JP2000070649A - ガス吸着フィルター - Google Patents

ガス吸着フィルター

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JP2000070649A JP10280407A JP28040798A JP2000070649A JP 2000070649 A JP2000070649 A JP 2000070649A JP 10280407 A JP10280407 A JP 10280407A JP 28040798 A JP28040798 A JP 28040798A JP 2000070649 A JP2000070649 A JP 2000070649A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】準密閉容器の圧力調整用呼吸口に取り付けら
れ、空気中の化学汚染物質を吸着し、かつ、湿気の侵入
も阻止できるガス吸着フィルターにおいて、吸着材の使
用量や密度に関わらず、圧力損失がごく低く抑えられる
構造を提供する。 【解決手段】通気フィルター膜のみを介して準密閉容器
内に通じる空気流路の内壁を、吸着材を含む材料で構成
することにより、この空気流路中で、汚染ガスの吸着が
行われるものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧力調整が必要な
準密閉容器の呼吸口に設けられるガス吸着フィルターに
関する。より詳しくは、クリーンな環境が必要な準密閉
容器内に、圧力調整用呼吸口から、空気中の浮遊粒子、
化学的な汚染物質及び湿気が進入するのを防止するガス
吸着フィルターに関する。
【0002】
【発明の背景】非常にクリーンな環境が求められる精密
機器・装置は、基本的には、密閉容器中に収容される。
例えば、コンピューターのハードディスク駆動装置や、
自動車等に使用される電子制御装置は、塵や埃は言うに
及ばず、空気中に浮遊するあらゆる粒子、微粒子、有機
性の蒸気、亜硫酸ガスなどの腐食性の蒸気、及び水蒸気
等のいずれか、または全てに対し、非常に敏感であり、
外気を遮断する容器の中でなければ、正常な動作を持続
することは不可能である。しかしながら、これが、完全
な密閉容器であると、温度や大気圧の変化に伴って、歪
みや破損が生じてしまうため、圧力調整のための呼吸口
が設けられた、いわゆる準密閉容器が用いられている。
このような準密閉容器の呼吸口には、ガス吸着フィルタ
ーが備えられ、圧力調整のための通気性を保ちつつ、空
気中に浮遊する塵、埃、その他の粒子、汚染ガス及び水
分等がその容器内に侵入してくるのを阻止している。
【0003】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来か
ら使用されているガス吸着フィルターを、図5(a)及
び図5(b)を参照して説明する。図5(a)は、図5
(b)なる平面図で示されるガス吸着フィルターのa
a’断面図である。ただし、図5(b)では、構成要素
が一部省略されている。
【0004】図5(a)で示されるとおり、ガス吸着フ
ィルター51が、呼吸口52を有する準密閉容器の蓋5
3の内側に、粘着テープ54によって取り付けられてい
る。この粘着テープ54の上には、ガス吸着シート55
が載置され、さらにその上に設けられた多孔質膜56に
よって全体が被覆されている。この多孔質膜56は、延
伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)からなっ
ており、ガス吸着シート55から発生する埃も含めて、
微粒子が、準密閉容器内へ侵入するのを阻止している。
粘着テープ54には打ち抜き穴57が設けられているた
め、準密閉容器の蓋53の呼吸口52は、活性炭を媒質
として含むガス吸着シート55に通じている。このた
め、外気が化学物質で汚染されていても、このガス吸着
シート55の吸着作用によって、準密閉容器内へ進入す
る空気は、化学的に清浄なものとなる。また、このガス
吸着シート55は、多孔質膜56を介して空気と接触す
るので、直接、準密閉容器内の雰囲気を清浄化するのに
も役立っている。
【0005】しかし、このような従来のガス吸着フィル
ターにおいては、湿気の遮蔽が十分ではない。特に、近
年は、シール材の開発も進んで容器の密閉性が高まって
いる分、一旦容器内に侵入した水蒸気が滞留し易くなっ
てしまうため、容器内結露が深刻な問題となりつつあ
る。図5に示されるような従来のガス吸着フィルターで
は、この問題を解決し切れなくなっている。
【0006】こういった湿度の侵入を妨げるためには、
準密閉容器の呼吸口からその容器の内部雰囲気に至るま
での間に、ある程度の長さを有する空気流路を設けてや
れば良いことが分かっている。これは、拡散チューブと
も称されており、例えば、特開平5−103946号公
報及び特開平7−211055号公報に、そのような空
気流路を設けたガス吸着フィルターが記載されている。
しかしながら、これらのものは、両者とも、空気流路を
形成するだけの目的で、余分なプラスチック材料を必要
とし、図5に示されるガス吸着フィルターと比較して
も、その加工、組み立てのための手間が余計にかかると
いう問題がある。また、以下に記述するような他の問題
点を解決するものではない。
【0007】別の問題点として、ガス吸着フィルターの
特性として要求される圧力損失の条件が厳しくなってき
ていることが挙げられる。これは、例えば、準密閉容器
内に収容される装置のオン・オフの繰り返しに伴う温度
変化や、駆動機構の高速回転等によって引き起こされる
圧力変化に、敏感に対応する必要が生じているためであ
る。現在、ガス吸着材を付けたものでも、それを付けて
ないフィルターの10倍以内の圧力損失が求められてい
る。フィルターの圧力損失を低く抑えるためには、その
通気性を上げなければならないが、従来のガス吸着フィ
ルターであると、図5のものでも、前述の特開平5−1
03946号公報及び特開平7−211055号公報に
それぞれ記載されたものでも、それは、自ずと、活性炭
すなわちガス吸着材の充填密度の低下、延いては、吸収
効率の低下に結び付いてしまう。ガス吸着シートとし
て、活性カーボンシート、例えば、Kynol(商標
名)のような活性炭素繊維の織布を用いて圧力損失を低
く抑えるという工夫もなされているが、当然、このよう
なものでは活性炭密度が低く(0.26g/cc)なっ
てしまっている。
【0008】さらに、特に、ノート型パソコンの普及と
ともに、コンピュータのハードディスク駆動装置は、使
用環境が悪化しており、これに用いられる準密閉容器に
おいては、ガス吸着フィルターが含有する活性炭量の増
加が望まれている。しかし、前述のような従来のガス吸
着フィルターで、そういった活性炭量の増加を行うと、
前記の低圧力損失化が益々困難になってしまう。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、湿気の侵入を
防止するための空気流路の内壁に吸着材を設け、準密閉
容器内に進入する空気が、この空気流路を通過する間
に、汚染ガスの吸着を行うものとしている。また、この
空気流路は、多孔質膜のみを介して準密閉容器内に通じ
ており、本発明のガス吸着フィルターの圧力損失をごく
低く抑えるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のガス吸着フィルターは、
準密閉容器の圧力調整用呼吸口を覆うように、接着面に
よって、その容器に取り付けられ、少なくとも、その取
り付けられた状態で、一端がこの呼吸口に通じ、他端が
通気フィルター膜で覆われた開口に通じる空気流路を有
しており、この空気流路の内壁の少なくとも一部は、吸
着材を含む材料から構成されており、かつ、この吸着材
を含む材料は、前記接着面上にて、全体が、前記通気フ
ィルター膜で覆われている。
【0011】ここで、前記空気流路は、準密閉容器に取
り付けられた状態で、すなわち、その容器の壁面を利用
して形成される構造であっても良い。その為の形態とし
て、前記接着面に対して設けられた凹部が、前記空気流
路の内壁の一部となっていても良く、さらに具体的な構
成として、前記接着面は、打ち抜き穴を有する第1のシ
ート材の上面であり、前記凹部は、この第1のシート材
の打ち抜き穴と、この第1のシート材の裏面に積層され
た第2のシート材の上面から形成されるものであって良
い。また、前記開口は、前記第1のシート材の打ち抜き
穴の、前記第2のシート材で覆われていない部分によっ
て形成されていても、前記第2のシート材に、直接、形
成されていても良い。
【0012】前記空気流路の内壁の一部となる前記第2
のシート材は、前記吸着材を含む材料で構成することが
でき、通気性のない膜を、さらに、その内部または表面
に有する積層体であっても良い。この通気性のない膜と
は、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナ
イロン等のポリマーフィルム、金属箔または金属化フィ
ルムのいずれかであって良い。
【0013】前記通気フィルター膜は、前記第2のシー
ト材を裏面から覆って積層され、周辺で前記第1のシー
ト材に接着されていることが望ましい。
【0014】前記第1のシート材は、前記第2のシート
材及び前記通気フィルター膜よりも形状保持特性が高い
ものが望ましく、例えば、ポリプロピレン、ナイロン、
ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル及
び不織布にアクリル系粘着材を含浸させたもののうちの
いずれかから構成されていて良い。ここで、不織布にア
クリル系粘着材を含浸させたものは、それ自体で粘着性
を有しており、接着剤を介在させずに、本発明のガス吸
着フィルターの準密閉容器への取り付けを可能とする。
【0015】本発明は、また、前記接着面及び前記凹部
を形成する部材が、前記吸着材を含む材料で構成されて
いても良く、その場合は、その凹部内に、前記開口が形
成されていて良い。
【0016】本発明は、さらに、実質的に、前記空気流
路の内壁の全てが、前記吸着材を含む材料によって構成
されていても良い。
【0017】ところで、前記接着面は、表面に接着剤層
を有していることが望ましい。ただし、前記第1のシー
ト材そのものを粘着体とする場合、例えば、アクリル系
粘着材を不織布に含浸させたものを第1のシート材とす
る場合は、改めて表面に接着剤層を設ける必要はない。
なお、このように、接着剤層を有するか、粘着体の表面
となることで、接着能力を有する接着面には、本発明の
ガス吸着フィルターが、準密閉容器に取り付けられるま
では、離型フィルムに貼り付けられていることが望まし
い。
【0018】また、前記吸着材については、シリカゲ
ル、活性炭、活性アルミナ、モレキュラーシープ、クレ
ー及び超吸着性繊維のいずれか一つ、または、これらの
内から選択された2つ以上の組み合わせによる物理的吸
着材であるか、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、過マ
ンガン酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、燐
酸ナトリウム及び活性化された金属のいずれか一つ、ま
たは、これらの内から選択された2つ以上の組み合わせ
による化学的吸着材であるか、さらには、これら物理的
吸着材及び化学的吸着材の一方に、他方を組み合わせて
なる物理化学的吸着材であっても良い。
【0019】前記吸着材を含む材料については、ノード
とフィブリルの微細構造膜を形成するポリマーをマトリ
クスとする材料が特に好まれるが、具体的材料として、
例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン、ポリ弗化ビニリデン、ポリビニルア
ルコール、ポリ(エチレンテレフタレート)のいずれか
をマトリクスとする材料であって良い。また、その吸着
材を含むマトリクスの表面を、吸着材を含まない前記材
料の薄膜で被覆しても良い。
【0020】前記通気フィルター膜は、延伸ポリテトラ
フルオロエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリカ
ーボネートとポリエステルの複合材料、混合セルロース
エステル、ポリ塩化ビニル及びセルローストリアセテー
トのいずれかから構成されることが望ましい。
【0021】
【実施例】実施例について図面を参照して説明する。本
発明の第1の実施例を図1(a)及び図1(b)に示
す。図1(a)は、図1(b)なる平面図で示されるガ
ス吸着フィルターのaa’断面図である。ただし、図1
(b)では、構成要素が一部省略されている。
【0022】図1(a)で示されるとおり、ガス吸着フ
ィルター11が、呼吸口12を有する準密閉容器の蓋1
3の内側に、接着面を有する第1のシート材である粘着
テープ14によって取り付けられている。この粘着テー
プ14の上には、活性炭を媒質として含む第2のシート
材であるガス吸着シート15が載置され、さらにその上
に設けられた多孔質膜16によって、全体が被覆されて
いる。この多孔質膜16は、延伸ポリテトラフルオロエ
チレン(ePTFE)からなる通気フィルター膜であ
り、ガス吸着シート15から発生する埃も含めて、微粒
子が、準密閉容器内へ侵入するのを阻止している。粘着
テープ14には、打ち抜き穴17が設けられているが、
その上下が、準密閉容器の蓋13の壁面と、ガス吸着シ
ート15で覆われることによって、空気流路18が形成
されている。また、打ち抜き穴17の、一部、ガス吸着
シート15で覆われていない部分によって、開口19が
形成されている。この開口19は、多孔質膜16で覆わ
れている。以上の構成から明らかなとおり、準密閉容器
の蓋13の呼吸口12は、空気流路18を経て、開口1
9に通じている。
【0023】本発明の第2の実施例を図2(a)及び図
2(b)に示す。図2(a)は、図2(b)なる平面図
で示されるガス吸着フィルターのaa’断面図である。
ただし、図2(b)では、構成要素が一部省略されてい
る。
【0024】図2(a)で示されるとおり、ガス吸着フ
ィルター21が、呼吸口22を有する準密閉容器の蓋2
3の内側に、接着面を有する第1のシート材である粘着
テープ24によって取り付けられている。この粘着テー
プ24の上には、活性炭を媒質として含む第2のシート
材であるガス吸着シート25が載置され、さらにその上
に設けられた多孔質膜26によって、全体が被覆されて
いる。この多孔質膜26は、延伸ポリテトラフルオロエ
チレン(ePTFE)からなる通気フィルター膜であ
り、ガス吸着シート25から発生する埃も含めて、微粒
子が、準密閉容器内へ侵入するのを阻止している。粘着
テープ24には、打ち抜き穴27が設けられているが、
その上下が、準密閉容器の蓋23の壁面と、ガス吸着シ
ート25で覆われることによって、空気流路28が形成
されている。また、ガス吸着シート25に、開口29が
形成されている。この開口29は、多孔質膜26で覆わ
れている。以上の構成から明らかなとおり、準密閉容器
の蓋23の呼吸口22は、空気流路28を経て、開口2
9に通じている。
【0025】本発明の第3の実施例を図3の斜視図に示
す。この図には、第1及び第2の実施例との構成の違い
を説明する部分のみが描かれており、他の構成要素は省
略されている。
【0026】図3に示されるとおり、ガス吸着フィルタ
ーを準密閉容器に取り付けるための、第1のシート材で
ある粘着テープ34の上に、活性炭を媒質として含む第
2のシート材であるガス吸着シート35が載置されてい
る。さらに、その上にePTFEからなる通気フィルタ
ー膜である多孔質膜が設けられ、周縁で粘着テープ34
と接着されて全体が被覆されるが、この多孔質膜は、図
3中では省略されている。ガス吸着フィルターが準密閉
容器に取り付けられるとき、粘着テープ34に設けられ
た打ち抜き穴37が、図示されていない準密閉容器の呼
吸口上に配置される。ガス吸着シート35は、中央に溝
が形成され、断面が凹の字状であるが、その溝の部分
が、打ち抜き穴37上に位置するように、粘着テープ3
4上に被せられている。このガス吸着シート35の溝
と、粘着テープ34とによって、空気流路38が形成さ
れている。また、ガス吸着シート35の端部が開口39
となる。この開口39も、上述の図示されない多孔質膜
で覆われている。
【0027】さらに、以上の各実施例と同等の外観形状
を有するガス吸着フィルターにおいて、本発明を、他の
形態で実施するためのガス吸着シートについて、図4の
各図を用いて説明する。
【0028】前述の第1の実施例では、図4(a)に示
される、ガス吸着材のみからなるガス吸着シート15が
用いられているが、図4(b)または図4(c)のよう
に、通気性のない膜であるガス不透過フィルム40を、
中間または表面に積層させてもよい。また、前述の第2
の実施例では、図4(d)に示される、ガス吸着材のみ
からなるガス吸着シート25が用いられているが、この
ガス吸着シート25が有する開口29と同様な開口を、
前記図4(b)または(c)に示されるガス吸着シート
に設ければ、これらを、前述の第2の実施例におけるガ
ス吸着シート25に代えて用いることができる。
【0029】前述の第3の実施例では、図4(e)に示
される、ガス吸着材のみからなり、溝が端から端まで延
びるガス吸着シート35が用いられていたが、図4
(f)に示されるように、溝が一方の終端のみに延びる
ものを用いてもよい。また、図4(g)に示されるもの
のように、通気性のないガス不透過フィルム40を間に
積層させても良い。
【0030】一方、前述の第1、第2または第3の実施
例において、粘着テープを構成する樹脂に、活性炭など
のガス吸着材を混入させても良く、または、粘着テープ
の、空気流路に露呈する部分にガス吸着材を接着させて
おくことも可能である。
【0031】なお、以上の実施例において、粘着テープ
14、24及び34は、ポリエステルを基材とし、その
両面にアクリル系粘着材が塗付されて形成される。この
ポリエステルの基材は、ガス吸着フィルター11、21
及び31の他の構成部材よりも弾性力に富むため、これ
によって、これらのガス吸着フィルターは、その形状を
保持することができる。また、両面に塗付される粘着材
については、一方の面のものが、ガス吸着シート15、
25及び35と多孔質膜16及び26その他を、粘着テ
ープに固定して、ガス吸着フィルター11、21及び3
1を組立てるために用いられ、他方のものは、そうして
組立てられたガス吸着フィルターを準密閉容器に取付け
るために用いられる。準密閉容器に取り付けられるまで
は、この粘着材面には、離型フィルムが貼られている。
【0032】また、以上の実施例で使用されるガス吸着
シートは、活性炭粉末を含有するポリテトラフルオロエ
チレン樹脂の延伸されたシート状成形体の表裏両面に、
薄いePTFE膜を積層して構成される。このような吸
着材を含む材料の成形体は、例えば、特開平4−323
007号公報に記載されているような、周知の技術を用
いて作成することが可能である。吸着材の活性炭粉末を
含むことで、その成形体は、発塵を起こしやすくなって
いるため、それを防止するため、前述のとおり薄いeP
TFE膜を表面に積層させている。これによって、最終
製品が組み立てられるまで、その成形体の取り扱いが容
易となるが、もちろん、吸着材を含む成形体によって
は、そのようなePTFE膜を積層させずに、単独でガ
ス吸着シートとして用いることも可能である。その他に
も、樹脂をマトリクスとし、吸着材をフィラーとして作
成された成形体が、本発明におけるガス吸着シートとし
て用いられ得ることは明らかである。
【0033】
【発明の効果】本発明によると、ガス吸着フィルターで
ありながら、吸着材を有さないフィルター並みに低い圧
力損失を有し、吸着材の使用量や密度を増やしても、構
造上、その低い圧力損失を維持できるガス吸着フィルタ
ーが得られる。この吸着材によって、準密閉容器の呼吸
口から進入してくる空気及びその容器内雰囲気に対し
て、高い化学汚染物質吸着能力が保証される。さらに、
本発明のガス吸着フィルターによると、空気中に浮遊
し、または、吸着材等から発生する埃や粒子に加え、湿
気が、準密閉容器内へ侵入するのを阻止できる。
【0034】そして、空気流路が、準密閉容器の壁面を
利用して形成される構造とすることにより、少ない材料
で、長い空気流路を形成することが可能となる。また、
打ち抜き穴を有するシート材を利用して、基本的には、
シート状の材料を積層するのみで、本発明のガス吸着フ
ィルターを構成できるので、製造が極めて容易となる。
この場合、打ち抜き穴を有する第1のシート材に積層さ
れる、第2のシート材を、吸収材を含む材料で構成すれ
ば、ガス吸着フィルターの厚みを抑えて、出来るだけ広
い面積で、空気が吸収材を含む材料と接触できる構造が
得られる。さらに、この時、この第2のシート材に、中
間層、または、表面層として通気性のない膜を積層させ
ると、この第2のシート材を、直接空気が通過して、準
密閉容器内に湿気が持ち込まれるのを防止することがで
き、特に、第2のシート材の密度が高くない場合に有効
となる。
【0035】また、通気フィルター膜が、第2のシート
材を裏面から覆って、周囲で第1のシート材に接着され
ることにより、第2のシート材が、準密閉容器内に露呈
しないものとなる。これは、単なる支持構造に留まら
ず、ガス吸着フィルター内から発生する粒子が、準密閉
容器中に侵入するのを防止し、また、この容器内の空気
が、そのガス吸着フィルター内の吸着材と接触して洗浄
化される構造を提供している。準密閉容器内の機器や装
置が原因で、有毒ガスが発生しやすい場合などに、特
に、この構造は有効である。
【0036】さらに、第1のシート材の形状保持特性
を、ガス吸収フィルターの他の構成部材より高くすると
いう材料の選択は、組み立て、取り扱いの容易なガス吸
着フィルターを得るためのものである。すなわち、吸着
材または吸着材を含む材料、及び、通気フィルター膜
は、一般に、形状を保持しにくい材料でできている。し
たがって、ある程度弾性を有して全体の形状を保持する
部材が、どうしても必要となるが、特に、準密閉容器へ
の接着面を有する前記第1のシート材に、このような特
性を持たせると、準密閉容器への取り付けも容易とな
り、その意味合いは大きくなる。
【0037】第2シート以外の構成要素も、吸着材を含
有するものとすれば、空気流路の内壁の内、吸着材を含
む部分の比率が高まり、当然に、汚染物質の吸着効果が
高くなる。
【0038】ガス吸着フィルターの接着面に、接着剤層
があれば、準密閉容器への貼り付け作業が容易になる。
特に、この接着剤層の材料として、アクリル系粘着材が
好ましい。
【0039】本発明のガス吸着フィルターは、吸着材の
種類を適宜選択することにより、いかなる汚染物質を含
む環境においても、適用が可能である。吸着材を含む材
料が、ノードとフィブリルの微細構造膜を形成するポリ
マーをマトリクスとするものであると、そのフィラーで
ある吸着材がよりよく空気に晒されるので、特に、吸着
効果が大きくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のガス吸着フィルターの第1の実施例
を示す図である。
【図2】 本発明のガス吸着フィルターの第2の実施例
を示す図である。
【図3】 本発明のガス吸着フィルターの第3の実施例
を示す図である。
【図4】 本発明のガス吸着フィルターに適用されるガ
ス吸着シートの形状を例示する図である。
【図5】 従来のガス吸着フィルターを示す図である。
【符号の説明】
11,21,31,51 ガス吸着フィルター 12,22,52 呼吸口 13,23,53 準密閉容器の蓋 14,24,34,54 粘着テープ 15,25,35,55 ガス吸着シート 16,26,56 多孔質膜 17,27,37,57 打ち抜き穴 18,28,38 空気流路 19,29,39 開口 40 ガス不透過フィルム

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】準密閉容器の圧力調整用呼吸口を覆うよう
    に、接着面によって、その容器に取り付けられ、少なく
    とも、その取り付けられた状態で、一端がこの呼吸口に
    通じ、他端が通気フィルター膜で覆われた開口に通じる
    空気流路を有するガス吸着フィルターであって、 この空気流路の内壁の少なくとも一部は、吸着材を含む
    材料から構成されており、かつ、 この吸着材を含む材料は、前記接着面上にて、全体が、
    前記通気フィルター膜で覆われているガス吸着フィルタ
    ー。
  2. 【請求項2】前記接着面に対して設けられた凹部が、前
    記空気流路の内壁の一部となる請求項1に記載のガス吸
    着フィルター。
  3. 【請求項3】前記接着面は、打ち抜き穴を有する第1の
    シート材の上面であり、前記凹部は、この第1のシート
    材の打ち抜き穴と、この第1のシート材の裏面に積層さ
    れた第2のシート材の上面から形成される請求項2に記
    載のガス吸着フィルター。
  4. 【請求項4】前記第1のシート材の打ち抜き穴の、前記
    第2のシート材で覆われていない部分によって、前記開
    口が形成される請求項3に記載のガス吸着フィルター。
  5. 【請求項5】前記第2のシート材に、前記開口が形成さ
    れる請求項3に記載のガス吸着フィルター。
  6. 【請求項6】前記第2のシート材は、前記吸着材を含む
    材料から構成されている請求項3乃至5に記載のガス吸
    着フィルター。
  7. 【請求項7】前記第2のシート材は、通気性のない膜
    を、さらに、その内部または表面に有する積層体である
    請求項6に記載のガス吸着フィルター。
  8. 【請求項8】前記通気性のない膜は、ポリマーからなる
    プラスティックフィルム、金属箔または金属化フィルム
    のいずれかである請求項7に記載のガス吸着フィルタ
    ー。
  9. 【請求項9】前記通気フィルター膜は、前記第2のシー
    ト材を裏面から覆って積層され、周辺で前記第1のシー
    ト材に接着されている請求項3乃至8のいずれかに記載
    のガス吸着フィルター。
  10. 【請求項10】前記第1のシート材は、前記第2のシー
    ト材及び前記通気フィルター膜よりも形状保持特性が高
    い請求項3乃至9のいずれかに記載のガス吸着フィルタ
    ー。
  11. 【請求項11】前記第1のシート材が、ポリエステル、
    ポリプロピレン、ナイロン、ポリカーボネート、ポリ塩
    化ビニル、ポリ酢酸ビニル及びアクリル系粘着材を不織
    布に含浸させたもののうちのいずれかから構成される請
    求項3乃至10のいずれかに記載のガス吸着フィルタ
    ー。
  12. 【請求項12】前記接着面及び前記凹部を形成する部材
    が、前記吸着材を含む材料で構成されており、その凹部
    内に、前記開口が形成されている請求項2に記載のガス
    吸着フィルター。
  13. 【請求項13】実質的に、前記空気流路の内壁の全て
    が、前記吸着材を含む材料によって構成されている請求
    項1に記載のガス吸着フィルター。
  14. 【請求項14】前記接着面は、表面に接着剤層を有して
    いる請求項1乃至13のいずれかに記載のガス吸着フィ
    ルター。
  15. 【請求項15】前記吸着材が、シリカゲル、活性炭、活
    性アルミナ、モレキュラーシープ、クレー及び超吸着性
    繊維のいずれか一つ、または、これらの内から選択され
    た2つ以上の組み合わせによる物理的吸着材である請求
    項1乃至14のいずれかに記載のガス吸着フィルター。
  16. 【請求項16】前記吸着材が、炭酸カルシウム、硫酸カ
    ルシウム、過マンガン酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭
    酸カリウム、燐酸ナトリウム及び活性化された金属のい
    ずれか一つ、または、これらの内から選択された2つ以
    上の組み合わせによる化学的吸着材である請求項1乃至
    14のいずれかに記載のガス吸着フィルター。
  17. 【請求項17】前記吸着材が、前記物理的吸着材及び前
    記化学的吸着材の内の一方に、他方を組み合わせてなる
    物理化学的吸着材である請求項15または16に記載の
    ガス吸着フィルター。
  18. 【請求項18】前記吸着材を含む材料が、ノードとフィ
    ブリルの微細構造膜を形成するポリマーをマトリクスと
    する材料である請求項1乃至17のいずれかに記載のガ
    ス吸着フィルター。
  19. 【請求項19】前記吸着材を含む材料が、ポリテトラフ
    ルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ
    弗化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリ(エチレ
    ンテレフタレート)のいずれかをマトリクスとする材料
    である請求項1至18のいずれかに記載のガス吸着フィ
    ルター。
  20. 【請求項20】前記通気フィルター膜が、延伸ポリテト
    ラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリ
    カーボネートとポリエステルの複合材料、混合セルロー
    スエステル、ポリ塩化ビニル及びセルローストリアセテ
    ートのいずれかから構成される請求項1乃至19のいず
    れかに記載のガス吸着フィルター。
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