JP4006385B2 - 糖鎖合成装置 - Google Patents
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Description
(1)化学合成による方法
(2)遺伝子組換え細胞あるいは微生物による発酵法
(3)糖転移酵素を用いて合成する方法
前記(1)の方法は、化学結合させるOH基以外のOH基を保護しながら、目的とする糖鎖を順次合成するため、反応ステップが多く複雑になる。前記(2)の方法は、目的の糖鎖を大量に得ることができるが、その後の精製過程が複雑である。また、前記(3)の方法は、上記(1),(2)の複雑さを克服する方法として開発されたものであり、例えば、特開平11−42096号公報(特許文献1)に開示されたものである。この(3)の方法では、選択的な糖転移酵素による合成のため、(1)のようなOH基を保護する必要はない。また、副産物も少ないので、合成後の精製過程も容易である。
このプライマー(P)がある固相担体に固定されたものが固定化プライマー(P)である。また、この固定化プライマー(P)を恒温槽内に内蔵したものが反応槽5である。尚、本実施例においては、反応槽5内のプライマー(P)には、予め糖(S0 )が結合した状態となっている。
バッファー1をポンプ2により一定流量で流し、流路系の洗浄を行う。6方バルブ7,流路切替バルブ8はドレイン位置にし、装置の初期化を行う。この時、サンプルインジェクター3内部の洗浄,反応槽5の温度の設定も行う。
サンプルインジェクター3において、一定量の糖ヌクレオチド(X−S1)10とその糖転移酵素(E1)14を計量し、混合槽4で混合した後、その混合液を流路に注入する。
上記混合液をプライマー(P)を固定化した反応槽5に導入し、一定温度で、一定時間反応させる。反応時間中は、ポンプ2の流量は一定またはゼロである。ポンプ流量の設定で注意すべき点は、反応時間内に、糖ヌクレオチド(X−S1)10とその糖転移酵素
(E1)14が反応槽5から流出してしまわないようにすることである。
反応時間終了後、反応槽5からの流出液を限外ろ過カラム6に導き、一定時間送液し限外ろ過膜によって分離する。反応槽5からの流出液には、糖転移酵素(E1)14と未反応の糖ヌクレオチド(X−S1)10および反応生成物であるヌクレオチド(X)が含まれる。
分離後、6方バルブ7を図1の点線の流路に切り替えて、限外ろ過カラム6中に残った糖転移酵素(E1)14を流路切替バルブ8側に流す。流路切替バルブ8では、糖転移酵素(E1)14用ボトルに接続された流路に切り替えられ、糖転移酵素(E1)14が捕集され保存される。
バッファー1をポンプ2により一定流量で流し、流路系の洗浄を行う。6方バルブ7,流路切替バルブ8はドレイン位置に、また、リサイクル6方バルブ18は、実線の流路で装置の初期化を行う。この時、サンプルインジェクター3内部の洗浄、反応槽5の温度の設定も行う。
一定量の糖ヌクレオチド(X−S1)10とその糖転移酵素(E1)14を計量し、混合槽4で混合した後、その混合液をサンプルインジェクター3により流路に注入する。
上記混合液をプライマー(P)を固定化した反応槽(カラム)5に導入し、一定温度で、一定時間反応させる。反応時間中は、ポンプ2の流量は一定とし、リサイクル6方バルブ18を切り替えて点線で示す流路とする。
反応時間終了後、リサイクル6方バルブ18を実線で示す流路に戻した後、反応槽5からの流出液を限外ろ過カラム6に導き、一定時間送液し限外ろ過膜によって分離する。反応槽5からの流出液には、糖転移酵素(E1)14と未反応の糖ヌクレオチド(X−S1)10および反応生成物であるヌクレオチド(X)が含まれる。
分離後、6方バルブ7を図2の点線の流路に切り替えて、限外ろ過カラム6中に残った酵素(E1)を流路切替バルブ8側に流す。流路切替バルブ8では、糖転移酵素(E1)14用ボトルに接続された流路に切り替えられ、糖転移酵素(E1)14が捕集され保存される。
(インジェクション)するサンプルインジェクター3、糖転移酵素を固定化し、恒温機能を有する反応カラム20〜23、反応カラムへの流路を選択するための流路切替バルブ8とマニホールド24、プライマー(P)及びプライマー(P−Sn)と未反応の糖ヌクレオチド(X−Sn)および反応生成物であるヌクレオチド(X)を分離するための限外ろ過カラム6、およびそれに付随する6方バルブ7、そして、これらを制御するコントローラ9により構成されている。
バッファー1をポンプ2により一定流量で流し、流路系の洗浄を行う。6方バルブ7は実線の流路で装置の初期化を行う。この時、サンプルインジェクター3内部の洗浄,流路切替バルブ8により、使用する反応カラム20〜23への流路選択や反応カラムの温度設定も行う。
一定量の糖ヌクレオチド(X−S1)10とプライマー(P)25を計量し、混合槽4内で混合した後、その混合液全量をサンプルインジェクター3により流路に注入する。
上記混合液を糖転移酵素を固定化した反応カラム、例えば反応カラム20に導入し、一定温度で、一定時間反応させる。
反応終了後、反応カラム20からの流出液を限外ろ過カラム6に導き、一定時間送液し限外ろ過膜によって分離する。反応カラム20からの流出液には、プライマー(P)に糖(S1)が結合したプライマー(P−S1)と未反応の糖ヌクレオチド(X−S1)10および反応生成物であるヌクレオチド(X)が含まれる。
(X)とは、容易に分離することが出来る。
分離後、6方バルブ7を図3の点線の流路に切り替えて、限外ろ過カラム6中に残ったプライマー(P−S1)を混合槽4に回収する。
S1)は、今度は、糖ヌクレオチド(X−S2)11と混合され、反応カラムへ送られることとなる。このような処理を予定された糖の合成が終了するまで繰り返される。
23)へ流路切替バルブ8を用いて流路を切り替え、サンプルインジェクター3から導入した最終生成物であるプライマー(P−S1−S2−S3 )を、一定時間、反応カラム23内で反応させ糖鎖をプライマーから切り出す。その後、限外ろ過カラム6でプライマー
(P)と分離し、6方バルブ7のドレイン側で合成された糖鎖(S0−S1−S2−S3)を捕集する。糖鎖(S0−S1−S2−S3)の分子量は数千程度であるため、数万、或いは数十万以上有るプライマー(P)とは、容易に分離することが出来る。
Claims (7)
- バッファー液を保持する容器と、
バッファー液を送液するためのポンプと、
糖ヌクレオチド溶液を保持する容器と糖転移酵素を保持する容器を備え、且つ前記糖ヌクレオチド溶液と前記糖転移酵素を混合し、前記バッファー液の流れる流路に注入するサンプルインジェクターと、
プライマーが固定化され、且つ前記サンプルインジェクターから溶出した溶液と前記プライマーとを反応させる反応槽と、
糖転移酵素と、糖ヌクレオチドおよびヌクレオチドとを分離するための限外ろ過カラムと、
当該限外ろ過カラムから流出した前記糖転移酵素を前記サンプルインジェクターの糖転移酵素を保持する容器へ流す捕集流路を有することを特徴とする糖鎖合成装置。 - 請求項1において、
前記糖転移酵素を保持する容器は複数備えられ、
前記捕集流路は、前記複数の糖転移酵素を保持する容器に応じて複数備えられ、且つ、前記限外ろ過カラムからの流出液を前記複数の捕集流路の何れかへ流すための捕集流路切替バルブを備えたことを特徴とする糖鎖合成装置。 - 請求項1において、
前記バッファー液を保持する容器、前記ポンプ、前記反応槽及び前記限外ろ過カラムの間に各部間の流路を切り替える循環流路切替バルブを備え、
当該循環流路切替バルブは、
反応槽−循環流路切替バルブ−ポンプ−サンプルインジェクター−反応槽と循環する第1の流路と、バッファー液を保持する容器−循環流路切替バルブ−ポンプ−サンプルインジェクター−反応槽−限外ろ過カラムと流れる第2の流路を切り替えることを特徴とする糖鎖合成装置。 - バッファー液を保持する容器と、
バッファー液を送液するためのポンプと、
糖ヌクレオチド溶液を保持する容器とプライマーを保持する容器と、前記糖ヌクレオチド溶液と前記プライマーを混合する混合槽を備え、当該混合層で混合した溶液を前記バッファー液の流れる流路に注入するサンプルインジェクターと、
糖転移酵素が固定化され、且つ前記サンプルインジェクターから溶出した溶液と前記糖転移酵素とを反応させる反応カラムと、
プライマーと、糖ヌクレオチドおよびヌクレオチド若しくは糖鎖とを分離するための限外ろ過カラムと、
当該限外ろ過カラムから流出した前記プライマーを前記サンプルインジェクターのプライマーを保持する容器へ流す第1の流路と、
前記限外ろ過カラムから流出した前記糖ヌクレオチドおよびヌクレオチド若しくは糖鎖をドレインへ流す第2の流路とを有することを特徴とする糖鎖合成装置。 - 請求項4において、
前記反応カラムは複数備えられ、前記サンプルインジェクターと前記複数の反応カラム間に、前記サンプルインジェクターからの流出液を何れかの反応カラムへ流すための切替バルブを備えたことを特徴とする糖鎖合成装置。 - 請求項5において、
前記反応カラムの内の一つには、前記プライマーと糖鎖を切り離すための糖鎖切り出し用の酵素が固定化されることを特徴とする糖鎖合成装置。 - 請求項6において、
前記糖鎖切り出し用の酵素が固定化された反応カラムを溶液が通過した後、前記ドレインから糖鎖を捕集することを特徴とする糖鎖合成装置。
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