JP4008908B2 - 農用車輪用ディスク型ホイル及び農用車輪 - Google Patents
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Description
この農用車輪100のホイル101は、鉄製素材板をプレスすることにより円板形などの所定形状に形成されており、その外周部には例えば断面L字状等に折曲した部分(図6では弾性輪体102に覆われた状態にあり見えない)が設けられている。この外周部の折曲部分は、そのまわりにゴム等の弾性材を被着(焼き付け等)して弾性輪体102を形成させるところであり、この弾性輪体102の中で芯材としての作用を奏する。
なお、このホイル101の回転中心部には、車軸方向に沿って機体外方へ突出した円形コップ形の凸部105が設けられているが、上記放射状の凸部104(プレスリブ)がこの円形コップ形の凸部105に突き当たる部分(リブ根本)だけを見れば、この放射状の凸部104は細幅な形状故に、板素材の板面全体の中で(回転中心部を取り囲む円周方向で)は局部的な折曲部を有しているに過ぎないことになる。
このようなことから、従来、ディスク型ホイル101を具備する農用車輪100において、ホイル101を今以上に強度アップさせるのは難しいものとされていた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、ホイルの強度アップが簡単且つ十分に図れるようにした農用車輪用ディスク型ホイルとこのホイルを有した農用車輪を提供することを目的とする。
即ち、本発明に係る農用車輪用ディスク型ホイルは、農用車輪用ディスク型ホイルにおいて、回転中心部のまわりには回転中心部から径方向へ延びる少なくとも2本の補強ラインが設けられ、前記補強ラインは、回転中心部に設けられる車軸の軸方向において外側に配置される頂辺部と内側に配置される基辺部とを有した段差として形成され、かつ前記頂辺部と前記基辺部との中間線の径方向内方側の延長線が回転中心部の中心から位置ズレされており、回転中心部のまわりで補強ラインと補強ラインとの間に挟まれるディスク構成板は、一方の補強ラインの頂辺部と他方の補強ラインの基辺部とを繋ぐ傾斜面として形成されている。
隣り合う前記補強ラインの前記中間線が形成する中心角は、全て同じ角度に統一されている。
補強ラインは、径方向内方側の延長線が回転中心部の中心から位置ズレされたものとされている。すなわち、回転中心部を通る径方向線分に対して所定の角度を持って傾斜しているものとする。
このようにすることで、回転中心部に近い部分での応力集中を可及的に軽減させることができる。
このように補強ラインはある程度、多くする方が、ディスク構成板の面積をある程度、小さく抑えることができるため、ますます強度の強いものとなる。
前記補強ラインは、前記回転中心部側における前記中間線の起点と前記車軸の中心とを結ぶ線が前記中間線の半径方向の各位置における接線となす角度が、前記回転中心部から遠ざかるにつれて大きくなるように湾曲形成されている。
一方、本発明に係る農用車輪は、ディスクタイプのホイルと、このホイルのまわりにリング状に設けられた弾性輪体とを有し、上記ホイルとして本発明のホイルが採用されたものである。
図1乃至図4は本発明に係るディスクタイプのホイル1の第1実施形態を示しており、また殊にその中の図1は、この第1実施形態のホイル1を具備して成る農用車輪2を示している。この農用車輪2は、上記ホイル1に対してそのまわりを取り囲むようにリング状の弾性輪体3が設けられることによって形成されている。
ホイル1は鉄板などの金属板を素材として円板形に形成されている。このホイル1において円形の中心部には、車軸方向に沿って機体外方へ突出した円形コップ形の凸部4が設けられている。この円形コップ形の凸部4の設けられている位置が、この農用車輪2の回転中心部5とされる。
ホイル部1において、回転中心部5のまわりには、この回転中心部5から径方向へ延びる補強ライン10が複数本設けられている。図例では、合計6本の補強ライン10が設けられたものを示しており、各補強ライン10の隣接間にできる中心角θは、全て同じ角度(即ち、60°)に統一されたものとしてある。
各補強ライン10は、径方向内方側の延長線が回転中心部5の中心を通らず、やや位置ズレしたものとなっている。従って、回転中心部5を通る径方向線分に対して所定の角度を持って傾斜しているものとする。図例では円形コップ形の凸部4に対し、略接線的な位置関係になっている。
すなわち、補強ライン10と補強ライン10との間に挟まれる配置となっているディスク構成板11は、一方の補強ライン10の頂辺部13と他方の補強ライン10の基辺部14とを繋ぐ傾斜面として形成されていることになる。そのため、ディスク構成板11は座屈や局部的曲げなどに対する機械的強度の高いものとなっている。
なお、各ディスク構成板11は扇形であるため、それらの外周部は弾性輪体3まで届くかたちとなっているが、更に弾性輪体3の内部まで延びてこの弾性輪体3に埋設されるようになっている。この埋設される部分は断面L字状等に形成された折曲部20とされ、弾性輪体3にとってその芯部を形成している。
また、本第1実施形態では各ディスク構成板11が同じ形状、同じ面積に揃えられているので、それらによる応力分散効果もバランスのとれたものになっている。更に、各補強ライン10の径方向内方端が回転中心部5に対して位置ズレしているので、回転中心部5に近い部分での応力集中は可及的に軽減され、その分、益々、回転中心部5に近い板面部分での塑性変形を防止する作用が高められている。
図5は、本発明に係るホイル1の第2実施形態を示している。この第2実施形態のホイル1において、補強ライン10は、回転中心部5まわりの周方向に対する曲がり成分を有して湾曲形成されたものとなっている。
従ってこの第2実施形態のホイル1では、上記第1実施形態よりも更に補強ライン10の強度を高めることができる。また、この補強ライン10における径方向内方側の延長線は、回転中心部5の中心を通らず、やや位置ズレしたものであり、円形コップ形の凸部4に対して略接線的な位置関係にある。そのため、回転中心部5に近い部分での応力集中を可及的に軽減させることができる点で第1実施形態と同等又はそれ以上の効果が得られるものである。
素材はSPHCとし、板厚は2.3mmとすること、及び弾性輪体3を設けないでホイル単体を使用することを共通条件とし、ホイル直径方向に負荷をかけてゆく方法を採用した。そして試験結果は、従来のホイルにおいて塑性変形が起こったときの負荷荷重を100とおいて、それぞれ指数表示した。
ところで、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、実施の形態に応じて適宜変更可能である。
例えば、弾性輪体3の芯部を形成する部分(折曲部20)の形状や、この部分を一体で具備させるか否か等は何ら限定されない。中空パイプでリング形に形成したものをホイル1の外周部へ溶接で固着したり、ボルト止め、リベット止めなどで結合したりしてもよい。また、弾性輪体3についての細部構成は何ら限定されるものではなく、ラグパターンをはじめ、中空構造(空気入り構造)となったものを採用すること等も可能である。
2 農用車輪
3 弾性輪体
5 回転中心部
10 補強ライン
11 ディスク構成板
13 頂辺部
14 基辺部
Claims (5)
- 農用車輪用ディスク型ホイルにおいて、
回転中心部(5)のまわりには回転中心部(5)から径方向へ延びる少なくとも2本の補強ライン(10)が設けられ、
前記補強ライン(10)は、
回転中心部(5)に設けられる車軸の軸方向において外側に配置される頂辺部(13)と内側に配置される基辺部(14)とを有した段差として形成され、かつ前記頂辺部(13)と前記基辺部(14)との中間線の径方向内方側の延長線が回転中心部(5)の中心から位置ズレされており、
回転中心部(5)のまわりで補強ライン(10)と補強ライン(10)との間に挟まれるディスク構成板(11)は、
一方の補強ライン(10)の頂辺部(13)と他方の補強ライン(10)の基辺部(14)とを繋ぐ傾斜面として形成されている
ことを特徴とする農用車輪用ディスク型ホイル。 - 隣り合う前記補強ライン(10)の前記中間線が形成する中心角(θ)は、全て同じ角度に統一されている
ことを特徴とする請求項1記載の農用車輪用ディスク型ホイル。 - 前記補強ライン(10)は3本以上設けられており、一つ一つのディスク構成板(11)が扇形に形成されている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の農用車輪用ディスク型ホイル。 - 前記補強ライン(10)は、前記回転中心部(5)側における前記中間線の起点と前記車軸の中心とを結ぶ線が前記中間線の半径方向の各位置における接線となす角度が、前記回転中心部(5)から遠ざかるにつれて大きくなるように湾曲形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の農用車輪用ディスク型ホイル。 - ディスクタイプのホイル(1)と、このホイル(1)のまわりにリング状に設けられた弾性輪体(3)とを有し、
上記ホイル(1)が請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の農用車輪用ディスク型ホイルとされている
ことを特徴とする農用車輪。
Priority Applications (1)
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JP2004245887A JP4008908B2 (ja) | 2004-08-25 | 2004-08-25 | 農用車輪用ディスク型ホイル及び農用車輪 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2006062477A JP2006062477A (ja) | 2006-03-09 |
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Family Applications (1)
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2004
- 2004-08-25 JP JP2004245887A patent/JP4008908B2/ja not_active Expired - Fee Related
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