JP4005990B2 - 積層型誘電体フィルタ - Google Patents

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Description

本発明は、ストリップライン共振器を備えた積層型誘電体フィルタに関するものである。
この種の積層型誘電体フィルタは、例えば、携帯電話機等の無線通信機器に使用されるものであり、小型化、低背化、低損失化が要求される。このような積層型誘電体フィルタとして、ストリップライン共振器間に結合容量を発生させるための結合調整電極とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この積層型誘電体フィルタでは、結合調整電極による共振器間の結合容量によって、通過周波数帯域の低周波側の近傍に減衰極を形成することができ、低周波側のノイズを除去することができる。ところが、この結合調整電極を設けたことによって、当該結合調整電極自身の共振に起因するスプリアスが通過周波数帯域の高周波側に発生してしまう。そして、発生したスプリアスにより、通過周波数帯域の高周波側の信号にノイズが発生し、高周波側の信号品質が劣化してしまう。
この問題を解決するため、特許文献1記載の積層型誘電体フィルタでは、共振電極が設けられた誘電体層、及び結合調整電極が設けられた誘電体層の誘電率を、それらの周囲の層の誘電率よりも高くしている。このように誘電体層の誘電率を設定することにより、スプリアスを所望の周波数帯域から外れるようにシフトさせ、当該所望の周波数帯域における信号品質の劣化を抑制することとしている。
特開2003−198206号公報
しかしながら、特許文献1記載の積層型誘電体フィルタでは、高周波側におけるノイズの除去が不十分であり、高周波側における十分な信号品質が得られなかった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、信号品質の劣化を十分に抑制できる積層型誘電体フィルタを提供することを目的とする。
本発明の積層型誘電体フィルタは、ストリップライン共振器を備える積層型誘電体フィルタであって、第1の誘電体層と、当該第1の誘電体層上に位置しそれぞれがストリップライン共振器を構成する3つ以上の共振電極と、を有する第1の積層部と、第2の誘電体層と、当該第2の誘電体層上において共振電極のうち互いに隣接しない共振電極にそれぞれ第2の誘電体層の厚み方向から見て少なくとも一部が重なるように位置する調整電極と、当該調整電極同士を電気的に接続する接続電極と、を有する第2の積層部と、第1の誘電体層よりも誘電率が低い第3の誘電体層を有する第3の積層部と、を備えており、第2の積層部は、第1の積層部と第3の積層部との間に位置し、接続電極は、調整電極が位置する面よりも第1の積層部から離れた面に位置し、第3の積層部は、第2の積層部に厚み方向で隣り合い、第1の積層部は、第2の積層部に厚み方向で隣り合い、第2の積層部は、第2の誘電体層よりも第1の積層部から離れ第2の誘電体層と第3の積層部との間に位置する第4の誘電体層を有し、接続電極は、第4の誘電体層上に位置し、第2の積層部は、第2の誘電体層と第4の誘電体層との間に位置する第5の誘電体層を有し、調整電極は、第1の誘電体層と第2の誘電体層とに挟まれており、第1の誘電体層と第2の誘電体層とが同じ材料からなり、接続電極は、第4の誘電体層と第5の誘電体層とに挟まれており、第4の誘電体層と第5の誘電体層とが同じ材料からなり、第4及び第5の誘電体層は、第1及び第2の誘電体層よりも誘電率が低いことを特徴とする。
これらの積層型誘電体フィルタにおいては、ストリップライン共振器を構成する3つ以上の共振電極が第1の積層部に存在する。その共振電極のうち互いに隣接しない共振電極に対してそれぞれ誘電体層の厚み方向から見て少なくとも一部が重なるように位置する調整電極と、それら調整電極を接続する接続電極とが第2の積層部に存在することで、上記の隣接しない共振電極間に結合容量が生じる。この結合容量により、積層型誘電体フィルタには、通過周波数帯域の低周波側に減衰極が形成される。また、調整電極及び接続電極によって、通過周波数帯域の高周波側にスプリアスが発生する。この積層型誘電体フィルタでは、接続電極が、共振電極が位置する第1の積層部から離れて位置しているので、上記の互いに隣接しない共振電極の間に位置する共振電極と、接続電極とが離れて位置することとなり、両者の間に生じる寄生素子が低減され、スプリアスが減衰される。また、この積層型誘電体フィルタは、第3の積層部に誘電率が低い第3の誘電体層を有しているので、接続電極の近傍に低誘電率の層が存在することとなる。このため、接続電極の共振の影響が小さくなり、その共振に起因するスプリアスが減衰される。その結果、これらの積層型誘電体フィルタによれば、信号品質の劣化が十分に抑制される。
また、第2の積層部は、第2の誘電体層よりも第1の積層部から離れ第2の誘電体層と第3の積層部との間に位置する第4の誘電体層を有し、接続電極は、第4の誘電体層上に位置する。この構成により、第1の積層部、接続電極、及び調整電極の上記位置関係が達成され、上記作用を効果的に奏する。
また、第2の積層部は、第2の誘電体層と第4の誘電体層との間に位置する第5の誘電体層を有しているので、接続電極と第1の積層部とが更に離れることとなり、上記作用を効果的に奏する。
また、接続電極は、第4の誘電体層と第5の誘電体層とに挟まれており、第4及び第5の誘電体層は、第1及び第2の誘電体層よりも誘電率が低い。従って、接続電極が、誘電率が低い第4及び第5の誘電体層に挟まれることとなるので、接続電極の共振の影響が更に小さくなり、更にスプリアスの減衰が図られる。
また、第4及び第5の誘電体層は共に誘電率が低く、同じ材料が用いられるので、それによって第4及び第5の誘電体層間でのクラックやデラミネーション(層間剥離)の発生の虞が軽減される。
また、第3の積層部は、第2の積層部に厚み方向で隣り合っている。従って、誘電率が低い第3の誘電体層が、第2の積層部に設けられた調整電極及び接続電極に近いので、接続電極の共振の影響が効果的に小さくされ、その共振に起因するスプリアスが効果的に減衰される。
本発明の積層型誘電体フィルタによれば、信号品質の劣化を十分に抑制することができる。
本発明の実施形態に係る積層型誘電体フィルタについて説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
図1、図2及び図3に示すように、積層型誘電体フィルタF1は、3つのストリップライン共振器51a,51b,51cを備えたバンドパスフィルタである。積層型誘電体フィルタF1は、ストリップライン共振器51a,51b,51cの作用により、図4に示すような周波数特性を示し、約2200〜2500MHzの通過周波数帯域を有している。
積層型誘電体フィルタF1は、積層体3、グランド用外部電極5,7、入力用外部電極9、及び出力用外部電極11を備えている。積層体3は、矩形の板状に形成された積層部S1,S2,S3,S4,S5,S6,S7,S8,S9,S10を有している。積層体3は、これらの積層部が、この順で誘電体層の厚み方向に積層されることにより直方体形状を呈している。
積層部S2,S5,S6,S10は、誘電体層R2,R5,R6,R10と、それらの誘電体層上にスクリーン印刷された内部電極P2,P5,P6,P10とを有している。積層部S1,S3,S4,S8,S9は、内部電極が設けられていない誘電体層R1,R3,R4,R8,R9からなる。積層部S7は、積層部S6に近い側から順に積層された誘電体層R71,R72,R73の3つの誘電体層と、それらの3つの誘電体層内に設けられた内部電極P7とを有している。誘電体層R1,R2,R3,R4,R5,R6,R71,R72、R73,R8,R9,R10は、すべて同じ厚みに形成されている。
誘電体層R3,R4,R8,R9,R72,R73は、誘電体層R5,R6,R71よりも誘電率が低い材料からなる。例えば、前者は、ガラスセラミックスからなり比誘電率εはε=6であって、後者は、セラミックスからなりε=75である。すなわち、積層型誘電体フィルタF1は、高誘電率の誘電体層(以下「高誘電率層」という)を含む積層部(以下「高誘電率部」という)S5,S6、及び積層部S7を挟むように、一方側に低誘電率の誘電体層(以下「低誘電率部」という)を含む積層部(以下「低誘電率部」という)S3,S4(第3の積層部)、他方側に低誘電率部S8,S9(第3の積層部)が設けられた構造を成している。積層部S7は、高誘電体層R71と低誘電体層R72,R73が混在しており、誘電体層R72,R73の誘電率が、誘電体層R71の誘電率よりも低くなった構造を成している。なお、誘電体層R1,R2,R10もガラスセラミックスからなりε=6の低誘電率部となっている。
グランド用外部電極5,7は、それぞれ積層体3の側面17,21に接触して設けられている。入力用外部電極9は側面15に接触して設けられ、出力用外部電極11は側面19に接触して設けられている。
積層部S2に設けられた内部電極P2は、シールド電極として機能し、積層部S10に形成された内部電極P10は、他のシールド電極として機能する。内部電極P2,P10は、共に積層体3の側面17と側面21との双方に露出し、グランド用外部電極5,7に接触して当該グランド用外部電極5,7の双方に電気的に接続されている。
積層部S6(第1の積層部)に設けられた内部電極P6は、その一端が側面17においてグランド用外部電極5に接触し、当該グランド用外部電極5に電気的に接続されている。内部電極P6の他端側は3つに分岐しており、側面21へ向かう方向に短冊状に延びる共振電極25a,25b,25cとなっている。共振電極25a,25b,25cの側面21側の先端部は、当該側面21に到達しない開放端とされており、それぞれの先端の縁部の側面17からの距離は等しくされている。共振電極25a,25b,25cは、それぞれ所定のインダクタンスを有しており、それぞれがストリップライン共振器51a,51b,51cを構成する。共振電極25a、25cの側縁部からはそれぞれ側面15,19へ向かって枝部が延びている。これらの枝部はそれぞれ側面15,19へ露出し、それぞれ入力用外部電極9、出力用外部電極11に接触している。すなわち、共振電極25aは、枝部を介して入力用外部電極9に電気的に接続されており、共振電極25cは、枝部を介して出力用外部電極11に電気的に接続されている。
積層部S5に設けられた内部電極P5は、その一端が側面21においてグランド用外部電極7に接触し、当該グランド用外部電極7に電気的に接続されている。内部電極P5の他端側は3つに分岐しており、側面17に向かう方向に延びる帯状電極27a,27b,27cとなっている。帯状電極27a,27b,27cの側面17側の先端部は、側面17に到達しない開放端とされている。帯状電極27a,27b,27cは、誘電体層R5を挟んでそれぞれ共振電極25a,25b,25cに対向するように位置している。このような構成により、帯状電極27a,27b,27cと、共振電極25a,25b,25cと、それらに挟まれた誘電体層R5とによって、それぞれ静電容量53a,53b,53cが発生することとなる。これらの静電容量53a,53b,53cによって、積層型誘電体フィルタ1における通過周波数帯域が調整される。
積層部S7(第2の積層部)に設けられた内部電極P7は、誘電体層R71(第2の誘電体層)上に矩形状に設けられた調整電極29a,29cと、誘電体層R73(第4の誘電体層)上に設けられた接続電極29dと、誘電体層R71及び誘電体層R72(第5の誘電体層)を貫通する貫通電極33a,33cとを有している。
調整電極29aは、共振電極25aの先端部に対して誘電体層R6を挟んで対応する位置に配設されている。調整電極29aは、誘電体層R71の厚み方向から見て共振電極25aの先端部に重なる形状を有している。調整電極29cは、共振電極25cの先端部に対して誘電体層R6を挟んで対応する位置に配設されている。調整電極29cは、誘電体層R71の厚み方向から見て共振電極25cの先端部に重なる形状を有している。なお、共振電極25aと共振電極25cとは互いに誘電体層R6上で隣接せず、互いの間に存在する共振電極25bを一つおいて配置された位置関係にある。
接続電極29dは、誘電体層R73上において、調整電極29aに対応する位置から調整電極29cに対応する位置まで直線状に延びている。貫通電極33a,33cは誘電体層R71及びR72を厚み方向に貫通するスルーホール内に設けられている。貫通電極33aは、調整電極29aの誘電体層R71側の面と、接続電極29dの誘電体層R72側の面の一端とに接触している。貫通電極33cは、調整電極29cの誘電体層R71側の面と、接続電極29dの誘電体層R72側の面の他端とに接触している。このように、調整電極29aと調整電極29cとは、貫通電極33a、接続電極29d、及び貫通電極33cを介して互いに電気的に接続されている。
このような構成により、調整電極29a,29cと、共振電極25a,25cと、それらに挟まれた誘電体層R6とによって、それぞれ静電容量55a,55cが発生する。そして接続電極29dは、これらの調整電極29aと調整電極29cとを、貫通電極33a,33cを介して電気的に接続している。
内部電極P7が上記のように構成されることにより、共振電極25aと共振電極25cとの間に、静電容量55a,55cを含む結合容量が形成される。この結合容量は、隣接する共振電極25aと共振電極25bとの間や共振電極25bと共振電極25cとの間に発生する容量よりも大きくなる。内部電極P7が上記のように設けられることにより、積層型誘電体フィルタF1の周波数特性における減衰極が形成され、通過周波数帯域の低周波側を急峻に減衰させることができる(図4の1900MHz付近参照)。また、調整電極29a,29cの形状を変化させれば、この減衰極が生じる周波数や減衰量を調整することができるので、内部電極P7は、減衰極調整用電極としての機能を有している。
ところが、積層型誘電体フィルタF1において、内部電極P7が設けられると、接続電極29d自身の共振の影響で、通過周波数帯域の高周波側にスプリアスが発生してしまう(図4の6500MHz付近参照)。積層型誘電体フィルタF1における高周波側のノイズを抑制し、信号品質の劣化を十分に抑制するために、このノイズの原因となるスプリアスを減衰させる必要がある。
そこで、積層型誘電体フィルタF1では、接続電極29dを、調整電極29a、29cが設けられた誘電体層R71よりも積層部S6から離れた誘電体層R73上に設けることとしている。このため、接続電極29dが、積層部S6に設けられた共振電極25bから離れて位置することとなる。よって、共振電極25bと接続電極29dとの間に生じる寄生素子57の静電容量が低減され、その結果として高周波側のスプリアスが減衰される。このように、積層型誘電体フィルタF1では、接続電極29dの配置を変えることにより、Q値の大きな低下を招くこともなくスプリアスを低減することができる。その一方で、調整電極29a,29cは、接続電極29dよりも共振電極25a,25cに近い誘電体層R71上に設けられているので、静電容量55a,55cを適切に確保することができる。
また、前述の通り、積層型誘電体フィルタF1は、積層部S5,S6,S7が、低誘電率部S3,S4と低誘電率部S8,S9とにより挟まれる構造を成している。このため、接続電極29dの近傍に誘電率が低い層が存在することとなり、その結果、接続電極29d自身の共振の影響が低減され、その共振に起因するスプリアスが減衰される。特に、積層型誘電体フィルタF1では、積層部S7に誘電体層R71の厚み方向で隣り合う積層部S8が低誘電率部とされているので、接続電極29dと低誘電率部が近接して存在することとなり、スプリアスが効果的に減衰される。以上のように、積層型誘電体フィルタF1では、スプリアスが減衰されることにより、信号の品質劣化の抑制が図られる。
また、積層型誘電体フィルタF1では、積層部S7において、接続電極29dを間に挟んで位置する誘電体層R72,R73が共に低誘電率層となっているので、接続電極29dの共振の影響が更に低減され、スプリアスが更に減衰される。
なお、積層型誘電体フィルタF1の積層部S7において、誘電体層R71を高誘電率層、誘電体層R72、R73を低誘電率層としているが、誘電体層R71,R72,R73の誘電率の高低の組合せは、上記の組合せに限られない。誘電体層R71,R72,R73を、それぞれ高誘電率層又は低誘電率層の何れに設定してもよく、表1に示すように8通りの組合せ(組合せ1〜8)が可能である。
Figure 0004005990
上記積層型誘電体フィルタF1では、以下の観点から、表1の組合せ4を採用している。すなわち、誘電体層R71は高誘電率層、誘電体層R72,R73は低誘電率層である。この積層型誘電体フィルタF1では、調整電極29a,29cを挟んで隣接する誘電体層R6と誘電体層R71が同じ高誘電率層であり、同じ材料から成る。また、接続電極29dを挟んで隣接する誘電体層R72と誘電体層R73が同じ低誘電率層であり、同じ材料から成る。このように、積層型誘電体フィルタF1では、積層部S7において、電極を挟んで隣接する誘電体層R6,R71、及び誘電体層R72,R73がそれぞれ同じ材料とされているので、誘電体層R6,R71間及び誘電体層R72,R73間におけるクラックやデラミネーションの発生の虞が軽減される。なお、スプリアスの減衰のみを図る観点からは、表1の組合せ8を採用し、積層部S7の誘電体層R71,R72,R73のすべてを、誘電体層R6よりも誘電率が低い低誘電率層とすることで、接続電極29dの周辺の誘電率を低くすることが最も好ましい。
(第2実施形態)
図5に示すように、積層型誘電体フィルタF2における積層型誘電体フィルタF1との相違点は、積層部S7に設けられた内部電極の構造にある。積層型誘電体フィルタF2の積層部S7には、内部電極P7に代えて内部電極P27が設けられている。内部電極P27は、調整電極29a,29cと、それらを接続する接続電極29eを有している。接続電極29eは、誘電体層R72上に設けられている。
接続電極29eは、誘電体層R72上において、調整電極29aに対応する位置から調整電極29cに対応する位置まで直線状に延びている。貫通電極35a,35cは誘電体層R71を厚み方向に貫通するスルーホール内に設けられている。貫通電極35aは、調整電極29aの誘電体層R71側の面と、接続電極29eの誘電体層R71側の面の一端とに接触している。貫通電極35cは、調整電極29cの誘電体層R71側の面と、接続電極29eの誘電体層R71側の面の他端とに接触している。このような内部電極P7の構造によっても、接続電極29eが、積層部S6に設けられた共振電極25bから離れて位置することとなる。よって、積層型誘電体フィルタF2によれば、積層型誘電体フィルタF1と同様の作用効果が得られる。
なお、積層型誘電体フィルタF2の積層部S7において、誘電体層R71は高誘電率層、誘電体層R72は低誘電率層としているが、誘電体層R71,R72の誘電率の高低の組合せは、上記の組合せに限られない。誘電体層R71,R72を、それぞれ高誘電率層又は低誘電率層の何れに設定してもよく、表2に示すように4通りの組合せ(組合せ11〜14)が可能である。
Figure 0004005990
上記積層型誘電体フィルタF2では、以下の観点から、組合せ12を採用している。すなわち、誘電体層R71は高誘電率層、誘電体層R72は低誘電率層である。この積層型誘電体フィルタF2では、調整電極29a,29cを挟んで隣接する誘電体層R6と誘電体層R71が同じ高誘電率層であり、同じ材料から成る。このように、積層型誘電体フィルタF2では、電極を挟んで隣接する誘電体層R6とR71とが同じ材料とされているので、誘電体層R6,R71間におけるクラックやデラミネーションの発生の虞が軽減される。なお、スプリアスの減衰のみを図る観点からは、表2の組合せ14を採用し、接続電極29eを挟む誘電体層R71,R72の双方を、誘電体層R6よりも誘電率が低い低誘電率層とすることで、接続電極29eの周辺の誘電率を低くすることが最も好ましい。
上記実施形態の積層型誘電体フィルタF1と、比較例である積層型誘電体フィルタF3(図6参照)と、について、6000〜8000MHzにおける周波数特性を図7に示した。なお、比較例の積層型誘電体フィルタF3における積層型誘電体フィルタF1との相違点は、図6に示すように、積層部S7に設けられた内部電極の構造にある。積層型誘電体フィルタF3の積層部S7には、内部電極P7に代えて内部電極P37が設けられている。内部電極P37は、調整電極29a,29cと、それらを接続する接続電極29fを有しており、接続電極29fは、誘電体層R71上に位置し、調整電極29a,29cと同一面上にある。
図7に示すように、積層型誘電体フィルタF1では、積層型誘電体フィルタF3に比較してスプリアスが減衰し、6000〜8000MHzにおける減衰量が大きくなっている。このように、積層型誘電体フィルタF1によれば、スプリアスを減衰することができ、通過周波数帯域の高周波側において信号品質の劣化が抑制されることが判る。
なお、上記実施形態では、低誘電率部S3,S4、低誘電率部S8,S9が、高誘電率部S5,S6、及び積層部S7の一方側及び他方側の両方に設けられているが、低誘電率部は、高誘電率部S5,S6、及び積層部S7の何れかの側のみに設けられてもよい。また、上記実施形態では、低誘電率部S3,S4、低誘電率部S8,S9が2層組とされているため、低誘電率部が厚くなり、よりスプリアスを減衰させる点で好ましいが、低誘電率部は2層組に限らず1層ずつでもよい。また、積層型誘電体フィルタF1では、内部電極P7が設けられた積層部S7に隣接する積層部S8が低誘電率部とされているが、積層部S7と積層部S8との間に高誘電率部が入っていてもよい。
上記実施形態では、本発明を3つのストリップライン共振器を備えた積層型誘電体フィルタに適用したが、本発明は、ストリップライン共振器を4つ以上備える積層型誘電体フィルタにも適用が可能である。この場合の積層体誘電フィルタでは、互いの間に1つ以上の他の共振電極が存在するように配置された一対の共振電極に、それぞれ調整電極が対応するように配置される。これらの調整電極同士が、当該調整電極よりも共振電極から離れた誘電体層に位置する接続電極により接続される。調整電極と接続電極とは、誘電体層を厚み方向に貫通するスルーホールを介して接続される。
積層型誘電体フィルタを示す斜視図である。 積層型誘電体フィルタを示す分解斜視図である。 積層型誘電体フィルタを示す回路図である。 積層型誘電体フィルタの周波数特性を示すグラフである。 変形例に係る積層型誘電体フィルタを示す分解斜視図である。 比較例に係る積層型誘電体フィルタを示す分解斜視図である。 積層型誘電体フィルタの周波数特性を示すグラフである。
符号の説明
F1,F2,F3…積層型誘電体フィルタ、3…積層体、25a,25b,25c…共振電極、29a,29c…調整電極、29d,29e,29f…接続電極、51a,51b,51c…ストリップライン共振器、S6…積層部(第1の積層部)、S7…積層部(第2の積層部)、S3,S4,S8,S9…積層部(第3の積層部)、R6…誘電体層(第1の誘電体層)、R71…誘電体層(第2の誘電体層)、R3,R4,R8,R9…誘電体層(第3の誘電体層)、R73…誘電体層(第4の誘電体層)、R72…誘電体層(第5の誘電体層)。

Claims (1)

  1. ストリップライン共振器を備える積層型誘電体フィルタであって、
    第1の誘電体層と、当該第1の誘電体層上に位置しそれぞれが前記ストリップライン共振器を構成する3つ以上の共振電極と、を有する第1の積層部と、
    第2の誘電体層と、当該第2の誘電体層上において前記共振電極のうち互いに隣接しない前記共振電極にそれぞれ前記第2の誘電体層の厚み方向から見て少なくとも一部が重なるように位置する調整電極と、当該調整電極同士を電気的に接続する接続電極と、を有する第2の積層部と、
    前記第1の誘電体層よりも誘電率が低い第3の誘電体層を有する第3の積層部と、を備えており、
    前記第2の積層部は、前記第1の積層部と前記第3の積層部との間に位置し、
    前記接続電極は、前記調整電極が位置する面よりも前記第1の積層部から離れた面に位置し、
    前記第3の積層部は、前記第2の積層部に前記厚み方向で隣り合い、前記第1の積層部は、前記第2の積層部に前記厚み方向で隣り合い、
    前記第2の積層部は、前記第2の誘電体層よりも前記第1の積層部から離れ前記第2の誘電体層と前記第3の積層部との間に位置する第4の誘電体層を有し、前記接続電極は、前記第4の誘電体層上に位置し、
    前記第2の積層部は、前記第2の誘電体層と前記第4の誘電体層との間に位置する第5の誘電体層を有し、
    前記調整電極は、前記第1の誘電体層と前記第2の誘電体層とに挟まれており、前記第1の誘電体層と前記第2の誘電体層とが同じ材料からなり、
    前記接続電極は、前記第4の誘電体層と前記第5の誘電体層とに挟まれており、前記第4の誘電体層と前記第5の誘電体層とが同じ材料からなり、
    前記第4及び第5の誘電体層は、前記第1及び第2の誘電体層よりも誘電率が低いことを特徴とする積層型誘電体フィルタ。
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