JP4009906B2 - タピオカパールを用いた発泡体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、タピオカパールを用いた発泡体に関するものであり、特に、無洗米加工において、米ぬか除去材として使用されたタピオカパールを再利用するものである。
【0002】
従来、澱粉の膨化性を利用した発泡体の製造方法として、多くの特許が公開されており、適応可能な澱粉として、コンスターチ、馬鈴薯、タピオカ、甘薯、小麦澱粉、寒天、コンニャク、プルラン等が知られているが、コンスターチ、馬鈴薯以外は、澱粉については実用化されているとは言えない。
【0003】
一方、タピオカについては、コンスターチに比べて、3〜5倍の価格であること、生産地が限定される等から、技術的に適用可能とされながら実際に発泡体の原料として使用された例は皆無である。
【0004】
又、最近、精白した米に付着しているぬかを除去することにより、炊飯時の水研ぎを不用とした、いわゆる無洗米が注目され、年々、生産量が増えている。
特に、タピオカパールの粘着力を利用してぬかを除去する方法は精米工場での水使用量を大幅に削減することから、特に注目されている。
【0005】
しかし、糠に付着させたタピオカパールは、従来の米ぬか搾油原料として再利用することができないため、産業廃棄物として処理しなければならず、新たな用途開発が緊急の課題となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この発明は、無洗米加工において、米ぬか除去材として使用されたタピオカパールを澱粉の膨化性を利用した発泡体として再利用することを検討した。 即ち、タピオカパールは吸水して湿潤状態になった微粉状のタピオカを炒ることによって、外側の澱粉を糊化(α化)させて、パール(球)状にし、耐熱、耐久性を付与させたものである。
【0007】
即ち、微粉状のタピオカと比べて水に浸漬した時の溶解速度が非常に遅くなっており、従来のコンスターチに混入させた場合には、タピオカパールが溶解されずに残留した状態で吐出させることが判明した。そこで、タピオカパールを完全に溶解する方法を研究し、良好な発泡体を得ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記検討の結果なされたものであり、その課題は、無洗米加工に使用されたタピオカパール廃棄物を有効活用することであり、澱粉の膨化性を利用した発泡体を、安価に製造する方法を提供すると共に食品加工廃棄物の発生抑制に資するものである。
【0009】
上記課題を解決するために、タピオカパールを溶解すための手段として、吸水して膨潤、軟化するタピオカの基本物性の活用と物理的な外力でタピオカパールを磨砕微細化する構造に加え膨潤を促進する加熱機構を有する2軸押出機を用いた。更に、磨砕を有効にするために摩擦係数の大きい粉体を適宜添加することにより、タピオカパールが完全に溶解し、良好な発泡体を得ることが可能となった。
【0010】
即ち、本発明のタピオカパールを用いた発泡体の製造方法は、無洗米加工において、米ぬか除去材として使用されたタピオカパールと、水分を含有する粉体とを主成分とする原料を、予め混合し、圧力下で更に混合・加熱・溶融した後、大気中に吐き出し、発泡させるものである。
【0011】
その原理は、タピオカパールに水分を与え、加熱しながら、物理的な磨砕力を加えることによりタピオカパールを完全に溶解する。又、水分を含有する粉体は大気中に吐出した時の蒸発が均一になると共に、タピオカパールに物理的な磨砕力が加えられる際の研磨材の役割を果たすものである。
【0012】
大気中に吐出した際、蒸発する水分は、粉体及び粒粉状の植物残渣に含まれる水分を利用しても良いし、請求項3に述べた如く、原料を圧力下で混合・加熱・溶解する際に水を圧入添加して発泡倍率を任意に調整してもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を以下説明する。澱粉の膨化性を利用した発泡体を製造するに際して、先ず、発泡体の使用目的により、請求項1〜3のいずれかを選択する必要がある。
【0014】
請求項1は、タピオカパールと水分を含有する粉体とで構成される発泡体であり、粉体の種類によって、可食性発泡体又は生分解性発泡体とすることが出来る。比較的発泡倍率が低く、圧縮破壊され復元しない発泡体が得られる。
【0015】
発泡体に圧縮復元性を付与したい場合には、粉粒状の熱可塑性樹脂を請求項1の原料と混合した後、圧力下で更に混合加熱溶融した後に大気中に吐出し発泡させればよい。生分解性の熱可塑性樹脂を用いることにより、圧縮復元性を持った生分解性発泡体を得ることが出来る。
【0016】
植物残渣を添加した発泡体を得るためには、請求項1の原料に粉粒状の植物残渣を添加、混合した後、圧力下で混合、加熱、溶融した後、大気中に吐出し発泡させればよい。
【0017】
勿論、上記【0015】に述べた熱可塑性樹脂との併用も可能である。この場合、留意しなければならないのは、植物残渣の種類によっては、タピオカパールに加えられる物理的な磨砕力を阻害し、溶解が不充分になる可能性があるので、添加量については慎重に検討する必要がある。
【0018】
原料を圧力下で混合、加熱、溶融した後、大気中に吐出し発泡させる際の蒸気源となる水分については、原料内の粉体及び植物残渣に含まれた水分を利用するが、圧力下で混合、加熱、溶融する際にも水を圧入させてもよい。
【0019】
主成分である無洗米加工において、米ぬか除去材として使われるタピオカパールについては、米ぬかが付着しているものだけでなく、未使用なものであっても、勿論、よいものである。
【0020】
使用する水分を含有する粉体については、均一な発泡を実現するためには出来るだけ、微細で吸水性に富んだものが望ましく、研磨材としての役割を果たす意味から、多孔質の無機質材、例えば、炭カル、タルク、焼却灰、フライアッシュ等がよい。又、単独でなく、例えば古紙等に含有されたものをそのまま使用してもよい。
【0021】
使用される植物残渣は、粉粒状であれば種類は問わないが、水分を12%以上含んだものは腐敗する等貯蔵上問題があり、含有水分率10%以下が望ましい。
【0022】
【実施例】
以下に具体的な実施例を説明する。実施に先立ち検討した材料は、澱粉として、コーンスターチ、無洗米加工使用後のタピオカパールの2種類を使用し、発泡調整用の粉体として、炭カル、タルク、フライアッシュから選ばれたもの、熱可塑性樹脂としてポリプロピレン、グリーンチョイス(生分解性樹脂)、植物残渣として古紙粉砕品(ハガキ)を用いた。
【0023】
〔実施例1〕
澱粉を主成分とする発泡体の標準として知られているコーンスターチと炭カル及びポリプロピレンによる発泡体を、日本製鋼所製の2軸押出機により作成した。配合比率は、コーンスターチ68%、ポリプロピレン30%、炭カル2%、であった。得られた発泡体は、発泡倍率約40倍で発泡状態は均一で圧縮後の復元力も良好であった。
【0024】
〔実施例2〕
上記に述べた〔実施例1〕のコーンスターチの半量を無洗米加工使用後のタピオカパールに置き換えて同一条件で発泡体を作成した。得られた発泡体は、発泡倍率は約20〜30倍でタピオカパールが固形物として分散している発泡体となった。圧縮後の復元力は良好であった。
【0025】
〔実施例3〕
上記〔実施例2〕でのタピオカパールが固形物として分散している状態を解消するため、諸条件を検討した結果、タピオカパール30%、古紙粉砕品(ハガキ)25%、ポリプロピレン45%、の配合比率で、発泡体を作成したところ、得られた発泡体は、発泡倍率が約50倍以上で発泡状態も均一で、タピオカパールの残存も認められず、圧縮後の復元力も良好であった。
【0026】
実施例として述べられた〔実施例1〕〜〔実施例3〕以外の検討経過について、説明すると、〔実施例3〕の配合比率の内で古紙粉砕品(ハガキ)を炭カル、タルク、フライアッシュに置き換えたもの、ポリプロピレンをグリーンチョイス(福助機工製)に置き換えたものも、良好な発泡状態となることが判った。
尚、〔実施例3〕は、ポリプロピレンとしてオフヴレード品を用いており、材料全てが廃材の再生品もくしは格外品で正規な価格で取引きされないもののみで良好な発泡体が得られる代表例として揚げた。
【0027】
【発明の効果】
この発明によると、無洗米加工において、米ぬか除去材として使用されたタピオカパールを澱粉の膨化性を利用した発泡体の原料として使うことが可能となり、近年、増加している無洗米の加工工程で発生する廃棄物を再利用できる上、現在、澱粉の膨化性を利用した発泡体の主原料として消費されているコーンスターチの使用量を削減することが可能となる。
【0028】
又、圧縮復元性を実現させるために用いられる熱可塑性樹脂についても、再生プラスチックの適用が可能であり、発泡調整材として用いられる炭カル等も火力発電所の廃棄物であるフライアッシュに置き換えられることから、使用する材料の全てを廃棄物の再利用品とすることが可能となる。
【0029】
そして、この発明による無洗米加工において、米ぬか除去材として使用されたタピオカパールを用いた、澱粉の膨化性を利用した発泡体は、従来の発泡体に比べ、品質的にも同等のものが得られる上、設備を材料価格を含め厳密に条件設定すれば、従来設備でよく、使用する材料の全てが廃棄物の再利用であることから製造コストの大幅低減が可能であり、超安価な発泡体を提供することができる等極めて有益なる効果を奏するものである。

Claims (4)

  1. 無洗米加工において、米ぬか除去材として使用されたタピオカパールと、多孔質の無機質材である、炭カル、タルク、焼却灰、フライアッシュ等の水分を含有する粉体とを主成分とする原料を、予め混合し、圧力下で更に混合・加熱・溶融した後、大気中に吐き出し、発泡させることを特徴とするタピオカパールを用いた発泡体。
  2. 請求項1記載の原料に、粉粒状の可塑性樹脂及び粉粒状の植物残渣のいずれか一方、又は両方を加えた原料を予め混合し、圧力下で更に混合・加熱・溶融した後、大気中に吐き出し、発泡させることを特徴とするタピオカパールを用いた発泡体。
  3. 原料を圧力下で混合・加熱・溶融する際に、水を圧入添加することを特徴とする請求項1または2記載のタピオカパールを用いた発泡体。
  4. 原料を圧力下で混合・加熱・溶融する際に、2軸押出機を使用することを特徴とする請求項1または2記載のタピオカパールを用いた発泡体。
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