JP4010623B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置、特に、マトリクス表示による文字表示部とパターン表示による欄外表示部を有する複合表示型の液晶表示器(以下、「LCD」という)を用いた液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図2(a)、(b)は、従来の液晶表示装置の概略の構成図である。
図2(a)の液晶表示装置は、文字表示機能と欄外表示機能を有する複合表示型のLCD1を備えている。LCD1は、縦7ドット×横5ドットのマトリクス表示によって英数字等を横方向に16文字表示する文字表示部1aと、この文字表示部1aの上側に[DEG]、[HYP]、[RAD]等の文字や記号等を1つの表示パターンとして表示する欄外表示部1bを有している。欄外表示部1bに横方向に配置された複数の表示パターンは、それぞれ共通接続されてX方向(横方向)の電極X0を構成する。また、文字表示部1aのマトリクスの1行目〜7行目は共通接続されて、それぞれX方向の電極X1〜X7を構成している。更に、文字表示部1a及び欄外表示部1bの縦方向の1列目〜80列目は共通接続されて、それぞれY方向(縦方向)の電極Y1〜Y80を構成している。
【0003】
この液晶表示装置は、LCD1を駆動するためのコモンドライバ2とセグメントドライバ3を有している。コモンドライバ2は、LCD1の電極X0〜X7を上から下へ順次1本ずつ一定の時間間隔で周期的に駆動するものである。セグメントドライバ3は、コモンドライバ2で駆動された電極Xi(但し、i=0〜7)に対応する表示行の表示データを各電極Y1〜Y80に印加するものである。LCD1では、電極Xiに対する駆動電圧と、電極Yj(但し、j=1〜80)に対する駆動電圧の電位差が一定の値以上になると、これらの電極Xiと電極Yjとの間に挟まれた液晶の分子が、例えば一定方向に並び、LCD上部の偏光フィルタにより、光が透過しなくなって黒く表示されるようになる。
このような液晶表示装置では、コモンドライバ2によるLCD1の表示画面の表示行の走査に同期して、セグメントドライバ3から対応する表示行の表示データを出力することにより、このLCD1の文字表示部1aにマトリクス表示による英数字等を、欄外表示部1bに文字や記号の表示パターンを表示することができる。
【0004】
図2(b)の液晶表示装置は、図2(a)中のLCD1とY方向の電極Y1〜Y80の接続が異なるLCD1Aを有している。LCD1Aは、LCD1と同様に、縦7ドット×横5ドットのマトリクス表示による英数字を横方向に16文字表示する文字表示部1aと、この文字表示部1aの上側に[DEG]、[HYP]、[RAD]等の文字や記号等を1つの表示パターンとして表示する欄外表示部1bを有している。
欄外表示部1bに横方向に配置された複数の表示パターンは共通接続されて電極X0を構成し、文字表示部1aのマトリクスの横方向の1行目〜7行目はそれぞれ共通接続されて、それぞれ電極X1〜X7を構成している。文字表示部1aの縦方向の1列目〜80列目はそれぞれ共通接続されて、それぞれY方向の電極YA1〜YA80を構成している。一方、欄外表示部1bの各表示パターンは、それぞれ別のY方向の電極YB1〜YB3を構成している。
【0005】
この液晶表示装置は、LCD1Aの文字表示部1aを駆動するためのコモンドライバ4とセグメントドライバ5を有するとともに、欄外表示部1bを駆動するためのコモンドライバ6とセグメントドライバ7を有している。これらのコモンドライバ4,6、及びセグメントドライバ5,7の機能と動作は、それぞれ図2(a)のコモンドライバ2、及びセグメントドライバ3と同様である。これにより、図2(b)の液晶表示装置は、LCD1Aの文字表示部1aと欄外表示部1bを、それぞれ独立して駆動することによって、画面の表示を行うようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の液晶表示装置では、次の(1)、(2)のような課題があった。
(1) 図2(a)の液晶表示装置では、電極X0〜X8に同じ時間幅の駆動電圧が順次印加される。しかし、パターン表示用の電極X0は、マトリクス表示用の電極X1〜X8に比べて面積が大きいので、電極X0のキャパシタンスは、電極X1〜X8のキャパシタンスに比べて大きくなっている。これにより、電極X0に印加された駆動電圧の立上がりが鈍化し、表示に必要な一定の電圧に達するまでの時間が長くなり、実際の表示時間が電極X1〜X8に比べて短くなってしまう。このため、パターン表示による欄外表示部1bが、マトリクス表示による文字表示部1aに比べてコントラストが低くなり、同一の濃度の表示を行うことができなかった。
【0007】
(2) 図2(b)の液晶表示装置では、文字表示部1a用の駆動回路と、欄外表示部1b用の駆動回路が別個に必要となり、回路構成が複雑でコストアップの原因となっていた。
本発明は、前記従来技術が持っていた(1)、(2)の課題を解決し、回路構成が簡単で、かつパターン表示とマトリクス表示にほぼ等しいコントラストが得られる液晶表示装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は、液晶表示装置において、平行に配置されたマトリクス表示用の複数の第1のX電極及び該第1のX電極に平行に配置されたパターン表示用の第2のX電極、前記第1及び第2のX電極に直交して配置された複数のY電極、並びに前記第1及び第2のX電極と前記複数のY電極との間に挟まれた液晶を有し、順次印加される選択駆動電圧によって選択された前記第1及び第2のX電極と前記複数のY電極との交叉箇所に、該Y電極に印加される表示駆動電圧に応じた表示を行う液晶表示手段と、次のようなゲート回路及びシフトレジスタと、コモン駆動手段と、データ出力手段と、セグメント駆動手段とを備えている。
ゲート回路は、選択の対象が前記第1のX電極であるか前記第2のX電極であるかを指定する制御信号と一定のクロック周期を有するクロック信号が与えられ、該制御信号によって前記第1のX電極が指定されたときには該クロック信号をそのままシフトパルスとして出力し、前記第2のX電極が指定されたときにはN(但し、Nは2以上の整数)クロック周期分の時間幅からN−1個の該クロック信号を間引いて該シフトパルスとして出力するものであり、シフトレジスタは、縦続接続された複数段のフリップフロップで構成され、該フリップフロップの初段の入力側に与えられる1画面の表示の開始を示すフレームパルスを、前記シフトパルスに同期して保持し順次後段へシフトすると共に、該複数段のフリップフロップで保持した該フレームパルスを選択信号として出力するものである。
コモン駆動手段は、前記シフトレジスタから出力された選択信号を前記選択駆動電圧に変換し、対応する前記第1及び第2のX電極に印加するものである。データ出力手段は、前記シフトパルスによって制御され、前記選択信号で選択された前記第1または第2のX電極と前記複数のY電極との交叉箇所に表示すべき表示データを出力するものである。そして、セグメント駆動手段は、前記データ出力手段から出力された前記表示データを前記表示駆動電圧に変換し、対応する前記複数のY電極に印加するものである。
【0011】
発明によれば、以上のように液晶表示装置を構成したので、次のような作用が行われる。
液晶表示手段のマトリクス表示用の複数の第1のX電極に対応して、コモン選択手段から1クロック周期の時間幅の選択信号が出力される。この選択信号は、コモン駆動手段によって選択駆動信号に変換されて、液晶表示手段の複数の第1のX電極に順番に印加される。また、液晶表示手段のパターン表示用の第2のX電極に対応して、コモン選択手段からNクロック周期の時間幅の選択信号が出力される。この選択信号は、コモン駆動手段によって選択駆動信号に変換されて、液晶表示手段の第2のX電極に印加される。
一方、選択信号で選択されたX電極に対応する表示データがデータ出力手段から出力され、セグメント駆動手段によって表示駆動電圧に変換されて、液晶表示手段の複数のY電極に印加される。そして、これらのX電極とY電極の交叉箇所に、表示駆動電圧に応じた表示が行われる。
【0014】
【発明の実施の形態】
第1の実施形態
図1は、本発明の第1の実施形態を示す液晶表示装置の構成図である。
この液晶表示装置は、文字表示機能と欄外表示機能を有する複合表示型のLCD10を備えている。LCD10は、縦7ドット×横5ドットのマトリクス表示によって英数字等を横方向に16文字表示する文字表示部11と、この文字表示部11の上側に[DEG]、[HYP]、[RAD]等の文字や記号等を1つの表示パターンとして表示する欄外表示部12を有している。欄外表示部12に横方向に配置された複数の表示パターンは、共通接続されてX方向(横方向)の第1のX電極(例えば、電極)X0を構成している。また、文字表示部11のマトリクスの1行目〜7行目はそれぞれ共通接続されて、X方向の第2のX電極(例えば、電極)X1〜X7を構成している。更に、文字表示部11及び欄外表示部12の縦方向の1列目〜80列目は、それぞれ共通接続されて、Y方向(縦方向)のY電極(例えば、電極)Y1〜Y80を構成している。
【0015】
LCD10の、各電極Xi(但し、i=0〜7)と、各電極Yj(但し、j=1〜80)との間には、液晶が封入されている。そして、電極Xi,Yjに印加される駆動電圧の電位差が一定の値以上になると、その間に挟まれた液晶の分子が、例えば一定方向に並び、LCD上の偏光フィルタにより、光が透過しなくなって黒く表示されるものである。文字表示部11は、マトリクスを構成する各電極Xi,Yjの交叉箇所の画素を組み合わせて任意の文字や記号等を表示するものである。一方、パターン表示部12は、予め形成された電極Xi,Yjの形状に従って、文字や記号等を1つの表示のパターンとして表示するようになっている。
この液晶表示装置は、データ出力手段を構成するランダム・アクセス・メモリ(以下、「RAM」という)20とデータラッチ30を備えている。RAM20は、LCD10上に表示する表示データを格納するためのメモリであり、アドレス信号ADRが与えられるアドレス端子ADと、このアドレス信号ADRで指定された記憶領域に格納されている表示データを並列に出力するためのデータ端子D1,D2,…,D80を有している。
【0016】
RAM20のデータ端子D1〜D80は、データラッチ30の入力側に接続されている。データラッチ30は、ラッチ端子Lに与えられるラッチ信号LATによって、その入力側に与えられた表示データを保持して、その保持した表示データを出力するものである。データラッチ30の出力側には、セグメント駆動手段(例えば、セグメントドライバ)40の入力側が接続されている。セグメントドライバ40は、データラッチ30から出力される表示データを、LCD10に対する表示駆動電圧に変換するものである。セグメントドライバ40の出力側には、LCD10の電極Y1〜Y80が接続されている。
更に、この液晶表示装置は、2入力の論理積ゲート(以下、「AND」という)51、カウンタ52、及びシフトレジスタ53で構成されるコモン選択手段(例えば、コモン選択部)50を有している。AND51には、一定のクロック周期を有するクロック信号CLKと、選択の対象が文字表示部11であるか欄外表示部12であるかを指定する制御信号CONTが与えられている。
【0017】
制御信号CONTは、文字表示部11の表示期間中はレベル“H”となっており、欄外表示部12の表示タイミングに、(N−1)クロック周期(但し、Nは2以上の整数)の間、レベル“L”となる信号である。これによって、AND51の出力側には、欄外表示部12の表示タイミングに、(N−1)個のクロック信号CLKが間引かれたシフトパルスSPが出力されるようになっている。シフトパルスSPは、カウンタ52及びシフトレジスタ53のクロック端子Cに与えられるとともに、前記データラッチ30に対するラッチ信号LATとして与えられている。
カウンタ52は、リセット端子Rと出力端子Qとを有しており、このリセット端子Rには、LCD10の表示画面の1番上の行の表示タイミングを示すフレームパルスFPが与えられるようになっている。カウンタ52は、リセット端子Rに与えられるフレームパルスFPが“H”の時に、そのカウント値を0にリセットし、このフレームパルスFPが“L”の時に、クロック端子Cに与えられるシフトパルスSFの立上がり毎に、そのカウント値を1ずつ増加させるものである。カウンタ52の出力端子Qにはカウント値が出力され、このカウント値が、前記RAM20にアドレス信号ADRとして与えられている。
【0018】
更に、フレームパルスFPは、シフトレジスタ53のデータ入力端子Dにも与えられている。シフトレジスタ53は、縦続接続された8段のフリップフロップ(以下、「FF」という)で構成され、各段のFFの出力側が並列出力端子DO0,DO1,…,DO7となっている。データ入力端子Dに与えられたフレームパルスFPは、クロック端子Cに与えられるシフトパルスSPの立上がりのタイミングで、順次後段のFFにシフトして保持されるようになっている。そして、シフトレジスタ53の並列出力端子DO0〜DO7から、それぞれ選択信号CD0,CD1,…,CD7が出力されるようになっている。選択信号CD0〜CD7は、コモン駆動手段(例えば、コモンドライバ)60の入力側に与えられている。コモンドライバ60は、シフトレジスタ53から出力される選択信号CD0〜CD7を、LCD10に対する選択駆動電圧に変換するものであり、その出力側にLCD10の電極X0〜X7が接続されている。
【0019】
コモンドライバ60とセグメントドライバ40は、LCD10の電極Xi,Yjに対して選択駆動電圧と表示駆動電圧をそれぞれ印加し、その電位差が一定の値を越えた電極Xi,Yjの交叉箇所に表示を行うものである。例えば、電極Xiが接地電位GND、電極Yjが電源電位VCCであれば、これらの電極Xi,Yjの交叉箇所は黒く表示される。しかし、電極Xi,Yj間に印加される電界の方向が常に同一であると、これらの電極Xi,Yj間に挟まれた液晶の寿命が短くなるという問題点がある。このため、LCD10の電極Xi,Yj間に印加される電界の方向を、例えば、表示画面の1フレーム毎に反転させる交流駆動方法等が一般的に用いられている。コモンドライバ60及びセグメントドライバ40は、このような交流駆動方法による選択駆動電圧及び表示駆動電圧を生成して出力する機能を有している。
【0020】
図3は、図1の動作を示す信号波形図である。この図3を参照しつつ、図1の動作を説明する。
図3の時刻t1におけるクロック信号CLKの立上がりとともに、フレームパルスFPが立上がると、カウンタ52がリセットされ、アドレス信号ADRは0となる。これにより、RAM20の0番地に格納されている電極X0に対応する表示データが読み出され、データラッチ30に与えられる。時刻t1では、制御信号CONTが“H”となっているので、AND51から出力されるラッチ信号LATは“H”となる。これにより、RAM20から出力された0番地の表示データは、データラッチ30によって保持され、セグメントドライバ40に与えられる。セグメントドライバ40から、表示データに対応する表示駆動電圧が出力され、LCD10の電極Y1〜Y80に印加される。
【0021】
更に、AND51から出力されるシフトパルスSPの立上がりにより、シフトレジスタ53のデータ入力端子Dに与えられているフレームパルスFPが保持されるとともに後段にシフトされ、並列出力端子DO0から出力される選択信号CD0は“H”となる。選択信号CD0は、コモンドライバ60に与えられ、このコモンドライバ60からLCD10の電極X0に対する選択駆動電圧が与えられる。これによって、LCD10の電極X0に対応する欄外表示部12の表示が行われる。
時刻t2にクロック信号CLKが立下がると、データラッチ30に保持されている表示データは、そのまま保持された状態になる。
【0022】
時刻t3におけるクロック信号CLKの立上がりとともに、フレームパルスFPと制御信号CONTが立下がる。制御信号CONTが“L”になると、AND51の出力信号は“L”の状態を維持し、カウンタ52及びシフトレジスタ53は、そのままの状態に維持される。このように、制御信号CONTが“L”となっている期間中、欄外表示部12が連続して駆動されて、パターン表示が行われる。
時刻t4、即ち、時刻t3から2クロック周期分の時間が経過した時点で、制御信号CONTが立上がると、AND51から出力されるシフトパルスSPも立上がる。これによってカウンタ53のカウント値、即ち、アドレス信号ADRが1となって、RAM20の1番地に格納されている電極X1に対応する表示データが読み出されてデータラッチ30に与えられる。この時、ラッチ信号LATは“H”となっているので、RAM20から出力された1番地の表示データは、データラッチ30によって保持され、セグメントドライバ40を介して、LCD10の電極Y1〜Y80に表示駆動電圧が印加される。
【0023】
また、シフトパルスSPの立上がりにより、シフトレジスタ53に保持されたフレームパルスFPは後段へシフトされて、並列出力端子DO1に出力される選択信号CD1が“H”となる。選択信号CD1は、コモンドライバ60に与えられ、このコモンドライバ60からLCD10の電極X1に対する選択駆動電圧が与えられる。これによって、電極X1に対応する文字表示部11の表示が行われる。
時刻t5,t6,…におけるクロック信号CLKの立上がり時点の動作は、制御信号CONTが“H”となっているので、時刻t4における動作と同じである。即ち、RAM20の2番地、3番地、…の表示データが逐次読み出され、その読み出された表示データに対応する表示駆動電圧が、LCD10の電極Y1〜Y80に印加される。一方、シフトレジスタ53からは、選択信号CD2,CD3,…が逐次出力され、LCD10の電極X2,X3,…に選択駆動電圧が順次印加される。これによって、電極X1〜X7に対応する文字表示部11に、マトリクス表示が行われる。
【0024】
以上のように、この第1の実施形態の液晶表示装置は、欄外表示部12に対応する選択信号CD0の時間幅を、制御信号CONTによってNクロック幅に延長して出力するコモン選択部50を有している。このため、制御信号CONTの時間幅を適切に設定することにより、複合表示型のLCD10における文字表示部11及び欄外表示部12のコントラストを、1組のセグメントドライバ40とコモンドライバ60で、ほぼ均一に表示することができるという利点がある。
【0025】
第2の実施形態
図4は、本発明の第2の実施形態を示す液晶表示装置の構成図であり、図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
この実施形態の液晶表示装置と、図1の液晶表示装置との相違は、図1中のコモン選択部50に代えて、これと構成の異なるコモン選択部50Aを設けたことである。
コモン選択部50Aは、図1中のコモン選択部50と同様のAND51、カウンタ52、及びシフトレジスタ53を有する他、これに加えてセレクタ54,56と、レジスタ55,57が付加された構成となっている。
セレクタ54は、入力端子A,Bを有し、この入力端子Aにカウンタ52の出力側が接続され、入力端子Bには、欄外表示部12に対応する表示データの記憶番地(即ち、0番地)が格納されたレジスタ55が接続されている。セレクタ54の選択端子Sには、制御信号CONTが与えられており、この制御信号CONTが“H”の時には入力端子A側を選択して出力し、制御信号CONTが“L”の時には入力端子B側を選択して出力するようになっている。セレクタ54の出力側は、RAM20のアドレス端子ADに接続されている。
【0026】
また、セレクタ56は、セレクタ54と同様に入力端子A,Bを有し、この入力端子Aにシフトレジスタ53の出力側が接続され、入力端子Bには、欄外表示部12に対応する選択信号CD0〜CD7が格納されたレジスタ57が接続されている。セレクタ56の選択端子Sには、制御信号CONTが与えられており、この制御信号CONTが“H”の時には入力端子A側を選択して出力し、制御信号CONTが“L”の時には入力端子B側を選択して出力するようになっている。セレクタ56の出力側は、コモンドライバ60の入力側に接続されている。
更に、クロック信号CLKがデータラッチ30に対するラッチ信号LATとして与えられるようになっている。
【0027】
図5は、図4の動作を示す信号波形図である。この図5を参照しつつ、図4の動作を説明する。
制御信号CONTが“H”の場合、セレクタ54,56では入力端子A側が選択されるので、図1の第1の実施形態の液晶表示装置と同様の動作が行われる。
即ち、図5の時刻T1におけるフレームパルスFPとクロック信号CLKの立上がりによってカウンタ52が0にリセットされてアドレス信号ADRが0となってRAM20に与えられる。
【0028】
その後、時刻T2,T3,…におけるクロック信号CLKの立上がりにより、カウンタ52は逐次カウントアップし、そのカウント値がアドレス信号ADRとしてRAM20に与えられる。そして、RAM20からアドレス信号ADRに対応した表示データが読み出され、データラッチ30でラッチされた後、セグメントドライバ40によって表示駆動電圧に変換されて、LCD10の電極Y1〜Y80に印加される。
一方、シフトレジスタ53において、AND51から出力されたシフトパルスSPによってフレームパルスFPが順次シフトされ、選択信号CD0〜CD7として出力される。選択信号CD0〜CD7は、コモンドライバ60によって選択駆動電圧に変換され、LCD10の電極X0〜X7に印加される。このように、LCD10の電極X0〜X7は、同一のクロック周期の時間幅の選択信号CD0〜CD7に従って順次駆動されることになる。
【0029】
時刻T4において、制御信号CONTが“L”になると、AND51から出力されるシフトパルスSPは“L”となるので、カウンタ52及びシフトレジスタ53には、この制御信号CONTが“L”に変化する直前の状態(例えば、アドレス信号ADR=3)が保持される。また、セレクタ54,56では、入力端子B側が選択される。これにより、レジスタ55に格納されている欄外表示部12の表示データの記憶番地(例えば、アドレス信号ADR=0)が、セレクタ54を介してRAM20のアドレス端子ADに与えられる。また、レジスタ57に格納されている欄外表示部12に対応する選択信号(例えば、CD0)が、セレクタ56を介してコモンドライバ60に与えられ、欄外表示部12の表示が行われる。
時刻T5において、制御信号CONTが“H”に戻ると、セレクタ54,56が入力端子A側と選択し、制御信号CONTが“L”になる直前の状態に復帰される。そして、シフトパルスSPの立上がりによって、カウンタ52のカウント値は4にカウントアップしてアドレス信号ADRは4になる。これによって、LCD10の電極X0〜X7は、引き続いて、同一のクロック周期の時間幅の選択信号CD0〜CD7に従って順次駆動されるようになる。
【0030】
以上のように、この第2の実施形態の液晶表示装置は、制御信号CONTによって、レジスタ55,57に格納された欄外表示部12に対応する電極X0を随時選択して駆動するためのセレクタ54,56を有している。これにより、欄外表示部12に対する追加の駆動を行うことができるので、1画面の表示期間中に1回以上、制御信号CONTを“L”にすることにより、第1の実施形態と同様の利点を持たせることができる。更に、レジスタ55,57に特定の表示ラインに対応する電極Xiを設定することにより、その特定の表示ラインを強調表示することができるという利点がある。
【0031】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。この変形例としては、例えば、次の(a)〜(e)のようなものがある。
(a) LCD10の電極Xi、及び電極Yjの数は、例示した数に限定されず、表示内容に合わせて任意の数の電極Xi,Yjで構成することができる。
(b) LCD10では、文字表示部11の上側に欄外表示部12が設けられているが、文字表示部11の下側、右側、或いは左側に欄外表示部12を設けても良い。
(c) 図1中のコモン選択部50は、この構成に限定されず、制御信号CONTによって、特定の選択信号CDk(但し、k=0〜7)のパルス幅を複数クロック周期分に相当する時間に延長して出力する回路であれば、どのような回路構成でも適用可能である。
【0032】
(d) 図4中のレジスタ55,57に格納する情報は、欄外表示部12に対応する電極X0を指定するものに限定されず、強調表示したい任意の電極Xiを指定ことができる。
(e) 図4中のコモン選択部50Aは、セレクタ54,56、及びレジスタ55,57によって強調表示の対象となる欄外表示部12を選択する構成になっているが、この構成に限定されず、制御信号CONTによって、強調表示の対象となる特定の選択信号CDk(但し、k=0〜7)とこの選択信号CDkに対応する表示データが記憶されたアドレス信号ADRを出力することのできる回路であれば、どのような回路構成でも適用可能である。
【0033】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、発明によれば、マトリクス表示用の第1の電極に対して1クロック周期の選択信号を、パターン表示用の第2のX電極に対応してNクロック周期の選択信号を順番に出力するコモン選択手段を有している。これにより、パターン表示用の第2のX電極を、マトリクス表示用の第1のX電極に比べて長時間駆動することができる。従って、パターン表示用の専用の駆動回路を必要とせずに、大きな表示面積を有するパターン表示用のX電極に対しても、マトリクス表示用のX電極とほぼ等しいコントラストの表示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す液晶表示装置の構成図である。
【図2】従来の液晶表示装置の概略の構成図である。
【図3】図1の動作を示す信号波形図である。
【図4】本発明の第2の実施形態を示す液晶表示装置の構成図である。
【図5】図4の動作を示す信号波形図である。
【符号の説明】
10 LCD
11 文字表示部
12 欄外表示部
20 RAM
30 データラッチ
40 セグメントドライバ
50,50A コモン選択部
51 AND
52 カウンタ
53 シフトレジスタ
54,56 セレクタ
55,57 レジスタ
60 コモンドライバ
X0〜X7,Y1〜Y80 電極

Claims (1)

  1. 平行に配置されたマトリクス表示用の複数の第1のX電極及び該第1のX電極に平行に配置されたパターン表示用の第2のX電極、前記第1及び第2のX電極に直交して配置された複数のY電極、並びに前記第1及び第2のX電極と前記複数のY電極との間に挟まれた液晶を有し、順次印加される選択駆動電圧によって選択された前記第1及び第2のX電極と前記複数のY電極との交叉箇所に、該Y電極に印加される表示駆動電圧に応じた表示を行う液晶表示手段と、
    選択の対象が前記第1のX電極であるか前記第2のX電極であるかを指定する制御信号と一定のクロック周期を有するクロック信号が与えられ、該制御信号によって前記第1のX電極が指定されたときには該クロック信号をそのままシフトパルスとして出力し、前記第2のX電極が指定されたときにはN(但し、Nは2以上の整数)クロック周期分の時間幅からN−1個の該クロック信号を間引いて該シフトパルスとして出力するゲート回路と、
    縦続接続された複数段のフリップフロップで構成され、該フリップフロップの初段の入力側に与えられる1画面の表示の開始を示すフレームパルスを、前記シフトパルスに同期して保持し順次後段へシフトすると共に、該複数段のフリップフロップで保持した該フレームパルスを選択信号として出力するシフトレジスタと
    前記シフトレジスタから出力された選択信号を前記選択駆動電圧に変換し、対応する前記第1及び第2のX電極に印加するコモン駆動手段と、
    前記シフトパルスによって制御され、前記選択信号で選択された前記第1または第2のX電極と前記複数のY電極との交叉箇所に表示すべき表示データを出力するデータ出力手段と、
    前記データ出力手段から出力された前記表示データを前記表示駆動電圧に変換し、対応する前記複数のY電極に印加するセグメント駆動手段とを、
    備えたことを特徴とする液晶表示装置。
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