JP4012726B2 - 組伝票の製造方法 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は、伝票用紙の一方の耳部に接着剤を塗布して順次重ね合わせて丁合し、接着剤塗布部を加圧して組ごとの伝票同志を接着させる組伝票の製造方法及びその方法を実施するための装置に関するもので、各伝票が折り畳まれた形式の年金、納税、配送、保険契約等の組伝票を丁合する場合に使用される。
【0002】
【従来技術とその問題点】
この種の丁合方法としては、特開平10-35145号公報に開示されたものが知られている。
この公知の方法では、伝票の一方の耳部に接着剤を塗布して順次重ね合わせる際に、一つの組の表紙と他の組の末尾の伝票との間に位置する接着剤の塗布を省略して順次丁合し、接着剤塗布側を加圧して組ごとの伝票同志を接着させて組伝票を製造している。
この公知技術において製造される組伝票は、伝票用紙を折り畳むことなくそのまま順次重ね合わせた状態において左右の厚さが同じとなる。したがって、伝票を数組重ねて丁合して各組毎の伝票を互いに接着させる際に、数組を重ねた伝票に対してそのまま上から加圧しても安定した状態を保ち、接着剤を乾燥乃至硬化させられる。
【0003】
しかしながら、二つ折りや三つ折の伝票を用いて露出している耳部に接着剤を塗布して丁合しようとする場合には、接着剤を塗布した耳部側と折畳まれた側とでは厚みが相違してしまうため、丁合された数組の伝票を上下方向に正確に重ね合わせることが困難であるし、接着剤塗布部に安定した圧力を与えることもできないことになる。
【0004】
【技術的課題】
本発明は、伝票用紙の一方の耳部に接着剤を塗布して順次重ね合わせて丁合し、接着剤塗布部を加圧して組ごとの伝票同志を接着させる組伝票の製造方法及びその方法を実施するための装置において、丁合された複数の組伝票の接着剤塗布部を安定的に加圧できるようにすることを課題としたものである。
【0005】
【技術的手段】
この技術的課題を解決するための第一の技術的手段は組伝票の製造方法に関するもので、(イ)接着剤塗布側の耳部を隠蔽しないように伝票を横方向へ折り畳み、(ロ)伝票を下向きにして送り出すと共に接着剤塗布部を回転軸側にして順次回転台上へ臨ませ、(ハ)その直立姿勢を維持したまま伝票を丁合して回転方向に加圧すること、である。
第二の技術的手段は組伝票の製造装置に関するもので、(ニ)一方の耳部を隠蔽しないように伝票を横方向へ折り畳む装置と露出した耳部に接着剤を選択的に塗布する装置とを備えると共に伝票を下向きに送り出す搬送装置、(ホ)搬送装置の下方に配置した回転台、(ヘ)回転台上に配置しこれと同軸で回転台とは独立して回動するストッパー、(ト)回転台の周縁に沿って配置し伝票の折目側を案内する円弧状ガイド部材、とからなり、(チ)接着剤塗布部を回転軸側にして丁合された伝票群にかかる圧力を搬送装置の下部に配置したセンサーが検知してストッパーを回動させること、である。
【0006】
第三の技術的手段は、第二の技術的手段において、回転台上で丁合されている伝票の上部を押圧するローラを配置することであり、第四の技術的手段は、第三の押さえローラの下流側に組伝票を後工程へ送り出すための排出ローラを配置すること、である。
【0007】
請求項1については、図1、2に示した概念図を使用して説明する。この例では、連続用紙2を裁断して単独の伝票1となし、これを丁合して組伝票10を形成する場合について説明している。
横方向へ折り畳まれ、耳部に接着剤が塗布された伝票1は、下向きに送り出されてそのまま順次回転台11上へ臨ませられ、回転台上で直立させられた姿勢のままで丁合されることになる。
伝票1の折目側は接着剤塗布側の厚みより大きく、丁合された組伝票10が増えてくるにしたがって厚みの差が大きくなるが、丁合された組伝票10の接着剤塗布部は回転軸側に向けられていて、順次丁合が完了した組伝票10が回転台11上に滞留しながら、回転台11上を移動させられることになる。組伝票10の最前列面をストッパー12によって最先端側の移動を規制するなどして組伝票10を加圧すると、接着剤塗布側がインコース、折目側がアウトコースで周方向に移行することになるため、組伝票10群に安定した圧力が加えられ、接着剤塗布側の加圧状態も良好なものとなる。
【0008】
請求項2において、搬送装置6は、一方の耳部を隠蔽しないように伝票1を横方向へ折り畳む装置並びに露出した耳部に接着剤を選択的に塗布する装置5とが備えられているから、伝票1が下向きに送り出される際には、伝票の折り畳みと耳部への接着剤の塗布とが完了している。なお、接着剤の塗布は選択的に行われ、各組伝票10の最初の伝票と他の組伝票10の最終の伝票との間には接着剤が介在しないように制御されることになる。
伝票1は、下向きに送り出されてその下方に配置されている回転台11上に順次臨ませられるが、回転台11上にはストッパー12が配置されていて、丁合され回転台11の回転にしたがって前進しようとする組伝票の最前列面に当接することになる。
【0009】
組伝票は10は接着剤塗布部を回転軸側に折目側を外側にして順次丁合されていくため、接着剤塗布側がインコース、折目側がアウトコースを移行することになる。
組伝票10群は円周方向に沿って順次追加配列されるが、組伝票10が増えて組伝票10に対する圧力は大きくなっても、回転台11の周縁に沿って伝票1の折目側を案内する円弧状のガイド部材が配置されているため、組伝票10群は回転台11から飛び出すことはない。
したがって、組伝票10群は、整然とした状態で加圧されるため、接着剤塗布部も安定した状態で加圧されることになる。
ストッパー12は、回転台11と同軸でありながらこれとは独立して回動するから、ストッパー12が停止した状態では、組伝票10群は回転台11上をスライドさせられる状態となる。搬送装置6の下部に配置したセンサー9が組伝票10群に掛かる圧力を検知してストッパー12を回動させることによって、組伝票10群に対する圧力を調整することができる。
塗布した接着剤が硬化した段階で適宜組伝票10を取り出せば、組伝票10の製造工程が終了する。
【0010】
第二の技術的手段において、回転台11上で丁合されている伝票1の上部を押圧する部材を配置しておくと、ストッパー12が最前列面から離れても、この部材が組伝票10群の前進を規制して圧力を付与することができる。したがって、この部材を脱した組伝票10を順次回収できることになる。押圧部材としては、ローラやベルト等を使用することができ、徐々に前進する組伝票10によって回動させられるようにしたものを使用することが望ましい。
また、この構成を採用した場合、押圧部材の下流側に排出ローラを配置して組伝票を後工程へ送り出すことができ、組伝票の封入等の後処理を連続して行うことが可能となる。
なお、伝票1に塗布されている接着剤は、早いもので10秒程度加圧しておくことによって十分な接着力を発揮できるから、いつまでも組伝票10群を加圧しておく必要はない。
【0011】
【本発明の効果】
丁合された複数の組伝票の接着剤塗布部を安定的に加圧できる結果、折り畳まれた伝票を円滑に組伝票とすることができる利点がある。
【0012】
【実施の形態】
図1、2に示した例では、連続用紙を使用し、予め折り畳まれる側の穴が穿設された案内用の耳部をサイドスリッター3で切除した後で折り畳み、次いで他方の耳部をサイドスリッター4で切除した後で横方向に裁断して単独の伝票を形成し、その耳部に接着剤を塗布する方法を採用しているが、接着剤の塗布は、穴を穿設した耳部の切除、横方向への折畳の前後いずれのタイミングで行われても良く、また、伝票1が横向き又は下向きのいずれの方向へ向いているときに行われても良い。
また、連続用紙を使用することなく、独立している伝票を使用して組伝票を製造することもできるのは勿論である。
なお、伝票1はベルト7を利用して搬送され、そのまま下向きに送り出される例が示されているが、把持手段を利用して伝票を下向きに送り出す方法を採用することもできる。
【0013】
図3は回転台11の平面図である。回転台11は、搬送装置6を形成している下向きに走行した数本のベルト7、7の反転部8の下方に、水平方向で回転するように配置している。
回転台の周縁に沿って上方にガイド部材としての円弧状の案内壁17を配置している。この実施形態では、この案内壁17を回転台11とは独立させ、それ自身回転することのない構成を採用しているが、回転台11の周縁に沿って案内壁を固設する構成を採用することもできる。
回転台11上には丁合された組伝票の最前列面に当接するストッパー12が配置してある。このストッパー12は、回転台11の回転軸13と同軸で自転する回転軸14によって回転させられる支持アーム15に固定してあり、ベルトの反転部8の近傍に配置した圧力センサー9が組伝票10群に掛かる圧力を検知してストッパー12の回転を制御し、常時適正な圧力が組伝票10群に掛かるようになっている(図4参照)。
【0014】
図5、6は、請求項3に記載した製造装置の実施形態を示したものである。
回転台11の上方には、丁合された組伝票10群の上部に接する無端ベルト18が配置してあり、組伝票10群の最前列がこのベルト18を脱した段階でストッパー12を前方へ移動させておくと、加圧されて前進する組伝票10群がベルト18に接しながら前進し前進力がベルト18との摩擦力を越えた段階でベルト18を脱して回転台11上に倒れ(図6参照)、そのまま前進させられるから、作業者は容易に組伝票10を取り出すことができる。
【0015】
図7は、請求項4に記載した製造装置の実施形態を示したものである。
回転台11の上方には、前記した無端ベルト18の前方に半径方向で自走する別の無端ベルト19が配置してあって、無端ベルト18を脱した組伝票10を回転台11の外へ強制的に排除し、回転台11の下に配置した別の搬送装置へ移行させられるようにしている。
【0016】
図8、9は、昇降式のストッパー12を備えた装置の実施形態を示したものである。
やや高く位置させた支持アーム25の内外端には案内フレーム21、21が下に向けて固設してあり、このフレーム21には垂直方向に配置したネジシャフト22、22を軸支させている。ネジシャフト22、22の頭部にはプーリー23、23を固定し、プーリー間にはベルト24が掛け渡してあって、モーター26を作動させることによって一方のシャフト22が自転すると、同時に他方のシャフト22も自転するように構成している。
ストッパー12は、このシャフト22、22ののネジに対応して雌ネジが形成してあり、シャフト22を正逆方向へ自転させると、案内フレーム21、21にガイドされて昇降するように取り付けられている。
【0017】
ストッパー12の下端には遊転ローラ27が軸支してあって、ストッパー12が上昇した段階では、組伝票10群の最前列の上部に当接して抵抗を付与し、組伝票10群の圧力がこの抵抗力より大きくなると、前列側から組伝票10のインコース側からストッパー12の下を通過し、回転台11の回転に伴って前方へ押しやられて搬送ベルト20へ落下することになる。
なお、ベルト20への円滑な落下を行わせる為に、支持アーム25から二点鎖線で示したようなガイド部材28を突設しておくことが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】組伝票を形成する手順を示す概念図
【図2】伝票の移動状態を示す概念図
【図3】回転台の平面図
【図4】回転台の中央断面図
【図5】押さえベルトを配置した実施形態における回転台の平面図
【図6】組伝票が倒れる状態の説明図
【図7】排出ベルトを配置した実施形態における回転台の平面図
【図8】昇降式ストッパーを配置した実施形態における回転台の平面図
【図9】昇降式ストッパーの正面図
【符号の説明】
1伝票、 5接着剤塗布装置、 6搬送装置、 8搬送装置下部、 9センサー、 10組伝票、 11回転台、 12ストッパー、 13回転台の回転軸、 14支持アームの回転軸、 15、25支持アーム、 17ガイド部材、 18ベルト、 19排出用ベルト、 21案内フレーム、 22ネジシャフト、 27ローラ
Claims (4)
- 伝票用紙の一方の耳部に接着剤を塗布して順次重ね合わせて丁合し、接着剤塗布部を加圧して組ごとの伝票同志を接着させる組伝票の製造方法において、接着剤塗布側の耳部を隠蔽しないように伝票を横方向へ折り畳み、伝票を下向きに送り出すと共に接着剤塗布部を回転軸側にして順次回転台上へ臨ませ、その直立姿勢を維持したまま伝票を丁合して回転方向に加圧する組伝票の製造方法。
- 伝票用紙の一方の耳部に接着剤を塗布して順次重ね合わせて丁合し、接着剤塗布部を加圧して組ごとの伝票同志を接着させる組伝票の製造装置において、一方の耳部を隠蔽しないように伝票を横方向へ折り畳む装置と露出した耳部に接着剤を選択的に塗布する装置とを備えると共に伝票を下向きに送り出す搬送装置、搬送装置の下方に配置した回転台、回転台上に配置しこれと同軸で回転台とは独立して回動するストッパー、回転台の周縁に沿って配置し伝票の折目側を案内する円弧状のガイド部材、とからなり、接着剤塗布部を回転軸側にして丁合された伝票群にかかる圧力を搬送装置の下部に配置したセンサーが検知してストッパーを回動させるようにした組伝票製造装置。
- 回転台上で丁合されている伝票の上部を押圧する部材を配置した請求項2に記載の組伝票製造装置。
- 押さえローラの下流側に排出ローラを配置して組伝票を後工程へ送り出す請求項3に記載の組伝票製造装置。
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