直隔壁4に形成されている通風口12bに対向させてラジエータ21を、更に、オイルクーラ22を配置する。そして前記エンジン9に装備されこのエンジン9によって駆動される吐出型のファン(以下、ファンという)29をオイルクーラ22に対向させて臨ませている。
【0016】
次に、本実施の形態にかかる空気圧縮機の動作を説明する。
図2及び図3に示されるように、前記エンジン9によって空気圧縮機本体10が駆動されファン29が駆動される。空気圧縮機本体10はエンジン9の回転数に対応して空気を圧縮し、圧縮空気はレシーバータンク27からアフタクーラ23に送られる。また、ファン29の吸引力により機械室7から排風室6に機械室7内の雰囲気が送り出されるとともに、各通気口13,13,16,16から吸気室8に外気が導入される。
【0017】
このとき、防音ケース3の後面部の通気口16から導入された外気は、前記案内壁17の傾斜による絞り込みによって連通口14の上方までの間で次第に流速を上げ、案内壁17の終端で最大の流速となる。そして、案内壁17を越えたとき拡散して、通風口13,13から吸い込まれ連通口14から機械室7内に吸い込まれていく外気と合流する。そして、アフタクーラ23のコアー部23cを通って機械室7内に吸い込まれていくので、圧縮空気が冷却される。このとき、アフタクーラ23の内部では、冷却によって凝縮水が生成され、生成された凝縮水がドレン装置28に回収される。このように、防音ケース3に導入された外気の全てを他の機器を冷却する前に、アフタクーラ23に通しているので、アフタクーラ23の冷却効率が良い。
【0018】
アフタクーラ23のコアー部23cを通過した外気は、機械室7内を通過して排風室6に至る間に、機械室7に配置されているエンジン9、空気圧縮機本体10、ラジエータ21、オイルクーラ22、その他、補器、電気機器、電気回路、制御盤等を冷却する。
【0019】
機械室7内のエンジン9等から生ずる機械音、燃焼音等、防音ケース3の外気取り入れ口から機外に漏れる騒音は、外気取り入れ口が吸気室8に集中させてあるので、全て連通口14を通り、吸気室8内を抜けて通気口13,13,16,16から放出される。
吸気ダクト18a,18b,18cの内壁に吸音材が貼付され、吸気ダクト18cに案内壁17を設け、通気口13,13,16,16にルーバーを有しているので、吸気室8を通過させるだけで、音が吸収、遮蔽されて騒音を低減させている。
そして、連通口14にアフタクーラ23が前記のように装備されているので、音の放出抵抗となりより騒音を更に低減させている。また、機械室7は外気取り入れ口がないので漏れる騒音はない。
【0020】
なお、アフタクーラ23を冷却する外気量に余裕がある等の場合、防音ケース3の外気取り入れの通気口の一部を吸気室8以外の機械室7に設けて、その通気口を別途騒音低減構造にしてもよい。
【発明の効果】
請求項1記載の発明は、前記一実施の形態に詳述したことから明らかなように、空気圧縮機の全長を変えることなく、すなわち、設置スペースを大きくせずに防音ケース内にアフタクーラを設置することができる。しかも、空気圧縮機の外気取り入れ口を吸気室に集中させたので、アフタクーラを効率良く冷却することができ、エンジン等から生ずる機械音、燃焼音等の外気取り入れ口から漏れる騒音を低減することができ、前記吸気室をダクト状に構成したから、空気取り入れ口より漏れる機械室内のエンジン等の機械音や燃焼音の騒音を更に低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかる空気圧縮機を示し、図1(a)は外観構造を示す斜視図、図1(b)は内部構造を示す解説図である。
【図2】本発明の一実施の形態にかかる空気圧縮機の内部構造を示す一部切欠解説図である。
【図3】本発明の一実施の形態にかかる空気圧縮機のアフタクーラの取付構造を示す解説図であり、防音ケースの後面部を取り除いた状態を示す図である。
【図4】従来例を示し、空気圧縮機の内部構造を示す解説図である。
【符号の説明】
1 空気圧縮機
3 防音ケース
4 垂直隔壁
5 水平隔壁
6 排風室
7 機械室
8 吸気室
9 エンジン
10 空気圧縮機本体
13,13 通気口
14 連通口
16,16 通気口
23 アフタクーラ
23c コアー部(熱交換部)
29 ファン
Claims (1)
- 防音ケース内に、エンジンと、該エンジンにより駆動されるファンと、該エンジンにより駆動される空気圧縮機本体と、該空気圧縮機本体から吐出された圧縮空気から水分を除去するアフタクーラとを収容し、前記ファンにより通気口から前記防音ケース内に外気を吸い込んで排気口から外部に排出させることにより前記防音ケース内を冷却するようにした空気圧縮機において、
前記防音ケース内が、少なくとも、
前記エンジン、前記ファン及び前記空気圧縮機本体を配置している機械室と、前記機械室の上部に位置し、前記通気口を備えるとともに、前記機械室と連通口を介して接続されているダクト状に構成した吸気室と、に区画するとともに、
前記機械室と前記吸気室とを区画する水平隔壁に形成された前記連通口の開口面に対向させて熱交換部のコアー部を密着配置して前記アフタクーラを取り付けたことを特徴とする空気圧縮機。
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