JP4008541B2 - 洗濯乾燥機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、洗濯物に乾燥用の温風を接触させて乾燥を行い、かつ洗濯物から蒸発した水分を効率良く回収する洗濯乾燥機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図3は、例えば特開平6−327896号公報に示された従来の洗濯乾燥機を示す断面図である。図において、1は外箱、2は外箱1の上部に配設し洗濯物出し入れ用の開口部3を設けたトップカバーで、蓋4により開口部3の開閉を可能としている。5は外箱1内に洗濯水・濯ぎ水を貯える水槽で、防振装置(図示せず)により外箱1に揺動自在に支持されている。6は水槽5内に回転自在に配設され、複数の脱水孔6aを周壁面に穿設する洗濯兼脱水槽、7は洗濯兼脱水槽6底面に回転自在に配設する回転翼、8は水槽5外側底部に配設され回転翼7および洗濯兼脱水槽6の回転の駆動力を提供する駆動装置であり、駆動力を発生させるモータ9と、その駆動力を減速して伝達するモータプーリ10とベルト11で連結している主軸プーリー12と、ギアー装置13と、このギアー装置13への駆動力を切り替えるクラッチ装置14とで構成される。15は洗濯兼脱水槽6の上端部周縁に取り付けられ、脱水行程における洗濯兼脱水槽6の振動を低減させるリング状のバランサー、16は水槽5の上端からバランサー15の上方を覆うように配設し、洗濯兼脱水槽6の回転による水の飛び散りを押さえるリング状の防水板、17はトップカバー2に設けた水槽5内に洗濯水・濯ぎ水を供給する給水口、18は水槽5の底部に接続した排水管に設けた排水弁である。
【0003】
19は外箱1内のトップカバー2と防水板16との間に形成される空間に設けた温風発生装置であり、送風機20とヒータ21とで構成し、乾燥行程時に送風機20で空気流を発生し、この空気流をヒータ21で加熱して洗濯兼脱水槽6内に温風22を送風する。23は一端を防水板16、他端を温風発生装置19に接続し、温風発生装置19と水槽5内とを連通させる可撓性のあるダクトである。
【0004】
24は温風逆流遮断部材で、中央に三角形状の突起25を形成し、この突起25の上下に可撓性のある薄板26を設けたものであり、水槽5の内周面に洗濯兼脱水槽6と隙間を維持するように突設して、洗濯兼脱水槽6と水槽5との隙間空間Aを通過する水を円滑に連通させ空気流は遮断する構成となっている。27は一端に出口28、他端にバルブ板29を有するオーバーフロー管、30は温風発生装置19と連通する除湿装置で、バルブ板29部に除湿装置30と連通する排気ダクト31を接続し、オーバーフロー27の出口28を排水弁18に接続して排気弁18と除湿装置30とを連通させる。32はリング状の防水板16の中心開口部を塞ぐ中蓋である。
【0005】
次に、上記構成における洗濯乾燥機の洗い・濯ぎ・脱水行程終了後の乾燥行程の動作について説明する。洗い・濯ぎ・脱水と通常の洗濯および脱水運転の行程を行なった後、乾燥行程が開始される。温風発生装置19が作動して温風22が発生してダクト23を通過し、洗濯兼脱水槽6外周面と水槽5内周面との間の隙間空間Aへ、また防水板16下面と洗濯兼脱水槽6上端との間の隙間空間Bへと流れて、隙間空間A内の温風は脱水孔6aから洗濯兼脱水槽6内へ、隙間空間Bからは直接洗濯兼脱水槽6内へと送風される。
【0006】
この温風22は、洗濯兼脱水槽6内底面にある回転翼7上面に置かれた洗濯物(図示せず)を通過し、洗濯物に含まれた水分を気化して湿度の高い温風22aとなり、水槽5下部に形成した排水弁18へと流れ、またこの湿度の高い温風22aのうち洗濯兼脱水槽6と水槽5との隙間空間Aに入り込んだ温風22aは、温風逆流遮断部材24により上方への流動を遮断され下向きの空気流として排水管内を排水弁18へと流れ、出口28からオーバーフロー管27、排気ダクト31を経て、除湿装置30へ案内される。湿度の高くなった温風22aは除湿装置30で水分が冷却・凝縮されて、再び温風発生装置19から乾燥した温風22となって洗濯兼脱水槽6内へと送風される。以上の動作を所定時間実施して洗濯物を乾かす乾燥行程を終了する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の洗濯乾燥機では、洗濯兼脱水槽と水槽との間の隙間空間Aに温風逆流遮断部材を設けることで、乾燥行程において洗濯物と熱交換された空気流が洗濯兼脱水槽と水槽との間の隙間空間Aを通じて上向きに逆流動して新たに水槽内に供給された温風と混合するのを防ぎ、この熱交換された空気流が排水弁の出口からオーバーフロー管、排水ダクトを経て除湿機構へと案内され、水分を凝縮しているものであるが、オーバーフロー管、排水ダクトなどの除湿機構への空気流路は、複雑な構成であるという構造的な問題点があった。
また、複雑な風路の引き回しであるため、圧力損失が大きくなり大きな送風機が必要となり、コスト高になるという問題点があった。
この発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、洗濯兼脱水槽内に収容された洗濯物に乾燥用の温風を効率良く接触させて乾燥を行ない、この乾燥行程における洗濯物から蒸発する水分を効率良く回収する低コストな洗濯乾燥機を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかる洗濯乾燥機においては、外箱と、この外箱内に支持された水槽と、この水槽内に回転自在に配設され上面を開口する洗濯兼脱水槽と、この洗濯兼脱水槽の内底部に配設された回転翼と、給水手段と、乾燥行程時に上記洗濯兼脱水槽内に上面開口から温風を供給し、前記水槽と連通する温風供給手段とを備え、上記乾燥行程において上記水槽と洗濯兼脱水槽との間の空間内に上記給水手段から洗濯物乾燥後の温風を冷却する水を上記洗濯兼脱水槽の側壁上面部に上記給水手段から冷却水を滴下するとともに上記洗濯兼脱水槽を回転させるものである。
【0010】
また、洗濯兼脱水槽の側壁上面部にリング状をしたバランサーを設け、このバランサーの上面に冷却水を滴下するものである。
【0011】
また、上記水槽に上記洗濯兼脱水槽のバランサーの上面を覆うようリング状の防水板を設け、この防水板の下面と上記バランサーの上面の上面にそれぞれリング状をしたリブを設け、これらリブは側面が互いに対向する高さを有しているものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1と図2は、この発明の実施の形態1である洗濯乾燥機を示す断面図と要部断面図であり、図において、1〜23および32は上記従来技術と同一のものであり、その説明を省略する。41はモータ40にて回転されるシロッコファンからなる送風機、42は水槽5の内壁面と洗濯兼脱水槽6の外壁面との間に形成される隙間空間、43は隙間空間42の上方に対向して設けられた送風機41の吸い込み口、44は送風機41と水槽5内とを連通するダクトで、防水板16から水槽5内へ延設して形成され、先端部に洗濯兼脱水槽6の中央部に向かって吹き出す温風吹き出し口45を有する。46はファン吸い込み口43の前方に位置して防水板16から隙間空間42内へ延設した案内壁である。
【0013】
47は洗濯兼脱水槽6の上部開口縁に取付けたバランサー15の上面外周端近傍に冷却水48を滴下する給水ノズルで、防水板16上面に固着されている。49は給水ノズル47に冷却水48を送る冷却水ホースで、切り替え弁(図示せず)によって給水口17から冷却水48を供給する。50はバランサー15の上面で、上記冷却水48の滴下位置より洗濯兼脱水槽6の中心寄りに配設されたリング状の上方に突出する防水リブA、51は防水板16の下面で、上記防水リブA50の側面に対向するように下方に突出する防水リブBであり、これらの防水リブA50、防水リブB51の先端は、それぞれ対向する防水板16、バランサー15に接触しない構成となっている。52は洗濯兼脱水槽6の概下半分に設けられた脱水孔、53は回転翼7に形成した通気孔、54は排水ホースである。
【0014】
次に上記構成における洗濯乾燥機の洗い・濯ぎ・脱水行程終了後の乾燥行程について説明する。乾燥行程が開始されると、送風機41及びヒータ21が作動して温風が発生し、この温風はダクト44を通過し温風吹き出し口45から洗濯兼脱水槽6内へ導かれる。そしてこの温風は、脱水行程が終了して洗濯兼脱水槽6内底面にある回転翼7上面に置かれた水分を含んだ洗濯物(図示せず)と接触して、水分を蒸発させる。洗濯物の水分を含んで湿度の高くなった温風は、洗濯兼脱水槽6の脱水孔52および回転翼7の通気孔53を通り洗濯兼脱水槽6と水槽5との間の隙間空間42内に流れ込み、この隙間空間内を上昇して、さらに案内壁46に導かれて吸い込み口43へと流入する。
【0015】
さらにこの乾燥行程開始時には、給水口17の水路切り替え弁(図示せず)により冷却水ホース49と給水口17が連通し、冷却水48が給水ノズル47からバランサー15の上面に滴下され、同時に洗濯兼脱水槽6を回転させる。このため、バランサー15の上面に滴下された冷却水48は、洗濯兼脱水槽6の回転作用により放射方向に飛ばされて微細化され霧状になって水槽5と洗濯兼脱水槽6との隙間空間42内の全周にわたって飛散し(図2参照)、かつ水槽5の内壁面や洗濯兼脱水槽6の側壁面に付着する。
【0016】
したがって、隙間空間42に流れ込んだ湿度の高い温風は、霧状になった冷却水48や水槽5の内壁面と洗濯兼脱水槽6の内壁面に付着した冷却水48によって冷却され、水分が凝縮されて湿気が取り除かれる。このため、吸い込み口43へ流入する空気は低温の絶対湿度の低いものとなり、ヒータ21によって再び加熱されて洗濯兼脱水槽6内へ送られる。なお、温風から除去された水分は水滴となって、冷却水48とともに隙間空間42の下方へ流れ落ちて排水ホース54から外箱1外へ排出される。
【0017】
このとき、バランサー15の上面に滴下される冷却水48は防水リブA50、防水リブB51のラビリンス作用により、洗濯兼脱水槽6内に流れ込むことはない。また、温風吹き出し口45から洗濯兼脱水槽6内へ吹き出される温風は、防水リブA50、防水リブB51のラビリンス作用により、隙間空間42内に漏れ出ることなく洗濯兼脱水槽6の中にほとんどが流入する。さらに、隙間空間42内に飛散した冷却水48は、案内壁46によって遮られて、吸い込み口43から直接吸い込まれるようなことが防止される。
【0018】
上記のような動作を所定時間(例えば5分以上)継続し、その後給水口17からの給水と洗濯兼脱水槽6の回転動作を停止し、回転翼7を1分間数秒間隔で左右に回転して、洗濯物全体を揺り動かして解し動作を行い、洗濯物と温風との接触のむらをなくして乾燥を促進する。そして、再度温風を供給し、洗濯兼脱水槽6を回転させながら冷却水48を供給して乾燥動作を行い、所定時間上記動作を繰り返して、乾燥行程が終了する。
【0019】
なお、乾燥行程の終了時期は、予め時間で規定してもよいし、また、温度センサーにより循環する温風の温度を検出して決定するようにしてもよい。
【0020】
また、冷却水48をバランサー15の上面に滴下しているが、これに限定するものではなく、洗濯兼脱水槽6などの回転する部分に冷却水が当たるようにし、冷却水を飛散させれば同様の効果が得られる。
【0021】
また、上記実施の形態1では洗濯兼脱水槽6とヒータ21との間を空気が循環して衣類を乾燥する循環式としているが、除去した水分は回収して外部に排出しているので、水分除去後の温風を室内に排気し、乾燥用空気を室内から直接取り込むようにしてもよい。
【0022】
また、上記実施の形態1では、温風を送風機41で洗濯兼脱水槽6内に送り込んでいるが、送風機を配設せずに、洗濯兼脱水槽6が回転することによって洗濯兼脱水槽6内に上から下への気流の流れが起こるので、この気流の流れでダクト44内の空気を吸引するようにしてもよい。
【0023】
また、防水リブA50と防水リブB51とは一対としているがこれに限定するものではなく、たとえば防水リブA50のみ、あるいは防水リブA50を1つ、防水リブB51を2つとし、防水リブB51の間に防水リブA50を配置するものであってもよい。
【0024】
また、本発明は、洗濯から乾燥まで自動的に行う洗濯乾燥機としているが、乾燥機能のみの衣類乾燥機にも適用できるものである。
【0025】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0026】
乾燥行程時、温風冷却用の水を水槽と洗濯兼脱水槽との間の空間上方に供給するようにしたので、洗濯物乾燥後の湿気を含む温風の除湿動作を既存の水槽内で行なうことができ、コンパクトな構造の洗濯乾燥機を得ることができる。
【0027】
また、乾燥行程時、洗濯兼脱水槽の側壁上面部に給水手段から温風冷却用の水を滴下するとともに洗濯兼脱水槽を回転させたので、水は飛散されて洗濯物乾燥後の湿気を含む温風と広範囲に接触することとなり、除湿効率の良い洗濯乾燥機を得ることができる。
【0028】
また、温風冷却用の水を洗濯兼脱水槽の側壁上面部に設けたバランサー上面に滴下するようにしたので、既存の洗濯兼脱水槽の構造をそのまま利用して洗濯物乾燥後の湿気を含む温風の除湿動作を行なうことができ、簡単な構造で除湿動作が行える洗濯乾燥機を得ることができる。
【0029】
また、水槽と洗濯兼脱水槽との間に側面が互いに対向する高さを有するリブを設けているので、洗濯兼脱水槽のバランサーの上面に滴下した冷却水が脱水槽内に流入するようなことがなく、乾燥中の洗濯物を濡らしてしまうといった不具合のない洗濯乾燥機を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に示す洗濯乾燥機の断面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に示す洗濯乾燥機の要部断面図である。
【図3】 従来の洗濯乾燥機を示す断面図である。
【符号の説明】
1 外箱、2 トップカバー、3 開口部、4 蓋、5 水槽、6 洗濯兼脱水槽、7 回転翼、8 駆動装置、9 モータ、10 モータプーリ、11 ベルト、12 主軸プーリー、13 ギアー装置、14 クラッチ装置、15 バランサー、16 防水板、17 給水口、18排気弁、21 ヒータ、22 温風、32 中蓋、40 モータ、41 送風機、 42 隙間空間、43 吸い込み口、44 ダクト、45 温風吹き出し口、46 案内壁、47 給水ノズル、48 冷却水、49 冷却水ホース、50 防水リブA、51 防水リブB、52 脱水孔、53 通気孔、54 排水ホース。
Claims (3)
- 外箱と、この外箱内に支持された水槽と、この水槽内に回転自在に配設され上面を開口する洗濯兼脱水槽と、この洗濯兼脱水槽の内底部に配設された回転翼と、給水手段と、乾燥行程時に上記洗濯兼脱水槽内に上面開口から温風を供給し、前記水槽と連通する温風供給手段とを備え、上記乾燥行程において上記水槽と洗濯兼脱水槽との間の空間内に上記給水手段から洗濯物乾燥後の温風を冷却する水を上記洗濯兼脱水槽の側壁上面部に上記給水手段から冷却水を滴下するとともに上記洗濯兼脱水槽を回転させることを特徴とする洗濯乾燥機。
- 洗濯兼脱水槽の側壁上面部にリング状をしたバランサーを設け、このバランサーの上面に冷却水を滴下することを特徴とする請求項1記載の洗濯乾燥機。
- 上記水槽に上記洗濯兼脱水槽のバランサーの上面を覆うようリング状の防水板を設け、この防水板の下面と上記バランサーの上面にそれぞれリング状のリブを設け、これらリブは側面が互いに対向する高さを有していることを特徴とする請求項2記載の洗濯乾燥機。
Priority Applications (1)
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JP23340397A JP4008541B2 (ja) | 1997-08-29 | 1997-08-29 | 洗濯乾燥機 |
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1997
- 1997-08-29 JP JP23340397A patent/JP4008541B2/ja not_active Expired - Fee Related
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