以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係る印刷処理システム50の構成を示すブロック図である。
このシステム50は、本システムを利用して印刷を行うユーザが使用する複数のクライアント端末10(10a,10b,10c,…)と、該クライアント端末10とネットワーク20を介して接続され、該クライアント端末10からユーザ操作に基づくドキュメント(文書)の印刷要求を受付けて印刷ジョブを生成するプリント管理装置30と、該プリント管理装置30とネットワーク21を介して接続され、該プリント管理装置30からキューイングされる前記印刷ジョブに基づき上記ドキュメントを画像として印刷出力する複数のプリンタ40(40a,40b,40c,…)を具備して構成される。
クライアント端末10は、例えば、PC(パーソナル・コンピュータ)等により実現され、入力/操作部、表示部、制御部(CPU)等(図示せず)を備えている。
クライアント端末10を用いてプリント管理装置30にアクセスしてドキュメントを印刷しようとするユーザは、入力/操作部の操作によりプリント管理装置30にログインした後、同クライアント端末10の表示部に表示される印刷要求画面を用いて、印刷するドキュメント、印刷部数、印刷対象プリンタ等を指定する印刷要求操作を行う。
プリント管理装置30は、主制御部31、アプリケーションサーバ32、印刷管理部33、記憶部34、設定処理部35、表示制御部36を具備して構成される。
主制御部34は、プリント管理装置全体の制御を行うものであり、その制御の一環として、クライアント端末10からのログイン要求に応答して該クライアント端末10の表示部にログイン画面を表示し、該ログイン画面を用いてユーザから入力されるユーザIDに基づきログインを許可若しくは拒否するログイン受付け処理を行う。
アプリケーションサーバ32は、ドキュメント処理(ドキュメント生成/管理/印刷指示)機能を有する各種アプリケーションを保持(記憶)し、上記ログインが完了したクライアント端末10からの要求に応じて該クライアント端末10に対して当該アプリケーションを供給する。
これにより、クライアント端末10では、アプリケーションサーバ32が保持するアプリケーションを起動してドキュメントの生成や当該ドキュメントの印刷を行うことができる。
クライアント端末10から上記アプリケーションを用いて所望のドキュメントの印刷要求があると、アプリケーションサーバ32は、該印刷要求対象のドキュメントの印刷ジョブを生成し、プリンタ40に送出する(キューイングする)。
印刷管理部33は、記憶部34内に設けられる印刷管理テーブル341を用いて、本システム50の印刷部数管理制御に係わる各種情報の管理を行う。
記憶部34は、プリント管理装置30の動作プログラム等をはじめとした各種情報を記憶するものであり、その記憶情報の1つとして、印刷管理部33の管理対象となる各種情報を保持する。
設定処理部35は、ユーザがクライアント端末10を用いて行う設定要求に応じて、本システム50における印刷部数管理制御に必要な情報(後述する初期設定情報)を印刷管理テーブル341に設定する処理を行う。
表示制御部36は、ユーザがクライアント端末10を用いてプリント管理装置30に対して行う印刷要求操作に応じて、該クライアント端末10の表示部に、印刷部数や印刷対象プリンタ等を指定するための印刷要求画面を表示する制御を行う。
このシステム50では、運用に先立って、印刷部数管理制御に用いる各種の情報のうちの基本となる情報として、例えば、ドキュメント毎に、該ドキュメントを印刷可能なグループ、該グループで印刷可能な部数の上限値、該グループに属するユーザ(グループのメンバ)の各情報を印刷管理テーブル341に事前に設定する必要がある。
この基本となる情報の設定に際し、ユーザは、クライアント端末10を用いてプリント管理装置30にログインした後、表示部に表示される設定画面上で、上記各情報を入力する。
一方、プリント管理装置30では、設定処理部35が、上記設定画面から入力された各情報を受信し、該各情報を印刷管理テーブル341に登録する。
図2は、印刷管理テーブル341の構成を示す図である。
図2に示すように、印刷管理テーブル341には、アプリケーションサーバ32が保持する各ドキュメント〔d1(バージョン1),d2(バージョン1),…〕に対応して、これら各ドキュメントを印刷可能なグループの情報(グループ名g1,g2,…と、対応する各グループID)と、これら各グループに属するユーザ(グループメンバ)の情報(メンバ名m11,m12,…と、対応する各ユーザID)と、グループ毎の印刷可能な部数の上限値が設定されている。
この例では、グループg1は、5人のメンバm11,m12,m13,m14,m15から構成され、該グループg1が印刷可能なドキュメントd1(バージョン1)についての当該グループg1での印刷可能部数の上限値として5(部)が設定されている。
同じく、グループg1が印刷可能なドキュメントd2(バージョン1)についての当該グループg1での印刷可能部数の上限値として6(部)が設定されている。
また、グループg2は、5人のメンバm21,m22,m23,m24,m25から構成され、該グループg2が印刷可能なドキュメントd1(バージョン1)についての当該グループg2での印刷可能部数の上限値として8(部)が設定されている。
同じく、グループg2が印刷可能なドキュメントd2(バージョン1)についての当該グループg2での印刷可能部数の上限値として5(部)が設定されている。
また、印刷管理テーブル341には、上述した初期設定情報(ドキュメント毎に記憶された、該ドキュメントを印刷可能なグループ、該グループで印刷可能な部数の上限値、該グループのメンバ)の他、各グループの各メンバ毎の印刷部数(実際に印刷された部数)、当該各印刷ジョブの実行日時(印刷日時)並びに印刷を実行したプリンタに関する情報(以上、ユーザ印刷履歴情報)や、各グループ毎のグループ全体の印刷部数、各グループ毎の印刷可能部数(各グループ毎に上限値からグループ全体の印刷部数を減算した結果:残り何部印刷できるかを示す)の情報(以上、グループ印刷情報)が各ドキュメントに対応して記憶される。
これら各情報(ユーザ印刷履歴情報、各グループ毎のグループ全体の印刷部数、各グループ毎の印刷可能部数)は、本システム50の印刷実行時、印刷管理部33が以下の処理を通して管理するものである。
すなわち、印刷管理部33は、各ユーザからの印刷要求に応じた印刷ジョブが実行されるのに合わせて当該各ユーザ毎の印刷部数をカウントし、当該カウント値に応じて、印刷管理テーブル341上の対応する各ユーザの印刷部数を逐次更新すると共に、これら印刷ジョブについての印刷日時、印刷実行プリンタを該当各領域に記憶する処理を行う。
また、印刷管理部33は、各ユーザからの印刷要求に応じた印刷ジョブが終了すると、当該各ユーザの印刷部数を当該各ユーザが属するグループ全体の印刷部数に加算すると共に、該グループ全体の印刷部数を当該グループに対して予め設定されている印刷可能部数の上限値から減算することで、印刷管理テーブル341上の各グループ毎の印刷可能部数を逐次更新する処理を行う。
このように、印刷管理部33は、印刷管理テーブル341を用いて、設定処理部35からドキュメント毎に事前に設定される、該ドキュメントを印刷可能なグループ、該グループで印刷可能な部数の上限値、該グループのメンバといった各情報を管理すると共に、印刷の実行に合わせて、各グループの各メンバ毎の印刷履歴(印刷部数、印刷日時、印刷実行プリンタ)、各グループ毎のグループ全体の印刷部数、並びに各グループ毎の印刷可能部数を逐次更新しながらこれら各情報の管理も行っている。
なお、上述した印刷管理部33における上記各情報の管理に際し、印刷管理テーブル341に記憶される各ユーザID(メンバID)としては、例えば、ログインを許可するために当該各ユーザに割当てられたユーザIDが用いられる。
すなわち、印刷管理テーブル341には、ログイン可能な各ユーザに割当てられた各ユーザIDに対応してこれら各ユーザが所属するグループのグループIDが登録され、印刷管理部33は、上記ユーザIDとグループIDの対応関係によって、グループとそのグループに属するユーザ(メンバ)の管理を実現している。
次に、ユーザが、クライアント端末10を用いてプリント管理装置30にアクセスし、印刷要求を行うまでの概略動作について説明する。
このシステム50において、あるユーザが、クライアント端末10を用いてプリント管理装置30にアクセス要求を送出すると、プリント管理装置30の主制御部31が、アクセス元のクライアント端末10の表示部にログイン画面を表示する。
上記ログイン画面を見たユーザが、ログインを行う場合には、入力/操作部を操作することにより、当該ログイン画面のユーザID入力欄に、予め自分に割り振られているユーザIDを入力する。
これに対して、プリント管理装置30の主制御部31は、ユーザによって入力された上記ユーザIDがログインを許可するために予め登録されているユーザIDに一致するか否かを判定し、一致する場合にはログインを許可する。
ログインを許可された後、ユーザは、クライアント端末10を用いて、アプリケーションサーバ32にアクセスし、該アプリケーションサーバ32に保持されるアプリケーションを起動後、所望のドキュメントの印刷要求を行うことができる。
上記印刷要求を行うためには、ユーザは、所望のドキュメントを選んだうえで、例えば、該ドキュメントの編集画面上で"印刷"ボタンを押下するなど、印刷要求画面を開くことを指示する印刷要求操作を行う必要がある。
上記印刷要求操作がなされると、表示制御部36は、当該ドキュメントを対象とする印刷要求画面115(後述する115a,115b,115c,115d,115e,115f,115g,115h,115i等)を生成し、該印刷要求画面115を当該クライアント端末10の表示部に表示する。
ユーザは、このクライアント端末10の表示部に表示される印刷要求画面115を用いて当該ドキュメントの印刷部数や印刷を実行するプリンタ等の指定並びに印刷開始操作を行うことができる。
図3は、印刷要求画面(115a)の一例を示す図である。
図3に示すように、印刷要求画面115aには、印刷を実行するプリンタを指定するツール(図中、"プリンタ名"コンボボックス)、グループを指定するツール(同、"グループ名"コンボボックス)、印刷部数を入力するツール(同、"印刷部数"入力ボックス)、印刷の開始を指示するツール(同、"印刷"ボタン)、印刷のキャンセルを指示するツール(同、"キャンセル"ボタン)等の各ツールが備わる。
また、"印刷部数"入力ボックスの横には、今回印刷要求を行ったユーザが属するグループについての当該印刷要求対象のドキュメントの印刷可能部数を表示する欄(点線で示す領域)が設けられ、また、同入力ボックスの下部には、当該グループに属する各ユーザの当該印刷要求対象ドキュメントのアカウント情報(印刷履歴)を表示する欄が設けられる。
この印刷要求画面115aを表示するに際して、表示制御部36は、ユーザによってクライアント端末10を用いてなされる上記印刷要求操作(ドキュメントを選んだうえで印刷要求画面を開くことを指示する操作)を監視し、該操作がなされた場合、印刷管理テーブル341を検索し、該操作により選択されたドキュメント(印刷要求対象ドキュメント)に対応して記憶されている情報の中から必要な情報を読出し、該情報を印刷要求画面115の該当各欄に表示する。
図3は、特に、グループg1のメンバ(例えば、m12)が、当該グループg1の他のメンバがドキュメントd1を印刷していない状態で当該ドキュメントd1の印刷要求操作を行った際に表示される印刷要求画面115aの表示形態を示している。
この場合、表示制御部36は、ログイン時に入力された当該メンバm12のユーザIDからメンバm12と該メンバm12が属するグループg1を特定し、"グループ名"コンボボックス内にグループ名として"g1"を表示する。
また、表示制御部36は、グループg1のメンバm12によるドキュメントd1についての印刷要求であるとの認識結果に基づき、当該グループg1の当該ドキュメントd1についての印刷可能部数を管理テーブル341から検索し、該検索結果に基づき、"印刷部数"入力ボックスに隣接(この例では、右側)した印刷可能部数表示欄に印刷可能部数を表示する。
この例の場合、当該時点で、グループg1のどのメンバも当該ドキュメントd1を印刷していないことから、印刷管理テーブル341の当該グループg1の印刷可能部数は、初期設定時の上限値(5部)のままである。
この場合、表示制御部36は、印刷管理テーブル341から上記上限値(5部)を検索し、上記印刷可能部数表示欄に、1部から5部までの間で印刷部数を指定可能であることを意味する「(1〜5)」という内容の印刷可能部数表示を行う。
また、表示制御部36は、グループg1のメンバm12によるドキュメントd1についての印刷要求であるとの認識結果に基づき、アカウント情報表示欄中の注釈表示欄("アカウント情報"というテキスト文字の右の括弧内)に、当該アカウント情報が、ドキュメントd1に関するグループg1のアカウント情報である旨を示す注釈情報「(ドキュメント名:d1 グループ名:g1)」を表示する。
更に、表示制御部36は、上記認識結果に基づき、印刷管理テーブル341から、ドキュメントd1に関するグループg1の全メンバの印刷履歴を検索し、その検索した印刷履歴をアカウント情報表示欄に表示する制御を行う。
印刷履歴として検索、表示する情報としては、当該グループg1の誰が(ユーザ名)、いつ(印刷日時)、何部(印刷部数)、どのプリンタ(プリンタ名)で印刷したかの各項目の情報がある。
この例の場合、グループg1のメンバm12が印刷要求操作を行った時点で、当該グループg1の他のどのメンバもドキュメントd1を印刷しておらず、該当する印刷履歴を検索できないことから、表示制御部36は、アカウント情報表示欄の各項目(ジョブ名、ユーザ名、印刷日時、印刷部数、プリンタ名)を空欄とする表示を行う。なお、この例のように、印刷履歴を検索できなかった場合には、アカウント情報表示欄自体を表示しないようにしても良い。
なお、上述した"グループ名"コンボボックスは、該ボックス内のスクロールボタンを操作して所望のグループ名を選択することで、該グループ名に対応するグループのアカウント情報を読み出す旨の指示を行うという使い方もできる。
この場合、表示制御部36は、新たに選択されたグループの印刷履歴を印刷管理テーブル341から検索し、アカウント情報表示欄に表示するアカウント情報を、今回検索したグループのアカウント情報に切替えて表示する。
さて、ユーザは、クライアント端末10の表示部に表示される上記印刷要求画面115aを用い、以下の手順で当該ドキュメントd1の印刷条件を指示することができる。
まず、印刷要求画面115aにおいて、"プリンタ名"コンボボックスのスクロールボタンを操作して所望のプリンタ名を選択することで、該プリンタ名に対応するプリンタ40を当該ドキュメントd1を印刷するプリンタとして指定できる。
なお、印刷要求画面115aが開かれた時点では、"プリンタ名"コンボボックス内には、この時に印刷要求されたドキュメントd1を印刷する候補となる(推奨される)プリンタ名が表示されているため、このプリンタが所望のプリンタである場合には上記スクロール操作を行う必要がない。
また、ユーザは、"印刷部数"入力ボックス内にカーソルを移し、所望の印刷部数に相当する数字を入力することで、当該数字をドキュメントd1の印刷部数として指示することができる。
この印刷部数の指定に際し、"印刷部数"入力ボックスの右側にある印刷可能部数表示欄には、上述した如く、今回印刷要求を行うユーザが属するグループg1における当該ドキュメントd1に関する印刷可能部数が表示されている。
この例の場合、印刷要求画面115aの印刷可能部数表示欄の表示を見ることにより、当該ユーザ(m12)は、当該ドキュメントd1に関して最大5部の印刷部数の指定が可能であることを認識できる。
ここで、ユーザ(m12)が、例えば、図4に示す印刷要求画面115bの例のように、印刷実行プリンタとして"dc706"を指定し、かつ印刷部数として4(部)を入力した後、"印刷"ボタンを押下したものとする。
この"印刷"ボタンの押下により、アプリケーションサーバ32は、当該ドキュメントd1を4部印刷する指示を含む印刷ジョブを生成し、該印刷ジョブを"dc706"という識別情報を持つプリンタ40に送信する。
プリンタ40は、上記印刷ジョブに基づき、印刷対象のドキュメントd1を指定された部数(4部)だけ印刷出力する。
上記ドキュメントd1の印刷実行中、ユーザ管理部33は、当該印刷ジョブの印刷状況を監視し、該印刷されたドキュメントd1に関する印刷部数を逐次カウントすると共に、印刷管理テーブル341の当該ドキュメントd1に関する当該印刷要求を行ったユーザ(グループg1のユーザm12)に対応する印刷部数に該カウント値分を加算して当該印刷部数を更新する処理を行う。また、その際、当該印刷ジョブに関する印刷履歴(印刷日時、印刷実行プリンタ)も記憶する。
更に、ユーザ管理部33は、ドキュメントd1の今回の印刷部数を当該印刷要求を行ったユーザが属するグループg1の印刷可能部数の上限値から減算し、当該ドキュメントd1についての当該グループg1の印刷可能部数を更新する処理を行う。
この例では、グループg1のメンバm12がドキュメントd1を4部印刷したため、印刷管理部33は、印刷管理テーブル341において、メンバm12の印刷部数として4をカウントし、当該メンバm12が属するグループg1の印刷可能部数を1(=5−4)に更新する。
この印刷管理部33による印刷管理管理テーブル341の更新処理結果は、直ちに、印刷要求画面115のアカウント情報表示に反映される。
すなわち、上記更新処理終了後、表示制御部36は、印刷管理テーブル341を検索して、当該メンバm12が属するグループg1の更新後の印刷可能部数を読出し、該印刷可能部数を印刷可能部数表示欄に表示する。
また、表示制御部36は、更新処理後の印刷管理テーブル341から当該グループg1の各メンバの印刷履歴を読出し、該印刷履歴をアカウント情報表示欄に表示する。
図5は、図4における印刷要求画面115b上での指定条件に基づく印刷ジョブ完了後の印刷要求画面115cの表示例を示す図である。
図5において、印刷要求画面115cの印刷可能部数表示欄には、ユーザm12がドキュメントd1を4部印刷した結果を反映して、当該グループg1の印刷可能部数が残り1部となった旨の表示がなされている。
また、図5において、印刷要求画面115cのアカウント情報表示欄には、今回完了した印刷ジョブ1〔ジョブ名〕に関して、グループg1のメンバm12〔ユーザ名〕が2003年1月15日〔印刷日時〕に、4部〔印刷部数〕をプリンタdc706〔プリンタ名〕で印刷したことを示す印刷履歴情報が表示されている。
ここで、ユーザm12が自分が印刷要求したドキュメントd1の印刷結果を見て、例えば、最後の2部について印刷結果が好ましくないと判断した場合、印刷要求画面115のアカウント情報表示欄で印刷部数を4部から2部に変更することができる。
この印刷部数の変更を実現するために、本システム50では、印刷要求画面115のアカウント情報表示欄に印刷履歴の一項目として表示される各ユーザの印刷部数に対する印刷部数の変更入力を受付け、該変更入力された印刷部数を当該ユーザの印刷部数として再設定する再設定手段が備わっている。
具体的には、アカウント情報表示欄の各ユーザの印刷部数を表示する欄には、上記印刷部数の変更入力受付けツールとして機能する"印刷部数"コンボボックスが備わっている。
ユーザm12は、上述した如く、印刷部数を4部から2部に変更しようとする場合、例えば、図6に示す印刷要求画面115dの例のように、アカウント情報表示欄の"印刷部数"コンボボックス内でスクロールボタンを適宜操作することにより、表示中のユーザm12の印刷部数を4部から2部に変更する操作を行えば良い。
上記操作を受けて、印刷管理部33は、ユーザm12の当該ドキュメントd1の印刷部数を4部から2部に再設定する。
また、印刷管理部33は、上記再設定された印刷部数に応じて、該当するドキュメントd1についての当該グループg1の印刷可能部数を、再設定後の印刷部数(2部)を上限値(5部)から減算した値(3)に更新する処理を行う。
更に、表示制御部36は、上記再設定後の印刷可能部数を印刷管理テーブル341から読出し、例えば、図7に示す印刷要求画面115eの例のように、当該画面の印刷可能部数表示欄の表示を、変更前の1部(図6参照)から最大3部まで印刷可能であることを示す(1〜3)の表示に切替える。
次に、例えば、あるグループの何人かのメンバがドキュメントを印刷した後の印刷要求操作について考えて見る。
図8は、グループg1において、メンバm12が2部、メンバm14が1部、それぞれドキュメントd1を印刷した後、メンバm15が印刷要求画面115fを開いて当該ドキュメントd1の印刷要求を行う場合の状況を示す概念図である。
図8に示す状況下では、管理制御部33によって、ドキュメントd1についてのグループg1のメンバm12とメンバm14の印刷部数としてそれぞれ2部と1部がカウントされ、印刷管理テーブル341の当該各メンバm12,m14の印刷履歴は該カウント結果を反映した内容に更新されている。
また、この時点では、ドキュメントd1についてのグループg1全体の印刷部数は3部(メンバm12分=2部+メンバm14分=1部)であるため、管理制御部33によって、管理テーブル341の当該グループd1の印刷可能部数が2(=5−3)に更新されている。
これにより、図8に示す状況下で、メンバm15が当該ドキュメントd1を対象とした印刷要求操作を行った場合には、表示制御部36によって、当該時点の印刷管理テーブル341の検索結果に基づき図9に示すような印刷要求画面115fが表示される。
すなわち、この場合には、ログイン時に入力された当該メンバm15のユーザIDから該メンバm15が属するグループg1が特定され、印刷要求画面115fの"グループ名"コンボボックス内にグループ名として"g1"が表示される。
また、グループg1のメンバm15によるドキュメントd1についての印刷要求であるとの認識結果に基づき、印刷要求画面115fの印刷可能部数表示欄には、当該グループg1の印刷可能部数として、最大2部まで印刷部数を指定可能であることを意味する「(1〜2)」という内容の表示が行われる。
また、グループg1のメンバm15によるドキュメントd1についての印刷要求であるとの認識結果に基づき、印刷要求画面115fのアカウント情報表示欄には、グループg1で当該時点までにドキュメントd1の印刷を行っているメンバm12とメンバm14の印刷履歴が表示される。
また、グループg1のメンバm15によるドキュメントd1についての印刷要求であるとの認識結果に基づき、アカウント情報の表示欄中の注釈表示欄には、当該アカウント情報が、ドキュメントd1に関するグループg1のアカウント情報である旨を示す注釈情報「(ドキュメント名:d1 グループ名:g1)」が表示される。
これにより、今回、ドキュメントd1の印刷要求を行おうとするメンバm15は、上記印刷要求画面115f(図9参照)のアカウント情報表示欄並びに印刷可能部数表示欄の表示を見ることによって、自分が属するグループg1で他のメンバm12とm14が当該ドキュメントd1をそれぞれ2部,1部印刷していて、自分が後2部まで印刷できることを認識することができる。
ここで、メンバm15が所望する印刷部数が印刷可能部数表示欄に表示された印刷可能部数(2部)の範囲内である場合、該メンバm15は、例えば、図4を参照して説明したと同様に、その所望の印刷部数を"印刷部数"入力ボックスに入力し、必要に応じて、"プリンタ名"コンボボックスを用いてプリンタを指定する操作を行ったうえで印刷開始の指示を行うことができる。
しかしながら、ドキュメントd1についてのグループg1の残り印刷可能部数が2部であるような状況下において、メンバm15が、どうしても3部を印刷したいといった場合も考えられる。
この場合、通常通り、その所望の印刷部数"3"を"印刷部数"入力ボックスに入力すると、印刷可能部数(=2)を超える印刷部数(=3)の入力があったことが例えば印刷管理部33によって認識され、当該条件での印刷が禁止されると共に、該認識結果に基づき、表示制御部36が、例えば、図10に示す例のように、印刷要求画面115g上に、印刷が不可である旨のメッセージ"これ以上は印刷できません。"を表示する。
しかしながら、本システム50では、図6及び図7でも説明したように、アカウント情報表示欄に、印刷部数変更入力受付けツール(印刷部数コンボボックス)が設けられており、ユーザm15は、この印刷部数コンボボックスを用いて、同欄に印刷履歴が表示されているいずれかのユーザの印刷部数を再設定することにより、所望の印刷部数(3部)の入力設定に対処することができる。
ここで、ユーザm15が、例えば、図11に示す印刷要求画面115hの例のように、2部を印刷しているユーザm12の印刷部数コンボボックス内スクロールボタンを操作して表示中の印刷部数を2部から1部に変更する操作を行ったものとする。
この場合、例えば、印刷管理部33内に設けられる再設定手段によって、当該ユーザm12に関する印刷部数が2部から1部に再設定される。
また、この印刷部数の再設定を受けて、印刷管理部33では、グループg1の印刷部数が3部から2部に変更され、更には、このグループg1の印刷部数の変更に応じて、当該グループg1の印刷可能部数が、変更後の印刷部数2を上限値(5部)から減算した値(3)に更新される。
そして、表示制御部36は、管理テーブル341から上記更新後の印刷可能部数を読出し、印刷要求画面115hの印刷可能部数表示欄の表示を、変更前の2部(図9参照)から当該読み出した印刷可能部数(3部:実際の表示は、最大3部まで印刷可能であることを示す(1〜3)という内容)に切替え表示する。
この表示内容の印刷要求画面115hを用いて、ユーザm15は、"印刷部数"入力ボックスに対して印刷部数として3部を入力し、プリンタ40(この例では、dc706)を指定した後に"印刷"ボタンを押下することによって、印刷要求を行うことができ、この場合には、当該プリンタ40によってドキュメントd1を3部印刷せしめて、これを入手することができる。
なお、図10の説明においては、印刷要求画面115上で現在の印刷可能部数を超える印刷部数を入力した場合には、印刷不可の旨のメッセージを表示するようにしたが、その変形例としては、印刷要求画面115上で印刷可能部数を超える印刷部数を入力した場合に、当該印刷要求画面115のアカウント情報表示欄に表示されているいずれかのユーザの印刷部数について該印刷部数を再設定することを求める旨の表示を行うようにしても良い。
図12は、この変形例における再設定要求メッセージの表示例を示す図である。図12に示す印刷要求画面115iの例においては、例えば、図9に示す印刷要求画面115fの表示中に、印刷可能部数(=2)を超える印刷部数(=3)の入力があり、その旨が印刷管理部33により認識され、更に、この認識結果に基づき、表示制御部36によって、現在の印刷履歴中のユーザの印刷部数を再設定することを促す旨のメッセージ"印刷部数を再設定して下さい。"が表示される様子が示されている。
なお、上記実施例では、グループg1の各メンバがドキュメントd1を印刷する場合の印刷部数規制制御について述べてきたが、本発明においては、印刷管理テーブル341(図2参照)の記憶情報からも分かるように、他のグループ及び他のドキュメントの印刷に際しても同様の印刷部数規制制御を実現できる。
特に、本発明のシステム50では、ドキュメントについて、そのバージョン毎に、当該ドキュメントを印刷可能な各グループと該各グループの印刷可能部数の管理を行っている。
このように、ドキュメントをバージョン毎に管理するにあたっては、ドキュメントの内容が新バージョンに更新された場合に、該ドキュメントと、該ドキュメントを印刷可能なグループ並びに該グループでの当該ドキュメントの印刷可能部数との関係付けが重要になる。
この点については、例えば、ドキュメントの内容が新バージョンに更新された場合、該バージョン更新後のドキュメントに関する印刷可能部数を、当該ドキュメントの旧バージョンに対応して設定されている印刷可能部数の初期値に自動的にリセットする機能を持たせても良い。
また、上記実施例では、グループのメンバと印刷可能部数の上限値を、クライアント端末10からのユーザ操作により設定処理部35を経由して予め設定する例を挙げているが、上記ユーザ操作が行われなかった場合に、印刷可能部数の上限値を自動設定する機能を付加しても良い。
具体的な構成としては、管理対象のグループの印刷可能部数の上限値が設定されなかった場合、該上限値として、当該グループに属するユーザの数等をデフォルト値として自動的に設定する手段を設ける構成が考えられる。
次に、本システム50における印刷処理動作について説明する。
図13は、本システム50における印刷処理動作を示すフローチャートである。
上述したように、このシステム50では、運用に先立って、印刷管理テーブル341に、ドキュメント毎に、該ドキュメントを印刷可能なグループ、該グループで印刷可能な部数の上限値、該グループに属するユーザ(グループのメンバ)の各情報が予め登録されると共に、印刷の実行に合わせて、印刷管理部33が、上記印刷管理テーブル341を用いて、各グループの各メンバ毎の印刷履歴、各グループ毎のグループ全体の印刷部数、各グループ毎の印刷可能部数を逐次更新管理している。
このような前提のうえで、図13では、説明を簡単にするため、グループg1のメンバm11がドキュメントd1の印刷要求を行う場合の印刷処理動作について説明する。
まず、このシステム50では、主制御部31がユーザからのログインを受付けた後、アプリケーションサーバ32は、該ユーザにより所望のドキュメントに対する印刷要求操作がなされたか否かを監視する(ステップS1301)。
ここで、例えば、ドキュメントd1に対する印刷要求操作がなされた場合(ステップS1301YES)、表示制御部36は、該ユーザがログイン時に入力したユーザIDを基に印刷管理テーブル341を検索して、該ユーザIDに対応するユーザ(この例では、メンバm11)と該ユーザが属するグループ(同、グループg1)を特定し、該グループg1のドキュメントd1についての印刷要求画面115を該ユーザが用いるクライアント端末10の表示部に表示する(ステップS1302)。
その際、表示制御部36は、上記特定したグループg1とドキュメントd1をキーに印刷管理テーブル341を検索することにより、現バージョンのドキュメントd1についてのグループg1での印刷可能な部数(rest)を印刷管理テーブル341から取得し(ステップS1303)、restが"0"であるか否かをチェックする(ステップS1304)。
ここで、restが"0"でない場合(ステップS1304NO)、表示制御部36は、ステップS1302で開いた(表示した)印刷要求画面115の印刷部数表示欄に、印刷可能部数の最大値として当該rest値を表示する。
また、表示制御部36は、グループg1、ドキュメントd1をキーに印刷管理テーブル341を検索して、ドキュメントd1についてのグループg1メンバの印刷履歴を取得し、該印刷履歴を上記印刷要求画面115のアカウント情報表示欄に参考情報として表示する(ステップS1305)。
ここで、印刷履歴としては、例えば、図9に示す印刷要求画面115fにおけるグループg1に関するアカウント情報の表示例のように、該ドキュメントd1について既に実行された印刷ジョブ名、該印刷ジョブの印刷を行ったユーザ名、印刷日時、印刷部数、印刷実行プリンタ名の各情報が表示される。
これにより、印刷要求操作を行ったユーザm11は、上記印刷要求画面115に表示された印刷履歴を見ることで、自分が印刷要求する当該ドキュメントd1を、グループg1の誰が、いつ、何部、どのプリンタで印刷したかを認識でき、更には、同印刷要求画面115の印刷可能部数表示欄を見ることで、当該ドキュメントd1を後何部まで印刷できるかを認識できる。
上記ステップS1305の後、アプリケーションサーバ32は、上記印刷要求画面115を用いて当該ドキュメントd1の印刷部数の入力を受付け(ステップS1306)、更には、印刷開始要求を受付ける(ステップS1307)。
なお、このステップS1306,S1307の各受付処理に際し、ユーザは、印刷要求画面115の印刷部数入力受付けツール("印刷部数"入力ボックス)に所望の数字を入力することにより印刷部数を指示でき、かつ同画面115の"印刷"ボタンを押下することで印刷開始要求を指示できる。
ステップS1307での印刷開始要求受付け後、表示制御部36は、ステップS1307での印刷部数入力受付けに際して入力された印刷部数(例えば、n)がrestの値以下か否かをチェックする(ステップS1308)。
ここで、入力された印刷部数nがrest値以下である場合(ステップS1308YES)、表示制御部36は、プリント管理装置30が当該印刷要求を受付けたか否かをチェックする(ステップS1309)。
ここで、プリント管理装置30が印刷要求を受付けなかった場合(ステップS1309NO)、表示制御部36は、印刷要求画面115に、印刷が失敗した旨の情報を表示し(ステップS1331)、その後、ステップS1305に戻り、印刷要求再受付を行う。
また、プリント管理装置30が印刷要求を受付けた場合(ステップS1309YES)、印刷管理部33は、該印刷要求の条件としてステップS1306で入力された印刷部数nをrestの値から減算してrest値を更新し(ステップS1310)、表示制御部36は、印刷要求画面115に、印刷が成功した旨の情報を表示する(ステップS1311)。
なお、上記印刷の成功により、印刷管理部33では、当該印刷の印刷履歴(グループg1のユーザm11がドキュメントd1をn部印刷)を印刷管理テーブル341に追加生成する。
一方、表示制御部36は、上記ステップS1311での印刷成功情報表示後、グループg1、ドキュメントd1をキーに印刷管理テーブル341を検索して、ドキュメントd1についてのグループg1メンバの印刷履歴を取得し、該印刷履歴を上記印刷要求画面115のアカウント情報表示欄に表示する(ステップS1312)。
その際、今回成功した印刷の印刷履歴(この例では、ドキュメントd1についてグループg1のメンバm11がn部印刷したことを示す印刷履歴)も取得され、該印刷履歴が印刷要求画面115のアカウント情報表示欄に追加表示される。
その後、アプリケーションサーバ32は、印刷要求画面115上で印刷をキャンセルする操作("印刷"ボタン押下)がなされたか否かをチェックし(ステップS1313)、印刷キャンセル操作がなされた場合(ステップS1313YES)、一連の印刷処理動作を終了する。
また、上述した一連の印刷処理動作中、ステップS1308において、ステップS1306で入力された印刷部数がrest値を超えていた場合(ステップS1308NO)、表示制御部36は、印刷要求画面115上の所定個所に、例えば、図10に例示した態様で、印刷不可である旨を表示する(テップS1321)。
次いで、アプリケーションサーバ32は、印刷要求画面115上で、前回より小さい値に変更するなどにより印刷部数が再度入力されたか否かを監視し(ステップS1322)、ここで、印刷部数の入力があった場合(ステップS1322YES)、ステップS1307に戻って、再度、印刷開始指示操作を待つ。
これに対して、印刷部数の入力がなかった場合(ステップS1322NO)、アプリケーションサーバ32は、ステップS1313に進み、ここで印刷キャンセル操作がなされた場合(ステップS1313YES)には印刷処理動作を終了する。
これに対して、印刷キャンセル操作がなされなかった場合(ステップS1313NO)には、印刷要求画面115のアカウント情報表示欄に表示された印刷履歴に対して印刷部数の再設定操作がなされたか否かをチェックする(ステップS1341)。
なお、このステップS1341での処理に際して、印刷要求を行うユーザは、例えば、図11に例示した印刷要求画面115hのように、印刷履歴が表示されているいずれかのユーザの印刷部数コンボボックス内のスクロールボタンを操作し、表示中の印刷部数の数字を変更することによって、当該印刷部数の再設定を行うことができる。
上記ステップS1341において、印刷部数の再設定がなされた場合、印刷管理部33は、上記再設定により削減された部数分をrest値に加算して該rest値を更新する(ステップS1342)。
このrest値の更新後、表示制御部36によって、印刷管理テーブル341からその更新後のrest値が取得されて、印刷要求画面115の印刷可能部数表示欄に表示される。
この時に表示されるrest値(印刷可能部数)は、ステップS1341で印刷部数を再設定する前に比べて、該再設定により削減された分だけ増えた値となり、印刷要求を行うユーザは、その増えた分だけ多くの印刷部数を指定可能になる。
ステップS1342でのrest値の更新後、アプリケーションサーバ32は、印刷要求画面115上で印刷部数の入力がなされたか否かを監視する(ステップS1343)。
ここで、印刷部数が入力された場合(ステップS1343)、アプリケーションサーバ32は、ステップS1307まで戻り、再度、印刷開始指示操作を待つ。
これに対して、印刷部数が入力されなかった場合(ステップS1343NO)、アプリケーションサーバ32は、ステップS1313に戻り、ここで印刷キャンセル操作がなされた場合(ステップS1313YES)に、印刷処理動作を終了する。
また、上述した一連の印刷処理動作中、ステップS1304において、ステップS1303で取得したrest値が"0"の場合(ステップS1304YES)、表示制御部36は、印刷要求画面115上の所定個所に、グループg1ではドキュメントd1をこれ以上印刷できない旨を表示する(テップS1351)。
次いで、表示制御部36は、グループg1、ドキュメントd1をキーに印刷管理テーブル341を検索して、ドキュメントd1についてのグループg1メンバの印刷履歴を取得し、該印刷履歴を上記印刷要求画面115のアカウント情報表示欄に表示する(ステップS1312)。
その際、表示制御部36は、ステップS1303で取得したrest値を基に、印刷要求画面115の印刷可能部数表示欄に印刷可能部数"0"を表示する。
これにより、印刷要求を行うユーザは、この時の印刷要求画面115を見ることで、そのままでは、印刷部数を指定できないことを認識できる。
しかしながら、この場合において、ユーザには、例えば図11に例示する印刷要求画面115hのように、表示中の印刷履歴に対していずれかのユーザの印刷部数を再設定することにより、rest値を増やして印刷部数を設定できる可能性が残されている。
この可能性を見越して、アプリケーションサーバ32は、ステップS1312で印刷履歴を表示した後、印刷キャンセル操作がなされたか否かを監視し(ステップS1313)、印刷キャンセル操作がなされた場合(ステップS1313YES)には印刷処理動作を終了する。
これに対して、印刷キャンセル操作がなされなかった場合(ステップS1313NO)、印刷管理部33は、印刷要求画面115のアカウント情報表示欄に表示された印刷履歴に対して印刷部数の再設定操作がなされたか否かをチェックする(ステップS1341)。
ここで、印刷部数の再設定がなされた場合、印刷管理部33は、上記再設定により削減された部数分をrest値に加算して該rest値を更新する(ステップS1342)。
このrest値の更新後、表示制御部36によって、印刷管理テーブル341からその更新後のrest値が取得されて、印刷要求画面115の印刷可能部数表示欄に表示されるが、この時に表示されるrest値(印刷可能部数)は、ステップS1341で印刷部数を再設定する前に比べて、該再設定により削減された分だけ増えた値となり、印刷要求を行うユーザは、その増えた分だけ多くの印刷部数を指定可能になる。
そこで、ステップS1342でのrest値の更新後、アプリケーションサーバ32は、印刷要求画面115上で印刷部数の入力がなされたか否かを監視する(ステップS1343)。
そして、ここで印刷部数が入力された場合(ステップS1343)、ステップS1307まで戻り、印刷開始指示操作を待って、印刷部数再設定後の印刷処理動作を継続する。
なお、ステップS1343で印刷部数が入力されなかった場合(ステップS1343NO)、アプリケーションサーバ32は、ステップS1313に戻り、ここで印刷キャンセル操作がなされた時(ステップS1313YES)に、印刷処理動作を終了する。
上述したように、本発明では、システムにログイン可能な各ユーザに割当てた各ユーザIDとグループIDを用いて、グループとそのグループに属するユーザ(メンバ)の管理を行うと共に、ドキュメント毎に、該ドキュメントを印刷可能なグループ、該グループで印刷可能な部数の上限値、上限値から当該グループ全体の印刷部数を減算した結果に相当するグループ毎の印刷可能部数、グループに属するユーザ並びに各グループに属する各ユーザの印刷履歴の各情報を記憶手段(印刷管理テーブル341)を用いて管理している。
そして、ユーザからの印刷要求時、該印刷要求対象ドキュメントの当該ユーザが属するグループについての印刷可能部数を記憶手段から取得し、該印刷可能部数を、該ドキュメントの印刷部数入力欄に隣接して表示して成る印刷要求画面を表示するようにしている。
この構成によれば、各ユーザが印刷要求を行う際、印刷要求画面に表示された印刷可能部数の範囲内で印刷部数を印刷部数入力欄から指定するように仕向けることができ、ユーザが印刷可能部数の範囲内で印刷部数を指定している限りは、各グループ毎の印刷部数を、当該各グループ毎に予め設定した印刷可能部数の上限値の範囲内に抑えながら、ドキュメントの無駄な印刷を規制することができる。
なお、本発明に係わる印刷処理システム50において、上述した、印刷管理テーブル341を用いて各情報を管理する処理、及び該管理結果に基づく上記印刷可能部数等の表示処理は、コンピュータによって実現されるプリント管理装置30の例えば記憶部34にこれら管理処理及び表示処理を行わせるための印刷部数管理用プログラムを予めインストールしておき、その後、当該プリント管理装置30で主制御部31やアプリケーションサーバ32がそのプログラムを読み出して当該各処理を実行することにより実現できる。
つまり、本発明において、印刷部数管理用プログラムは、ユーザが端末装置(クライアント端末10)を用いて行う文書の印刷要求に基づき該文書の印刷ジョブを生成するプリント管理装置30に、文書の印刷部数を管理する処理を行わせるためのプログラムであって、文書毎に、該文書を印刷可能なグループ、該グループに属するユーザ、該グループで印刷可能な部数の上限値の各情報を記憶手段(印刷管理テーブル341)に記憶し、かつ該記憶手段を用いて、文書毎に、グループ毎の印刷可能部数並びに当該グループに属する各ユーザの印刷履歴の各情報を管理する管理処理と、ユーザからの印刷要求により印刷要求画面を表示する際、該印刷要求対象文書の当該ユーザが属するグループについての印刷可能部数を記憶手段から取得し、該印刷可能部数を該文書の印刷部数入力ツール(印刷部数入力欄)と共に印刷要求画面に表示する表示処理とをプリント管理装置30に対して行わせるためのプログラムである。
また、上述した実施例の説明からは、当該印刷部数管理用プログラム(以下、プログラム)は、更に、以下のような処理機能を有するプログラムであることは明らかである。
すなわち、このプログラムは、上述した表示処理に関して、印刷部数入力ツールを用いて入力される印刷部数が、印刷可能部数を超える場合、印刷不可である旨を示すメッセージを印刷要求画面に表示する処理を行わせるものである。
また、このプログラムは、上記表示処理に関して、ユーザからの印刷要求時、該印刷要求対象文書についての当該ユーザが属するグループの各ユーザの印刷履歴を記憶手段から取得し、該印刷履歴を印刷要求画面に表示する処理を行わせるものである。
また、このプログラムは、印刷履歴の一項目として表示される各ユーザの印刷部数に対する印刷部数変更入力を受付け、該変更入力された印刷部数を当該ユーザの印刷部数として再設定する再設定処理をプリント管理装置30に対して行わせるものである。
また、このプログラムは、上記管理処理に関して、上記再設定処理により再設定された印刷部数に応じて該当する文書についての該当するグループの印刷可能部数を更新する処理を行わせると共に、上記表示処理に関しては、印刷部数変更入力の受付後、印刷要求画面に表示している印刷可能部数に変えて、更新後の印刷可能部数を表示する処理を行わせるものである。
また、このプログラムは、上記表示処理に関して、印刷部数入力ツールを用いて入力される印刷部数が、印刷可能部数を超える場合、印刷部数の再設定を促す旨のメッセージを印刷要求画面に表示する処理を行わせるものである。
また、このプログラムは、ユーザが端末装置を用いて行ったプリント管理装置30へのログイン要求に際し、該ユーザにより入力されるユーザIDをキーにログインの許可または拒否を行う処理をプリント管理装置30に対して行わせると共に、上記管理処理に関しては、ユーザIDとグループIDを対応付けて記憶手段に登録することによりグループと該グループに属するユーザの管理を行う処理を行わせ、上記表示処理に関しては、印刷要求受付時、該印刷要求を行ったユーザがログイン時に入力したユーザIDを基に記憶手段を検索して該ユーザIDを持つユーザが属するグループと該グループについての当該文書の印刷可能部数を特定する処理を行わせるものである。
また、このプログラムは、上記管理処理に関して、文書をバージョン毎に管理し、文書の内容が新バージョンに更新された場合、該バージョン更新後の文書に関する印刷可能部数を、当該文書の旧バージョンに対して設定されている印刷可能部数の上限値にリセットする処理を行わせるものである。
また、このプログラムは、文書毎に、該文書を印刷可能なグループ、該グループに属するユーザ、該グループで印刷可能な部数の上限値の各情報を記憶手段に設定する設定処理をプリント管理装置30に対して行わせるものである。
また、このプログラムは、上記設定処理により、上限値が設定されない場合、当該グループが印刷可能な部数の上限値として、当該グループに属するユーザの数をデフォルト値として設定するデフォルト設定処理をプリント管理装置30に対して行わせるものである。
上述した各処理機能を有するプログラムを実装して該当する各処理を実行する本発明のシステム50では、更に、以下のような作用効果も期待できる。
すなわち、本発明では、印刷可能部数を超える印刷部数が指定された場合には、例えば、印刷不可を示す旨を表示する等の方法で印刷要求の受付けを行わないようにすることで、各ドキュメント毎に各グループ毎に予め設定された印刷部数の範囲内で当該各ドキュメントの印刷部数を規制できる。
また、本発明では、印刷要求のあったドキュメントについて当該印刷要求を行ったユーザが属するグループの各ユーザの印刷履歴を印刷要求画面に表示するようにしている。
この制御によれば、印刷要求を行うユーザは、自分が属するグループの他のメンバの印刷履歴を知ったうえで、適切な印刷部数設定を行うことができる。
具体的には、あるグループのメンバ(ユーザ)が印刷要求画面を開いたタイミングで、システムメンバ識別情報としてのユーザIDとドキュメントのIDをキーとして、グループとグループメンバ全員の対象ドキュメントについての印刷履歴を印刷管理テーブル341から取得して表示することで、自分が複数部数設定する必要があるか否かや、印刷する必要があるか否かを判断するために有効な情報となる。
例えば、あるメンバが複数部数を既に印刷している場合(複数部数を設定するということは、大概の場合、自分以外の誰かへの配布を想定しているケースが多い)は、とりあえず印刷を控え、まず、その複数部数を印刷したユーザのところに出向いて自分の分も印刷していないかを確かめ、自分の分も印刷してくれているのであればそれを受け取るなどの運用ができる。
これは、例えば、会議への参加に当たって、あるグループで複数のメンバが互いに会議に参加する他の人のためにそれぞれ会議用のドキュメントを重複して印刷してしまうといった事態を回避するにも極めて有用である。
なお、他のメンバがドキュメントの印刷物を持っているかどうかや、印刷物を持っていなくてもドキュメントの中身を把握しているかどうかといったケースを知りたいのであれば、上述した印刷履歴だけでなく、スキャン登録実行履歴やビューワー起動履歴など、ドキュメントの入出力履歴を総合的に管理しておく構成としても良い。
また、本発明では、該当グループのユーザの印刷履歴の一項目として表示される印刷部数の変更入力を受付け、該変更入力に従って該当するユーザの印刷部数を再設定する再設定手段を設け、該再設定手段により再設定がなされた印刷部数に応じて該当するドキュメントについての該当するグループの印刷可能部数を更新し、更新後の印刷可能部数を印刷可能部数表示欄に提示するようにしている。
この構成によれば、例えば、印刷終了後、印字品質を確かめた際に、そのうちの何部かが印刷不良の場合、その印刷不良分の部数を差し引くように印刷部数を再設定することで、該印刷不良分に相当する部数が印刷されなかった時に相当する印刷履歴を残すことができ、印刷不良分によって、グループ全体の印刷可能部数が圧迫される事態を回避できる。
また、この構成によれば、例えば、印刷要求画面を開いた際に当該グループの印刷可能部数がユーザが所望する値より小さいにもかかわらず、該ユーザがどうしてもその所望の部数を印刷したい要求がある場合には、該グループの印刷履歴に残されたユーザの印刷部数を減らすように再設定することにより、当該グループの印刷可能部数をその減らした分だけ擬似的に増やして所望の印刷部数を設定するという運用が行える。
本発明では、プリントシステムにおいて、印刷要求部数を自動的に計上する計上手段と、ユーザから実際に利用可能だった部数を手動で再設定する再設定手段を組み合わせることで、管理テーブル341に格納される印刷部数の値は、プリントシステムから印刷された部数よりも、実際に利用されている部数に近くなる。
なお、本発明では、上述したように、ユーザの入力によってドキュメント毎にグループ内で正常印刷回数の上限値を管理テーブル341に格納できるため、印刷要求直前の設定場面で、管理テーブル341から上記上限値を取得し、上記計上手段若しくは再設定手段から取得した部数を減算して、実際に印刷可能な部数を印刷要求画面上に表示することができる。
この場合において、javascript などのスクリプト言語を用いて入力値より大きい値は設定できないようにすることで、入力ミスによる過度の印刷や、配布過多による無駄な印刷を防止することができる。
また、本発明では、ドキュメントをバージョン毎に管理しており、具体的には、ドキュメントのバージョンを印刷履歴データの属性に含めて印刷管理テーブル341に格納している。
これにより、メンバ全員に渡る印刷物の内容が全く同じものとなる。また、ドキュメントの内容が新バージョンに更新された場合、該更新後のドキュメントに関する印刷可能部数を、当該ドキュメントの旧バージョンに対して設定されている印刷可能部数の上限値にリセットするといった機能も付加できるようになる。
なお、本発明は、図1に示すように、アプリケーションサーバを備えたプリント管理装置(プリントサービス)とこれにアクセスする複数のプリントクライアント(クライアント端末)から構成され、印刷要求は直接プリンタに出力するのではなく、複数のプリントクライアントから必ずプリントサービスに対して行い、プリントサービスがプリンタにジョブをキューイングすることを前提としたものである。
従って、印刷経路として、OSにある印刷機能などを排除することで、印刷履歴や印刷状況をプリントサービス側で厳密に一元管理できる。これにより、OSがサポートするドライバによる印刷権のない文書の印刷部数管理や、同ドライバによる印刷では出力内容の確認が困難な低解像度データの印刷部数管理などに効果がある。
また、本発明では、上記特許文献2記載の装置のようにコンピュータドメインに対して枚数上限を設定するのではなく、ログイン可能なユーザグループに対して部数の上限を設けることで、利用可能な印刷物を誰が何部印刷したかを把握できる。
また、本発明では、フォルダや各種メディアなどのファイルの集合を一括して印刷する場合に、まだ、実際に配布部数に達していないものだけを自動選出して上限まで印刷することができる。
この点に関して、上記特許文献1記載のシステムでは、印刷回数が"1"か"0"によって判断しているため、個人ベースでしか使えないが、本発明によれば、グループベースで配布枚数を適切に印刷することができる。
この他、本発明は、上記し、且つ図面に示す実施例に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
例えば、本発明では、印刷履歴の一項目として表示された印刷部数をユーザからの手動によって再設定する再設定手段を有するが、該再設定手段により印刷部数の再設定を行った場合には、その再設定の履歴も残しておき、印刷要求に応じて開いた印刷要求画面上に当該グループの印刷履歴を表示する際、あるユーザの印刷履歴についてそれ以前に印刷部数の設定変更履歴があった場合、該設定変更履歴も併せて表示する制御を加えても良い。
また、本発明においては、印刷部数を規制するグループとしては、個人やタスク、ロールであっても良く、要は、1名以上の集合について適用可能である。
10,10a,10b,10c…クライアント端末、115,115a,…,115h…印刷要求画面、20,21…ネットワーク、30…プリント管理装置、31…主制御部、32…アプリケーションサーバ、33…印刷管理部、34…記憶部、341…印刷管理テーブル、35…設定処理部、36…表示制御部、40,40a,40b,40c…プリンタ、