JP4008540B2 - 転がり案内装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体を所定の軌道部材に沿って転がり案内する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の装置は、一般に、軌道部材と、その軌道部材に多数の転動体を介して移動自在に取り付けられる移動体とを有している。転動体は、軌道部材と移動体との間に形成される負荷転走路と、その負荷転走路と並行して移動体に設けられる戻し路と、負荷転走路と戻し路とを結ぶ一対の方向転換路とから構成される無限循環路に装填される。移動体が軌道部材に沿って移動するのに伴って、転動体は移動体からの負荷を受けつつ負荷転走路をその一端から他端まで転走し、その後、一方の方向転換路を経て戻し路へ導かれ、さらに他方の方向転換路を介して負荷転走路の一端に戻される。
【0003】
このような転がり案内装置においては、無限循環路の形状や寸法に関する正確性、例えば負荷転走路に対して戻し路や方向転換路が正しい位置に形成され、さらには通路の相互の継ぎ目に段差がないことが必要とされ、その正確性が低下すると転動体の円滑な循環が妨げられて移動体の動き不良、案内精度の劣化や騒音の発生等の不都合が生じる。
【0004】
そこで、本出願人は、高剛性の本体ブロックと、方向転換路等を構成するための型成形体とを一体にインサート成形して無限循環路の正確性を改善する装置を提案した(例えば特開平7−317762号公報参照)。但し、方向転換路に関しては、その内周案内部のみが型成形体の端部に設けられ、方向転換路の外周案内部は型成形体と別体の側蓋に形成される。そして、側蓋と型成形体とが相互に締結されることにより両案内部が組み合わされて方向転換路が構成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本体ブロックと型成形体とを一体に成形する場合、本体ブロックに設けられた負荷転走路形成用の転走溝またはその周辺に設けられる所定の基準面に対して戻し路や方向転換路が正しい位置に形成されるように型成形体の金型を構成している。このとき、移動体の両端部においては、まず本体ブロックの端面を上記の基準面に対して所定の精度で正確に加工し、その端面に対して型成形体の内周案内部を密着させて方向転換路の正確性を確保する。
【0006】
しかしながら、方向転換路の内周案内部は肉厚凸部として形成され、その内周案内部の周辺は薄肉に形成されるので成形ひずみが発生する。特に、負荷転走路に案内された転動体の保持部や戻し路をも型成形体に設ける場合には、型成形体の両端において方向転換路の内周案内部が本体ブロック側に引っ張られて成形ひずみが生じ易い。このような成形ひずみが発生すると、内周案内部が本体ブロックの端面に正確に密着しない。
【0007】
そして、従来の側蓋は型成形体に締結されるので、その側蓋に設けられた外周案内部は内周案内部に倣って嵌合する。従って、内周案内部に生じたひずみが側蓋の取り付けによって矯正されることはなく、内周案内部のひずみにより方向転換路の正確性が損なわれることになる。特に方向転換路と負荷転走路との継ぎ目の部分では、転動体が無負荷状態から負荷状態へあるいはその逆へと移行するため、その継ぎ目付近で方向転換路の正確性が損なわれると転がり案内装置の転動体の動き精度や騒音に与える影響が大きい。
【0008】
そこで、本発明は、成形ひずみの有無に拘わりなく方向転換路の正確性を確保できる転がり案内装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0010】
請求項1の発明は、軌道部材(2)と、軌道部材(2)に多数の転動体(3)を介して移動自在に取り付けられる移動体(4)と、を具備し、転動体(3)は、軌道部材(2)と移動体(4)との間に形成される負荷転走路(7)と、負荷転走路(7)と並行して移動体(4)に設けられた戻し路(8)と、負荷転走路(7)と戻し路(8)とを結ぶ方向転換路(9、9)とから構成される無限循環路(10)に装填され、移動体(4)は、軌道部材(2)と協働して負荷転走路(7)を規定する本体ブロック(30)と、本体ブロック(30)と一体に成形され、方向転換路(9)の内周側を規定する内周案内部(43)が設けられた型成形体(40)と、移動体(4)の両端に配置され、方向転換路(9)の外周側を規定する外周案内部(53)が設けられた側蓋(21、21)とを有する転がり案内装置(1)において、型成形体(40)には、本体ブロック(30)の端面(30c)に沿って内周案内部(43)の基部からその周囲に広がるつば部(46)が設けられ、つば部(46)は本体ブロック(30)の端面(30c)よりも小さく形成され、本体ブロック(30)の端面(30c)には露出部分が形成され、側蓋(21)は、つば部(46)を本体ブロック(30)の端面(30c)に押し付けつつ当該本体ブロック(30)における端面(30c)の露出部分と側蓋(21)とが当接する箇所にて締結手段(23、24)を用いて固定された転がり案内装置により、上述した課題を解決する。
【0011】
この発明によれば、側蓋(21)を本体ブロック(30)の端面(30c)に固定すると型成形体(40)のつば部(46)が本体ブロック(30)の端面(30c)に押し付けられ、それに伴って内周案内部(43)が本体ブロック(30)の端面(30c)に密着してそのひずみが矯正される。このため、内周案内部(43)と組み合わされる外周案内部(53)にもひずみが発生せず、方向転換路(9)の正確性が確保される。
【0012】
請求項2の発明では、請求項1の転がり案内装置において、型成形体(40)の内周案内部(43)には互いに平行な一対の面(45a、45a)を有する第1の二面幅部(45)が設けられ、側蓋(21)の外周案内部(53)には、内周案内部(43)の第1の二面幅部(45)と嵌合して内周案内部(43)と外周案内部(53)とを位置決めする第2の二面幅部(55)が設けられている。
【0013】
この発明によれば、側蓋(21)を本体ブロック(30)に装着すると内外の案内部(43、53)の二面幅部(45、55)が互いに嵌合して外周案内部(53)が内周案内部(43)に対して正確に位置決めされる。従って、方向転換路(9)の正確性、具体的に言えば、方向転換路(9)が転動体(3)の案内に適した正しい形状に形成され、しかも負荷転走路(7)や戻し路(8)に対して方向転換路(9)が正しい位置に形成されること、がより確実に保障される。
【0014】
請求項3の発明では、請求項1の転がり案内装置において、締結手段が、本体ブロック(30)に設けられる本体側締結部(23)と、側蓋(21)に係合しつつ本体側締結部(23)と結合される蓋側締結部(24)とを備えている。
【0015】
この発明によれば、側蓋(21)と剛性の高い本体ブロック(30)とが締結手段(23、24)にて直接に結合されるので大きな締結力を得ることができ、その締結力を利用して型成形体(40)の内周案内部(43)およびつば部(46)を本体ブロック(30)の端面(30c)に強固に押し付けることができる。
【0016】
請求項4の発明では、請求項1の転がり案内装置において、側蓋(21)には、本体ブロック(30)の端面(30c)と対向する取付面(50)と、その取付面(50)から後退してつば部(46)と当接するつば部押圧面(51)とが設けられ、締結手段(23、24)は取付面(50)が設けられた範囲内にて本体ブロック(30)と側蓋(21)とを結合する。
【0017】
この発明によれば、側蓋(21)の取付面(50)を本体ブロック(30)の端面(30c)に突き当てて側蓋(21)を本体ブロック(30)に対して正確に位置決めすることができる。側蓋(21)と本体ブロック(30)とを締結する力がつば部(46)から離れた位置に作用するので、つば部(46)に対する押圧力の局部的な集中を避けてつば部(46)を本体ブロック(30)に均一に押圧できる。
【0018】
本発明は、型成形体(40)が方向転換路(9)の内周案内部(43)およびつば部(46)のみを備えた構成に限定されない。すなわち、請求項5の発明では戻し路(8)が型成形体(40)に設けられ、請求項6の発明では負荷転走路(7)に導かれた転動体(3)を保持するための保持部(42)が型成形体(40)に設けられている。さらに、請求項7の発明では多数の転動体(3)が連結体(11)にて相互に連結され、無限循環路(10)には連結体(11)を案内する連結体案内部(12)が設けられている。軌道部材(2)や転動体(3)は種々の形態にて実施でき、請求項8の発明では、軌道部材が軌道レール(2)であり、転動体がボール(3)とされている。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1〜図3は本発明の一実施形態に係る転がり案内装置の組み立て状態を示すものである。この転がり案内装置1は、軌道部材としての軌道レール2と、その軌道レール2に多数の転動体としてのボール3…を介して移動自在に取り付けられた移動体4とを備えている。軌道レール2は概略矩形の断面を有する長尺の部材であり、その両側面にはボール3を受け入れ可能な負荷転走溝5…が左右二条ずつ軌道レール2の全長に亘って形成されている。なお、図示の軌道レール2は直線状であるが、曲線状のレールが使用されることもある。負荷転走溝5の本数は左右二条に限らず、左右一条あるいは左右合計で三条や四条等、転がり案内装置の用途等に応じて種々変更され得る。
【0020】
移動体4には負荷転走溝5とそれぞれ対向する四条の負荷転走溝6…が設けられている。これら負荷転走溝5、6の組み合わせにより、軌道レール2と移動体4との間に四条の負荷転走路7が形成されている。さらに、移動体4には、各負荷転走路7と並行して延びる四条の戻し路8…と、各戻し路8と負荷転走路4とを結ぶ方向転換路9…とが設けられている。1つの負荷転走路7および戻し路8と、それらを結ぶ一対の方向転換路9との組み合わせによって1つの無限循環路10が構成されている。
【0021】
各無限循環路10には、多数のボール3が連結体11により相互に連結された状態で装填されている。連結体11は、多数の間座11a…と、それらの間座11aを結ぶ一対のベルト11b、11bとを有しており、間座11a同士の間にボール3が収容されて保持されている。ベルト11bはボール3の側方に突出させて設けられ、無限循環路10にはベルト11b、11bの突出部分がそれぞれ摺動自在に嵌合する連結体案内溝(連結体案内部)12、12が設けられている。
【0022】
移動体4が軌道レール2に沿って移動するのに伴って、ボール3は移動体4からの負荷を受けつつ負荷転走路7をその一端から他端まで転走し、その後、一方の方向転換路9にすくい上げられて戻し路8へ導かれ、さらに反対側の方向転換路9を介して負荷転走路7の一端に戻される。このとき、連結体11のベルト11bが連結体案内溝12によって規定された一定の軌道に沿って無限循環路10内を移動するため、連結体11に保持されたボール3は無限循環路10内で蛇行することなく整然と循環する。
【0023】
図1に示すように、移動体4は、移動体本体20と、その両端に配置される側蓋21、21と、各側蓋21に組み付けられるシール22、22とを、シール22から移動体本体20のねじ穴23…に向けてねじ込まれる四本のボルト24…にて相互に組み合せて概略構成されている。ねじ穴23が締結手段の本体側締結部を、ボルト24が締結手段の蓋側締結部をそれぞれ構成する。図2に示すように移動体本体20と軌道レール2の上面2aとの間にはインナーシール25が、移動体本体20の下端と軌道レール2の側面2b、2bとの間にはサイドシール26、26がそれぞれ組み込まれている。なお、図2では、垂直中心線CLよりも右方に移動体本体20の端部の構成を、左方に移動体本体20の横断面上の構成をそれぞれ示している。
【0024】
図4に詳しく示すように、移動体本体20は、本体ブロック30と、左右一対の型成形体40、40とを備えている。本体ブロック30は、移動体4に対する荷重に耐えるよう鋼等にて構成された高剛性の構造体であり、その上面30aには本装置1による案内対象を固定するためのねじ穴31…が形成されている(図1参照)。側蓋21を取り付けるためのねじ穴23もこの本体ブロック30に形成されている。型成形体40は、本体ブロック30が設置された金型内に溶融樹脂を射出する、いわゆるインサート成形法により本体ブロック30と一体に成形されている。樹脂に代え、アルミニウム等の軽金属を用いて型成形体40がダイカスト成形されることもある。なお、図2、図4〜図8では本体ブロック30の一端側の構成のみを示すが、反対側については同様の構成であるためにその説明を省略する。
【0025】
上述した負荷転走溝6は、本体ブロック30の上面30aおよび側面30bをそれぞれ基準として本体ブロック30に所定の精度で形成されている(図4(c)参照)。本体ブロック30の両端面30cは上面30aを基準として所定の精度(直角度)に加工されている。型成形体40の成形工程では、型成形体40を射出成形するための金型がその内部に収容された本体ブロック30の負荷転走溝6を基準として所定精度に組み立てられ、その後に金型内に樹脂が射出されて型成形体40が成形される。
【0026】
本体ブロック30には負荷転走溝6と平行に延びる4つの貫通孔32…が形成され、それらの貫通孔32には型成形体40の管状部41が一体に成形されている。管状部41の内部には、戻し路8およびその戻し路8における連結体案内溝12が形成されている。型成形体40には負荷転走路7(図3参照)を挟み込むように保持部42…が形成され、それらの保持部42と本体ブロック30との間に負荷転走路7における連結体案内溝12が形成されている。移動体4が軌道レール2に取り付けられた状態ではボール3が保持部42から離間し、移動体4が軌道レール2から抜き取られると保持部42とボール3とが係合してボール3の脱落が防がれる。
【0027】
図4(a)、(b)に示すように、型成形体40、40のそれぞれには、本体ブロック30の端面30cからアーチ状に突出する内周案内部43…が形成されている。内周案内部43は、ボール3を受け入れる凹円弧状の案内溝44と、互いに平行な一対の面45a、45aを有する二面幅部45とを備えている。各内周案内部43の基部には、本体ブロック30の端面30cに沿って内周案内部43の周囲に広がるつば部46が形成されている。つば部46は管状部41および保持部42と一体に設けられている。従って、本体ブロック30の両端に形成された内周案内部43およびつば部46は、管状部41および保持部42を介して互いに結合される(図3参照)。
【0028】
つば部46は本体ブロック30の端面30cよりも小さく形成され、その上方および側方には本体ブロック30の端面30cが露出する。その露出部分に上述したねじ穴23が形成される。本体ブロック30の下部の二つのねじ穴23、23は上下一対の内周案内部43、43の中間位置に設けられ、つば部46、46にはそれらのねじ穴23、23を避けるように切欠部46a、46aが形成されている。
【0029】
図5(a)に示すように、側蓋21には、本体ブロック30に対する取付面50と、それよりも一段後退したつば部押圧面51と、上述したボルト24(図1参照)を挿通するための取付孔52…とが設けられている。取付面50には、上述したつば部46の切欠部46a、46aに対応してボス部50a、50aが設けられている。なお、図5(a)では、つば部押圧面52にハッチングを付してその範囲を示しているが、このハッチングは断面を意味するものではない。
【0030】
つば部押圧面52には、方向転換路9を構成するための四つの外周案内部53が設けられる。その外周案内部53を図5(b)に拡大して示す。外周案内部53は、ボール3を受け入れる凹円弧状の案内溝54と、互いに平行な一対の面55a、55aを有する二面幅部55と、二面幅部55と案内溝54との間に設けられた案内溝形成部、56とを有している。
【0031】
図6は側蓋21を本体ブロック30に取り付けた状態を示す。なお、図6(a)は図4の中心線Xに沿った断面を側蓋21が左側となる向きで示したものであり、同図(b)は(a)のVIb−VIb線に沿った断面を示している。これらの図に示すように、側蓋21を本体ブロック30に取り付けると内周案内部43と外周案内部53とが組み合わされてそれらの間に方向転換路9が形成される。このとき、各案内部43、53の二面幅部45、55が嵌合し、外周案内部53の案内溝形成部、56と内周案内部43の外周との間に方向転換路9における連結体案内溝12が形成される。
【0032】
図6から明らかなように、側蓋21のつば部押圧面51の取付面50からの深さと型成形体40のつば部46の厚さとは等しい。そのため、側蓋21を本体ブロック30に組み合せて上述したボルト24(図1参照)を本体ブロック30のねじ穴23にねじ込むと、側蓋21の取付面50が本体ブロック30の端面30cに締め付けられて側蓋21が本体ブロック30に対して正確に位置決めされる。これと同時に、つば部押圧面51がつば部46に突き当たってつば部46が端面30cに押し付けられる。これにより、つば部46およびそれと一体の内周案内部43が本体ブロック30の端面30cに正確に密着し、内周案内部43が所定の位置に正確に位置決めされる。そして、二面幅部45、55の嵌合により外周案内部53もひずみを生じることなく内周案内部43に対して正確に位置決めされる。
【0033】
従って、方向転換路9の正確性が確保され、さらには戻し路8および連結体案内溝12の正確性も確保されるので、無限循環路10全体の正確性が向上してボール3が円滑に循環する。特に無限循環路10の負荷領域と無負荷領域との移行部分に相当する方向転換路9と負荷転走路7との継ぎ目部分が正確に形成されるので、その継ぎ目部分でボール3が移動すべき方向に対して左右にふらついたり速度変動を生じることがなく、ボール3は無限循環路10の延びる方向に整然と移動する。従って、上述したふらつきや速度変動によってボール3が無限循環路10の壁面に衝突したりボール3、3同士が衝突して移動体4に微振動が生じることがなく、その結果として、移動体4が軌道レール2の長手方向に正確に案内されて移動体4の案内精度が向上し、移動体4の走行に伴う騒音の発生が防がれる。
【0034】
なお、本実施形態では、つば部46の上方および側方に本体ブロック30の端面30cを露出させているので、型成形体40を成形する際にその露出部分の端面30cを金型に密着させて本体ブロック30の外周側への湯切りを確実に行える。
【0035】
以上の実施形態では型成形体40に戻し路8および保持部42を形成したが、これらを省略して型成形体40に内周案内部43とつば部46のみを設けてもよい。この場合、図7に示すように本体ブロック30の端面30cに固定穴30dを形成し、型成形体40の成形時に固定穴30dと密着嵌合する突起46bをつば部46に一体に形成して型成形体40を本体ブロック30に保持させ、その上で側蓋21によりつば部46を端面30cに押し付けるとよい。戻し路8または保持部42のいずれか一方と、内周案内部43およびつば部46とを一体に設けてもよい。
【0036】
上述した実施形態では、軌道レールの両側に上下一対の負荷転走路が形成され、それらの負荷転走路に対して斜め上方および斜め下方に戻し路がそれぞれ配置される転がり案内装置について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、軌道レールの上面および側面にそれぞれ負荷転走路を配置したもの等、無限循環路の配置は種々変更可能である。転動体の連結体としての連結体は省略可能である。移動体の左右に配置された一対の型成形体をつば部により一体に連結してもよい。
【0037】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、本体ブロックに対する側蓋の締結力を利用して型成形体のつば部を本体ブロックの端面に押し付けて内周案内部を本体ブロックの端面に正確に密着させ、その状態で側蓋に設けられた外周案内部を内周案内部と組み合せて方向転換路を構成するようにしたので、型成形体の成形ひずみの有無に拘わりなく方向転換路の正確性が確保され、転動体の円滑な循環が保障される。特に無限循環路の負荷領域と無負荷領域との移行部分に相当する方向転換路と負荷転走路との継ぎ目部分が正確に形成されるので、その継ぎ目部分で転動体が移動すべき方向に対して左右にふらついたり速度変動を生じることなく、転動体は無限循環路の延びる方向に整然と移動する。従って、上述したふらつきや速度変動によって転動体が無限循環路の壁面に衝突したり転動体同士が衝突して移動体に微振動が生じることがなく、その結果として、移動体が軌道部材の長手方向に正確に案内されて移動体の案内精度が向上し、移動体の走行に伴う騒音の発生が防がれる。
【0038】
加えて、内周案内部および外周案内部にそれぞれ二面幅部を設けてこれらを嵌合させることにより、外周案内部を内周案内部に対して正確に位置決めして方向転換路の正確性をさらに向上させることができる。本体ブロックと側蓋とを締結手段にて直接結合することにより、内周案内部及びつば部を本体ブロックの端面に強固に締め付けることができる。側蓋の取付面を本体ブロックの端面に直接に突き当ててその取付面の設けられた範囲内にて締結手段により側蓋と本体ブロックとを結合した場合には、側蓋を正確に位置決めしつつ、型成形体のつば部を本他ブロックの端面に均等に押し付けて方向転換路の正確性をさらに向上させることができる。方向転換路のみならず無限循環路の戻し路やそれに併設される保持部の正確性をも向上させることができる。
【0039】
さらに、転動体を連結体に保持させる場合には、無限循環路に形成される連結体案内部の正確性も向上させて転動体をより円滑に循環させることができる。すなわち、連結体を用いる場合には、無負荷域から負荷域へ転動体が移動するとき、あるいはその逆に負荷域から無負荷域へと移動するときの負荷変動に拘わりなく各転動体を無限循環路の横断面(循環路の方向と直交する断面)内のほぼ中央位置に正確に保持しつつ走行させることができる。特に、転動体に徐々に予圧を加えるために負荷転走路の両端部を方向転換路に向かって徐々に拡大するいわゆるクラウニングを施した場合でも、そのような拡大された通路内で転動体を蛇行させることなく方向転換路から負荷転走路へ整然と移動させることができる。この結果、転動体の蛇行や速度変動による移動体の案内精度の劣化や騒音の発生を防止できる。このような連結体の効果は、方向転換路における連結体案内部の正確性を向上させる本発明により確実かつ顕著に発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る転がり案内装置の斜視図。
【図2】図1に示した転がり案内装置をその軌道レールと直交する面に沿って示した図。
【図3】図1に示した転がり案内装置の無限循環路を示す図。
【図4】図1の転がり案内装置を構成する移動体本体の構成を示す図で、(a)は移動体本体の端面側の構成を示す図、(b)は同図(a)の矢印IVb方向からみた状態を示す図、(c)は移動体本体の横断面図。
【図5】図4の移動体本体に組み付けられる側蓋の構成を示す図で、(a)は移動体本体との取付面側からみた状態を示す図、(b)は同図(a)のVb部を拡大して示した図。
【図6】図4の移動体本体と図5の側蓋とを組み合せて方向転換路を構成した状態を示す図で、(a)は図4(a)の中心線Xに沿った断面図、(b)は同図(a)のVIb−VIb線に沿った断面図。
【図7】型成形体の取付状態を変更した例を示す図。
【符号の説明】
1 転がり案内装置
2 軌道レール(軌道部材)
3 ボール(転動体)
4 移動体
7 負荷転走路
8 戻し路
9 方向転換路
10 無限循環路
11 連結体
12 連結体案内溝(連結体案内部)
20 移動体本体
21 側蓋
23 ねじ穴(締結手段の本体側締結部)
24 ボルト(締結手段の蓋側締結部)
30 本体ブロック
40 型成形体
43 内周案内部
45 二面幅部
46 つば部
50 側蓋の取付面
51 側蓋のつば部押圧面
53 外周案内部
55 二面幅部

Claims (8)

  1. 軌道部材と、
    前記軌道部材に多数の転動体を介して移動自在に取り付けられる移動体と、を具備し、
    前記転動体は、前記軌道部材と前記移動体との間に形成される負荷転走路と、前記負荷転走路と並行して前記移動体に設けられた戻し路と、前記負荷転走路と前記戻し路とを結ぶ方向転換路とから構成される無限循環路に装填され、
    前記移動体は、
    前記軌道部材と協働して前記負荷転走路を規定する本体ブロックと、
    前記本体ブロックと一体に成形され、前記方向転換路の内周側を規定する内周案内部が設けられた型成形体と、
    前記移動体の両端に配置され、前記方向転換路の外周側を規定する外周案内部が設けられた側蓋と
    を有する転がり案内装置において、
    前記型成形体には、前記本体ブロックの端面に沿って前記内周案内部の基部からその周囲に広がるつば部が設けられ、
    前記つば部は前記本体ブロックの前記端面よりも小さく形成され、前記本体ブロックの前記端面には露出部分が形成され、
    前記側蓋は、前記つば部を前記本体ブロックの前記端面に押し付けつつ当該本体ブロックにおける前記端面の露出部分と前記側蓋とが当接する箇所にて締結手段を用いて固定されていることを特徴とする転がり案内装置。
  2. 前記型成形体の前記内周案内部には互いに平行な一対の面を有する第1の二面幅部が設けられ、
    前記側蓋の前記外周案内部には、前記内周案内部の前記第1の二面幅部と嵌合して前記内周案内部と前記外周案内部とを位置決めする第2の二面幅部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の転がり案内装置。
  3. 前記締結手段は、前記本体ブロックに設けられる本体側締結部と、前記側蓋に係合しつつ前記本体側締結部と結合される蓋側締結部とを備えていることを特徴とする請求項1記載の転がり案内装置。
  4. 前記側蓋には、前記本体ブロックの端面と対向する取付面と、その取付面から後退して前記つば部と当接するつば部押圧面とが設けられ、
    前記締結手段は前記取付面が設けられた範囲内にて前記本体ブロックと前記側蓋とを結合することを特徴とする請求項1記載の転がり案内装置。
  5. 前記戻し路が前記型成形体に設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の転がり案内装置。
  6. 前記負荷転走路に導かれた前記転動体を保持するための保持部が前記型成形体に設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の転がり案内装置。
  7. 前記多数の転動体が連結体にて相互に連結され、前記無限循環路には前記連結体を案内する連結体案内部が設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の転がり案内装置。
  8. 前記軌道部材が軌道レールであり、前記転動体がボールであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の転がり案内装置。
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