JP4004352B2 - 固形肥料の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、脱臭廃液と有機物からなる固形肥料およびその製造方法に関するものであり、特に、有機物を微生物の働きによって発酵させ、堆肥化する際に発生する悪臭ガスを捕集した脱臭廃液を原料として製造される固形肥料及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、家庭から出される野菜くずなどの生ゴミ、畜産農家から大量に排出される牛、豚、鶏などの家畜の糞尿、食品加工業から出される肉切片や内臓などの動物性蛋白、及び落葉などの植物性の素材などからなる有機物を集め、発酵槽内に投入し、撹拌及び混合を繰返しながら微生物の働きによる発酵作用を利用して土壌改質性を有する農作物の成長を促進する堆肥(肥料)を製造することがある。
【0003】
ところが、発酵による堆肥化の過程においては、以下のような問題を生じていた。すなわち、微生物によって有機物が発酵する場合、有機物の分解により種々のガスが発酵槽内に生成する。特に、有機物中に含まれる窒素や硫黄を含有する化合物は、分解により悪臭を伴うアンモニアやメルカプタン系の悪臭ガスを発生するため悪臭に対する対策を実施する必要があり、係る発酵処理を行う施設は都市部に設置することができなかった。また、郊外に設置された場合でも近隣住民に対して不快感を与えないようにアンモニアガスなどの悪臭ガスを大気に直接放出することを避け、予め種々の脱臭処理を施した後に放出を行っていた。
【0004】
例えば、硫酸スクラバー装置によるアンモニアガスの脱臭を例として説明すると、発酵槽で発生したアンモニアガスをブロアで吸引して回収し、硫酸スクラバー装置に導入する。硫酸スクラバー装置には硫酸が貯溜されており、導入されたアンモニアガスと気液接触させられる。これにより、塩基性状を呈するアンモニアガスと酸性状を呈する硫酸との間で中和反応を生じ、硫酸アンモニウムの塩が生成される。すなわち、硫酸との気液接触により、人間に不快感を与えるアンモニアガスが捕集され、大気中への排出が抑制される。また、上述した硫酸スクラバー装置によって脱臭が困難な悪臭ガスについては、その後にピートモスなどの繊維質泥炭を利用した生物脱臭槽などに処理空気を通すことにより、悪臭ガスの排出をさらに抑えた清浄化された空気が大気中に送り出されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、硫酸を用いてアンモニアガスを捕集する硫酸スクラバー装置を利用する薬液処理による脱臭方法は、以下に示すような問題点を生じることがあった。すなわち、中和反応によって生成された硫酸アンモニウム(所謂「硫安」)を含んだ脱臭廃液は、河川などにそのまま放出することはできないため、廃棄のために処理を要していた。一般に、発酵処理の際に発酵槽から発生する発酵熱を利用して脱臭廃液に含まれる水分を大気に蒸散させることにより、体積を減量する方法が用いられることが多かった。しかしながら、冬期などの気温が低い季節には、発酵熱による蒸散が十分に行われず、未処理の脱臭廃液が多量に残ることがあった。
【0006】
また、脱臭廃液に含まれる硫酸アンモニウムは、肥料の原料となるため、液状の脱臭廃液を土壌に散布して施肥する場合もあった。ところが、液状の脱臭廃液を肥料として用いる場合には、脱臭廃液を貯蔵するためのタンクなどの新たな設備や、係るタンクを置く設置スペースなどを設ける必要があった。加えて、液状の脱臭廃液は、長時間安定した状態で貯蔵及び保存しておくことが難しかった。
【0007】
そのため、硫酸スクラバー装置から排出された脱臭廃液を、肥料として利用することなく、所謂「産業廃棄物」として処理することがあった。この場合、脱臭廃液の処理は、専門の処理業者に委託することが多く、その処理に係る費用がさらに嵩むことがあり、発酵処理施設の運用コストを増大させる要因ともなっていた。また、肥料として有効に活用可能な硫酸アンモニウムを廃棄することは、資源を無駄にすることになり、資源の有効活用を望む声も多かった。
【0008】
そこで、本発明は、上記実情に鑑み、有機物を堆肥化する際に発生する悪臭ガスを捕集した土壌改質成分を含む脱臭廃液を利用して、肥効特性及び長期保存性に優れた脱臭廃液と有機物からなる固形肥料の製造方法の提供を課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1の発明にかかる固形肥料の製造方法は、脱臭廃液と有機物からなる固形肥料の製造方法であって、前記有機物及び前記有機物を発酵処理し、堆肥化した堆肥有機物の少なくともいずれか一方を含む有機源を収容した撹拌槽に、前記有機物を堆肥化する過程で発生する悪臭ガスを酸性溶液で捕集して得られた脱臭廃液を、前記固形肥料を製造するための核として作用するように水滴状に垂らす滴下工程と、前記撹拌槽に滴下された前記脱臭廃液に前記有機源を吸着させた塊状物を生成し、前記塊状物の表面と前記有機源とを接触させて粒径が大きくなるように成長させるために撹拌する撹拌工程と、撹拌により混合した状態の前記脱臭廃液及び前記堆肥有機物の前記塊状物を加熱し、前記脱臭廃液に含まれる水分を蒸散させて固形肥料を形成する加熱蒸散工程と
を具備するものである。
【0010】
ここで、有機源は、有機物及び堆肥有機物を単独或いはこれらを混合したものであり、さらに堆肥有機物は、有機物を微生物の働きによって発酵させて、堆肥化したものであり、例えば、木材の端材や樹木の葉などの植物性の素材や、水産加工業や精肉業などから排出される肉片や魚片などの動物性蛋白、及び畜産業などから排出される牛、豚、鶏などの糞尿、及び一般の家庭から排出される野菜クズなどの生ゴミなどが挙げられる。さらに、これ以外にも家禽廃棄物、羽毛、豚毛髪、魚粉、血粉、骨粉、大豆かす、デンプンなどが含まれる。
【0011】
また、悪臭ガスとは、有機物の発酵の際に発生する塩基性状のアンモニアガスなどが挙げられ、硫酸、リン酸、硝酸、塩酸などの無機酸或いは有機酸からなる酸性溶液と中和反応を生じ、中和塩を生成可能なものである。そして、これらの中にはアンモニアガス及び硫酸の中和反応によって生成された硫酸アンモニウム(硫安)や、硝酸との反応によって生成される硝酸アンモニウムなどの肥料として利用可能なものが含まれる。なお、硫酸アンモニウムは、組成分に無機態窒素を含むため、肥料として用いた場合、土壌に対して即効性を有している。一方、堆肥有機物は徐々に肥効性を発揮する遅効性の性質を有している。
【0012】
また、脱臭廃液を吸着させて固形化した固形肥料の形状は、例えば、細かい粒からなる顆粒状や、塊状、ペレット状、棒状、及び板状など、その後の肥料として土壌に施肥する際に適した所望の形状にすることができる。特に、顆粒状や塊状とすることで土壌への散布を効率的に行うことができ、また、ペレット状、棒状、及び板状にすることにより、貯蔵時の取扱性や搬送性が脱臭廃液の場合と比べて飛躍的に向上する。
【0016】
ここで、滴下工程とは、液状の脱臭廃液を、予め定めた所定量ずつ撹拌槽に投入するためのものであり、例えば、脱臭廃液を貯溜する貯溜タンク、滴下量を調整する調整バルブ、及び撹拌槽に滴下する滴下ノズルなどから構成される滴下装置を利用して行うものである。なお、本明細書における「滴下」とは、液状の脱臭廃液を比較的大きな水滴状にして垂らすものであり、水滴状の脱臭廃液は固形肥料を製造するための「核」として作用するものである。
【0017】
さらに、撹拌工程とは、撹拌槽内に滴下された脱臭廃液に予め撹拌槽に収容されている有機源(堆肥有機物の場合、発酵熱によりほとんど水分を含んでいない状態)を吸着させた塊状物を回転によって撹拌するものであり、撹拌槽内に納められ、回転により脱臭廃液及び堆肥有機物を撹拌する撹拌羽根、及び撹拌羽根を軸支する撹拌軸からなる撹拌部と、撹拌部の撹拌軸を回転駆動させるための撹拌モータとを有する撹拌装置などを利用して行うものである。
【0018】
また、加熱蒸散工程とは、撹拌工程によって撹拌される塊状物に外部から熱を与え、脱臭廃液に含まれる水分を蒸散させて固形肥料を形成するためのものであり、撹拌槽の周囲に取付けられ、内部に発熱抵抗体を有するリボンヒータ、及びリボンヒータの発熱抵抗体にジュール熱を発生させるための発熱電圧供給部、及び供給する電圧を変化させ、加熱温度を調整する温度調整部などからなる加熱装置などを利用して行うものである。
【0019】
したがって、請求項1の発明の固形肥料の製造方法によれば、液状の脱臭廃液を撹拌槽に滴下装置などを利用して滴下する。そして、滴下された脱臭廃液と予め撹拌槽内に収容されている堆肥有機物とを撹拌装置などを利用して撹拌し、充分に混合した状態にする。このとき、撹拌槽は加熱装置などによって加熱されているため、脱臭廃液に含まれる水分が次第に蒸発し、大気中に蒸散される。これにより、撹拌槽の中には、水分の蒸散された脱臭廃液の固形分(硫酸アンモニウムの結晶など)が、堆肥有機物に吸着した状態で固形化される。これにより、脱臭廃液及び有機物を原料とする固形肥料が製造される。さらに、固形化によって水分が蒸散されているため、貯蔵に要するスペースが少なくなるとともに、液状の脱臭廃液と比較して肥料としての性能が低下することが少ない。また、重量が軽量化されるため搬送性や散布性などに優れ、作業性が向上する。
【0020】
請求項2の発明にかかる固形肥料の製造方法は、請求項1に記載の固形肥料の製造方法において、前記脱臭廃液及び前記堆肥有機物を所定比率で混合した前記脱臭廃液よりも粘性の高い廃液混合物を調製する混合工程をさらに有し、前記滴下工程は、前記混合工程により調製された前記廃液混合物を滴下するものである。
【0021】
ここで、廃液混合物は、脱臭廃液及び有機源を所定比(例えば、重量比で1:1など)で混合したものであり、滴下工程において撹拌槽に滴下可能な適度の流動性を有している。
【0022】
したがって、請求項2の発明の固形肥料の製造方法によれば、請求項1の発明の固形肥料の製造方法の作用に加え、脱臭廃液及び堆肥有機物が混合された廃液混合物が、滴下装置によって撹拌槽に滴下される。これにより、撹拌槽内に収容された有機源が廃液混合物に吸着され、上述の塊状物が生成される。このとき、滴下された廃液混合物は、脱臭廃液と比べ若干の粘性を有するために滴下されたときの有機物の吸着が容易となり、塊状物が生成されやすくなる。さらに、脱臭廃液と有機物とから生成された塊状物に比べて、含水率が低いため加熱装置などによる加熱によって水分の蒸散が行われやすい。これにより、短い加熱時間で固形肥料を製造することが行える。さらに、粘度が高い状態で固形化が進行するため、製造された固形肥料の硬さが強固なものとなる。
【0023】
請求項3の発明にかかる固形肥料の製造方法は、請求項1または請求項2に記載の固形肥料の製造方法において、粉末状の前記堆肥有機物を原料として利用するものである。
【0024】
したがって、請求項3の発明の固形肥料の製造方法によれば、請求項1または請求項2の発明の固形肥料の製造方法の作用に加え、固形肥料の原料として、粉末状の堆肥有機物が利用される。ここで、粉末状とは、粒径が略2mm以下の顆粒状を呈するものとして定義される。すなわち、有機物の発酵による堆肥化の過程において、生成された堆肥有機物は、直接土壌に対して用途に合わせて散布することにより肥料としての作用を充分に発揮することが可能であり、粒径の比較的大きな堆肥有機物については、そのまま利用されていることが多い。ところが、粒径の細かな堆肥有機物は、ほこりの原因となりやすく、風などによって大気中に拡散するため土壌に散布することが難しく、取扱性に困難を伴っていた。そこで、係る粉末状の堆肥有機物を原料として、脱臭廃液に含まれる土壌改質成分を吸着させることにより、取扱性の良好な肥料として使用することが可能となる。さらに、粉末状の堆肥有機物は表面積が大きいため、脱臭廃液の土壌改質成分の吸着が容易となる利点も有している。
【0025】
請求項4の発明にかかる固形肥料の製造方法は、請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の固形肥料の製造方法において、前記固形肥料の粒径を、1mm以上60mm以下の範囲に調製する粒径調製工程をさらに有するものである。
【0026】
したがって、請求項4の発明の固形肥料の製造方法によれば、請求項1乃至請求項3のいずれか一つの発明の固形肥料の製造方法の作用に加え、固形肥料の粒径が1mm以上乃至60mm以下に調製される。これにより、肥料として土壌に散布する際の散布性及び作業性がよくなる。なお、1mm以上の比較的細かい粒径に製造された固形肥料は、硫酸アンモニウムなどの土壌改質成分が吸着しているため、細粒の状態にあっても上述した粉末状の堆肥有機物と比べて、ほこりなどの要因となることが少なく、取扱性が困難となることがない。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態である脱臭廃液と有機物からなる固形肥料(以下、「固形肥料1」と称す)、及びその製造方法について図1乃至図3に基づいて説明する。図1は固形肥料1の原料となる堆肥有機物2及び脱臭廃液3の生成過程を模式的に示す説明図であり、図2は固形肥料1の製造工程の流れを示す説明図であり、図3は固形肥料1を製造するための製造装置4を示す模式図である。
【0028】
はじめに、本実施形態の固形肥料1を製造するための原料となる堆肥有機物2及び脱臭廃液3の生成過程について、図1に基づいて説明する。まず、鶏ふん及び生ゴミなどからなる有機物5を、発酵処理施設6に設置された発酵槽7に投入し、微生物の働きを利用して発酵させることにより堆肥化した堆肥有機物2が得られる。このとき、堆肥化の過程で発酵槽7内に発生したアンモニアガス8をブロア(図示しない)で吸引して回収し、発酵槽7に連結した硫酸スクラバー装置9に導入し、硫酸10(ここでは、約75%の希硫酸)と気液接触させる。ここで、堆肥有機物2が本発明における有機源に相当する。
【0029】
これにより、アンモニアガス8と硫酸10との中和反応によって悪臭の原因となるアンモニアガス8から硫酸アンモニウム11の塩が生成され、係る硫酸アンモニウム11を含んだ脱臭廃液3が得られる。なお、硫酸スクラバー装置9によってアンモニアガス8が除去された後の残ガス12は、さらに下流側に設置された生物脱臭槽13に導かれ、ピートモスなどの繊維質泥炭を利用してアンモニアガス8以外の悪臭をもたらすガス成分が、生物的な脱臭処理を行って大気中に放出されている。
【0030】
なお、発酵槽7において堆肥化された堆肥有機物2は、篩を通して選別され、粒径の比較的大きなものはそのまま肥料として使用され、ここでは粒径が2mm以下の粉末状の堆肥有機物2が特に本実施形態の固形肥料1を製造するための原料として使用される。
【0031】
まず、本実施形態の固形肥料1を製造するための製造装置4について、図3に基づいて説明する。製造装置4は、図3に示すように、略円筒状を呈し、内部空間に粉末状の堆肥有機物2を収容可能な撹拌槽15、撹拌槽15の上方に設置された撹拌モータ16の駆動により撹拌軸17を軸回転させて、撹拌軸17に取付けられた撹拌羽根18により滴下によって堆肥有機物2が吸着した廃液混合物14からなる塊状物32を撹拌する撹拌部19、及び撹拌モータ16を駆動させる駆動電圧を供給する駆動電圧供給部20からなる撹拌装置21と、廃液混合物14を撹拌槽15に向けて予め設定した所定量ずつ滴下するための装置であり、予め混合された廃液混合物14を貯えるホッパ22、ホッパ22と連通し、撹拌槽15に廃液混合物14を導く滴下ノズル23、及び滴下ノズル23から滴下する所定量を調整バルブ24の開閉により調整する滴下調整部25からなる滴下装置26と、撹拌槽15の外周に覆設され、内部の発熱抵抗体27によるジュール熱により撹拌槽15を加熱するリボンヒータ28、該リボンヒータ28の発熱抵抗体27を発熱させるための電圧を供給する発熱電圧供給部29、及び供給する電圧を調整し、撹拌槽15の加熱温度を制御する温度調整部30からなる加熱装置31とを含んで構成されている。
【0032】
なお、本実施形態の滴下装置26は、ホッパ22に貯えられた廃液混合物14をホッパ22の下方に設けられた調整バルブ24を所定の開度で開放することにより、滴下ノズル23から廃液混合物14の自重によって滴下するものである。ここで、廃液混合物14の粘性が高い場合など、自重による滴下が困難な場合は、エアコンプレッサなどの空気圧を利用して、廃液混合物14を撹拌槽15に強制的に滴下するものであってもよい。
【0033】
次に、本実施形態の固形肥料1の製造方法について説明する。はじめに、固形肥料1の原料となる堆肥有機物2と、硫酸アンモニウム11を含有した脱臭廃液3とを重量比率が1:1になるように混合し、滴下装置26のホッパ22に投入する(混合工程:ステップS1)。このとき、廃液混合物14は脱臭廃液3に含まれる水分によって流動性のある泥状を呈し、滴下装置26からの滴下の可能な状態にある。
【0034】
そして、滴下装置26の調整バルブ24を、予め設定した所定量になるように開放し、滴下ノズル23から廃液混合物14を滴下する(滴下工程:ステップS2)。このとき、廃液混合物14が滴下される撹拌槽15には、予め粉末状の堆肥有機物2が収容されており、滴下された廃液混合物14が撹拌槽15の中に収容される。そして、滴下された廃液混合物14を核として粉状の堆肥有機物2が吸着された塊状物32が生成される。このとき、塊状物32は脱臭廃液3の水分を含んだ湿った状態にある。ここで、撹拌装置21の撹拌羽根18は、撹拌モータ16の駆動により撹拌軸17に従って回転している。これにより、滴下によって生成された塊状物32は撹拌槽15内を移動し(例えば、堆肥有機物2の上面に沿って回転するなど)、周囲の堆肥有機物2を吸着して塊状物32の粒径を大きく成長させながら撹拌される(撹拌工程:ステップS3)。このとき、塊状物32の大きさは、滴下された廃液混合物14に含まれる水分量及び粉状の堆肥有機物2の粒径などによって決定される堆肥有機物2の吸着量によって決まり、滴下量を一定にすることにより、生成される塊状物32の粒径を略均一にすることができる。
【0035】
そして、撹拌羽根18によって塊状物32の撹拌を継続した状態で、加熱装置31の発熱抵抗体27のリボンヒータ28から発せられるジュール熱を利用して撹拌槽15を外壁から加熱する(加熱蒸散工程:ステップS4)。ここで、本実施形態においては、加熱装置31により撹拌槽15に収容された廃液混合物14が60℃に加熱されるように温度調整部30によって発熱電圧供給部29から供給される電圧が調整されている。
【0036】
そして、前述のステップS2からステップS4の工程を所定時間(例えば、30分間)の間、継続して行う(ステップS5)。このとき、滴下装置26から滴下される廃液混合物14の滴下量と、予め撹拌槽15に収容されている粉末状の堆肥有機物2の収容量との比率は、固形肥料1が製造された場合の肥効性に大きく影響を与えるため、上述の両者の配合量は予め定められている。そのため、廃液混合物14の滴下が完了した時点でステップS2の滴下工程は終了し、その後はステップS3及びステップS4の撹拌及び加熱を継続するものとする。
【0037】
これにより、廃液混合物14の中に含まれる水分が大気中に蒸散し、塊状物32が乾燥する。このとき、塊状物32を構成する脱臭廃液3の一部をなす、硫酸アンモニウム11は水分の減少とともに徐々に結晶化し、堆肥有機物2に結晶化した硫酸アンモニウム11が吸着して固形化した固形肥料1が得られる。その後、篩によって粒径を整える(粒径調整工程:ステップS6)。ここで、固形肥料1の粒径は、1mm〜60mmの間で散布性や施肥対象に応じて適宜変化させることができる。これにより、粒径の整った顆粒状の固形肥料1の製造が完了する。なお、ステップS6において粒径が1mm未満のものである場合は、再び撹拌槽15に投入し、粒径が1mm以上に成長するように、その他の堆肥有機物2及び脱臭廃液3と混合している。この作業を繰返すことにより、固形肥料1の粒径を1mm以上に成長させることができる。また、前述したように、滴下装置26から滴下される廃液混合物14の滴下量を一定とすれば、それに伴って生成される塊状物32の粒径が均一となり、その結果として製造される固形肥料1の粒径も整ったものとなる。そのため、本実施形態の製造工程の流れで示したステップS6の工程を省略することができ、製造作業を簡略化することができる。この場合、廃液混合物14の滴下量を調整する滴下工程の一部が粒径調整工程を含んでいることになる。したがって、本実施形態の製造装置4を利用することは、顆粒状の固形肥料1を製造することに特に適している。
【0038】
以上説明したように、本実施形態の固形肥料1によれば、粉末状の堆肥有機物2と、有機物5を堆肥化する際に排出される脱臭廃液3とを原料として、固形化することにより肥効性に優れた固形肥料1を製造することができる。特に、脱臭廃液3の中に硫酸アンモニウム11が含まれているため、無機態窒素によって即効性を有する肥料として機能するとともに、これまでの堆肥有機物による遅効性の効果を与えることができる。そのため、農作物及び農地に対して即効性及び遅効性の双方の効果を有する優れた肥料として利用することができる。さらに、廃棄処理することが多かった脱臭廃液3を原料とすることにより、産業廃棄物としての処理コストを低減することができ、脱臭廃液3に含まれる硫酸アンモニウム11を資源として有効に活用することができる。
【0039】
加えて、固形化して貯蔵することができるため、従来のように液状の脱臭廃液3を直接農地に施肥する場合と比べて、貯蔵スペースや貯蔵タンクなどを用意する必要がなくなる。また、乾燥によって重量の軽量化が図られるため、搬送性や作業性が向上する。
【0040】
また、固形肥料1の製造方法において、堆肥有機物2と脱臭廃液3とを重量比が1:1で混合した廃液混合物14を、粉末状の堆肥有機物2を収容した撹拌槽15に滴下している。これにより、滴下装置26を利用して滴下する場合、水分を多く含んだ状態、換言すれば流動性を有した状態の廃液混合物14を滴下するため、自重による滴下が行いやすく、さらに滴下ノズル23の内部で廃液混合物14が詰まるなどの不具合を生じる可能性が少なくなる。
【0041】
一方、滴下装置26から滴下された後は、廃液混合物14を核として粉状の堆肥有機物2が吸着され、滴下される度に廃液混合物14及び堆肥有機物2からなる塊状物32が生成される。このとき、廃液混合物14は比較的粘性が高い状態にあるため、粉末状の堆肥有機物2の吸着が容易に行われやすい。また、生成される塊状物32も粘性が高いものとなるため、水分の蒸散が速やかに行われ、製造された固形肥料1の硬さを強固なものとすることができ、作業時の取扱い性が良好となる。さらに、本実施形態において示した製造装置4を使用することにより、粒径の整った固形肥料1を製造することができる。すなわち、滴下、撹拌、及び加熱を行うことにより、撹拌槽15内に粒径の成長した固形肥料1が一連の工程によって生成される。そのため、固形化後の処理がほとんど必要とならず、顆粒状に形成することは特に好適と言える。
【0042】
なお、堆肥有機物2と脱臭廃液3とを混合し乾燥させた場合、肥料としての効果を有する硫酸アンモニウム11の吸着は、堆肥有機物2の表面積に大きく依存することが知られており、一般に細かい粒径のものほど、接触表面積が増大するため、脱臭廃液3の中の硫酸アンモニウム11を吸着しやすい。そこで、本実施形態においては、従来はほこりの原因となるため敬遠されていた2mm以下の粉末状の堆肥有機物2を原料として有効に利用することができ、取扱い性の困難さを改善させることができる。さらに、製造した固形肥料1は、粒径を1mm以上、60mm以下に調製し、選別することができるため、土壌に施肥した際の肥効性が安定して得られる。また、固形肥料1を細粒に形成した場合でも、硫酸アンモニウム11が吸着しているため風などによって容易に飛散することがなく、取扱いが容易となっている。
【0043】
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
【0044】
すなわち、本実施形態の固形肥料1は、粒径が1mmから60mmの範囲の顆粒状に調製したものを示したが、これに限定されるものでなく、固形化の際の乾燥方法を変更することにより、施肥対象や用途に合わせて種々の形状に形成することができる。例えば、板状、棒状、或いはペレット状などにすることができる。この場合、廃液混合物14を予め用意した型などに流し込んでから加熱することにより、所望の形状に整えることができる。
【0045】
加えて、固形肥料1を製造する際の堆肥有機物2及び脱臭廃液3の混合比を重量比率で1:1にするものを示したがこれに限定されるものではなく、種々の比率で配合することができる。ここで、堆肥有機物2と脱臭廃液3との混合比は、脱臭廃液3に含まれる水分量や堆肥有機物2の粒径などによって決定され、廃液混合物14として滴下装置26から滴下可能な流動性を有するものであればよい。さらに、堆肥有機物2と脱臭廃液3との配合量を変更することにより、種々の農作物や植物へ対応した固形肥料1を製造することができる。また、本実施形態において、堆肥有機物2を有機源として利用するものを示したが、これに限定されるものではなく、堆肥化する前の有機物5或いは有機物5及び堆肥有機物2を混合したものを有機源として利用することもできる。
【0046】
また、本実施形態で示した製造装置4において廃液混合物14を比較的大粒の水滴状にして滴下する滴下装置26を示したが、これに限定されるものではなく、さらに細かい霧状にして撹拌槽15に噴霧するものであっても構わない。この場合、予め混合する堆肥有機物2と脱臭廃液3との混合比率を変えて、噴霧に適した粘性の低い状態にする必要がある。
【0047】
さらに、堆肥化の原料となる有機物5として、鶏ふん及び生ゴミからなるものを示したがこれに限定されるものでなく、その他の微生物の働きによって堆肥化することが可能な木材、植物性素材、動物性蛋白、骨粉、及び家畜糞尿などを原料として利用することができる。
【0048】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の発明の固形肥料の製造方法は、堆肥有機物の収容された撹拌槽に、脱臭廃液を滴下し、撹拌し、さらに加熱により脱臭廃液に含まれる水分を蒸散させることにより、所定形状の大きさの固形肥料を乾燥によって製造することができる。
【0050】
請求項2の発明の固形肥料の製造方法は、請求項1の発明の固形肥料の製造方法の効果に加え、脱臭廃液及び堆肥有機物を混合した廃液混合物を滴下することにより、廃液混合物の粘性が高くなり、製造される固形肥料の硬さを強固なものとすることができる。これにより、固形肥料の散布性や取扱性が向上する。
【0051】
請求項3の発明の固形肥料の製造方法は、請求項1または請求項2の発明の固形肥料の製造方法の効果に加え、従来はほこりの原因となることから敬遠されていた粉末状の堆肥有機物を有効に活用することができる。
【0052】
請求項4の発明の固形肥料の製造方法は、請求項1乃至請求項3のいずれか一つの発明の固形肥料の製造方法の効果に加え、粒径を調製することにより、肥料としての散布性や取扱性などを向上させることができる。さらに、土壌に散布した際の雨水などによる浸透性も高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】固形肥料の原料となる堆肥有機物及び脱臭廃液の生成過程を模式的に示す説明図である。
【図2】固形肥料の製造工程の流れを示す説明図である。
【図3】固形肥料を製造するための製造装置を示す説明図である。
【符号の説明】
1 固形肥料(脱臭廃液と有機物からなる固形肥料)
2 堆肥有機物(有機源)
3 脱臭廃液
5 有機物(有機源)
8 アンモニアガス(悪臭ガス)
11 硫酸アンモニウム
14 廃液混合物
15 撹拌槽
32 塊状物
Claims (4)
- 脱臭廃液と有機物からなる固形肥料の製造方法であって、
前記有機物及び前記有機物を発酵処理し、堆肥化した堆肥有機物の少なくともいずれか一方を含む有機源を収容した撹拌槽に、前記有機物を堆肥化する過程で発生する悪臭ガスを酸性溶液で捕集して得られた脱臭廃液を、前記固形肥料を製造するための核として作用するように水滴状に垂らす滴下工程と、
前記撹拌槽に滴下された前記脱臭廃液に前記有機源を吸着させた塊状物を生成し、前記塊状物の表面と前記有機源とを接触させて粒径が大きくなるように成長させるために撹拌する撹拌工程と、
撹拌により混合した状態の前記脱臭廃液及び前記堆肥有機物の前記塊状物を加熱し、前記脱臭廃液に含まれる水分を蒸散させて固形肥料を形成する加熱蒸散工程と
を具備することを特徴とする固形肥料の製造方法。 - 前記脱臭廃液及び前記堆肥有機物を所定比率で混合した前記脱臭廃液よりも粘性の高い廃液混合物を調製する混合工程をさらに有し、
前記滴下工程は、
前記混合工程により調製された前記廃液混合物を滴下することを特徴とする請求項1に記載の固形肥料の製造方法。 - 粉末状の前記堆肥有機物を原料として利用することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の固形肥料の製造方法。
- 前記固形肥料の粒径を、1mm以上60mm以下の範囲に調製する粒径調製工程をさらに有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の固形肥料の製造方法。
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