JP4008234B2 - 金属検出機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検査体に混入した金属物を検出する金属検出機に関し、特に被検査体に混入した異物の形状や方向、材質によらず高感度にこの異物を検出できる金属検出機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
金属検出機は、被検査体に混入された金属が検査磁界に与える変化を検出することによって、被検査体に金属が混入しているか否かを判別している。
図8は、金属検出機における検出ヘッドの検出原理を示す図である。図8に示すように、従来では、中央の送信コイル51の前後に受信コイル52,53を配置した同軸型の検出ヘッド50が用いられている。
【0003】
上記検出ヘッド50では、各コイル51,52,53の内側に連続する検査空間S内において、中央の送信コイル51の交番磁界による磁束に交わる受信コイル52,53にそれぞれ位相が逆の誘起電圧V1,V2を発生させる。各受信コイル52,53は、送信コイル51に対して等しい距離に配置され、検査空間Sから被検査体Wが遠い位置にある非検出状態では誘起電圧V1,V2の大きさが等しく差が0となる。
【0004】
例えば、金属Mが混入した被検査体Wが、図8中A方向に進行して手前の受信コイル52内に移動すると、受信コイル52内の磁束密度が増し、逆に受信コイル53内の磁束密度が減少する。このため、受信コイル52の誘起電圧V1は、受信コイル53の誘起電圧V2よりも大きくなる。次いで、進行した被検査体Wが受信コイル53内まで移動すると、受信コイル52内よりも受信コイル53内の磁束密度の方が大きくなるため、誘起電圧V1より誘起電圧V2の方が大きくなる。このようにして、検出ヘッド50から出力される誘起電圧V1,V2同士の差の変化(磁界の揺らぎ)に基づいて、検査空間S内を通過した被検査体Wに金属Mが混入しているか否かを判定することができる。
【0005】
上述した従来の金属検出機で用いられている同軸型の検出ヘッド50では、例えば針形状や薄板形状の金属Mについて、上記形状の金属Mである磁性体が磁束に略直交する配置、あるいは上記形状の金属Mである非磁性体が磁束に沿う配置で被検査体Wに混入していた場合では、磁束の変化が少ないため誘起電圧V1,V2の差が小さく検出感度が落ちてしまう。すなわち、被検査体Wに混入している金属Mを検出できないおそれがある。
【0006】
そこで、図9に示す構成がある(特開平9−80162号公報)。被検査体Wの移動方向と平行に配置し、巻き方向が逆の2つのコイルを直列に接続した第1のコイル60(60a、60b)と、第1のコイル60a、60bと垂直に被検査体Wの移動経路を囲むように配置された第2のコイル61と、第2のコイル61を挟んで第1のコイル60と反対側に配置され、第1、第2のコイル60,61と鎖交する磁束を発生する磁界発生部62とを設けたものである。
【0007】
被検査体Wの移動時には、これら第1のコイル60と、第2のコイル61で受信した出力電圧を合成することにより、被検査物W中における金属等の異物検出時に検出信号を出力することができる。
この金属検出機では、第2のコイル61では左右方向の磁束を生じ、第1のコイル60では上下方向の磁束を生じる。そして、第2のコイル61の磁束に対して針形状や薄板形状の金属Mである磁性体が磁束に略直交する配置であっても、第1のコイル60側では、その磁束に対して沿う配置となるので、磁束の変化が多くなり、検出感度が良好となる。
【0008】
また、第2のコイル61の磁束に対して針形状や薄板形状の金属Mである非磁性体が磁束に沿う配置であっても、第1のコイル60側では、その磁束に対して直交する配置となるので、磁束の変化が多くなって検出感度が良好となる。
このような構成により、針形状等の異物混入時に、その材質、姿勢の影響を受けずに検出することができる。
【0009】
図10に示す構成は2組の検出ヘッドを設けてなる(特開2000−124862号公報)。図示のように、被検査体Wの搬送方向に対して1対の検出ヘッド70,71をそれぞれ角度αで対象状に傾斜させて配置したものである。このような構成により、針形状等の異物混入時に、その材質、姿勢の影響を受けずに検出することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図9、10いずれの構成においても、被検査体Wの搬送時に搬送位置に応じて被検査体Wを遮る磁界の向きが刻々と変動するため、影響を受け針形状の異物の検出感度が低下する問題を生じる。
また、感度向上の為には、受信レベル(電圧出力)で見て、被検査体Wに対し、針形状の異物が相対的に差分が大きい(即ちS/N比が大きい)必要がある。このように、従来の図9、10で示したような複数の異なる角度の検出ヘッドを配置するだけの構成では、被検査体Wの材質の違い、異物の形状、混入方向、等の変化に対応することができず、高精度な異物検出が行えなかった。
【0011】
そこで本発明は、上記課題を解消するために、異物の材質、形状、被検査体内での混入方向等に影響を受けず高感度にこの異物を検出することができる金属検出機を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明による請求項1記載の金属検出機は、被検査体Wを搬送させる所定長の搬送路と、
前記搬送路と直角をなす平面上に設けられる中央の送信コイル11と、前記中央の送信コイルの前後に該送信コイルと平行に設けられるそれぞれ逆巻きの一対の受信コイル12,13とが、前記被検査体の搬送方向に連続した検査空間Sを前記搬送路上に形成するように前記被検査体の搬送方向と同軸状に配置された同軸型検出ヘッド1と、
前記同軸型検出ヘッドの一側に設けられる送信コイル21と、該送信コイルに対向して前記同軸型検出ヘッドの他側に設けられるそれぞれ逆巻きの一対の受信コイル22,23とが、前記検査空間を挟むように前記搬送路の搬送方向に沿って対向配置され、前記同軸型検出ヘッドの磁束と直交する磁束を生じる対向型検出ヘッド2と、
前記同軸型検出ヘッドの送信コイル、及び対向型検出ヘッドの送信コイルにそれぞれ所定周波数の駆動信号を供給する発信器10,20と、
前記同軸型検出ヘッドの受信コイル、及び対向型検出ヘッドの受信コイルにそれぞれ接続され、受信コイルの誘起電圧を前記駆動信号の周波数別に検波して金属の有無を検出する検出回路31a,31bと、
前記発信器に供給する高周波、及び低周波の駆動信号を周波数制御する制御手段と、
を備え、
前記同軸型検出ヘッドと対向型検出ヘッドをそれぞれ高周波、及び低周波駆動し、計4つの検波出力を得て被検査体内の金属Mを検出する金属検出機において、
前記制御手段は、前記同軸型検出ヘッド及び前記対向型検出ヘッドに対して供給される高周波の駆動信号の周波数を相互干渉が無くなる程度の異なる周波数とし、かつ前記同軸型検出ヘッド及び前記対向型検出ヘッドに対して供給される低周波の駆動信号の周波数を相互干渉が無くなる程度の異なる周波数とするとともに、前記同軸型検出ヘッド及び前記対向型検出ヘッドに対して該高周波及び該低周波のこれらの異なる周波数の駆動信号を同時に供給することを特徴とする。
【0017】
上記構成によれば、被検査体Wの搬送中に、同軸型検出ヘッド1、及び対向型検出ヘッド2からそれぞれ高周波、及び低周波で駆動させることにより、各検出ヘッドはそれぞれ送信コイルと受信コイルとの間が平行磁界であり、被検査体Wの影響を抑えることができ金属Mを高精度に検出できるようになる。また、同軸型検出ヘッド1、及び対向型検出ヘッド2を、それぞれ高周波及び低周波で駆動させるため、金属Mの種類に影響を受けず、高精度の検出できるようになる。
なお、同軸型検出ヘッド1と対向型検出ヘッド2に対して供給される高周波の駆動信号の周波数を相互干渉が無くなる程度の異なる周波数とし、かつ低周波の駆動信号の周波数も相互干渉が無くなる程度の異なる周波数とされ、これら異なる4つの周波数の駆動信号が同時に供給される
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して具体的に説明する。
図1は本発明の金属検出機の検出ヘッドを示す概略図である。
図1に示すように、金属検出機は、同軸型検出ヘッド1と、対向型検出ヘッド2とを有している。同軸型検出ヘッド1は、図示しない搬送コンベア(被検査体W)の搬送方向と同軸状に配置され、対向型検出ヘッド2は、搬送コンベアの搬送方向に沿って(同軸型検出ヘッド1と直交する方向)に配置される。
【0019】
同軸型検出ヘッド1は、中央に送信コイル11の前後の同軸上に、それぞれ逆巻きの各受信コイル12,13を配置してなる。同軸型検出ヘッド1は、各コイル11,12,13の内側に連続する検査空間Sをなしている。同軸型検出ヘッド1は、発信器10により検査空間S内において送信コイル11の交番磁界により図中前後方向の磁束を発生させることにより、この磁束に交わる各受信コイル12,13にそれぞれ位相が逆の誘起電圧V1,V2を発生させる。各受信コイル12,13は、送信コイル11に対して等しい距離に配置され、非検出状態では誘起電圧V1,V2の大きさが等しく差が0となる。
【0020】
対向型検出ヘッド2は、同軸型検出ヘッド1の一側(上側)に送信コイル21を配置し、この送信コイル21に対向するように同軸型検出ヘッド1の他側(下側)に、それぞれ逆巻きの各受信コイル22,23を併設して配置してなる。対向型検出ヘッド2は、送信コイル21と各受信コイル22,23との間に前記検査空間Sをなしている。対向型検出ヘッド2は、発信器20により検査空間S内において送信コイル21の交番磁界により図中上下方向の磁束を発生させることにより、この磁束に交わる各受信コイル22,23にそれぞれ位相が逆の誘起電圧V3,V4を発生させる。
各受信コイル22,23は、送信コイル21に対して等しい距離に配置され、非検出状態では誘起電圧V3,V4の大きさが等しく差が0となる。この対向型検出ヘッド2は、検査空間Sにおいて、同軸型検出ヘッド1の磁束と直交する磁束を生じる。
【0021】
上記各検出ヘッド1,2は、検査空間S内に搬送コンベア(不図示)などの搬送手段が貫通するように配置され、略ロ字型の筐体内部に収容される。筐体は、金属(例えばアルミ合金やステンレス鋼)などの磁気シールドの材質で形成されている。そして、搬送コンベアによって被検査体Wを搬送して検査空間S内を通過させる。
【0022】
図2は、一方(同軸型検出ヘッド1)側の検出回路31aを示すブロック図である。他方の対向型検出ヘッド2も同様の検出回路31b(図1参照)を有する。
受信コイル12,13の出力は差動接続され、バッファ30を介して検出回路31aに入力され、直交の同期検波が行われる。一対の検波部32,33では互いに直交する位相で検波がなされ、バンドパスフィルタ34を介してそれぞれ磁化電流Jm、うず電流rotJが検出される。
図3は、被検査体Wと金属Mの磁化特性図であり、図において磁化電流JmはX座標、rotJはY座標方向の値となり、これらにより被検査体W、及び金属Mの磁化特性が得られ、両者の差分に基づき金属Mを検出することができる。
【0023】
上記構成の金属検出機では、同軸型検出ヘッド1において、金属等の金属Mが混入した被検査体Wが搬送手段によって図1中A方向に進行して手前の受信コイル12内に移動すると、受信コイル12内の磁束密度が増し、逆に受信コイル13内の磁束密度が減少する。このため、受信コイル12の誘起電圧V1は、受信コイル13の誘起電圧V2よりも大きくなる。次いで、進行した被検査体Wが受信コイル13内まで移動すると、受信コイル12内よりも受信コイル13内の磁束密度の方が大きくなるため、誘起電圧V1より誘起電圧V2の方が大きくなる。このようにして、同軸型検出ヘッド1から出力される誘起電圧V1,V2同士の差の変化(磁界の揺らぎ)に基づいて、検査空間S内を通過した被検査体Wに金属Mが混入しているか否かを判定することができる。
【0024】
また、対向型検出ヘッド2において、金属Mが混入した被検査体Wが搬送手段によって図1中A方向に進行して送信コイル21と手前の受信コイル22との間に移動すると、送信コイル21、受信コイル22間の磁束密度が増し、逆に送信コイル21、受信コイル23間の磁束密度が減少する。このため、受信コイル22の誘起電圧V3は、受信コイル23の誘起電圧V4よりも大きくなる。次いで、進行した被検査体Wが送信コイル21と受信コイル23との間に移動すると、送信コイル21、受信コイル22間よりも、送信コイル21、受信コイル23間の磁束密度の方が大きくなるため、誘起電圧V3より誘起電圧V4の方が大きくなる。このようにして、同軸型検出ヘッド2から出力される誘起電圧V3,V4同士の差の変化(磁界の揺らぎ)に基づいて、検査空間S内を通過した被検査体Wに金属Mが混入しているか否かを判定することができる。
【0025】
すなわち、本実施の形態の金属検出機では、被検査体Wに混入した金属Mが針形状や薄板形状で、且つ、Fe等の磁性体の場合、同軸型検出ヘッド1で生じる磁束に対して略直交する配置である時、対向型検出ヘッド2で生じる磁束に対して沿う配置となる。これにより、同軸型検出ヘッド1では磁束の変化が少なく誘起電圧V1,V2の差が小さいので金属Mの検出感度が落ちるが、対向型検出ヘッド2では磁束の変化が多く誘起電圧V3,V4の差が大きいので金属Mの検出感度が良好となる。
【0026】
逆に、同じく針形状や薄板形状で、且つ、磁性体の金属Mが同軸型検出ヘッド1で生じる磁束に対して沿う配置である時、対向型検出ヘッド2で生じる磁束に対して略直交する配置となる。これにより、対向型検出ヘッド2では磁束の変化が少なく誘起電圧V3,V4の差が小さいので金属Mの検出感度が落ちるが、同軸型検出ヘッド1では磁束の変化が多く誘起電圧V1,V2の差が大きいので金属Mの検出感度が良好となる。
【0027】
さらに、本実施の形態の金属検出機では、被検査体Wに混入した金属Mが針形状や薄板形状で、且つ、ステンレス(SUS)等の非磁性体の場合、同軸型検出ヘッド1で生じる磁束に対して沿う配置である時、対向型検出ヘッド2で生じる磁束に対して略直交する配置となる。これにより、同軸型検出ヘッド1では磁束の変化が少なく誘起電圧V1,V2の差が小さいので金属Mの検出感度が落ちるが、対向型検出ヘッド2では磁束の変化が多く誘起電圧V3,V4の差が大きいので金属Mの検出感度が良好となる。
【0028】
逆に、同じく針形状や薄板形状で、且つ、非磁性体の金属Mが同軸型検出ヘッド1で生じる磁束に対して略直交する配置である時、対向型検出ヘッド2で生じる磁束に対して沿う配置となる。これにより、対向型検出ヘッド2では磁束の変化が少なく誘起電圧V3,V4の差が小さいので金属Mの検出感度が落ちるが、同軸型検出ヘッド1では磁束の変化が多く誘起電圧V1,V2の差が大きいので金属Mの検出感度が良好となる。
【0029】
このように、上述した金属検出機は、互いに磁束が直交する同軸型検出ヘッド1および対向型検出ヘッド2を共に用いることで、一方の検出ヘッドで検出し難い針形状等の形状、及び被検査体Wへの混入方向にある金属Mであっても、他方の検出ヘッドで検出し、被検査体Wに混入した金属Mをもれなく検出する。
この際、同軸型検出ヘッド1の送信コイル11と受信コイル12,13、及び対向型検出ヘッド2の送信コイル21と受信コイル22,23との間は常時、平行磁界であり、被検査体Wが搬送移動されても、被検査体Wを遮る磁界の向きが不変であり、S/NのN(ノイズ)成分を小さくでき、金属Mを安定して検出できる。
【0030】
図4は、上記各検出ヘッドによる金属Mの検出原理を説明するための図である。(a)は同軸型、(b)対向型の各検出ヘッドであり、金属Mは図中A方向に搬送される。
(a)の同軸型検出ヘッド1においては、コイルの巻回方向に沿って金属Mの外周を磁化電流Jmが流れ、端面(搬送方向前、後端)でうず電流rotJが流れる。この際、磁化電流Jmが大きく、うず電流rotJが小さい。この場合、Fe等の磁性体に比してSUS等の非磁性体の方が検出感度が高くなる。
(b)の対向型検出ヘッド2では、同一の金属Mに対して、コイルの巻回方向に沿って金属Mの外周を磁化電流Jmが流れ、端面(上面、下面)でうず電流rotJが流れる。この際、磁化電流Jmが小さく、うず電流rotJが大きい。この場合、SUS等の非磁性体に比してFe等の磁性体の方が検出感度が高くなる。
【0031】
上記説明は、金属Mについてのみ説明したが、同様に被検査体Wについても同様に適用できる。例えば、ハム等の水分を含む被検査体Wは、異物と同様に所定の磁化特性を有する。
被検査体W内での金属Mの検出感度を向上させるためには、金属Mに磁化電流Jm、うず電流rotJが多く流れ、且つ、被検査体Wには磁化電流Jm、うず電流rotJができるだけ流れないことが必要である。
図3に示したように、ノイズ成分Nとなる被検査体Wの磁化特性に対し、検出成分Sとなる金属Mの磁化特性の差分ができるだけ大きく取ることにより金属Mの検出精度を向上できる。
【0032】
上記原理は、検出ヘッドにおける送、受信コイルの駆動周波数が同一の例であるが、Fe等の磁性体と、SUS等の非磁性体では、それぞれ最も受信レベルが高く検出可能な周波数が異なる。
図5は、材質別の周波数−受信レベル特性を示す図である。
磁性体のFeは、低周波数〜高周波数にかけてほぼ一定な受信レベルを有する。一方、非磁性体のSUSは比較的高周波帯域で受信レベルが高くなる。被検査体Wの例としてハムは、SUSより高周波帯域で受信レベルが高くなる。
図示の例で説明すると、被検査体W内の金属M(SUS)の検出は、高周波帯域での両者の受信レベルの差分に基づき行い、金属M(Fe)の検出は、比較的低周波帯域での両者の受信レベルの差分に基づき行う。
【0033】
図6は、本発明の同軸−対向検出ヘッドの構成における周波数別の検出感度特性を示す図である。
図中高周波とは数百kHz(範囲:数十kHz〜数MHz)であり、低周波とは数十kHz(範囲:直流〜数百kHz)である。
一般に高周波帯域においてはSUSに対する検出感度が高く、低周波帯域においてはFeに対する感度感度が高い。
(a)に示す同軸型検出ヘッド1では、縦長方向のSUSに対する検出感度が高く、横長方向のFeに対する検出感度が高い。
(b)に示す対向型検出ヘッド2では、横長方向のSUSに対する検出感度が高く、縦長方向のFeに対する検出感度が高い。
これらは、材質、及び上記磁界の発生方向別に、それぞれ金属Mに生じる磁化電流Jm、及びうず電流rotJの値に基づく特性である。
このように、同軸型検出ヘッド1と対向型検出ヘッド2を用いることにより、互いの検出感度を補完できる作用がある。
【0034】
ところで、上記構成の同軸型検出ヘッド1、対向型検出ヘッド2は、単一の検査空間S内においてそれぞれ磁界の発生方向が異なるため、互いが同一周波数で同時に測定することはできない。
したがって、本実施の形態では、同軸型検出ヘッド1と対向型検出ヘッド2を同時に作動させつつ、互いの検出が干渉せず、また、金属Mの種別、混入方向に影響を受けずにこの金属Mを検出する構成とする。このため、同軸型検出ヘッド1と対向型検出ヘッド2では、同時に同一の周波数を発生させないで金属Mを検出する構成とする。以下、各構成例について説明する。
【0035】
図7は、同軸、対向の各検出ヘッドの駆動周波数の関係を示すタイムチャートである。
(構成例1…2周波数時分割)
図7(a)に示す時分割制御は、同軸型検出ヘッド1を高周波駆動させる際、同時に対向型ヘッド2は低周波駆動させる。この後、同軸型検出ヘッド1を低周波駆動させる際、同時に対向型ヘッド2は高周波駆動させる。
【0036】
(構成例2…2周波数切り換え)
図7(b)に示す時分割制御は、同軸型検出ヘッド1側のみ高周波と低周波で駆動させる際、対向型ヘッド2を停止させる。この後、対向型検出ヘッド2のみ高周波と低周波で駆動させる際、同軸型ヘッド1を停止させる。
【0037】
上記の如く、高周波と低周波の各周波数を駆動する場合、発信器10、20は、それぞれ送信コイル11、21に対し、これら各周波数を個別あるいは重畳して駆動する。駆動信号は、FM、AM変調、位相変調等により、sin波、矩形波等を出力する。
受信側では、図2に記載した検出回路31aには、受信コイル12,13の出力に対し高周波、低周波用の検波部をそれぞれ並列に設ければよい。
【0038】
(構成例3…2周波数各独立)
図7(c)に示す時分割制御は、同軸型検出ヘッド1の高周波、低周波の駆動後、対向型検出ヘッド2の高周波、低周波を各独立して駆動させる。
いずれの時分割制御においても、所定の周期で上記駆動切換を行うが、この周期は被検査体Wの搬送速度に比して十分に高速に実行できる。なお、送信コイル11,21に対する駆動信号の時分割制御は、図示しない制御手段が実行するようになっている。
【0039】
(構成例4…全周波数同時)
上記は、いずれも時分割制御する構成であるが、本発明は時分割制御に限らない。例えば、同軸型検出ヘッド1の高周波、低周波の各周波数と、対向型検出ヘッド2の高周波、低周波の各周波数の値を全て異なる値とすれば、計4つの異なる周波数で全く同時に駆動させることができる。この場合、高周波、低周波いずれにおいても、例えば両者間で0.1kHzだけ周波数を相違させるだけで相互干渉が無く、実用化できる。
【0040】
上記構成によれば、被検査体Wの搬送中に、同軸型検出ヘッド1、及び対向型検出ヘッド2いずれも駆動させることができ、各検出ヘッドはそれぞれ送信コイルと受信コイルとの間が平行磁界であり、被検査体Wが搬送移動しても被検査体Wを遮る磁界の向きが不変であるため、被検査体W内に混入された金属Mの方向に影響を受けずこの金属Mを高精度に検出できるようになる。
加えて、同軸型検出ヘッド1、及び対向型検出ヘッド2を、それぞれ高周波及び低周波で駆動させるため、金属Mの種類(Fe等の磁性体、SUS等の非磁性体)、形状に影響を受けず、高精度の検出できるようになる。
【0041】
上記実施形態では、同軸型と対向型の検出ヘッドに対し、それぞれ高周波と低周波の2つの周波数を用いて時分割制御、及び全周波数が異なる周波数制御を実行する構成について説明した。
これに限らず、検出しようとする金属M、及び被検査体Wの特性に応じて2つ以上、例えば3つの周波数を用い、これらを時分割制御、及び全ての周波数が異なる周波数制御を実行する構成とすることもできる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように本発明による金属検出機は、同軸型と対向型の2つの検出ヘッドを用い、これら検出ヘッドはいずれも被検査体の搬送時に被検査体を遮る磁界の向きが一定であるため、安定した金属検出が行える。
また、同軸型検出ヘッド及び対向型検出ヘッドに対して供給される高周波の駆動信号の周波数を相互干渉が無くなる程度の異なる周波数とし、かつ同軸型検出ヘッド及び対向型検出ヘッド対して供給される低周波の駆動信号の周波数も相互干渉が無くなる程度の異なる周波数とするとともに、同軸型と対向型の検出ヘッドそれぞれが異なる周波数による高周波と低周波で同時に駆動され、金属の材質と、混入方向、形状等の影響を受けずに高精度な金属検出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属検出機の構成を示す概要図。
【図2】検出回路を示す回路図。
【図3】被検査体Wと金属Mの磁化特性図。
【図4】検出ヘッド別の金属材質の検出特性を説明するための図。
【図5】被検査体と金属の磁化特性を示す図。
【図6】検出ヘッド別の金属材質及び方向の検出特性を説明するための図。
【図7】検出ヘッドに対する周波数の時分割制御を示すタイミングチャート。
【図8】従来の検出ヘッドを示す斜視図。
【図9】従来の他の検出ヘッドを示す概略図。
【図10】従来の他の検出ヘッドを示す概略図。
【符号の説明】
1…同軸型検出ヘッド、2…対向型検出ヘッド、11,21…送信コイル、12,13,22,23…受信コイル、31a,31b…検出回路、W…被検査体、M…金属。

Claims (1)

  1. 被検査体(W)を搬送させる所定長の搬送路と、
    前記搬送路と直角をなす平面上に設けられる中央の送信コイル(11)と、前記中央の送信コイルの前後に該送信コイルと平行に設けられるそれぞれ逆巻きの一対の受信コイル(12,13)とが、前記被検査体の搬送方向に連続した検査空間(S)を前記搬送路上に形成するように前記被検査体の搬送方向と同軸状に配置された同軸型検出ヘッド(1)と、
    前記同軸型検出ヘッドの一側に設けられる送信コイル(21)と、該送信コイルに対向して前記同軸型検出ヘッドの他側に設けられるそれぞれ逆巻きの一対の受信コイル(22,23)とが、前記検査空間を挟むように前記搬送路の搬送方向に沿って対向配置され、前記同軸型検出ヘッドの磁束と直交する磁束を生じる対向型検出ヘッド(2)と、
    前記同軸型検出ヘッドの送信コイル、及び対向型検出ヘッドの送信コイルにそれぞれ所定周波数の駆動信号を供給する発信器(10,20)と、
    前記同軸型検出ヘッドの受信コイル、及び対向型検出ヘッドの受信コイルにそれぞれ接続され、受信コイルの誘起電圧を前記駆動信号の周波数別に検波して金属の有無を検出する検出回路(31a,31b)と、
    前記発信器に供給する高周波、及び低周波の駆動信号を周波数制御する制御手段と、
    を備え、
    前記同軸型検出ヘッドと対向型検出ヘッドをそれぞれ高周波、及び低周波駆動し、計4つの検波出力を得て被検査体内の金属(M)を検出する金属検出機において、
    前記制御手段は、前記同軸型検出ヘッド及び前記対向型検出ヘッドに対して供給される高周波の駆動信号の周波数を相互干渉が無くなる程度の異なる周波数とし、かつ前記同軸型検出ヘッド及び前記対向型検出ヘッドに対して供給される低周波の駆動信号の周波数を相互干渉が無くなる程度の異なる周波数とするとともに、前記同軸型検出ヘッド及び前記対向型検出ヘッドに対して該高周波及び該低周波のこれらの異なる周波数の駆動信号を同時に供給することを特徴とする金属検出機。
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