JP4008613B2 - 光磁気記録パワー決定方法及び光磁気ディスク装置 - Google Patents

光磁気記録パワー決定方法及び光磁気ディスク装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レコーダブル・ミニディスク等の光磁気ディスクに記録を行うときの光磁気記録パワー決定方法及び光磁気ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、この種の光磁気ディスクの記録面に所定強度の光ビームを照射して情報を記録再生する光磁気ディスク装置では、光磁気ディスク記録面への記録を正確に行うために、記録時の条件に応じて最適なレーザパワーが決定される必要がある。光磁気ディスクの記録毎に使用環境温度やレーザパワー等の記録条件が変動すると、光磁気ディスクの記録面での磁気転写が完全に機能しなかったり、記録膜の温度が高くなり十分な磁気光学効果が得られない場合があったり、一定の分解能が得られないことがあるためである。
【0003】
上記の光磁気記録パワー決定方法としては、例えば、特開平7−29238号公報に示すように、再生時の周囲温度条件により影響を受けた磁気特性の変化分をキャンセル(温度補償)するために、予め記録層に入力した基準信号を再生し、その出力信号振幅を計測して当初の基準信号の振幅と比較し、その信号出力差に基づいて、当初の基準信号の振幅と同レベルもしくはそれに近いレベルの信号が再生すべく再生光であるレーザパワーを制御するものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の光磁気記録パワー決定方法においては、最適なレーザパワーを決定するために周囲温度を検出する必要があり、周囲温度検出のための機構が必要となるため、光磁気記録パワーを決定するための装置の構成が複雑になるという問題があった。
【0005】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、光磁気ディスクへの記録を行う際、周囲温度を検出するための温度センサ等の機構を必要とすることなく、簡単な構成でもって記録毎に最適な光磁気記録パワーを決定することができ、しかも高い記録品質を保持することができる光磁気記録パワー決定方法及び光磁気ディスク装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、光磁気ディスク記録面への記録時のレーザパワーを決定するレーザパワー決定方法において、光磁気ディスクのパワーキャリブレーションエリアに所定のレーザパワーでテスト記録を行い、記録部分をリードバックしたときの再生RF信号のピーク値及びボトム値を検出する第1のモニタステップと、上記第1のモニタステップにおけるテスト記録時よりも大きなレーザパワーでもってテスト記録を行い、記録部分をリードバックしたときの再生RF信号のピーク値及びボトム値を検出する第2のモニタステップと、上記第1のモニタステップと第2のモニタステップとを繰り返し、次の繰り返しでは前のときよりもレーザパワーを上げてモニタし、第1及び第2のモニタステップのテスト記録における再生RF信号のピーク値及びボトム値のそれぞれのレベル差が所定値以上となり、かつ、第1のモニタステップにおけるレベル差と第2のモニタステップにおけるレベル差とが同等となるレーザパワー値を検出するステップと、上記検出ステップにおいて検出されたレーザパワー値に所定パワーを加算したレーザパワーを用いて実記録を行うステップとからなるものである。
【0007】
上記構成においては、光磁気ディスクのパワーキャリブレーションエリアに、異なるレーザパワーによる第1及び第2のモニタステップのテスト記録を繰り返し、それぞれのテスト記録部分をリードバックしたときのRF信号のピーク値及びボトム値のレベル差が所定値以上であり、両ステップにおけるピーク値及びボトム値のレベル差が同等であるときは、そのレーザパワー値に所定値を加算したレーザパワー値でもって実記録を行うので、周囲環境の温度を検出することなく、書き込みのレベルが一定水準に達するレーザパワー値を検出することが可能となる。また、レーザパワー値に所定値を加算することで、光磁気ディスクの情報記録面をキュリー温度に達した温度から少し高めに設定することが可能になり、実記録に用いるレーザパワーを急激に記録特性が良くなるレーザパワーに設定することが可能になる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光磁気記録パワー決定方法であって、第1のモニタステップにおけるテスト記録時のレーザパワーを、低温時に光磁気ディスクの磁性層がキュリー温度近辺に達するレーザパワーよりも低めのパワーに設定するものである。
【0009】
上記構成においては、低温時に光磁気ディスクの磁性層がキュリー温度近辺に達するレーザパワーよりも低めのパワーからテスト記録を開始するので、第1及び第2のモニタステップを繰り返して徐々にレーザパワーを上げていったとき、上記検出ステップにおいてレベル差が一定基準を満たすに至ったことを迅速に検出することができる。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の光磁気記録パワー決定方法であって、上記検出ステップにおいて検出されたレーザパワー値に加算される所定パワーは、周囲温度が高温時の記録において記録特性が良くなるパワーの加算量を基準に求めるものである。
【0011】
上記構成においては、周囲温度が高温時の記録において記録特性が良くなるパワーの加算量を基準にしてレーザパワー値への加算を行うので、加算量が比較的小さくなり、周囲温度に拘わらず、所定値加算後のレーザパワーが確実にレーザパワーマージン内に収まる。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、光磁気ディスクの記録面に所定強度の光ビームを照射して情報を記録再生する光磁気ディスク装置において、光磁気ディスクのパワーキャリブレーションエリアに所定のレーザパワーでテスト記録を行い、記録部分をリードバックしたときの再生RF信号のピーク値及びボトム値を検出する第1のモニタ手段と、上記第1のモニタ手段によるテスト記録時よりも大きなレーザパワーでもってテスト記録を行い、記録部分をリードバックしたときの再生RF信号のピーク値及びボトム値を検出する第2のモニタ手段と、上記第1及び第2のモニタ手段による検出を繰り返し、次の繰り返しでは前のときよりもレーザパワーを上げてモニタし、第1及び第2のモニタ手段によるテスト記録における再生RF信号のピーク値及びボトム値のそれぞれのレベル差が所定値以上となり、かつ、第1のモニタ手段の検出におけるレベル差と第2のモニタ手段の検出におけるレベル差とが同等となるレーザパワー値を検出する手段と、上記検出手段において検出されたレーザパワー値に所定パワーを加算したレーザパワーを用いて実記録を行う手段とを備えたものである。
【0013】
上記構成においては、光磁気ディスクのパワーキャリブレーションエリアに、異なるレーザパワーによる第1及び第2のモニタ手段によるテスト記録を繰り返し、それぞれのテスト記録部分をリードバックしたときのRF信号のピーク値及びボトム値のレベル差が所定値以上であり、両ステップにおけるピーク値及びボトム値のレベル差が同等であるときは、そのレーザパワー値に所定値を加算したレーザパワー値でもって実記録を行うので、周囲環境の温度を検出することなく、書き込みのレベルが一定水準に達するレーザパワー値を検出することが可能となる。また、レーザパワー値に所定値を加算することで、光磁気ディスクの情報記録面をキュリー温度に達した温度から少し高めに設定することが可能になり、実記録に用いるレーザパワーを急激に記録特性が良くなるレーザパワーに設定することが可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係る光磁気記録パワー決定方法及び光磁気ディスク装置について図1乃至図7を参照して説明する。本発明の一実施形態に係る光磁気ディスク装置の概略構成を図1に示す。光磁気ディスク装置1は、ミニディスク(Mini Disc )等の光磁気ディスク5の記録、再生及び消去を行うものであり、ミニディスクの情報記録層への光ビーム照射及びその反射光に基づいて情報を読み取るための光ピックアップ部2及び対物レンズ3、及び対物レンズ3をディスク方向に移動させる送りモータ4を有している。スピンドルモータ6は情報書き込み又は読み取り時にディスク5を回転させるためのものである。
【0015】
システムコントローラ(検出手段)8は、サーボ制御回路7を介して、光ピックアップ部2、対物レンズ3、送りモータ4及びスピンドルモータ6を制御する。光ピックアップ部2は、ディスク5に光ビームを照射する発光素子、及びディスクでの反射光を受光する受光素子を備え、この受光素子からの信号はRFアンプ9を介して、再生・記録信号のエンコーダ/デコーダ部10に送られる。また、RFアンプ9からは、アドレスデコーダ11を介してエンコーダ/デコーダ部10にアドレス信号を出力する。磁気ヘッド(実記録手段)13は、ディスク5の光磁気膜に情報を磁気記録するためのものであり、ディスク5を挟んで光ピックアップ2とは反対側に配置される。システムコントローラ8は、情報記録時に光ピックアップ2を駆動してディスク5にレーザビームを照射して、その光磁気膜をキュリー温度以上に加熱して磁気を消失させ、その時、エンコーダ/デコーダ部10は記録情報に応じてヘッドドライバ14を介して磁気ヘッド13に流す電流の方向を反転させることで、「N」か「S」かの磁界を発生させ、ディスク5に磁界変調オーバライト方式にて記録を行う。
【0016】
また、光ピックアップ部は、後述するようにテスト記録が可能であり、RFアンプ9には、RF信号のピーク値及びボトム値を検出するピーク/ボトムホールド回路(第1及び第2のモニタ手段)15が接続され、検出されたピーク値及びボトム値はA/D変換部16によってA/D変換された後、システムコントローラ8に入力される。
【0017】
次に、記録に必要なレーザパワーと温度の関係について図2及び図3を参照して説明する。記録に必要なレーザパワーと周囲環境温度の関係を図2に示し、光磁気ディスクの記録領域を模式的に図3に示す。一般的に光磁気ディスクには、プログラムエリア以外に、記録時の推奨レーザパワー等の必要な情報を書き込むためにメーカ側が使用するTOCエリア、及びトラックの開始・終了位置や記録した曲名等の情報の書き込みが可能とされ、ユーザが使用するUTOCエリアが設けられている。このTOCエリアに書き込まれている推奨レーザパワーは、周囲環境温度が25℃の場合の値とされているのが一般的である。しかし、光磁気ディスクへの記録時の周囲温度が常に25℃であるとは限らないため、TOCエリアに書き込まれている推奨レーザパワーでの記録が高品質であるとは限らない。そのため、高品質の記録を行うために、ディスクへの記録の度に周囲温度に応じたレーザパワーに調整することが望まれる。図2に示すように、周囲温度が高いほど、記録に適するレーザパワー、即ち、ディスク磁性層の温度をキュリー温度に到達させるために必要なレーザパワーは小さくなるためである。
【0018】
光磁気ディスク装置1は、上述したようなレーザパワーと周囲環境温度の関係を考慮し、ディスクへの記録毎に、UTOCエリア内のPCA(Power Calibration Area)エリアを利用してテスト記録を行い、該記録部分をリードバックしたときのRF信号のピーク/ボトム値のレベル差に基づいて、記録時の周囲環境に適したレーザパワーを求めるようにしたものである。
【0019】
ディスク磁性層への記録を可能とするためには、テスト記録部分をリードバックしたときのRF信号のピーク/ボトム値のレベル差(図4に矢印で示す)が一定値以上となるレーザパワーでなければならない。このレベル差はレーザパワーが大きくなるに連れて大きくなるが、図5に示すように、ある一定のレーザパワーに達すると、その時点でレベル差は飽和状態となり、それ以上には拡がらない。従って、徐々にレーザパワーのレベルを上げて複数回のテスト記録を行い、検出される上記各レベル差に変化がなくなり、かつ、その各レベル差が一定値以上であれば、当該記録時の温度条件下で記録可能なレーザパワーに達していることになる。
【0020】
エラーレートとレーザパワーの関係について図6を参照して説明する。図6に示すように、レーザパワーの値が大きくなると、それに連れて最初はエラーレートも低減するが、レーザパワーが一定の値に達すると、それ以上はエラーレートは低減しなくなる。そして、更にレーザパワーの値が大きくなるとエラーレートが大きくなる。従って、このエラーレートが最小レベルとなっている領域におけるレーザパワーが記録に適した値である。また、エラーレートが最小レベルとなっている領域は、周囲温度が低くなると、図6において右側にシフトする(図6に0℃の場合のものを示す)。通常、ディスクの記録時の温度条件は0℃〜50℃程度であると思われるので、記録時の温度条件下におけるエラーレートが最小レベルとなっている領域を検出するためには、テスト記録に用いるレーザパワーを、周囲温度が0℃の時にディスク磁性層がキュリー温度に達すると予測されるレーザパワーよりも若干低めのパワーから開始すれば、エラーレートが最小レベルとなる領域を短時間で検出することができる。
【0021】
次に、光磁気ディスク装置1による記録時のレーザパワー決定方法について図5のフローチャートを参照して説明する。この処理はシステムコントローラ8により行われる。ディスクへの記録開始を指示するREC開始コマンド、又はREC PAUSE開始コマンドがあると(S1:YES)、まず、UTOCエリア内のPCAエリアに記録されている情報を消去し(S2)、該エリアへのテスト記録による書き込みが可能な状態にする。この消去時のレーザパワーは、必ず記録可能と思われる高めのパワー値(ディスク磁性層を必ずキュリー温度近辺に到達させることができると思われるレーザパワー値)にし、磁気ヘッド13をドライブしないようにすることで(EFM変調電流を流さないようにすることで)、擬似的な消去が行われる。
【0022】
そして、この書き込み可能となったPCAエリアに、低温時、例えば0℃の時のディスク磁性層をキュリー温度近辺に到達させることができると思われるレーザパワーよりも若干低めのパワーでもってテスト記録1を行う(S3)。このテスト記録1の後、テスト記録1によって書き込んだ部分をリードバックしてピーク/ボトムホールド15を通してRFアンプ9から出力されるRF信号のピーク/ボトム値のレベル差を算出し(S4)、メモリ(不図示)に記憶しておく(S5)。次に、テスト記録1の場合よりも若干レーザパワーを上げてテスト記録2を行う(S6)。テスト記録1の場合と同様、このテスト記録2の後、テスト記録2によって書き込んだ部分をリードバックしてRF信号のピーク/ボトム値のレベル差を算出する(S7)。
【0023】
次に、テスト記録1のときのレベル差をメモリから読み出し、テスト記録1及び2におけるレベル差が共に所定値以上であるかを判断する(S8)。この判断は、RF信号のピーク/ボトム値のレベル差が、ディスク磁性層への記録が可能になる程度に達しているか否かを検出するものであり、この所定値とは、ディスク磁性層への記録が可能になる程度のレベル差を示す値である。この判断において、テスト記録1及び2におけるレベル差が両方とも所定値に達している場合は(S8:YES)、更に、テスト記録1及び2におけるレベル差が同等の値であるかを判断する(S9)。ここで、両レベル差が同等の値となっている場合は(S9:YES)、テスト記録1におけるレーザパワーとテスト記録2におけるレーザパワーの中間値を算出し(S10)、算出した中間値に所定値を加算した値を実記録に用いるレーザパワーとする(S11)。この所定値は、周囲温度が高温時の記録において記録特性が安定して良くなるパワーの加算量を目安にして決定し、ここでは、算出した中間値が、ディスク磁性層がキュリー温度に達したレーザパワーから少し高めのレーザパワーとなるような値とする。ディスク磁性層がキュリー温度に達したレーザパワーから少し高めのレーザパワーでの記録において急激に記録特性が向上するからである。
【0024】
また、S8において、テスト記録1及び2におけるレベル差のいずれか一方でも所定値に達していない場合、及びS9において、テスト記録1及び2の両レベル差が同等の値でない場合には、S3に戻り、前回よりも若干レーザパワーを上げてテスト記録1及びテスト記録2を行う(S8:NO,S9:NO)。このテスト記録1及びテスト記録2は、テスト記録1及び2におけるレベル差が両方とも所定値に達し、かつ、両レベル差が同等の値になるまで繰り返される。以上のようにして実記録に用いるレーザパワーを求め、かかるレーザパワーでもって記録又はREC PAUSEが開始される(S12)。
【0025】
このように、本実施形態の光磁気ディスク装置1によれば、ディスクへの記録を行う毎に、UTOCエリア内のPCAエリアにテスト記録1及び2を繰り返すことによって、記録時の周囲環境に適したレーザパワーを求めるので、周囲温度の検出を行わなくても、周囲温度条件に応じた最適なレーザパワーを求めることができる。これにより、温度センサ等の機構を必要とすることなく記録品位を高品質に保つことができる。
【0026】
なお、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、テスト記録1に用いるレーザパワーのレベルは、低温時にディスク磁性層がキュリー温度近辺に達すると思われるレーザパワーより若干低めのパワーとされているが、テスト記録1をこれ以外のレベルのレーザパワーを用いて開始してもよい。また、上記実施の形態では、実記録に用いるレーザパワーを設定する場合、テスト記録1及び2におけるレベル差が両方とも所定値に達し、かつ、両レベル差が同等の値となった時のテスト記録1におけるレーザパワーとテスト記録2におけるレーザパワーの中間値を算出し、この中間値に所定値を加算した値を実記録に用いるレーザパワーとしているが、かかる中間値を算出することなく、その時のテスト記録1におけるレーザパワーとテスト記録2におけるレーザパワーのいずれか一方に所定値を加算した値を、実記録に用いるレーザパワーとしてもよい。また、上記実施の形態では、光磁気ディスクとして、ミニディスクの場合を説明したが、これに限定されず、広く光磁気ディスク全般に適用することが可能である。
【0027】
【発明の効果】
以上のように請求項1又は請求項4に記載の発明によれば、第1及び第2のモニタステップにおけるピーク値及びボトム値のレベル差に基づいて、記録時の周囲環境に適したレーザパワーを求めるので、周囲温度を検出することなく最適なレーザパワーによる記録を行うことができる。これにより、温度センサ等の機構を必要とすることなく簡単な構成で記録品位を高品質に保つことができる。また、求められたレーザパワー値に所定値を加算したパワー値を実記録に用いるレーザパワーとするので、実記録に用いるレーザパワーを、光磁気ディスクの情報記録面がキュリー温度に達する温度から少し高めに設定することが可能になり、急激に記録特性が良くなるレーザパワーでもって実記録を行うことが可能になる。
【0028】
また、請求項2に記載の発明によれば、低温時に光磁気ディスクの磁性層がキュリー温度近辺に達するレーザパワーよりも低めのパワーからテスト記録を開始するので、第1及び第2のモニタステップを繰り返して徐々にレーザパワーを上げていったとき、上記検出ステップにおいてレベル差が一定基準を満たすに至ったことを迅速に検出することができ、パワーキャリブレーションに要する時間を短縮することができる。
【0029】
また、請求項3に記載の発明によれば、周囲温度が高温時の記録において記録特性が良くなるパワーの加算量を基準にして、比較的小さなパワー加算量でもってレーザパワー値への加算を行うので、周囲温度に拘わらず、所定値を加算した後のレーザパワーを確実にレーザパワーマージン内に収めることができ、安定した記録を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る光磁気ディスク装置の構成を示すブロック図である。
【図2】記録に用いるレーザパワーと周囲環境温度との関係を示す図である。
【図3】光磁気ディスクの記録領域を模式的に示す図である。
【図4】テスト記録部分をリードバックしたときのRF信号を示す図である。
【図5】上記RF信号のピーク/ボトム値のレベル差とレーザパワーとの関係を示す図である。
【図6】エラーレートとレーザパワーの関係を示す図である。
【図7】記録時のレーザパワーを決定するときの処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 光磁気ディスク装置
5 光磁気ディスク
8 システムコントローラ(検出手段)
9 RFアンプ
10 エンコーダ/デコーダ(実記録手段)
13 磁気ヘッド(実記録手段)
14 ヘッドドライバ
15 ピーク/ボトムホールド部(第1及び第2のモニタ手段)

Claims (4)

  1. 光磁気ディスク記録面への記録時のレーザパワーを決定するレーザパワー決定方法において、
    光磁気ディスクのパワーキャリブレーションエリアに所定のレーザパワーでテスト記録を行い、記録部分をリードバックしたときの再生RF信号のピーク値及びボトム値を検出する第1のモニタステップと、
    上記第1のモニタステップにおけるテスト記録時よりも大きなレーザパワーでもってテスト記録を行い、記録部分をリードバックしたときの再生RF信号のピーク値及びボトム値を検出する第2のモニタステップと、
    上記第1のモニタステップと第2のモニタステップとを繰り返し、次の繰り返しでは前のときよりもレーザパワーを上げてモニタし、第1及び第2のモニタステップのテスト記録における再生RF信号のピーク値及びボトム値のそれぞれのレベル差が所定値以上となり、かつ、第1のモニタステップにおけるレベル差と第2のモニタステップにおけるレベル差とが同等となるレーザパワー値を検出するステップと、
    上記検出ステップにおいて検出されたレーザパワー値に所定パワーを加算したレーザパワーを用いて実記録を行うステップと
    からなることを特徴とする光磁気記録パワー決定方法。
  2. 第1のモニタステップにおけるテスト記録時のレーザパワーを、低温時に光磁気ディスクの磁性層がキュリー温度近辺に達するレーザパワーよりも低めのパワーに設定することを特徴とする請求項1に記載の光磁気記録パワー決定方法。
  3. 上記検出ステップにおいて検出されたレーザパワー値に加算される所定パワーは、周囲温度が高温時の記録において記録特性が良くなるパワーの加算量を基準に求めることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光磁気記録パワー決定方法。
  4. 光磁気ディスクの記録面に所定強度の光ビームを照射して情報を記録再生する光磁気ディスク装置において、
    光磁気ディスクのパワーキャリブレーションエリアに所定のレーザパワーでテスト記録を行い、記録部分をリードバックしたときの再生RF信号のピーク値及びボトム値を検出する第1のモニタ手段と、
    上記第1のモニタ手段によるテスト記録時よりも大きなレーザパワーでもってテスト記録を行い、記録部分をリードバックしたときの再生RF信号のピーク値及びボトム値を検出する第2のモニタ手段と、
    上記第1及び第2のモニタ手段による検出を繰り返し、次の繰り返しでは前のときよりもレーザパワーを上げてモニタし、第1及び第2のモニタ手段によるテスト記録における再生RF信号のピーク値及びボトム値のそれぞれのレベル差が所定値以上となり、かつ、第1のモニタ手段の検出におけるレベル差と第2のモニタ手段の検出におけるレベル差とが同等となるレーザパワー値を検出する手段と、
    上記検出手段において検出されたレーザパワー値に所定パワーを加算したレーザパワーを用いて実記録を行う手段と
    を備えたことを特徴とする光磁気ディスク装置。
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