JP4010745B2 - 導電性弾性体及びそれを用いた画像形成装置並びに導電性弾性体の製造方法 - Google Patents

導電性弾性体及びそれを用いた画像形成装置並びに導電性弾性体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真装置等に用いられる導電性弾性体全般に関するもので、特に、例えば、コピア、レーザープリンタにおける像担持体に当接して使用される導電性弾性体およびその被覆方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式においては、従来、金属ワイヤーに高電圧を印加し、発生するコロナにより感光体を帯電させたり、転写させたりしている。しかし、このコロナチャージ方式ではコロナ発生時にオゾンやNOx等のコロナ生成物により感光体の表面を変質させるため、画像白抜けや黒スジが生じる等の画像品質上の問題の他、オフィス環境の点においても問題があった。そこで、オゾンやNOx等を発生させない方式として、導電性弾性体を感光体などに接触させて帯電及び転写させる方式が提案されている。
【0003】
電子写真方式の画像形成装置において、像担持体に潜像を形成するために像担持体を帯電させる帯電手段として、像担持体に対向して付設された導電性弾性体にDC電圧及びAC電圧を印加して接触帯電を行うプロセス、像担持体上の静電潜像にトナーを供給して顕像化する現像プロセス、像担持体上に形成されたトナー像を転写材に転移させるための手段として、像担持体に対向して付設された導電性弾性体に転写材の背面側より数百V〜2kV程度の電圧を印加して接触転写を行うプロセスがある。
【0004】
これらに用いられる導電性弾性体は感光体などの対向部材に当接または圧接して使用するため、導電性弾性体のロングライフを考慮すると、十分な復元力を有するために(いわゆるC−setを防止)導電性弾性体の硬度を高くせざるをえない。特に導電性弾性体を転写手段に用いた場合、対向部材と導電性弾性体との間の転写ニップを十分に確保するために大きな加圧力が必要となる。特開平10−171274号公報に開示されているソリッドゴムの条件では総圧3〜10kgの加圧が必要となってしまうので、感光体などの対向部材との摩擦により感光体などの対向部材の摩耗劣化を生じてしまう。
【0005】
近年、高画質化により感光体などの対向部材の薄膜化が進む中で、感光体などの対向部材の摩耗劣化は大きな欠点となる。このような欠点を防止するために、C−setを生じない程度で導電性弾性体の硬度を低くした発泡弾性体を用いることがあるが、この場合、精密な真円度、円筒度、真直度、平面度を出すのは非常に困難であり、発泡弾性体表層のセルが潜像・トナー像に悪影響を及ぼすだけでなく、絶縁破壊による発泡弾性体表層の酸化及び組成変化、また感光体などの像担持体上に残った残トナーが、発泡弾性体に転移して発泡弾性体の表層のセル内に入り込みクリーニングが困難となり、長期間の使用により汚染される。これにより、像担持体表面の汚れ、帯電・現象・転写不良、記録紙裏汚れ、導電性弾性体の体積抵抗率の上昇などといった問題が生じる。
【0006】
従って、この導電性弾性体に転移した残トナーをクリーニングする必要があるが、その場合、発泡弾性体表面をブレード、ファーブラシ等でクリーニングする方法や、所定の電圧を印加することにより、像担持体上にトナーを戻してやる方法等が考案されているが、まだ十分ではない。また、導電性弾性体を構成する発泡弾性体は有機合成高分子であり原料に戻しリサイクルすることは困難であるのが現状である。これらの問題の対策として、トナー離型性、耐摩耗性、耐久性の向上を考慮した発泡弾性体の表層に被覆層を設けた導電性弾性体が提案されている。しかしながら、発泡弾性体と被覆層の密着が非常に困難で、その間での剥がれや浮き上がりなどの問題が生じる。
【0007】
これらの問題の対策として、接着剤を用いて接着する方法があるが、特殊な接着剤を使用すると、その接着剤の抵抗から全体の体積抵抗率の変化や、局所的な体積抵抗率の変化などをもたらす場合もある。特殊な接着剤を使用せずに高分子間の化学反応による接合も可能であるが、その際の結合部分での組成変化による全体の体積抵抗率の変化や、局所的な体積抵抗率変化、硬度変化などをもたらす場合も考えられ、さらに製造工程に複雑な技術が必要となるだけでなく、コストも非常に高くなってしまうなどの問題が生じる。
【0008】
さらに、上記問題の対策として特開平10−228187号公報では、被覆層を加熱して発泡弾性体と融着させる手段が提案されている。しかし、この場合被覆層を融着させているので容易に被覆層を剥がすことは困難で、融着面での組成変化に伴う抵抗値変化などが生じてしまう。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述した従来の技術の問題点に鑑みてなされたものであり、電子写真プロセスにおける帯電、現像及び転写手段として好適な導電性弾性体およびその製造方法ならびに前記導電性弾性体を使用した画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、少なくとも基体と2層以上の弾性体から構成される導電性弾性体において、基体と内部弾性体から構成される導電性弾性体の表層に被覆弾性層を被覆し、内部弾性体の表層平均セル径や内部弾性体の厚み等を制御することにより、上記課題を満足する導電性弾性体が得られることを見出し本発明を完成した。
また、少なくとも2層以上の弾性体から構成される導電性弾性体の製造にあたり、内部弾性体の膨張による力として未発泡弾性体の発泡及び硬化により生じる膨張力を用いて被覆層と内部弾性体とを密着せしめることにより優れた導電性弾性体が得られることを見出し本発明を完成した。
【0011】
すなわち、本発明は、少なくとも基体と2層以上の弾性体から構成される導電性弾性体であって、基体と内部弾性体から構成される導電性弾性体の表層に被覆弾性層を被覆することにより、前記内部弾性体の表層平均セル径が前記被覆弾性層の被覆前に比較して10%以上小さくなっていることを特徴とする導電性弾性体に関する。
【0012】
また、本発明は、少なくとも基体と2層以上の弾性体から構成される導電性弾性体であって、基体と内部弾性体から構成される導電性弾性体の表層に被覆弾性体を被覆することにより、内部弾性体の厚みが被覆弾性層の被覆前に比較して5〜20%薄くなっていることを特徴とする導電性弾性体に関する。
【0013】
さらに、本発明は、少なくとも2層以上の弾性体から構成される導電性弾性体の製造方法であって、内部弾性体の膨張による力として未発泡弾性体の発泡及び硬化により生じる膨張力を用い、被覆層と内部弾性体とを密着させることを特徴とする導電性弾性体の製造方法に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態である画像形成装置について、図面により説明する。図8は本発明の画像形成装置の概略断面図である。この画像形成装置は、コンピューターの出力装置として使用されるものであるが、これ以外にワードプロセッサやFAXの印字部、デジタル複写機の印字部等としても使用可能である。本発明の画像形成装置において、被画像形成体に画像を記録する為に必要な像担持体への画像形成方法は、カールソンプロセスや背面露光方法の他、種々の作像原理を使用可能であり、特に限定されるものではない。本実施の形態は、カールソンプロセスによる画像形成装置の例である。
【0015】
図8の画像形成装置は、主に、画像を形成する画像形成部10と画像形成部10に用紙Pを供給する供給装置30とから構成されている。上記画像形成部10は、アルミ素管に感光層を配置した像担持体としての感光体ドラム11と感光体ドラム11の周囲にこの順序で配置される帯電装置12、露光装置(レーザーユニット)13、現像装置14、転写装置15、及び除電装置(除電ランプ)16、定着装置17とを備えている。
【0016】
上記帯電装置12は、感光体ドラム11の表面に均一な電荷を付与するための帯電導電性部材(帯電手段)18と、該帯電導電性部材18に電位を供給するための帯電電源19とを備えている。上記レーザーユニット13は、帯電された感光体ドラム11の表面に画像データに応じてレーザーを照射し、該感光体ドラム11上に電荷パターンからなる静電潜像を形成する。上記現像装置14は、上記レーザーユニット13の露光によって形成された上記静電潜像に対して現像剤であるトナー50を供給してトナー像を形成する現像導電性部材(現像手段)21と、該現像導電性部材21に現像電圧を供給する現像電源22を備えている。上記転写装置は、用紙Pを感光体ドラム11に圧接して感光体ドラム11に形成されたトナー像を用紙Pに転写する転写導電性部材(転写手段)23と、転写時に該転写導電性部材23に転写電圧を供給する転写電源24を備えている。除電ランプ16は複数のLEDからなり、感光体ドラム11の表面に光を照射して感光体ドラム11の表面に残留した電荷を中和して除電する。
【0017】
上記給紙装置30は用紙Pを収容するカセット31、該カセット31から用紙Pを送り出すピックアップローラ32、供給された用紙Pをガイドする給紙ガイド33、給紙された用紙Pを所定の速度で搬送する一対のレジストローラ34からなる。また、給紙装置30は、用紙Pが供給されたことを検出する給紙センサ(図示せず)を備えている。
【0018】
上記のピックアップローラ32、帯電導電性部材18、現像導電性部材21、転写導電性部材23、及び感光体ドラム11は図示しない駆動装置によって回転駆動される。これらの回転駆動は不図示のプロセスコントロールユニットによって所定のタイミングで適宜制御される。また、画像形成部10の用紙Pの出紙側には、用紙Pを装置外に排出する排紙ローラ41と排紙された用紙Pを保持する排紙トレイ42を配置している。上記構成の画像形成装置においては、本発明に係る導電性弾性体は、帯電導電性部材18、現像導電性部材21、及び/または転写導電性部材23等に好適に使用することができる。
【0019】
本発明の導電性弾性体の一実施態様であるローラ形状を有する導電性弾性体としては、図1および2に例示するような構造のものを挙げることができる。図1および2において、基体1は、例えば、鉄、アルミニウム、SUS、真鍮などで構成された、いわゆる「芯金」のほか、例えば、熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂からなる芯体及びその表面にメッキを施したもの、熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂に導電性付与剤としての導電性カーボンブラック、金属粉末などを配合した導電性樹脂成形品で形成した芯体、またはこれらの組み合わせからなる芯体など、プラスチック、金属、セラミックなどから選ばれた任意の材料から適宜選択できる。
【0020】
導電性弾性体は、例えば無極性ゴムのエチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)等を主原料とする内部弾性体2を有し、その表層部(すなわち、像担持体などと接触する部分)は、例えば、導電性を付与した無極性のポリエチレン樹脂などの可撓性合成樹脂等からなる被覆弾性層3により、被覆されている。
【0021】
ブレード形状の実施態様では、図3に示すように基体1、内部弾性体2及び被覆弾性層3は平板状の形状とすることができる。
【0022】
図1および図3のいずれの態様においても、内部弾性体2の表層平均セル径が被覆弾性層の被覆前に比較して10%以上小さくなっており、さらに、深層平均セル径の90%以下となっている。図1および図3では、セル5の状態が模式的に示されている。ここで「セル」は、弾性体の作製時に発生する気泡、具体的には原料である高分子樹脂の混入時に発生する気泡及び加熱処理を行った際に発生する気泡が完全成形体中に残されたものである。本発明では、内部弾性体2の表層平均セル径が被覆弾性層の被覆前に比較して10%以上小さくなっており、10〜35%程度小さくなっていることが好ましく、15〜25%程度小さくなっていればより好ましい。
また、内部弾性体2及び被覆弾性層3は、例えば、高温にて焼結後粉砕したセラミックス微粉末などの導電性充填剤4を配合して中抵抗化及び抵抗値の調整が図られている。
【0023】
図4および図5は、それぞれ本発明導電性弾性体の別の実施態様を示すものであり、いずれも前記内部弾性体の厚みが前記被覆弾性層の被覆前に比較して5〜20%薄くなっている。図4はローラ形状、図5はブレード形状の例である。
【0024】
本発明の導電性弾性体における内部弾性体2としては、例えば、エチレン−プロピレンジエン重合体(EPDM)、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ハイスチレンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、シリコンゴム、天然ゴム(NR)などの無極性エストラマー、ニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、ノルボルネンゴムなどの有極性エストラマー、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、キシレン樹脂、および、これらの共重合体や混合物などの無極性樹脂、クロロポリスチレン、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体およびスチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)、塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、フッ素樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド樹脂、リビニルブチラール樹脂およびこれらの共重合体や混合物などの有極性樹脂などを挙げることができるが、環境変化に伴う体積抵抗率変動の抑制効果及び低硬度化の観点から、エチレン−プロピレンジエン重合体(EPDM)、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ハイスチレンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、シリコンゴム、天然ゴム(NR)などの無極性エストラマーが最も好ましい。
【0025】
被覆弾性層3としては、例えば、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、キシレン樹脂、およびこれらの共重合体や混合物などの無極性樹脂、クロロポリスチレン、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体およびスチレン−アクリル酸フェニル共重合体)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)、塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アイオマノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、フッ素樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド樹脂、リビニルブチラール樹脂およびこれらの共重合体や混合物などの有極性樹脂を挙げることができるが、環境変化に伴う体積抵抗率変動の抑制効果から、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、キシレン樹脂、およびこれらの共重合体や混合物などの無極性樹脂が最も好ましい。
【0026】
本発明では、上記内部弾性体2および被覆弾性層3に、導電性充填剤4を配合することが好ましく、かかる導電性充填剤としては、例えば、4級アンモニウム塩含有ポリメタクリル酸メチル、ポリビニルアニリン、ポリビニルピロール、ポリジアセチレンおとびポリエチレンイミンなどの導電性樹脂、カーボン、アルミニウム、ニッケルなどの導電性粒子をウレタン、ポリエステル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体およびポリメタクリル酸メチルなどの樹脂中に分散した導電性粒子分散樹脂、アルミニウム、ニッケル及びステンレスなどの金属粉末、酸化チタン、酸化スズ、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、炭化ケイ素、窒素ケイ素などの導電性無機粒子、またそれらのウィスカー及びマイカーに必要に応じて酸化スズ、酸化アンチモン、カーボン等で表面処理を行なったもの、またはカーボンブラック(チャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック)などの電子導電性充填剤や、過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カルシウムのように塩に代えた、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクリロライド、変性脂肪族ジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、過塩素酸テトラエチルアンモニウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、ホウフッ化テトラブチルアンモニウム、ホウフッ化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウムなどの第4級アンモニウム塩やアルキルスルホン酸塩、リン酸エステル塩、過塩素酸塩などのイオン導電性充填剤、高温にて焼結させた多結晶焼結体を粉砕したセラミックス微粉末などを挙げることができるが、特に、高温にて焼結させた多結晶焼結体を粉砕したセラミックス微粉末が好ましい。
【0027】
前記セラミックス微粉末としては、例えば、SiO2、MgO、Al23、CaO、PbO、Fe23、BaO、TiO2、ZnO、ZrO2、SrO、Li2Oなどの成分から成るムライト、コランダム、クリストバライト、サフィリン、コーディエライト、フォルステライト、スピネル、チタン酸バリウム(BaTiO3)、チタン酸マグネシウム(MgTiO3)、チタン酸カルシウム(CaTiO3)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、チタン酸ランタン、チタン酸亜鉛、チタン酸ビスマス、PbTiO3、KNbO3、MgTiO3−CaTiO3、BaO・4TiO2−TiO2、2MgO・SiO2−SrO−BaO−TiO2、BaTiO3−Nd23−TiO2、PbTiO3−PbZrO3、BaTiO3−SrTiO3−La2O3−TiO2、SrTiO3−CaTiO3−Bi23−TiO2などが挙げられる。これら焼結体の微粉末は1000℃以上の高温で熱処理されたものであるため、化学的に安定で他の物質と化学反応を起こすこともなく、カーボンブラックなどの電子導電性充填剤や第4級アンモニウム塩や過塩素酸リチウムなどのイオン導電性充填剤のように、内部弾性体2を構成する高分子の極性の有無や製造工程の温度を選ぶこともない。多結晶焼結体ではなく固溶体を粉砕した場合は、作製は容易であるが、化学的安定性が不十分であるので好ましくない。微粉末の粒径は限度なく小さくすることが可能であるので、セラミックス微粉末を混入した導電性弾性体の電気抵抗の位置ばらつきを抑制することが可能となる。また、セラミックス微粉末の誘電率が大きいものを選択することにより、セラミックス微粉末に電荷が充電されることがないので、印加電圧に対しても体積抵抗率変動を示すことがない。酸化チタン単位を用いた場合は、誘電率が100前後であるため、弾性体2への混入量が増加することによる弾性体2の硬度上昇や、導電性弾性体表面への染み出しなどの障害だけでなく、十分に体積抵抗率を下げることができず、中抵抗の導電性弾性体を得る事ができない。よって、中抵抗の導電性弾性体を得るためには、導電性充填剤として、誘電率が100以上のセラミックス微粉末を使用すること好ましく、特に200以上のセラミックス微粉末が望ましい。この条件を満たすセラミックス微粉末には、少なくとも酸化チタンを含む2成分もしくは3成分系のセラミックス微粉末が多く存在する。
【0028】
導電性充填剤以外の添加剤としては、他に、例えば、加硫剤、加硫促進剤、発泡剤、老化防止剤、補強剤、充填剤などを必要に応じて配合することが可能である。
【0029】
加硫剤としては、例えば、硫黄、有機含硫黄化合物の他、有機過酸化物なども使用可能である。有機含硫黄化合物としては、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィド等が挙げられる。また、有機過酸化物としては、ベンゾイルペルオキシド等を挙げることができる。なお、これらのうち、加硫とともに発泡を行う場合に加硫速度と発泡速度のバランスが良くなる点から、硫黄を用いるのが好ましい。
【0030】
加硫促進剤としては、例えば、消石灰、マグネシア(MgO)、リサージ(PbO)等の無機促進剤や、以下に記す有機促進剤を使用することができる。有機促進剤としては、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェン等のチアゾール系加硫促進剤、n−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、プロピルアミン等の脂肪族第1アミンと2−メルカプトベンゾチアゾールとの酸化縮合物、ジシクロヘキシルアミン、ピロリジン、ピペリジン等の脂肪族第2アミンと2−メルカプトベンゾチアゾールとの酸化縮合物、脂環式第1アミンと2−メルカプトペンゾチアゾールとの酸化縮合物、モリフォリン系化合物と2−メルカプトベンゾチアゾールとの酸化縮合物等のスルフェンアミド系加硫促進剤、テトラメチルチウラムモノスルフィド(TMTM)、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラエチルチウラムジモノスルフィド(TETD)、テトラブチルチラウムジモノスルフィド(TBTD)、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(DPTT)等のチウラム系加硫促進剤、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZnMDC)、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZnEDC)、ジ−n−ブチルカルバミン酸亜鉛(ZnBDC)等のジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤などを使用することができる。また、加硫促進助剤を配合することもでき、例えば、亜鉛華などの金属化合物やステアリン酸、オレイン酸、綿実脂肪酸等の脂肪酸などを用いることができる。
【0031】
発泡剤としては、例えば、水、A.I.B.N.(アゾビスイソブチロニトリル)系、A.D.C.A.(アゾジカルボンアミド)系、D.P.T.(ジニトロソペンタメチレンテトラミン)系、T.S.H.(P−トルエンサルフオニルヒドラジド)系、O.B.S.H.(4,4’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジッド)などの有機系発泡剤が用いられる。発泡剤の配合量は組成物のゴム成分100重量部に対して5〜11重量部程度が好ましい。これは5重量部未満では発泡が不十分になることがあり、11重量部よりも多くなると発泡剤が加硫を阻害して、加硫が不十分になる場合があるためである。組成物を発泡体とした場合、柔軟性が向上する。これを転写手段として使用したときに、感光体と転写手段のニップが十分に確保でき、良好な画質を得ることができる。
【0032】
老化防止剤としては、例えば、2−メルカプトベンゾイミダゾールなどのイミダゾール類、フェニル―α―ナフチルアミン、N,N’−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミンなどのアミン類、ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、スチレン化フェノールなどのフェノール類などが挙げられる。
【0033】
充填剤としては、例えば、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、ニ塩基性亜リン酸塩(DLP)、塩基性炭酸マグネシウム、アルミナ等の粉体を挙げることができる。充填剤を配合するとゴム組成物の強度が向上する。
【0034】
また、本発明の導電性弾性体の製造方法を、ローラ形状を有する導電性弾性体を例にとり説明すると、まず、セラミックス微粉末及び/またはイオン導電性充填剤や電子導電性充填剤とを1種または2種以上組み合わせた導電性充填材4と、上記発泡剤、過酸化物または白金触媒存在下でのハイドロジェンポリシロキサンや硫黄などの加硫剤を所望の割合で一様に分散させた未加硫・未発泡のゴム材料を、例えばオープンロール、バンバリーミキサー等の公知のゴム混練装置を用いて混練する。この時、必要に応じて加硫促進剤、軟化剤、可塑剤、補強剤、老化防止剤、帯電防止剤などの添加剤を適宜配合することもできる。上記未加硫・未発泡のゴム材料を、例えばプレス成形、押出成形、射出成形などの方法により成形する。
【0035】
次に加熱処理による加硫・発泡・硬化を行って、未発泡弾性体と基体1を一体化させ、金型の内周面に沿った形状を有する目的の内部弾性体2を得ることができる。基体1は内部弾性体2の硬度を高くせずとも基体1でささえることができ、時間的なへたりなどによる圧力抜けを生じて耐久寿命が短くなることを防止できる。なお、基体1には、その外周に耐熱温度が約220℃程度の接着剤を塗布しておくことが好ましい。
【0036】
次に、この内部弾性体2の表面に作製させたスキン層を研磨及び研削する。これにより、弾性体2の硬度を低下させることが可能となるので、圧接部材との摩耗を防止することが可能となる。また、疲労によるスキン層のひび割れを事前に防止することも可能となる。以上の工程から基体1と内部弾性体2のみから構成される導電性弾性体を製造することができる。
【0037】
次に上記工程により得られた導電性弾性体の内部弾性体2の表層に、例えば、可撓性合成樹脂などからなる被覆弾性層3を設ける。この被覆弾性層は、セラミックス微粉末及び/またはイオン導電性充填剤、電子導電性充填剤等の導電性充填剤をドープすることにより、抵抗を調整しておくことが好ましい。
【0038】
被覆弾性層3により内部弾性体2を被覆する手段は、例えば、被覆弾性層を真空板により拡大膨張させ、その内部に内部弾性体2を挿入し、自然状態に戻ろうとする力を常時内部弾性体2に付加させることにより被覆弾性層と内部弾性体を密着させる方法、あるいは、被覆弾性層の熱収縮を利用して密着させる方法など、その他様々な手法を用いることができる。この際、内部弾性体2と被覆弾性層3の間に接着剤を用いてもかまわないが、リサイクルの際に被覆弾性層を容易に剥がすことができ、導電性弾性体表面に接着剤が染み出すことが無く、かつ、導電性弾性体の体積抵抗率に悪影響を及ぼさないものが好ましく、接着剤を用いずに弾性体2と被覆弾性層を密着できる方法が最も好ましい。
【0039】
次に、本発明の導電性弾性体の好ましい製造方法を、ローラ形状を有する導電性弾性体を例にとり、詳しく説明する。
まず、導電性弾性体の製造に用いる装置の概略図は図6に示すような形状を有している。ここで、基体1、内部弾性体2、被覆弾性層3としては、いずれも前記した材質のものを使用できる。
【0040】
導電性充填剤や発泡剤などの添加剤を混入して均一分散させた未発泡の内部弾性体2を基体1に被覆成形し、その表層に可撓性合成樹脂などの被覆弾性層3を被覆させたものを金型6の内部にセットする。その金型の内周には被覆層の表面から外圧が負荷されるように単泡からなる発泡弾性体7が、金型6と一体化しており、この発泡弾性体7は熱負荷による膨張・収縮が均一に生じ、この繰り返し疲労に強い弾性体を使用することにより、この発泡弾性体7を何度も再使用することが可能となる。
【0041】
次に加熱処理することにより、加硫・発泡・硬化を行って、発泡内部弾性体2と基体1を一体化させ、金型の内周面に沿った形状を有する目的の内部弾性体2を得ることができる。このとき、発泡弾性体7が負荷される熱により膨張し、被覆層に均一な圧力を負荷させることが可能となる。これにより、発泡弾性体2と基体1の密着は強固なものとなり、接着剤等を用いなくとも被覆層を密着させることが可能となる。基体1は内部弾性体2の硬度を高くせずとも基体1でささえることができ、時間的なへたりなどによる圧力抜けを生じ耐久寿命が短くなることを防止することが可能となる。基体1には、その外周に耐熱温度が220℃程度の接着剤を塗布しておくことが好ましい。
【0042】
図7に示す装置の場合は、被覆層の表面から外圧を負荷する手段が気体8の膨張・収縮による場合の概略図を例示したものであり、基本構成は図6と同様である。未発泡内部弾性体2を加硫・発泡・硬化させるための熱処理時の熱によって、気体8が膨張し、フッ素系樹脂からなる気体8を含有するチューブ9も膨張し、被覆層に均一な圧力を負荷させることが可能となる。このときの気体は化学的及び物理的に安定な窒素ガスやアルゴンガスを用いるのが望ましい。チューブ9にフッ素系樹脂を用いたのは、このチューブ9と被覆弾性層3が加熱処理時に接着してしまわないためである。発泡内部弾性体2の材質によって、加熱処理時の加熱量が多く必要でかなり高温となる場合、気体8が過度に膨張しすぎることによりチューブ9が破損してしまったり、内部弾性体2の十分な加硫・発泡・硬化を妨げたり、発泡内部弾性体2と基体1の密着を妨げたりするなどの不都合を解消するために、気体8の圧力を調整するための圧力センサー100及び圧力調整装置90を具備している。これにより、必要以上の圧力を抜くことが可能となる。また、加熱処理時の温度が比較的低温で、気体8の膨張による加圧が十分でないときは温度センサー110及び温度調節装置80によって、気体8を昇温し、必要十分な圧力を得る事が可能となる。気体への温度、体積、圧力の操作はこれに限らず、その他の手段も利用することが可能である。
【0043】
本発明方法においては、上記弾性体2や可撓性合成樹脂などの被覆層3の抵抗調整のためにドープされる導電性充填剤として、前記したものを利用できるが、その使用は任意である。
【0044】
【実施例】
以下、実施例を挙げ本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれによって制約されるものではない。
製造例
導電性弾性体は、具体的には以下の方法で作製するのが作業上及び性能上好ましい。すなわち、所望のBaTiO3やPbTiO3−PbZrO3等の平均粒子径1μmのセラミックス微粉末を適宜配合したゴム組成部の構成材料であるEPDMとその他発泡剤、加硫剤、加硫促進剤、軟化剤、可塑剤、補強剤、老化防止剤、帯電防止剤などの添加剤を混練機にて60〜120℃で、5〜30分間混練し、押し出し成形機にてチューブ状に成形し、ローラ形状である場合はその内径部に基体を嵌入し、ブレード形状である場合はその側面に基体を付着する。そして120〜200℃で5〜30分間加硫し、2次加硫を150〜180℃で1〜4時間行う。この時、加硫と同時に前述したアゾジカルボンアミドなどの発泡剤を別途装入し、平均気泡径が150μm以下で、且つアスカーC硬度が20〜60度の範囲にある発泡弾性体を得ることができる。加硫終了後、取り出した導電性弾性体は、所望の径となるように必要に応じて表面研磨を施す仕上げを行うことにより、スキン層を除去し、ローラ形状である場合は外径、真円性、円筒度を、ブレード形状である場合は真直度、平面度を出す。
【0045】
可撓性合成樹脂、例えば、ポリエチレン樹脂チューブからなる厚さ100μmのチューブを弾性体2の表層に熱収縮により密着させ被覆弾性層を形成する。ここで用いられるポリエチレン樹脂チューブは、所望のBaTiO3やPbTiO3−PbZrO3等の平均粒径1μmのセラミックス微粉末を配合することにより、好ましくは104〜1012Ω・cmの体積抵抗率となるように調整したものである。熱収縮性を有さない場合は、可撓性合成樹脂を真空板により拡大膨張させ、その内部に内部弾性体を挿入し、自然状態に戻ろうとする力を常時内部弾性体に付加させることにより密着するなど、その他様々な手法を用いることができる。この際、接着剤は使用していない。このように加熱により可撓性合成樹脂チューブを内部弾性体に密着させる際の加熱はできるだけ均一であることが望ましく、空気循環式の加熱炉を用いて徐々に昇温することが好ましい。そしてその熱処理の温度範囲は、100〜170℃の範囲であることが好ましい。100℃より低いときは密着が十分でなく、被覆弾性層を形成する材質により熱収縮が可能なものも存在するが、この場合、実機にて使用する際に使用環境(特に40℃前後)及び圧接部材との摩擦熱により、導電性弾性体の温度が100℃を越えてしまうことから、使用中に導電性弾性体の径や被覆弾性層の組織変化を生じることもあるので、適切ではない。また、170℃より高過ぎるときは、被覆弾性層の表面平滑度や硬度がばらつくなどの欠点が現れるので望ましくない。
【0046】
被覆終了後、取り出した導電性弾性体は、通常、所望の径となるよう必要に応じて表面研磨を施す仕上げを行うことにより、ローラ形状である場合は外径、真円性、円筒度を、ブレード形状である場合は真直度、平面度を出す。しかしこれらの手段では、被覆弾性層の表層に機械的研削・研磨による傷が発生するので、外径、真円性、円筒度、真直度、平面度を出す手段として、被覆弾性層に熱を加えて微調整を施した方が望ましい。これにより、被覆弾性層と内部弾性体の密着むらも同時に解消することが可能とした。
以上の工程により、基体上にセラミックス微粉末をドープした発泡弾性体を有し、その表層に同じくセラミックス微粉末をドープした可撓性合成樹脂を被覆した導電性弾性体を得る事ができた。
【0047】
実施例1
上記のようにして得られた本発明のローラ形状を有する導電性弾性体を図8に示す画像形成装置に組み込み実験を行った。その結果を以下に記す。
なお、表1〜8中、○は良好、△は実用上問題が生じない程度、×は使用条件によっては実用上の問題が生じるおそれがあることを示す。
まず、被覆弾性層である可撓性合成樹脂の厚さ、10〜300μmについて調査を行った。その結果を表1に示す。可撓性合成樹脂の厚さが30μmを下回る場合は成形時のしわが生じただけでなく、十分な耐摩耗性を有することができず帯電、転写時の異常放電によるピンホールが発生し、250μmを超える場合は導電性弾性体の硬度が35°以上上昇してしまい所望の硬度を有する導電性弾性体を得る事ができなかった。
【0048】
【表1】
Figure 0004010745
【0049】
また、被覆弾性層である可撓性合成樹脂の伸び率10〜500%の範囲について調査を行った。その結果を表2に示す。伸び率が10%を下回る場合、対向部材との圧接時に被覆弾性層のひび割れが生じ、500%を超える場合、研磨性が悪くなるため所望の表面粗さ(円筒度・平面度)が得られなかった。また、セラミックス微粉末の平均粒径が10μm以上の場合、電気抵抗の位置ばらつきが大きくなり、実施上不適切であった。
【0050】
【表2】
Figure 0004010745
【0051】
次に、セラミックス微粉末の平均粒径及び誘電率についての導電性弾性体電気的特性の調査を行った。その結果を表3及び表4に示す。平均粒径が5μm以下で抵抗値の最も高い部分と抵抗値の最も低い部分の比は1.2倍を下回ること、また誘電率が100を下回る場合は印加電圧に対して体積抵抗率が依存し、印加電圧の上昇に伴い体積抵抗率が急激に上昇することがわかった。この傾向は誘電率が300以上になるとほとんどなくなる。よって、帯電、現象及び転写手段に使用する場合はセラミックス微粉末の平均粒径5μm以下及び誘電率100以上が好ましく、特に300以上が望ましい。
【0052】
【表3】
Figure 0004010745
【0053】
【表4】
Figure 0004010745
【0054】
導電性弾性体の全体アスカーC硬度5〜80°の範囲について調査を行った。その結果を表5に示す。アスカーC硬度が10°を下回る場合、十分な復元力を有することができずC-setを生じてしまい、70°を超えると感光体などの対向部材の摩耗劣化を生じてしまった。転写手段として使用した際、十分なニップ幅を得る事ができたのは10〜70°の範囲であった。
【0055】
【表5】
Figure 0004010745
【0056】
導電性弾性体の体積抵抗率について調査を行った。その結果を表6に示す。抵抗率測定の方法としては、この導電性弾性体を感光体に片側500gfの力で圧接しながら、印加電圧1000Vを印加して、普通紙を通紙する。この時の転写電流値を測定する。次に感光体をアルミ素管に交換して、測定した転写電流値で1分間、定電流制御を行い1分後の電圧値を測定する。得られた転写電流値と電圧値を基に体積固有抵抗率を計算した。転写手段として使用した際、1×106Ω・cm未満及び1×109Ω・cmを超える場合、転写電流の過不足やパッシェン放電のため転写効率の低下及びトナー飛散、文字の中抜け等の画像劣化を生じ、良好な画像は得られなかった。これに対し、1×106Ω・cm以上1×109Ω・cm以下の場合には、印加電圧さえ制御すれば良好な画質を得る事ができた。
【0057】
【表6】
Figure 0004010745
【0058】
そこで、上記検討項目内容をふまえて、内部弾性体の表層平均セル径が被覆により5%小さくなったもの(硬度変化が4°)で、全体体積抵抗率が2×108Ω・cm(NN値)の導電性弾性体(A)、内部弾性体の表層平均セル径が被覆により20%小さくなったもの(硬度変化が15°)で、全体体積抵抗率が1×108Ω・cm(NN値)の導電性弾性体(B)、内部弾性体の表層平均セル径が被覆により40%小さくなったもの(硬度変化が35°)で、全体体積抵抗率が7×108Ω・cm(NN値)の導電性弾性体(C)について主に比較調査を行った。
【0059】
まず、これを各環境(LL:5℃・20%、NN:20℃・50%、HH:35℃・80%)における体積抵抗率を測定した。得られた結果を図9に記す。その結果は、LL〜HHの環境変動で、導電性弾性体(A、B、C)の体積抵抗率はほとんど変動しなかった。
次に各々の導電性弾性体に0.2〜2.6kVまで0.2kV毎に印加電圧を変化させていき、その時流れる転写電流値から体積抵抗率の変化を測定した。得られた結果を図10に示す。600Vと1400V印加時の体積固有抵抗率を比較しても、導電性弾性体(A、B、C)の体積抵抗率はほとんど変動しなかった(この抵抗率の印加電圧依存性が少ない程、転写材の種類やサイズに影響されず、良好な転写を行うことができる)。
【0060】
電気抵抗の位置ばらつきであるが、外径φ18、長さ245mmの導電性弾性体を用いて、10mm幅の銅テープを等間隔に周方向で90度毎に4点、長手方向で8点、合計32点設置し、印加電圧1000Vで測定を行った。得られた結果を図11に記す。結果は、導電性弾性体(A、B、C)の体積抵抗率はほとんどばらつかず、抵抗値の最も高い部分は抵抗値の最も低い部分の約1.2倍であった。
【0061】
次に、本発明の導電性弾性体を用い、画像形成装置に組み込んだ実験において画像形成装置の感光体をアルミニウム素管に変更し、NN環境下において1000Vの電圧を印加したまま150時間連続して回転させた後、前述した同様の方法により体積抵抗固有率を測定した。抵抗率上昇は1.2倍以内となり、経時的な抵抗率変動も生じない事も確認できた。
【0062】
以上の検討項目から電気的特性については問題は生じなかったが、被覆弾性層の有無による内部弾性体の表層平均セル径変化幅の差が小さいAの導電性弾性体は、内部弾性体の表層平均セル径が140μmで画像形成装置に組み込むと、潜像及びトナー画像のむらが生じた。さらに内部弾性体の表層平均セル径と深層平均セル径の比が95%と大きく、被覆弾性層と内部弾性体が十分に密着しておらず感光体などの圧接部材と圧接した際に被覆弾性層の浮き上がりが生じ、連続回転させると剥がれてしまった。また、内部弾性体の表層平均セル径変化幅の差が大きいCの導電性弾性体は、内部弾性体の表層平均セル径は約60μm程度まで小さくなり、潜像及びトナー画像むらなどは生じなかったが、基体側のセルまで圧縮されてしまい硬度が35°も上昇し、内部弾性体の表層平均セル径と深層平均セル径の比が75%となり通常のソリッドゴムと同等の性能を示し、圧接部材との必要十分なニップ幅を得るためには、総計8kg以上の圧力が必要であり、連続回転の際は導電性弾性体及び対向部材の摩擦劣化が激しく生じた。これに対し、内部弾性体の表層セル径変化幅の差が20%のBの導電性弾性体は、内部弾性体の表層平均セル径と深層平均セル径の比が75%、硬度上昇が15°で、内部弾性体表層のセルのみ圧縮した状態で被覆弾性層が密着し、浮き上がりや剥がれが生じることもなく、基体側のセルの弾性効果で適度な圧接力で圧接部材とニップ幅を得る事ができ、連続回転の際も導電性弾性体及び対向部材の摩耗劣化も生じず、内部弾性体の表層平均セル径が100μm程度でトナー画像むらなどは生じなかった。以上の結果を表7に記載する。
【0063】
【表7】
Figure 0004010745
【0064】
また、劣化した本発明の導電性弾性体の被覆層を剥がし、同じ弾性層上に再度被覆層を設けることによりリサイクルした導電性弾性層も、新規導電性弾性体と同等の性能を再現できることを確認した。これにより、このような高分子発泡弾性体のリサイクルを容易にし、環境にやさしく製造コストをダウンさせることも可能となる。さらに、被覆層無しの導電性弾性体の表面にはトナーが目詰まりしてクリーニングが困難であったが、被覆層を設けた導電性弾性体はトナーの離型性が良くクリーニングは容易にできた。
【0065】
実施例2
実施例1と同様にして導電性弾性体を製造し、内部弾性体が被覆により15%薄くなったもの(硬度変化が10°)で、全体体積抵抗率が2×108Ω・cm(NN値)の導電性弾性体(A’)、内部弾性体が被覆により40%薄くなったもの(硬度変化が30°)で、全体体積抵抗率が1×108Ω・cm(NN値)の導電性弾性体(B’)、内部弾性体が被覆により3%薄くなったもの(硬度変化が2°)で、全体体積抵抗率が7×108Ω・cm(NN値)の導電性弾性体(C’)について主に比較調査を行った。
【0066】
まず、これを各環境(LL:5℃・20%、NN:20℃・50%、HH:35℃・80%)における体積抵抗率を測定した。得られた結果を図12に記す。結果は、LL〜HHの環境変動で、導電性弾性体(A’、B’、C’)の体積抵抗率はほとんど変動しなかった。
【0067】
次に各々の導電性弾性体に0.2〜2.6kVまで0.2kV毎に印加電圧を変化させていき、その時流れる転写電流値から体積抵抗率の変化を測定し、得られた結果を図13に示す。600Vと1400V印加時の体積固有抵抗率を比較しても、導電性弾性体(A’、B’、C’)の体積抵抗率はほとんど変動しなかった。(この抵抗率の印加電圧依存性が少ない程、転写材の種類やサイズに影響されず、良好な転写を行うことができる。)
【0068】
電気抵抗の位置ばらつきであるが、外径φ18、長さ245mmの導電性弾性体を用いて、10mm幅の銅テープを等間隔に周方向で90度毎に4点、長手方向で8点、合計32点設置し、印加電圧1000Vで測定を行った。得られた結果を図14に記す。結果は、導電性弾性体(A’、C’)の体積抵抗率はほとんどばらつかず、抵抗値の最も高い部分は抵抗値の最も低い部分の約1.2倍であったが、B’は約2倍のばらつきを生じていた。
【0069】
次に、本発明の導電性弾性体を用い、画像形成装置に組み込んだ実験において画像形成装置の感光体をアルミニウム素管に変更し、NN下において1000Vの電圧を印加したまま150時間連続して回転させた後、前述した同様の方法により体積抵抗固有率を測定した。抵抗率上昇は1.2倍以内となり、経時的な抵抗率変動も生じない事も確認できた。
【0070】
以上の検討項目から電気的特性以外に、被覆弾性層の有無による内部弾性体の厚さ変化幅の差が小さいC’の導電性弾性体は、画像形成装置に組み込むと被覆弾性層と内部弾性体が十分に密着しておらず感光体などの圧接部材と圧接した際に被覆弾性層の浮き上がりが生じ、連続回転させると剥がれてしまった。また、内部弾性体の厚さ変化幅の差が大きいB’の導電性弾性体は、基体側のセルまで圧縮されてしまい硬度が30°も上昇し通常のソリッドゴムと同様の性能を示し、圧接部材との必要十分なニップ幅を得るためには、総計8kg以上の圧力が必要であり、連続回転の際は導電性弾性体及び対向部材の摩擦劣化が激しく生じた。被覆層の過剰収縮によってローラ径のばらつきが大きくなり、この精度を上げるためにはより厚い被覆層が必要となっただけでなく、経時的なひび割れも生じた。これに対し、内部弾性体の厚さ変化幅の差が15%のA’の導電性弾性体は、内部弾性体表層のセルのみ圧縮した状態で被覆弾性層が密着し、浮き上がりや剥がれが生じることもなく、基体側のセルの弾性効果で適度な圧接力で圧接部材とニップ幅を得る事ができ、ローラ径もばらつくことなく連続回転の際も導電性弾性体及び対向部材の摩耗劣化も生じなかった。以上の結果を表8に記載した。
【0071】
【表8】
Figure 0004010745
【0072】
また、劣化した本発明の導電性弾性体は被覆層が融着していないので容易に剥がすことができ、同じ弾性層上に再度被覆層を設けることによりリサイクルした導電性弾性層も、新規導電性弾性体と同等の性能を再現できることを確認した。これにより、このような高分子発泡弾性体のリサイクルを容易にし、環境にやさしく製造コストをダウンさせることも可能となる。さらに、被覆層無しの導電性弾性体の表面にはトナーが目詰まりしてクリーニングが困難であったが、被覆層を設けた導電性弾性体はトナーの離型性が良くクリーニングは容易にできた。
【0073】
実施例3
1種または2種以上を組み合わせた上記導電性充填剤や上記アゾジカルボンアミドなどの発泡剤、過酸化物または白金触媒存在下でのハイドロジェンポリシロキサンや硫黄などの加硫剤を所望の割合で一様に分散させた未加硫・未発泡のEPDMゴム材料をオープンロール、バンバリーミキサー等の公知のゴム混練装置を用いて混練する。この時、必要に応じて加硫促進剤、軟化剤、可塑剤、補助剤、老化防止剤、帯電防止剤などの添加剤を適宜配合することもできる。上記未加硫・未発泡のゴム材料を、例えばプレス成形、押出成形、射出成形などの方法により形成し基体上に被覆する。この表層にフッ素樹脂チューブ(PFA)を被覆し、これを内周部に単泡からなるフッ素ゴムを有する金型にセットする。次に120〜200℃で5〜30分間、さらに150〜180℃で1〜4時間の加硫・発泡・硬化を行って、加熱処理する。この後、これを金型から取り出し、室温にて放置して目的のローラAを得た。
【0074】
次に上記と同様にして作製した、フッ素樹脂チューブ(PFA)を被覆したEPDMゴム材料からなる未加硫・未発泡弾性体の成形体を、窒素ガスを含有したフッ素樹脂チューブ(ETFE)を有する金型にセットし、上記の条件で熱処理する。このとき、圧力調節装置90及び温度調節装置80によって、窒素ガスの状態を1320hPa、180〜200℃に調節し、その後、これを金型から取り出し、室温にて放置して目的のローラBを得た。
【0075】
得られたローラ形状の導電性弾性体A、Bともに、内部弾性体と被覆層は強固に密着し、画像形成装置などに組み込み、対向部材に圧接して連続回転させた場合も、被覆層の浮き上がりや剥がれなどの問題は生じなかった。また、得られた導電性弾性体の電気抵抗の位置ばらつきであるが、10mm幅の銅テープを等間隔に周方向で90度毎に4点、長手方向で8点、合計32点設置し、印加電圧1000Vで測定を行った。得られた結果を表9に示す。抵抗値の最も高い部分は抵抗値の最も低い部分の1.2倍であり、抵抗の位置ばらつきは生じなかった。
【0076】
【表9】
Figure 0004010745
【0077】
【発明の効果】
請求項1記載の発明は、単層導電性弾性体では、通常十分な復元力を有するために高硬度の導電性弾性体が必要であるが、基体と内部弾性体の表層平均セル径が被覆弾性層の被覆前に比較して10%小さくなっていることにより、内部弾性体の深層部にて十分な復元力を有することが可能となるので、比較的低硬度かつ単層導電性弾性体と同等の復元力を有する導電性弾性体を得る事が可能となる。内部弾性体の表層セル径が小さくなり、被覆弾性層との接着面の導電性がスムーズになるため、セル径による潜像及びトナー画像の濃度むらなどの画質劣化を抑制することが可能となる。また、被覆弾性層が無い場合、内部弾性体がローラ状である場合は真円度、円筒度、ブレード状である場合は真直度、平面度を出すのは非常に困難であるが、基体と内部弾性体の表層に被覆弾性層を被覆することにより、より精密な真円度、円筒度、真直度、平面度を出すことが可能となる。
【0078】
請求項2記載の発明は、単層導電性弾性体では、通常十分な復元力を有するために高硬度の導電性弾性体が必要であるが、基体と内部弾性体から構成される導電性弾性体の表層に被覆弾性層を被覆することにより、内部弾性体の厚みが被覆弾性層の被覆前に比較して5〜20%薄くなっていることにより、被覆弾性層の初期的及び経時的ひび割れなどの性能劣化を生じることなく、比較的低硬度かつ単層導電性弾性体と同等の復元力を有する導電性弾性体を得る事が可能となる。また、被覆弾性層が無い場合及び20%以上内部弾性体が薄くなる場合、内部弾性体がローラ状である場合は真円度、円筒度、ブレード状である場合は真直度、平面度を出すのは非常に困難であるが、基体と内部弾性体の表層に被覆弾性層を被覆し5〜20%薄くすることにより、より精密な真円度、円筒度、真直度、平面度を出すことが可能となる。
【0079】
請求項3記載の発明は、前記被覆弾性層の被覆後の前記内部弾性体の表層平均セル径が深層平均セル径の90%以下であることにより、内部弾性体の深層部にて十分な復元力を有することが可能となるので、比較的低硬度かつ単層導電性弾性体と同等の復元力を有する導電性弾性体を得る事が可能となる。また、内部弾性体の表層セル径が小さくなり、被覆弾性層との接着面の導電性がスムーズになるため、セル径による潜像及びトナー画像の濃度むらなどの画質劣化を抑制することが可能となる。
【0080】
請求項4記載の発明は、被覆弾性層の被覆後の内部弾性体の表層セル径が100μm以下であることにより、内部弾性体と被覆弾性層の接合面における抵抗値変化による潜像及びトナー画像のむらを抑制することが可能となる。
【0081】
請求項5記載の発明は、単層導電性弾性体では、通常十分な復元力を有するために高硬度の導電性弾性体が必要であるが、基体と内部弾性体の表層に被覆弾性層を被覆し5〜30°硬度を高くすることにより、比較的低硬度かつ単層導電性弾性体と同等の復元力を有する導電性弾性体を得る事が可能となる。また、被覆弾性層が無い場合、内部弾性体がローラ状である場合は真円度、円筒度、ブレード状である場合は真直度、平面度を出すのは非常に困難であるが、基体と内部弾性体の表層に被覆弾性層を被覆することにより、より精密な真円度、円筒度、真直度、平面度を出すことが可能となる。
【0082】
請求項6記載の発明は、上記導電性弾性体の硬度が10〜70°であることにより、圧接部材との摩擦による摩耗を抑制でき、また転写手段として使用した場合、導電性弾性体を圧接部材と対向して当接した際に形成されるニップ幅が十分に確保でき、安定した画質が得られ、安定した転写材の搬送が可能となる。
【0083】
請求項7記載の発明は、上記内部弾性体の表層に上記被覆弾性層を密着する手段として、上記被覆弾性層を熱収縮させることにより密着することにより、リサイクルの際に被覆弾性層を容易に剥がすことができ、内部弾性体をそのまま再利用することが可能となり、環境にやさしく、コストダウンにもなる。また、接着剤不使用であることから、接着剤が導電性弾性体表面に染み出すことが無く、ゴムローラ全体の体積抵抗率に及ぼす悪影響を防止することが可能となる。
【0084】
請求項8記載の発明は、上記被覆弾性層を熱収縮させる温度が100℃以上であることにより、被覆弾性層を内部弾性体に十分に密着させることが可能となる。100℃未満の場合も被覆弾性層を形成する材質により熱収縮が可能なものも存在するが、この場合、実機にて使用する際に使用環境(特に40℃前後)及び圧接部材との摩擦熱により、導電性弾性体の温度が100℃を超えてしまうことから、使用中に導電性弾性体の径や被覆弾性層の組成変化を生じることもあるので、適切ではない。
【0085】
請求項9記載の発明は、上記内部弾性体の表層に上記被覆弾性体を密着する手段として、上記被覆弾性層を引き延ばし自然状態に戻ろうとする力を常時上記内部弾性体に付加させることにより密着することにより、内部弾性体の材質が高温下における劣化が激しく、熱収縮による密着が不可能な場合も接着剤を使用せず密着させることが可能となる。また、リサイクルの際に被覆弾性層を容易に剥がすことができ、内部弾性層をそのまま再利用することが可能となり、環境にやさしく、コストダウンにもなる。また、接着剤不使用であることから、接着剤が導電性弾性体表面に染み出すことが無く、ゴムローラ全体の体積抵抗率に及ぼす悪影響を防止することが可能となる。
【0086】
請求項10記載の発明は、被覆弾性層に熱を加えて真円度、円筒度、真直度、平面度を微調整する手段により、真円度、円筒度、真直度、平面度を微調整することにより、機械的に微調整するよりも自然にかつ精密に場所による不十分な密着位置ばらつきを抑制することが可能となる。
【0087】
請求項11記載の発明は、上記被覆弾性層が可撓性の合成樹脂脂からなることにより、対向部材との摩耗負荷による導電性弾性体の摩耗劣化や基材ゴムの組成変化及び不純物混入による導電性弾性体の体積固有抵抗率の変化や、絶縁破壊による内部弾性体表層の酸化防止、上記導電性弾性体による対向部材汚染などの不具合を防止、さらにトナーの離型性を向上させることによりクリーニングを容易にし、導電性弾性体の強度が上昇することによりロングライフを実現することが可能となる。また、容易に可撓性合成樹脂を剥がすことができるため、内部弾性体をそのまま再利用することが可能となり、環境にやさしく、コストダウンにもなる。
【0088】
請求項12記載の発明は、上記被覆弾性層の伸び率が10〜500%であることにより、伸び率が10%未満の場合の内部弾性体が低硬度の場合に生じる上記被覆弾性層のひび割れ、500%を超える場合の研磨性が悪くなるため所望の表面粗さが得られない、また電気抵抗の位置ばらつきが大きくなってしまうなどの欠点を生じなくすることが可能となる。
【0089】
請求項13記載の発明は、上記被覆弾性層を形成する可撓性の合成樹脂の厚さが30μm〜250μmであることにより、成形時のしわや帯電、転写時の異常放電等によるピンホールを防ぐことができるとともに、上記導電性弾性体の適切な硬度及び体積固有抵抗、耐摩耗強度を保持することが可能となる。
【0090】
請求項14記載の発明は、上記被覆弾性層を形成する可撓性の合成樹脂の基質が無極性高分子樹脂であることにより、環境変化に伴う体積抵抗率変動を生じることがない導電性弾性体を得る事が可能となる。また、容易に可撓性合成樹脂を剥がすことができるため、内部弾性体をそのまま再利用することが可能となり、環境にやさしく、コストダウンにもなる。
【0091】
請求項15記載の発明は、上記被覆弾性層を形成する可撓性の合成樹脂の基質がポリエチレンであることにより、上記被覆弾性層自身が環境変化による体積抵抗率変動を生じないことから、全体として導電性弾性体の環境変化による体積抵抗率変動を抑制することが可能となる。耐オゾン性に優れ、導電性弾性体の強度を上昇させるだけでなく、トナーの離型性を良くしクリーニング性を向上させ、導電性弾性体表面のセルへのトナーの侵入を防止することにより、導電性弾性体の体積抵抗率の上昇を防止することが可能となる。また、容易に可撓性合成樹脂を剥がすことができるため、内部弾性体をそのまま再利用することが可能となり、環境にやさしく、コストダウンにもなる。
【0092】
請求項16記載の発明は、上記内部弾性体が発泡弾性体であることにより、対向部材と圧接する場合、対向部材との摩擦による対向部材の摩耗を抑制すること、対向部材とニップ幅を設けること、さらに紙搬送が容易になることが可能となる。
【0093】
請求項17記載の発明は、上記発泡弾性体を形成する基質が無極性ゴムであることにより、上記発泡弾性体を形成する基質自身が環境変化に伴う体積抵抗率変動を生じることがないので、上記発泡弾性体に導電性を付加させるために混入させる導電性充填剤を選択することにより、ほとんど環境変化に伴う体積抵抗率変動を生じることがない導電性弾性体を得る事が可能となる。転写手段に使用した場合、環境変化に伴う抵抗率変動がなければ、各環境条件を検知し、検知した環境に従い転写バイアスを変化させるといった制御が不要となる。
【0094】
請求項18記載の発明は、上記無極性ゴムが少なくともエチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)から形成されることにより、EPDM自身が環境変化に伴う体積抵抗率変動を生じることがないので、上記発泡弾性体に導電性を付加させるために混入させる導電性充填剤を選択することにより、ほとんど環境変化に伴う体積抵抗率変動を生じることがない導電性弾性体を得る事が可能となる。転写手段に使用した場合、環境変化に伴う抵抗率変動がなければ、各環境条件を検知し、検知した環境に従い転写バイアスを変化させるといった制御が不要となる。またEPDMは比較的化学的に安定で、安価であるので容易に使用することが可能となる。
【0095】
請求項19記載の発明は、上記導電性充填剤に化学的に安定な高温にて焼結させた多結晶焼結体を粉砕したセラミックス微粉末を使用することにより、上記被覆層及び上記内部弾性体またはその原料やその他の混合物質と安易に化学変化を生じることなく、上記被覆層及び上記内部弾性体を構成する高分子の極性の有無や製造工程の加熱温度を選ぶこともない。また、粒径を小さくすることが可能なので、導電性充填剤の分布状態による位置ばらつきや印加電圧による体積抵抗率の変動が生じることもない。
【0096】
請求項20記載の発明は、上記セラミックス微粉末の誘電率が100以上であることにより、導電性弾性体に電圧を印加する際、セラミックス微粉末に電荷が充電されることなく、印加電圧の上昇に伴って徐々に電流が増加することから、印加電圧による体積抵抗率の変動を抑制することが可能となる。さらに、連続通電の際の電気抵抗の変動も防止することが可能となる。
【0097】
請求項21記載の発明は、上記セラミックス微粉末として少なくとも2種以上の化合物から成る多結晶焼結体微粉末が使用されることにより、1種の化合物からなる焼結体微粉末よりもさらに化学的に安定で、上記被覆層及び上記内部弾性体またはその原料やその他の混合物質と化学変化を生じることなく、上記被覆層及び上記内部弾性体を構成する高分子の極性の有無や製造工程の加熱温度を選ぶこともない。また、価格も比較的安価である。
【0098】
請求項22記載の発明は、上記2種以上の化合物から成る多結晶焼結体微粉末の1種の化合物に少なくとも酸化チタンを含むことにより、誘電率が300以上の焼結体微粉末を得る事が多く、製造工程が容易で安価で環境にやさしい導電性充填剤を提供することが可能となる。
【0099】
請求項23記載の発明は、上記セラミックス微粉末の平均粒径が5μm以下であることにより、イオン導電性充填剤を使用した場合と同等の分散状態を実現することができるので、電気抵抗の位置ばらつきを生じない導電性弾性体を得る事が可能となる。
【0100】
請求項24記載の発明は、上記導電性弾性体の体積固有抵抗率が106〜109Ω・cmであることにより、転写手段として使用した場合、転写材を選ばず、全環境に渡って良好な転写性能を得る事が可能となる。
【0101】
請求項25記載の発明は、上記導電性弾性体が無端状のローラ形状であることにより、例えば転写ローラとして使用した場合、対向部材(OPC)との当接を容易にし転写に十分なニップ幅を得ることができ高画質な画像を得ることが可能となる。また、対向部材(OPC)と転写ローラが転写材を圧接するので、転写材の適切な搬送も実現することが可能となる。
【0102】
請求項26記載の発明は、上記導電性弾性体が平板状ブレード形状であることにより、例えば転写ブレードとして使用した場合、転写ローラと比較して、転写部の上流部分でのトナー飛散が少なく、対向部材(OPC)との同等なニップ幅を得る導電性弾性体の容積は小さくてすみ、構成が簡単で特別な製造技術を必要とすることなく安価で製造することが可能となる。
【0103】
請求項27記載の発明は、上記導電性弾性体が無端状のベルト形状であることにより、例えば転写ベルトとして使用した場合、ニップ幅が多くとれるなどのメリットから高画質を実現できたり、カラーの場合は多重転写方式よりもプロセススピードが速いタンデム方式に利用することが可能となる。また、転写ベルトと共に転写材を搬送するので、転写材の適切な搬送も実現することが可能となる。
【0104】
請求項28記載の発明は、前記導電性弾性体を帯電、現像及び転写手段として使用することにより、導電性弾性体自身や導電性弾性体と当接する対向部材などの摩耗劣化を防止、また導電性弾性体のサイズ精度が高いので導電性弾性体が偏心することもないので、マシンのロングライフを実現することができるだけでなく、環境変化による導電性弾性体の体積抵抗率変動はしないので、印加電圧等を変化させる高価な電源は必要なく、マシンのコストダウンにつながる。さらに、耐オゾン性に優れ、導電性弾性体の強度を上昇させるだけでなく、トナーの離型性を良くしクリーニング性を向上させ、導電性弾性体表面のセルへのトナーの侵入を防止することにより、導電性弾性体の体積抵抗率の上昇を防止することが可能となる。よって、品質的に優れた画像を得ることが可能となる。また、容易に可撓性合成樹脂を剥がすことができるため、内部弾性体をそのまま再利用することが可能となり、環境にやさしく、コストダウンにもなる。
【0105】
請求項29記載の発明は、内部弾性体の膨張による力として未発泡弾性体の発泡及び硬化のため生じる膨張力を用い、被覆層と内部弾性体を密着させることにより、これまで用いてきた被覆方法(被覆層の熱の収縮を利用、被覆層の引き延ばし、吹きつけや塗布によるコーティングなど)と比べて、被覆層の無理な膨張や収縮を生じることがないので、被覆層の抵抗値むらなどを生じない導電性弾性体を得る事が可能となる。また、これまで別工程で行ってきた工程が、内部弾性体の成形と被覆層の被覆を同時に行うことが可能となり、製造時間及びコストの縮小になり、ひいては省エネにもなる。
【0106】
請求項30記載の発明は、内部弾性体の膨張による力に加え被覆層の外周から力を負荷することにより、内部弾性体の膨張による被覆層の過度の膨張による場所的な力のばらつきを抑制し、得られた導電性弾性体の形状を整えることが可能となる。また、被覆層と内部弾性体の密着を強固なものにすることが可能となる。
【0107】
請求項31記載の発明は、気体の膨張を利用して、被覆層の外周からの力を均一に負荷することにより、内部弾性体の膨張による被覆層の過度の膨張による場所的な力のばらつきを抑制し、得られた導電性弾性体の形状を整えることが可能となる。また、被覆層と内部弾性体の密着を強固なものにすることが可能となる。気体を利用していることから、温度、体積、圧力の操作を容易にすることができるので、被覆層への負荷操作が可能となる。
【0108】
請求項32記載の発明は、気体の温度上昇によって気体の体積膨張を生じさせて、被覆層の外周からの力を均一に負荷することにより、容易に被覆層の外周からの力を得る事が可能となる。また、温度調節により、その被覆層の外周からの力を抑制することも可能となる。
【0109】
請求項33記載の発明は、必要以上の圧力を抜く手段を有することにより、内部弾性体への過度の圧力による縮小によって、被覆層との密着を妨げることがないように抑制することが可能となる。また、圧力の過度の上昇による装置の破損も防止する。
【0110】
請求項34記載の発明は、気体の温度を検知する手段として温度センサーを具備することにより、気体の温度調整が可能となり、被覆層と内部弾性体の密着に必要十分な力を得るための調整が可能となる。
【0111】
請求項35記載の発明は、気体の圧力を検知する手段として圧力センサーを具備することにより、気体の圧力調整が可能となり、被覆層と内部弾性体の密着に必要十分な力を得るための調整が可能となる。
【0112】
請求項36記載の発明は、膨張させる気体を含有する材質として、フッ素系チューブを使用することにより、離型性に優れているので被覆層と接着することなく、導電性弾性体を得る事が可能となる。
【0113】
請求項37記載の発明は、膨張させる気体に窒素ガスやアルゴンガスを使用することにより、温度、圧力、体積変化による思わぬ燃焼等の化学変化や状態変化を生じることはないので、安全に使用することが可能となる。
【0114】
請求項38記載の発明は、弾性体の膨張を利用して、被覆層の外周からの力を均一に負荷することにより、内部弾性体の膨張による被覆層の過度の膨張による場所的な力のばらつきを抑制し、得られた導電性弾性体の形状を整えることが可能となる。また、被覆層と内部弾性体の密着を強固なものにすることが可能となる。弾性体を利用していることから、極端に膨張するなどの問題も発生しないので高度な制御システムは不要となる。
【0115】
請求項39記載の発明は、膨張させる弾性体は発泡弾性体であることにより、ソリッド形状の弾性体よりも大きく安定して膨張することができるので、被覆層に均一に圧力を負荷することが可能となる。
【0116】
請求項40記載の発明は、膨張させる発泡弾性体は単泡から構成されることにより、弾性体を構成する高分子基材だけでなく、単泡に含有される気体も膨張することができるので、より大きく安定して膨張することが可能となる。
【0117】
請求項41記載の発明は、膨張させる弾性体はフッ素系弾性体であることにより、被覆層に接着することもないので、弾性体の再利用に適している。
【0118】
請求項42記載の発明は、金型内で実施することにより、内部弾性体の発泡、硬化と、被覆層の被覆を同時に行えるだけでなく、成形も行うことが可能となる。内部弾性体と、被覆層の外周の気体または弾性体を同時に加熱することも可能となる。
【0119】
請求項43記載の発明は、膨張させる弾性体及び気体は金型内部に一体化することにより、弾性体を再利用することが可能となる。導電性弾性体の量産の際にはわずかな量の弾性体においても、かなりの量となり、資源の有効利用においてもコスト面においても有効な手段である。
【0120】
請求項44記載の発明は、気体の場合、その気体が被覆層と化学変化を生じないことが望ましく、弾性体の場合は、その弾性体と被覆層が接着しないことが必要であるので、その両方の特性を有する材質としてはフッ素系弾性体が最も望ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるローラ形状の導電性弾性体の概略構成を示す断面図。
【図2】本発明ゴムローラの一実施形態のローラ形状の導電性弾性体の概略構成を示す斜視図。
【図3】本発明の一実施形態であるブレード形状の導電性弾性体の概略構成を示す断面図。
【図4】本発明の別の実施形態であるローラ形状の導電性弾性体の概略構成を示す断面図。
【図5】本発明の別の実施形態であるブレード形状の導電性弾性体の概略構成を示す断面図。
【図6】本発明方法を実施するための装置の一実施形態の概略構成を示す断面図。
【図7】本発明方法を実施するための装置の別の実施形態の概略構成を示す断面図。
【図8】本発明導電性弾性体の適用例である画像形成装置の概略構成を示す断面図。
【図9】本発明および比較導電性弾性体の各環境における体積固有抵抗値の変動を示すグラフ図。
【図10】本発明および比較導電性弾性体の体積固有抵抗率の印加電圧依存性を示すグラフ図。
【図11】本発明および比較導電性弾性体の電気抵抗の位置ばらつきを示すグラフ図。
【図12】本発明および比較導電性弾性体の各環境における体積固有抵抗値の変動を示すグラフ図。
【図13】本発明および比較導電性弾性体の体積固有抵抗率の印加電圧依存性を示すグラフ図。
【図14】本発明および比較導電性弾性体の電気抵抗の位置ばらつきを示すグラフ図。
【符号の説明】
1:基体
2:内部弾性体
3:被覆弾性層
4:導電性充填剤
5:セル
6:金型
7:発泡弾性体
8:気体
9:チューブ
10:画像形成部
11:感光体ドラム
18:帯電ローラ
21:現像ローラ
23:転写ローラ

Claims (37)

  1. 少なくとも基体と2層以上の弾性体から構成される導電性弾性体であって、基体と内部弾性体から構成される導電性弾性体の表層に被覆弾性層を被覆することにより、前記内部弾性体の表層平均セル径が前記被覆弾性層の被覆前に比較して10%以上小さくなっており、また被覆弾性層及び内部弾性体に導電性を付加させるために、導電性充填剤として、少なくとも高温にて焼結させた多結晶焼結体を粉砕したセラミックス微粉末が混入され、前記被覆弾性層の厚みは、30〜250μmの範囲にあり、前記被覆弾性層の伸び率が10〜500%の範囲にあり、前記セラミックス微粉末の平均粒径が5μm以下であり、且つその誘電率が100以上であり、該弾性体の硬度が10〜70°の範囲にあり、且つその体積抵抗率が1×10 6 〜1×10 9 Ω・cmの範囲にあることを特徴とする導電性弾性体。
  2. 少なくとも基体と2層以上の弾性体から構成される導電性弾性体であって、基体と内部弾性体から構成される導電性弾性体の表層に被覆弾性層を被覆することにより、内部弾性体の厚みが被覆弾性層の被覆前に比較して5〜20%薄くなっており、また被覆弾性層及び内部弾性体に導電性を付加させるために、導電性充填剤として、少なくとも高温にて焼結させた多結晶焼結体を粉砕したセラミックス微粉末が混入され、前記被覆弾性層の厚みは、30〜250μmの範囲にあり、前記被覆弾性層の伸び率が10〜500%の範囲にあり、前記セラミックス微粉末の平均粒径が5μm以下であり、且つその誘電率が100以上であり、該弾性体の硬度が10〜70°の範囲にあり、且つその体積抵抗率が1×10 6 〜1×10 9 Ω・cmの範囲にあることを特徴とする導電性弾性体。
  3. 前記被覆弾性層を被覆した後の前記内部弾性体の表層平均セル径が深層平均セル径の90%以下であることを特徴とする請求項1に記載の導電性弾性体。
  4. 被覆弾性層を被覆後の内部弾性体の表層セル径が100μm以下であることを特徴とする請求項1記載の導電性弾性体。
  5. 内部弾性体の硬度が、被覆弾性層の被覆前に比較して5〜30°の範囲で高いことを特徴とする請求項1または2に記載の導電性弾性体。
  6. 内部弾性体の表層に被覆弾性層を密着させる手段として、被覆弾性層を熱収縮させることにより密着させることを特徴とする請求項1または2に記載の導電性弾性体。
  7. 被覆弾性層を熱収縮させる温度が、100℃以上であることを特徴とする請求項に記載の導電性弾性体。
  8. 内部弾性体の表層に被覆弾性体を密着させる手段として、被覆弾性層を引き延ばし、自然状態に戻ろうとする力を常時内部弾性体に付加させることにより密着させることを特徴とする請求項1または2に記載の導電性弾性体。
  9. 被覆弾性層に熱を加えて真円度、円筒度、真直度、平面度を微調整する手段により、真円度、円筒度、真直度、平面度を微調整することを特徴とする請求項1または2に記載の導電性弾性体。
  10. 被覆弾性層が可撓性の合成樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載の導電性弾性体。
  11. 可撓性の合成樹脂が無極性高分子樹脂であることを特徴とする請求項10に記載の導電性弾性体。
  12. 無極性高分子樹脂がポリエチレンであることを特徴とする請求項11記載の導電性弾性体。
  13. 内部弾性体が発泡弾性体であることを特徴とする請求項1または2に記載の導電性弾性体。
  14. 発泡弾性体を形成する基質が無極性ゴムであることを特徴とする請求項1に記載の導電性弾性体。
  15. 無極性ゴムが、少なくともエチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)から形成されることを特徴とする請求項1に記載の導電性弾性体。
  16. セラミックス微粉末として、少なくとも2種以上の化合物から成る多結晶焼結体微粉末が使用されることを特徴とする請求項に記載の導電性弾性体。
  17. 少なくとも2種以上の化合物から成る多結晶焼結体微粉末のうち1種の化合物に、少なくとも酸化チタンを含むことを特徴とする請求項16に記載の導電性弾性体。
  18. 導電性弾性体が無端状のローラ形状であることを特徴とする請求項1または2に記載の導電性弾性体。
  19. 導電性弾性体が平板状ブレード形状であることを特徴とする請求項1または2に記載の導電性弾性体。
  20. 導電性弾性体が無端状のベルト形状であることを特徴とする請求項1または2に記載の導電性弾性体。
  21. 請求項1または2に記載の導電性弾性体を、少なくとも像担持体表面を接触帯電させる帯電手段、前記像担持体表面に形成される静電潜像にトナーを供給して顕像化する現像手段、及び前記像担持体に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段のうち1つ以上に用いたことを特徴とする画像形成装置。
  22. 請求項1または2記載の導電性弾性体の製造方法であって、内部弾性体の膨張による力として未発泡弾性体の発泡及び硬化により生じる膨張力を用い、被覆層と内部弾性体とを密着させることを特徴とする導電性弾性体の製造方法。
  23. 内部弾性体の膨張による力に加え、被覆層の外周からの力を負荷することにより、被覆層と内部弾性体とを密着させることを特徴とする請求項22に記載の製造方法。
  24. 気体の膨張を利用して、被覆層の外周からの力を均一に負荷することにより、被覆層と内部弾性体とを密着させることを特徴とする請求項23に記載の製造方法。
  25. 気体の温度上昇によって気体の体積膨張を生じさせて、被覆層の外周からの力を均一に負荷することにより、被覆層と内部弾性体とを密着させることを特徴とする請求項24に記載の製造方法。
  26. 気体の温度上昇によって気体の体積膨張を生じさせる際、必要以上の圧力を抜く手段を利用することを特徴とする請求項25に記載の製造方法。
  27. 気体の温度を検知する手段として温度センサーを使用することを特徴とする請求項24に記載の製造方法。
  28. 気体の圧力を検知する手段として圧力センサーを使用することを特徴とする請求項24に記載の製造方法。
  29. 膨張させる気体を含有する材質として、フッ素系チューブを使用することを特徴とする請求項24に記載の製造方法。
  30. 膨張させる気体として、窒素ガスまたはアルゴンガスを使用することを特徴とする請求項24に記載の製造方法。
  31. 弾性体の膨張を利用して、被覆層の外周からの力を均一に負荷することにより、被覆層と内部弾性体を密着させることを特徴とする請求項23に記載の製造方法。
  32. 膨張させる弾性体は発泡弾性体であることを特徴とする請求項31に記載の製造方法。
  33. 膨張させる発泡弾性体は単泡から構成されることを特徴とする請求項32に記載の製造方法。
  34. 膨張させる弾性体はフッ素系弾性体であることを特徴とする請求項31ないし33のいずれかの項に記載の製造装置。
  35. 金型内で実施させることを特徴とする請求項22ないし34のいずれかの項に記載の製造方法。
  36. 膨張させる弾性体及び気体を金型内部に一体化させて再利用できる装置を用いることを特徴とする請求項22ないし35のいずれかの項に記載の製造方法。
  37. 内部弾性体と密着させる被覆層が、フッ素系弾性体であることを特徴とする請求項22ないし36のいずれかの項に記載の製造方法。
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