JP4003950B2 - 燃料電池車のエア供給用機器の取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池を搭載した燃料電池車のエア供給用機器の取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から固体高分子電解質膜を挟んでアノード側電極とカソード側電極とを対設した燃料電池セルをセパレータによって挟持して複数積層することにより構成された燃料電池が開発されていて、この燃料電池を自動車の動力源電池として使用されつつある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この種の燃料電池は、例えば、メタノールの水蒸気改質により生成された水素ガス(燃料ガス)や高圧タンクに貯蔵された水素をアノード側電極に供給するとともに、酸化剤ガス(空気)をカソード側電極に供給することにより、前記水素ガスがイオン化して固体高分子電解質内を移動し、これにより燃料電池の外部に電気エネルギーが得られるように構成されている。
【0004】
図6は、従来の燃料電池車の構造を示す概略図である。
図6に示すように、燃料電池108を搭載した燃料電池車100は、フード101の下方のモータルーム102内にその主要構成部品を収納してなる。燃料電池車100のモータルーム102の前方側には、冷却ファン104およびラジエータ105が配設されている。
【0005】
また、モータルーム102の後方側には、モータルーム102と乗員室106とを隔てる隔壁107が設置されている。その隔壁107の上部のモータルーム102側の内壁には、リンク機構121を介してワイパブレード120を回動させるワイパモータ119が設置されている。そのワイパモータ119のモータルーム102側には、電気化学的エンジン103を作動させるための主要構成部品が配置されている。
【0006】
燃料電池車100は、電気化学的エンジン103を、隔壁107とラジエータ105との間に備えている。その電気化学的エンジン103を作動させることによって、燃料電池108内における水素および酸素の間の電気化学反応により電流が生成される。
【0007】
燃料は、電気化学的エンジン103に配給されて熱を生成する燃焼器110と、その燃料を改質して水素を含むガスを生成する改質器111とを備える水素生成器(図示せず)に配給される。燃焼器110には、空気冷却器117が隣設されている。
【0008】
燃料電池108に酸素を供給するために、電気化学的エンジン103は、例えばエアコンプレッサ112と、燃料電池108のカソードへ加湿された酸化供給物を提供するためのカソード加湿器113とを備える。
【0009】
電流および熱は、水素と酸素を処理することによって燃料電池108内で生成される。生成された電流は、例えば、前部車軸により一対の前車輪に作動的に接続された電動駆動モータ114をパワー供給することができる。その電動駆動モータ114は、マウント部材(図示せず)等を介して車体フレーム(図示せず)に弾性的に支持される。
【0010】
電圧変換器115は、燃料電池108と、電動駆動モータ114との間で作動し、生成された電流の電圧を調整する。エンジンコントローラ116は、燃料の配給を監視し制御する。
【0011】
【特許文献1】
米国特許第6223843号公報(第1頁、第2図)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、燃料電池車100が前方方向に衝突した場合、モータルーム102が前後方向に潰れて変形することがある。衝突したときは、まず、バンパが押されて、次にモータルーム102内の冷却ファン104、ラジエータ105が押されて破壊する。さらに、電気化学的エンジン103が押されて、その電気化学的エンジン103が隔壁107の上方部位に設置されたワイパモータ119等を押圧する。このように、ワイパモータ119は、モータルーム102内の上方に設置された部品によって押されて破壊し、隔壁107を突き破り乗員室106内に押し込まれることがある。
【0013】
したがって、隔壁107の上方部位に設置されたワイパモータ119等は、修理できない程に破壊するという問題点がある。このため、衝突後の修理および再利用を考えると、ワイパモータ119等が設置された隔壁107の上方部位には、衝突時の負荷がかからなくして、破壊されないようにすることが望まれる。
【0014】
本発明の課題は、このような衝突時に、レゾネータと調整器ケースが後方側に移動しないようにパワーコントロールユニットに載置して、レゾネータと調整器ケースの後方に設置された機器等を保護する燃料電池車のエア供給用機器の取付構造を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の燃料電池車のエア供給用機器の取付構造は、燃料電池を搭載した燃料電池車において、ヒートシンクを下方に設け、該ヒートシンクをボディフレームに固定したパワーコントロールユニットと、このパワーコントロールユニットに載置され、前記燃料電池に供給される空気の吸気音を低減するレゾネータと、前記パワーコントロールユニットに載置され、前記燃料電池車内の空気の状態を調整する空気調整器を納めた調整器ケースと、を有し、前記レゾネータおよび前記調整器ケースは、後方側の端部に配置された後方取付部が、前記燃料電池車のモータルームと乗員室とを隔てる隔壁に固定されるブラケットのケース固着面に上向きに傾斜して固定され、前方側の端部に配置された前方取付部が、前記ヒートシンクに固定されたブラケットに、所定の車両前後方向の負荷の入力によって分離可能に固定されたことを特徴とする。
【0016】
請求項1に記載の発明によれば、パワーコントロールユニットの下方にヒートシンクを設置したことにより、ヒートシンクが剛性を備えているため、衝突時におけるパワーコントロールの剛性を向上させて変形等を防止することができる。レゾネータおよび調整器ケースをパワーコントロールユニットに載置したことにより、前方方向の衝突時に、ヒートシンクおよびパワーコントロールユニットが衝撃荷重を受け止める。このため、その上に載置されたレゾネータおよび調整器ケースは、パワーコントロールユニットにより、後方に移動することが阻止されるため、レゾネータおよび調整器ケースの後方に設置された機器等が大きな衝撃を受けることがなく、大破することが防止される。
【0018】
さらに、請求項1に記載の発明によれば、レゾネータおよび調整器ケースの後方の一部を隔壁に係止したことにより、レゾネータおよび調整器ケースが上方向に移動し易くなる。このため、衝突時にレゾネータおよび調整器ケースが後方側に押されると、レゾネータおよび調整器ケースが係止した箇所を中心として上方向に回動して後方に移動することを阻止することができる。これにより、前記隔壁の上部に設置した機器等がレゾネータおよび調整器ケースに押圧されて破壊することを防止することができる。
【0019】
本発明に係る燃料電池車のエア供給用機器の取付構造は、レゾネータおよび調整器ケースと、隔壁とを係止する取付部を鉛直上方側に斜めに形成することが好ましい。
このような構成にすれば、前方からの衝突荷重を上方に逃がすことができることにより、その衝突荷重を受けたレゾネータおよび調整器ケースを上方向にスムーズに回動させることができるため、レゾネータおよび調整器ケースの後方側に設置した機器等を保護することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る燃料電池車のエア供給用機器の取付構造の一実施の形態を詳細に説明する。
なお、本発明の実施の形態では、「前」は車両のフロント側、「後」は車両のリア側、「上」は鉛直上方側、「下」は鉛直下方側とする。
【0021】
図1は、本発明の実施形態に係る燃料電池車のエア供給用機器の取付構造を示す図で、モータルーム内の状態を示す概略側面図である。
【0022】
図1に示すように、燃料電池車1には、前方(矢印F方向)の上方にフード2があり、このフード2内のモータルーム3に、パワーコントロールユニット4、エア供給用機器5、エアクリーナ6、エアポンプ7、走行モータ8、ラジエータ9およびワイパモータ10等を収納している。
【0023】
フード2は、モータルーム3を開閉する蓋体であり、例えば、圧延鋼板からなる。モータルーム3は、鋼製板材で形成された隔壁11により燃料電池車1を乗員室1aから分離している。モータルーム3の後方(矢印R方向)には、そのモータルーム3の後方(矢印R方向)の内壁を形成する前記隔壁11が配設され、前方(矢印F方向)にはラジエータ9がそれぞれ配置されている。そのモータルーム3の中央部には、パワーコントロールユニット4が配置され、下方にはボディサイドフレーム12、エアポンプ7および走行モータ8が配設され、上方にはエア供給用機器5およびエアクリーナ6がそれぞれ設置されている。
【0024】
パワーコントロールユニット4は、大電流を調整する制御装置であり、熱を発生する。このパワーコントロールユニット4は、幅および奥行きに比べて高さの低い扁平な箱型をした防水性を有するユニットボックス4aを有する。
【0025】
このユニットボックス4aには、燃料電池15用のVCU(Voltage Control Unit)、走行モータ8用の駆動ユニット、冷却水循環用のインバータ、エアポンプ7の駆動用のインバータ等が内蔵され(図示せず)、パワーコントロールユニット4を構成している。ユニットボックス4aの下方には、パワーコントロールユニット4で発生した熱を放熱するヒートシンク13が設置されている。そのヒートシンク13は、周囲の複数箇所をブラケット(図示せず)を介してボディフレーム(図示せず)にしっかりと固定される。
【0026】
前記パワーコントロールユニット4は、給水管14により冷却水が循環して冷却される前記ヒートシンク13を下面全体に配設して、発生した熱が冷却される。パワーコントロールユニット4は、燃料電池車1にとって重要な機能を有する部品であるため、衝突した場合であっても、パワーコントロールユニット4の機能を維持できるようにユニットボックス4aには剛性をもたせてある。ユニットボックス4aの剛性は、ヒートシンク13を下に設置したことにより向上して、衝突しても変形し難くなっている。
【0027】
なお、ヒートシンク13に内設された流路の流路壁(図示せず)は、燃料電池車1の前後方向(矢印F,R方向)に沿う壁面が、前後方向(矢印F,R方向)に直交する壁面よりも多くなるように形成されている。その流路は、燃料電池車1の前後方向(矢印F,R方向)に流路の直線部分が多くなるように配設されている。これにより、燃料電池車1の車幅方向に流路の直線部分が多くなるようにした場合と比較して、ユニットボックス4a内の前後方向(矢印F,R方向)の力が負荷されても、流路壁がリブと同様に変形を防止する働きをするため、ユニットボックス4aの剛性を向上して変形し難くなる。そのユニットボックス4aの上方には、エア供給用機器5を載置している。
【0028】
図2は、本発明の実施形態に係る燃料電池車のエア供給用機器の取付構造を示す図で、モータルーム内の状態を示す概略平面図である。図3は、本発明の実施形態に係る燃料電池車のエア供給用機器の取付構造を示す図で、モータルーム内の状態を示す概略背面図である。
【0029】
図2および図3に示すように、エア供給用機器5は、燃料電池15(図1参照)に酸化剤としての空気をエアポンプを介して送る際の吸気音を低減するためのレゾネータ16と、燃料電池15を搭載する車両に関する空気の諸状態を調整する空気調整器17(例えば、調湿器や圧力計、送風機などを含んでいて良い)とからなる。レゾネータ16を収納したレゾネータケース16a、および空気調整器17を収納した調整器ケース17aは、耐熱性樹脂またはアルミニウム等からなり、互いにパワーコントロールユニット4のユニットボックス4a上に並べて載置される。レゾネータケース16aまたは調整器ケース17aのどちらかの後方(矢印R方向)側には、ワイパモータ10が設置されている。
【0030】
図3に示すように、レゾネータ16は、酸化剤用の空気の吸入時に発生した周期的な空気の音を特定周波数の共鳴を利用し、吸気時騒音を抑制するもので、レゾネータケース16aに収納されている。
【0031】
図2に示すように、レゾネータケース16aは、そのレゾネータケース16aをブラケット24,25に固定するためのリブ状または突出片状の取付部16b,16c,16dを周囲の複数箇所に一体形成している。レゾネータケース16aの車幅方向の外側には、エアクリーナ6が設置されている。レゾネータ16とエアクリーナ6は、空気供給管20によって連結され、レゾネータ16内の空気は、空気供給管20によってエアクリーナ6に送られて浄化される。
【0032】
前記取付部16bは、調整器ケース17a側の後端部に一体形成され、ボルト・ナット等からなる締付具18を挿通するための貫通穴(図示せず)を有する。その取付部16bは、バネ座金等の弾性材からなる座金26を介して、締付具18によりブラケット24にしっかりと固定される。取付部16b(図4および図5参照)は、前方向(矢印F方向)に傾けて形成されている。
【0033】
取付部16cは、調整器ケース17a側の前端部に一体形成され、ボルト等からなる締付具28を挿通するための貫通穴(図示せず)を有する。その取付部16cは、座金31を介して、ヒートシンク13に固定したブラケット25のナット部に、締付具28により固定される。なお、取付部16cは、座金30および締付具28の設置面を水平に形成している。
【0034】
取付部16dとその他の図示しない取付部は、車幅方向の外側の前後端部に一体形成され、ボルト・ナット等により、ブラケット(図示せず)を介して隔壁11またはボディフレーム(図示せず)等にネジ止めされる。
【0035】
空気調整器17は、燃料電池15(図1参照)の周囲に換気用の空気を送るためのもので、調整器ケース17aに収納されている。調整器ケース17aは、例えば、耐熱性の樹脂で形成されており、その調整器ケース17aをブラケット24,25に固定するための取付部22,23を前後端部に固定している。調整器ケース17aは、少なくともレゾネータケース16a側の後端部に、前記レゾネータケース16aの取付部16bに対向して取付部22を有し、その取付部22を前側および他の取付部23よりしっかりと締結している。調整器ケース17aの車幅方向の外側には、調整器ケース17内の空気を燃料電池15(図1参照)の周部に送るための換気用空気供給管21(図2参照)が設置されている。
【0036】
前記取付部22は、例えば、断面が略L字状の厚く頑丈な長い金属板材からなり、調整器ケース17の左右後端部にネジ等によりしっかりと固定される。取付部22の取付面22a(図5参照)の左右端部には、ボルト・ナット等からなる締付具19,29を挿通するための貫通穴(図示せず)が穿設されている。
【0037】
図4は、本発明の実施形態に係る燃料電池車のエア供給用機器の取付構造を示す図で、ワイパモータの設置状態を示す要部拡大側面図である。
図4に示すように、前記取付部16b,22は、前方向(矢印F方向)の面をやや上側に向けて傾けて形成している。
【0038】
図5は、本発明の実施形態に係る燃料電池車のエア供給用機器の取付構造を示す図で、調整器ケースを離脱したときのワイパモータの設置状態を示す要部拡大斜視図である。
図5に示すように、前記取付部16bおよび取付部22は、例えば、車幅方向に並べて同じブラケット24のケース固着面24aにしっかりと固定される。
【0039】
図4に示すように、ブラケット24のケース固着面24aは、前方(矢印F方向)側のやや上方向を向くように傾斜している。ブラケット24を隔壁11に堅固する隔壁固着面24bは、後方(矢印R方向)側のやや上方向を向きように傾斜している。
【0040】
図2に示すように、取付部23は、例えば、金属板材からなり、調整器ケース17の左右前端部にネジ止めして、調整器ケース17を締付具32によりブラケット25等に固定される。そのブラケット25等は、調整器ケース17の下方に設置されたヒートシンク13等に固定される。この取付部23は、後方(矢印R方向)の取付部22と比べて、比較的脱落し易く取り付けてある。
【0041】
図1に示すように、前記エア供給用機器5の後方(矢印R方向)には、ワイパモータ装置Wのワイパモータ10が隣設されている。ワイパモータ10は、隔壁11の上端部分を構成するフロントインナカウル11aに設置され、フロントアウタカウル11bに設置されたワイパリンク33を回動させる。ワイパリンク33は、回動することにより、フロントガラス36上に載置された左右のワイパブレード34を設置したワイパアーム35を揺動させて、フロントガラス36の付着した雨滴を払拭する。
【0042】
フロントアウタカウル11bの後方(矢印R方向)側には、ダッシュボードパネル44が配設され、そのフロントアウタカウル11bの上方にはフロントガラス36が配設されている。
【0043】
なお、エア供給用機器5は、モータルーム3と乗員室1aとを隔てる隔壁11に、エア供給用機器5の少なくとも後方(矢印R方向)の一部が係止されていればよい。
【0044】
図3に示すように、前記エアクリーナ6は、エアクリーナ支持具37(図2参照)により車体(図示せず)に固定され、下方には、エアポンプ7に浄化した空気を送るためのエアフロー管38を接続している。そのエアフロー管38の中間位置には、エアフローメータ39が設置されている。
【0045】
前記エアポンプ7の下方には、ボディサイドフレーム12にマウント部8aを弾性的に支持される走行モータ8が設置されている。その走行モータ8の回転により、車輪(図示せず)が回転して燃料電池車1が走行する。
【0046】
エアポンプ7は、合成ゴムや天然ゴム、金属ベローズ等から任意に選ばれた材料からなる継手部材40,41と、アルミニウムからなる圧縮空気供給管42を介してシステムボックス15aに接続している。圧縮空気供給管42は、約45度に傾斜して配置され、中間部位の1点を隔壁11に固定した配管支持具43により吊止している。
【0047】
次に本発明の実施形態に係る燃料電池車のエア供給用機器の取付構造の作用を説明する。
図1に示すように、燃料電池車1が障害物に正面衝突すると、まずバンパが押圧されて押し潰され、次に左右のボディサイドフレーム12が押し潰される。ラジエータ9は、ボディサイドフレーム12に取り付けられた状態で隔壁11側に移動しながらエア供給用機器5、パワーコントロールユニット4、ヒートシンク13および走行モータ8を後方(矢印R方向)に押す。
【0048】
そして、走行モータ8のマウント部8aのマウント部材に、衝突時の負荷がかかり、マウント部材が破断する。すると、走行モータ8がマウント部材から分離して、走行モータ8の自重により落下する。このため、走行モータ8が隔壁11を押圧して、乗員室1aに衝撃を与えることを減少させることができる。
【0049】
パワーコントロールユニット4のユニットボックス4aは、高い剛性を有するとともに、そのユニットボックス4aより僅かに大きく、ボディフレーム(図示せず)にしっかり固定され、かつ剛性材料からなるヒートシンク13上にしっかり載設されている。このため、ユニットボックス4aおよびヒートシンク13は、変形されずに隔壁11側に僅かに移動してストップする。
【0050】
エア供給用機器5は、下方に剛性を有するユニットボックス4aが隣接して配置されていることにより、ラジエータ9の上端部に押されると、そのユニットボックス4aにガイドされて後方(矢印R方向)側に押し上げられる。
【0051】
図2に示すように、レゾネータケース16aおよび調整器ケース17aは、前方(矢印F方向)側の端部に配置された取付部16c,23をネジ止めするブラケット25等に比較的低い負荷で、しかも安定的に分離する。
【0052】
図4に示すように、レゾネータケース16aおよび調整器ケース17a(図3参照)の後方(矢印R方向)側の端部は、取付部16b,22およびブラケット24のケース固着面24aが上向きに傾斜し、エア供給用機器5の他の固定箇所よりしっかりと固定されている。
【0053】
このため、図1に示すように、ラジエータ9により押圧されたレゾネータケース16aおよび調整器ケース17a(図2参照)は、取付部16b,22(図4参照)を中心に矢印Aの上方向に回動して薄い圧延鋼板等からなるフード2を押し上げて、湾曲させる。
【0054】
図5に示すように、このとき、レゾネータケース16aおよび調整器ケース17a(図2参照)は、取付部16b,22の前後にゴム等の弾性材からなる座金26,27を介して支持される構造のため、その座金26,27が撓むことにより、その取付部16b,22の回動が可能となる。
【0055】
図1に示すように、エア供給用機器5であるレゾネータケース16aおよび調整器ケース17aが、矢印Aの上方向に回動したことにより、その後方(矢印R方向)側に設置されたワイパモータ10およびワイパモータ装置Wが押し込まれて衝撃を受けることを回避することができる。これにより、ワイパモータ10およびワイパモータ装置Wは、レゾネータケース16aおよび調整器ケース17aに押圧されて変形することがなくなり、衝突後に修理等を行うことを省略することが可能で、メンテナンス性を向上させることができる。
【0056】
また、モータルーム3内に最上部に設置したエア供給用機器5が衝突時に上方向(矢印A方向)に回動させられるため、エア供給用機器5がフロントガラス36に押圧してそのフロントガラス36を割ることを防止することができる。
【0057】
なお、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その技術思想の範囲内で種々の改造および変更が可能であり、本発明はこれら改造および変更された発明にも及ぶことは勿論である。
例えば、走行モータ8は、自動車を駆動する動力源であれば、その他でもよい。
また、エア供給用機器5は、少なくとも後方の一部が燃料電池車1のモータルーム3と乗員室1aとを隔てる隔壁11に係止されていればよく、他の部分はパワーコントロールユニット4に載置した状態で固定しなくてもよい。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1に記載の燃料電池車のエア供給用機器の取付構造によれば、パワーコントロールユニットの下方にヒートシンクを設置したことにより、ヒートシンクが剛性を備えているため、衝突時におけるパワーコントロールの剛性を向上させて変形等を防止することができる。レゾネータおよび調整器ケースは、パワーコントロールユニットに載置したことにより、前方方向(矢印F方向)の衝突時に、ヒートシンクおよびパワーコントロールユニットが衝撃荷重を受け止める。このため、その上に載置されたレゾネータおよび調整器ケースは、パワーコントロールユニットにより、後方に移動することが阻止されるため、レゾネータおよび調整器ケースの後方に設置された機器等が大きな衝撃を受けることがなく、大破することが防止される。
【0059】
さらに、請求項1に記載の燃料電池車のエア供給用機器の取付構造によれば、レゾネータおよび調整器ケースの後方(矢印R方向)の少なくとも一部を隔壁に係止したことにより、レゾネータおよび調整器ケースが上方向に移動し易くなる。このため、衝突時にレゾネータおよび調整器ケースが後方(矢印R方向)側に押されると、レゾネータおよび調整器ケースが係止した箇所を中心として上方向に回動して後方に移動することを阻止することができる。これにより、前記隔壁の上部に設置した機器等がレゾネータおよび調整器ケースに押圧されて破壊することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る燃料電池車のエア供給用機器の取付構造を示す図で、モータルーム内の状態を示す概略側面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る燃料電池車のエア供給用機器の取付構造を示す図で、モータルーム内の状態を示す概略平面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る燃料電池車のエア供給用機器の取付構造を示す図で、モータルーム内の状態を示す概略背面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る燃料電池車のエア供給用機器の取付構造を示す図で、ワイパモータの設置状態を示す要部拡大側面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る燃料電池車のエア供給用機器の取付構造を示す図で、調整器ケースを離脱したときのワイパモータの設置状態を示す要部拡大斜視図である。
【図6】従来の燃料電池車の構造を示す概略図である。
【符号の説明】
1 燃料電池車
1a 乗員室
3 モータルーム
4 パワーコントロールユニット
5 エア供給用機器
11 隔壁
13 ヒートシンク
15 燃料電池
15a システムボックス
16 レゾネータ
16a レゾネータケース
16b,16c,16d,22,23 取付部
17 空気調整器
17a 調整器ケース
24,25 ブラケット
Claims (1)
- 燃料電池を搭載した燃料電池車において、
ヒートシンクを下方に設け、該ヒートシンクをボディフレームに固定したパワーコントロールユニットと、
このパワーコントロールユニットに載置され、前記燃料電池に供給される空気の吸気音を低減するレゾネータと、
前記パワーコントロールユニットに載置され、前記燃料電池車内の空気の状態を調整する空気調整器を納めた調整器ケースと、を有し、
前記レゾネータおよび前記調整器ケースは、後方側の端部に配置された後方取付部が、前記燃料電池車のモータルームと乗員室とを隔てる隔壁に固定されるブラケットのケース固着面に上向きに傾斜して固定され、
前方側の端部に配置された前方取付部が、前記ヒートシンクに固定されたブラケットに、所定の車両前後方向の負荷の入力によって分離可能に固定されたことを特徴とする燃料電池車のエア供給用機器の取付構造。
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