JP4009464B2 - コーティング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬品、農薬、食品等の錠剤、ソフトカプセル、ペレット、顆粒等を製造する際に用いられるコーティング装置に関し、特に回転ドラム内で粉粒体粒子のコーティング、乾燥等の処理を行うコーティング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、食品、医薬品、農薬等としての錠剤、ソフトカプセル、ペレット、顆粒、その他これらに類するもの(以下、これらを総称して粉粒体粒子という)にフィルムコーティングや糖衣コーティング等を施すに際して、回転ドラムを備えたコーティング装置が使用される。
【0003】
この種のコーティング装置は、一般にパンコーティング装置と称せられ、回転ドラムは多角筒状または円筒状等の胴体部を有し、軸線廻りに回転可能に配置される。そして、胴体部の全周または周囲複数箇所には通気用多孔部が設けられ、各通気用多孔部の外側を通気ジャケットがそれぞれ覆って通気チャンネルが構成される。
【0004】
この場合、各通気チャンネルは、回転ドラムの回転に伴って所定位置に達した時に給気ダクトまたは排気ダクトと連通し、これにより所定温度に温度制御された気体、例えば乾燥空気が給気ダクトから通気チャンネル及び通気用多孔部を介して回転ドラム内に給気され、また、回転ドラム内の乾燥空気が通気用多孔部及び通気チャンネルを介して排気ダクトに排気される。
【0005】
そして、回転ドラムが所定方向に回転することにより、回転ドラム内に粉粒体粒子の転動床が形成され、この粉粒体粒子の転動床に向けてスプレーノズルから膜剤液等のスプレー液が噴霧される。これにより、粉粒体粒子の表面にスプレー液中の基材成分が付着して被覆層が形成される。なお、スプレー液により粉粒体粒子の表面を適当な湿潤状態にし、粉末を散布添加して粒子表面の被覆を行う方式(いわゆる粉末添加方式)が採られることもある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この種のコーティング装置では、コーティングの進行に伴い、紛粒体粒子の体積や表面摩擦力等が変化し、粉粒体粒子の流動状態が変動することにより、スプレーノズルの先端と紛粒体粒子の転動床表面との離隔距離が変化して、所定の設定距離からのズレが生じることが多い。
【0007】
一方、この種のコーティング装置では、一般に、スプレー液を噴霧化空気(アトマイズエアー)によってミスト化する2流体スプレーノズル(又は3流体スプレーノズル)を使用しており、この種のスプレーノズルでは、噴霧されるスプレー液ミストの液滴径、液滴速度、及び広がり角(スプレーパターンの開き角)はノズル先端からの距離によって異なる。したがって、上記のように、ノズル先端と転動床表面との離隔距離が変化すると、これに伴い、粉粒体粒子に到達するスプレー液の液滴径、液滴速度、さらにはスプレーゾーンが変化して、粉粒体粒子に局部的な過湿潤や湿潤不足が生じ、製品品質のバラツキや収率低下につながる可能性がある。
【0008】
また、1回のコーティング処理で複数種のスプレー液(膜剤液)を順次噴霧する必要がある製品においては、それぞれの溶液の液粘性の相違等に起因して、上記と同様の現象が生じる可能性がある。
【0009】
なお、このような問題に対しては、試運転等を行って得られたデータに基づいて、タイマー制御によりスプレーノズルを予め設定された位置に調整移動させることも試みられているが、転動床の複雑な変化に対してリアルタイムで対処することができず、上記の問題を払拭できるまでには到っていない。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、コーティング処理時におけるスプレーノズルと紛粒体粒子の転動床との相対位置関係を常時適切に保ち、紛粒体粒子に対するスプレー液の安定した噴霧状態を維持することにより、製品品質のバラツキを抑制し、シャープな粒度分布を実現し、製品の収率を高めることを技術的課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決するため、本発明は、回転ドラム内で転動する紛粒体粒子の転動床にスプレーノズルからスプレー液を噴霧してコーティング処理を行うコーティング装置において、前記回転ドラム内でのコーティング処理時に、前記転動床の表面が傾斜するように構成すると共に、前記回転ドラム内に、前記転動床の表面における傾斜に応じて高低差がある複数の部位までの距離をそれぞれ検出する複数の非接触式距離センサを配設し、且つ、前記複数の非接触式距離センサの検出結果に基づいて前記転動床の傾斜した表面に対するスプレーノズルの離隔距離を調整するノズル距離調整手段、及び前記検出結果に基づいて前記転動床の傾斜した表面に対するスプレーノズルの相対角度を調整するノズル角度調整手段、並びに前記検出結果に基づいて前記回転ドラムの回転速度を調整するドラム速度調整手段のうち、少なくとも1つを備えたことを特徴とするものである
【0012】
このような構成によれば、回転ドラム内に配設された複数の非接触式距離センサにより、コーティング処理時における紛粒体粒子の転動床表面までの距離(各センサから転動床表面までの距離)を複数箇所について検出し、そして、後述するように、これら非接触式距離センサの検出結果に基づいて、スプレーノズルと転動床表面との相対位置関係(離隔距離、相対角度等)を算出することができる。したがって、コーティング処理時における上記の相対位置関係をリアルタイムで把握することができ、また、上記の相対位置関係が設定値からズレた場合には、そのズレを修正することにより、上記の相対位置関係を常時適切に保ち、紛粒体粒子に対するスプレー液の安定した噴霧状態を維持することができる。しかも、非接触式の距離センサを用いているため、例えば医薬品や食品等のコーティング処理を行う場合でも、コンタミネーションの心配が少なく、衛生面において好ましいものとなる。
【0013】
上記の相対位置関係を修正するための具体的手段として、前記複数の非接触式距離センサの検出結果に基づいて、前記転動床の表面に対するスプレーノズルの離隔距離を調整するノズル距離調整手段を備えることができる。このノズル距離調整手段は、例えば、スプレーノズルの取り付け部に、該ノズルを転動床表面に対して接近動及び離反動させるためのモータや流体圧シリンダ等を組み込んで構成することができる。この場合、複数の非接触式距離センサとスプレーノズルとの相対位置関係は、予め位置決めされている。このように構成すれば、非接触式距離センサにより検出された少なくとも2箇所以上の距離に基づいて、スプレーノズルの転動床表面に対する離隔距離を算出し、その算出結果に基づいて、ノズル距離調整手段による調整を行うため、単一のセンサの検出値に基づいて調整を行う場合と比較して、精度の良い位置調整が可能となる。したがって、コーティング処理の進行に伴って紛粒体粒子の体積や表面摩擦力が変化した場合、或いは1回のコーティング処理で液粘性等が相違する複数種類のコーティング液を順次噴霧する場合においても、スプレーノズルの転動床表面に対する距離のズレをリアルタイムで修正し、スプレーノズルの先端を、転動床表面に対して常に最適の離隔距離に維持することができる。これにより、コーティング処理の全般に亘って、ノズル先端から紛粒体粒子に噴霧されるスプレー液ミストの液滴径、液滴速度、及びスプレーゾーンの面積を常に最適値に維持して、紛粒体粒子に対して均質なコーティング被膜を形成することが可能となる。
【0014】
また、他の具体的手段として、前記複数の非接触式距離センサの検出結果に基づいて、前記転動床の表面に対するスプレーノズルの相対角度を調整するノズル角度調整手段を備えることができる。このノズル角度調整手段は、例えば、スプレーノズルの取り付け部に、該ノズルの転動床表面に対する相対角度を可変制御するためのモータや流体圧シリンダ等を組み込んで構成することができる。この場合、複数の非接触式距離センサとスプレーノズルとの相対位置関係は、予め位置決めされている。このように構成すれば、非接触式距離センサにより検出された少なくとも2箇所以上の距離に基づいて、スプレーノズルの転動床表面に対する相対角度を算出し、その算出結果に基づいて、ノズル角度調整手段により角度調整を行うことができる。したがって、単一のセンサの検出値のみでは不可能であったスプレーノズルの転動床表面に対する相対角度位置の検出、それに基づくスプレーノズルの角度制御をリアルタイムで精度良く行うことが可能となる。これにより、コーティング処理の全般に亘って、常に同一の方向性をもってノズル先端から紛粒体粒子にスプレー液を噴霧することが可能となる。
【0015】
更に、他の具体的手段として、前記複数の非接触式距離センサの検出結果に基づいて、前記回転ドラムの回転速度を調整するドラム速度調整手段を備えることができる。このドラム速度調整手段は、例えば、回転ドラムの回転駆動源であるモータの回転速度を可変制御する電気回路等の電気的制御手段、或いは回転ドラムとモータとの間に変速機(例えば無段変速機)が介設される場合には該変速機を変速させるための変速手段で構成することができる。この場合、複数の非接触式距離センサとスプレーノズルとの相対位置関係は、予め位置決めされている。例えば、スプレー液中の基材成分の性質等に起因して紛粒体粒子の表面摩擦力が大きく変化した場合に、転動床表面の傾斜角度つまり転動床の安息角度が大きく変化することがあるが、このような事態が生じた場合には、ドラム速度調整手段により回転ドラムの回転速度を可変調整することにより、転動床の安息角度を設定値に復帰させることができる。転動床の安息角度は、転動床内で流動する紛粒体粒子の流動速度と関係し、安息角度の変化は、スプレーゾーンを通過する粉粒体粒子の流速変動をもたらし、スプレー液による粉粒体粒子の湿潤状態にバラツキを生じさせる一因となる。したがって、上述のように回転ドラムの回転速度を可変調整して、安息角度を所望値に維持させるための制御を行えば、スプレーゾーンに対する紛粒体粒子の通過流速を最適値に維持できることになり、コーティング処理中に特にその表面物性が大きく変化する紛粒体粒子についても、安定した状態で均質なコーティング被膜を形成することが可能となる。
【0016】
以上の構成において、前記非接触式距離センサとしては、検出精度の的確化や装置の小型化更には制御の簡素化を図る上で、超音波式変位センサを用いることが好ましい。また、上記のノズル距離調整手段、ノズル角度調整手段、ドラム速度調整手段は、2つを任意に組み合わせて、あるいは3つ全部を併用することができる。
【0017】
また、上記技術的課題を解決するため、本発明は、回転ドラム内で転動する紛粒体粒子の転動床にスプレーノズルからスプレー液を噴霧してコーティング処理を行うコーティング方法において、前記回転ドラム内でのコーティング処理時に、前記転動床の表面を傾斜させると共に、前記回転ドラム内に複数の非接触式距離センサを配設し、前記複数の非接触距離センサにより前記転動床の表面における傾斜に応じて高低差がある複数の部位までの距離をそれぞれ検出し、前記複数の非接触距離センサの検出結果に基づいて、前記スプレーノズルと前記転動床の傾斜した表面との相対位置関係を算出し、その算出結果に基づいて、前記転動床の傾斜した表面に対する前記スプレーノズルの離隔距離及び相対角度、並びに前記回転ドラムの回転速度のうち、少なくとも1つを調整する構成を提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係るコーティング装置の全体構成を示す概略縦断面図、図2は、当該コーティング装置の回転ドラム内における構成を示す概略横断面図である。
【0019】
図1に示すように、回転ドラム1は、ケーシング2内に例えば水平軸X廻りに回転自在に配置され、ケーシング2内に収容された回転駆動装置3によって所定方向又は正逆方向に回転駆動される。回転駆動装置3において、例えば駆動モータの回転動力は減速機によって減速され、チェーン3a、スプロケット3bを介して中空状の駆動軸4に入力される。
【0020】
図1及び図2に示すように、この実施形態において、回転ドラム1は多角筒状、例えば正9角筒状の胴体部1aと、胴体部1aから前後方向に延びる多角錐状の前壁部1b及び後壁部1cを有する。前壁部1bの先端中心部には粉粒体製品の供給・排出用の開口部1b1が設けられ、後壁部1cの先端中心部には第1ディスクプレート5aが固定される。
【0021】
第1ディスクプレート5aの外周側には、例えば9つの貫通穴が円柱等配位置に貫通形成される。また、胴体部1aの各辺にはそれぞれ多孔板からなる通気用多孔部1a1が設けられ、各辺の通気用多孔部1a1の外側をそれぞれ通気ジャケット1a3が覆って、例えば9つの通気チャンネル1a2が構成される。各通気チャンネル1a2の一端は、それぞれ第1ディスクプレート5aの貫通穴と連通する。
【0022】
ケーシング2の中壁には、円筒状のハウジング10がボルト等により固定される。駆動軸4は、ハウジング10の内周面に挿入され、転がり軸受等でハウジング10に対して回転自在に支持される。駆動軸4の一端部は第1ディスクプレート5aのボス穴に嵌合され、ボルト等によって結合される。
【0023】
ハウジング10の外周面には、第2ディスクプレート5bがスライド自在に外挿される。第2ディスクプレート5bは、スライド駆動手段、例えばエアシリンダ12によってスライド駆動される。この第2ディスクプレート5b(回転ドラム1の回転時にも回転しない。)は、回転ドラム1に設けられた第1ディスクプレート5a(回転ドラム1と一体に回転する。)と協働して通気制御機構5を構成する。
【0024】
すなわち、第2ディスクプレート5bは、上部通気用ダクト6と下部通気用ダクト7に連通する貫通穴を有し、回転ドラム1の回転に伴って、通気チャンネル1a2が第2ディスクプレート5bの貫通穴の形成位置に来た時に、その通気チャンネル1a2が通気制御機構5を介して上部通気用ダクト6または下部通気用ダクト7と連通する。そして、所定温度に温度制御された気体、例えば乾燥空気が上部通気用ダクト6(又は下部通気用ダクト7)から通気チャンネル1a2に供給され、通気チャンネル1a2から通気用多孔部1a1を通って回転ドラム1内に給気される。また、回転ドラム1内の乾燥空気が通気用多孔部1a1及び通気チャンネル1a2を介して下部通気用ダクト7(又は上部通気用ダクト6)に排気される。
【0025】
尚、洗浄後のバリデーション時に、エアシリンダ12を作動させて、第2ディスクプレート5bを図1における右側にスライド移動させると、通気制御機構5が第1ディスクプレート5aと第2ディスクプレート5bとの間で分離されるので、通気制御機構5の内部、通気チャンネル1a2の内部、上部通気用ダクト6及び下部通気用ダクト7の内部のバリデーションを容易かつ確実に行うことが可能となる。
【0026】
また、回転ドラム1に対する給排気は、ダイレクト給気(上部通気用ダクト6から給気、下部通気用ダクト7から排気)、リバース給気(下部通気用ダクト7から給気、上部通気用ダクト6から排気)の他、センター給気、すなわち回転ドラム1の前部(マウスリング2aの側)の中心部にセンター通気用ダクトを配設し、センター通気用ダクトから給気、下部通気用ダクト7から排気を行う構成としても良い。また、胴体部1aの通気用多孔部1a1に、いわゆるバッフル(攪拌翼)を配設しても良い。
【0027】
回転ドラム1の内部には、一又は複数のスプレーノズル20が配設され、図2に示すように、回転ドラム1内の粉粒体粒子の転動床Sに向けて、スプレーノズル20から膜剤液等のスプレー液が噴霧される。これにより、粉粒体粒子の表面にスプレー液のミスト中の基材成分が付着して被複層が形成される(フィルムコーティング)。あるいは、いわゆる粉末添加方式、すなわちスプレー液のミストにより粉粒体粒子の表面を適当な湿潤状態にし、粉末を散布添加して粒子表面の被覆を行う方式が採られることもある。このスプレーノズル20は、例えば、駆動軸4と反対側から回転ドラム1内に挿入されて独立して回動可能に且つ半径方向に移動可能に保持されたノズル取付部材21の先端部に固定されている(図1参照)。なお、このスプレーノズル20では、噴霧されるスプレー液ミストの液滴径、液滴速度、及び広がり角(スプレーパターンの開き角)はノズル先端からの距離によって異なる。
【0028】
そして、図2に示すように、スプレーノズル20の両側、例えばスプレーノズル20から水平軸Xと直交する方向に測った距離が等しくなる位置には、転動床Sの表面S1までの距離を検出する計2個の超音波式変位センサ22が配設されている。これらの超音波式変位センサ22は、回転ドラム1の回転と非連動状態になるように図外の支持部材に取り付けられている。この2個の超音波式変位センサ22は、ケーシング2に対して固定状態であってもよく、或いは図3に示すようにスプレーノズル20を取り付けるための支持部材23に取り付けるようにしてもよく、いずれにしてもスプレーノズル20と超音波式変位センサ22との相対位置関係は不変に保持される。
【0029】
この2個の超音波式変位センサ22からの検出信号ax,ay(図2参照)は演算ユニット24に入力され、この演算ユニット24からの一方の信号bxに基づいてノズル駆動ユニット25が作動して、スプレーノズル20の位置及び角度が調整されると共に、演算ユニット24からの他方の信号byに基づいてドラム速度調整手段26が作動して、回転駆動装置3による回転ドラム1の回転速度が調整される。
【0030】
この場合、演算ユニット24は、以下に示すような処理を実行する。すなわち、図4に示すように、スプレーノズル20(ノズル先端)の転動床表面S1に対する離隔距離h1は、一方の超音波式変位センサ22により検出される転動床表面S1までの距離をh2とし、他方の超音波式変位センサ22により検出される転動床表面S1までの距離をh3として、{h1=(h2+h3)/2}により算出する。また、スプレーノズル20の転動床表面S1に対する角度θ1(ノズル先端の噴出口の指向方向と転動床表面S1に直角な方向とのなす角度θ1)は、{θ1=θ2=tan-1[(h2−h3)/2d]}により算出する。そして、予め設定されているスプレーノズル20の離隔距離及び角度を基準として、これらの算出結果である現在のスプレーノズル20の離隔距離h1及び角度θ1のズレを算出し、このズレを修正するための信号bxをノズル駆動ユニット25に送出する。また、演算ユニット24は、一方の超音波式変位センサ22の検出値である距離h2と、他方の超音波式変位センサ22の検出値である距離h3とに基づいて、現在の転動床表面S1の傾斜角度θ2を上記の式に基づいて算出し、この算出値が予め設定されている転動床表面S1の傾斜角度を大きく上回っている場合に、そのズレを修正するための信号byをドラム速度調整手段26に送出する。
【0031】
ノズル駆動ユニット25は、例えば図3に示すように、スプレーノズル20及びノズル取付部材21を水平軸X廻りに回転させる角度調整用モータ27(またはエアシリンダ)と、スプレーノズル20及びノズル取付部材21をベッド28上で水平方向に移動させるノズル水平駆動手段29と、その駆動源である水平移動調整用モータ29a(またはエアシリンダ)と、ベッド28と共にスプレーノズル20及びノズル取付部材21を基台(床面への設置台)に対して上下方向に移動させるノズル上下駆動手段30と、その駆動源である上下移動調整用モータ30aとを有する。
【0032】
そして、スプレーノズル20の離隔距離h1のズレを修正する場合には、演算ユニット24から水平移動調整用モータ29a及び上下移動調整用モータ30aにそれぞれ信号bx1,bx2が送出され、またスプレーノズル20の角度θ1のズレを修正する場合には、演算ユニット24から角度調整用モータ27に信号bx3が送出される。したがって、ノズル水平駆動手段29とノズル上下駆動手段30とを主たる要素としてノズル距離調整手段が構成されると共に、角度調整用モータ27を主たる要素としてノズル角度調整手段が構成されている。なお、図3における信号bx1,bx2,bx3の束が、既述の信号bxに相当する。一方、転動床表面S1の傾斜角度の特に大きなズレを修正する場合には、演算ユニット24から回転駆動装置3内におけるモータ回転速度可変用の電気的制御手段或いは変速機の変速手段等のドラム速度調整手段26に信号byが送出される。
【0033】
【実施例】
コーティング装置の回転ドラム1内に、図1及び図2に示す態様で2個の超音波式変位センサ22を配設し、内部に紛粒体粒子を収容した状態で回転ドラム1を回転させつつ、その紛粒体粒子の転動床Sに対してスプレーノズル20からスプレー液のミストを噴霧させ、これによりコーティング処理を行った。
【0034】
この場合、一方の超音波式変位センサ22はスプレーノズル20よりも75mm上方の位置に配設すると共に、他方の超音波式変位センサ22はスプレーノズル20よりも75mm下方の位置に配設した。この結果、初期状態の下では、各センサ20,20から転動床表面S1までの距離がそれぞれ、150mmと95mmであった。
【0035】
コーティング処理は、スプレーノズル20からのスプレー液の噴霧速度を時々刻々と変化させることにより、紛粒体粒子表面の付着力が変化して紛粒体粒子の流動状態が大きく変化するような状況下で実施した。このコーティング処理中における2個の超音波式変位センサ22の検出値h2,h3(図4参照)はそれぞれ、図5に符号A及び符号Bで示すように、コーティングが進行するに連れて、一方の検出値h2と他方の検出値h3とが徐々に近づいていること、換言すれば転動床表面S1が回転方向に徐々に上昇していることが把握できる。
【0036】
この両検出値h2,h3から上述の一の算出式に基づいてスプレーノズル20の転動床表面S1に対する離隔距離h1を算出すれば、図6に符号Cで示すように、コーティングが進行するに連れて、離隔距離h1が徐々に小さくなり、最大で約30mmの距離変化が生じることを把握することができる。そこで、最適なスプレーノズル20の離隔距離を予め設定しておき、時々刻々と算出される現実の離隔距離h1と設定離隔距離とのズレを、演算ユニット24からの信号bxに基づいてノズル駆動ユニット25が修正する(図2参照)。この結果、図6に符号Cで示すような大きな離隔距離h1の変化が生じなくなり、コーティング開始時から終了時に至るまで、スプレーノズル20の離隔距離は、予め設定された最適な距離に略維持された。なお、1回のコーティング処理中に複数種のスプレー液(膜剤液)を順次使用する場合には、それぞれのスプレー液に応じた複数種の最適離隔距離を予め演算ユニット24のプログラムに入力しておき、スプレー液の切り替え時にはその切り替えられたスプレー液に対応する最適離隔距離を基準としてスプレーノズル20の離隔距離を調整することが行われる。
【0037】
また、図4に示す両検出値h2,h3から上述の他の算出式に基づいて転動床表面S1の傾斜角度θ2を算出すれば、図7に符号Dで示すように、コーティングが進行するに連れて、傾斜角度θ2が徐々に大きくなり、最大で約20°の角度変化が生じることを把握できる。そこで、最適な転動床表面S1の傾斜角度を予め設定しておき、時々刻々と算出される現実の傾斜角度θ2と設定傾斜角度とのズレが所定値を超えて大きくなった場合に、演算ユニット24からの信号byに基づいてドラム速度調整手段26がこのズレを修正する(図2参照)。この結果、図7に符号Dで示すような大きな傾斜角度θ2の変化が生じなくなり、コーティング開始時から終了時に至るまで、転動床表面S1の傾斜角度は、予め設定された最適な傾斜角度から大きなズレが生じなくなった。
【0038】
また、転動床表面S1に対するスプレーノズル20の最適な角度を予め設定しておき、上述のようにして転動床表面S1の傾斜角度を大略設定角度に維持させた状態で、その転動床表面S1に対するスプレーノズル20の現在の傾斜角度θ1と設定角度とのズレを、演算ユニット24からの信号bxに基づいてノズル駆動ユニット25が修正する(図2参照)。これにより、転動床表面S1に対するスプレーノズル20の傾斜角度の微調整が行われる。
【0039】
以上のような動作が実行されることにより、第1に、コーティング処理の開始から終了に至るまで、スプレーノズル20の転動床表面S1に対する離隔距離がリアルタイムで最適制御されるため、ノズル先端から紛粒体粒子に噴霧されるスプレー液ミストの液滴径、液滴速度、スプレーゾーンの面積が最適値に維持される。
【0040】
第2に、コーティング処理の開始から終了に至るまで、転動床表面S1の傾斜角度がリアルタイムで最適角度に調整されるため、転動床における紛粒体粒子の流動速度の変化及びこれに起因するスプレーゾーンにおける紛粒体粒子の通過流速の変化が効果的に抑制される。
【0041】
第3に、コーティング処理の開始から終了に至るまで、スプレーノズル20の転動床表面S1に対する相対的な角度制御がリアルタイムで行われるため、常に同一の方向性をもってノズル先端から紛粒体粒子にスプレー液が噴霧される。
【0042】
以上の効果により、紛粒体粒子に対するスプレー液の安定した噴霧状態が維持され、これにより、製品品質のバラツキが抑制され、シャープな粒度分布が実現され、製品の収率が向上する。
【0043】
なお、上述の実施形態では、非接触式距離センサとして、超音波式変位センサを使用したが、これ以外に、例えば光学的或いは電磁的原理等を利用した非接触式距離センサを使用してもよい。
【0044】
また、上述の実施形態では、ノズル駆動ユニットの各駆動源として、モータまたはエアシリンダを使用したが、油圧シリンダ等の他の流体圧シリンダやその他のアクチュエータを使用してもよい。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、コーティング処理時におけるスプレーノズルと紛粒体粒子の転動床との相対位置関係を常時適切に保ち、紛粒体粒子に対するスプレー液の安定した噴霧状態を維持することができる。これにより、製品品質のバラツキを抑制し、シャープな粒度分布を実現し、製品の収率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るコーティング装置の全体構成を示す概略縦断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るコーティング装置の構成要素である回転ドラムの内部構成を示す概略横断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係るコーティング装置の構成要素であるノズル駆動ユニットを示す概略正面図である。
【図4】本発明の実施形態に係るコーティング装置の作用を示す要部拡大概略正面図である。
【図5】本発明の実施形態に係るコーティング装置の作用を示すグラフである。
【図6】本発明の実施形態に係るコーティング装置の作用を示すグラフである。
【図7】本発明の実施形態に係るコーティング装置の作用を示すグラフである。
【符号の説明】
1 回転ドラム
20 スプレーノズル
22 非接触式距離センサ(超音波式変位センサ)
27 角度調整用モータ(ノズル角度調整手段)
26 ドラム速度調整手段
28 ベッド(ノズル距離調整手段)
29 ノズル水平駆動手段(ノズル距離調整手段)
29a 水平移動調整用モータ(ノズル距離調整手段)
30 ノズル上下駆動手段(ノズル距離調整手段)
30a 上下移動調整用モータ(ノズル距離調整手段)
S 転動床
S1 転動床表面
X 軸線(水平軸)

Claims (3)

  1. 回転ドラム内で転動する紛粒体粒子の転動床にスプレーノズルからスプレー液を噴霧してコーティング処理を行うコーティング装置において、
    前記回転ドラム内でのコーティング処理時に、前記転動床の表面が傾斜するように構成すると共に、前記回転ドラム内に、前記転動床の表面における傾斜に応じて高低差がある複数の部位までの距離をそれぞれ検出する複数の非接触式距離センサを配設し、且つ、前記複数の非接触式距離センサの検出結果に基づいて前記転動床の傾斜した表面に対するスプレーノズルの離隔距離を調整するノズル距離調整手段、及び前記検出結果に基づいて前記転動床の傾斜した表面に対するスプレーノズルの相対角度を調整するノズル角度調整手段、並びに前記検出結果に基づいて前記回転ドラムの回転速度を調整するドラム速度調整手段のうち、少なくとも1つを備えたことを特徴とするコーティング装置。
  2. 前記非接触式距離検出センサが、超音波式変位センサであることを特徴とする請求項1に記載のコーティング装置。
  3. 回転ドラム内で転動する紛粒体粒子の転動床にスプレーノズルからスプレー液を噴霧してコーティング処理を行うコーティング方法において、
    前記回転ドラム内でのコーティング処理時に、前記転動床の表面を傾斜させると共に、前記回転ドラム内に複数の非接触式距離センサを配設し、前記複数の非接触距離センサにより前記転動床の表面における傾斜に応じて高低差がある複数の部位までの距離をそれぞれ検出し、前記複数の非接触距離センサの検出結果に基づいて、前記スプレーノズルと前記転動床の傾斜した表面との相対位置関係を算出し、その算出結果に基づいて、前記転動床の傾斜した表面に対する前記スプレーノズルの離隔距離及び相対角度、並びに前記回転ドラムの回転速度のうち、少なくとも1つを調整することを特徴とするコーティング方法。
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