JP4007192B2 - 建物用床材およびこれを用いた建物の床構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅などの建物用床材およびこれを用いた建物の床構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
重量衝撃音などの上層階で発生する音を削減する工夫は、従来より行われいてた。快適な住宅環境を得るため、復数階の住宅や集合住宅の床材には、従来の木材よりも防音性に優れた軽量発泡コンクリート(ALC)の床材が用いられているが、更なる軽量化が検討されている。
また、複数の中空部を長手方向に沿って有するアルミニウム合金の押出形材からなるメインフレームを用いた防音構造体の製造方法(例えば、特許文献1参照)が開示されている。これは、上記押出形材の各中空部に、その全長に沿って連続気泡構造の軟質発泡弾性体を袋状の熱融着性シートで包み、係るシートおよび上記弾性体中の空気を吸引して当該弾性体を収縮させたものを挿入した後、上記シートを開封して上記弾性体を復元させ、更に上記シートを加熱溶融することにより、上記弾性体を各中空部の内壁面に密着させるものである。
【0003】
【特許文献1】
特許第3273126号公報 (図1乃至図7)
【0004】
上記軟質発泡弾性体を複数の中空部の内壁面に密着させたアルミニウム合金の押出形材からなるメインフレームを用いた防音構造体は、単体としては優れた防音性能を発揮することができる。
しかしながら、上記防音構造体を住宅などの建物の床材に適用した場合、係る床材と梁や桁などの構造材との隙間や複数の上記床材同士の隙間から、上層階の音が下層階に漏れるおそれがある、という問題があった。
【0005】
【発明が解決すべき課題】
本発明は、以上に説明した従来の技術における問題点を解決し、梁や桁などの構造材との隙間や複数の上記床材同士の隙間から音が漏れないようにした建物用床材およびこれを用いた建物の床構造を提供する、ことを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本発明は、上記課題を解決するため、アルミニウム合金からなり且つ中空部を有する押出形材を活用し、その中空部の両端部に制振材を配置する、ことに着想して成されたものである。
即ち、本発明の建物用床材(請求項1)は、アルミニウム合金の押出形材からなり、断面全体がほぼ長方形を形成し且つ押出方向に沿った中空部を有すると共に、上記押出形材の中空部内の両端部に、係る押出形材の端面から外側に突出するように制振材が充填されている、ことを特徴とする。
【0007】
これによれば、上記押出形材の中空部に充填される制振材は、係る形材の端面から突出しているため、この押出形材からなる床材と梁などとの隙間も上記制振材によって密閉される。しかも、中空部における長手方向の全長に制振材を充填せず、係る中空部の両端部のみに充填するので、当該床材の軽量化およびコストダウンを図ることもできる。従って、床材自体の防音性能を維持しつつ、係る床材と隣接する構造材との隙間から音が漏れる事態も確実に防ぐことができる。
尚、上記押出形材には、押出成形された状態の生地材のほか、その表面に陽極酸化皮膜および塗装を施した表面処理材も含まれる。
【0008】
また、本発明には、前記押出形材は、単数または複数の仕切壁により、互いに平行な複数の前記中空部を有する、建物用床材(請求項2)も含まれる。
これによれば、前記防音性能および隣接する構造材との隙間を密閉すると共に、当該床材の強度を高めて耐久性を向上させることができる。
【0009】
更に、本発明には、前記制振材は、前記押出形材の中空部内の両端部に、係る中空部における容積の30%以上を占めるように充填されている、建物用床材(請求項3)も含まれる。
これによれば、中空部における長手方向の全長に制振材を充填せず、係る中空部の両端部に当該中空部の30容積%の制振材を充填するので、前記防音性能および隣接する構造材との隙間からの漏音を防止しつつ、当該床材の軽量化およびコストダウンを図ることが可能となる。
また、本発明には、前記制振材は、前記押出形材の両端から外側に1〜2cm突出する突出部を有している、建物用床材(請求項4)も含まれる。
加えて、本発明には、前記制振材は、連続気泡構造の軟質発泡弾性樹脂である、建物用床材(請求項5)も含まれる。これによれば、前記防音性能を確保し且つ隣接する構造材との隙間からの漏音を確実に防止することができる。
【0010】
一方、本発明による住宅の床構造(請求項6)は、前記建物用床材を、その押出形材の端面から外側に突出する前記制振材を互いに当接させた状態、あるいは建物の構造材の側面に当接させた状態で、当該床材を上記構造材に設置する、ことを特徴とする。これによれば、互いに連結すべき上記床材同士間と構造材との隙間やこれらの床材と構造材との隙間を前記制振材により確実に密閉できるため、上記隙間からの漏音を確実に防ぐことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の実施に好適な形態を図面と共に説明する。
図1(A)は、本発明の建物用床材に用いるアルミニウム合金からなる押出形材1を示し、図1(B)は、その断面を示す。
上記押出形材1は、アルミニウム合金(例えばJIS:A6063S−T5)からなり、その表面には陽極酸化皮膜などが被覆され、図1(A),(B)に示すように、断面全体が上板2、下板3、および左右一対の側壁4からなる長方形を形成し、且つその押出(長手)方向に沿って複数の仕切壁5により複数の中空部6を有する。因みに、上記押出形材1の押出(長手)方向の全長は170cm、その断面寸法は幅30cm×高さ6cmで、且つ各部の厚みは1.5〜2mmである。
【0012】
図1(C)は、前記押出形材1を用いた参考形態の建物用床材10を示し、図1(D)は、その押出(長手)方向に沿った垂直断面を示す。
参考形態の建物用床材10は、図1(C),(D)に示すように、押出形材1における複数の中空部6の全長に制振材12が充填され、且つ係る制振材12は、押出形材1の両端8,9から外側に約1〜2cm程度突出する突出部13を有する。
上記制振材12は、反発弾性係数の低い軟質発泡弾性体からなり、室内から放散される音を吸収し、当該建物用床材10に伝わってくる振動を抑制(制振)する作用を果たす。係る軟質発泡弾性体は、その素材の反発弾性係数が低いほど大きな吸音・制振効果を発揮する。係る素材には、例えば、反発弾性係数が25%以下のポリウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、ポリ塩化ビニルフォームなどの合成樹脂発泡体や、ゴム発泡体などが含まれる。
【0013】
制振材12の軟質発泡弾性体は、その特性を活用して押出形材1の中空部6の断面に対し、1辺の長さで5〜30%大きなサイズの断面にして充填される。係るサイズが5%未満では、中空部6内で収縮が解放されても、係る中空部6の内面との密着力が弱くなり、一方、30%よりも大きなサイズにすると、収縮が解放されても多量の収縮部が残存するため、その吸音・制振効果が低下するおそれがあるためである。
係る制振材12を押出形材1の中空部6内に挿入するには、上記サイズの断面とした直方体の制振材12の中心部における長手方向に沿って図示しない挿通孔を形成し、この挿通孔にチューブを差し込んだ状態で、当該制振材20を袋状の熱融着性シートに収容する。係る熱融着性シートには、融点が90〜150℃のポリアミド系、ポリオレフィン系、エステル系などからなり厚みが20〜70μmの熱可塑性樹脂フィルムが適用される。
【0014】
次いで、前記チューブを差し込んだ制振材12を収容した袋状の熱融着性シートにおいて、その開放した一端から上記チューブの先端を引き出し、図示しない吸引装置に接続して上記シート内を吸引すると、制振材12を形成している軟質発泡弾性体が収縮する。この際、上記チューブの先端は、閉塞される。
この収縮状態で、制振材12を熱融着性シートと共に、押出形材1の中空部6内に挿入する。その際、制振材12の両端が押出形材1の両端8,9から若干突出するようにする。そして、上記チューブの先端を開放して、外気を係るチューブおよび挿通孔を介して上記シート内に導入すると、制振材12の軟質発泡弾性体は、その弾性復元力により膨張し、中空部6の内面に密着する。
【0015】
図1 ( E ) は、本発明の建物用床材11を示す図1 ( D ) と同様な断面図である。
建物用床材11は、図1(E)に示すように、押出形材1の両端8,9付近にのみ短い制振材12aをそれぞれ充填し、且つこれらの制振材12aが両端8,9から外側に約1〜2cm程度突出する突出部13を有する。この際、一対の制振材12aは、押出形材1の中空部6における容積の30%以上を占めるように充填される。
係る床材11によれば、前記床材10とほぼ同等の吸音・制振効果が得られ且つ軽量化が図れると共に、少ない素材の制振材12aを前記方法により、あるいは前記熱融着性シートを省略し、制振材12aの軟質発泡弾性体を直に押出形材1の両端8,9から各中空部6内に強制的に嵌合して充填することができる。
【0016】
図2(A),(B)は、異なる形態の押出形材20の外観斜視図と断面図である。
押出形材20も前記同様のアルミニウム合金で且つ表面に陽極酸化被膜が被覆され、図2(A),(B)に示すように、断面全体が上板22、下板23、および左右一対の側壁24からなる長方形を形成している。
図2(B)に示すように、左側の側壁24の上下には、上板22および下板23から延びた一対の凸条26が平行に位置し、その間に幅広の凹溝28が位置する。また、図2(B)で右側の側壁25の上下付近には、板厚分だけ中央寄りに位置する水平な一対の凸条27が平行に突出し、その間に幅狭の凹溝29が位置する。係る一対の凸条27は、複数の押出形材20を、その押出(長手)方向と直交する幅方向に隣接した場合、隣接する押出形材20の凹溝28内に挿入され、且つ係る形材20の一対の凸条26は、上記一対の凸条27の外側に配置される。この結果、複数の押出形材20は、幅方向に沿って互いに連結される。
【0017】
また、図2(B)に示すように、上板22、下板23、および左右の側壁24,25に囲まれた位置には、複数の傾斜した仕切壁30が上板22と下板23との間に交互に逆向きに配置され、これらの間に断面ほぼ2等辺3角形の中空部31,32と、断面ほぼ直角3角形の中空部33とが、複数位置している。尚、複数の仕切壁30は、隣接する上板22または下板23と共に、トラスを形成する。
因みに、上記押出形材20の押出(長手)方向の全長は170cm、その断面寸法は幅34cm×高さ5cmで、且つ各部の厚みは1.5〜2mmである。
【0018】
図2(C)は、前記押出形材20を用いた異なる参考形態の建物用床材14の断面を示し、図2(D)は、その押出(長手)方向に沿った垂直断面を示す。
参考形態の建物用床材14は、図2(C),(D)に示すように、押出形材20において、断面が上向き2等辺3角形である1つ置きの複数の中空部31の全長に沿って、断面がほぼ相似形を呈する前記同様の制振材16が充填されている。
また、係る制振材16は、押出形材20の両端から外側に約1〜2cm程度突出する突出部17を有している。1つ置きの複数の中空部31で且つ幅方向のほぼ全長に制振材16を充填した建物用床材14によっても、前記床材10とほぼ同等の吸音・制振効果が得られる。尚、上記制振材16も、前記同様の方法により両端に突出部17を有しつつ各中空部31内に充填される。また、制振材16を押出形材20における全ての中空部31,32,33に充填し且つそれらの両端に突出部17を設けても良い。この際、中空部33には、その断面とほぼ相似形の制振材16を充填する。
【0019】
図2 ( E ) は、本発明による異なる形態の建物用床材15を示す図2 ( D ) と同様な断面図である。
建物用床材15は、図2(E)に示すように、押出形材20の両端付近にのみ短い前記同様の制振材18をそれぞれ充填し、且つこれらの制振材18が両端から外側に約1〜2cm程度突出する突出部19を有する。この際、一対の制振材18が、押出形材20の中空部31における容積の30%以上を占めるように充填する。
以上のような建物用床材15によっても、前記床材14とほぼ同等の吸音・制振効果が得られ且つ軽量化が図れる。また、係る床材15は、少ない素材の制振材18を前記方法により、あるいは前記熱融着性シートを省略し、制振材18の軟質発泡弾性体を直に押出形材20の両端から各中空部31内や、これに加えて中空部32,33に強制的に嵌合して充填することによって得られる。
【0020】
【実施例】
ここで、建物用床材15に関する実施例について、参考形態の建物用床材14および比較例と併せて説明する。
前記長手(押出)方向の長さが170cmの押出形材20の各中空部31の全長に沿って制振材16を充填し且つ両端に突出部17を有する床材14を参考例とし、同じ長さの押出形材20の各中空部31の両端付近に前記制振材18を30cmずつ充填し且つ両端に突出部19を有する床材15を実施例とした。
また、同じ長さの前記押出形材20の各中空部31の両端付近に制振材18を20cmずつまたは10cmずつ充填し且つ両端に突出部19を有する床材15を比較例1,2とした。尚、制振材16,18には、反発弾性係数が20%のポリウレタンフォームを用いた。
【0021】
更に、長さが170cmの前記押出形材20のみからなる床材を比較例3とし、同じ長さで且つ断面寸法が幅60cm×高さ10cmの軽量発泡コンクリートからなる床材を比較例4とした。因みに、比較例4の床材の重量は、62.5kg/m2であった。
各例の床材について、軽量衝撃音遮断性能試験(JIS:A1418−1、建築物の床衝撃音遮断性能の測定方法 第一部:標準軽量衝撃源による方法)に準じた試験を、行った。その結果を表1および図3のグラフに示した。
【0022】
【表1】
【0023】
表1および図3のグラフによれば、実施例、参考例、および比較例4は、遮音等級105を満たしていた。尚、実施例2は、遮音等級105における周波数1kHzのみで約2dB上まわったが、係るケースは本試験で容認されている。
これに対し、比較例1〜3は、遮音等級110のレベルに留まった。特に、実施例2と比較例1との相違から、前記押出形材20の中空部31に充填する制振材の量は、30容積%以上にすると効果的であることが判明した。このことは、前記押出形材1の中空部6の充填する制振材12aにも当てはまる。
また、前記長手(押出)方向の長さが260cmの押出形材20を用いて上記と同じ試験を行った結果、上記図3のグラフと同様な結果が得られた。
以上のような実施例の結果から、本発明による建物用床材15などの効果が裏付けられた。
【0024】
図4(A)は、前記建物用床材11,15を用いた本発明における第1の建物の床構造40を示す垂直断面である。尚、以下図4に関する説明において、建物用床材11を例として説明するが、他の建物用床材15についても何ら支障なく適用することができる。
図4(A)に示すように、断面ほぼI形(横H形)で上フランジ37、下フランジ38、およびこれらをその中央で垂直に接続するウェブ39を有するI形鋼からなる梁(構造材)36の上フランジ37の表面には、複数の建物用床材11が当該梁36の長手方向と直交して設置される。
【0025】
図4(A)で左右の各床材11は、それぞれの前記押出形材1の端面8,9から突出する制振材12の突出部13を、互いに当接した状態で、梁36の上フランジ37の表面に載置され、図示しないボルトなどの固定手段により、係る梁36に固定されることにより、建物の床構造40を形成している。尚、各床材11の上には、後述する構造用合板、およびフローリングをセットしても良い。
また、図4(A)で奥行き方向にも、同図中の左右の各床材11における幅方向に複数の床材11が側壁4を接触させた状態で、上記梁36の上フランジ37の表面に載置され、上記同様に固定されている。この際、後述するように、隣接する床材11,11の押出形材1の側壁4に後述する気密材を保持させ、且つその気密材の先端側を隣接する押出形材1の側壁4に密着させることにより、隣接する上記床材11,11間の隙間からの漏音も防ぐことができる。
【0026】
係る建物の床構造40によれば、梁36の上にこれと直交する方向を長手方向とする複数の床材11を、それらの制振材12の突出部13を互いに当接させた状態で載置され且つ固定(設置)される。このため、個別の床材11の吸音・制振効果と共に、長手方向に沿って隣接する複数の床材11,11間に隙間が形成されず、係る目地からの音漏れや振動の伝搬を確実に防ぐことができる。
尚、前記建物用床材15を第1の建物の床構造40に用いる場合は、その押出形材20が幅方向に隣接する押出形材20との間で、前記一対の凸条27を、前記一対の凸条26,26間の凹溝28内に嵌合することにより、予めこれらの押出形材20同士を互いに連結して用いる。また、この際、押出形材20の前記凹溝(取付部)29内に後述する気密材を保持させ且つその気密材の先端側を隣接する押出形材20の側壁24にさせることにより、幅方向に隣接する上記床材20,20間の隙間からの音漏れなども防ぐことができる。更に、前記梁36は、次述する木材製の梁42に置き換えることも可能である。
【0027】
図4(B)は、前記建物用床材11,15を用いた本発明における第2の建物の床構造41を示す垂直断面である。
図4(B)に示すように、断面矩形の木材からなる梁(構造材)42には、その両側面に断面ほぼL字形の金具43,43が対称に配置され、これらの縦片44および梁42を貫通するボルト46およびこれにネジ結合するナット46aにより、係る梁42の両側面に上記一対の金具43が対称に固定されている。
左右一対の金具43の水平片45上には、図4(B)に示すように、建物用床材11,11がそれらの長手方向を上記梁42と直角にして載置される。係る床材11の押出形材1の端面8,9から突出する突出部13を梁42の側面に当接させた状態で、当該床材11を図示しないボルトなどの固定手段によって梁42に固定(設置)することで、第2の建物の床構造41が形成される。尚、床構造41は、左右何れかの床材11と梁42との組合せによっても形成できる。
【0028】
また、図4(B)に示すように、梁42の両側面に配置された建物用床材11,11は、その押出形材1の上板2が当該梁42の上面と面一に位置決めされている。そして、これらの床材11,11および梁42の上には、厚さ約13mmの石膏ボード47、厚さ12mmの構造用合板48、および所要厚さのフローリング49が順次敷設される。
以上のような第2の建物の床構造41によれば、床材11を梁42の側面にその制振材12の突出部13を当接させ且つ係る梁42に固定するため、床材11自体の吸音・制振効果に加えて、当該床材11と梁42との間に隙間が形成されず、係る目地からの音漏れや振動の伝搬を確実に防ぐことが可能となる。
尚、前記建物用床材15を第2の建物の床構造41に用いる場合は、その押出形材20が幅方向に隣接する押出形材20との間で、前記嵌合をすることにより、予めこれらの押出形材20同士を互いに連結して用いる。また、この際、押出形材20の前記凹溝(取付部)29内に後述する気密材を保持させ且つその気密材の先端側を隣接する押出形材20の側壁24にさせることにより、隣接する上記床材15,15間の隙間からの音漏れなども防ぐことができる。
【0029】
図5(A)は、更に異なる参考形態の建物用床材50の断面を示す。
上記床材50は、前記同様のアルミニウム合金で且つ表面に陽極酸化被膜が被覆された押出形材からなり、図4(A)の断面で示すように、断面全体が上板51、下板52、および左右一対の側壁53,54からなる長方形を形成し、且つその押出(長手)方向に沿って複数の仕切壁57により複数の中空部58を、図示の奥行き方向の全長に沿って有する。
図5(A)で左側の側壁(一端)53の上下端には、上板51および下板52から延びた一対の水平片55が突出し、その間に断面矩形の取付部56が位置している。係る取付部56には、断面ほぼ矩形で前記同様の制振材59が挿入され、その外側面は一対の水平片55の先端から約1〜2cm突出している。
【0030】
図5(B)は、複数の建物用床材50を幅方向に沿って配置した状態を示し、両床材50,50間には、前記制振材59が隣接する床材50の側壁53に当接している。このため、幅方向に沿って隣接する複数の床材50,50間に隙間が形成されず、係る位置からの音漏れや振動の伝搬を防ぐことができる。
尚、複数の床材50,50を前記床構造40,41に適用することにより、前記梁36,42との間に隙間が形成されず、係る位置からの音漏れなどを防ぐことができる。また、床材50の各中空部58内に前記制振材12を両端から前記突出部13,13を形成するように個別に充填することにより、当該床材50自体の吸音・制振効果を高めることもできる。
【0031】
図5(C)は、別なる参考形態の建物用床材60の断面を示す。
上記床材60も前記同様のアルミニウム合金で且つ表面に陽極酸化被膜が被覆された押出形材からなり、図5(C)の断面で示すように、断面全体が上板61、下板62、および左右一対の側壁63,64からなる長方形を形成する。その内側には、交互に逆向きに傾斜した複数の仕切壁67により、断面ほぼ2等辺3角形の中空部68と、断面ほぼ直角3角形の中空部68aとが複数ずつ図示の奥行き方向の全長に沿って位置している。図5(C)に示すように、左側の側壁(一端)64の上下端には、上板61と下板62から延びた一対の水平片65が平行に突出し、それらの間に断面矩形の取付部66が位置する。係る取付部66には、断面ほぼ矩形で前記同様の制振材69が挿入され、その外側面は一対の水平片65の先端から約1〜2cm突出している。
【0032】
図5(D)は、複数の建物用床材60を幅方向に沿って配置した状態を示し、両床材60,60間には、前記制振材69が隣接する床材60の側壁63に当接している。このため、幅方向に沿って隣接する複数の床材60,60間に隙間が形成されず、係る位置からの音漏れや振動の伝搬を防ぐことができる。
尚、複数の床材60,60を前記床構造40,41に適用することにより、前記梁36,42との間に隙間が形成されず、係る位置からの音漏れなどを防ぐことができる。また、床材60の各中空部68,68a内に前記制振材16,18の前記突出部17,19を形成するように個別に充填することにより、当該床材60自体の吸音・制振効果を高めることもできる。
【0033】
図5(E)は、更に別なる参考形態の建物用床材70の概略断面を示す。
上記床材70も、前記同様のアルミニウム合金で且つ表面に陽極酸化被膜が被覆された押出形材からなり、図5(E)の概略断面で示すように、断面全体が上板71、下板72、および左右一対の側壁73,74からなる長方形を形成し、その押出(長手)方向に沿って複数の仕切壁77により複数の中空部78を図示の奥行き方向の全長に沿って有している。
図5(E)で左側の側壁(一端)73の上下端には、一対の先太凸条75が突出し、その間に断面底広形の取付部76が位置している。係る取付部76には、断面ほぼ矩形で前記同様の制振材79の基部が挿入され、その外側面は一対の先太凸条75の先端から約1〜2cm突出している。
【0034】
図5(F)は、複数の建物用床材70を幅方向に沿って配置した状態を示し、両床材70,70間には、前記制振材79が隣接する床材70の側壁73に当接している。このため、幅方向に沿って隣接する複数の床材70,70間に隙間が形成されず、係る位置からの音漏れや振動の伝搬を防ぐことができる。
尚、複数の床材70,70を前記床構造40,41に適用することにより、前記梁36,42との間に隙間が形成されず、係る位置からの音漏れなどを防ぐことができる。また、床材70の各中空部78内に前記制振材12を両端から前記突出部13,13を形成するように個別に充填することにより、当該床材70自体の吸音・制振効果を高めることもできる。
【0035】
図6(A)は、更に別個の参考形態である建物用床材80の断面を示す。
上記床材80も、前記同様のアルミニウム合金で且つ表面に陽極酸化被膜が被覆された押出形材からなり、図6(A)の断面で示すように、断面全体が上板81、下板82、および左右一対の側壁83,84からなるほぼ長方形を呈し、その押出(長手)方向に沿って複数の仕切壁86により複数の中空部87,88を図示の奥行き方向の全長に沿って有している。また、図6(A)に示すように、左側の側壁83の上部と右側の側壁84の下部とには、断面ほぼT字形の取付部85が点対称に一対形成され、下板(底面)82のやや左側寄りには、下向きに開口する同様な断面形状の底広凹溝89が形成されている。
【0036】
図6(A)に示すように、上記床材80の各取付部85には、その長手方向に沿って気密材90の基部92が挿入され且つ保持される。係る気密材90は、例えば塩化ビニルなどの合成樹脂を射出成形した樹脂パッキンであり、断面板状の基部92、その中央付近から外側に突出する断面ほぼ円形の気密部94、およびその中心部を図示の奥行き方向に沿って貫通する断面円形の中空部95を備える。
図6(B)は、複数の床材80,80の使用状態を示し、両床材80,80間にの上下には、一対の上記気密材90,90がそれらの気密部94を隣接する床材80の側壁83または側壁84に当接している。このため、幅方向に沿って隣接する複数の床材80,80間に隙間が形成されず、係る位置からの音漏れや振動の伝搬を防ぐことができる。
【0037】
また、図6(B)に示すように、右側の床材80における底広凹溝89には、複数のボルト96のボルト頭97が長手方向から挿入される。係るボルト96は、その雄ネジ部を天井材99の図示しない雌ネジ孔にネジ結合し、且つナット98により天井材99を固定することで、係る天井材99を床材80から吊り下げつつ支持することができる。
尚、複数の床材80,80を前記床構造40,41に適用することにより、前記梁36,42との間に隙間が形成されず、係る位置からの音漏れなどを防ぐことができる。また、床材80の各中空部87,88内に前記制振材12と同様な制振材を両端から前記突出部13,13を形成するように個別に充填することにより、当該床材80自体の吸音・制振効果を高めることもできる。
【0038】
本発明は、以上に説明した各形態や実施例に限定されるものではない。
例えば、前記建物用床材に用いる押出形材の中空部は、前記矩形や2等辺3角形などの断面形状に限らず、当該押出形材の断面の幅方向に沿って台形や逆台形を交互に配置する形態としても良く、この際、これらの中空部に充填する制振材の断面もほぼ相似形のものを用いる。あるいは、断面の高さ方向の中間で水平な仕切壁を配置し、上半部または下半部の中空部の少なくとも一方に制振材を充填する形態としても良い。
また、前記構造材には、前記梁のほか、桁や胴差なども含まれ、更に根太などの準構造材も含まれる。
【0039】
更に、本発明の床材や床構造は、2,3階建てなどの建物に限らず、高層マンションやホテルなどの建物、あるいは客船内部の床部分にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の床材に用いる押出形材を示す斜視図、(B)は(A)中のB−B線に沿った矢視における断面図、(C)は上記形材を用いた参考形態の建物用床材を示す斜視図、(D)は上記床材の垂直断面図、(E)は本発明の床材の垂直断面図。
【図2】(A)は異なる形態の押出形材を示す斜視図、(B)は(A)中のB−B線に沿った矢視における断面図、(C)は上記形材を用いた異なる参考形態の建物用床材を示す垂直断面図、(D)は(C)中のD−D線に沿った矢視における断面図、(E)は本発明の床材における(D)と同様な断面図。
【図3】本発明の床材の実施例などの軽量衝撃音遮断性能を示すグラフ。
【図4】(A),(B)は上記建物用床材を用いた建物の床構造を示す垂直断面図。
【図5】 (A)〜(F)は更に異なる参考形態の建物用床材またはその使用状態を示す垂直断面図。
【図6】(A),(B)は別異なる参考形態の床材またはその使用状態を示す垂直断面図。
【符号の説明】
1,20………………………押出形材
5,30………………………仕切壁
6,31〜33………………中空部
11,15……………………建物用床材
12a,18…………………制振材
13……………………………突出部
36,42……………………梁(構造材)
40,41……………………建物の床構造
Claims (6)
- アルミニウム合金の押出形材からなり、断面全体がほぼ長方形を形成し且つ押出方向に沿った中空部を有すると共に、
上記押出形材の中空部内の両端付近にのみ、係る押出形材の端面から外側に突出するように制振材が充填されている、ことを特徴とする建物用床材。 - 前記押出形材は、単数または複数の仕切壁により、互いに平行な複数の前記中空部を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の建物用床材。 - 前記制振材は、前記押出形材の中空部内の両端部に、係る中空部における容積の30%以上を占めるように充填されている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の建物用床材。 - 前記制振材は、前記押出形材の両端から外側に1〜2cm突出する突出部を有している、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の建物用床材。 - 前記制振材は、連続気泡構造の軟質発泡弾性樹脂である、
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の建物用床材。 - 請求項1乃至5の何れかに記載の建物用床材を、その押出形材の端面から外側に突出する前記制振材を互いに当接させた状態、あるいは建物の構造材の側面に当接させた状態で、当該床材を上記構造材に設置する、
ことを特徴とする建物の床構造。
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