JP2010156643A - 金属持込持出検知装置 - Google Patents

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Tamotsu Inaba
保 稲葉
Kazuaki Hayashibe
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Abstract

【課題】 金属の存在の検知に止まらず、検知した金属の種類までも判別できる金属持込持出検知装置の提供をする。
【解決手段】 8の字巻線からなる差動サーチ部3の出力を増幅器10で増幅した上で、位相検波器12で直交検波して、これにより得られた同相成分信号X、直交成分信号Yを判別部13に送り、該判別部13が、これら成分信号より、金属の存在及びその金属の種類を判断し、該判断の結果を与えられる報知部14が判断結果を報知するようにした。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えばパチンコ或いはパチスロ店の出入口、航空機の搭乗口、多数の人が集まる会場の出入口等に設置されて、該出入口等を通過する金属を検知するのに利用される金属持込持出検知装置に係り、特に検知した金属の種類をも判別できるものに関する。
従来、金属持込持出検知装置或いは金属探知器では、各種の方式のものが実用に供されてきたが、最近はパルスインダクション方式のものが広く用いられている。当該方式では、励磁コイルにパルス電流を流しパルス状の磁界を発生させて、このパルス磁界により検知対象である金属に渦電流を流し、この渦電流による磁界をサーチコイル又は感磁性素子等によって検出することにより該金属の検知を行う構成になっている。
特開2003−161785号公報 特開平8−94306号公報 特開平7−218646号公報
ところで、上記のような従来の金属探知器は、パルスインダクション方式のものに限らず何れの方式のものでも、被探知金属の種類(例えば、アルミ合金、真鍮、銅といった種類)までは判別できなかった。
本願発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、金属の存在の検知に止まらず、検知した金属の種類までも判別できる金属持込持出検知装置の提供を目的としている。
請求項1の発明では、金属持込持出検知装置を以下のように構成した。
すなわち、少なくても、1の正弦波信号を得て当該正弦波信号を増幅した一定周波数の励磁用電圧信号を送出する電源部と、
上記電源部からの上記励磁用電圧信号を供給されて、上記一定の周波数の交番磁界を発生する励磁コイルと、
上記励磁コイルの一方の端面側に設けられて該端面との間に一定の間隔(以下、検知金属通過用間隔という)を空けて、該端面の概ね中央部に端面が対向(向合い平行になっているという意味で使う。以下において同様。)している8の字状に巻かれた巻線(数字の8の字としての上の半分に相当する部分を巻いた後に該部分と逆向きに下の半分の部分に相当する部分を巻くといった方法で巻いていった上下部同巻数の巻線であり、以下、8の字巻線という)からなる差動サーチ部と、
上記差動サーチ部で誘起されたサーチ出力信号を取込み、これを増幅して出力する増幅器と、
上記増幅器で増幅されたサーチ出力信号を入力すると共に、上記電源部からの上記正弦波信号および何れかの回路部からの該正弦波信号よりも位相がπ/2ラジアンだけ進んでいるπ/2ラジアン移相信号をそれぞれ取込み、取込んだこれら2つの信号を用いて該サーチ出力信号を直交検波し、同相成分信号と直交成分信号とを得て、これら2つの信号を送出する位相検波器と、
上記励磁コイルと差動サーチ部との間を金属が通過したときに、上記位相検波器よりの上記同相成分信号と直交成分信号とに基づき、金属の通過及び該金属の種類を判断して、判断結果に応じた検知信号を送出する判断部と、
上記検知信号を得て、検知信号に応じた報知動作をする報知部とを備える構成にした。
なお、上記位相検波器で用いるπ/2ラジアン移相信号(すなわち上記正弦波信号よりも位相がπ/2ラジアンだけ進んでいる信号)は、上記電源部を上記正弦波信号および該π/2ラジアン移相信号をも得られるものにして、得られた該信号を取込むようにしても良く、また、別にπ/2ラジアン移相器を設けて、これに上記電源部からの上記正波信号を取込み、これをπ/2ラジアンだけ進んだものにして上記π/2ラジアン移相信号を得て、該信号を用いるようにしても良い。この件については、以下の他の請求項の発明においても同様である。
請求項2の発明では、金属持込持出検知装置を以下のように構成した。
すなわち、少なくても、1の正弦波信号を得て、当該正弦波信号を増幅した一定周波数の励磁用電圧信号を送出する電源部と、
上記電源部からの上記励磁用電圧信号を供給されて、上記一定の周波数の交番磁界を発生する励磁コイルと、
上記励磁コイルの一方の端面側に設けられて該端面との間に一定の間隔(すなわち、検知金属通過用間隔)を空けて、該端面の概ね中央部にそれぞれの端面を対向し且つ互いに側面部が接している2つの同一コイル(材質、線径、巻数、形状、サイズの何れにおいても等しいコイルであり、以下においても同様)からなり、当該2つの同一コイルが、上記励磁コイルの作る上記交番磁界によりそれぞれのコイルに誘起する等しい誘起起電力を互いに相殺するように、接続(以下、このような接続を差動接続という)されてなる差動サーチ部と、
上記差動サーチ部で誘起されたサーチ出力信号を取込み、これを増幅して出力する増幅器と、
上記増幅器で増幅されたサーチ出力信号を入力すると共に、上記電源部から上記正弦波信号および何れかの回路部から該正弦波信号よりも位相がπ/2ラジアンだけ進んでいるπ/2ラジアン移相信号をそれぞれ取込んで、取込んだこれら2つの信号を用いて該サーチ出力信号を直交検波し、同相成分信号と直交成分信号とを得て、これら2つの信号を送出する位相検波器と、
上記励磁コイルと差動サーチ部との間を金属が通過したときに、上記位相検波器よりの上記同相成分信号と直交成分信号とに基づき、金属の通過及び該金属の種類を判断して、判断結果に応じた検知信号を送出する判断部と、
上記検知信号を得て、検知信号に応じた報知動作をする報知部とを備える構成にした。
請求項3の発明では、金属持込持出検知装置を以下のように構成した。
すなわち、少なくても、n個のそれぞれ異なった周波数F1、‥‥、Fn(ここで、F1<‥‥<Fn、で、且つF1以外の各周波数は2mF1となっている。なおnは2以上の整数で、mは1以上の整数である。以下においても同様)の正弦波信号を得て、これらn個の正弦波信号を加算して得られる信号を増幅した上で励磁用電圧信号として送出する電源部と、
上記電源部からの上記励磁用電圧信号を供給されて、交番磁界を発生する励磁コイルと、
上記励磁コイルの一方の端面側に設けられて該端面との間に前記検知金属通過用間隔を空けて、該端面の概ね中央部に端面を対向する8の字巻線からなる差動サーチ部と、
上記差動サーチ部で誘起されるサーチ出力信号を入力して増幅する増幅器と、
上記増幅器で増幅された上記サーチ出力信号をそれぞれ入力すると共に、上記電源部より上記n個の正弦波信号(周波数は、上記のようにそれぞれF1、‥‥、Fn)のそれぞれを1個ずつ取込み、更に取込んだ正弦波信号と同一周波数で位相がπ/2ラジアンだけ進んでいるπ/2ラジアン移相信号を何れかの回路部からそれぞれ取込み、取込んだこれら2種の信号を用いて、該サーチ出力信号を直交検波して、該サーチ出力信号の各周波数(周波数F1、‥‥、Fn)成分信号毎の同相成分信号と直交成分信号とをそれぞれ送出するn個の位相検波器と、
上記励磁コイルと差動サーチ部との間を金属が通過したときに、上記n個の位相検波器よりのn対の同相成分信号と直交成分信号とに基づき、1又は複数種の金属の通過及び当該通過した各金属の種類を判断して、判断結果に応じた検知信号を送出する判断部と、
上記検知信号を得て、検知信号に応じた報知動作をする報知部とを備える構成にした。
なお、この発明では、上記差動サーチ部からの上記サーチ出力信号を上記増幅器で増幅した後にn個の各位相検波器に入力する構成としたが、上記差動サーチ部からの上記サーチ出力信号を、上記n個の正弦波信号の周波数がそれぞれ中心周波数となっているn個のバンドパスフィルタを各通して、然る後にn個の増幅器で各増幅した後に、通過してきたバンドパスフィルタの中心周波数と同一周波数の上記正弦波信号を取込んでいる上記n個の位相検波器にそれぞれ入力する構成としてもよい。
上記n個の周波数F1、‥‥、Fnのうちの周波数F1以外の各周波数を上記の様に2mF1(mは1以上の整数)とするのは、上記n個の各位相検波器での他周波数信号(別系統の周波数信号)の影響を避けるためである。
請求項4の発明では、金属持込持出検知装置を以下のように構成した。
すなわち、少なくても、n個のそれぞれ異なった周波数F1、‥‥、Fnの正弦波信号を得て、これらn個の正弦波信号を加算して得られる信号を増幅した上で励磁用電圧信号として送出する電源部と、
上記電源部からの上記励磁用電圧信号を供給されて、当該励磁用電圧信号に対応した交番磁界を発生する励磁コイルと、
上記励磁コイルの一方の端面側に設けられて該端面との間に前記検知金属通過用間隔を空けて、該端面の概ね中央部にそれぞれ端面が対向した状態で互いに側面部を接し且つ前記差動接続されている2つの同一コイル(以下、このような2つの同一コイルを一体化して擬似8の字巻線という)からなる差動サーチ部と、
上記差動サーチ部で誘起されるサーチ出力信号を入力して増幅する増幅器と、
上記増幅器で増幅された上記サーチ出力信号をそれぞれ入力すると共に、上記電源部より上記n個の正弦波信号(周波数は、上記のようにそれぞれF1、‥‥、Fn)のそれぞれを1個ずつ取込み、更に取込んだ正弦波信号と同一周波数で位相がπ/2ラジアンだけ進んでいるπ/2ラジアン移相信号を何れかの回路部からそれぞれ取込み、取込んだこれら2種の信号を用いて、該サーチ出力信号を直交検波して、該サーチ出力信号の各周波数(周波数F1、‥‥、Fn)成分信号毎の同相成分信号と直交成分信号とをそれぞれ送出するn個の位相検波器と、
上記励磁コイルと差動サーチ部との間を金属が通過したときに、上記n個の位相検波器よりのn対の同相成分信号と直交成分信号とに基づき、1又は複数種の金属の通過及び当該通過した各金属の種類を判断して、判断結果に応じた検知信号を送出する判断部と、
上記検知信号を得て、検知信号に応じた報知動作をする報知部とを備える構成にした。
なお、この発明では、上記差動サーチ部からの上記サーチ出力信号を上記増幅器で増幅した後にn個の各位相検波器に入力する構成としたが、上記差動サーチ部からの上記サーチ出力信号を、上記n個の正弦波信号の周波数がそれぞれ中心周波数となっているn個のバンドパスフィルタを各通して、然る後にn個の増幅器で各増幅した後に、通過してきたバンドパスフィルタの中心周波数と同一周波数の上記正弦波信号を取込んでいる上記n個の位相検波器にそれぞれ入力する構成としてもよい。
請求項5の発明では、金属持込持出検知装置を以下のように構成した。
すなわち、少なくても、p個のそれぞれ異なった周波数f1、‥‥、fp(ここで、f1<‥‥<fpで、且つf1以外の各周波数は2mf1となっている。なおp及びmは1以上の整数である。以下においても同様)の正弦波信号を得て、これらp個の正弦波信号を加算して得られる信号を増幅した上で励磁用電圧信号として送出する電源部と、
中空巻線用枠に巻かれたコイルからなり、上記電源部からの上記励磁用電圧信号を供給されて、当該励磁用電圧信号に対応した交番磁界を発生する励磁コイルと、
上記励磁コイルが巻かれている中空巻線用枠に該励磁コイルに近接して巻かれている2つの同一コイルからなり、当該2つの同一コイルが、上記励磁コイルの作る上記交番磁界によりそれぞれのコイルに誘起する等しい誘起起電力を互いに相殺するように、接続されてなる差動サーチ部と、
上記差動サーチ部で誘起されるサーチ出力信号を入力して増幅する増幅器と、
上記増幅器で増幅された上記サーチ出力信号をそれぞれ入力すると共に、上記電源部より上記p個の正弦波信号(周波数は、上記のようにそれぞれf1、‥‥、fp)のそれぞれを1個ずつ取込み、更に取込んだ正弦波信号と同一周波数で位相がπ/2ラジアンだけ進んでいるπ/2ラジアン移相信号を何れかの回路部からそれぞれ取込み、取込んだこれら2種の信号を用いて、該サーチ出力信号を直交検波して、該サーチ出力信号の各周波数(周波数f1、‥‥、fp)成分信号毎の同相成分信号と直交成分信号とをそれぞれ送出するp個の位相検波器と、
上記中空巻線用枠の中空部を金属が通過したときに(例えば該中空部の中心線に略沿って通過したときに)、上記p個の位相検波器よりのp対の同相成分信号と直交成分信号とに基づき、1又は複数種の金属の通過及び当該通過した各金属の種類を判断して、判断結果に応じた検知信号を送出する判断部と、
上記検知信号を得て、検知信号に応じた報知動作をする報知部とを備える構成とした。
なお、この発明では、上記差動サーチ部からの上記サーチ出力信号を上記増幅器で増幅した後にp個の各位相検波器に入力する構成としたが、上記差動サーチ部からの上記サーチ出力信号を、上記n個の正弦波信号の周波数がそれぞれ中心周波数となっているp個のバンドパスフィルタを各通して、然る後にp個の増幅器で各増幅した後に、通過してきたバンドパスフィルタの中心周波数と同一周波数の上記正弦波信号を取込んでいる上記p個の位相検波器にそれぞれ入力する構成としてもよい。
また、上記n個周波数f1、‥‥、fpの周波数f1以外の各周波数を上記の様に2mf1(mは1以上の整数)とするのは、上記p個の各位相検波器での他周波数信号(別系統の周波数信号)の影響を避けるためである。
請求項6の発明では、金属持込持出検知装置を以下のように構成した。
すなわち、少なくても、n個のそれぞれ異なった周波数F1、‥‥、Fnの正弦波信号を得て、これらn個の正弦波信号を加算して得られる信号を増幅した上で励磁用電圧信号として送出する電源部と、
上記電源部からの上記励磁用電圧信号が後述の切替器を介して一定時間(後述の第1励磁コイルと第1差動サーチ部との間等の空間を検知対象の金属が移動通過するに要する時間に比較して十分に短い時間になっている。以下においても同様。)毎に一定時間供給され、その間、交番磁界を発生する第1励磁コイルと、
上記第1励磁コイルの一方の端面側に設けられて該端面との間に前記検知金属通過用間隔を空けて、該端面の概ね中央部にその端面を対向して配設されている8の字巻線からなる第1差動サーチ部と、
上記第1差動サーチ部を構成する8の字巻線が配設されている位置に、当該8の字巻線と互いに端面が平行になっている状態で上記第1励磁コイルの上記端面にその端面が対向するように配設されており、上記電源部からの上記励磁用電圧信号が後述の切替器を介して一定時間毎に一定時間供給され、その間、交番磁界を発生するコイルであり、上記第1励磁コイルと同一の形状・サイズ・巻数で且つ互いに鏡像関係になるように配置されている第2励磁コイルと、
上記第1励磁コイルが配設されている位置に、当該第1励磁コイルと互いに端面が平行になっている状態で、上記第2励磁コイルの上記端面の概ね中央部に端面が対向して配設されている8の字巻線あり、上記第1差動サーチ部を構成する8の字巻線と同一の形状・サイズ・巻数で且つ互いに鏡像関係になるように配置されている8の字巻線からなる第2差動サーチ部と、
上記電源部からの励磁用電圧信号を入力し、当該励磁用電圧信号を一定時間毎に一定時間、上記第1励磁コイル又は第2励磁コイルへ交互に切替えて供給すると共に当該励磁用電圧信号を第1励磁コイルに供給している間は第1差動サーチ部で誘起される第1サーチ出力信号を入力し、第2励磁コイルに供給している間は第2差動サーチ部で誘起される第2サーチ出力信号を入力し、入力したこれらの第1及び第2サーチ出力信号を、順次、サーチ出力信号として後述の増幅器に出力する切替部と、
上記切替部より出力されてくる上記サーチ出力信号(具体的には第1サーチ出力信号になっている時間と第2サーチ出力信号になっている時間が交互に一定時間続く信号)を入力して増幅する増幅器と、
上記増幅器で増幅された上記サーチ出力信号をそれぞれ入力すると共に、上記電源部より上記n個の正弦波信号(周波数は、上記のようにそれぞれF1、‥‥、Fn)のそれぞれを1個ずつ取込み、更に取込んだ正弦波信号と同一周波数で位相がπ/2ラジアンだけ進んでいるπ/2ラジアン移相信号を何れかの回路部からそれぞれ取込み、取込んだこれら2種の信号を用いて、該サーチ出力信号を直交検波して、該サーチ出力信号の各周波数(周波数F1、‥‥、Fn)成分信号毎の同相成分信号と直交成分信号とをそれぞれ送出するn個の位相検波器と、
上記第1励磁コイルと第1差動サーチ部との間等の空間を検知対象の金属が移動通過したときに、上記n個の位相検波器よりの第1サーチ出力信号に係るn対の同相成分信号と直交成分信号及び第2サーチ出力信号に係るn対の同相成分信号と直交成分信号に基づき、1又は複数種の金属の通過及び当該通過した各金属の種類を判断して、判断結果に応じた検知信号を送出する判断部と、
上記検知信号を得て、検知信号に応じた報知動作をする報知部とを備える構成とした。
なお、一対の励磁コイルと差動サーチ部とからなる装置の場合(請求項1から4の発明の場合)、検知対象の金属があまりにも差動サーチ部から遠い所を通過するとサーチ出力信号が大幅低下するが、この発明では、上記判断部が、例えば、第1及び2サーチ出力信号(それぞれの同相成分信号と直交成分信号を合成したもの)間の比率で、何れか一方のサーチ出力信号レベルを補正し、補正した後のサーチ出力信号を採用する方法等で、これを回避できる。
請求項7の発明では、金属持込持出検知装置を以下のように構成した。
すなわち、少なくても、n個のそれぞれ異なった周波数F1、‥‥、Fnの正弦波信号を得て、これらn個の正弦波信号を加算して得られる信号を増幅した上で励磁用電圧信号として送出する電源部と、
上記電源部からの上記励磁用電圧信号が後述の切替器を介して一定時間毎に一定時間供給され、その間、交番磁界を発生する第1励磁コイルと、
上記第1励磁コイルの一方の端面側に設けられて該端面との間に前記検知金属通過用間隔を空けて、該端面の概ね中央部にその端面を対向して配設されている前記擬似8の字巻線からなる第1差動サーチ部と、
上記第1差動サーチ部を構成する擬似8の字巻線が配設されている位置に、当該擬似8の字巻線と互いに端面が平行になっている状態で上記第1励磁コイルの上記端面にその端面が対向するように配設されており、上記電源部からの上記励磁用電圧信号が後述の切替器を介して一定時間毎に一定時間供給され、その間、交番磁界を発生するコイルであり、上記第1励磁コイルと同一の形状・サイズ・巻数で且つ互いに鏡像関係になるように配置されている第2励磁コイルと、
上記第1励磁コイルが配設されている位置に、当該第1励磁コイルと互いに端面が平行になっている状態で、上記第2励磁コイルの上記端面の概ね中央部に端面が対向して配設されている擬似8の字巻線あり、上記第1差動サーチ部を構成する擬似8の字巻線と同一の形状・サイズ・巻数で且つ互いに鏡像関係になるように配置されている擬似8の字巻線からなる第2差動サーチ部と、
上記電源部からの励磁用電圧信号を入力し、当該励磁用電圧信号を一定時間毎に一定時間、上記第1励磁コイル又は第2励磁コイルへ交互に切替えて供給すると共に当該励磁用電圧信号を第1励磁コイルに供給している間は第1差動サーチ部で誘起される第1サーチ出力信号を入力し、第2励磁コイルに供給している間は第2差動サーチ部で誘起される第2サーチ出力信号を入力し、入力したこれらの第1及び第2サーチ出力信号を、順次、サーチ出力信号として後述の増幅器に出力する切替部と、
上記切替部より出力されてくる上記サーチ出力信号(具体的には第1サーチ出力信号になっている時間と第2サーチ出力信号になっている時間が交互に一定時間続く信号)を入力して増幅する増幅器と、
上記増幅器で増幅された上記サーチ出力信号をそれぞれ入力すると共に、上記電源部より上記n個の正弦波信号(周波数は、上記のようにそれぞれF1、‥‥、Fn)のそれぞれを1個ずつ取込み、更に取込んだ正弦波信号と同一周波数で位相がπ/2ラジアンだけ進んでいるπ/2ラジアン移相信号を何れかの回路部からそれぞれ取込み、取込んだこれら2種の信号を用いて、該サーチ出力信号を直交検波して、該サーチ出力信号の各周波数(周波数F1、‥‥、Fn)成分信号毎の同相成分信号と直交成分信号とをそれぞれ送出するn個の位相検波器と、
上記第1励磁コイルと第1差動サーチ部との間等の空間を検知対象の金属が移動通過したときに、上記n個の位相検波器よりの第1サーチ出力信号に係るn対の同相成分信号と直交成分信号及び第2サーチ出力信号に係るn対の同相成分信号と直交成分信号に基づき、1又は複数種の金属の通過及び当該通過した各金属の種類を判断して、判断結果に応じた検知信号を送出する判断部と、
上記検知信号を得て、検知信号に応じた報知動作をする報知部とを備える構成とした。
以上詳述したように、本願発明は、金属の存在の検知に止まらず、検知した金属の種類までも判別できる金属持込持出検知装置の提供を可能とする。
以下、図面に基づいて本発明を実施するための最良の実施の形態を説明する。 図1は、本実施の形態の大まかな構成を説明するための図である。電源部1は、内蔵している発振器(図示せず)より一定周波数の正弦波信号を得て、当該正弦波信号を増幅した励磁用電圧信号を送出する回路部である。励磁コイル2は、該励磁コイル2の各部に付されている符号a、b、c、d、aの各点に沿って順次多数回にわたり金属線材が矩形状に巻かれてなるコイルで、上記電源部1からの上記励磁用電圧信号を供給されて、上記一定の周波数の交番磁界を発生する。
差動サーチ部3は、同図において、その各部に付されている符号a、b、c、o、d、e、f、g、o、h、a(これらの各点は1平面上にある。)の点に沿って順次巻かれた角張った8の字状の巻線(即ち数字の8の字としての上の半分に相当する部分を巻いた後に該部分と逆向きに下の半分の部分に相当する部分を巻くといった方法で巻いていった巻線で、両部分が同巻数で、且つ両部分の端面が同形・同サイズの巻線である。以下、この巻線を8の字巻線といい、符号a、b、c、o、h、aが付されている巻線部を甲巻線部と言い、符号d、o、g、f、e、dが付されている巻線部を乙巻線部という。なお、交差点oで交差する各線材は電気的に接続しておらず、また、符号c、o、dが付された直線的部分と符号g、o、hが付された直線的部分とは、説明の都合で同図のように描いているが、実際は極めて接近しており略接している。上記8の字巻線の端面は、励磁コイル2の端面に平行で、両端面間には一定の間隔即ち検知金属通過用間隔6を設けられており、且つ8の字巻線の端面は、励磁コイル2の端面の概ね中央部に対向している。
検知回路部4は、金属5が、同図に点線で示す通過路6aに沿って通過したときに(即ち金属5が上記甲乙両巻線部の前を通過したときに)、上記差動サーチ部3からのサーチ出力信号(差動サーチ部3から出力されてくる信号は、上記のような金属の通過がない限り0レベルになっており信号として無意味なものであるが、便宜上この0レベルのものをも含めサーチ出力信号という)より該金属5の上記通過等を検知して、その旨を報知する電気回路部である。なお、後に詳述するように該検知回路部4中の位相検波器等で用いられる上記正弦波信号が、同図に示すように、電源部1より該検知回路部4に与えられている。
図2は、本実施の形態における上記検知回路部4内の電気回路構成を他の構成部(上記電源部1、励磁コイル2及び差動サーチ部3等)との関係で示す図であり、増幅器10は、上記サーチ出力信号を増幅して出力する回路である。
π/2ラジアン移相器11は、上記電源部1からの前記正弦波信号を入力し、該正弦波信号よりも位相がπ/2ラジアンだけ進んでいるπ/2ラジアン移相信号を得て、このπ/2ラジアン移相信号を出力する回路である。位相検波器12は、上記増幅器10で増幅された上記サーチ出力信号を入力すると共に、上記電源部1からの上記正弦波信号および上記π/2ラジアン移相器11からのπ/2ラジアン移相信号を取込み、取込んだこれら2つの信号を用いて該サーチ出力信号を直交検波し同相成分信号Xと直交成分信号Yとを得て、これら2つの信号を送出する回路である。
判断部13は、予めプログラム及び金属の種類毎のサーチ出力信号の位相変調程度データを記憶しており、該プログラム及びデータに基づき、上記位相検波器12よりの上記同相成分信号X及び直交成分信号Yを入力して観察し続け、上記通過路6aに略沿って金属が通過したときには、これら両成分信号から、金属が通過したと判断し、上記サーチ出力信号における位相変調の程度を検知してこれと上記データとより通過した金属の種類を判断し、判断結果に応じた検知信号を送出する回路である。
報知部14は上記検知信号を得て、検知信号に応じた報知動作、例えば、アラーム音の発生及び液晶表示パネルへの金属名の表示をする回路部である。
以下、上記実施の形態の動作について説明する。先ず、図1に示す通過路6a近辺を金属が通過していないときについて説明する。
電源部1からの前記励磁用電圧信号を得て、励磁コイル2は、前記一定周波数の交番磁界を発生する。この交番磁界に係る磁束は、上記差動サーチ部3の8の字巻線の甲乙両巻線部と鎖交する。甲乙両巻線部は、前述のように同形・同サイズ・同巻数になっており、且つ該8の字巻線が配設されている位置近傍では、磁束密度が均一になっているため、甲乙両巻線部での磁束鎖交数は、等しくなっている(従って、磁束鎖交数の時間変化即ち起電力も等しくなっている)。しかし甲乙両巻線部では、前述のように巻線の向きが逆になっている。このため、甲乙両巻線部にそれぞれ誘起される起電力は、等しく且つ逆向きとなり相殺されて、前記サーチ出力信号は0レベルとなる。このため、該サーチ出力信号が検知回路部4の増幅器10で増幅されて位相検波器12で直交検波されても、該位相検波器12から判別部13に送られる前記同相成分信号及び直交成分信号は何れも0レベルとなり、該判別部13は意味のある判断を実行できず、報知部14へ意味のある判断信号を送ることはない。このため報知部14は、報知動作を全く行わない。
次に、上記通過路6aに略沿って金属5が通過したときについて説明する。
この場合も、電源部1からの前記励磁用電圧信号を得て、励磁コイル2は、前記一定周波数の交番磁界を発生する。この交番磁界に係る磁束は、上記差動サーチ部3の8の字巻線の甲乙両巻線部と鎖交するが、上記の場合と同様に、この鎖交によるサーチ出力信号はゼロレベルとなる(すなわち、出てこない)。しかしこの場合は、通過中の金属5に渦電流(励磁用電圧信号と同一周波数で流れる方向が変わっている)が発生し、この渦電流による交番磁束(これも励磁用電圧信号と同一周波数で方向が変わっている)が移動する金属5の近傍にのみ発生する。そして、金属5が、上記8の字巻線の甲乙両巻線部に比較して小さいので、当該交番磁束は局所的なものとなり、特異な場合(金属5が甲乙両巻線部の境界部近傍を通過している場合)を除いて、当該交番磁束との磁束鎖交数は甲巻線部と乙巻線部で異なったものとなる。このため、甲乙両巻線部にそれぞれ誘起する起電力は、一般には相等しいものにはならず、従って相殺されず、前記サーチ出力信号は、図3に示すようなもの即ち意味のあるものとなる。この図においてサーチ出力信号の振幅が最大になる2カ所はそれぞれ金属5が甲乙両巻線部の各中央部近傍(前方)にきたときに対応し、中央で振幅がゼロになる所は金属5が甲乙両巻線部の境界部近傍(前方)にきたときに対応する。
上記サーチ出力信号は、検知回路部4の増幅器10で増幅されて位相検波器12に与えられる。位相検波器12は、この増幅されたサーチ出力信号を、電源部1からの前記正弦波信号およびπ/2ラジアン移相器11からの前記π/2ラジアン移相信号を用いて、直交検波し同相成分信号Xと直交成分信号Yとを得て、これら2つの信号を判断部13に送出する。
判断部13は、予め記憶しているプログラム及び金属の種類毎の該位相変調程度データに基づき、上記位相検波器12よりの上記同相成分信号X及び直交成分信号Yを入力して観察し続け、上記金属の通過があったときには、これら両成分信号が存在している(ゼロレベルでないこと)から、金属が通過したと判断し、 同相成分信号Xに対する直交成分信号Yの比率等すなわちサーチ出力信号における位相変調の程度を算出して、この位相変調程度から通過した金属の種類を判断する。
この場合、励磁コイルに流れる電流及びこれによる励磁用の交番磁束の位相は上記励磁用電圧信号の位相より90度遅れ(励磁コイルの抵抗は小さいので無視する)、前記金属5に発生する前記渦電流に係る起電力の位相は、更に90度遅れ、該渦電流及びこれによる交番磁束の位相は、当該金属5における渦電流用の仮想的な回路の抵抗及びインダクタンスで定まるインピーダンスにより変化する位相(90度以下)だけ更に遅れて、そして8の字巻線の一方の巻線部での起電力の位相は、更に90度だけ遅れる(他方の巻線部での起電力の位相はこれを180度回転したものになる。)。
例えば、上記、上記励磁用電圧信号の位相を基準として、これをXY座標系の正のX軸上の回転ベクトルで表すと、結局、上記8の字巻線の一方の巻線部での起電力の位相は、(90+90+90以下で0度以上+90)度だけ遅れて、第1象限に先端を持つ回転ベクトルで表される(当然に他方の巻線部での起電力の位相は、第3象限に先端を持つ回転ベクトルで表される)。従って、上記励磁用電圧信号の位相と8の字巻線の一方の巻線部での起電力の位相との間の位相差は上記金属5の抵抗及びインダクタンスで定まるインピーダンス(位相だけに着目し、より具体的に言うと抵抗及とインダクタンスとの比)により決まり、これらはそれぞれ金属5の金属材料特有の抵抗率と透磁率により決まる。結果的に、サーチ出力信号の位相変調程度も金属の種類毎により変化する。そのため、金属の種類毎の該位相変調程度データを予め記憶しているこの判断部13は、該データを参照して通過した金属の種類を判断できることになる。
そして、該判断部13は、判断結果に応じた検知信号を送出し、報知部14は該検知信号を得て、検知信号に応じた報知動作、例えば、アラーム音の発生及び液晶表示パネルへの金属名の表示をする。
なお、我々の実験によると、励磁コイルを巻数20の矩形状(縦80センチ、横100センチ)のものとして、8の字巻線の甲巻線部及び乙巻線部のそれぞれを巻数20の矩形状(縦80センチ、横50センチ)のものとして、励磁コイルと8の字巻線との間を1メートルとして、その間を各種金属が該励磁コイル及び8の字巻線の端面に略平行に約2秒(時速1、8km)で通過したときの位相変調程度(移相角、即ち同相成分信号Xに対する直交成分信号Yの比率のアークタンジェント)は、以下のようになる。
即ち、スチールでは159°(500Hz)、32°(12kHz)、アルミ合金(アルミの空缶)では65°(500Hz)、77°(12kHz)、銅では38°(500Hz)、78°(12kHz)となる。ここで括弧内の周波数は、励磁用電圧信号の周波数である。
上記実施の形態では、差動サーチ部3として、8の字巻線を用いたが、図4に示すような互いに接している2つの前記同一コイル3aおよび3bで構成されたものを用いてもよい。前記の様に当該2つの同一コイル3aおよび3bは、励磁コイル2の作る交番磁界(金属が磁界を乱していない場合であることが前提)によりそれぞれのコイルに誘起する等しい誘起起電力を互いに相殺するように、結線(差動接続)されている。即ち同図に示すように、一方のコイル3aは端子lに接続しているm点部から開始されp、o、n、mの各点部に沿ってという具合に巻いていき、最後のm点部を端子qに接続され、他方のコイル3bは端子rに接続しているs点部から開始されv、u、t、sの各点部に沿ってという具合に巻いていき、最後のs点部を端子wに接続し、更に端子qと端子rとを接続するという具合に構成されている。
次に、本発明の第2の最良の実施の形態を説明する。図5は、本実施の形態の大まかな構成を説明するための図である。電源部21は、内蔵している2個の発振器(図示せず)よりそれぞれ16kHzおよび128kHz(これは、もう一方の16kHzを2の3乗倍したものになっている)の正弦波信号を得て、当該2つの正弦波信号を加算した上で増幅した励磁用電圧信号を送出するする回路部である。励磁コイル22は、前記の実施の形態における励磁コイル2と同様のものであり、上記電源部21からの上記励磁用電圧信号を供給されて、交番磁界を発生する。
差動サーチ部23は、前記の実施の形態における差動サーチ部3と同様の8の字巻線からなり、励磁コイルとの位置関係も前記のものと同様になっている。バンドパスフィルタ30a及びバンドパスフィルタ30bは、通過帯域の中心周波数がそれぞれ上記の16kHz及び128kHzとなっているバンドパスフィルタである。
増幅器31a及び増幅器31bは、それぞれバンドパスフィルタ30a及びバンドパスフィルタ30bを通過してきたサーチ出力信号(正確には、該信号の16kHz周波数成分及び128kHz周波数成分であるが、表現の便宜上、サーチ出力信号ともいう)を入力して増幅する回路である。π/2ラジアン移相器32a及びπ/2ラジアン移相器32bは、それぞれ電源部21からの前記16kHz及び128kHzの正弦波信号を入力して、それらをπ/2ラジアンだけ位相を進めたπ/2ラジアン移相信号にして送出する回路である。
位相検波器33aは、増幅器31aを通過してきたサーチ出力信号を、電源部21からの16kHzの正弦波信号とπ/2ラジアン移相器32aからのπ/2ラジアン移相信号(これも16kHz)とを用いて、直交検波して、該信号の同相成分信号X1と直交成分信号Y1とを送出する回路である。位相検波器33bは、増幅器31bを通過してきたサーチ出力信号を、電源部21からの128kHzの正弦波信号とπ/2ラジアン移相器32bからのπ/2ラジアン移相信号(これも128kHz)とを用いて、直交検波して、該信号の同相成分信号X2と直交成分信号Y2とを送出する回路である。
判別部34は、予め記憶されているプログラム(前記実施の形態における判断部13のプログラムと同一原理を利用して構成されている)及び金属の種類毎のサーチ出力信号の位相変調程度データ(このデータは、前記正弦波信号の周波数16kHz、128kHz毎に記憶している)基づき、上記位相検波器33a、33bよりの上記同相成分信号X1、X2及び直交成分信号Y1、Y2を入力して観察し続け、1又は2種の金属の通過があったときには、これら成分信号の態様から、金属の通過及びその金属の種類を判断をし、判断結果に応じた検知信号を送出する回路である。
報知部14は上記検知信号を得て、検知信号に応じた報知動作、例えば、アラーム音の発生及び液晶表示パネルへの金属名の表示をする回路である。
次に、上記実施の形態の動作について説明する。先ず、前記通過路26a近辺を金属25が通過していないときについて説明すると、16kHzおよび128kHzの正弦波信号を加算及び増幅した励磁用電圧信号が、電源部21から励磁コイル22へ供給される。これにより、励磁コイル22からは該信号を反映した交番磁界が発生する。この交番磁界に係る磁束は、前記実施の形態と同様に、差動サーチ部23の8の字巻線の甲乙両巻線部(甲乙巻線部に関しては前記実施の形態と同様とする)と鎖交する。前記実施の形態と同様に、甲乙両巻線部では、巻線の向きが逆になっているため、甲乙両巻線部にそれぞれ誘起される起電力は、等しく且つ逆向きとなり相殺されて、前記サーチ出力信号は0レベルとなる。
このため、該サーチ出力信号が、検知回路部24に入力して、それぞれバンドパスフィルタ30aおよび30bで濾波されて増幅器31aおよび31bで増幅されて位相検波器33aおよび33bで直交検波されても、これらの位相検波器から判別部34に送られる前記同相成分信号X1、X2及び直交成分信号Y1、Y2は、全て0レベルとなり、該判別部34は意味のある判断を実行できず、報知部35へ意味のある判断信号を送らない。このため報知部35は、報知動作を全く行わない。
次に、図5に示す通過路26aに略沿って金属25が通過したときについて説明する。
この場合も、電源部21からの前記励磁用電圧信号を得て、励磁コイル22は、交番磁界を発生する。この交番磁界に係る磁束は、上記差動サーチ部23の8の字巻線の甲乙両巻線部と鎖交する。しかしこの場合は、金属25の通過に起因して、甲乙両巻線部での磁束鎖交数は、上記金属25の通過の間、異なったものとなる。このため、その間は甲乙両巻線部にそれぞれ誘起する起電力は、相等しいものにはならず、従って相殺されず、前記サーチ出力信号は、0以外のレベルのもの即ち意味のあるものとなる。
上記サーチ出力信号は、バンドパスフィルタ30aおよび30bで濾波されて、それぞれサーチ出力信号の16kHz周波数成分と128kHz周波数成分として取出される。これらの成分信号は、それぞれ増幅器31aおよび31bで増幅されて位相検波器33aおよび33bで直交検波される。即ち位相検波器33aは、16kHz周波数成分(上記金属25がスチールのときに大きく位相変調される)を、電源部21からの16kHzの正弦波信号およびπ/2ラジアン移相器32aからの16kHzのπ/2ラジアン移相信号を用いて、直交検波し同相成分信号X1と直交成分信号Y1とを得て、これら2つの信号対を判断部34に送出する(この場合、該金属がスチールのときに、同相成分X1、直交成分Y1を合成したものは、ある程度の大きさを持つが他の金属に係るこの種の合成値は無視できる程度に小さい)。
また、位相検波器33bは、上記128kHz周波数成分(上記金属25が真鍮のときに大きく位相変調される)を、電源部21からの128kHzの正弦波信号およびπ/2ラジアン移相器32bからの128kHzのπ/2ラジアン移相信号を用いて、直交検波し同相成分信号X2と直交成分信号Y2とを得て、これら2つの信号を判断部34に送出する(この場合も、該金属が真鍮のときに、同相成分X2、直交成分Y2を合成したものは、ある程度の大きさを持つが他の金属に係るこの種の合成値は無視できる程度に小さい)。
判断部34は、予め設定されている上記プログラム及びデータに基づき、上記位相検波器33a、33bよりの上記同相成分信号X1、直交成分信号Y1および同相成分信号X2、直交成分信号Y2を観測及び処理することにより、金属が通過したこと及びその金属の種類の判断し(判断手法は、第1の最良の実施の形態の場合と同様である。)、判断結果に応じた検知信号を送出する。報知部35は上記検知信号を得て、検知信号に応じた報知動作、例えば、アラーム音の発生及び液晶表示パネルへの金属名の表示をする。
次に、本発明の第3の最良の実施の形態を説明する。本実施の形態は、前記の第2の実施の形態と比較すると、励磁コイル及び差動サーチ部の構成、配置が異なっているだけで、他は同様になっている。以下、この異なっている励磁コイル及び差動サーチ部の構成、配置について説明する。
図6は、本実施の形態の励磁コイル42及び差動サーチ部(サーチコイル43a、43bからなる)の構成等を説明するための図である。同図に示すように、励磁コイル42及び差動サーチ部を構成するサーチコイル43a、43bの3つコイルは矩形状の中空巻線用枠40に互いに近接して巻かれており、励磁コイル42はサーチコイル43aと43bとの間に巻かれている(なお、巻順は、これに限る必要はない)。
また、サーチコイル43aと43bとは、励磁コイル42により発生する交番磁界に起因して両コイルに誘起する起電力が互いに相殺されるように接続されて差動サーチ部を構成する。
上記のような励磁コイル42は、前記第2の実施の形態における電源部21と同様の電源部に接続される(図5参照)。また、サーチコイル43aと43bとからなる上記差動サーチ部は、第2の実施の形態における検知回路部24のバンドパスフィルタ30a及び30bに相当するバンドパスフィルタに接続される(図5参照)。
上記のように構成された実施の形態では、図6に示す直線44(中空部の中心線近傍でこの中心線に平行な直線)に概ね沿って金属が中空巻線用枠内を通過したときには、前記第2の実施の形態におけると同様の動作が上記検知回路部24に相当する回路部で行われて、最終的には金属の通過及び通過した金属の種類にについて報知が行われる。
次に、本発明の第4の最良の実施の形態を説明する。本実施の形態は、前記の第2の実施の形態と比較して説明すると、励磁コイルと差動サーチ部の対が更にもう一対追加されている構成なっている。即ち図7(図1に対応する)示すように通過路6aの左右両側に励磁コイルと差動サーチ部の対が設けられている構成になっている。電源部1は、2つの周波数500Hz、12kHzの正弦波信号を得て、これら2つの正弦波信号を加算して得られる信号を増幅した上で励磁用電圧信号として送出する回路である。
第1励磁コイル2aは、上記電源部1からの上記励磁用電圧信号が後述の切替器50を介して一定時間(通過路6aを金属5が移動通過するに要する時間に比較して十分に短い時間になっている。)毎に該一定時間供給され、その間、交番磁界を発生する回路部である。第1差動サーチ部3aは、上記第1励磁コイル2aの一方の端面側に設けられて該端面との間に検知金属通過用間隔6を空けて、該端面の概ね中央部にその端面を対向して配設されている8の字巻線からなる。
第2励磁コイル2bは、上記第1差動サーチ部3aを構成する8の字巻線が配設されている位置に、当該8の字巻線と互いに端面が平行になっている状態で上記第1励磁コイル2aの上記端面にその端面が対向するように配設されており、上記電源部1からの上記励磁用電圧信号が後述の切替器50を介して一定時間毎に該一定時間供給され、その間、交番磁界を発生するコイルであり、上記第1励磁コイル2aと同一の形状・サイズ・巻数で且つ互いに鏡像関係になるように配置されている回路部である。
第2差動サーチ部3bは、上記第1励磁コイル2aが配設されている位置に、当該第1励磁コイル2aと互いに端面が平行になっている状態で、上記第2励磁コイル2bの上記端面の概ね中央部に端面が対向して配設されている8の字巻線あり、上記第1差動サーチ部3aを構成する8の字巻線と同一の形状・サイズ・巻数で且つ互いに鏡像関係になるように配置されている8の字巻線からなる回路部である。
切替部50は、上記電源部1からの励磁用電圧信号を入力し、当該励磁用電圧信号を一定時間毎に該一定時間、上記第1励磁コイル2a又は第2励磁コイル2bへ交互に切替えて供給すると共に当該励磁用電圧信号を第1励磁コイル2aに供給している間は第1差動サーチ部3aで誘起される第1サーチ出力信号を入力し、第2励磁コイル2bに供給している間は第2差動サーチ部3bで誘起される第2サーチ出力信号を入力し、入力したこれらの第1及び第2サーチ出力信号を、順次、サーチ出力信号として検知回路部4中の図示しない後述の増幅器に出力する。
上記増幅器は、図5の増幅器31a、31bに相当し、上記切替部50より出力されてくる上記サーチ出力信号(具体的には第1サーチ出力信号になっている時間と第2サーチ出力信号になっている時間が交互に一定時間続く信号)を入力して増幅する。
検知回路部4中には、図5の2個のπ/2ラジアン移相器32a、32bに相当する2個のπ/2ラジアン移相器があり、上記電源部からの上記2個の上記正弦波信号をそれぞれ入力し、該各正弦波信号よりもそれぞれ位相がπ/2ラジアンだけ進んでいるπ/2ラジアン移相信号を得て、該π/2ラジアン移相信号(周波数は、移相前の各正弦波信号と同様でそれぞれ500Hz、12kHz)をそれぞれ出力する。
検知回路部4中には、図5の2個の位相検波器33a、33bに相当する2個の位相検波器があり、上記増幅器で増幅された上記サーチ出力信号をそれぞれ入力すると共に、上記電源部より上記2個の正弦波信号のそれぞれを1個ずつ取込み、更に取込んだ正弦波信号と同一周波数で位相がπ/2ラジアンだけ進んでいるπ/2ラジアン移相信号を上記2個のπ/2ラジアン移相器からそれぞれ取込み、取込んだこれら2種の信号を用いて、上記サーチ出力信号を直交検波して、該サーチ出力信号の各周波数(500Hz、12kHz)成分信号毎の同相成分信号と直交成分信号とをそれぞれ送出する。
検知回路部4中には図5中の判断部34に相当する判断部があり、この判断部は、上記第1励磁コイル2aと第1差動サーチ部3aとの間等の空間を検知対象の金属5が移動通過したときに、上記2個の位相検波器よりの第1サーチ出力信号に係る2対の同相成分信号X1a、X2aと直交成分信号Y1a、Y2a及び第2サーチ出力信号に係る2対の同相成分信号X1b、X2bと直交成分信号Y1b、Y2bに基づき、1又は複数種の金属の通過及び当該通過した各金属の種類を判断して、判断結果に応じた検知信号を送出する。
また、検知回路部4中にある報知部は、上記検知信号を得て、検知信号に応じた報知動作をする。
一対の励磁コイルと差動サーチ部とからなる装置の場合(前述の各実施の形態の場合)、検知対象の金属があまりにも差動サーチ部から遠い所を通過するとサーチ出力信号が大幅低下するが、この実施の形態では、上記判断部が、第1及び2サーチ出力信号(それぞれの同相成分信号と直交成分信号を合成したもの)間の比率で位置を推定しサーチ出力信号レベルを補正する(或いは、該第1又は2サーチ出力信号のうちレベルの高い方を選択する)等により、これを回避できることになる。
なお、本願発明の範囲は、上記実施の形態に限定されず、種々変形応用が可能である。
本願発明の一実施の形態の構成を示す図である。 上記実施の形態の電気回路構成を示す図である。 上記実施の形態におけるサーチ出力信号を示す図である。 上記実施の形態における差動サーチ部の変形例を説明するための図である。 第2の実施の形態の電気回路構成を示す図である。 第3の実施の形態の励磁コイル及び差動サーチ部の構成を示す図である。 第4の実施の形態の構成を示す図である。
符号の説明
1 電源部
2 励磁コイル
3 差動サーチ部
4 検知回路部
5 金属
6 検知金属通過用間隔
10 増幅器
11 π/2ラジアン移相器
12 位相検波器
13 判別部
14 報知部

Claims (7)

  1. 少なくても、1の正弦波信号を得て当該正弦波信号を増幅した一定周波数の励磁用電圧信号を送出する電源部と、
    上記電源部からの上記励磁用電圧信号を供給されて、上記一定の周波数の交番磁界を発生する励磁コイルと、
    上記励磁コイルの一方の端面側に設けられて該端面との間に一定の間隔(以下、検知金属通過用間隔という)を空けて、該端面の概ね中央部に端面が対向(向合い平行になっているという意味で使う。以下において同様。)している8の字状に巻かれた巻線(数字の8の字としての上の半分に相当する部分を巻いた後に該部分と逆向きに下の半分の部分に相当する部分を巻くといった方法で巻いていった上下部同巻数の巻線であり、以下、8の字巻線という)からなる差動サーチ部と、
    上記差動サーチ部で誘起されたサーチ出力信号を取込み、これを増幅して出力する増幅器と、
    上記増幅器で増幅されたサーチ出力信号を入力すると共に、上記電源部からの上記正弦波信号および何れかの回路部からの該正弦波信号よりも位相がπ/2ラジアンだけ進んでいるπ/2ラジアン移相信号をそれぞれ取込み、取込んだこれら2つの信号を用いて該サーチ出力信号を直交検波し、同相成分信号と直交成分信号とを得て、これら2つの信号を送出する位相検波器と、
    上記励磁コイルと差動サーチ部との間を金属が通過したときに、上記位相検波器よりの上記同相成分信号と直交成分信号とに基づき、金属の通過及び該金属の種類を判断して、判断結果に応じた検知信号を送出する判断部と、
    上記検知信号を得て、検知信号に応じた報知動作をする報知部とを備えることを特徴とする金属持込持出検知装置。
  2. 少なくても、1の正弦波信号を得て当該正弦波信号を増幅した一定周波数の励磁用電圧信号を送出する電源部と、
    上記電源部からの上記励磁用電圧信号を供給されて、上記一定の周波数の交番磁界を発生する励磁コイルと、
    上記励磁コイルの一方の端面側に設けられて該端面との間に一定の間隔(すなわち、検知金属通過用間隔)を空けて、該端面の概ね中央部にそれぞれの端面を対向し且つ互いに側面部が接している2つの同一コイル(材質、線径、巻数、形状、サイズの何れにおいても等しいコイルであり、以下においても同様)からなり、当該2つの同一コイルが、上記励磁コイルの作る上記交番磁界によりそれぞれのコイルに誘起する等しい誘起起電力を互いに相殺するように、接続(以下、このような接続を差動接続という)されてなる差動サーチ部と、
    上記差動サーチ部で誘起されたサーチ出力信号を取込み、これを増幅して出力する増幅器と、
    上記増幅器で増幅されたサーチ出力信号を入力すると共に、上記電源部から上記正弦波信号および何れかの回路部から該正弦波信号よりも位相がπ/2ラジアンだけ進んでいるπ/2ラジアン移相信号をそれぞれ取込んで、取込んだこれら2つの信号を用いて該サーチ出力信号を直交検波し、同相成分信号と直交成分信号とを得て、これら2つの信号を送出する位相検波器と、
    上記励磁コイルと差動サーチ部との間を金属が通過したときに、上記位相検波器よりの上記同相成分信号と直交成分信号とに基づき、金属の通過及び該金属の種類を判断して、判断結果に応じた検知信号を送出する判断部と、
    上記検知信号を得て、検知信号に応じた報知動作をする報知部とを備えることを特徴とする金属持込持出検知装置。
  3. 少なくても、n個のそれぞれ異なった周波数F1、‥‥、Fn(ここで、F1<‥‥<Fn、で、且つF1以外の各周波数は2mF1となっている。なおnは2以上の整数で、mは1以上の整数である。以下においても同様)の正弦波信号を得て、これらn個の正弦波信号を加算して得られる信号を増幅した上で励磁用電圧信号として送出する電源部と、
    上記電源部からの上記励磁用電圧信号を供給されて、交番磁界を発生する励磁コイルと、
    上記励磁コイルの一方の端面側に設けられて該端面との間に前記検知金属通過用間隔を空けて、該端面の概ね中央部に端面を対向する8の字巻線からなる差動サーチ部と、
    上記差動サーチ部で誘起されるサーチ出力信号を入力して増幅する増幅器と、
    上記増幅器で増幅された上記サーチ出力信号をそれぞれ入力すると共に、上記電源部より上記n個の正弦波信号(周波数は、上記のようにそれぞれF1、‥‥、Fn)のそれぞれを1個ずつ取込み、更に取込んだ正弦波信号と同一周波数で位相がπ/2ラジアンだけ進んでいるπ/2ラジアン移相信号を何れかの回路部からそれぞれ取込み、取込んだこれら2種の信号を用いて、該サーチ出力信号を直交検波して、該サーチ出力信号の各周波数(周波数F1、‥‥、Fn)成分信号毎の同相成分信号と直交成分信号とをそれぞれ送出するn個の位相検波器と、
    上記励磁コイルと差動サーチ部との間を金属が通過したときに、上記n個の位相検波器よりのn対の同相成分信号と直交成分信号とに基づき、1又は複数種の金属の通過及び当該通過した各金属の種類を判断して、判断結果に応じた検知信号を送出する判断部と、
    上記検知信号を得て、検知信号に応じた報知動作をする報知部とを備えることを特徴とする金属持込持出検知装置。
  4. 少なくても、n個のそれぞれ異なった周波数F1、‥‥、Fnの正弦波信号を得て、これらn個の正弦波信号を加算して得られる信号を増幅した上で励磁用電圧信号として送出する電源部と、
    上記電源部からの上記励磁用電圧信号を供給されて、当該励磁用電圧信号に対応した交番磁界を発生する励磁コイルと、
    上記励磁コイルの一方の端面側に設けられて該端面との間に前記検知金属通過用間隔を空けて、該端面の概ね中央部にそれぞれ端面が対向した状態で互いに側面部を接し且つ前記差動接続されている2つの同一コイル(以下、このような2つの同一コイルを一体化して擬似8の字巻線という)からなる差動サーチ部と、
    上記差動サーチ部で誘起されるサーチ出力信号を入力して増幅する増幅器と、
    上記増幅器で増幅された上記サーチ出力信号をそれぞれ入力すると共に、上記電源部より上記n個の正弦波信号(周波数は、上記のようにそれぞれF1、‥‥、Fn)のそれぞれを1個ずつ取込み、更に取込んだ正弦波信号と同一周波数で位相がπ/2ラジアンだけ進んでいるπ/2ラジアン移相信号を何れかの回路部からそれぞれ取込み、取込んだこれら2種の信号を用いて、該サーチ出力信号を直交検波して、該サーチ出力信号の各周波数(周波数F1、‥‥、Fn)成分信号毎の同相成分信号と直交成分信号とをそれぞれ送出するn個の位相検波器と、
    上記励磁コイルと差動サーチ部との間を金属が通過したときに、上記n個の位相検波器よりのn対の同相成分信号と直交成分信号とに基づき、1又は複数種の金属の通過及び当該通過した各金属の種類を判断して、判断結果に応じた検知信号を送出する判断部と、
    上記検知信号を得て、検知信号に応じた報知動作をする報知部とを備えることを特徴とする金属持込持出検知装置。
  5. 少なくても、p個のそれぞれ異なった周波数f1、‥‥、fp(ここで、f1<‥‥<fpで、且つf1以外の各周波数は2mf1となっている。なおp及びmは1以上の整数である。以下においても同様)の正弦波信号を得て、これらp個の正弦波信号を加算して得られる信号を増幅した上で励磁用電圧信号として送出する電源部と、
    中空巻線用枠に巻かれたコイルからなり、上記電源部からの上記励磁用電圧信号を供給されて、当該励磁用電圧信号に対応した交番磁界を発生する励磁コイルと、
    上記励磁コイルが巻かれている中空巻線用枠に該励磁コイルに近接して巻かれている2つの同一コイルからなり、当該2つの同一コイルが、上記励磁コイルの作る上記交番磁界によりそれぞれのコイルに誘起する等しい誘起起電力を互いに相殺するように、接続されてなる差動サーチ部と、
    上記差動サーチ部で誘起されるサーチ出力信号を入力して増幅する増幅器と、
    上記増幅器で増幅された上記サーチ出力信号をそれぞれ入力すると共に、上記電源部より上記p個の正弦波信号(周波数は、上記のようにそれぞれf1、‥‥、fp)のそれぞれを1個ずつ取込み、更に取込んだ正弦波信号と同一周波数で位相がπ/2ラジアンだけ進んでいるπ/2ラジアン移相信号を何れかの回路部からそれぞれ取込み、取込んだこれら2種の信号を用いて、該サーチ出力信号を直交検波して、該サーチ出力信号の各周波数(周波数f1、‥‥、fp)成分信号毎の同相成分信号と直交成分信号とをそれぞれ送出するp個の位相検波器と、
    上記中空巻線用枠の中空部を金属が通過したときに、上記p個の位相検波器よりのp対の同相成分信号と直交成分信号とに基づき、1又は複数種の金属の通過及び当該通過した各金属の種類を判断して、判断結果に応じた検知信号を送出する判断部と、
    上記検知信号を得て、検知信号に応じた報知動作をする報知部とを備えることを特徴とする金属持込持出検知装置。
  6. 少なくても、n個のそれぞれ異なった周波数F1、‥‥、Fnの正弦波信号を得て、これらn個の正弦波信号を加算して得られる信号を増幅した上で励磁用電圧信号として送出する電源部と、
    上記電源部からの上記励磁用電圧信号が後述の切替器を介して一定時間(後述の第1励磁コイルと第1差動サーチ部との間等の空間を検知対象の金属が移動通過するに要する時間に比較して十分に短い時間になっている。以下においても同様。)毎に一定時間供給され、その間、交番磁界を発生する第1励磁コイルと、
    上記第1励磁コイルの一方の端面側に設けられて該端面との間に前記検知金属通過用間隔を空けて、該端面の概ね中央部にその端面を対向して配設されている8の字巻線からなる第1差動サーチ部と、
    上記第1差動サーチ部を構成する8の字巻線が配設されている位置に、当該8の字巻線と互いに端面が平行になっている状態で上記第1励磁コイルの上記端面にその端面が対向するように配設されており、上記電源部からの上記励磁用電圧信号が後述の切替器を介して一定時間毎に一定時間供給され、その間、交番磁界を発生するコイルであり、上記第1励磁コイルと同一の形状・サイズ・巻数で且つ互いに鏡像関係になるように配置されている第2励磁コイルと、
    上記第1励磁コイルが配設されている位置に、当該第1励磁コイルと互いに端面が平行になっている状態で、上記第2励磁コイルの上記端面の概ね中央部に端面が対向して配設されている8の字巻線あり、上記第1差動サーチ部を構成する8の字巻線と同一の形状・サイズ・巻数で且つ互いに鏡像関係になるように配置されている8の字巻線からなる第2差動サーチ部と、
    上記電源部からの励磁用電圧信号を入力し、当該励磁用電圧信号を一定時間毎に一定時間、上記第1励磁コイル又は第2励磁コイルへ交互に切替えて供給すると共に当該励磁用電圧信号を第1励磁コイルに供給している間は第1差動サーチ部で誘起される第1サーチ出力信号を入力し、第2励磁コイルに供給している間は第2差動サーチ部で誘起される第2サーチ出力信号を入力し、入力したこれらの第1及び第2サーチ出力信号を、順次、サーチ出力信号として後述の増幅器に出力する切替部と、
    上記切替部より出力されてくる上記サーチ出力信号(具体的には第1サーチ出力信号になっている時間と第2サーチ出力信号になっている時間が交互に一定時間続く信号)を入力して増幅する増幅器と、
    上記増幅器で増幅された上記サーチ出力信号をそれぞれ入力すると共に、上記電源部より上記n個の正弦波信号(周波数は、上記のようにそれぞれF1、‥‥、Fn)のそれぞれを1個ずつ取込み、更に取込んだ正弦波信号と同一周波数で位相がπ/2ラジアンだけ進んでいるπ/2ラジアン移相信号を何れかの回路部からそれぞれ取込み、取込んだこれら2種の信号を用いて、該サーチ出力信号を直交検波して、該サーチ出力信号の各周波数(周波数F1、‥‥、Fn)成分信号毎の同相成分信号と直交成分信号とをそれぞれ送出するn個の位相検波器と、
    上記第1励磁コイルと第1差動サーチ部との間等の空間を検知対象の金属が移動通過したときに、上記n個の位相検波器よりの第1サーチ出力信号に係るn対の同相成分信号と直交成分信号及び第2サーチ出力信号に係るn対の同相成分信号と直交成分信号に基づき、1又は複数種の金属の通過及び当該通過した各金属の種類を判断して、判断結果に応じた検知信号を送出する判断部と、
    上記検知信号を得て、検知信号に応じた報知動作をする報知部とを備えることを特徴とする金属持込持出検知装置。
  7. 少なくても、n個のそれぞれ異なった周波数F1、‥‥、Fnの正弦波信号を得て、これらn個の正弦波信号を加算して得られる信号を増幅した上で励磁用電圧信号として送出する電源部と、
    上記電源部からの上記励磁用電圧信号が後述の切替器を介して一定時間毎に一定時間供給され、その間、交番磁界を発生する第1励磁コイルと、
    上記第1励磁コイルの一方の端面側に設けられて該端面との間に前記検知金属通過用間隔を空けて、該端面の概ね中央部にその端面を対向して配設されている前記擬似8の字巻線からなる第1差動サーチ部と、
    上記第1差動サーチ部を構成する擬似8の字巻線が配設されている位置に、当該擬似8の字巻線と互いに端面が平行になっている状態で上記第1励磁コイルの上記端面にその端面が対向するように配設されており、上記電源部からの上記励磁用電圧信号が後述の切替器を介して一定時間毎に一定時間供給され、その間、交番磁界を発生するコイルであり、上記第1励磁コイルと同一の形状・サイズ・巻数で且つ互いに鏡像関係になるように配置されている第2励磁コイルと、
    上記第1励磁コイルが配設されている位置に、当該第1励磁コイルと互いに端面が平行になっている状態で、上記第2励磁コイルの上記端面の概ね中央部に端面が対向して配設されている擬似8の字巻線あり、上記第1差動サーチ部を構成する擬似8の字巻線と同一の形状・サイズ・巻数で且つ互いに鏡像関係になるように配置されている擬似8の字巻線からなる第2差動サーチ部と、
    上記電源部からの励磁用電圧信号を入力し、当該励磁用電圧信号を一定時間毎に一定時間、上記第1励磁コイル又は第2励磁コイルへ交互に切替えて供給すると共に当該励磁用電圧信号を第1励磁コイルに供給している間は第1差動サーチ部で誘起される第1サーチ出力信号を入力し、第2励磁コイルに供給している間は第2差動サーチ部で誘起される第2サーチ出力信号を入力し、入力したこれらの第1及び第2サーチ出力信号を、順次、サーチ出力信号として後述の増幅器に出力する切替部と、
    上記切替部より出力されてくる上記サーチ出力信号(具体的には第1サーチ出力信号になっている時間と第2サーチ出力信号になっている時間が交互に一定時間続く信号)を入力して増幅する増幅器と、
    上記増幅器で増幅された上記サーチ出力信号をそれぞれ入力すると共に、上記電源部より上記n個の正弦波信号(周波数は、上記のようにそれぞれF1、‥‥、Fn)のそれぞれを1個ずつ取込み、更に取込んだ正弦波信号と同一周波数で位相がπ/2ラジアンだけ進んでいるπ/2ラジアン移相信号を何れかの回路部からそれぞれ取込み、取込んだこれら2種の信号を用いて、該サーチ出力信号を直交検波して、該サーチ出力信号の各周波数(周波数F1、‥‥、Fn)成分信号毎の同相成分信号と直交成分信号とをそれぞれ送出するn個の位相検波器と、
    上記第1励磁コイルと第1差動サーチ部との間等の空間を検知対象の金属が移動通過したときに、上記n個の位相検波器よりの第1サーチ出力信号に係るn対の同相成分信号と直交成分信号及び第2サーチ出力信号に係るn対の同相成分信号と直交成分信号に基づき、1又は複数種の金属の通過及び当該通過した各金属の種類を判断して、判断結果に応じた検知信号を送出する判断部と、
    上記検知信号を得て、検知信号に応じた報知動作をする報知部とを備えることを特徴とする金属持込持出検知装置。
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