JP4004868B2 - 磁気記録媒体、情報記録装置及び信号計測装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気記録装置に用いられる磁気ディスクなどの円盤状磁気記録媒体とそれに用いることができる信号計測装置及び情報記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ハードディスクドライブに代表される磁気記録装置はコンピュータなどの情報処理装置の外部記憶装置として広く用いられ、近年は動画像の録画装置やセットトップボックスのための記録装置としても使用されつつある。
磁気記録装置は、通常、1枚或いは複数枚の磁気ディスク(ハードディスク)と記録再生用ヘッドとを内蔵する。記録再生用ヘッドは通常浮上型ヘッドで、磁気ディスク上を一定の浮上量で移動するように設けられる。また、浮上型ヘッドの他に媒体との距離をより縮めるために、コンタクトヘッド(接触型ヘッド)の使用も提案されている。
【0003】
磁気ディスクなどの磁気記録媒体は、一般に、アルミニウム合金基板などの表面にNiP層、金属下地層、磁性層(記録層)、保護層、潤滑層などが順次積層されてなる。あるいは、ガラス基板などの表面に金属下地層、磁性層(記録層)、保護層、潤滑層などが順次積層されてなる。また、磁気記録媒体には面内磁気記録媒体と垂直磁気記録媒体とがある。面内磁気記録媒体は、通常、長手記録が行われる。
【0004】
磁気ディスクに代表される円盤状磁気記録媒体には、通常、同心円状に記録トラックが設けられ、記録トラックごとに、記録再生用磁気ヘッドの位置制御(位置決め)や同期制御を行うための制御信号が予め記録されている。例えば磁気ヘッド位置決め用のサーボ信号などの制御信号である。
従来、この制御信号は媒体上の特定の位置に第一の磁化状態の領域と第二の磁化状態の領域を交互に設けることによって記録される。通常、第一の磁化状態と第二の磁化状態は互いに磁化方向が逆であり、面内磁気記録媒体ならば、長手方向の一方向とその逆方向、垂直磁気記録媒体であれば、媒体に対して垂直方向の一方向とその逆方向に対応する。
【0005】
これらは一般に磁気ヘッドを用いて記録されていた。媒体を回転させながら磁気ヘッドで走査し、ヘッドに電流を流すことで磁化状態が記録されるが、流す電流の向きをその都度反転することによって第一の磁化状態の記録と第二の磁化状態の記録が切り替わる。電流の向きを反転させた部分がちょうど媒体の磁化反転部に当たる。この記録方式では、通常、それぞれの磁化反転部は同じ精度で記録される。即ち第一の磁化状態と第二の磁化状態の領域幅は、通常、ほぼ等しく形成される。一つの理由は、ヘッドの構造は一般に電流の向きに対して対称性を有するためである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、サーボ信号などの制御信号は通常、円盤状磁気記録媒体の内外周で同一の周波数を発生する必要があるため、第一及び第二の磁化状態の領域幅を、内周で狭く外周で広く形成する必要があった。
近年、これらの信号記録に磁気転写方式が用いられるようになった。この技術は、あらかじめほぼ全体を均一に第二の磁化状態(第一の磁化方向)に磁化した磁気記録媒体に、マスクやマスターディスクなどの母型により規定される特定の領域のみを磁化反転する操作を施して、特定の位置に第一の磁化状態(第二の磁化方向)の磁化領域を形成することにより、信号を記録する技術である。
【0007】
磁気転写方式によれば、各種の微細な磁化パターンを精度よく、しかも一括して簡便に形成できるという利点がある。しかし、磁気ヘッドによる記録方式と異なり、第一の磁化状態と第二の磁化状態の領域幅が異なりやすい傾向がある。両領域幅が異なると、タイミングアシンメトリ値が悪化し、精度の高い信号が得られない虞がある。
【0008】
また、磁気転写方式においては、磁化領域の幅に応じて最も精度の高い転写条件が異なる。従って、上述したような、内外周で同一の周波数で、第一、第二の磁化状態の領域幅が内外周で大きく異なるような信号を形成した場合、全面で精度の良い信号が得られにくいという課題があった。
【0009】
本発明の目的は、制御信号が極めて高い精度で得られる磁気記録媒体及びこれに好ましく適用できる信号計測装置及び情報記録装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の磁気記録媒体は、少なくとも磁性層を有している円盤状記録媒体であって、前記磁性層に、湾曲した放射状に設けられたサーボ信号記録部内において、第一の磁化状態の領域と第二の磁化状態の領域との組み合わせによる信号が予め記録されてなり、前記第一の磁化状態の領域の周方向長さが半径位置によらず、±10%以内の変動範囲で一定であり、かつ、互いに隣接する、前記第一及び第二の磁化状態の領域の周方向長さの和が、内周から外周に向かって、±10%以内の変動を許容して半径位置に比例して増大することを特徴とする。
本発明の情報記録装置は、サーボ信号が記録されてなる記録トラックを複数有する記録媒体と、前記記録媒体を記録方向に駆動する駆動部と、前記記録トラックの横断方向に移動可能な磁気ヘッドを備えてなり、前記記録媒体の磁性層に、湾曲した放射状に設けられた前記サーボ信号記録部内において、第一の磁化状態の領域と第二の磁化状態の領域との組み合わせによる信号が予め記録されてなり、さらに、前記第一の磁化状態の領域の周方向長さが半径位置によらず、±10%以内の変動範囲で一定であり、かつ、互いに隣接する、前記第一及び第二の磁化状態の領域の周方向長さの和が、内周から外周に向かって、±10%以内の変動を許容して半径位置に比例して増大するものであり、前記駆動部により前記記録媒体が駆動された場合に、両領域の磁化反転部から再生されるパルス波形のうち、隣接する正負のパルスの中心位置を、前記記録再生ヘッドの位置情報に用いることを特徴とする。
本発明の信号計測装置は、サーボ信号が記録されてなる記録トラックを複数有する記録媒体と、前記記録媒体を記録方向に駆動する駆動部と、前記記録トラックの横断方向に移動可能な磁気ヘッドを備えており、前記サーボ信号は、前記記録媒体の磁性層に、第一の磁化状態の領域と第二の磁化状態の領域との組み合わせによる信号がサーボ信号記録部内に予め記録されてなり、さらに、前記第一の磁化状態の領域の周方向長さが半径位置によらず、±10%以内の変動範囲で一定であり、かつ、互いに隣接する、前記第一及び第二の磁化状態の領域の周方向長さの和が、内周から外周に向かって、±10%以内の変動を許容して半径位置に比例して増大するものであり、前記駆動部により前記記録媒体が駆動された場合に、両領域の磁化反転部から再生される正負のパルス波形のうち、正のパルスから負のパルスへの遷移に伴うゼロクロス点、及び負のパルスから正のパルスへの遷移に伴うゼロクロス点のうち、大きい傾斜を持って信号がゼロ点を横切る方のゼロクロス点におけるタイミングを計測することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
すなわち本発明では、円盤状磁気記録媒体において、磁性層に、第一の磁化状態の領域と第二の磁化状態の領域との組合せによる信号が予め記録されてなり、互いに隣接する、第一及び第二の磁化状態の領域の周方向長さの和が、内周から外周に向かって、概ね半径位置に比例して増大することで、どの半径位置においても同一周波数の信号とする。そのうえで、第一の磁化状態の領域の周方向長さと第二の磁化状態の領域の周方向長さの比が、半径位置に従って一様に変化する。
本発明において一様に変化とは、一様に増加または一様に減少することを指す。一様に増加とは減少することなく増加することであり、逆に一様に減少とは増加することなく減少することである。一様な変化であればよく、直線的に変化しても良いし二次関数など曲線的に変化しても良いし、階段状に変化しても良い。
好ましくは半径方向に連続的かつ直線的に変化する。つまり、半径方向に連続的かつ直線的に増加するか、半径方向に連続的かつ直線的に減少する。
特に好ましくは第一の磁化状態の領域の周方向長さが半径位置によらず概ね一定である。
なお、本発明において、概ね一定とは、正確に一定でなくてもよく、例えば±10%程度の変動を許容する。同様に、概ね半径位置に比例するとは、正確に半径位置に比例しなくてもよく、例えば±10%程度の変動を許容する。
すなわち、円盤状磁気記録媒体において、隣接する第一の磁化状態の領域幅と第二の磁化状態の領域幅との和を、概ね半径位置に比例した値に保つことで、どの半径位置においても同一周波数の信号としたうえで、第一の磁化状態の周方向長さ、つまり第一の磁化状態の記録トラック方向の領域幅を、半径によらず概ね一定にすることを特徴とする。
【0012】
従来の第一の磁化状態領域と第二の磁化状態領域とが等間隔に並ぶ従来の信号においては、両領域間の磁化反転部から再生される信号波形における正負の信号のピーク位置を用いて磁気ヘッドの位置制御を行っていた。
これに対して、本願発明においては、正負の信号のピーク位置そのものは半径位置によって異なってしまう。しかし、隣接する正負の信号の中心位置を用いることで、精度の高い制御が可能である。
【0013】
即ち、第二の磁化状態から第一の磁化状態への遷移点で正のパルスが、第一の磁化状態から第二の磁化状態への遷移点で負のパルスが検出されるものとすると、双方のパルスの中心位置は、第一の磁化状態領域の中心点を示すのである。
第一の磁化状態領域の中心点は、転写に用いる母型に設けられた信号パターンの中心位置である。仮に転写条件の変動によって転写されるパターンの幅が変動しても、中心位置は変動せず高い精度で転写されるため、第一の磁化状態領域の中心点を用いれば、高い精度の制御信号が得られる。
【0014】
中心位置の決定は、それぞれのパルスの位置を計測して、これを算術的に平均して求めることもできる。また、正負のパルスが比較的近接して発生するようにパターンを設計すれば、双方のパルスの中心位置は、大きい傾斜を持って、信号がゼロ点を横切るため、電子回路を用いた処理により比較的容易に位置を決定することが出来る。
このようにして、信号が大きい傾斜でゼロ点を横切る点を検出することで位置計測を行うと、従来より高精度に位置決めを行うことができる。
すなわち本発明においては、正と負のパルスが交互に現れ、正のパルスから負のパルスまでの第1の時間間隔と、負のパルスから正のパルスまでの第2の時間間隔とが異なるような信号のタイミングを計測する装置であって、正のパルスから負のパルスへの遷移に伴うゼロクロス点及び負のパルスから正のパルスへの遷移に伴うゼロクロス点のうち、大きい傾斜を持って信号がゼロ点を横切る方のゼロクロス点におけるタイミングを計測する信号計測装置を特徴とする。これによれば、パルスのいわゆる中心位置の決定が高精度で行えるので、より精度の高いタイミング信号が得られ、従来より高精度に位置決めを行うことができる。
また、このような信号計測装置を応用した情報記録装置を提供することもできる。
すなわち、サーボ信号が記録されてなる記録トラックを複数有する記録媒体と、記録媒体を記録方向に駆動する駆動部と、記録トラックの横断方向に移動可能な記録再生ヘッドとを備えてなる情報記録装置に、本信号計測装置を組み合わせる。
媒体に記録されたサーボ信号は、正と負のパルスが交互に現れ、正のパルスから負のパルスまでの第1の時間間隔と、負のパルスから正のパルスまでの第2の時間間隔とが異なり、かつ第1の時間間隔と第2の時間間隔の比が、記録トラックの横断方向に一様に変化する。そして、正のパルスから負のパルスへの遷移に伴うゼロクロス点及び負のパルスから正のパルスへの遷移に伴うゼロクロス点のうち、大きい傾斜を持って信号がゼロ点を横切る方のゼロクロス点におけるタイミングを計測し、測定の結果をもとに記録再生ヘッドの位置制御を行い記録再生するのである。
これによれば、記録トラックの密度を上げることができ、更に記録トラック中でより精度の高い位置決めを行えるので、より高密度に情報を記録再生できる情報記録装置を提供できる。好ましくは媒体がハードディスクなどの磁気記録媒体であり、情報記録装置がハードディスクドライブである。
【0015】
本発明を図を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の磁気記録媒体の一例を示す模式図である。円盤状の磁気記録媒体1上に多数のサーボ信号記録部2(スポーク)が湾曲した放射状に設けられている。サーボ信号記録部2には、サーボ信号、同期信号(クロック信号、タイミング信号)など各種制御信号が集まって記録されている。
【0016】
図2は、図1のサーボ信号記録部2を拡大したものであり、その中に設けられたクロック信号を模式的に示したものである。第一の磁化状態領域3の周方向長さは全ての半径位置で一定であるのに対し、第二の磁化状態領域4の周方向長さは、内周部(図中、Aで示す。)で狭く、外周部(図中、Bで示す。)で広く設けられている。
【0017】
しかも、隣接する第一の磁化状態領域3の周方向長さと第二の磁化状態領域4の周方向長さの合計値が、半径位置に比例した値となるように設けられるので、一定速度で回転する円盤状磁気記録媒体から再生されるクロック信号の周波数は、半径によらず一定値となる。
図3は、図2に示したクロック信号から再生される信号波形を表す模式図である。内周部Aで再生される信号波形を実線で、外周部Bで再生される信号波形を点線で示す。矢印で示したゼロクロス点は、図2に示した第一の磁化状態領域3の中心位置を示す。図から分かるとおり、内周部でも外周部でもゼロクロス点は一致しており、半径位置によって変動しないことが分かる。この点が制御のための信号として利用される。この点は、出力信号が正の一定値を超えた後、ゼロをクロスした点を検出すればよく、簡単な電子回路によって極めて容易に、かつ高精度に検出することができる。
【0018】
本発明は、記録再生用磁気ヘッドを制御するための制御信号の形成に好適である。例えばヘッドの位置に対応した信号を発生するパターンである。
制御信号は、その信号を用いて磁気ヘッドなどの記録再生手段を制御するものであるが、例えば、磁気ヘッドをデータトラックに位置決めするためのサーボ信号や、媒体上での磁気ヘッドの位置を示すアドレス信号、磁気ヘッドによる記録再生速度を制御するための同期信号などが含まれる。或いは、サーボ信号を後で書込むための、基準信号も含まれる。
【0019】
このような信号は、母型に設けた信号パターンを該磁気記録媒体に転写する、いわゆる磁気転写方式により容易に形成できる。
特に、該磁気記録媒体に対し、第1の外部磁界を印加して該磁性層を第一の磁化状態に均一に磁化したのち、エネルギー線の透過部と非透過部が設けられたマスクを介してエネルギー線を照射し該磁性層の被照射部を局所的に加熱すると同時に第2の外部磁界を印加し加熱部を該所望の方向とは逆向きに磁化して第二の磁化状態の領域を形成することにより、容易に記録することができる。
【0020】
この信号記録方法(磁化パターン形成法)についてより詳細に説明する。
本磁化パターン形成方法においては、第1の外部磁界を印加し磁性層を予め第一の磁化状態(所望の磁化方向を持つ状態)に均一に磁化したのち、磁性層を局所的に加熱すると同時に第2の外部磁界を印加し加熱部を該所望の方向とは逆方向に磁化(第二の磁化状態)して磁化パターンを形成する。これにより、互いに逆向きの磁区が明りょうに形成されるので、信号強度が強くC/N及びS/Nが良好な磁化パターンが得られる。
【0021】
まず、磁気記録媒体に強い第1外部磁界を印加して、磁性層全体を所望の磁化方向に均一に磁化する。第1外部磁界を印加する手段は、磁気ヘッドを用いてもよいし、電磁石または永久磁石を、所望の磁化方向に磁界が生じるよう配置して用いてもよい。更にそれら手段を組み合わせて使用してもよい。
なお、所望の磁化方向とは、磁化容易軸が面内方向にある媒体の場合には、データの記録/再生ヘッドの走行方向(媒体とヘッドの相対移動方向)と同一又は逆方向であり、磁化容易軸が面内方向に垂直にある場合には、垂直方向のいずれか(上向き、下向き)である。従ってそのように磁化されるように、第1外部磁界を印加する。媒体が円板形状である場合、第1外部磁界の印加方向は、周方向、半径方向、板面に垂直方向のいずれかをとるのが好ましい。
【0022】
また、磁性層全体を所望の方向に均一に磁化するとは、磁性層の全部をほぼ同一方向に磁化することを言うが、厳密に全部ではなく、少なくとも磁化パターンを形成すべき領域が同一方向に磁化されていればよい。
第1外部磁界の強さは磁性層の保磁力に合わせて設定すればよいが、磁性層の室温での保磁力(静的保磁力)の2倍以上の磁界によって磁化することが好ましい。これより弱いと磁化が不十分となる可能性がある。ただし、通常、磁界印加に用いる着磁装置の能力上、磁性層の室温での保磁力の5倍以下程度である。室温とは例えば25℃である。また磁気記録媒体の保磁力は、磁性層(記録層)の保磁力とほぼ同じである。
【0023】
磁性層は一般に静的保磁力(単に保磁力と称することもある。)と動的保磁力を有するが、局所加熱については、少なくとも磁性層の動的保磁力がある程度低下する温度まで加熱できればよい。勿論、静的保磁力が低下する温度まで加熱してもよい。好ましくは100℃以上に加熱する。加熱温度が100℃未満で外部磁界の影響を受ける磁性層は、室温での磁区の安定性が低い傾向がある。
【0024】
ただし、加熱温度は所望の保磁力の低下が得られる範囲で低いことが望ましい。例えば磁性層の磁化消失温度やキュリー温度の近傍までである。加熱温度が高すぎると加熱したい領域以外への熱拡散が起こりやすく、パターンがぼやけてしまう虞がある。また、磁性層が変形してしまう可能性がある。更に、通常、磁気記録媒体の表面には潤滑剤からなる潤滑層が形成されており、加熱による潤滑剤の劣化等の悪影響を防止するためにも、加熱温度は低いほど好ましい。加熱により潤滑剤が分解などの劣化を起こしたり気化して減少したりする虞があるほか、特に近接露光の場合には気化した潤滑剤がマスク等に付着する虞もある。従って本磁化パターン形成法を、潤滑層を備えた磁気記録媒体に工業的に適用可能にするためにも、加熱温度はできるだけ低いことが望ましい。
【0025】
このため加熱温度は磁性層のキュリー温度以下とするのが好ましい。例えば300℃以下とするのが好ましく、より好ましくは250℃以下であり、更に好ましくは200℃以下である。
次に、加熱と同時に印加する第2の外部磁界の方向は、一般に、第1外部磁界と逆方向である。媒体が円板形状である場合、第2の外部磁界の印加方向は、周方向、半径方向、板面に垂直方向のいずれかをとるのが好ましい。
【0026】
なお、加熱のためにパルス状エネルギー線を使用する際には、第2外部磁界は連続的に印加してもパルス状に印加しても良い。また第2外部磁界がパルス状磁界である場合は、パルス状磁界成分のみであってもよいし、パルス状磁界成分と静磁界成分の組合せであってもよい。このとき、パルス状磁界成分と静磁界成分の合計を第2外部磁界の強度とする。
【0027】
第2外部磁界の最大強度は、強いほど磁化パターンが形成しやすい。磁気記録媒体の磁性層の特性によって最適強度は異なるが、第2外部磁界が静磁界の場合は、室温の保磁力(静的保磁力)の1/8以上であることが好ましい。これより弱いと、加熱部が、冷却時に周囲の磁区からの磁界の影響をうけて再び周囲と同じ方向に磁化されてしまう可能性がある。ただし、磁性層の室温での保磁力の2/3以下とするのが好ましく、1/2倍以下とするのがより好ましい。これより大きいと、加熱部の周囲の磁区も影響を受けてしまう可能性がある。
【0028】
第2外部磁界がパルス状磁界の場合は、室温の保磁力(静的保磁力)の2/3以上であることが好ましい。あまり弱いと加熱領域が良好に磁化されない虞がある。さらに好ましくは室温の静的保磁力の3/4以上である。室温での静的保磁力より強い磁界をかけてもよい。ただし、磁性層の室温での動的保磁力より小さい磁界とする。第2外部磁界がこれより大きいと、非加熱領域の磁化に影響を与えてしまうからである。
【0029】
なお本方法において、磁界強度の値H(Oe)は磁束密度の値B(Gauss)でそのまま代用できる。一般にB=μH(ただし、μは透磁率を表す)の関係があるが、通常磁化パターンの形成は空気中で行われるため、透磁率は1であって、B=Hの関係が成り立つからである。
第2外部磁界を印加する手段は、磁気ヘッドを用いてもよいし、電磁石または、永久磁石を所望の磁化方向に磁界が生じるよう複数個配置して用いてもよい、更にそれらの異なる手段を組み合わせて使用してもよい。高密度記録に適した高保磁力媒体を効率よく磁化するためには、フェライト磁石、ネオジム系希土類磁石、サマリウムコバルト系希土類磁石などの永久磁石が好適である。
【0030】
第2外部磁界がパルス状磁界である場合は、パルス状磁界印加手段のみであってもよいし、パルス状磁界印加手段と静磁界印加手段の組合せであってもよい。例えば前者では、電磁石などでパルス状磁界のみを発生する。例えば後者では、永久磁石または電磁石によってある程度の大きさの静磁界を与えておき、それ以上の磁界を電磁石でパルス状に印加する。インダクタンスの小さな空芯コイルを用いると、パルス幅を狭くでき磁界印加時間を短くできるため好ましい。また、永久磁石のかわりに他のヨーク型などの電磁石を用いてもよい。
【0031】
静磁界とパルス状磁界を組み合わせると、パルス状に印加する磁界を小さくすることができる。一般に電磁石は磁界が大きくなるほどパルス幅を短くすることが困難になるので、それだけパルス幅を短くしやすい。
或いはパルス状磁界は、常時磁界を発生する磁石を短時間のみ磁気記録媒体に接近させる方式によって印加することもできる。例えば、磁気記録媒体の一部に永久磁石によって磁界を印加しつつ、媒体を所定以上の速度で回転させればよい。
また、第2外部磁界が静磁界とパルス状磁界の組み合わせの場合は、静磁界の磁界強度を磁性層の室温での静的保磁力より小さくする。好ましくは静的保磁力の2/3以下とし、より好ましくは1/2倍以下とする。あまり大きいと、形成した磁化パターンに影響を与えてしまい出力が落ちるだけでなく、モジュレーションが悪化する。下限は特にないが、あまり弱いと静磁界を用いる意味が小さくなるので、例えば磁性層の室温での静的保磁力の1/8以上とする。
次に、第2外部磁界がパルス状磁界である場合のパルス幅について説明する。本方法では第2外部磁界のパルス状磁界成分のパルス幅を、単に第2外部磁界のパルス幅と称する。ここで、磁界のパルス幅とは半値幅を指す。
【0032】
第2外部磁界のパルス幅は通常100msec以下とする。好ましくは10msec以下とする。第2外部磁界のパルス幅を短くするほど印加できる磁界の上限値が大きくなる。動的保磁力の値は磁界の印加時間によって変化し、第2外部磁界のパルス幅を短くするほど磁性層の室温での動的保磁力が大きくなるからである。より好ましくは1msec以下とする。
ただし好ましくは10nsec以上とする。あまり短いとそれだけ動的保磁力が大きくなるため、加熱領域を磁化するために必要な第2外部磁界が大きくなってしまう。また、磁界の大きさにもよるが、電磁石の特性上磁界の立上がり、立下がりには時間を要するので、パルス幅を短くするのには限界がある。より好ましくは100nsec以上とする。ここで、磁界のパルス幅は半値幅を指す。
【0033】
局所加熱にパルス状エネルギー線を使用する場合は、第2外部磁界のパルス幅はパルス状エネルギー線のパルス幅以上とする。これ以下であると、局所加熱中に磁界が変化してしまうので磁化パターンが良好に形成されないためである。
またパルス状エネルギー線とパルス状の第2外部磁界を同期させ、同時に印加するのが好ましい。通常、エネルギー線のパルス幅より磁界のパルス幅のほうが長いと考えられるが、このときは第2外部磁界のパルスを印加し、磁界が最大になるところでエネルギー線のパルスが印加されるよう制御するのが好ましい。
【0034】
動的保磁力を高めた磁気記録媒体やAFC媒体には、第2外部磁界としてパルス状磁界を適用すると特に効果が高い。例えば、記録用の磁性層とともに熱的に安定性を保つための安定化磁性層を有する、2層の磁性層を備えた磁気記録媒体が挙げられる。安定化磁性層が記録用磁性層の瞬時の磁化反転を抑えるように働くため、動的保磁力が高く、従来法では磁化パターンが形成しにくい。このような媒体に静的保磁力近傍或いはそれ以上の外部磁界を、パルス状に与えると良好な磁化パターンが形成できる。
【0035】
第2の外部磁界は、外部磁界も該加熱された広い領域に亘って印加することで、複数の磁化パターンを一度に形成することができる。
局所加熱が磁気記録媒体全面に一度に行える場合は、加熱と同時に第2の外部磁界も媒体全面に印加し磁化パターンを形成することが望ましい。これにより、より短時間での磁化パターン形成が可能となり大きくコストを削減できる。また、磁界を媒体の一部分にのみ印加するには、それ以外の領域への磁界が及ばないよう磁石配置を工夫したり特定の手段を講じることが多いが、全面に印加する場合はその必要がない。なおかつ、回転機構或いは移動機構が不要となるので、装置構成も簡単になり磁気記録媒体が安価に得られる。
【0036】
例えば、媒体が直径が2.5インチ以下の小径のディスク状磁気記録媒体であると、簡単な配置や手段によってディスク全面へのエネルギー線照射、磁界印加が行え好ましい。より好ましくは直径1インチ以下である。
また、ディスク状磁気記録媒体に対し、円周方向に磁界を印加したい場合は、媒体の中心に垂直方向の大きなパルス電流を流すことによって、簡便に円周方向の磁界を発生させることができる。これは特に、直径1インチ以下の小径のディスク状磁気記録媒体に適用すると好ましい。
【0037】
本方法における磁性層の局所的な加熱手段には、不要な部分への熱拡散防止やコントロール性を考え、パワーコントロール、加熱する部位の大きさが制御しやすいレーザ等のエネルギー線を利用する。マスクを併用すると、エネルギー線をマスクを介して照射し複数の磁化パターンを一度に形成することができるため、磁化パターン形成工程が短時間となりかつ簡便である。
【0038】
エネルギー線は連続照射よりもパルス状にして加熱部位の制御や加熱温度の制御を行うのが好ましい。特にパルスレーザ光源の使用が好適である。パルスレーザ光源はレーザをパルス状に断続的に発振するものであり、連続レーザを音響光学素子(AO)や電気光学素子(EO)などの光学部品で断続させパルス化するのに比して、パワー尖頭値の高いレーザをごく短時間に照射することができ熱の蓄積が起こりにくく非常に好ましい。
【0039】
磁化パターンが形成される媒体面は、パルス状エネルギー線の照射時と非照射時で温度差が大きい方が、パターンのコントラストを上げ、或いは記録密度を上げるために好ましい。従ってパルス状エネルギー線の非照射時には室温以下程度になっているのが好ましい。室温とは25℃程度である。
なお、パルス状エネルギー線を使用する際に、外部磁界は連続的に印加してもパルス状に印加しても良い。
【0040】
エネルギー線の波長は、1100nm以下であることが好ましい。これより波長が短いと回折作用が小さく分解能が上がるため、微細な磁化パターンを形成しやすい。更に好ましくは、600nm以下の波長である。高分解能であるだけでなく、回折が小さいため間隙によるマスクと磁気記録媒体のスペーシングも広くとれハンドリングがしやすく、磁化パターン形成装置が構成しやすくなるという利点が生まれる。また、波長は150nm以上であるのが好ましい。150nm未満では、マスクに用いる合成石英の吸収が大きくなり、加熱が不十分となりやすい。波長を350nm以上とすれば、光学ガラスをマスクとして使用することもできる。
【0041】
具体的には、エキシマレーザ(157,193,248,308,351nm)、YAGのQスイッチレーザ(1064nm)の2倍波(532nm)、3倍波(355nm)、或いは4倍波(266nm)、Arレーザ(488nm、514nm)、ルビーレーザ(694nm)などである。
エネルギー線のパワーは、外部磁界の大きさによって最適な値を選べばよいが、パルス状エネルギー線の1パルス当たりのパワーは1000mJ/cm2以下とすることが好ましい。これより大きなパワーをかけると、パルス状エネルギー線によって該磁気記録媒体表面が損傷を受け変形を起こす可能性がある。変形により媒体の粗度Raが3nm以上やうねりWaが5nm以上に大きくなると、浮上型/接触型ヘッドの走行に支障を来すおそれがある。
より好ましくは500mJ/cm2以下であり、更に好ましくは200mJ/cm2以下である。この領域であると比較的熱拡散の大きな基板を用いた場合でも分解能の高い磁化パターンが形成しやすい。また、パワーは10mJ/cm2以上とするのが好ましい。これより小さいと、磁性層の温度が上がりにくく磁気転写が起こりにくい。なお、エネルギー線のディフラクションの影響がパターン幅により変わるので、パターン幅に応じて最適なパワーも変化する。また、エネルギー線の波長が短いほど、印加可能なパワーの上限値は低下する傾向にある。
また、エネルギー線による磁性層、保護層、潤滑層の損傷が心配される場合は、パルス状エネルギー線のパワーを小さくして、該パルス状エネルギー線と同時に印加される磁界強度を上げるといった手段を取ることもできる。例えば、磁気記録媒体の常温での保磁力の25〜75%の範囲でできるだけ大きな磁界をかけ、照射エネルギーを下げる。
【0042】
なお、保護層と潤滑層を介してパルス状エネルギー線を照射するにあたり、潤滑剤の受けるダメージ(分解、重合)等も考慮し、照射後に再塗布するなどの必要がある場合がある。
パルス状エネルギー線のパルス幅は、1μsec以下であることが望ましい。これよりパルス幅が広いと磁気記録媒体に与えたエネルギーによる発熱が分散して、分解能が低下しやすい。1パルス当たりのパワーが同じ場合、パルス幅を短くし一度に強いエネルギーを照射した方が、熱拡散が小さく磁化パターンの分解能が高くなる傾向にある。より好ましくは100nsec以下である。この領域であるとAlなど金属の比較的熱拡散の大きな基板を用いた場合でも分解能の高い磁化パターンが形成しやすい。最小幅が2μm以下のパターンを形成する際には、パルス幅を25nsec以下とするのがよい。即ち、分解能を重視すれば、パルス幅は短いほど良い。また、パルス幅は1nsec以上であるのが好ましい。磁性層の磁化反転が完了するまでの時間、加熱を保持しておくのが好ましいからである。
【0043】
なお、本願においてパターンの最小幅とは、パターン中の最も狭い長さを言う。四角形のパターンであれば短辺、円形ならば直径、楕円形ならば短径である。
なお、パルス状レーザの一種として、モードロックレーザのようにピコ秒、フェムト秒レベルの超短パルスを高周波で発生できるレーザがある。超短パルスを高周波で照射している期間においては、各々の超短パルス間のごく短い時間はレーザが照射されないが非常に短い時間であるため加熱部はほとんど冷却されない。すなわち、一旦キュリー温度以上に昇温された領域はキュリー温度以上に保たれる。
従ってこのような場合、連続照射期間(超短パルス間のレーザが照射されない時間も含めた連続照射期間)を1パルスとする。また連続照射期間の照射エネルギー量の積分値を1パルス当たりのパワー(mJ/cm2)とする。
本発明のマスクは、エネルギー線の透過部と非透過部を有するいわゆるフォトマスクが好ましく、エネルギー線の強度分布を形成すべき磁化パターンに対応して変化させ、磁気ディスク面上にエネルギー線の濃淡(強度分布)を形成する。これにより、複数又は広い面積の磁化パターンを一度に形成することができるため、磁化パターン形成工程が短時間かつ簡便なものとなる。フォトマスクは簡単かつ安価に作成できる点で好ましい。
【0044】
マスクは磁気ディスク全面を覆うものでなくてもよい。磁化パターンの繰り返し単位を含む大きさがあれば、それを移動させて使用することができる。
マスクはエネルギー線の光源と磁気記録媒体の間に配置する。磁化パターンの精度を重視するならば、マスクの全部又は一部を媒体に接触させるのが好ましい。レーザ光の回折の影響を極力少なくでき、高い分解能を持った磁化パターンを形成できる。例えばマスクを媒体上に静置した場合は、媒体表面の数μm程度のうねりにより、媒体と接触する部分としない部分ができる。ただし、媒体に圧痕を形成したり損傷することのないよう、マスクと媒体に対する加圧は100g/cm2以下とする。
【0045】
ただし、欠陥や傷を少なくするためには、少なくとも媒体の磁化パターンを形成する領域では、マスクと媒体とのあいだに間隙を設けるのが好ましい。ゴミ等の挟み込みによる媒体やマスクの傷つき、欠陥発生を抑えることができる。
また、磁化パターン形成前に潤滑層が設けられている場合は、特に、マスクと媒体とのあいだに間隙を設けるのが好ましい。マスクに潤滑剤が付着するのを最小限にするためである。また、潤滑層が設けられたディスクとマスクを接触させた状態で大パワーのエネルギー線を照射すると潤滑剤の急激な気化により爆発状態となり、潤滑剤が飛散したり、更にはマスクが破損したりする虞があるためである。
磁気記録媒体の磁化パターン形成領域とマスクの間隙を保つ方法としては、両者を一定距離に保てる方法であればよい。例えばマスクと媒体とを特定の装置により保持して一定距離を保っても良い。また、両者のあいだの、磁化パターン形成領域以外の場所にスペーサを挿入してもよい。マスク自体に、スペーサを一体形成しても良い。
【0046】
スペーサの材質は硬質のものが良い。また、パターン形成に外部磁界を用いるので磁化されないものが良い。好ましくは、ステンレス、銅などの金属や、ポリイミドなどの樹脂である。高さは任意だが、通常、数μm〜数百μmである。
マスクと磁気記録媒体とのあいだに、媒体の磁化パターン形成領域の外周部又は/及び内周部にスペーサを設けると磁気記録媒体表面のうねりを矯正する効果が生まれるので磁化パターン形成の精度が上がるのでよい。
【0047】
マスクの材質は限定されないが、本発明においてマスクを非磁性材料で構成すると、どのようなパターン形状でも均一な明瞭さで磁化パターンが形成でき、均一で強い再生信号が得られる。
フォトマスクは、例えば石英ガラス、ソーダライムガラス等の透明原盤上にCr等の金属をスパッタリング形成し、その上にフォトレジストを塗布し、エッチング等によって、所望の透過部と非透過部を作成することができる。この場合は原盤上にCr層を有する部分がエネルギー線非透過部、原盤のみの部分が透過部となる。
【0048】
このように形成したマスクは通常凹凸を有しており、凸部がエネルギー線に対して非透過で、凸部を媒体に近接させ、或いは略接触させる。或いはまた、このようなマスクを形成した後に凹部にエネルギー線に透明である材料を埋め込み、媒体との略接触面を平坦にして使用することもできる。
【0049】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係る磁気記録媒体は、制御信号を極めて高い精度で記録可能であり、単純な電子回路によって、高い精度でタイミング情報を得ることができ、ハードディスクなどの磁気記録装置の高記録密度化とコストダウンに大きく寄与する。
また、本発明に係る信号計測装置を用いれば、記録トラックの密度を上げることができ、更に記録トラック中でより精度の高い位置決めを行えるので、より高密度に情報を記録再生できる情報記録装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の磁気記録媒体の一例を示す模式図である。
【図2】 本発明に係る信号の一例を示す模式図である。
【図3】 本発明に関わる磁気記録媒体から再生される信号波形を表す模式図である。
【符号の説明】
1 磁気記録媒体
2 サーボ信号記録部
3 第一の磁化状態領域
4 第二の磁化状態領域
Claims (7)
- 少なくとも磁性層を有している円盤状記録媒体であって、
前記磁性層に、湾曲した放射状に設けられたサーボ信号記録部内において、
第一の磁化状態の領域と第二の磁化状態の領域との組み合わせによる信号が予め記録されてなり、
前記第一の磁化状態の領域の周方向長さが半径位置によらず、±10%以内の変動範囲で一定であり、かつ、
互いに隣接する、前記第一及び第二の磁化状態の領域の周方向長さの和が、内周から外周に向かって、±10%以内の変動を許容して半径位置に比例して増大することを特徴とする磁気記録媒体。 - 母型に設けた信号パターンを前記磁気記録媒体に転写することにより、前記信号が記録されてなる、請求項1に記載の磁気記録媒体。
- 前記信号が、記録再生用磁気ヘッドの制御用情報を持つ制御信号である、請求項1乃至2のいずれかに記載の磁気記録媒体。
- 制御信号が、記録再生用磁気ヘッドの位置制御を行うためのサーボ信号又はサーボ信号記録用の基準信号を含む、請求項3に記載の磁気記録媒体。
- サーボ信号が記録されてなる記録トラックを複数有する記録媒体と、前記記録媒体を記録方向に駆動する駆動部と、前記記録トラックの横断方向に移動可能な磁気ヘッドを備えてなり、
前記記録媒体の磁性層に、湾曲した放射状に設けられた前記サーボ信号記録部内において、第一の磁化状態の領域と第二の磁化状態の領域との組み合わせによる信号が予め記録されてなり、
さらに、前記第一の磁化状態の領域の周方向長さが半径位置によらず、±10%以内の変動範囲で一定であり、かつ、
互いに隣接する、前記第一及び第二の磁化状態の領域の周方向長さの和が、内周から外周に向かって、±10%以内の変動を許容して半径位置に比例して増大するものであり、
前記駆動部により前記記録媒体が駆動された場合に、両領域の磁化反転部から再生されるパルス波形のうち、隣接する正負のパルスの中心位置を、前記記録再生ヘッドの位置情報に用いることを特徴とする、情報記録装置。 - 前記パルス波形において、正のパルスから負のパルスへの遷移に伴うゼロクロス点、及び負のパルスから正のパルスへの遷移に伴うゼロクロス点のうち、大きい傾斜を持って信号がゼロ点を横切る方のゼロクロス点におけるタイミングを計測することを特徴とする請求項5に記載の情報記録装置。
- サーボ信号が記録されてなる記録トラックを複数有する記録媒体と、
前記記録媒体を記録方向に駆動する駆動部と、前記記録トラックの横断方向に移動可能な磁気ヘッドを備えており、
前記サーボ信号は、前記記録媒体の磁性層に、第一の磁化状態の領域と第二の磁化状態の領域との組み合わせによる信号がサーボ信号記録部内に予め記録されてなり、
さらに、前記第一の磁化状態の領域の周方向長さが半径位置によらず、±10%以内の変動範囲で一定であり、かつ、
互いに隣接する、前記第一及び第二の磁化状態の領域の周方向長さの和が、内周から外周に向かって、±10%以内の変動を許容して半径位置に比例して増大するものであり、
前記駆動部により前記記録媒体が駆動された場合に、両領域の磁化反転部から再生され る正負のパルス波形のうち、正のパルスから負のパルスへの遷移に伴うゼロクロス点、及び負のパルスから正のパルスへの遷移に伴うゼロクロス点のうち、大きい傾斜を持って信号がゼロ点を横切る方のゼロクロス点におけるタイミングを計測することを特徴とする信号計測装置。
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