JP4003989B2 - 通信装置および通信方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、IEEE1394バス等の放送型のネットワークを介してデータ通信を行う通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近インターネットをはじめとする通信技術の急激な進歩が各方面で話題になっており、企業や大学などを中心にLANの導入、あるいはこれのWANやインターネットへの接続といったことが話題になっている。
【0003】
これらの技術革新は、家庭を取り巻くネットワーク環境をも変える可能性が高い。即ち、家庭にPCやDVD、デジタルセットトップボックス等のデジタル機器が普及してくるに連れて、これらを相互にデジタルネットワークにて接続しようという気運が高まるのは必然である。現在、AVベンダを中心に、IEEE1394バスが、その候補の筆頭として、各方面から注目を集めている。
【0004】
IEEE1394バスは、100M、200M、400Mbpsの高速デジタル網として利用することができ、プラグアンドプレイ、同期チャネルを用いた同期転送機能等、いくつもの注目すべき機能がある。
【0005】
それとともに、いわゆる家庭へのアクセス網の技術革新も急である。即ち、CATVやADSL(Asymmetric Digital Subscraiber Line)、FTTH(fiber−to−the−home)等の高速ネットワーク技術、インターネット等のネットワークサービス等、その進歩は著しい。特に、インターネット技術は、その高速化、RSVP(Resource Reervation Protocol)等ネットワークレイヤレベルのシグナリングプロトコルを用いたQOS(Quality of Service)保証、マルチキャスト等、注目すべき技術が次々と生まれている。
【0006】
インターネット上で、これらの技術が実現する近未来においては、家庭へのビデオ転送等、高速、リアルタイムを要求される情報の転送の一部がインターネットを通じて行われる可能性がある。これは、インターネットに蓄積される情報量が実質的に無限であり、ユーザが、従来は地上波、衛星放送などからでていた前記情報をインターネットを通じて入手するようになると考えるのは、ごく自然なことである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、家庭内のデジタル機器を、アクセス網を介して接続し、インターネットを通じた情報のやり取りをしようとした場合、以下のような問題点が考えられる。
【0008】
現在、IEEE1394上をインターネットのデータを流通させるための検討、即ち「IP over 1394」の検討が、各方面で進められている。しかし、現在その検討はいわゆるアドレス解決方式にとどまっている。一方、インターネット上を通信品質を保証する形でデータのやり取りを行うためのシグナリングプロトコルとして、例えばRSVPが提案されている。しかし、これらのネットワークレイヤのシグナリングプロトコルをIEEE1394上で運用する方式がいまだ決まっておらず、IEEE1394上では通信品質が確保されない転送方式にマッピングせざるをえない。従って、上記シグナリングが実行されたとしても、IEEE1394上をベストエフォート(具体的には非同期チャネル)を通じてデータが転送されてしまうため、エンドエンドの通信品質が保たれない。
【0009】
また、IEEE1394バス上でIPマルチキャストを送受信しようとした場合、IEEE1394バス上のトラヒックを最小限にするために、IEEE1394バスの同期チャネルあるいは非同期ストリームを用いることが考えられる。しかしながら、同時に2つ以上の装置が同じIPマルチキャストに加入しようという場合は、これら2つ以上の装置が独立に別個のチャネルを確保してしまう可能性があり、通信資源の有効利用が図れない。また、確保したチャネルと、IPマルチキャストアドレスとの対応関係を送信側、受信側で同期して認識するための機構が無い。
【0010】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、RSVPのIEEE1394バス上での適用方法を示し、IEEE1394上でも、相互接続環境での通信品質を確保した通信が可能となる通信装置を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、IEEE1394等の放送型ネットワークにおいて、通信資源を有効に利用してIPマルチキャストを行うことができ、また、確保したチャネルとIPマルチキャストアドレスとの対応関係を送信側、受信側で同期して認識することのできる通信装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するために、本発明の通信装置は、放送型のネットワークに接続され、ネットワークレイヤマルチキャストアドレス宛てのデータを送信する通信装置であって、前記ネットワーク上に確立されている放送型チャネルに対する通信帯域を確保する確保手段と、前記放送型チャネルに帯域が確保されていない場合に、前記ネットワークレイヤマルチキャストアドレス宛てのデータを前記放送型チャネルの帯域が確保されていない周期あるいはコネクションで送信する第1の送信手段と、前記確保手段により前記放送型チャネルに帯域が確保された場合に、前記ネットワークレイヤマルチキャストアドレス宛てのデータを前記放送型チャネルの帯域が確保されていない周期あるいはコネクションから、前記放送型チャネルの帯域が確保された周期あるいはコネクションに切り替えて送信する第2の送信手段とを具備したことにより、ネットワークレイヤマルチキャストパケットを帯域を確保されていない形での伝送から、確保された形での伝送に切り替える場合に、これまでのように、再度放送型チャネルと帯域の確保の両方を資源確保を行っているマネージャ(例えばIEEE1394における同期リソースマネージャ)に要求する必要がなくなる。即ち、単に既に通信資源として持っている放送型チャネル向けのパケットを第1の送信手段に送り込むのみでこれが可能となる。逆の切り替え(帯域確保から非確保への切り替え)も同様である。
【0022】
さらに本発明の通信装置では、前記確保手段で帯域が確保された場合の前記第1 の送信手段から出力される放送型チャネルの識別子は、帯域が確保されていない場合の前記第2 の送信手段から出力される放送型チャネルの識別子と同一の識別子であることにより、放送型チャネルの浪費を防ぐことが可能となる。特に、IEEE13 94 の様なチャネル資源が比較的少ない様なデータリンクに関しては、帯域確保の形で流すネットワークレイヤマルチキャストパケットと、帯域確保無しで流すマルチキャストパケットとを同一のチャネルで共有することができるようになり、これも通信資源の有効活用につながる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下の説明では、一例として家庭内に構築されたネットワーク(家庭内ネットワーク)を対象として説明するが、これに限るものではなく、例えば、ホテル等の建物、敷地内といった限られた範囲に構築されるネットワークにおいても適用できる。
【0024】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るネットワーク全体の構成例を示したもので、映像サービスを提供しているビデオサーバからのデータを、公衆網を介して家庭内ネットワークにとりこみ、家庭内ネットワークに接続された端末で、該サービスを受ける状況を説明する図となっている。
【0025】
図1に示すように、全体の構成は、ビデオサーバ101、公衆網104、接続装置102、例えば家庭内に構築された第1のネットワーク105、第2のネットワーク106、第1のネットワークに接続された端末103からなる。
【0026】
なお、図1では第1のネットワーク105に端末103が1つ接続されているのみであるが、実際には両ネットワーク105、106に、他の種々の端末、あるいは網間接続装置等が接続されていても良い。
【0027】
公衆網は、例えばCATV網、あるいはISDN/B−ISDN網、ATM−PON網、高速無線アクセス網、ADSL/HDSL網等、色々な場合が考えられる。ただし、本実施形態のビデオサービスはMPEG映像をインターネットを介して提供されるものとする(MPEGoverIP)。よって、本サービスが提供されるインタフェースはデジタルインタフェースを仮定する。
【0028】
本実施形態においては、該デジタルネットワークはデータリンク方式として、ATM方式を採用しているものとして、以後の説明を進めていくが、本発明の方式はATM方式に限定されるものではない。例えば、以後の説明のATMのVPI/VCI等のデータリンクレイヤ識別子は、ISDNであればBチャネル識別子、CATVであれば周波数に対応するものである。このように、本実施形態のATMにおけるVPI/VCIをこれら他のデータリンクレイヤ識別子に置き換えたものも、本発明に含まれるものである。
【0029】
ビデオサーバ101は、専用のビデオサーバでも良いし、例えば映像対応WWWサーバ等、映像信号を送出できるサーバであれば良い。ここで、「映像信号を送出できる」とは、リアルタイム伝送を行う事は必ずしも意味しない。例えば、映像データを、リアルタイム配信ではなく、ベストエフォートにて配信する場合がこれにあたる。
【0030】
公衆網104と家庭内に構築されたネットワークの間は、専用の接続装置102にて接続されている。
接続装置102には、この場合、公衆網104の終端機能、家庭内のネットワーク105、106の終端機能、IP処理機能、RFC1631にて標準化されているNAT(Network Address Translation)機能の他に、IPマルチキャスト対応機能、IPシグナリング機能、公衆網と家庭内のネットワーク間でリアルタイムデータ転送可能なデータリンクレイヤレベルのスイッチ、アドレス通知機能等が実装されている。詳細は後述する。
【0031】
次に、図1に示したネットワーク上のIPのサブネット構成とアドレス割当について説明する。図1に示すように、第1の実施形態において、家庭内のネットワーク全体(第1および第2のネットワーク105、106)にて1つのIPサブネット( ネットワークアドレスP)が構成されており、更に家庭内ネットワークは、RFC1597にて標準化されているプライベートアドレスを利用している。
【0032】
また、接続装置102の公衆網側には、グローバルなIPアドレス(G.2)が割り当てられている。
このようなアドレス構成となっている理由は、例えば複数のグローバルなIPアドレスの取得には、1つのグローバルIPアドレス取得と比べてコストがかかる、あるいは世界的なIPアドレスの枯渇のためである。即ち、端末数、アドレス数の急成長が見込まれる家庭内ネットワークへの接続端末にはグローバルなIPアドレスの新規の割当は実質的にはほとんど不可能、等の理由によるものである。
【0033】
なお、第1のネットワーク105、第2のネットワーク106は、それぞれ別のプライベートアドレス内という限定の上で、別々のサブネットとなっていてもよい。この場合は、両者の間にはいる接続装置102はルータとなる。
【0034】
本実施形態においては、第1および第2のネットワーク105、106は同一のサブネットに属するものとして、以降の説明を行う。
次に、図1の端末103が接続装置102、公衆網104を通してビデオサーバからビデオを転送してもらうまでの処理手順について、図2を参照して説明する。また、その際の端末103の処理手順および接続装置102の処理手順を、それぞれ図3、図4に示す。
【0035】
図2、図3、図4は、後に示すように、接続装置102がSBM(Subnet Bandwidth Manager)であるような場合に、この機構を用いて通信資源の確保を使った場合のシーケンスを記述したものである。
【0036】
SBMとは、IETFのIntServワーキンググループで議論されているもので、サブネット内の通信資源確保をRSVPを用いて行うものである。
まず、端末103は、OSIの標準化された7レイヤのうちのレイヤ5以上のプロトコルを用いて、見たいビデオについての情報の入手を行う(ステップS201、S203)。これは、MPEG/DAVICのDSM−CCや、それに準じたプロトコルを用いたネゴシエーションや、RTSP等を用いてWWWサーバからの情報の選択をWeb上で行う事による情報の選択など、色々な場合が考えられる。以降では、これを「上位レイヤプロトコル」として、まとめて表現する。
【0037】
本実施形態では、これらの情報の交換は、IPパケットを使って行われるものとする。
ちなみに、この上位レイヤプロトコルは、接続装置102にてNATの処理を受けながら通信されていても良い(ステップS202)。
【0038】
NAT処理とは、プライベートIP網からインターネットにIPパケットをフォワーディングするに際し、プライベートIPアドレスをインターネット側に送出するのは許されないため、接続装置102にて、プライベートIPアドレスを自身のグローバルIPアドレス( ここでは「G.2」)に変換して送出する方式を言う。
【0039】
NAT処理の詳細については、例えば本発明者らによる特願平第8−316552号を参照されたい。
本実施形態においては、ビデオサーバからの映像サービスは、IPマルチキャストを通じて提供されるものとする。そこで、前記上位レイヤプロトコルを用いて選択するビデオが決定した場合、そのビデオを転送するためのIPマルチキャストアドレスを取得する必要がある。
【0040】
その放送形態( 配信形態) にはいくつかの形態が考えられる。
(A) まず、ビデオ毎( コンテンツ毎) に、別々のIPマルチキャストアドレスが割り当てられている場合から説明する。
【0041】
これは、例えばA放送局からの放送はIPマルチキャストアドレス=「#1」、B放送局からの放送は「#6」等と、IPマルチキャストアドレスが割当てられている場合である。
【0042】
上位レイヤプロトコルを通して、ビデオサーバ101は、端末103にそのビデオを転送するためのマルチキャストアドレス「M」を通知する。すると、端末103は、IPマルチキャストのプロトコル(例えばIGMP(RFC1112))に従い、インターネット側から受け取るQUERYメッセージに対し、加入したいマルチキャストアドレス「M」についてのREPORTメッセージを送出する(ステップS204)。
【0043】
これを受信した接続装置102は、端末103のプライベートアドレス「P.2」と、要求されたマルチキャストアドレス「M」との対応関係を記憶した後(ステップS205)、REPORTメッセージを上流のルータに通知する(ステップS206)。その際、送信者アドレスを自身(接続装置102)のグローバルIPアドレス「G.2」としておく。
【0044】
接続装置102に記憶される対応テーブルの一例を図5に示す。
マルチキャストアドレス「M」への加入が成功すると、接続装置102は、端末103がマルチキャストアドレス「M」に加入した旨を記憶し(ステップS205)、これを端末103に通知する。
【0045】
次に、端末103は、このビデオ映像を良い品質で受信するための通信資源の予約を行う。このための方法として、いくつかの方法が考えられる。
(a) SBMを用いる方法
SBM(Subnet Bandwidth Manager)とは、インターネットの標準化機関であるIETFで提案されているサブネット内の帯域予約のための方式であり、サブネット内の帯域予約をRSVPを使って行うものである。
【0046】
(b) RSVP(Resource Reservation Protocol)を用いる方法
(c) IEC1883を用いる方法
以下、順に説明する。
【0047】
(a)SBMを用いる方法
まず、SBMを用いる場合について、図2に示すシーケンスを参照して説明する。
【0048】
接続装置102は、SBMノードであることから、ルーチングプロトコルは稼動していない。
本実施形態の接続装置は、NAT機能を持っているため、グローバルIPアドレス(G.2)を有しているが、家庭内ネットワーク側に複数の物理インタフェースがあるとしても、物理インタフェース毎にIPアドレス( プライベートアドレス) を持つ必要はない。例えば、接続装置102は、グローバルIPアドレスの他、プライベートアドレスを1つ持てば充分である。ここでは、接続装置102はプライベートIPアドレス「P.1」を持っている。
【0049】
端末103は、上位レイヤプロトコル等でRSVPのPATHメッセージの送出をビデオサーバ101に促しても良い。PATHメッセージはマルチキャストアドレス「M」宛てに送出され、接続装置102に届く(ステップS207)。
【0050】
接続装置102では、RSVPのPATHステートを作成し(ステップS208)、その後、PATHメッセージをマルチキャストアドレス「M」宛に送出し、結局、端末103に到着する(ステップS209)。その際、接続装置102は端末103がマルチキャストアドレス「M」に属している事を、図5の対応テーブルにより認識しているので、該PATHメッセージを端末103にフォワードする事が出来る。
【0051】
接続装置102内には、PATHステートが出来る。ここで、接続装置102はSBMノードである。端末103は、帯域等の通信資源を予約すべく、RSVPのRESVメッセージを上流の接続装置102に送出する(ステップS210)。
【0052】
RESVメッセージを受信した接続装置102は、接続装置102と端末103間の通信資源を確保すべく、第1のネットワーク(IEEE1394)105のIEEE1394同期リソースマネージャにアクセスして、必要な帯域と同期チャネル番号を確保する(ステップS211)。ここで、確保された同期チャネルの番号を「#x」とする。
【0053】
この時点で、接続装置102は、端末103に「どの同期チャネルを用いて、リクエストされた番組を送出するのか」を端末103に通知しても良い(ステップS212)。
【0054】
この通知方法としては、例えば、図6に示したようなフォーマットのRSVPのPATHメッセージを用いる方法がある。すなわち、図6に示すように、RSVPのPATHメッセージ内に、「今後(あるいは今)、このPATHメッセージに含まれるデータ(IPフロー)は、同期チャネル番号=「#x」にて伝送する」といった旨の情報が記述される。
【0055】
第2の通知方法は、発明者らが特願平第8−264496号に記載したFANP(Flow Attribute Notification Protocol)を用いる方法である。
【0056】
FANPは、隣接ノード間(本実施形態の場合、接続装置102と端末103間)にて、送信するIPフロー等(本実施形態の場合、例えばIPマルチキャストアドレス「M」)と、リンクレイヤのID情報(本実施形態の場合、先に確保したIEEE1394のチャネル番号)との対応関係を通知しあうものである。
【0057】
第3の通知方法は、IEC1883のCIPヘッダを用いる方法である。IEC1883を用いて、接続装置102が直接端末103のPCR(Plug Control Register)に使用するチャネル番号を書き込み、1394のヘッダなり、IEC1883にて定められたCIP(Common Isochronous Packet)ヘッダなりで端末103に、送信している情報がMPEGoverIPであることを認識させる。例えば、CIPヘッダを拡張する場合は、そのパケットがIPパケットである旨、あるいはMPEGoverIPである旨を示す値をFMP(フォーマットID)領域に書き込むことにより、端末103はCIPヘッダを見ることにより、そのパケットの属性がIPパケット、あるいはMPEGが載ったIPパケットであることが認識できるようになる。
【0058】
第4の通知方法は、図7に示すように、PCRを拡張して、PCRレジスタの意味の一部を、そのチャネル番号に伝送する内容を意味するものとする。例えば、IPパケットあるいはMPEGoverIPのパケットである。また、そのチャネル番号を伝送されるフローの属性を記述しても良い。例えば、送信IPアドレス/受信IPアドレス/送信ポート番号/受信ポート番号の組み合わせなどである。このようなレジスタを端末103に用意し、接続装置102( あるいはコントローラ) がこのレジスタに適切に記述することにより、端末103が、そのチャネル番号を通して受信するデータがIPパケット、あるいはMPEGoverIPのパケットであること、あるいは、その属性を認識できるようになる。
【0059】
無論、上記第1〜第4の通知方法の適宜組み合わせて用いることもできる。
なお、タイミング的には、ここで説明したタイミング以外にも、ビデオサーバ101まで通信資源の予約が完了し、エンド- エンドの通信が可能になった段階で上記の手続きを行う形も考えられる。
【0060】
さて、下流側の通信資源の確保に成功した接続装置102は、RSVPのRESVメッセージを更に上流へと流す(ステップS213)。
これを受けとったインターネット内のルータは例えば、Q.2931等を使って下流側のATM網の通信資源を確保し(ステップS214)、それを確認した後、更に上流へとRESVメッセージの送出、といったことを繰り返す。
【0061】
更に、PATHあるいはFANPを用いて下流方向のRSVP/SBMノードに対して、使用するデータリンク識別子(この場合、データリンク技術がATMであるため、VPI/VCI)についての情報を送出し、該RSVP/SBMノードに、送出IPフローとデータリンク識別子との対応関係の通知を行う(ステップS215)。ここで、接続装置102に対して確保されたATMのVCIの値「#y」とする。
【0062】
こうして、エンドエンドの通信資源が確保されたなら、ビデオ転送を開始する(ステップS216、S217)。
ここで、接続装置102では、ビデオサーバ101からATMコネクション「#y(VCI値=「#y」)」にてMPEGoverIPのデータが伝送されてくることを認識しており、また端末103に対してIEEE1394の同期チャネル「#x」にて受信したIPパケットを送出すればよいことを認識している。
【0063】
そこで、接続装置102では、VCI「#y」を通して受信したデータを、IPパケットのヘッダの中身まで検証することなく、直接IEEE1394の同期チャネル「#x」に対して、IPパケットの同期をとった上で伝送する。即ち、VCI値のみの検証により、IPレイヤの処理をすることなく、直接1394へのデータ転送を行うことができる。これは、データリンクレイヤの情報のみで、データのスイッチングを行っていることから、データリンクスイッチと見ることができる。
【0064】
このことにより、本来IPレイヤで行うべき、IPレイヤ処理、即ちIPヘッダの検証やルーチング処理等の一連のソフトウエア処理を、データリンクレイヤスイッチング処理にて置き換えることが可能になり、処理時間、及び処理負荷の大幅な低減を図ることが可能になる。これは、SBMを行った上で、データリンクスイッチを行っていることに相当する。
【0065】
なお、以上の説明では、接続装置102はSBMノードとして説明を行ってきたが、接続装置102がルータであり、RSVPを利用した通信資源の確保を行ってももちろんよい。
【0066】
また、通信資源の予約を行う際に、本発明の発明者らによる特願平第8−264496号に記載されている方法、すなわち、FANPにより通信資源の予約を行うようにしてもよい。
【0067】
以上は、IEEE1394上の通信資源予約をRSVPの上流のノードが行う場合についての説明であった。これに対し、図8に示すように、IEEE1394バス上の同期チャネルの確保を、下流側のノード(本実施形態の場合、端末103)が行ってもよい。
【0068】
下流側のノードが必要な通信資源を持った同期チャネルの確保を行った後(ステップS2110)、上流側にRESVメッセージの送出を行う(ステップS2111)。この場合、確保した同期チャネルの番号等は、続けて送出するRSVPのRESVメッセージに含めて送出しても良い。
【0069】
また、上流側に同期チャネル番号と帯域確保を行うフローの対応の通知をRESVメッセージとは別のメッセージで行ってもよい。この場合は、RESVメッセージは単に接続装置に対して、該フローの帯域確保の要求をするために用いられ、同期チャネル番号と帯域確保を行うフローの対応関係は、別メッセージ( 本図ではFANPメッセージ) にて行われてもよい。この通知を受けた接続装置は、RESVメッセージで帯域予約を受けたフローについて、どのリンクレイヤコネクション、つまり同期チャネルにて転送すればよいのかについての情報を、このメッセージから得ることができる。
【0070】
さて、端末103のユーザが、異なるビデオ映像( 例えば、違うチャネルのテレビ番組) を見たいと考えた場合、上記同様の手続きをもう一度踏む事になる。即ち、その新しいビデオ映像に対応するIPマルチキャストアドレスを上位プロトコルなどを通じて入手し、該IPマルチキャストアドレスへの加入という手続きを再度踏むことで、これを実現する。その際は、先に加入していたIPマルチキャストアドレスは離脱することが、通信資源の有効活用の観点から望ましい。この様子を図9に示している。
【0071】
また、家庭内に構築されたネットワークには端末が複数接続され、その各々が別々の放送を見ている場合は、その各々のデータが公衆網104および接続装置102を通ることになる。接続装置102において、データリンクスイッチを行うため、別々のATM−VCにて別々の端末宛てのこれらのデータが伝送されてくることが望ましい。通信資源の確保については、再度上記のようなSBM/RSVP/FANP等を使った手続きが必要あるかどうかは、RSVP/SBMの予約の仕方による。即ち、Shared Explicitの予約であれば、送信者のビデオサーバが同一である限り、あるいはShared Explicitのサーバのアドレスとして、次にビデオを送出する新しいビデオサーバが登録されていれば、先に予約したのと同一の通信資源(ATMのVC、1394の同期チャネル)をそのまま利用し続ければよく、IPマルチキャストの再加入を行うのみで良い。
【0072】
(B) 次に、IPマルチキャストアドレスは同じで、コンテンツが変わる場合を説明する。この場合は、同一のマルチキャストアドレスを用いて、同一のユーザに対して複数の映像サービスを行う形式となり、上位プロトコルを用いて映像コンテンツの変更(テレビのチャネルの変更に相当)を行う形となる。
【0073】
このときも、最初の通信資源の確保までは同じ手順を踏む。ただし、上位レイヤプロトコルを通して与えられるIPマルチキャストアドレスは、あらかじめその端末に固有に与えられた(あらかじめ、ネットワークサービスプロバイダが、ユーザ毎、あるいは端末毎に割当てておいた)IPマルチキャストアドレスであってもよい。端末の識別は、例えばネットワークサービスプロバイダがあらかじめ端末毎に与えておいた識別子を用いて、上位レイヤプロトコルを使って行う等の方法が考えられる。
【0074】
次のコンテンツの変更(テレビのチャネルの変更に相当)の際に、端末は上位レイヤプロトコルを用いて、このコンテンツ変更を要求する。ビデオサーバ101は、使用しているIPマルチキャストアドレスを変更することなく、そのまま用い、変更したコンテンツを、該IPマルチキャストアドレス宛に送出する。
【0075】
前述の様に、このIPマルチキャストアドレスは、図10に示すように、必ずしもマルチキャストに用いる必要は無く、単一の端末に対するコンテンツ転送に用いても良い。即ち、一つ一つのマルチキャストアドレスを、ビデオ配信の要求のあったユーザ( 端末) に割当て、送出コンテンツの変更は、例えば上位レイヤプロトコルにて対応する。
【0076】
また、接続装置102から送信されるIPパケットのポート番号の違いを見て、別々のマルチキャストアドレスを割当てる判断のトリガとしてもよい。
このように、ユーザ毎、あるいはアプリケーション毎に別々のIPマルチキャストアドレスを与えるようにすることにより、IPマルチキャストアドレスは端末に対して動的な割当てが可能であることから、プライベートアドレス環境においても、グローバルユニークなIPアドレスとの重複を心配すること無く、種々のコンテンツをプライベートアドレスを持った端末に送信することが可能となる。
【0077】
なお、本実施例においてはIPマルチキャストのデータフローの転送をRSV P を使って帯域予約する場合を記述してきたが、全く同様の方法をIPユニキャスト、あるいは他のネットワークレイヤのユニキャスト、あるいはマルチキャストについて適用できることは明らかである。
【0078】
(第2の実施形態)
図11は、本発明の第2の実施形態に係るネットワークの構成例を示したもので、IEEE1394バス上にIGMP(Internet Group Management Protocol)ルータ2101、IEEE1394の同期リソースマネージャ2104、端末2102、2103が互いに通信可能なように接続されて構成されている。
【0079】
(2−1)
このような構成のネットワークにおいて、端末2102、2103がIPマルチキャストへ加入して、マルチキャストデータを受信する場合について説明する。ここで、端末2102、2103は、IPマルチキャストへ加入した後は、マルチキャストデータの受信端末となることから、以下、受信端末2102、2103と呼ぶ。
【0080】
受信端末2102、2103がIPマルチキャストに加入する場合の手順について、図12を参照して説明する。また、その際のIGMPルータ2101の処理手順を図13に示す。
【0081】
図11に示したように、IEEE1394バス上には、IGMPルータ2101、受信端末2102、2103、同期リソースマネージャ2104が接続されている。受信端末2102のIPアドレスは「IP1」、受信端末2103のIPアドレスは「IP2」であるとする。また、同期リソースマネージャ2104の機能は、他の3つの装置のうちのいずれかと一体となっていてもよい(即ち、IGMPルータ2101あるいは受信端末2102、2103のうちのいずれかが同期リソースマネージャであってもよい)。
【0082】
受信端末2102、2103は、予め何らかの手段にてIPマルチキャストアドレス「IPm」を取得しているものとする。
まず、受信端末2102がIPマルチキャストアドレス「IPm」に加入を希望しているとする。そのため、IGMPルータ2101と、受信端末2102との間で、IGMPメッセージのやり取り(IGMPクエリーやIGMPレポート等の送受信)が行なわれ、受信端末2102がIGMPルータ2101に対して、IPマルチキャストアドレス「IPm」に対して加入を希望している旨を伝える(S2101)。ここで、IGMPルータ2101は、このIPマルチキャストアドレス「IPm」のサポートを行なうことのできるルータであるとする。
【0083】
IGMPルータ2101は、セットトップボックスのようなものでもよい。即ち、放送波を通じて送られてくるIPマルチキャストパケットの中から、適当なIPマルチキャストアドレス宛のパケットを抽出し、これをフォワードする機能を持ったノードであってもよい。
【0084】
IGMPルータ2101は、受信端末2102からIPマルチキャストドレス「IPm」への加入要求を受信すると、図13のフローチャートに従った処理を実行する。すなわち、本実施形態の場合、受信端末2102からの加入要求が、そのサブネット(IEEE1394バス)からのIPマルチキャストアドレス「IPm」への最初の加入要求であるため、IGMPルータ2101は、所定のIPマルチキャストアドレスへの加入手続き処理を行い(ステップS2201〜ステップS2203)、その手続き処理が成功したら、次に、同期リソースマネージャ2104にアクセスし、同期チャネル番号を確保する(ステップS2204〜ステップS2205、図12のステップS2102)。なお、図13のステップS2203において、IGMPルータ2101は、さらに上流のIGMPルータに働きかけ、このIPマルチキャストアドレスへの加入手続きを行なってもよい。また、加入手続き処理が失敗した場合は、その旨を受信端末2102に通知する(図13のステップS2206)。
【0085】
図13のステップS2205において、IGMPルータ2101からの要求に応じて同期リソースマネージャ2104にて確保された同期チャネル番号を「#x」とする。ここで、同時に帯域を確保する必要は必ずしもない。これは、この時点で確保されるのはIEEE1394の非同期ストリームであるからである。
【0086】
非同期ストリームとは、非同期パケットのアービトレーション時間に送信される、同期パケットのフォーマットのパケットであり、同期リソースマネージャ2104を通じて同期チャネル番号のみが確保される。
【0087】
帯域を確保することが必要な場合については後述する。
図13の説明に戻り、IGMPルータ2101は、同期チャネル番号が確保されると、次に、自らのレイヤ3フローレジスタに、このIPマルチキャストフローについての情報を記入する(ステップS2206、図12のステップS2103)。
【0088】
図14は、レイヤ3フローレジスタのフォーマットの一例を示したもので、レイヤ3フローレジスタは、基本的にレイヤ2識別子(本実施形態の場合、同期チャネル番号)と、そのレイヤ2識別子であらわされるチャネルを通ることになるレイヤ3フローについての対応関係を登録するためのレジスタである。このレジスタには、その他に、そのフローが入力されるものであるのか、出力されるものであるのかについての情報、そのレイヤ2識別子であらわされるチャネルに確保された帯域量、そのチャネルを使用している端末をカウントするカウンタ等の領域が用意されている。
【0089】
図14に示すように、ここでは、確保されたチャネルには帯域が確保されないので、レイヤ3フローレジスタの帯域の項目欄には、例えば「0」が記入されている。
【0090】
このチャネルに対して宛先がIPマルチキャストアドレスが「IPm」であるIPフローが流れ込むことになるため、フロー識別子として、受信側IPアドレスには「IPm」を、受信側ポート番号には、番号が限定されている時はその番号(例えばPORT1)を、限定されていない時は例えば「0」を記入する。本実施形態では、特に限定が無いため「0」を記入する。IPマルチキャストアドレスは、送信端末は限定されないため、送信端末や送信ポート番号にはそれぞれ「0」が記入される。
【0091】
レイヤ2識別子としては、ここではレイヤ2種別として「IEEE1394」、識別子種別として「同期チャネル番号」が記入され、識別子としては、先に確保された同期チャネル番号である「#x」が記入される。
【0092】
方向としては、基本的にこのIGMPルータがこれらのIPマルチキャストパケットを送信するものとして「順方向」とする。
コネクションカウンタは、この非同期ストリームを受信していると考えられるノードの数を表すカウンタである。受信者はこの時点で受信端末2102のみであると考えられるので、カウンタ値「1」が入力される。
【0093】
なお、このレイヤ3フローレジスタは、IEC1883にて使用されるプラグコントロールレジスタおよびそのチャネルで転送されるレイヤ3フローについての情報を格納するレジスタの組み合わせの形で実現しても良い。
【0094】
次に、IGMPルータ2101は、受信端末2102のレイヤ3フローレジスタに対して、図14と同様の情報を書き込む(ステップS2207、図12のステップS2104)。
【0095】
このようにして、レイヤ3フロー情報と、レイヤ2識別子との対応関係が、受信端末2102のレイヤ3フローレジスタに書き込まれることで、受信端末2102は、今後、非同期ストリームのチャネル番号「#x」は、IPマルチキャストアドレス「IPm」宛のIPマルチキャスト用に割り当てられたことが認識できる。受信端末2102は、IPマルチキャストアドレス「IPm」宛のデータグラムについては、チャネル番号「#x」の非同期ストリームを受信すれば良い(ステップS2105)。
【0096】
なお、上記実施形態では、受信端末2102のレイヤ3フローレジスタ内に、そのチャネル番号で示される非同期ストリームあるいは同期チャネルから流れてくるIPフローが、入力されてくるのか、出力するものなのかについての情報が書かれているが、レイヤ3フローレジスタを入力用と出力用とを分けて用意しておき、これらを適当に使い分けることも可能である。
【0097】
さて、図12の説明に戻り、受信端末2103が続いて同じIPマルチキャストアドレス「IPm」に加入を希望しているものとする。IGMPによる加入手続きがIGMPルータ2101と受信端末2103の間で行われる(S2106)。
【0098】
そして、IGMPルータ2101では、図13のフローチャートに示したような処理動作を実行する。すなわち、IGMPルータ2101は、すでにこのIPマルチキャストアドレス「IPm」についてのサービスを開始しているため、自らのレイヤ3フローレジスタのコネクションカウンタをインクリメントし(例えば、コネクションカウンタの値を「2」とする)、さらに受信端末2103のレイヤ3フローレジスタに、受信端末2102の同レジスタと同じ情報を書き込んで、チャネル番号とIPフローの対応関係を通知する。
【0099】
なお、IPマルチキャストアドレス「IPm」に加入している端末数は、IGMPルータ2101が把握しており、各端末が把握する必要は必ずしもないため、各受信端末2102、2103の同レジスタに書き込まれるコネクションカウンタの値は、例えば「1」でも良い。
【0100】
以上はIPマルチキャストアドレスへの加入手続きについての説明であったが、次に、脱退の時のIGMPルータ2101の動作について、図15に示すフローチャートを参照して説明する。
【0101】
脱退の場合、IGPMルータ2101は、受信端末のいずれかかからIPマルチキャストアドレス「IPm」への脱退手続きを受信した場合(ステップS2301)、あるいは、受信端末のいずれかからのIPマルチキャストアドレス「IPm」を受信し続けているとのキープアライブ信号であるIGMP REPORTを一定時間以上受信しなかった場合(ステップS2302)、当該受信端末が上記IPマルチキャストアドレス「IPm」の受信を止めるものと判断し、自らのレイヤ3フローレジスタのコネクションカウントの値をデクリメントする(ステップS2303)。
【0102】
IGMPルータ2101のレイヤ3フローレジスタに書き込まれるコネクションカウントの値は、そのIEEE1394バス上における、IPマルチキャストアドレス「IPm」に加入している端末の数であるため、この値が「0」になったとき(ステップS2304)、そのIEEE1394バス上にIPマルチキャストアドレス「IPm」を受信している端末はもはやなくなったものと判断し、そのIPマルチキャストアドレス「IPm」から脱退する(ステップS2305)。
【0103】
これと前後して、脱退した受信端末に脱退した旨を伝えるため、その受信端末のレイヤ3フローレジスタに、例えばオール「0」の値を書き込むなどの動作を行なってもよい。
【0104】
なお、このIPマルチキャストアドレス加入、あるいは加入後の一連の過程でIEEE1394バスでバスリセットが引き起こされた場合においても、これらのIPマルチキャストアドレスについての情報を保持しつづけ、レジスタ(レイヤ3フローレジスタ)の値も保持しておくことで、迅速なIPマルチキャストデータグラム受信の復帰を行なうことが可能である。
【0105】
繰り返しになるが、IPマルチキャストアドレス「IPm」宛ての全てのパケットは、チャネル番号「#x」にて表される非同期ストリームを通じて送受信されるものとなる。なお、IGMP等の制御パケットについては、当該マルチキャストアドレスに対応する非同期ストリームを使用しても良いし、またはデフォルトの非同期ストリーム(ARP(Address Resolution Protocol)やIPブロードキャスト等のために割当てられた非同期ストリームのチャネルや非同期のブロードキャストを用いて、これを通信しても良い。
【0106】
また、IPマルチキャスト加入時にIGMPの制御パケットや、IPアドレス=「224.0.0.1」等の全ホストが宛先アドレスのIPパケット等が流れるチャネルとしては、デフォルトの非同期ストリーム、もしくは非同期ライトのブロードキャストのいずれかを使用する。
【0107】
(2−2)
次に、IPマルチキャストを「帯域(QOS)あり」の状態に変更する場合、すなわち、非同期ストリームに対して帯域を与え、これを送受信する場合について図16のシーケンス図を参照して説明する。
【0108】
受信端末2102が、IPマルチキャストアドレス「IPm」宛のデータグラムを受信できるようになるまで(ステップS2501〜ステップS2504)は、図12のステップS2101〜ステップS2105と同様である。
【0109】
このIPマルチキャストについて、帯域ありの伝送が可能である場合、IGMPルータ2101は、RSVP(Resource Reservation Setup Protocol)のPATHメッセージを受信端末(IPマルチキャストアドレス「IPm」)に対して送付する(ステップS2505)。
【0110】
これに対し、このIPマルチキャストを「帯域あり」の状態で受信したい受信端末2102は、上流側(即ちIGMPルータ2101)に対して、RSVPのRESVメッセージを送付して、帯域の確保を要求する(ステップS2506)。
【0111】
IP上の帯域予約プロトコルの一例であるRSVPでは、送信ホスト(上流側のノード)がPATHメッセージをデータと共に送信する。通信帯域などはこの送信ホストが基本的に設定する。これに対して、帯域予約を希望する受信端末は、RESVメッセージを送信ノード宛てに送信する。一般にルータは、PATHメッセージに対応するRESVメッセージを監視して、RESVメッセージを検出すると帯域予約を実行する。ここでは、既に説明したIPマルチキャストアドレスとチャネルの対応が設定されているものとする。
【0112】
受信端末2102からのRESVメッセージを検出すると、IGMPルータ2101は、同期リソースマネージャ2104にアクセスし、帯域を確保する。帯域が確保できた場合は、自らと受信端末2101のレイヤ3フローレジスタに確保した帯域情報(帯域量y)を記入して、帯域確保に成功した旨を伝える(ステップS2507〜ステップS2508)。
【0113】
その後、帯域の確保された同期チャネル(チャネル番号「#x」)を使って、引き続きIPマルチキャストアドレス「IPm」宛のデータグラム配送が行われる(ステップS2509)。
【0114】
なお、この時点で複数の受信端末がいる場合には、各々の受信端末のレイヤ3フローレジスタの帯域の部分をIGMPルータ2101は書き換えてもよい。また、各々の受信端末の同レジスタの書き換えが、受信端末数が多い時などに面倒な作業となるため、受信端末の同レジスタの書き換えは行なわず、自ら(IGMPルータ2101)のレイヤ3フローレジスタの値のみを反映させる方式も考えられる。
【0115】
以上説明したように、非同期ストリームに対して帯域を与える際には、QOSパケットを送信するノードが帯域の確保を行うというルールに従うことにより、複数の受信端末が同時に同じチャネルに対して帯域を確保してしまうような、いわゆる帯域の2重確保を回避することが可能である。また、通常必要な帯域は送信ノードがその値を把握している場合が多いと考えられるため、この観点からも妥当である。
【0116】
(2−3)
さて、これまではレイヤ3フローレジスタを使って、IPマルチキャストフローと、そのフローが流れる同期チャネルまたは非同期ストリームのチャネル番号の対応関係を通知してきたが、これをFANP(Flow AttributeNotificationProtocol)を用いて行なうことも可能である。FANPは、IPデータグラムを用いて、あるデータリンクレイヤのチャネル(例えばIEEE1394の同期チャネルや非同期ストリーム、あるいはATMやフレームリレーの仮想チャネル等)と、そのチャネルを通る上位レイヤのフロー(例えばIPフロー)の対応関係を通知するプロトコルである。
【0117】
この場合の手順を図17に示すシーケンス図を参照して説明する。受信端末2102がIPマルチキャストアドレス「IPm」への加入を希望している場合、IGMPを使った加入手続きは、IGMPルータ2101との間で図12の場合と同様に行なわれる(ステップS2601)。IGMPルータ2101は、このIPマルチキャストアドレス「IPm」のためのチャネルを確保するべく、同期リソースマネージャ2104にアクセスし、チャネル番号「#x」を確保する(ステップS2602)。
【0118】
次に、IGMPルータ2101は、受信端末2102に対して、「チャネル「#x」を通して、IPマルチキャスト「IPm」を提供する」旨を通知するため、IEEE1394のプラグコントロールレジスタとFANPを使う。
【0119】
プラグコントロールレジスタとは、あるチャネル番号を使って提供される、同期チャネル/非同期ストリームを受信、あるいは送信するように促す作用のあるレジスタであり、入力用と出力用が分かれている。このプラグコントロールレジスタを使って、IGMPルータ2101は、受信端末2102に対して、チャネル「#x」を受信するように促す(ステップSS603)。なお、その際、IGMPルータ2101は、自らのプラグコントロールレジスタについても記入を行なってもよい。この場合は、コネクションカウンタに前例と同様なルールで、そのIPマルチキャストアドレスの受信端末の数を記入していってもよい。これにより、そのマルチキャストをそのチャネルから受信しているノード数などの把握を行うことが可能である。
【0120】
次に、IGMPルータ2101は、FANPオファーメッセージとして、図18のようなメッセージを受信端末2102に送付する。このFANPメッセージの宛先はIPマルチキャストアドレス「IPm」であり、また、このFANPメッセージはIEEE1394バスに割り当てられたレイヤ3パケットのブロードキャストチャネル(例えば、特定の非同期ストリームや、ノードID=オール「1」宛のパケット)で送付される。
【0121】
図18に示すように、FANPオファーメッセージには、フロー識別子とレイヤ2識別子が含まれ、前述したようなレイヤ2識別子(本実施形態の場合、チャネル番号「#x」)と、このレイヤ2識別子であらわされるチャネルを通して提供される上位レイヤフロー(本実施形態の場合、IPマルチキャストアドレス「IPm」)との対応関係を通知する(S2604)。
【0122】
その後、このチャネル「#x」を通じて、IPマルチキャストアドレス「IPm」宛のデータグラムが送信されることになる(ステップS2605)。
同様に、他の受信端末2102からの加入要求があった場合(ステップS2606)も、プラグコントロールレジスタへの書き込みと(ステップS2607)、FANPメッセージの送付(ステップS2608)を行なうことで、対応関係の通知を行なうことができる。
【0123】
なお、この場合、FANPメッセージは、IPマルチキャストアドレス宛であるため、受信端末が複数の場合であっても、必ずしもいちいち各々の受信端末宛にFANPメッセージを送付する必要は必ずしもなく、IPマルチキャストアドレス「IPm」宛のデータグラムを1回送信すればよいので、IEEE1394バス上のトラヒックを減らすことが出きる点で有利である。
【0124】
さて、本実施形態においては、プラグコントロールレジスタとFANPオファーメッセージを使って、レイヤ2識別子とレイヤ3フローの対応関係を通知してきた。ここで、FANPメッセージを使わないと上記対応関係の通知はできないが、プラグコントロールレジスタへの書き込みにより、受信端末はこの同期チャネルからのデータ受信は行なうようになるため、必ずしも上記対応関係の通知が必要ない場合は、上記FANPメッセージの送付は省略してもよい。また逆に、FANPメッセージがあれば、受信端末はどのチャネル番号からどのレイヤ3フローが入力されてくるのかを認識することが可能であるため、プラグコントロールレジスタへの書き込み手順を省略することも可能である。
【0125】
(2−4)
次に、同じIPマルチキャストアドレスを用いて、複数のフローが送信される場合の手順を図19に示すシーケンス図を参照して説明する。
【0126】
図19では、IGMPルータ2101から受信端末2101に向ってIPマルチキャストアドレスが「IPm」のマルチキャストパケットが送信される場合、ポート番号が「PORT1」で表されるフロー(ステップS2804)と、「PORT2」で表されるフロー(ステップS2805)の計2つのフローが同時に送信される場合を示している。
【0127】
IGMPによるマルチキャストアドレスへの加入(ステップS2801)、IGMPルータ2101による同期チャネル番号の確保(ステップS2802)については、前述同様である。
【0128】
ステップS2803で、レイヤ3フローレジスタの書き込みを行う際には、特に、ステップS2802で確保した同期チャネル番号「#x」で表される非同期ストリームに送信されるフローは特に限定されず、単にIPマルチキャストアドレス「IPm」のパケットが送信される事のみが限定されることから、ステップS2804とステップS2805の両方のフローが、チャネル番号「#x」で表される非同期ストリームにて転送される。
【0129】
さて、このうちIGMPルータ2101は、「PORT1」で表されるフローについては、QOSありの送信を許容しているものとする。そのため、IGMPルータ2101は、RSVPのPATHメッセージをIPマルチキャストアドレス「IPm」宛てに送信する(ステップS2806)。これに対し、受信端末2101はRESVメッセージを送信することで、帯域の確保を要求する(S807)。すると、IGMPルータは、同期リソースマネージャにアクセスし、RSVPメッセージで指定された、必要な帯域を確保する。ここでは、この値を「y」とする(ステップS2808)。
【0130】
すると、IGMPルータ2101は、受信端末2102に対して、同期チャネル番号「#x」を通して帯域量「y」のデータが、同期チャネルのアービトレーション周期にて送信されることを受信端末2102に通知するため、受信端末2102のレイヤ3フローレジスタに書き込む(ステップS2809)。ステップS2809において、受信端末2102に通知する内容は、レイヤ3フローレジスタを用いる場合に限らず、前述したFANP、あるいはIEC1883のプラグコントロールレジスタを用いても通知できる。どれを用いるかはシステムに依存である。
【0131】
その後のIGMPルータ2101からのIPマルチキャストデータの送信は、帯域確保がされていない「PORT2」で示されるフローについては、ステップS2805でのフローと同様、非同期ストリームを通して送信されるが(ステップS2811)、帯域確保を行った「PORT1」で表されるフローについては、同期チャネルとして(即ち、同期のアービトレーション期間にて)送信される(ステップS2810)。
【0132】
さて、IGMPルータ2101において、同期チャネル「#x」で確保した帯域量「y」以上の帯域のIPマルチキャストデータ(「IPm」宛てのIPマルチキャストパケット)が入り込む可能性がある。これらのパケットをそのまま同期チャネル「#x」に流し込むことは、確保していない帯域分も、このIPマルチキャストパケットが通信資源を消費してしまうことを意味し、望ましくない。
【0133】
そこで、図20のようなアルゴリズムを用いて、帯域が確保されている分については同期チャネルに(ステップS2901、ステップS2902)、確保されていない分については非同期ストリームに(ステップS2901、ステップS2903)それぞれ送信するというルールを作ることにより、確保した以上の帯域量のデータを、該同期チャネルに流し込んでしまうことを防ぐことが出来る。
【0134】
ここで、Tスペックとは、RSVPの予約の時に指定されるトラヒックパラメータのことで、ピークレートやリーキーバケットのバケツの深さ等が指定されてもよい。
【0135】
図20のメカニズムを実現するための構成例を図21に示す。WFQとは、Weighted Fair Queueingの略で、1つの出力ポートを複数のセンダ/フローからのパケットが共有する場合に、フロー毎にあらかじめ指定された量(重みという)の比に従って、送出されるパケット量の比もこれと同じにするパケットスケジューリング方法である。
【0136】
WFQ処理部2201は、このWFQのスケジューリングで、Tスペックを満たすものについては、同期キュー2202に、満たさないものについては非同期キュー2203に入れるものとし、同期キューに溜められたデータは、パケット送信部2204を介して同期のアービトレーション期間に、非同期キューに溜められたデータは、パケット送信部2204を介して非同期のアービトレーション期間にそれぞれ送信される。
【0137】
以上は、帯域を確保した場合にも、同期チャネル番号は同じ値を続けて使用する使い方についてであった。これに対して、帯域確保が必要なチャネルについては、非同期ストリームで利用していたチャネル(「#x」)とは別の同期チャネル(「#z」)を確保する方法も考えられる。
【0138】
この場合の手順について、図22のシーケンス図を参照して説明する。
図22のステップS3101〜ステップS3107において、RSVPのRESVメッセージにて、帯域確保の要求(RESV)が受信端末2101からあるまでは、図19のステップS2801〜ステップS2807と同様である。
【0139】
ステップS3107で、帯域の確保要求を受け取ると、IGMPルータ2101は、これまで使用していた非同期ストリームのチャネル番号(「#x」)とは異なる、同期チャネル番号(「#z」)と帯域量(y)の両方の確保を行う(ステップS3108、ステップS3109)。
【0140】
この場合も「送信者(すなわち、本実施形態の場合、IGMPルータ2101)が、リンクレイヤの必要な帯域を確保する」というルールに従っている。その後、IGMPルータ2101は、受信端末2102のレイヤ3フローレジスタに、「PORT1」で表されるフローについては、同期チャネル番号「#z」で表される(非同期ストリームではなくて)同期チャネルを用いて送信されることを書き込むことで、受信端末2102に通知する(ステップS3110)。なお、ステップS3111において、受信端末2102に通知する内容は、レイヤ3フローレジスタを用いる場合に限らず、前述のように、IEC1883のプラグコントロールレジスタや、FANPを用いて行うこともできる。
【0141】
以後、IPマルチキャストアドレス「IPm」宛てのパケットのうち、「PORT1」で表されるフローについては、同期チャネル「#z」を通して、同期チャネルで転送され(ステップS3111)、それ以外のフローについては、引き続き非同期ストリームにて送信され続ける(ステップS3112)。
【0142】
(2−5)
次に、1つのチャネル番号で示される非同期ストリームあるいは同期チャネルを用いて、複数のマルチキャストデータのセンダがいる場合について、図23を参照して説明する。なお、ここでは、図11の端末2102、2103は、IPマルチキャストへ加入した後は、マルチキャストデータの送受信端末となり、以下、端末2102、2103を端末A、端末Bと呼ぶ。
【0143】
図23は、同一のIPマルチキャストアドレス「IPm」に対して、端末A(IPアドレス「IP1」、1394アドレス「FW1」)と、端末B(IPアドレス「IP2」、1394アドレス「FW2」)の2つの端末がIPマルチキャストパケットを送信する場合を示している。ここで、1394アドレスとは、例えばIEEE1394のノードID等、そのIEEE1394バス上でその端末を一意に識別することの出来るIDを指す。
【0144】
図23のステップS3201〜ステップS304、ステップS3206〜ステップS33208のマルチキャストへの加入、チャネル番号の確保、IPマルチキャストアドレスとチャネル番号との対応関係の通知の手順は、図11と同様である。
【0145】
特徴的な点は、端末A、Bのそれぞれは、IPマルチキャストパケットに同一のチャネル番号「#x」で表されるチャネルに、自らのソースアドレス(「FW1」または「FW2」)を付加して当該パケットを送信する(ステップS3205、S3209、S3210)ことである。
【0146】
このソースアドレスは、フラグメントヘッダと呼ばれる、IPパケットを1394フレームに分割する時に、そのそれぞれの分割片に付与するヘッダに書き込まれる。
【0147】
端末A、Bのそれぞれから送出されるIPマルチキャストのデータ構成の概略を図24に示す。なお、図24(a)は端末Aから送出されるIPマルチキャストのデータ構成で、図24(b)は端末Bから送出されるIPマルチキャストのデータ構成である。図24(a)、(b)に示すように、IPマルチキャストパケット(あるいはこれをフラグメントしたもの)3301、3304をソースアドレスを含むフラグメントヘッダでカプセル化して生成されたフラグメントデータ3302、3305を、更に1394フレーム1303(この場合、同期フレーム)に収めて構成される。
【0148】
受信者は、同一のチャネル番号で示される非同期ストリームから、複数のセンダからのパケットを受け取ることになるが、このようにソースアドレスがそれぞれのフレームに付与されていることで、各々のパケットのリアセンブリを、ソースアドレスを参照することにより、正確に行うことが出来るようになる。
【0149】
以上は、同一のIPマルチキャストアドレスに対して、複数のセンダが送信する場合において、帯域確保が伴わない場合についての説明であった。これに対し、帯域確保を伴う場合の説明を以下に行う。
【0150】
図25において、例えば、図23のS3201〜S3210の手順が終了し、非同期ストリームの形で2つのセンダ、すなわち、端末Aと端末Bとから同一のIPマルチキャストアドレス「IPm」宛てのIPマルチキャストパケットが送信されているものとする(ステップS3401、ステップS3402)。
【0151】
ここで、端末Aが、何等かの形で帯域ありの形でのIPマルチキャストデータの送信を依頼された場合(例えばRSVPのRESVを受信した場合等)や、帯域ありの形でのデータ送信を自ら選択した様な場合、同期リソースマネージャ2104にアクセスして帯域量(y1)を確保要求を行って(ステップS3403)、以後、端末Aは、送信するIPマルチキャストのパケットは、確保された帯域量y1の同期チャネルを通して、かつ、同期のアービトレーション期間に送信する(ステップS3404)。ここで、帯域確保をしていない端末Bは、同じチャネル番号「#x」にIPマルチキャストパケットを送信し続けているものの、送信は非同期ストリームとして、非同期のアービトレーション期間に送信する(ステップS3405)。
【0152】
端末Bが帯域ありの形で送信する場合は、端末Bも同期リソースマネージャ2104にアクセスして、やはり所望の帯域を確保し(ステップS3406)、データ送信を同期のアービトレーション期間内に行うことになる(ステップS3408)。
【0153】
先に確保された帯域をキャンセルする場合は、同期リソースマネージャ2104に対し、その帯域をキャンセルするための要求を行い(ステップS3409)、同期のアービトレーション周期にはパケットを送信しないようにし、もし送信パケットがある場合には、非同期ストリーム(非同期のアービトレーション期間)に送信する(ステップS3410)。
【0154】
これに対して、帯域ありの形でIPマルチキャストを送信する場合には、非同期ストリームで使用していたチャネル番号「#x」とは別のチャネル番号「#z」を持つ同期チャネルで、これを送信する方法も考えられる。この場合について、図26のシーケンス図を参照して説明する。
【0155】
図26において、例えば、図23のS3201〜S3210の手順が終了し、非同期ストリームの形で2つのセンダ、すなわち、端末Aと端末Bとから同一のIPマルチキャストアドレス「IPm」宛てのIPマルチキャストパケットが送信されているものとする(ステップS3501、ステップS3502)。
【0156】
このとき、例えば、RSVPのRESVメッセージなどで、帯域ありの形でのIPマルチキャストパケットの送信を依頼された(例えば、図26に示したように、端末AからのRSVPのPATHメッセージにを受けて端末BからRESVメッセージを受信したとき)、端末Aは、同期リソースマネージャ2104にアクセスし、同期チャネル番号「#z」の確保と、帯域量「y1」の確保を行う(ステップS3503〜ステップS3506)。
【0157】
続いて、確保した同期チャネル番号と、その同期チャネルを通して送信するフローの対応関係を通知するためのFANPメッセージを、該IPマルチキャストアドレス「IPm」宛てに、例えば非同期ストリーム「#x」、またはデフォルトの非同期ストリームなどで送信する(ステップS3507)。これを受信したノードは、どの同期チャネルから、どのようなフローがどのような特性で入力されてくるかを認識することが出来るようになる。なお、前述のように、ここではFANPメッセージを用いて、この対応関係の通知を行っているが、これはレイヤ3フローレジスタ、あるいはIEC1883において使用されるプラグコントロールレジスタを用いても実現が可能なものである。
【0158】
【発明の効果】
以上説明したように、第1の発明(第1の実施形態)によれば、RSVP等のネットワークレイヤのシグナリングプロトコルをIEEE1394上で運用する方式がいまだ決まっておらず、そのままマッピングを行うと、IEEE1394上では通信品質が確保されず、エンドエンドの通信品質が保たれないという問題点に対し、RSVPのIEEE1394バス上での適用方法を示し、IEEE1394上でも、相互接続環境での通信品質を確保した通信が可能となる。
【0159】
また、第2の発明(第2の実施形態)によれば、IEEE1394等の放送型ネットワークにおいて、通信資源を有効に利用してIPマルチキャストを行うことができ、また、確保したチャネルとIPマルチキャストアドレスとの対応関係を送信側、受信側で同期して認識することのできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るネットワーク全体の構成例を示したもので、映像サービスを提供しているビデオサーバからのデータを、公衆網を介して家庭内ネットワークにとりこみ、家庭内ネットワークに接続された端末で、該サービスを受ける状況を説明するための図。
【図2】図1の端末が接続装置、公衆網を通してビデオサーバからビデオを転送してもらうまでの全体の処理手順を示した図で、IEEE1394上の通信資源予約をRSVPの上流のノードが行う場合を示している。
【図3】図1の端末が接続装置、公衆網を通してビデオサーバからビデオを転送してもらうまでの端末の処理手順を示した図。
【図4】図1の端末が接続装置、公衆網を通してビデオサーバからビデオを転送してもらうまでの接続装置の処理手順を示した図。
【図5】接続装置に記憶される対応テーブルの一例を示した図。
【図6】RSVPのPATHメッセージのフォーマットの一例を示した図。
【図7】IEEE1394のPCRレジスタの記述例を示した図。
【図8】図1の端末が接続装置、公衆網を通してビデオサーバからビデオを転送してもらうまでの通信システム全体の処理手順を示した図で、IEEE1394上の通信資源予約をRSVPの下流のノードが行う場合を示している。
【図9】すでに加入したIPマルチキャストアドレスを離脱して異なるIPマルチキャストアドレスに加入し、異なるコンテンツの配送を行う場合について説明するための図。
【図10】IPマルチキャストアドレスは同じで、コンテンツが変わる場合について説明するための図。
【図11】本発明の第2の実施形態に係るネットワーク(IEEE1394バス)全体の構成例を示した図。
【図12】受信端末がIPマルチキャストに加入する場合の手順を説明したシーケンス図。
【図13】IGMPルータにおけるIPマルチキャストアドレスへの加入時の処理手順を説明するためのフローチャート。
【図14】レイヤ3フローレジスタのフォーマットの一例を示した図。
【図15】IGMPルータにおけるIPマルチキャストアドレスからの脱退時の処理手順を説明するためのフローチャート。
【図16】IPマルチキャストのために確保された非同期ストリームに対して帯域を与える場合の手順を説明するためのシーケンス図。
【図17】IPマルチキャストフローとチャネル番号の対応関係をFANPを用いて行う場合の手順を説明するためのシーケンス図。
【図18】FANPオファーメッセージの一例を示した図。
【図19】同じIPマルチキャストアドレスを用いて、複数のフローが送信される場合の手順を説明するためのシーケンス図。
【図20】同期チャネルに予め確保されている帯域量以上のIPマルチキャストデータを送信する場合のIGMPルータの処理動作について説明するためのフローチャート。
【図21】図20のアルゴリズムを実現するための構成例を示した図。
【図22】IPマルチキャストのために確保された非同期ストリームに対して帯域を与え、その帯域を与えられた同期チャネルには非同期ストリームとは異なるチャネル番号を用いる場合の手順を説明するためのシーケンス図。
【図23】同一のIPマルチキャストアドレスに対して複数のセンダがいる場合の手順を説明するためのシーケンス図。
【図24】端末A、Bのそれぞれから送出されるIPマルチキャストのデータ構成の概略を示した図。
【図25】同一のIPマルチキャストアドレスに対して複数のセンダが送信する場合において、さらに帯域確保を伴う場合の手順を説明するためのシーケンス図。
【図26】同一のIPマルチキャストアドレスに対して複数のセンダが送信する場合において、さらに帯域確保を伴う場合には、非同期ストリームとは異なるチャネル番号を用いる場合の手順を説明するためのシーケンス図。
【符号の説明】
101…ビデオサーバ(通信装置、送信端末)
102…接続装置(通信制御装置)
103…端末(通信装置)
104…公衆網
105…第1の家庭内ネットワーク(IEEE1394)
106…第2の家庭内ネットワーク
2101…IGMPルータ(通信装置)
2102…端末装置(受信端末、通信装置)
2103…端末装置(受信端末、通信装置)
2104…同期リソースマネージャ
Claims (3)
- 放送型のネットワークに接続され、ネットワークレイヤマルチキャストアドレス宛てのデータを送信する通信装置であって、
前記ネットワーク上に確立されている放送型チャネルに対する通信帯域を確保する確保手段と、
前記放送型チャネルに帯域が確保されていない場合に、前記ネットワークレイヤマルチキャストアドレス宛てのデータを前記放送型チャネルの帯域が確保されていない周期あるいはコネクションで送信する第1の送信手段と、
前記確保手段により前記放送型チャネルに帯域が確保された場合に、前記ネットワークレイヤマルチキャストアドレス宛てのデータを前記放送型チャネルの帯域が確保されていない周期あるいはコネクションから、前記放送型チャネルの帯域が確保された周期あるいはコネクションに切り替えて送信する第2の送信手段と、
を具備したことを特徴とする通信装置。 - 前記確保手段で帯域が確保された場合の前記第1の送信手段から出力される放送型チャネルの識別子は、帯域が確保されていない場合の前記第2の送信手段から出力される放送型チャネルの識別子と同一の識別子であることを特徴とする請求項1記載の通信装置。
- 放送型のネットワークに接続され、ネットワークレイヤマルチキャストアドレス宛てのデータを送信する通信方法において、
前記ネットワーク上に確立されている放送型チャネルに通信帯域が確保されていない場合に、前記ネットワークレイヤマルチキャストアドレス宛てのデータを前記放送型チャネルの帯域が確保されていない周期あるいはコネクションで送信し、
前記ネットワーク上に確立されている放送型チャネルに対して通信帯域が確保された場合に、前記ネットワークレイヤマルチキャストアドレス宛てのデータを、前記放送型チャネルの帯域が確保されていない周期あるいはコネクションから、前記放送型チャネルの帯域が確保された周期あるいはコネクションに切り替えて送信する
ことを特徴とする通信方法。
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