JP2011161547A - 工作機械のバランス装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロッド部材とシール部材間に作用する摩擦力を大幅に低減可能にし、機械加工精度の低下を防止可能な工作機械のバランス装置を提供する。
【解決手段】工作機械1におけるコラム3に昇降可能に装備された主軸ヘッド5の重量の少なくとも一部を支持するガススプリング11を有する工作機械のバランス装置10において、ガススプリング11は、シリンダ本体12と、このシリンダ本体内の圧縮ガスが充填されたガス収容室と、このガス収容室のガス圧を受圧してシリンダ本体外へ下方へ延び且つシリンダ本体12に対して進退可能なロッド部材14を備え、工作機械1の本体機枠2に装備された電動モータを有し、ロッド部材14の下端部に回転駆動力を入力可能な回転駆動手段15と、ロッド部材14に作用する軸力を工作機械1の本体機枠2に支持するスラスト軸受機構16とを設けた工作機械のバランス装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、工作機械のバランス装置に関し、特に主軸ヘッドの重量を支持するガススプリングのロッド部材にシール部材から作用する摩擦力を低減し、主軸ヘッドを昇降駆動する昇降駆動手段の負荷を低減するようにし、また高精度加工を可能に構成したものに関する。
工作機械の主軸ヘッドを昇降駆動する昇降駆動手段の負荷を軽減する為に、工作機械のコラムに昇降可能に装備された主軸ヘッドの重量の一部又は全部をガススプリングに支持させるようにしたバランス装置が実用に供されている。例えば、特許文献1に記載の工作機械用主軸バランサにおいては、縦型工作機械のコラムの上端部に縦向きのプル型ガススプリングを倒立姿勢に取り付け、ロッド部材の下端を主軸ヘッドに固定している。
ガススプリングはシリンダ本体とロッド部材と内部に充填された圧縮ガスを有し、ガススプリングにより主軸ヘッドを上方へ持ち上げ付勢する状態を維持し、工作機械の昇降駆動機構により主軸ヘッドが下降駆動されると、ガススプリングのシリンダ本体に対してロッド部材が伸長し、主軸ヘッドが上昇駆動されるとシリンダ本体に対してロッド部材が退入する。
他方、工作機械用主軸バランサに、プッシュ型のガススプリングを採用する場合には、主軸ヘッドにガススプリングを倒立姿勢に取り付け、ガススプリングのロッド部材の下端を基台で支持する。
WO2007/099632号公報
特許文献1の主軸バランサにおいては、シリンダ本体のロッド側端壁にロッドガイド部材が固定され、このロッドガイド部材にロッド挿通孔が形成され、ロッド部材がロッド挿通孔にシール部材を介して気密摺動自在に挿通されている。ガススプリングに充填されている圧縮ガスのガス圧は7〜10MPa程度と非常に高圧であり、圧縮ガスは微小隙間からリークし易いため、また、前記シール部材はロッド部材に緊密に外嵌されている関係上、ロッド部材とシール部材間には大きな静止摩擦力や動摩擦力が作用する。
ロッド部材がシリンダ本体に対して相対的に進退移動する際に、移動開始時には、ロッド部材とシール部材間に大きな静止摩擦力が作用し、移動開始後にはロッド部材とシール部材間に動摩擦力が作用する。そのため、ロッド部材やシール部材が磨耗し易くなって耐久性も低下するうえ、主軸ヘッドを昇降駆動する昇降駆動手段の負荷も大きくなる。
さらに、加工時において、昇降駆動手段により主軸ヘッドが上昇又は下降の移動と停止とを頻繁に繰り返すような場合に、主軸ヘッド移動中には動摩擦力が作用し、停止状態から移動開始するときには、大きな静止摩擦力が作用するため、摩擦力の大きさが一定でないから、主軸ヘッドの位置制御の誤差が大きくなり、機械加工精度が低下する。例えば、ワークを円弧形状に加工する場合、前記主軸ヘッドの位置制御の誤差により、工具の移動軌跡は、所定の円弧軌跡からずれてしまい、所謂、象限突起と呼ばれる誤差が発生する。
そこで、本願出願人は、ガススプリングのシリンダ本体のロッド側端壁のうち、ロッド部材の外周側のスリーブ部分を別体に構成し、このスリーブ部分を回転駆動する回転駆動手段を設け、加工中は常に動摩擦とすることで負荷抵抗を低減することを提案した(特願2009−268607号)。
しかし、回転駆動手段はギヤ機構を介して回転駆動力を入力する構成になるため、回転駆動手段の振動がガススプリングを介して主軸ヘッドに伝播し、機械加工精度の低下を招くという問題がある。しかも、回転駆動手段をガススプリングの付近で主軸ヘッドに装備しなければならないため、主軸ヘッドの周辺に設置スペースを必要とするうえ、主軸ヘッドの重量が増大し、主軸ヘッドを昇降駆動する昇降駆動手段の負荷が増大するという問題もある。
本発明の目的は、主軸ヘッド支持用ガススプリングのシリンダ本体に対してロッド部材が進退移動する際に、ロッド部材とシール部材間に作用する摩擦力を大幅に低減可能にし、機械加工精度の低下を防止可能な工作機械のバランス装置を提供することである。
請求項1の工作機械のバランス装置は、工作機械におけるコラムに昇降可能に装備された主軸ヘッドの重量の少なくとも一部を支持するガススプリングを有する工作機械のバランス装置において、前記ガススプリングは、シリンダ本体と、このシリンダ本体内の圧縮ガスが充填されたガス収容室と、このガス収容室のガス圧を受圧してシリンダ本体外へ下方へ延び且つシリンダ本体に対して進退可能なロッド部材を備え、前記工作機械の本体機枠に装備された電動モータを有し、前記ロッド部材の下端部に回転駆動力を入力可能な回転駆動手段と、前記ロッド部材に作用する軸力を工作機械の本体機枠に支持するスラスト軸受機構とを設けたことを特徴としている。
請求項2の工作機械のバランス装置は、工作機械におけるコラムに昇降可能に装備された主軸ヘッドの重量の少なくとも一部を支持する流体圧シリンダを有する工作機械のバランス装置において、前記流体圧シリンダは、シリンダ本体と、このシリンダ本体内の圧縮流体が収容された流体収容室と、この流体収容室の流体圧を受圧してシリンダ本体外へ下方へ延び且つシリンダ本体に対して進退可能なロッド部材を備え、前記工作機械の本体機枠に装備された電動モータを有し、前記ロッド部材の下端部に回転駆動力を入力可能な回転駆動手段と、前記ロッド部材に作用する軸力を工作機械の本体機枠に支持するスラスト軸受機構とを設けたことを特徴としている。
請求項3の工作機械のバランス装置は、請求項1又は2の発明において、前記回転駆動手段は、前記電動モータの出力軸に連結された駆動側回転部材と、ロッド部材の下端部に連結され且つ駆動側回転部材と非接触の従動側回転部材とを含むマグネットカップリングを有することを特徴としている。
請求項4の工作機械のバランス装置は、請求項3の発明において、前記従動側回転部材は、内周側に複数の永久磁石を取り付けた円筒部と、この円筒部から外周側へ張り出すフランジ部とを備え、前記スラスト軸受機構は、本体機枠と前記フランジ部との間に介装されたスラスト軸受を備えたことを特徴としている。
請求項1の発明によれば、工作機械の本体機枠に装備された電動モータを有し、前記ロッド部材の下端部に回転駆動力を入力可能な回転駆動手段を設けたので、回転駆動手段でロッド部材に回転駆動力を与えて回転させ、ガススプリングのシリンダ本体のシール部材からロッド部材に作用する摩擦力を静止摩擦の約1/10の動摩擦にすることができ、主軸ヘッドが昇降を開始する時の始動摩擦を格段に小さくすることができる。その結果、ロッド部材やシール部材の摩擦を低減でき、主軸ヘッドを昇降駆動する昇降駆動手段の負荷を低減することができ、それらの耐久性を高めることができる。
ロッド部材とシール部材間に作用する摩擦力を小さく安定させることができるため、主軸ヘッドが上昇と下降を頻繁に繰り返すような場合でも、主軸ヘッドの昇降中の摩擦力と、昇降開始時の摩擦力の差を小さくできるため、主軸ヘッドを位置制御する精度を確実に高めることができる。
また、電動モータを本体機枠に装備するため、回転駆動手段を下方側の本体機枠側に装備可能となり、主軸ヘッドの周辺に回転駆動手段を配置するスペースが不要なるうえ、回転駆動手段の重量で主軸ヘッドの重量が増すことないから、主軸ヘッドを昇降駆動する昇降駆動手段の負荷が増大することもない。
さらに、ガススプリングのロッド部材に作用する軸力を工作機械の本体機枠に支持するスラスト軸受機構を設けたので、回転駆動されるロッド部材が受ける軸力をスラスト軸受機構で支持することができるため、回転駆動手段の負荷を軽減できる。
請求項2の発明は、請求項1の発明におけるガススプリングの代わりに流体圧シリンダを適用した点で相違するのみであるので、請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果が得られる。
請求項3の発明によれば、前記回転駆動手段は、電動モータの出力軸に連結された駆動側回転部材と、ロッド部材の下端部に連結され且つ駆動側回転部材と非接触の従動側回転部材とを含むマグネットカップリングを有するため、回転駆動手段の電動モータ側の振動がロッド部材と主軸ヘッドに伝播することがないから、前記の振動により機械加工の精度が低下するのを確実に防止することができる。
請求項4の発明によれば、従動側回転部材に形成したフランジ部をスラスト軸受機構に活用するため部材数を節減することができる。
本発明の実施例1に係るバランス装置を有する横型工作機械の側面図である。 バランス装置のガススプリングの縦断面図である。 回転駆動手段のマグネットカップリングとスラスト軸受機構の拡大断面図である。 実施例2に係る工作機械のバランス装置の要部構成図である。 実施例3に係る工作機械のバランス装置の要部構成図である。
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
図1に示すように、横型工作機械1は、本体機枠2と、コラム3と、テーブル4と、主軸ヘッド5と、この主軸ヘッド5に装備されたクイル6と、クイル6に回転自在に装備された主軸7と、バランス装置10などを備えている。
本体機枠2は、前部機枠2aと後部機枠2bとを有し、後部機枠2b上にコラム3が立設されている。コラム3は4本の柱部材3aと頂部連結部材3bとを有する。テーブル4は、前部機枠2aの上に左右方向(X軸方向、図1の紙面直交方向)へ移動自在に設けられ、テーブル4はX軸ガイド機構(図示略)によりX軸方向へ案内されている。テーブル4をX軸方向へ駆動する為のX軸ボールネジ機構(図示略)が設けられている。このX軸ボールネジ機構は、前部機枠2aに回転可能に設けられたボールネジ軸と、テーブル4に固定されてボールネジ軸に螺合したボールネジナットと、ボールネジ軸を駆動するX軸サーボモータ(図示略)とを有する。尚、上記のテーブル4を案内し、X軸方向へ移動駆動する機構は、公知の横型工作機械と同様である。
主軸ヘッド5はコラム3に上下方向(Y軸方向)へ昇降可能に設けられている。主軸ヘッド5は、左側の2本の柱部材3aと右側の2本の柱部材3aの間に配設され、Y軸ガイド機構(図示略)により上下方向へ移動自在に案内されている。Y軸ガイド機構は、4本の柱部材3aの内面に夫々設けられた4本の案内レール8と、主軸ヘッド5に固定されて4本の案内レール8に夫々係合した8つの案内ブロックとを有する。
主軸ヘッド5を上下方向へ駆動する為のY軸ボールネジ機構(図示略)が設けられている。このY軸ボールネジ機構は、コラム3の頂部連結部材3bと後部機枠2bに回転可能に取り付けられたボールネジ軸(図示略)と、主軸ヘッド5に連結されて上記ボールネジ軸に螺合したボールネジナットと、ボールネジ軸を駆動するY軸サーボモータ13とを有する。尚、上記の主軸ヘッド5を案内し、Y軸方向へ移動駆動する機構は、公知の横型工作機械と同様である。
クイル6は、主軸ヘッド5に前後方向へ向けて水平姿勢に設けられ、前後方向へ移動自在に設けられている。クイル6は、大径の第1クイル6aと、この第1クイル6aよりも小径で第1クイル6a内に退入可能な第2クイル6bとを有し、第2クイル6bに主軸7とこの主軸7を回転駆動する主軸モータ(図示略)とが連結されている。
第1クイル6aを主軸ヘッド5に対して前後方向(Z軸方向)へ水平移動自在に案内する第1Z軸ガイド機構(図示略)と、主軸ヘッド5に対して第1クイル6aを前後方向へ駆動する第1Z軸ボールネジ機構(図示略)と、第2クイル6bを第1クイル6aに対して前後方向(Z軸方向)へ水平移動自在に案内する第2Z軸ガイド機構(図示略)と、主軸ヘッド5に対して第2クイル6bを前後方向へ駆動する第2Z軸ボールネジ機構(図示略)とが設けられている。第1Z軸ボールネジ機構のボールネジ軸は第1Z軸サーボモータ(図示略)で駆動され、また、第2Z軸ボールネジ機構のボールネジ軸は第2Z軸サーボモータ(図示略)で駆動される。
主軸7は第2クイル6bに相対回転自在に支持され、主軸モータを支持するモータ支持部材は、第1,第2Z軸ガイド機構により前後方向へ案内され且つ第2Z軸ボールネジ機構のボールネジナットに連結されている。主軸モータの出力軸はカップリングを介して第2クイル6bに連結されている。尚、上記の第1,第2クイル6a,6bをZ軸方向に案内し、Z軸方向に駆動する機構は、公知の中ぐり用横型工作機械と同様である。
次に、バランス装置10について図1〜図3に基づいて説明する。
バランス装置10は、主軸ヘッド5の重量の大部分を支える付勢力を発生させる装置である。バランス装置10は、主軸ヘッド5を支持する左右1対のガススプリング11と、1対のガススプリング11のロッド部材14の下端部に回転駆動力を夫々入力可能な1対の回転駆動手段15と、1対のロッド部材14に作用する軸力を夫々支持する1対のスラスト軸受機構16とを備えている。
1対のガススプリング11は、主軸ヘッド5の前後方向中間位置における左右両側に鉛直の倒立姿勢に配設され、1対のガススプリング11により主軸ヘッド5の重量の大部分を支持して主軸ヘッド5を昇降駆動するY軸サーボモータの負荷を軽減する為のプッシュ型のガススプリングである。ガススプリング11は、シリンダ本体12と、このシリンダ本体12内の圧縮ガス(例えば、7〜10MPaの圧縮窒素ガスG)が充填されたガス収容室17と、シリンダ本体12のロッド側端壁部12aを挿通してシリンダ本体12外へ下方へ延びるロッド部材14とを備えている。
主軸ヘッド5が上昇するほどロッド部材14のガス収容室17への突入長さが減少し、ガス収容室17の容積が増大し、圧縮ガスのガス圧が低下する。例えば、主軸ヘッド5が中間高さ位置のとき、左右両側の1対のガススプリング11で発生する付勢力が主軸ヘッド5の全重量に等しく設定されている。但し、これに限定されるものではなく、1対のガススプリング11により主軸ヘッド5の全重量の大部分を支持可能であればよい。
前記ロッド部材14は、シリンダ本体12のロッド側端壁12aのロッド挿通孔21を挿通して鉛直下方へ延び、その下端が回転駆動手段15に連結され且つスラスト軸受機構16で支持されている。ロッド部材14は、ガス収容室17の圧縮窒素ガスGのガス圧を受圧して下方へ付勢され、その反力により主軸ヘッド5を上方へ付勢している。ロッド部材14の上端部分には、ロッド部材14が下方へ抜け出すのを防止する為のストッパ部材14aが固定されている。このストッパ部材14aは、シリンダ本体12のロッド挿通孔21よりも大径であり、ガス収容室17の内径よりも小径である。
シリンダ本体12は、その上端部にヘッド側端壁部材18を有し、ヘッド側端壁部材18の軸心部分に縦向きの貫通孔18aが形成され、この貫通孔18aにチェック弁を有するガス充填口金18bがガス密に組み込まれ、このガス充填口金18bからガス収容室17に圧縮窒素ガスGを充填することができる。ヘッド側端壁部材18は複数のボルトにてシリンダ本体12の本体筒部に固定されている。
前記シリンダ本体12は、支持部材20と分割支持部材19を介して主軸ヘッド5に固定されている。支持部材20は、厚い直方体ブロックに1対のフランジ部を一体形成したもので、主軸ヘッド5の左右の側面に4本のボルト20aにより固定されている。分割支持部材19は、支持部材20の縦向きの装着穴20bに例えば内嵌されている。
分割支持部材19には、ロッド部材14が挿通するロッド挿通孔19aが形成されている。ロッド挿通孔19aにロッド部材14を挿通させた状態で、シリンダ本体12が分割支持部材19の上面に当接され、分割支持部材19は複数のボルト22でシリンダ本体12に固定されている。尚、ロッド挿通孔19aの下端部には、ダストシール23が装着されている。ロッド部材14の外周面とロッド挿通孔19aの周面間には微小な隙間が形成されているため、両者間には摩擦力が殆ど作用しない。
ロッド側端壁12aには、ロッド部材14がガス密摺動自在に挿通するロッド挿通孔21が形成されている。ロッド挿通孔21内においてロッド部材14の外周側には、ガス収容室17の圧縮ガスをガス密にシールする環状のシール部材24と、低摩擦の金属材料又は合成樹脂材料からなるブッシュ25が装着されている。
次に、ロッド部材14を回転駆動する回転駆動手段15とスラスト軸受機構16について図1〜図3に基づいて説明する。
回転駆動手段15は、ロッド部材14の鉛直下方において後部機枠2bに装備された電動モータ26と、この電動モータ26の回転駆動力をロッド部材14に非接触にて伝達するマグネットカップリング27等を有する。後部機枠2b内に形成した収容室28に、後部機枠2bに固定されたモータ取付け台29と、電動モータ26とが収容されている。電動モータ26は、その出力軸26aをモータ取付け台29の天板29aの開口30に挿通した状態で天板29aの下面に固定されている。
前記マグネットカップリング27は、電動モータ26の出力軸26aにキー26bを介して相対回転不能に連結された駆動側回転部材31と、ロッド部材14の下端部分にキー14aを介して相対回転不能に連結され且つ駆動側回転部材31と非接触の従動側回転部材32とを備えている。
駆動側回転部材31の軸心と従動側回転部材32の軸心は同心である。駆動側回転部材31は円柱形状に形成されている。従動側回転部材32の下半部には、駆動側回転部材31の上半部の外側を囲む円筒部32aと、この円筒部32aから外周側へ張り出すフランジ部32bとを有する。従動側回転部材32の上半部は円錐台状に形成されている。
駆動側回転部材31の上半部の外周部には、複数の永久磁石片33が周方向適当間隔おきに取り付けられ、複数の永久磁石片33はN極とS極とが周方向に交互に位置するように配置されている。従動側回転部材32の円筒部32aの内周部には、複数の永久磁石片34が周方向適当間隔おきに取り付けられ、複数の永久磁石片34はN極とS極とが周方向に交互に位置するように配置されている。駆動側回転部材31の複数の永久磁石片33の外周面と、従動側回転部材32の複数の永久磁石片34の内周面との間には小さな隙間35が形成され、常時非接触状態が維持されている。
このマグネットカップリング27においては、電動モータ26により駆動側回転部材31が回転駆動されると、複数の永久磁石片33,34の磁力を介して従動側回転部材32へ回転駆動力が伝達され、ロッド部材14が回転駆動される。駆動側回転部材31と従動側回転部材32は接触していないため、駆動側回転部材31と従動側回転部材32間において、ギヤ機構のように振動が発生することはなく、電動モータ26及び駆動側回転部材31から従動側回転部材32へ振動が伝播することがない。
スラスト軸受機構16は、後部機枠2bの上面と従動側回転部材32のフランジ部32bとの間に介装されたスラスト軸受16aを主体として構成されている。ガススプリング11のロッド部材14はガス圧により下方へ強力に付勢されているが、ロッド部材14に作用する軸力がスラスト軸受機構16により支持され、ロッド部材14を円滑に回転させることができる。尚、スラスト軸受16aをボールベアリングで構成しているが、ローラベアリングで構成してもよい。
次に、横型工作機械1のバランス装置10の作用・効果について説明する。
ガススプリング11により主軸ヘッド5の重量の大部分を支持するため、主軸ヘッド5の昇降の自由度を確保しつつ、主軸ヘッド5を昇降駆動するY軸サーボモータ13の負荷を大幅に軽減することができる。
Y軸サーボモータ13により主軸ヘッド5が下降駆動されると、ガススプリング11のシリンダ本体12も一体的に下降するため、シリンダ本体12に対してロッド部材14が退入する。Y軸サーボモータ13により主軸ヘッド5が上昇駆動されると、ガススプリング11のシリンダ本体12も一体的に上昇するため、シリンダ本体12に対してロッド部材14が下方へ伸長していく。
バランス装置10においては、工作機械1の稼働中には、回転駆動手段15の電動モータ26を常時駆動し、マグネットカップリング27を介してロッド部材14に回転駆動力を入力し、ロッド部材14を回転させるため、シリンダ本体12のロッド側端壁12aのシール部材24とロッド部材14間には静止摩擦の約1/10の大きさの動摩擦が作用することになる。そのため、主軸ヘッド5が昇降を開始する時の始動摩擦を格段に小さくすることができる。その結果、ロッド部材14やシール部材24間の摩擦を低減でき、主軸ヘッド5を昇降駆動するY軸サーボモータ13の負荷を低減することができ、それらの耐久性を高めることができる。
ロッド部材14とシール部材24間に作用する摩擦力を小さく低減できるため、主軸ヘッド5が上昇と下降を頻繁に繰り返すような場合でも、主軸ヘッド5の昇降中の摩擦力と、昇降開始時の摩擦力の差を小さくできるため、主軸ヘッド5を位置制御する精度を確実に高めることができる。
また、電動モータ26を後部機枠2bに装備するため、回転駆動手段15を下方側の本体機枠2側に装備可能となり、主軸ヘッド5の周辺に回転駆動手段15を配置するスペースが不要になるうえ、回転駆動手段15の重量で主軸ヘッド5の重量が増すことないから、主軸ヘッド5を昇降駆動するY軸サーボモータ13の負荷が増大することもない。
さらに、ガススプリング11のロッド部材14に作用する軸力を工作機械1の本体機枠2に支持するスラスト軸受機構16を設けたので、回転駆動されるロッド部材14が受ける軸力をスラスト軸受機構16で支持することができるため、回転駆動手段15の負荷を軽減できる。
前記回転駆動手段15は、電動モータ26の出力軸26aに連結された駆動側回転部材31と、ロッド部材14の下端部に連結され且つ駆動側回転部材31と非接触の従動側回転部材32とを含むマグネットカップリング27を有するため、回転駆動手段15の電動モータ26側の振動がロッド部材14と主軸ヘッド5に伝播することがないから、前記の振動により機械加工の精度が低下するのを確実に防止することができる。
また、従動側回転部材32に形成したフランジ部32bをスラスト軸受機構16に活用するため部材数を節減することができる。尚、精密な機械加工が必要な場合にだけ電動モータ26を回転駆動してロッド部材14を回転させてもよい。
次に、実施例2の工作機械のバランス装置について説明する。
この実施例2のバランス装置1Aは、前記ガススプリング11の代わりに、エアシリンダ11Aを適用した装置である。実施例1と同様の構成要素に同一符号を付して説明を省略する。図4に示すように、エアシリンダ11Aは、主軸ヘッドに装備されて主軸ヘッドの重量の少なくとも一部を支持可能なものである。エアシリンダ11Aは、倒立姿勢のシリンダ本体40と、シリンダ本体40内を気密摺動自在に仕切るピストン41と、このピストン41から下方へシリンダ本体40外へ鉛直に延びるロッド部材42と、シリンダ本体40内のピストン41の上側に形成され加圧エアが収容される加圧エア収容室43とを有する。尚、シリンダ本体40内のピストン41の下側のロッド側室は大気開放されている。前記ロッド部材42の下端部は、スラスト軸受機構16を介して回転駆動手段15に連結されている。
加圧エア収容室43に加圧エアを供給する加圧エア供給系は、加圧エア(例えば、圧力 0.5 MPa)を供給可能な加圧エア供給源44と、この加圧エア供給源44から加圧エア収容室43へ延びるエア通路45であって配管とエアホースで構成されたエア通路45と、このエア通路45に介装された減圧弁46などを有する。前記減圧弁46を介してシリンダ本体40内の加圧エア収容室43には、一定圧力の加圧エアが充填され、ピストン41が加圧エア収容室43の加圧エアにより下方へ付勢されて、ロッド部材42を下方へ付勢し、その反力により主軸ヘッドの重量の少なくとも一部を支持する。
このエアシリンダ11Aにおいて、前記ピストン41の下側のロッド側室は大気開放されているため、シリンダ本体40のロッド側端壁のロッド挿通孔には、ダストシール以外にシール部材を設ける必要はない。しかし、ピストン41の外周側を気密にシールするシール部材がピストン41に設けられている。このバランス装置1Aにおいては、ピストン41の外周側に装着されたシール部材による摩擦抵抗を格段に低減することができ、その他、実施例1のバランス装置1と同様の作用、効果が得られる。
次に、実施例3の工作機械のバランス装置について説明する。
この実施例3のバランス装置1Bは、前記ガススプリング11の代わりに、油圧シリンダ11Bを適用した装置である。実施例1と同様の構成要素に同一符号を付して説明を省略する。図5に示すように、油圧シリンダ11Bは、主軸ヘッドに装備されて主軸ヘッドの重量の少なくとも一部を支持可能なものである。油圧シリンダ11Bは、倒立姿勢のシリンダ本体50と、シリンダ本体50内を気密摺動自在に仕切るピストン51と、このピストン51から下方へシリンダ本体50外へ鉛直に延びるロッド部材52と、シリンダ本体50内のピストン51の上側に形成され油圧が収容される油圧作動室53とを有する。尚、シリンダ本体50内のピストン51の下側のロッド側室は大気開放されている。前記ロッド部材52の下端部は、スラスト軸受機構16を介して回転駆動手段15に連結されている。
油圧作動室53に油圧を供給する油圧供給系は、油圧(例えば、圧力10.0MPa)を供給可能な油圧供給源54と、この油圧供給源54から油圧作動室53へ延びる油圧通路55であって配管とエアホースで構成された油圧通路55と、この油圧通路55に介装されたリリーフ弁56と、このリリーフ弁56よりも下流側において油圧通路55に接続されたアキュムレータ57などを有する。油圧供給源54は、油圧ポンプ54aと、ポンプ駆動モータ54bと、油タンク54cなどを備えている。
前記リリーフ弁56を介してシリンダ本体50内の油圧作動室53には、一定圧力の油圧が充填され、ピストン51が油圧作動室53の油圧により下方へ付勢されて、ロッド部材52を下方へ付勢し、その反力により主軸ヘッドの重量の少なくとも一部を支持する。 この油圧シリンダ11Bにおいて、前記ピストン51の下側のロッド側室は大気開放されているため、シリンダ本体50のロッド側端壁のロッド挿通孔には、ダストシール以外にシール部材を設ける必要はない。しかし、ピストン51の外周側を油密にシールするシール部材がピストン51に設けられている。このバランス装置1Bにおいては、ピストン51の外周側に装着されたシール部材による摩擦抵抗を格段に低減することができ、その他、実施例1のバランス装置1と同様の作用、効果が得られる。
前記実施例を部分的に変更する例について説明する。
1]前記マグネットカップリング27の代わりに、ディスク型のマグネットカップリングを適用してもよい。 また、マグネットカップリング27やディスク型のマグネットカップリングをスラスト軸受機構16より低い位置(本体機枠2の内部側)に配置することもできる。
2]前記実施例は、中ぐり用横型工作機械1に本発明を適用した場合を例にして説明したが、本発明は昇降駆動される主軸ヘッドを有する種々の工作機械(通常の横型工作機械、縦型工作機械も含む)に適用できることは勿論である。
3]その他、当業者であれば、本発明を逸脱することなく、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能である。
コラムに昇降駆動可能に装備された主軸ヘッドを有する工作機械における、主軸ヘッドを昇降駆動する昇降駆動手段の負荷を軽減し、機械加工精度を高めることができる。
G 圧縮窒素ガス
1 工作機械
2 本体機枠
3 コラム
5 主軸ヘッド
10 バランス装置
11 ガススプリング
11A エアシリンダ
11B 油圧シリンダ
12 シリンダ本体
14 ロッド部材
15 回転駆動手段
16 スラスト軸受機構
16a スラスト軸受
17 ガス収容室
26 電動モータ
26a 出力軸
27 マグネットカップリング
31 駆動側回転部材
32 従動側回転部材
32a 円筒部
32b フランジ部
33,34 永久磁石
40 シリンダ本体
41 ピストン
42 ロッド部材
43 加圧エア収容室
44 加圧エア源
50 シリンダ本体
51 ピストン
52 ロッド部材
53 油圧作動室

Claims (4)

  1. 工作機械におけるコラムに昇降可能に装備された主軸ヘッドの重量の少なくとも一部を支持するガススプリングを有する工作機械のバランス装置において、
    前記ガススプリングは、シリンダ本体と、このシリンダ本体内の圧縮ガスが充填されたガス収容室と、このガス収容室のガス圧を受圧してシリンダ本体外へ下方へ延び且つシリンダ本体に対して進退可能なロッド部材を備え、
    前記工作機械の本体機枠に装備された電動モータを有し、前記ロッド部材の下端部に回転駆動力を入力可能な回転駆動手段と、
    前記ロッド部材に作用する軸力を工作機械の本体機枠に支持するスラスト軸受機構とを設けたことを特徴とする工作機械のバランス装置。
  2. 工作機械におけるコラムに昇降可能に装備された主軸ヘッドの重量の少なくとも一部を支持する流体圧シリンダを有する工作機械のバランス装置において、
    前記流体圧シリンダは、シリンダ本体と、このシリンダ本体内の圧縮流体が収容された流体収容室と、この流体収容室の流体圧を受圧してシリンダ本体外へ下方へ延び且つシリンダ本体に対して進退可能なロッド部材を備え、
    前記工作機械の本体機枠に装備された電動モータを有し、前記ロッド部材の下端部に回転駆動力を入力可能な回転駆動手段と、
    前記ロッド部材に作用する軸力を工作機械の本体機枠に支持するスラスト軸受機構とを設けたことを特徴とする工作機械のバランス装置。
  3. 前記回転駆動手段は、前記電動モータの出力軸に連結された駆動側回転部材と、ロッド部材の下端部に連結され且つ駆動側回転部材と非接触の従動側回転部材とを含むマグネットカップリングを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の工作機械のバランス装置。
  4. 前記従動側回転部材は、内周側に複数の永久磁石を取り付けた円筒部と、この円筒部から外周側へ張り出すフランジ部とを備え、
    前記スラスト軸受機構は、本体機枠と前記フランジ部との間に介装されたスラスト軸受を備えたことを特徴とする請求項3に記載の工作機械のバランス装置。
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