JP4010525B2 - 工作機械用主軸バランサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は工作機械用主軸バランサに関し、特に、立て向き姿勢に設けたガススプリングにより主軸ユニットを支持して、主軸ユニットを昇降駆動する昇降駆動手段の負荷を軽減可能にしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、マシニングセンタ等の工作機械には、工具を装着する為の主軸とこの主軸を回転駆動する電動モータを有する主軸ユニットが設けられ、この主軸ユニットが昇降駆動機構により支持されて昇降駆動される。この種の昇降駆動機構の多くは、鉛直のボールネジシャフトと、このボールネジシャフトに螺合されて主軸ユニットに連結されたボールネジナットと、電動モータとを有し、電動モータでボールネジシャフトを回転駆動することにより、ボールネジナットとともに主軸ユニットを昇降駆動するように構成されている。
【0003】
しかし、この種の工作機械では、昇降駆動機構により重い主軸ユニットを支持して昇降駆動しなければならないため、昇降駆動機構の負荷が大きくなり、主軸ユニットの上下方向の位置精度が低下する虞があるし、主軸ユニットの昇降速度の一層の高速化を実現するのが難しい。しかも、重い主軸ユニットを支持する昇降駆動機構が大型化し製作コストが高価になるという問題もある。
【0004】
そこで、工作機械の昇降駆動機構の負荷を軽減するようにした主軸バランサが実用に供されている。例えば、特開平6−297217号公報には、主軸ユニットの上側に固定的に設けた油圧シリンダであって、ピストンロッドが下方へ延びその先端部が主軸ユニットに連結された油圧シリンダと、油圧シリンダのピストンで仕切られた両油室に接続された方向切換弁と、方向切換弁を介して油圧シリンダに油圧を供給する油圧供給機構と、方向切換弁を切換え制御する制御装置を備えた主軸バランサが開示されている。
【0005】
この主軸バランサでは、昇降駆動機構により主軸ユニットを昇降駆動する際、主軸ユニットの昇降に同期して油圧シリンダのピストンロッドを伸縮駆動するとともに、その油圧シリンダにより、主軸ユニットの重量と略同等の上向きの力を発生させて、昇降駆動機構の負荷を軽減することが可能になる。尚、ワーク加工時に主軸ユニットに下方推力が必要な場合は、油圧シリンダにより主軸ユニットを下降駆動し、その駆動力で下方推力を発生させることはできる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の工作機械において、主軸バランサを設けていないものでは、前述のように、重い主軸ユニットを昇降駆動機構により支持して昇降駆動しなければならないため、昇降駆動機構の負荷が大きくなり、昇降駆動機構による主軸ユニットの上下方向の位置精度が低下する虞があること、主軸ユニットの昇降速度の一層の高速化を実現するのが難しいこと、重い主軸ユニットを支持する昇降駆動機構が大型化し製作コストが高価になること、等の問題がある。
【0007】
特開平6−297217号公報の主軸バランサでは、昇降駆動機構により主軸ユニットを昇降駆動する際、油圧シリンダにより主軸ユニットの重量と略同等の上向きの力を発生させるように、制御装置で方向切換弁を制御するのが難しい。つまり、昇降駆動機構の負荷を軽減し上記課題を解決することが容易ではない。しかも、主軸ユニットが油圧シリンダによる制約を受けて高速で昇降できないこと、油圧シリンダの他に、方向切換弁と油圧供給機構と制御装置等を設けなければならないため、構造が複雑化し製作コストが高価になること等の問題もある。
【0008】
本発明の目的は、主軸ユニットを昇降駆動する昇降駆動手段の負荷を確実に且つ効果的に軽減し、昇降駆動手段による主軸ユニットの上下方向の位置精度を確実に高めるとともに、主軸ユニットの昇降速度の一層の高速化を実現可能にし、更に、昇降駆動手段を含めて構造を簡単化(小型化)し製作コスト的に非常に有利な工作機械用主軸バランサを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の工作機械用主軸バランサは、工具を装着する為の主軸とこの主軸を回転駆動する電動モータを有し昇降駆動手段により昇降駆動される主軸ユニットを有する工作機械において、圧縮ガスが充填されたガススプリングを立て向き姿勢に設け、このガススプリングにより主軸ユニットを支持して昇降駆動手段の負荷を軽減するように構成し、前記ガススプリングは、シリンダ本体とこのシリンダ本体に挿入されて圧縮ガスのガス圧を受圧するロッド部材とを備え、前記シリンダ本体に圧縮ガスを充填する為のガス充填手段を設け、前記ガス充填手段がロッド部材内に形成されたガス通路を含み、このガス通路を介してシリンダ本体内に圧縮ガスを充填可能に構成したことを特徴とするものである。
【0010】
ここで、前記ガススプリングとしては、シリンダ本体と、このシリンダ本体に挿入されて圧縮ガスのガス圧を受圧するロッド部材とを有するロッド型のガススプリングでもよいし、シリンダ本体と、このシリンダ本体にピストンが気密摺動自在に内嵌されて圧縮ガスのガス圧を受圧するピストンロッドを有するピストン型のガススプリングでもよい。
【0011】
この工作機械用主軸バランサでは、伸縮可能のガススプリングにより、主軸ユニットの昇降自由度を確保して、主軸ユニットを支持することができる。そして、主軸ユニットの昇降ストローク(ガススプリングの伸縮ストローク)に対して、ガススプリング内の圧縮ガスのガス圧変化量を小さくして体積変化量を小さくすることができ、これにより、主軸ユニットが昇降しいる状態でも、ガススプリングにより、主軸ユニットに対してその重量と略同等の上向きの力を発生させて主軸ユニットを効果的に支持できる。つまり、昇降駆動手段の負荷を確実且つ効果的に軽減でき、昇降駆動手段による主軸ユニットの上下方向の位置精度を確実に高めることが可能になる。
【0012】
しかも、昇降駆動手段の負荷軽減により、主軸ユニットの昇降速度の一層の高速化を実現可能になり、更に、昇降駆動手段の負荷を確実に軽減できることから、昇降駆動手段も小型化できるし、ガススプリングを立て向き姿勢に設けるだけの簡単な構造であるので、製作コスト的に非常に有利になる。この工作機械用主軸バランサでは、昇降駆動手段により主軸ユニットとともにガススプリングのシリンダ本体が昇降駆動されて、シリンダ本体に対してロッド部材が伸縮する。
シリンダ本体に圧縮ガスを充填する為のガス充填手段を設けたため、シリンダ本体内の圧縮ガスのガス圧が低下しても、シリンダ本体に圧縮ガスを簡単/確実に充填し増圧することができる。
ガス充填手段がロッド部材内に形成されたガス通路を含み、このガス通路を介してシリンダ本体内に圧縮ガスを充填可能に構成したため、ガス充填手段により、ロッド部材内に形成されたガス通路を介して、シリンダ本体内に圧縮ガスを確実に充填することができる。
【0013】
請求項2の工作機械用主軸バランサは、請求項1の発明において、前記シリンダ本体が主軸ユニットに固定され、このシリンダ本体からロッド部材が下方へ延びるように配設されたことを特徴とするものである。
【0014】
このガススプリングでは、主軸ユニットの昇降ストロークに対するシリンダ本体内の圧縮ガスのガス圧変化量を格段に小さくすることができるため、昇降駆動手段の負荷を確実に且つ効果的に軽減することが可能になる。
【0015】
【0016】
【0017】
請求項3の工作機械用主軸バランサは、請求項2の発明において、前記シリンダ本体の内部空間の下端部に、潤滑とガスシールの為の潤滑オイルを充填したことを特徴とするものである。
【0018】
潤滑オイルでシリンダ本体とロッド部材の摺動部分を潤滑してその磨耗によるガス漏れを防止し、更に、潤滑オイル自体でシリンダ本体とロッド部材の摺動部分の間をシール可能であるためガス漏れを確実に防止できる。そして、主軸ユニットにシリンダ本体が倒立状に配設されるため、特別な構造を付加することなく、シリンダ本体の内部空間の下端部に潤滑オイルを充填できる。
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
請求項4の工作機械用主軸バランサは、請求項1の発明において、前記ガス通路を介してシリンダ本体内のガス圧を検出するガス圧検出手段を設けたことを特徴とするものである。つまり、シリンダ本体内のガス圧が予め設定された適当なガス圧か否かを容易に検出して知ることが可能になる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本実施形態は、立型のマシニングセンタ等の工作機械に本発明を適用した場合の一例である。尚、図1の前方を基準として説明する。
【0026】
最初に、工作機械Mについて簡単に説明する。
図1に示すように、工作機械Mは、コラム1と、コラム1に昇降可能にガイドされた主軸ユニット10と、主軸ユニット10を昇降駆動する昇降駆動機構20等が備えられ、この工作機械Mに、主軸ユニット10を支持して昇降駆動機構20の負荷を軽減するガススプリング35を含む工作機械用主軸バランサ30(以下、主軸バランサ30という)が付設されている。
【0027】
前記コラム1の前端部には、少なくとも左右1対の鉛直ガイドレール2が設けられ、これらガイドレール2に、主軸ユニット10のフレーム部材11の後端部に固着された複数のスライダ12が摺動自在に係合している。コラム1のうちガイドレール2の下端部側には、ガススプリング35のロッド部材50の下端部が当接する受止め部3が設けられている。
【0028】
前記主軸ユニット10は、前記フレーム部材11と、このフレーム部材10の前部に回転自在に支持され工具14を下端部に着脱可能に装着する為の鉛直の主軸13と、この主軸13を回転駆動する電動モータ15を有する。電動モータ15は、フレーム部材11の前部の上部側に取付られて主軸13に直結されている。そして、電動モータ15は、制御装置38に電気的に接続され、この制御装置38により駆動制御されて、主軸13とともに工具14が回転駆動される。
【0029】
前記昇降駆動機構20は、コラム1の上端部側に取付られた電動モータ21と、この電動モータ21に直結されて下方へ延びる鉛直のボールネジシャフト22と、このボールネジシャフト22に螺合されて主軸ユニット10に連結部16を介して連結されたボールネジナット23を有する。電動モータ21は、前記制御装置38に電気的に接続され、この制御装置38により駆動制御されて、ボールネジシャフト22が回転駆動されると、ボールネジナット23とともに主軸ユニット10が昇降駆動される。
【0030】
次に,前記主軸バランサ30について詳細に説明する。
図1、図2に示すように、主軸バランサ30は、圧縮ガス(例えば、圧縮窒素ガス)が充填されたガススプリング35を立て向き姿勢に設け、このガススプリング35により主軸ユニット10を支持して、主軸ユニット10を昇降駆動する昇降駆動機構20の負荷を軽減するように構成してある。
【0031】
ガススプリング35は、シリンダ本体40とこのシリンダ本体40に挿入されて圧縮ガスのガス圧を受圧するロッド部材50とを備え、シリンダ本体40が主軸ユニット10に例えば挿通状に固定され、このシリンダ本体40からロッド部材50が下方へ延びるように倒立状に配設されている。
【0032】
図2に示すように、シリンダ本体40は、1又は複数の部材からなるシリンダヘッド41と、このシリンダヘッド41の下端部分にシール部材43を介して気密に内嵌され連結されたヘッドカバー42とを有する。ヘッドカバー42は鍔部42aを有し、少なくともその鍔部42aが、主軸ユニット10のユニットフレーム11に下側から当接し複数のボルトで固定されている。
【0033】
シリンダ本体40のロッド(伸長方向)側端壁部に相当するヘッドカバー42には、ロッド部材50のロッド部51が気密摺動自在に挿通するロッド挿通孔42bが形成されている。また、ヘッドカバー42には、ロッド挿通孔42bに臨む環状凹部42cが形成され、この環状凹部42cにリングシール44が装着され、このリングシール44によりヘッドカバー42とロッド部51の間がシールされている。
【0034】
シリンダ本体40の内部空間の少なくとも下端部には、潤滑とガスシールの為の潤滑オイル45が、シリンダ本体40の下端から数cmのレベルまで充填されている。そして、この潤滑オイル45がロッド部51に付着して、ヘッドカバー42とロッド部51との摺動部分が潤滑され、また、潤滑オイル45自体により、ロッド挿通孔42bの上端部分とロッド部51の間がシールされ、その間からシリンダ本体40の外部へ圧縮ガスが漏れるのを防止する。
【0035】
【0036】
ロッド部材50は、ロッド挿通孔42bを気密摺動自在に挿通する表面鏡面状のロッド部51と、シリンダ本体40内においてロッド部51の上端部に一体的に設けられた抜止め部52とを有する。抜止め部52は、ロッド部51よりも大径で、シリンダ40の内径よりも小径であり、この抜止め部52により、ロッド部材50がロッド挿通孔42bから抜け止めされている。ロッド部材50のうちシリンダ本体40に挿入されている部分がシリンダ本体40内の圧縮ガスのガス圧を受圧し、そのガス圧によりロッド部材50が常時下方へ付勢され、その下端部がコラム1の受止め部3の上面に当接し受け止められている。
【0037】
ここで、ロッド部51の断面積s[cm2] 、シリンダ本体40内のガス圧p[Kg/cm2](但し、pはロッド部材50の伸縮に応じて僅かに変化する)とすると、ガス圧p[Kg/cm2]によるロッド部材50の付勢力は、理論上、p×s[Kgf] となる。そして、主軸ユニット10全体の重量がM[Kgf] である場合、ガススプリング35により主軸ユニット10の重量M[Kgf] と略同等の上向きの力p×s[Kgf] を発生させるように、断面積s[cm2] とガス圧p[Kg/cm2]が設定される。
【0038】
主軸バランサ30においては、ロッド部材50内に、シリンダ本体40の内部に連通するガス通路60が形成されている。また、ロッド部51の下端部には、脚部材61がシール部材62を介して内嵌螺合され、この脚部材61内には、前記ガス通路60に連通するガス通路64が形成されている。脚部材61にガスチューブ65の一端部の接続プラグ63が接続されてガス通路64に連通し、そのガスチューブ65の端部に圧力スイッチ66(ガス圧検出手段に相当する)が接続されている。また、ガスチューブ65には、ガスボンベやガスバルブや制御装置等を有するガス供給ユニット67が、圧力スイッチ66と並列に接続されている。主軸ユニット10が昇降してもロッド部材50は静止しているため、上記接続を常時容易に維持することができる。そして、圧力スイッチ66により、ガス通路60,64とガスチューブ65を介して作用するシリンダ本体40内のガス圧を検出することができ、そのガス圧が前記設定ガス圧よりも低下している場合には、圧力スイッチ66からの信号を受けて、ガス供給ユニット67が作動し、ガスチューブ65とガス通路64,60を介してシリンダ本体40内に圧縮ガスを充填し増圧することができる。但し、ガス供給ユニット67は、ガスチューブ65を介してロッド部材60の下端部の脚部材61に常時接続しておく必要はない。尚、前記ガス通路60,64、ガスチューブ65、ガス供給ユニット67等がガス充填手段に相当する。
【0039】
上記主軸バランサ30の作用・効果について説明する。
圧縮ガスが充填された立て向き姿勢のガススプリング35により、主軸ユニット10の昇降自由度を確保して、主軸ユニット10を支持することができる。前述のように、ガススプリング35により主軸ユニット10の重量と略同等の上向きの力を発生させるように設定されているため、昇降駆動機構20の負荷を軽減することができる。
【0040】
昇降駆動機構20により主軸ユニット10が下降駆動されると、ガススプリング35のシリンダ本体40も一体的に下降するため、シリンダ本体40に対してロッド部材50が退入(収縮)し、また、昇降駆動機構20により主軸ユニット10が上昇駆動されると、ガススプリング35のシリンダ本体40も一体的に上昇するため、シリンダ本体40に対してロッド部材50が伸長していく。
【0041】
このように、昇降駆動機構20により主軸ユニット10とともにガススプリング35のシリンダ本体40が昇降駆動されて、シリンダ本体40に対してロッド部材50が伸縮するが、このとき、このガススプリング35では、主軸ユニット10の昇降ストローク(ロッド部材50の伸縮ストローク)に対して、シリンダ本体40内の圧縮ガスの体積変化量を小さくしガス圧変化量を小さくすることができる。これにより、主軸ユニット10が静止している状態では勿論昇降している状態でも、ガススプリング35により、主軸ユニット10に対してその重量と略同等の上向きの力を発生させ主軸ユニット10を効果的に支持することができ、昇降駆動機構20の負荷を確実に且つ効果的に軽減することができる。
【0042】
昇降駆動機構20の負荷軽減により、主軸ユニット10の昇降速度の一層の高速化を実現可能になり、更に、昇降駆動機構20の負荷を確実に軽減できることから、昇降駆動機構20も小型化できるし、ガススプリング35を立て向き姿勢に設けるだけの簡単な構造であるので、製作コスト的に非常に有利になる。
【0043】
シリンダ本体40の内部空間の少なくとも下端部に、潤滑とガスシールの為の潤滑オイル45を充填したので、潤滑オイル45でシリンダ本体40とロッド部材50の摺動部分を潤滑してその磨耗によるガス漏れを防止し、更に、潤滑オイル45自体でシリンダ本体40とロッド部材50の摺動部分の間をシール可能であるためガス漏れを確実に防止できる。そして、主軸ユニット10にシリンダ本体40が倒立状に配設されるため、特別な構造を付加することなく、シリンダ本体40の内部空間の少なくとも下端部に潤滑オイル45を充填できる。
【0044】
また、ロッド部材50内に、シリンダ本体40の内部に連通するガス通路60をその全長に亙って形成し、この通路60に接続されるガスチューブ65やガス供給ユニット67等を有する圧縮ガスを充填する為のガス充填手段を設けたので、シリンダ本体40内の圧縮ガスのガス圧が低下しても、シリンダ本体40に圧縮ガスを簡単/確実に充填し増圧することができる。
【0045】
前記実施形態の変更形態について説明する。尚、前記実施形態と基本的に同じものには同一符号を付し、特に変更箇所以外の説明は省略する。
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
1〕図3の主軸バランサ30Aでは、シリンダ本体40の下部にオイル通路68が形成され、シリンダ本体40下端付近に、オイル通路68に連通する充填用バルブユニット69が組込まれている。そして、オイル供給機構(図示略)により、この充填用バルブユニット69からオイル通路68を介して、シリンダ本体40の内部空間の下端部に潤滑オイル45を充填することが可能になる。但し、この場合にも、ロッド部材50内に、シリンダ本体40の内部に連通するガス通路が形成されている。
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
2〕主軸バランサのガスシリンダの数や取付位置については、前記実施形態の態様に限定されない。例えば、2組以上のガスシリンダを立て向き姿勢にして並列状に配設してもよいし、シリンダ本体を主軸ユニット10やコラム1に固定可能であればそれらに挿通させて固定する必要もない。また、例えば、1又は複数のガスシリンダを、ボールネジシャフト22に沿って配設して主軸ユニット10を支持するように構成してもよい。
【0059】
尚、前記主軸バランサ30、30Aは一例を示すものに過ぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形を付加した形態で実施可能であり、また、上記工作機械Mに限らず、主軸ユニットとその主軸ユニットを昇降駆動する昇降駆動機構を有する種々の工作機械に適用可能である。
【0060】
【発明の効果】
請求項1の工作機械用主軸バランサによれば、伸縮可能のガススプリングにより、主軸ユニットの昇降自由度を確保して、主軸ユニットを支持することができる。主軸ユニットの昇降ストローク(ガススプリングの伸縮ストローク)に対して、ガススプリング内の圧縮ガスのガス圧変化量を小さくし体積変化量を小さくすることができ、これにより、主軸ユニットが昇降しいる状態でも、ガススプリングにより、主軸ユニットに対してその重量と略同等の上向きの力を発生させて主軸ユニットを効果的に支持できる。つまり、昇降駆動手段の負荷を確実且つ効果的に軽減でき、昇降駆動手段による主軸ユニットの上下方向の位置精度を確実に高めることが可能になる。しかも、昇降駆動手段の負荷軽減により、主軸ユニットの昇降速度の一層の高速化を実現可能になり、更に、昇降駆動手段の負荷を確実に軽減できることから、昇降駆動手段も小型化できるし、ガススプリングを立て向き姿勢に設けるだけの簡単な構造であるので、製作コスト的に非常に有利になる。
ガススプリングは、シリンダ本体とこのシリンダ本体に挿入されて圧縮ガスのガス圧を受圧するロッド部材とを備え、シリンダ本体に圧縮ガスを充填する為のガス充填手段を設け、ガス充填手段がロッド部材内に形成されたガス通路を含み、このガス通路を介してシリンダ本体内に圧縮ガスを充填可能に構成したので、主軸ユニットとともにガススプリングのシリンダ本体が昇降駆動されて、シリンダ本体に対してロッド部材が伸縮する。このとき、シリンダ本体内の圧縮ガスのガス圧が低下しても、ガス充填手段により、ロッド部材内に形成されたガス通路を介して、シリンダ本体に圧縮ガスを簡単/確実に充填し増圧することができる。
【0061】
請求項2の工作機械用主軸バランサによれば、主軸ユニットとともにガススプリングのシリンダ本体が昇降駆動されて、シリンダ本体に対してロッド部材が伸縮するが、このとき、このガススプリングでは、主軸ユニットの昇降ストロークに対するシリンダ本体内の圧縮ガスのガス圧変化量を格段に小さくすることができるため、昇降駆動手段の負荷を確実に且つ効果的に軽減することができる。
【0062】
【0063】
請求項3の工作機械用主軸バランサによれば、シリンダ本体の内部空間の下端部に、潤滑とガスシールの為の潤滑オイルを充填したので、潤滑オイルでシリンダ本体とロッド部材の摺動部分を潤滑してその磨耗によるガス漏れを防止し、更に、潤滑オイル自体でシリンダ本体とロッド部材の摺動部分の間をシール可能であるためガス漏れを確実に防止できる。そして、主軸ユニットにシリンダ本体が倒立状に固定されるため、特別な構造を付加することなく、シリンダ本体の内部空間の下端部に潤滑オイルを充填できる。
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
請求項4の工作機械用主軸バランサによれば、ガス通路を介してシリンダ本体内のガス圧を検出するガス圧検出手段を設けたので、シリンダ本体内のガス圧が予め設定された適当なガス圧か否かを容易に検出して知ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る主軸バランサの側面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る主軸バランサの要部縦断面図である。
【図3】第1の変更形態に係る主軸バランサの要部縦断面図である。
【符号の説明】
M 工作機械
10 主軸ユニット
13 主軸
14 工具
15 電動モータ
20 昇降駆動機構
30,30A 主軸バランサ
35 ガススプリング
40 シリンダ本体
42 ヘッドカバー
42b ロッド挿通孔
45 潤滑オイル
50 ロッド部材
60 ガス通路
Claims (4)
- 工具を装着する為の主軸とこの主軸を回転駆動する電動モータを有し昇降駆動手段により昇降駆動される主軸ユニットを有する工作機械において、
圧縮ガスが充填されたガススプリングを立て向き姿勢に設け、
このガススプリングにより主軸ユニットを支持して昇降駆動手段の負荷を軽減するように構成し、
前記ガススプリングは、シリンダ本体とこのシリンダ本体に挿入されて圧縮ガスのガス圧を受圧するロッド部材とを備え、
前記シリンダ本体に圧縮ガスを充填する為のガス充填手段を設け、
前記ガス充填手段がロッド部材内に形成されたガス通路を含み、このガス通路を介してシリンダ本体内に圧縮ガスを充填可能に構成したことを特徴とする工作機械用主軸バランサ。 - 前記シリンダ本体が主軸ユニットに固定され、このシリンダ本体からロッド部材が下方へ延びるように配設されたことを特徴とする請求項1に記載の工作機械用主軸バランサ。
- 前記シリンダ本体の内部空間の下端部に、潤滑とガスシールの為の潤滑オイルを充填したことを特徴とする請求項2に記載の工作機械用主軸バランサ。
- 前記ガス通路を介してシリンダ本体内のガス圧を検出するガス圧検出手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の工作機械用主軸バランサ。
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