JP4007701B2 - ガス吸着フィルター - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧力調整が必要な準密閉容器の呼吸口に設けられるガス吸着フィルターに関する。より詳しくは、クリーンな環境が必要な準密閉容器内に、圧力調整用呼吸口から、空気中の浮遊粒子、化学的な汚染物質及び湿気が進入するのを防止するガス吸着フィルターに関する。
【0002】
【発明の背景】
非常にクリーンな環境が求められる精密機器・装置は、基本的には、密閉容器中に収容される。例えば、コンピューターのハードディスク駆動装置や、自動車等に使用される電子制御装置は、塵や埃は言うに及ばず、空気中に浮遊するあらゆる粒子、微粒子、有機性の蒸気、亜硫酸ガスなどの腐食性の蒸気、及び水蒸気等のいずれか、または全てに対し、非常に敏感であり、外気を遮断する容器の中でなければ、正常な動作を持続することは不可能である。しかしながら、これが、完全な密閉容器であると、温度や大気圧の変化に伴って、歪みや破損が生じてしまうため、圧力調整のための呼吸口が設けられた、いわゆる準密閉容器が用いられている。このような準密閉容器の呼吸口には、ガス吸着フィルターが備えられ、圧力調整のための通気性を保ちつつ、空気中に浮遊する塵、埃、その他の粒子、汚染ガス及び水分等がその容器内に侵入してくるのを阻止している。
【0003】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来から使用されているガス吸着フィルターを、図5(a)及び図5(b)を参照して説明する。図5(a)は、図5(b)なる平面図で示されるガス吸着フィルターのaa’断面図である。ただし、図5(b)では、構成要素が一部省略されている。
【0004】
図5(a)で示されるとおり、ガス吸着フィルター51が、呼吸口52を有する準密閉容器の蓋53の内側に、粘着テープ54によって取り付けられている。この粘着テープ54の上には、ガス吸着シート55が載置され、さらにその上に設けられた多孔質膜56によって全体が被覆されている。この多孔質膜56は、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)からなっており、ガス吸着シート55から発生する埃も含めて、微粒子が、準密閉容器内へ侵入するのを阻止している。粘着テープ54には打ち抜き穴57が設けられているため、準密閉容器の蓋53の呼吸口52は、活性炭を媒質として含むガス吸着シート55に通じている。このため、外気が化学物質で汚染されていても、このガス吸着シート55の吸着作用によって、準密閉容器内へ進入する空気は、化学的に清浄なものとなる。また、このガス吸着シート55は、多孔質膜56を介して空気と接触するので、直接、準密閉容器内の雰囲気を清浄化するのにも役立っている。
【0005】
しかし、このような従来のガス吸着フィルターにおいては、湿気の遮蔽が十分ではない。特に、近年は、シール材の開発も進んで容器の密閉性が高まっている分、一旦容器内に侵入した水蒸気が滞留し易くなってしまうため、容器内結露が深刻な問題となりつつある。図5に示されるような従来のガス吸着フィルターでは、この問題を解決し切れなくなっている。
【0006】
こういった湿度の侵入を妨げるためには、準密閉容器の呼吸口からその容器の内部雰囲気に至るまでの間に、ある程度の長さを有する空気流路を設けてやれば良いことが分かっている。これは、拡散チューブとも称されており、例えば、特開平5−103946号公報及び特開平7−211055号公報に、そのような空気流路を設けたガス吸着フィルターが記載されている。しかしながら、これらのものは、両者とも、空気流路を形成するだけの目的で、余分なプラスチック材料を必要とし、図5に示されるガス吸着フィルターと比較しても、その加工、組み立てのための手間が余計にかかるという問題がある。また、以下に記述するような他の問題点を解決するものではない。
【0007】
別の問題点として、ガス吸着フィルターの特性として要求される圧力損失の条件が厳しくなってきていることが挙げられる。これは、例えば、準密閉容器内に収容される装置のオン・オフの繰り返しに伴う温度変化や、駆動機構の高速回転等によって引き起こされる圧力変化に、敏感に対応する必要が生じているためである。現在、ガス吸着材を付けたものでも、それを付けてないフィルターの10倍以内の圧力損失が求められている。フィルターの圧力損失を低く抑えるためには、その通気性を上げなければならないが、従来のガス吸着フィルターであると、図5のものでも、前述の特開平5−103946号公報及び特開平7−211055号公報にそれぞれ記載されたものでも、それは、自ずと、活性炭すなわちガス吸着材の充填密度の低下、延いては、吸収効率の低下に結び付いてしまう。ガス吸着シートとして、活性カーボンシート、例えば、Kynol(商標名)のような活性炭素繊維の織布を用いて圧力損失を低く抑えるという工夫もなされているが、当然、このようなものでは活性炭密度が低く(0.26g/cc)なってしまっている。
【0008】
さらに、特に、ノート型パソコンの普及とともに、コンピュータのハードディスク駆動装置は、使用環境が悪化しており、これに用いられる準密閉容器においては、ガス吸着フィルターが含有する活性炭量の増加が望まれている。しかし、前述のような従来のガス吸着フィルターで、そういった活性炭量の増加を行うと、前記の低圧力損失化が益々困難になってしまう。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、湿気の侵入を防止するための空気流路の内壁に吸着材を設け、準密閉容器内に進入する空気が、この空気流路を通過する間に、汚染ガスの吸着を行うものとしている。また、この空気流路は、多孔質膜のみを介して準密閉容器内に通じており、本発明のガス吸着フィルターの圧力損失をごく低く抑えるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のガス吸着フィルターは、準密閉容器の圧力調整用呼吸口を覆うように、接着面によって、その容器に取り付けられ、少なくとも、その取り付けられた状態で、一端がこの呼吸口に通じ、他端が通気フィルター膜で覆われた開口に通じる空気流路を有しており、この空気流路の内壁の少なくとも一部は、吸着材を含む材料から構成されており、かつ、この吸着材を含む材料は、前記接着面上にて、全体が、前記通気フィルター膜で覆われている。
【0011】
ここで、前記空気流路は、準密閉容器に取り付けられた状態で、すなわち、その容器の壁面を利用して形成される構造であっても良い。その為の形態として、前記接着面に対して設けられた凹部が、前記空気流路の内壁の一部となっていても良く、さらに具体的な構成として、前記接着面は、打ち抜き穴を有する粘着テープ(以下、第1のシート材ともいう)の上面であり、前記凹部は、この第1のシート材(粘着テープ)の打ち抜き穴と、この第1のシート材(粘着テープ)の裏面に積層されたガス吸着シート(以下、第2のシート材ともいう)の上面から形成されるものであって良い。また、前記開口は、前記第1のシート材(粘着テープ)の打ち抜き穴の、前記第2のシート材(ガス吸着シート)で覆われていない部分によって形成されていても、前記第2のシート材(ガス吸着シート)に、直接、形成されていても良い。
【0012】
前記空気流路の内壁の一部となる前記第2のシート材(ガス吸着シート)は、前記吸着材を含む材料で構成することができ、通気性のない膜を、さらに、その内部または表面(通気フィルター膜側の表面)に有する積層体であっても良い。この通気性のない膜とは、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン等のポリマーフィルム、金属箔または金属化フィルムのいずれかであって良い。
【0013】
前記通気フィルター膜は、前記第2のシート材(ガス吸着シート)を裏面から覆って積層され、周辺で前記第1のシート材(粘着テープ)に接着されていることが望ましい。
【0014】
前記第1のシート材(粘着テープ)は、前記第2のシート材(ガス吸着シート)及び前記通気フィルター膜よりも形状保持特性が高いものが望ましく、例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニルなど;或いは不織布にアクリル系粘着材を含浸させたもののうちのいずれかから構成されていて良い。ここで、不織布にアクリル系粘着材を含浸させたものは、それ自体で粘着性を有しており、接着剤を介在させずに、本発明のガス吸着フィルターの準密閉容器への取り付けを可能とする。
【0015】
本発明は、また、前記接着面及び前記凹部を形成する部材が、前記吸着材を含む材料で構成されていても良く、その場合は、その凹部内に、前記開口が形成されていて良い。
【0016】
本発明は、さらに、実質的に、前記空気流路の内壁の全てが、前記吸着材を含む材料によって構成されていても良い。
【0017】
ところで、前記接着面は、表面に接着剤層を有していることが望ましい。ただし、前記第1のシート材(粘着テープ)そのものを粘着体とする場合、例えば、アクリル系粘着材を不織布に含浸させたものを第1のシート材(粘着テープ)とする場合は、改めて表面に接着剤層を設ける必要はない。なお、このように、接着剤層を有するか、粘着体の表面となることで、接着能力を有する接着面には、本発明のガス吸着フィルターが、準密閉容器に取り付けられるまでは、離型フィルムに貼り付けられていることが望ましい。
【0018】
また、前記吸着材については、シリカゲル、活性炭、活性アルミナのいずれか一つ、または、これらの内から選択された2つ以上の組み合わせ(これらを本明細書では、吸着材A又は物理的吸着材と称する)であるか炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、過マンガン酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、及び燐酸ナトリウムのいずれか一つ、または、これらの内から選択された2つ以上の組み合わせ(これらを本明細書では、吸着材B又は化学的吸着材と称する)であるか、さらには、これら物理的吸着材及び化学的吸着材の一方に、他方を組み合わせてなる吸着材(これを本明細書では物理化学的吸着材と称する)であっても良い。
【0019】
前記吸着材を含む材料については、ノードとフィブリルの微細構造膜を形成するポリマーをマトリクスとする材料が特に好まれるが、具体的材料として、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ弗化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリ(エチレンテレフタレート)のいずれかをマトリクスとする材料であって良い。また、その吸着材を含むマトリクスの表面を、吸着材を含まない前記材料の薄膜で被覆しても良い。
【0020】
前記通気フィルター膜は、延伸ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリカーボネートとポリエステルの複合材料、混合セルロースエステル、ポリ塩化ビニル及びセルローストリアセテートのいずれかから構成されることが望ましい。
【0021】
【実施例】
実施例について図面を参照して説明する。本発明の第1の実施例を図1(a)及び図1(b)に示す。図1(a)は、図1(b)なる平面図で示されるガス吸着フィルターのaa’断面図である。ただし、図1(b)では、構成要素が一部省略されている。
【0022】
図1(a)で示されるとおり、ガス吸着フィルター11が、呼吸口12を有する準密閉容器の蓋13の内側に、接着面を有する第1のシート材である粘着テープ14によって取り付けられている。この粘着テープ14の上には、活性炭を媒質として含む第2のシート材であるガス吸着シート15が載置され、さらにその上に設けられた多孔質膜16によって、全体が被覆されている。この多孔質膜16は、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)からなる通気フィルター膜であり、ガス吸着シート15から発生する埃も含めて、微粒子が、準密閉容器内へ侵入するのを阻止している。粘着テープ14には、打ち抜き穴17が設けられているが、その上下が、準密閉容器の蓋13の壁面と、ガス吸着シート15で覆われることによって、空気流路18が形成されている。また、打ち抜き穴17の、一部、ガス吸着シート15で覆われていない部分によって、開口19が形成されている。この開口19は、多孔質膜16で覆われている。以上の構成から明らかなとおり、準密閉容器の蓋13の呼吸口12は、空気流路18を経て、開口19に通じている。
【0023】
本発明の第2の実施例を図2(a)及び図2(b)に示す。図2(a)は、図2(b)なる平面図で示されるガス吸着フィルターのaa’断面図である。ただし、図2(b)では、構成要素が一部省略されている。
【0024】
図2(a)で示されるとおり、ガス吸着フィルター21が、呼吸口22を有する準密閉容器の蓋23の内側に、接着面を有する第1のシート材である粘着テープ24によって取り付けられている。この粘着テープ24の上には、活性炭を媒質として含む第2のシート材であるガス吸着シート25が載置され、さらにその上に設けられた多孔質膜26によって、全体が被覆されている。この多孔質膜26は、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)からなる通気フィルター膜であり、ガス吸着シート25から発生する埃も含めて、微粒子が、準密閉容器内へ侵入するのを阻止している。粘着テープ24には、打ち抜き穴27が設けられているが、その上下が、準密閉容器の蓋23の壁面と、ガス吸着シート25で覆われることによって、空気流路28が形成されている。また、ガス吸着シート25に、開口29が形成されている。この開口29は、多孔質膜26で覆われている。以上の構成から明らかなとおり、準密閉容器の蓋23の呼吸口22は、空気流路28を経て、開口29に通じている。
【0025】
本発明の第3の実施例を図3の斜視図に示す。この図には、第1及び第2の実施例との構成の違いを説明する部分のみが描かれており、他の構成要素は省略されている。
【0026】
図3に示されるとおり、ガス吸着フィルターを準密閉容器に取り付けるための、第1のシート材である粘着テープ34の上に、活性炭を媒質として含む第2のシート材であるガス吸着シート35が載置されている。さらに、その上にePTFEからなる通気フィルター膜である多孔質膜が設けられ、周縁で粘着テープ34と接着されて全体が被覆されるが、この多孔質膜は、図3中では省略されている。ガス吸着フィルターが準密閉容器に取り付けられるとき、粘着テープ34に設けられた打ち抜き穴37が、図示されていない準密閉容器の呼吸口上に配置される。ガス吸着シート35は、中央に溝が形成され、断面が凹の字状であるが、その溝の部分が、打ち抜き穴37上に位置するように、粘着テープ34上に被せられている。このガス吸着シート35の溝と、粘着テープ34とによって、空気流路38が形成されている。また、ガス吸着シート35の端部が開口39となる。この開口39も、上述の図示されない多孔質膜で覆われている。
【0027】
さらに、以上の各実施例と同等の外観形状を有するガス吸着フィルターにおいて、本発明を、他の形態で実施するためのガス吸着シートについて、図4の各図を用いて説明する。
【0028】
前述の第1の実施例では、図4(a)に示される、ガス吸着材のみからなるガス吸着シート15が用いられているが、図4(b)または図4(c)のように、通気性のない膜であるガス不透過フィルム40を、中間または表面に積層させてもよい。また、前述の第2の実施例では、図4(d)に示される、ガス吸着材のみからなるガス吸着シート25が用いられているが、このガス吸着シート25が有する開口29と同様な開口を、前記図4(b)または(c)に示されるガス吸着シートに設ければ、これらを、前述の第2の実施例におけるガス吸着シート25に代えて用いることができる。
【0029】
前述の第3の実施例では、図4(e)に示される、ガス吸着材のみからなり、溝が端から端まで延びるガス吸着シート35が用いられていたが、図4(f)に示されるように、溝が一方の終端のみに延びるものを用いてもよい。また、図4(g)に示されるもののように、通気性のないガス不透過フィルム40を間に積層させても良い。
【0030】
一方、前述の第1、第2または第3の実施例において、粘着テープを構成する樹脂に、活性炭などのガス吸着材を混入させても良く、または、粘着テープの、空気流路に露呈する部分にガス吸着材を接着させておくことも可能である。
【0031】
なお、以上の実施例において、粘着テープ14、24及び34は、ポリエステルを基材とし、その両面にアクリル系粘着材が塗付されて形成される。このポリエステルの基材は、ガス吸着フィルター11、21及び31の他の構成部材よりも弾性力に富むため、これによって、これらのガス吸着フィルターは、その形状を保持することができる。また、両面に塗付される粘着材については、一方の面のものが、ガス吸着シート15、25及び35と多孔質膜16及び26その他を、粘着テープに固定して、ガス吸着フィルター11、21及び31を組立てるために用いられ、他方のものは、そうして組立てられたガス吸着フィルターを準密閉容器に取付けるために用いられる。準密閉容器に取り付けられるまでは、この粘着材面には、離型フィルムが貼られている。
【0032】
また、以上の実施例で使用されるガス吸着シートは、活性炭粉末を含有するポリテトラフルオロエチレン樹脂の延伸されたシート状成形体の表裏両面に、薄いePTFE膜を積層して構成される。このような吸着材を含む材料の成形体は、例えば、特開平4−323007号公報に記載されているような、周知の技術を用いて作成することが可能である。吸着材の活性炭粉末を含むことで、その成形体は、発塵を起こしやすくなっているため、それを防止するため、前述のとおり薄いePTFE膜を表面に積層させている。これによって、最終製品が組み立てられるまで、その成形体の取り扱いが容易となるが、もちろん、吸着材を含む成形体によっては、そのようなePTFE膜を積層させずに、単独でガス吸着シートとして用いることも可能である。その他にも、樹脂をマトリクスとし、吸着材をフィラーとして作成された成形体が、本発明におけるガス吸着シートとして用いられ得ることは明らかである。
【0033】
【発明の効果】
本発明によると、ガス吸着フィルターでありながら、吸着材を有さないフィルター並みに低い圧力損失を有し、吸着材の使用量や密度を増やしても、構造上、その低い圧力損失を維持できるガス吸着フィルターが得られる。この吸着材によって、準密閉容器の呼吸口から進入してくる空気及びその容器内雰囲気に対して、高い化学汚染物質吸着能力が保証される。さらに、本発明のガス吸着フィルターによると、空気中に浮遊し、または、吸着材等から発生する埃や粒子に加え、湿気が、準密閉容器内へ侵入するのを阻止できる。
【0034】
そして、空気流路が、準密閉容器の壁面を利用して形成される構造とすることにより、少ない材料で、長い空気流路を形成することが可能となる。また、打ち抜き穴を有するシート材を利用して、基本的には、シート状の材料を積層するのみで、本発明のガス吸着フィルターを構成できるので、製造が極めて容易となる。この場合、打ち抜き穴を有する第1のシート材(粘着テープ)に積層される、第2のシート材(ガス吸着シート)を、吸収材を含む材料で構成すれば、ガス吸着フィルターの厚みを抑えて、出来るだけ広い面積で、空気が吸収材を含む材料と接触できる構造が得られる。さらに、この時、この第2のシート材(ガス吸着シート)に、中間層、または、表面層として通気性のない膜を積層させると、この第2のシート材(ガス吸着シート)を、直接空気が通過して、準密閉容器内に湿気が持ち込まれるのを防止することができ、特に、第2のシート材(ガス吸着シート)の密度が高くない場合に有効となる。
【0035】
また、通気フィルター膜が、第2のシート材(ガス吸着シート)を裏面から覆って、周囲で第1のシート材(粘着テープ)に接着されることにより、第2のシート材(ガス吸着シート)が、準密閉容器内に露呈しないものとなる。これは、単なる支持構造に留まらず、ガス吸着フィルター内から発生する粒子が、準密閉容器中に侵入するのを防止し、また、この容器内の空気が、そのガス吸着フィルター内の吸着材と接触して洗浄化される構造を提供している。準密閉容器内の機器や装置が原因で、有毒ガスが発生しやすい場合などに、特に、この構造は有効である。
【0036】
さらに、第1のシート材(粘着テープ)の形状保持特性を、ガス吸収フィルターの他の構成部材より高くするという材料の選択は、組み立て、取り扱いの容易なガス吸着フィルターを得るためのものである。すなわち、吸着材または吸着材を含む材料、及び、通気フィルター膜は、一般に、形状を保持しにくい材料でできている。したがって、ある程度弾性を有して全体の形状を保持する部材が、どうしても必要となるが、特に、準密閉容器への接着面を有する前記第1のシート材(粘着テープ)に、このような特性を持たせると、準密閉容器への取り付けも容易となり、その意味合いは大きくなる。
【0037】
第2シート(ガス吸着シート)以外の構成要素も、吸着材を含有するものとすれば、空気流路の内壁の内、吸着材を含む部分の比率が高まり、当然に、汚染物質の吸着効果が高くなる。
【0038】
ガス吸着フィルターの接着面に、接着剤層があれば、準密閉容器への貼り付け作業が容易になる。特に、この接着剤層の材料として、アクリル系粘着材が好ましい。
【0039】
本発明のガス吸着フィルターは、吸着材の種類を適宜選択することにより、いかなる汚染物質を含む環境においても、適用が可能である。吸着材を含む材料が、ノードとフィブリルの微細構造膜を形成するポリマーをマトリクスとするものであると、そのフィラーである吸着材がよりよく空気に晒されるので、特に、吸着効果が大きくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のガス吸着フィルターの第1の実施例を示す図である。
【図2】 本発明のガス吸着フィルターの第2の実施例を示す図である。
【図3】 本発明のガス吸着フィルターの第3の実施例を示す図である。
【図4】 本発明のガス吸着フィルターに適用されるガス吸着シートの形状を例示する図である。
【図5】 従来のガス吸着フィルターを示す図である。
【符号の説明】
11,21,31,51 ガス吸着フィルター
12,22,52 呼吸口
13,23,53 準密閉容器の蓋
14,24,34,54 粘着テープ
15,25,35,55 ガス吸着シート
16,26,56 多孔質膜
17,27,37,57 打ち抜き穴
18,28,38 空気流路
19,29,39 開口
40 ガス不透過フィルム

Claims (18)

  1. 準密閉容器の圧力調整用呼吸口を覆うように、接着面によって、その容器に取り付けられ、少なくとも、その取り付けられた状態で、一端がこの呼吸口に通じ、他端が通気フィルター膜で覆われた開口に通じる空気流路を有するガス吸着フィルターであって、
    この空気流路の内壁の少なくとも一部は、吸着材を含む材料から構成されており、かつ、
    この吸着材を含む材料は、前記接着面上にて、全体が、前記通気フィルター膜で覆われているガス吸着フィルター。
  2. 前記接着面に対して設けられた凹部が、前記空気流路の内壁の一部となる請求項1に記載のガス吸着フィルター。
  3. 前記接着面は、打ち抜き穴を有する粘着テープの上面であり、前記凹部は、この粘着テープの打ち抜き穴と、この粘着テープの裏面に積層されたガス吸着シートの上面から形成される請求項2に記載のガス吸着フィルター。
  4. 前記粘着テープの打ち抜き穴の、前記ガス吸着シートで覆われていない部分によって、前記開口が形成される請求項3に記載のガス吸着フィルター。
  5. 前記ガス吸着シートに、前記開口が形成される請求項3に記載のガス吸着フィルター。
  6. 前記ガス吸着シートは、前記吸着材を含む材料から構成されている請求項3乃至5のいずれかに記載のガス吸着フィルター。
  7. 前記ガス吸着シートは、通気性のない膜を、さらに、その内部または通気フィルター膜側の表面に有する積層体である請求項6に記載のガス吸着フィルター。
  8. 前記通気性のない膜は、ポリマーからなるプラスティックフィルム、金属箔または金属化フィルムのいずれかである請求項7に記載のガス吸着フィルター。
  9. 前記通気フィルター膜は、前記ガス吸着シートを裏面から覆って積層され、周辺で前記粘着テープに接着されている請求項3乃至8のいずれかに記載のガス吸着フィルター。
  10. 前記粘着テープは、前記ガス吸着シート及び前記通気フィルター膜よりも形状保持特性が高い請求項3乃至9のいずれかに記載のガス吸着フィルター。
  11. 前記粘着テープが、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、又はポリ酢酸ビニルを基材としかつその表面に接着剤層を有するもの;或いはアクリル系粘着材を不織布に含浸させたものである請求項3乃至10のいずれかに記載のガス吸着フィルター。
  12. 前記接着面及び前記凹部を形成する部材が、前記吸着材を含む材料で構成されており、その凹部内に、前記開口が形成されている請求項2に記載のガス吸着フィルター。
  13. 記空気流路の内壁の全てが、前記吸着材を含む材料によって構成されている請求項1に記載のガス吸着フィルター。
  14. 前記吸着材が、シリカゲル、活性炭、活性アルミナのいずれか一つ、または、これらの内から選択された2つ以上の組み合わせ(吸着材A)である請求項1乃至13のいずれかに記載のガス吸着フィルター。
  15. 前記吸着材が、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、過マンガン酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、及び燐酸ナトリウムのいずれか一つ、または、これらの内から選択された2つ以上の組み合わせ(吸着材B)である請求項1乃至13のいずれかに記載のガス吸着フィルター。
  16. シリカゲル、活性炭、活性アルミナのいずれか一つ、または、これらの内から選択された2つ以上の組み合わせを吸着材A;炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、過マンガン酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、及び燐酸ナトリウムのいずれか一つ、または、これらの内から選択された2つ以上の組み合わせを吸着材Bとしたとき、
    前記吸着材が、この吸着材A及び吸着材Bの内の一方に、他方を組み合わせてなる吸着材である請求項1乃至13のいずれかに記載のガス吸着フィルター。
  17. 前記吸着材を含む材料が、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ弗化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリ(エチレンテレフタレート)のいずれかをマトリクスとする材料である請求項116のいずれかに記載のガス吸着フィルター。
  18. 前記通気フィルター膜が、延伸ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリカーボネートとポリエステルの複合材料、混合セルロースエステル、ポリ塩化ビニル及びセルローストリアセテートのいずれかから構成される請求項1乃至17のいずれかに記載のガス吸着フィルター。
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