JP4006196B2 - 置換換気システム及び置換換気方法 - Google Patents

置換換気システム及び置換換気方法 Download PDF

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    • F24FAIR-CONDITIONING; AIR-HUMIDIFICATION; VENTILATION; USE OF AIR CURRENTS FOR SCREENING
    • F24F7/00Ventilation
    • F24F2007/004Natural ventilation using convection

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,置換換気システム及び置換換気方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば居室などの空調空間を換気するものとして,置換換気システム(Displacement Ventilation System)が知られている。この置換換気システムでは,空調空間内の下部(例えば居住域)に室温より若干低温の空気をゆっくりとした給気速度(一般的には0.2m/s以下)で供給し,その空気が空調空間内に存在する発熱体などによって加熱されて発生する上昇流により,空調空間内で生じた塵埃やガスなどの汚染物質を空調空間内の上方に搬送している。そして,天井などに設けられた排気口から加熱された空気と共に汚染物質を排気することにより,空調空間内の換気を行う。
【0003】
かかる置換換気システムにあっては,空調空間内の上方には,高温で汚染物質濃度の高い領域が形成されるが,空調空間内に給気される低温空気によって順次押し出されることにより,高温で汚染物質濃度の高い空気が攪拌されることなく排気されるため,空調空間内の下方は清浄な環境に保たれ,また,給気温度を下げなくても空調空間内の温度を快適範囲に維持できるといった利点がある。このように,置換換気システムは,省エネルギーと高換気効率運転が可能な空調システムとして期待されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで,この置換換気システムでは,図13に示すように,給気ダクト100を経て給気チャンバ101に供給された給気(低温空気)SAは,給気チャンバ101の前面に形成された多数の給気口102から,空調空間内に給気される。こうして給気された低温空気は,室内空気との温度差による浮力差によって,床方向に下降し,床に沿って流れるドラフト103を生じ,空調空間内にいる人間に対し,足下にドラフト103による不快感を与える可能性がある。そこで,従来の置換換気システムでは,給気口102から空調空間内へ吹き出す低温空気の速度を0.2m/s以下程度に抑え,ドラフト103の速度をなるべく小さくしていた。
【0005】
しかしながら,このように低温空気の吹出し速度をゆっくりにすればするほど,所定の給気量を得るためには,大型の給気チャンバ101や多大な給気口102の総面積を必要とし,設備コストを増大させる要因となり,また,大型の給気チャンバ101を設置する場所の確保が困難な場合もあった。
【0006】
また,設置スペースの制約から,例えば図14に示すように,複数の給気チャンバ101を隔離しないで隣接して設置した場合,各給気チャンバ101の給気口102から低温空気を給気して形成されたドラフト103が,互いに平行流となって放射状に広がらずに床上を流れるため,ドラフト103の減衰距離が長くなり,足下にドラフト103を感じさせる不快域が広がる心配があった。
【0007】
更に,置換換気システムにおいて,空調空間内の上下温度差を小さくするためには,給気口から吹き出す低温空気の風量を増加させ,給排気の温度差を小さくする必要があるが,そうすると,ドラフトによる不快感をより一層を増大させる心配があった。
【0008】
したがって本発明の目的は,設備コストを増大させることなく,ドラフトによる不快感をより低減でき,しかも,居住域内の上下温度差を小さくできる手段を提供することにある。
【0009】
【課題を解決する手段】
この目的を達成するために,本発明にあっては,空調空間内に低温空気を供給し,空調空間内で加熱されて上昇した加熱空気を空調空間の上部から排気することにより換気を行う置換換気システムであって,空調空間の側壁の下部に設けられる給気口から,低温空気に旋回成分を与えて空調空間内に吹き出すことを特徴としている。
【0010】
空調空間内に低温空気を吹き出すと,吹き出された低温空気に空調空間内の空気が誘引されて一緒に移動する誘引作用がはたらく。本発明の置換換気システムによれば,空調空間内に吹き出す低温空気に旋回成分を与えることにより,吹き出した低温空気量に誘引される空調空間内の空気の誘引量(誘引比)を増加させることができる。そして,このように誘引量が増加することに伴い,運動量保存則に従って低温空気の速度は低減し,速やかに減速することとなる。また,このように誘引量が増加することに伴い,低温空気を速やかに昇温させることができ,空調空間内の上下温度差をより小さくすることが可能となる。こうして,空調空間内をなるべく少風量で効率よく空調でき,省エネルギに貢献することができる。
【0011】
本発明の置換換気システムにおいて,低温空気の給気口には,低温空気に対して旋回成分を与えるフィンを設けると良い。そうすれば,給気口から空調空間内に吹き出される低温空気に対して,容易かつ低廉に旋回成分を与えることができる。
【0012】
また,低温空気の給気口を複数並べて配置する場合は,隣り合う給気口から吹き出される低温空気の旋回成分が互いに逆の回転方向となる関係にすると良い。そうすれば,隣り合う給気口から吹き出される低温空気の旋回運動がお互いに助長しあうこととなり,給気口から吹き出した低温空気量に誘引される空調空間内の空気の誘引量を更に増加させることができるようになる。なお,低温空気の給気口を縦横に複数並べて配置し,上下に配列された給気口の間では,隣り合う給気口から吹き出される低温空気の旋回成分が,互いに逆の回転方向の関係となるが,横に配置された給気口の間では,隣り合う給気口から吹き出される低温空気の旋回成分が,互いに同じ回転方向の関係となるように設定する。
また本発明によれば,空調空間内に低温空気を供給し,空調空間内で加熱されて上昇した加熱空気を空調空間の上部から排気することにより換気を行う置換換気方法であって,空調空間の側壁の下部に設けられる給気口から,低温空気に旋回成分を与えて空調空間内に吹き出すことを特徴とする,置換換気方法が提供される。
空調空間内に縦横に並べて配置した複数の給気口から低温空気を供給し,かつ,上下に配列された給気口の間では,隣り合う給気口から吹き出される低温空気の旋回成分が,互いに逆の回転方向の関係となるが,横に配置された給気口の間では,隣り合う給気口から吹き出される低温空気の旋回成分が,互いに同じ回転方向の関係となるように設定する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下,本発明の好ましい実施の形態を図面を参照にして説明する。図1は,本発明の実施の形態にかかる置換換気システム1を説明するための概略構成図である。
【0014】
空調空間10は,例えば事務室,電算室,客室,宴会場,遊技場,印刷室,病室,便所,厨房,機械室,ボイラ室,工場などであり,天井,床及び側壁で区画されている。空調空間10の内部には,発熱体として例えば人間11が存在している。空調空間10の下部には,給気口15が設けられ,空調空間10の上部には,排気口16が設けられている。図示の例では,空調空間10の一側面(空調空間10を形成している室の一つの側壁)17の下部に給気口15を開口させ,上部に排気口16を開口させるように配置している。空調空間10の一側面17の下部背面側には,給気チャンバ20が設けられており,この給気チャンバ20の前面21が,空調空間10の一側面17の下部に露出している。
【0015】
こうして空調空間10の一側面17下部に露出した給気チャンバ20の前面21には,図2に示すように,複数の給気口15が縦横に並べて配置されている。給気チャンバ20には,外気OAを空調機22に取り込んで作られた低温空気SAが,給気ダクト23を経て供給されている。これにより,給気チャンバ20の前面21に形成された複数の給気口15から,空調空間10の内部に向かって低温空気SAが供給されるようになっている。空調機22は,外気OAを冷却して低温空気SAを作るための冷却器25やフィルタ(図示せず)を備えており,また,作った低温空気SAを給気ダクト23及び給気チャンバ20を経て空調空間10内に供給する給気ファン27などを備えている。
【0016】
各給気口15には,図3,4に示すように,複数のフィン30を有する吹出部材がそれぞれ装着されている。各給気口15の中央に支持部材31が設けてあり,図示はしないが,給気チャンバ20に対してこの支持部材31が固定されている。各フィン30は,この支持部材31の周りに適当な等間隔で放射状に取り付けてある。また,給気口15から空調空間10の内部に向かって吹き出す低温空気SAに旋回成分を与えるべく,各フィン30は給気口15の中心軸15’に対してそれぞれ傾斜して配置されており,図3と図4では,フィン30の傾斜方向が逆向きの関係になっている。
【0017】
このように,各給気口15に傾斜したフィン30を放射状に取り付けたことにより,給気チャンバ20の内部から給気口15に向かって流れ込んできた低温空気SAを,給気口15を通過する際に,各フィン30に沿わせて強制的に流することができる。これにより,給気口15から空調空間10に向かって吹き出す低温空気SAに,中心軸15’を中心とする旋回成分を与えるようになっている。
【0018】
ここで,図3,4では,前述の吹出部材について,フィン30の傾斜方向が互いに逆向きであり,図3に示したフィン30によっては,給気口15を通過する際に,給気チャンバ20の前面21を空調空間10の室内側から見た場合において,反時計回転方向の旋回成分が低温空気SAに与えられる。一方,図4に示したフィン30によっては,給気口15を通過する際に,給気チャンバ20の前面21を空調空間10の室内側から見た場合において,時計回転方向の旋回成分が低温空気SAに与えられる。
【0019】
前述のように給気チャンバ20の前面(空調空間10を形成している室の内部側の面)21には,複数の給気口15が縦横に並べて配置されているが,隣り合う給気口15から吹き出される低温空気SAの旋回成分は,互いに逆の回転方向の関係になっている。即ち,例えば図5に示すように上下方向に並んだ4つの給気口15a,15b,15c,15dを例にして説明すると,1番上の給気口15aと上から3番目の給気口15cでは,フィン30の傾斜方向が図3で説明した状態であり,これら給気口15aと給気口15cからは,反時計回転方向の旋回成分を与えられた低温空気SAが吹き出される。一方,上から2番目の給気口15bと4番目の給気口15dでは,フィン30の傾斜方向が図4で説明した状態であり,これら給気口15bと給気口15dからは,時計回転方向の旋回成分を与えられた低温空気SAが吹き出される。このように,隣り合う給気口15aと給気口15b,給気口15bと給気口15c,給気口15cと給気口15dの間において,それぞれ互いに逆の回転方向に旋回する低温空気SAを吹き出すようになっている。
【0020】
即ち,図6に示すように,上下方向に並んだ4つの給気口15a,15b,15c,15dからいずれも同じ回転方向に旋回する低温空気SA(図6に示す例では,いずれも反時計回転方向に旋回する低温空気SA)を吹き出した場合,給気口15aと給気口15bの間,給気口15bと給気口15cの間及び給気口15bと給気口15cの間において,互いに打ち消しあう方向に低温空気SAが吹き出されることとなる。そうすると,各給気口15a,15b,15c,15dから吹き出される低温空気SAの旋回成分が相殺されてしまう。
【0021】
一方,図5で説明したように,各給気口15a,15b,15c,15dから吹き出す低温空気SAの旋回成分を交互に逆の回転方向とすれば,給気口15aと給気口15bの間,給気口15bと給気口15cの間及び給気口15bと給気口15cの間のいずれにおいても,互いに同じ方向に低温空気SAが吹き出されることとなるので,各給気口15a,15b,15c,15dから吹き出される低温空気SAの旋回成分が相殺されず,お互いに旋回運動を助長しあうようになる。
【0022】
なお,図5では,上下に配列された給気口15の関係について説明したが,先に図2で説明したように,給気チャンバ20の前面21には複数の給気口15が縦横に並べて配置されている。そこで,上下に配列された給気口15の関係のみならず,横に配置された給気口15の間においても,隣り合う給気口15から吹き出される低温空気SAの旋回成分が,互いに逆の回転方向の関係となるように,各給気口15に設けられたフィン30の傾斜方向が設定されている。
【0023】
図1に示すように,空調空間10の上部に配置された排気口16には,排気ファン40を備えた排気ダクト41が接続されている。これにより,空調空間10の上部に溜まった空気(空調空間10に存在している人体やOA機器などの熱負荷によって加熱された空気)が,排気ダクト41を経て外部に排気EAされるようになっている。
【0024】
さて,以上のように構成された置換換気システム1において,空調機22で作った低温空気SAを,給気ファン27の稼動により,給気ダクト23及び給気チャンバ20を経て空調空間10内に供給する。給気口15を通過する際に,給気口15に装着されたフィン30により,低温空気SAに対して旋回成分が与えられ,こうして,空調空間10内に向かって,各給気口15から旋回しながら低温空気SAが給気される。
【0025】
すると,各給気口15から吹き出した低温空気SAに,空調空間10内の空気が誘引されて一緒に移動する誘引作用がはたらく。この場合,図示の置換換気システム1にあっては,給気口15から吹き出す低温空気SAに旋回成分が与えられるので,低温空気SAに誘引される空調空間10内の空気の誘引量(誘引比)が増加する。これに伴い,運動量保存則に従って低温空気SAの速度は,各給気口15から吹き出した後,速やかに減速することとなる。
【0026】
こうして空調空間10内に供給された低温空気SAは,温度差により,空調空間10内の下方に下降するように流れ,空調空間10内の下方の居住空間を低速で満たしていき,居住空間を快適な環境に保つことが可能となる。
【0027】
一方,空調空間10内の例えば居住空間には,発熱体としての人間11などが存在しているので,空調空間10内に供給されて人間11やその他の発熱機器類などに熱的に接触した低温空気SAは,やがて加熱され,緩やかに上昇する。その上昇流により,空調空間10内において人間11の周りに生じた塵埃やガスなどの汚染物質を空調空間10内の上方に搬送することができる。
【0028】
そして,空調空間10の上部に溜まった空気(加熱された空気)は,攪拌されることなく,即ち,空調空間10内に形成された居住空間などの温度成層を乱すことなく,排気口16及び排気ダクト41を経て,排気ファン40外部に排気EAされる。こうして,低温空気SAを空調空間10内の下方に供給しつつ,空調空間10の上部から,加熱空気と共に塵埃やガスなどの汚染物質を排気することにより,空調空間10内の換気が行われ,空調空間10内の下方は清浄な低温空気SAの環境に保たれる。
【0029】
この置換換気システム1によれば,空調空間10内に給気される低温空気SAに旋回成分が与えられていることにより,低温空気SAは,各給気口15から吹き出した後,速やかに減速することとなり,空調空間10内の居住空間などにいる人間11にドラフトを感じにくくさせることができる。また,給気口15から吹き出した低温空気SAに対し,より高温な周囲空気(空調空間10内の空気)が誘引される量が増加し,低温空気SAと周囲空気との温度差が速やかに小さくなり,空調空間10内の居住空間などにおける上下温度差をより小さくすることが可能となる。
【0030】
なお,この実施の形態で説明したように,給気チャンバ20の前面21に形成された複数の給気口15において,隣り合う給気口15から吹き出される低温空気SAの旋回成分が互いに逆の回転方向の関係となるようにすれば,隣り合う給気口15から吹き出される低温空気SAの旋回運動がお互いに助長しあうこととなり,各給気口15から吹き出した低温空気SAに誘引される空調空間10内の空気の誘引量を更に増加させることができる。このため,低温空気SAを給気口15から高速で吹き出しても,減衰距離を大幅に短くできる。
【0031】
以上,本発明の好ましい実施の形態の一例を説明したが,本発明は図示の形態に限定されない。例えば,図1中に点線で記入した戻りダクト45設けることにより,排気EAの一部を空調機22に戻して,再利用するように構成しても良い。また,排気ファン40を省略し,空調空間10内の下方に供給した低温空気SAによって,空調空間10の上部に溜まった加熱空気を順次押し出すようにしても良い。また,排気口16を空調空間10の天井に形成してもよい。更に,本発明の置換換気システムは,居室に限らず,前述したような人間や各種機器類などが存在する種々の空調空間について適用できる。
【0032】
また図3,4では,支持部材31に複数のフィン30を放射状に取り付けた構成の吹出部材を,各給気口15にそれぞれ装着した例を説明したが,各給気口15に装着される吹出部材の構成は,この形態に限定されない。例えば本出願人が先に特開平9-250803号の図5で開示した旋回流形成板の如き,平板からフィンを打ち抜いて形成した構成の吹出部材を用いても良い。いずれにしても,旋回成分を与えることができる吹出部材であれば良い。また,給気チャンバ20の前面21に縦横に並べて配置された複数の給気口15において,図7に示すように,上下に配列された給気口15と横に配置された給気口15のいずれの間においても,隣り合う給気口15から吹き出される低温空気SAの旋回成分が,互いに逆の回転方向の関係となるように設定されていてもよい。また一方,図8に示すように,上下に配列された給気口15の間では,隣り合う給気口15から吹き出される低温空気SAの旋回成分が,互いに逆の回転方向の関係となるが,横に配置された給気口15の間では,隣り合う給気口15から吹き出される低温空気SAの旋回成分が,互いに同じ回転方向の関係となるように設定されていてもよい。また逆に,図示はしないが,横に配列された給気口15の間では,隣り合う給気口15から吹き出される低温空気SAの旋回成分が,互いに逆の回転方向の関係となるが,上下に配置された給気口15の間では,隣り合う給気口15から吹き出される低温空気SAの旋回成分が,互いに同じ回転方向の関係となるように設定されていてもよい。また,全部の給気口15から吹き出される低温空気SAの旋回成分が,いずれも同じ回転方向の関係となるように設定されていてもよい。更に,各給気口15から吹き出される低温空気SAの旋回成分が,不規則に同じ回転方向となったり逆の回転方向となるように設定されていてもよい。各給気口15から吹き出される低温空気SAの旋回成分の回転方向は,任意に設定できる。
【0033】
【実施例】
本発明の置換換気システムについて,実施例を行った。図9は,本発明の置換換気システムを,給気口から旋回成分を与えないで低温空気を吹き出すように構成された従来例の置換換気システムと比較して,給気口からの距離に対する最大風速Vmax(給気口から離れた各距離における最大風速Vmax)の変化を示したグラフである。図10は,本発明の置換換気システムを従来例の置換換気システムと比較して,給気口からの距離に対するドラフトによる不満足者率PDの変化を示したグラフである。図11,12は,いずれも空調空間内の温度差(床からの高さに対する温度変化)を示すグラフであり,図11は従来例の置換換気システム(図11)について示し,図12は本発明の置換換気システム(図12)について示したものである。
【0034】
本発明と従来例を比較するにあたり,同一風量(20m/(h/m))とし,同一室内発熱下(50W/m)とした。ここで,PDは,次の(1)式を用いて算出した。
PD(%)=(34-ta)・(V-0.05)0.62・(0.37・V・Tu+3.14)・・・(1)
V:風速(m/s)
ta:空気温度(℃)
Tu:乱れの強さ(%)=VST/V・100
VST:風速の標準偏差
【0035】
空調空間内において,居住域である床上1.1mの温度が25℃になるように給気温度を調整した。従来例の置換換気システムでの吹出し風速は0.17m/sとし,本発明の置換換気システムでの吹出し風速は,従来例のほぼ10倍の吹出し風速を与えた。また,図11,12において,ΔT:放射熱伝達による温度上昇率,ΔTENT:吹き出し誘引による温度上昇率,T:給気温度,T:排気温度,HST:成層高さ(空調風量と室内発熱から発生する熱プルーム風量の平衡高さ),TST:成層高さの空気温度(ほぼ排気温度と同等),T:任意の高さにおける温度,T:床面での温度をそれぞれ示し,温度差(横軸)は,床面と天井との温度差に対する温度比(T−T)/(T−T)で示した。本発明の置換換気システムでは,吹出し風速を約10倍速くしたにもかかわらず,給気口近傍(給気口から1m以内)を除いて従来例の置換換気システムの場合よりも居住域内の上下温度差が小さく,より快適な環境を実現できている。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば,従来よりもコンパクトな給気ユニットなどを利用してドラフト感の少ない置換換気を実現できる。コンパクト化によって,従来よりも給気ユニットなどの設置場所の制約を受けにくくなり,設備コストも低減できる。また,空調空間内の空気を誘引混合するため,従来よりも少ない風量で居住域などの上下温度差を快適範囲に保つことができ,省エネルギーにも寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる置換換気システムを説明するための概略構成図である。
【図2】給気チャンバの前面図である。
【図3】空調空間の室内側から見て反時計回転方向の旋回成分を低温空気に与えるようにフィンを取り付けた給気口の正面図である。
【図4】空調空間の室内側から見て時計回転方向の旋回成分を低温空気に与えるようにフィンを取り付けた給気口の正面図である。
【図5】隣り合う給気口から吹き出される低温空気の旋回成分を交互に逆の回転方向とした給気口の説明図である。
【図6】隣り合う給気口から吹き出される低温空気の旋回成分を同じ回転方向とした給気口の説明図である。
【図7】上下に配列された給気口と横に配置された給気口のいずれの間においても,隣り合う給気口から吹き出される低温空気の旋回成分が,互いに逆の回転方向の関係となるように設定された給気口の説明図である。
【図8】上下に配列された給気口の間では,隣り合う給気口から吹き出される低温空気の旋回成分が,互いに逆の回転方向の関係となるが,横に配置された給気口の間では,隣り合う給気口から吹き出される低温空気の旋回成分が,互いに同じ回転方向の関係となるように設定された給気口の説明図である。
【図9】本発明の置換換気システムと従来例の置換換気システムについて,給気口からの距離に対するVmaxの変化を示したグラフである。
【図10】本発明の置換換気システムと従来例の置換換気システムについて,給気口からの距離に対するドラフトによる不満足者率PDの変化を示したグラフである。
【図11】従来例の置換換気システムについて,調空間内の温度差(床からの高さに対する温度変化)を示すグラフである。
【図12】本発明の置換換気システムについて,調空間内の温度差(床からの高さに対する温度変化)を示すグラフである。
【図13】一般的な置換換気システムの課題を説明するための斜視図である。
【図14】複数の給気チャンバを隔離しないで隣接して設置した場合の課題を説明するための斜視図である。
【符号の説明】
SA 低温空気
1 置換換気システム
10 空調空間
11 人間
15 給気口
16 排気口
20 給気チャンバ
22 空調機
23 給気ダクト
30 フィン
40 排気ファン
41 排気ダクト

Claims (3)

  1. 空調空間内に低温空気を供給し,空調空間内で加熱されて上昇した加熱空気を空調空間の上部から排気することにより換気を行う置換換気システムであって,
    空調空間の側壁の下部に設けられる給気口から,低温空気に旋回成分を与えて空調空間内に吹き出し,
    低温空気の給気口を縦横に複数並べて配置し,上下に配列された給気口の間では,隣り合う給気口から吹き出される低温空気の旋回成分が,互いに逆の回転方向の関係となるが,横に配置された給気口の間では,隣り合う給気口から吹き出される低温空気の旋回成分が,互いに同じ回転方向の関係となるように設定したことを特徴とする,置換換気システム。
  2. 低温空気の給気口に,低温空気に対して旋回成分を与えるフィンを設けたことを特徴とする,請求項1の置換換気システム。
  3. 空調空間内に低温空気を供給し,空調空間内で加熱されて上昇した加熱空気を空調空間の上部から排気することにより換気を行う置換換気方法であって,
    空調空間の側壁の下部に設けられる給気口から,低温空気に旋回成分を与えて空調空間内に吹き出し,
    空調空間内に縦横に並べて配置した複数の給気口から低温空気を供給し,かつ,上下に配列された給気口の間では,隣り合う給気口から吹き出される低温空気の旋回成分が,互いに逆の回転方向の関係となるが,横に配置された給気口の間では,隣り合う給気口から吹き出される低温空気の旋回成分が,互いに同じ回転方向の関係となるように設定したことを特徴とする,置換換気方法。
JP2001180390A 2001-06-14 2001-06-14 置換換気システム及び置換換気方法 Expired - Lifetime JP4006196B2 (ja)

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