JP4003905B2 - 静電荷像現像用トナー及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷などにおける静電荷像を現像するための乾式トナー、及び疎の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
静電荷像を現像する方式には、カスケード法、磁気ブラシ法等の天然又は合成の樹脂に極性制御剤、着色剤を分散含有させたトナーと言われる微粉末現像剤を用いる静電現像方式がある。近年、デジタル式複写機、レーザープリンタの発展により、高精細画像、いわゆる高画質化の要求が多い。特に、プリンタのように、今後300dpiから、480dpiや600dpiなど高画質化が主流となる。このためトナーの小粒径化が考えられる。
【0003】
しかし、トナーの小径化はトナー粒子の凝集性、付着性を生じやすく、静電荷像を現像する際補給部のトナーが現像部へ補給されにくく画像濃度が低下する現象、いわゆる補給不良、現像部から感光体へ現像しにくく画像濃度が低下する現象、いわゆる現象不良、感光体から転写されにくく画像濃度が低下する現象、いわゆる転写不良が発生しやすい。これらは、いずれもトナーの小粒径化によるトナー粒子の凝集性、付着性の増加により生じるものである。小粒径化すると、トナーの比表面積が増加し、凝集性、付着性が悪化し、流動性が低下する。凝集性が高いと、現像時、キャリアとの帯電の時、トナーの偏在が生じ、トナーとキャリアの摩擦帯電が十分生じないので短時間での立ち上がりが悪く、帯電のバラツキ、帯電量の低下が生じるのである。
【0004】
このような、帯電のバラツキ、帯電量の低下が生じると、帯電量の低いトナー粒子は非画像部に現像されやすく、地汚れの発生となる。また、画像部に現像されにくく、画像濃度低下が発生する。また、流動性が悪いと、トナー補給不良が生じ、現像部への現像量が低下し画像濃度低下が生じる。流動性は転写においても関連があり、特に重ね画像を形成するフルカラー画像において虫食い状の画像抜けや文字や画像の周りにちり状の汚れが発生したりする。また、付着性が悪いとトナーと感光体部との付着が強く、転写の際、感光体部残量が多く、転写紙への転写量が少ない転写不良が生じ、画像濃度低下や、画像部での白抜け部が生じる。このような凝集性、付着性、流動性の悪化は、小粒径トナーほど顕著になる。
【0005】
これらの問題に対しトナー表面に添加剤を付着する方法が一般に知られている。添加剤は粉砕して得られたトナー粒子に対して添加する方法が一般的であるが、特開昭56−92545号公報および特開昭58−60754号公報などのようにトナー粒子と添加剤を同時に混合機に投入し混合することが一般的であった。この方法は特に小粒径で凝集の強い粒子や低軟化で粘着性の高い粒子において添加剤を粒子表面に均一に混合することが困難であり、上記欠点の改良には不十分であった。一方、より高い流動性を得るために、添加剤の添加量を増加させる方法も提案されており、特公昭54−16229号公報等で開示されている。しかし、この方法においても流動性の向上には限界があり、トナー粒子表面に付着しない浮遊物の発生が多くなり感光体を汚染する等の問題点があった。さらにこの問題を回避するために混合を強くしたり混合時間を長くする等の方法が取られているが、発熱による凝集やトナー表面への添加剤の埋没等の問題点が発生していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の実状に鑑みてなされたものであって、添加剤の適性混合を可能とすることで、地汚れ、画像濃度低下、転写不良による白抜け、転写ちりなどが無い、画像再現性の安定したトナーとその製造方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、上記課題は、少なくとも結着樹脂、着色剤からなる混練物を粉砕することによって得られる重量平均粒子径5〜10μmの乾式トナー粒子に撹拌羽根を有する混合装置により添加剤を混合する工程において、添加剤の混合前にトナーのみによる撹拌を行なうことで添加剤の混合状態が改善されることを見出し、その添加剤混合前の撹拌は、混合機回転数n(1/秒)、羽根直径d(m)、混合時間t(秒)、羽根枚数h(枚)としたとき、n^2×d×t×hが5×10^3〜25×10^4好ましくは15×10^3〜18×10^4で行なうことで改善されることを見出した。前記範囲に調整することで添加剤混合前のトナー粒子が適度に解け添加剤が均一に混合されやすくなる。数値が小さいと解し効果が弱く、大きすぎると熱等の影響で逆に凝集が強くなってしまう。また、前記トナーのみによる撹拌の後5分以内に添加剤の混合を行なうことで更に効果があることを見出した。添加剤混合を速やかに行なわない場合は、再凝集を招くことになり、効果が得られない。
【0008】
また添加剤混合前のトナー凝集度は55%以下である。凝集度はトナーの流動性を示す特性として広く用いられている。凝集度は以下のように求めた。まず上から75μmメッシュの篩、45μmメッシュの篩、22μmメッシュの篩を重ね、試料2gを最上部の篩に入れる。これを、細川ミクロン製パウダーテスターで30秒振動させる。篩内のトナー残量を計量、凝集度を下式にて算出する。
【0009】
【数1】
凝集度(%)={(75μmメッシュの篩内のトナーの残量)+0.6×(45μmメッシュの篩内のトナーの残量)+0.2×(22μmメッシュ内のトナーの残量)}/2.0×100
【0010】
凝集度は粒子形状や粒度分布、添加剤種類・量による調整が可能である。粒度分布についても平均粒径が小さすぎると流動性を確保するのに必要な外添剤の量が増え不適となる。逆に平均粒径が大きいと細部の解像度が不足する等の弊害がある。また、一般的には、同じトナー粒子であれば添加剤の量を増すと凝集度が小さくなり、添加剤の量を減らすと凝集度が大きくなる傾向にある。
【0011】
また、本発明によれば添加剤混合後の凝集度を5〜20%にすることにより改善される。また、同じ凝集度であっても、添加剤混合前に前記処理をすることで効果があることがわかった。さらに、理由は定かでないが疎水されたシリカと酸化チタンとを併用することにより、特に重ね画像を形成するフルカラー方式において、転写ちりの溶融度が増すことがわかった。
【0012】
疎水化されたシリカ微粒子としては、HDK H 2000、HDK H 2000/4、HDK H 2050EP、HVK21(以上ヘキスト)やR972、R974、RX200、RY200、R202、R805、R812(以上日本アエロジル)、TS720(キャボット)がある。
【0013】
また、酸化チタン微粒子としては、P−25(日本アエロジル)、STT−30、STT−65C−S(以上チタン工業)、TAF−140(富士チタン工業)、MT−150W、MT−500B、MT−600B(以上テイカ)等がある。
特に疎水化処理された酸化チタン微粒子としては、アナターゼ型やルチル型の結晶性のものや無結晶性のものを使用することができ、T−805(日本アエロジル)やルチル型としてMT−100S、MT−100T、MT−150A、MT150AFM(以上テイカ)、やSTT−30A、STT−62S−S、(以上チタン工業)、MT−100S、MT−100T(以上テイカ)、IT−S(石原産業)等がある。
【0014】
疎水化処理されたシリカ微粒子およびチタニア微粒子、アルミナ微粒子を得るためには、親水性の微粒子をメチルトリメトキシシランやメチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤で処理して得ることができる。また、ポリシロキサン処理により得ることが出来る。
【0015】
トナーに対して疎水化されたシリカ微粒子は0.1〜1.2重量部であり、更に好ましくは0.2〜0.8重量部である。
シリカ微粒子が多いと転写ちり等の不良が現われ、また少ないと凝集度が高くなり、転写中抜けが多いことが観察された。
酸化チタンも同様に添加することができ、トナーに対して酸化チタン微粒子は0.1〜1.2重量部であり、更に好ましくは0.3〜1.0重量部である。
【0016】
シリカと酸化チタンを同時に添加することで、転写ちり等の不良を抑制することができ、シリカの添加量に余裕度が増す。酸化チタンが多すぎる場合には転写中抜けが発生しやすくなる傾向にある。
シリカと酸化チタンとの混合割合は1/9〜6/4好ましくは2/8〜5/5更に好ましくは3/7〜5/5である。
またその他の添加剤として例えば脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなど)、その他の金属酸化物(酸化アルミニウム、酸化錫、酸化アンチモンなど)、フルオロポリマー等を含有してもよい。
【0017】
本発明はモノクロ及びカラートナー全てに適用が可能であり、1成分、2成分それぞれの現像方式においても適用される。
本発明に用いられるトナー材料に関しては公知のものが全て可能である。
バインダー樹脂としては、ポリスチレン、ポリpークロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレンアクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレンアクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられる。非相溶となる組合せとしては、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体とポリエステルやエポキシ樹脂、エポキポリオール樹脂のように特性の大きく異なる樹脂を混ぜたり、同一樹脂系でも分子量分布が大きく異なるものや置換基の大きく異なる組み合わせでも得ることができる。
【0018】
着色剤としては公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えばカーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレットー3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。使用量は一般にバインダー樹脂100重量部に対し0.1〜50重量部である。
【0019】
本発明のトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。帯電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えばニグロシン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系顔料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。
【0020】
本発明において荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。より好ましくは、2〜5重量部の範囲がよいが、0.1重量部未満では、トナーの負帯電が不足し実用的でない。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、キャリアや帯電部材との静電的吸引力の増大のため、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
【0021】
図1、2に、本発明に使用される撹拌羽根を有する混合機の具体例を示す。図1の断面図に示される構成を持ち、トナー及び炭化剤を混合槽内(2)入れ、撹拌羽根(3)、(4)を回転させ混合する。混合物は排出口(5)から排出される。
【0022】
【実施例】
以下に、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、部数は全て重量部である。
【0023】
〔製造例〕
(製造例1)
ポリエステル樹脂 100部
酸価 3 水酸基価 25
Mn 45000 Mw/Mn 4.0 Tg 60℃
カーボンブラック 10部
ポリプロピレン 5部
四級アンモニウム塩 2部
上記材料をミキサーで混合後2本ロールミルで溶融混練し、混練物を圧延冷却した。その後粉砕条件を変えて処理を行ない、分級の後、表1に示す凝集度の粒子A、Bを得た。
【0024】
(製造例2)
ブラックトナー
水 1200部
フタロシアニングリーン含水ケーキ(固形分30%) 200部
カーボンブラック(MA60 三菱化学社製) 540部
をフラッシャーでよく撹拌する。ここに、ポリエステル樹脂(酸価;3、水酸基価;25、Mn;45000、Mw/Mn;4.0、Tg;60℃)1200部を加え150℃で30分混練後、キシレン1000部を加えさらに1時間混練、水とキシレンを除去後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、マスターバッチ顔料を得た。
ポリエステル樹脂 100部
酸価 3 水酸基価 25
Mn 45000 Mw/Mn 4.0 Tg 60℃
上記マスターバッチ 8部
サリチル酸亜鉛誘導体(ボントロンE84、オリエント化学) 2部
上記材料をミキサーで混合後2本ロールミルで溶融混練し、混練物を圧延冷却した。ここで、顔料の最大径は0.4μmであった。その後粉砕分級を行ない、重量平均粒径7.5μmの粒子Cを得た。
【0025】
(製造例3)
イエロートナー
水 600部
Pigment Yellow 17 含水ケーキ(固形分50%) 1200部
をフラッシャーでよく撹拌する。ここに、ポリエステル樹脂(酸価;3、水酸基価;25、Mn;45000、Mw/Mn;4.0、Tg;60℃)1200部加え、150℃で30分混練後、キシレン1000部を加えさらに1時間混練、水とキシレンを除去後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、さらに3本ロールミルで2パスし、マスターバッチ顔料を得た。
ポリエステル樹脂 100部
酸価 3 水酸基価 25
Mn 45000 Mw/Mn 4.0 Tg 60℃
上記マスターバッチ 8部
サリチル酸亜鉛誘導体(ボントロンE84、オリエント化学) 2部
上記材料をミキサーで混合後2本ロールミルで溶融混練し、混練物を圧延冷却した。ここで、顔料の最大径は0.4μmであった。その後粉砕分級を行ない、重量平均粒径7.5μmの粒子Dを得た。
【0026】
(製造例4)
マゼンタトナー
水 600部
Pigment Red57 含水ケーキ(固形分50%) 1200部
をフラッシャーでよく撹拌する。ここに、ポリエステル樹脂(酸価;3、水酸基価;25、Mn;45000、Mw/Mn;4.0、Tg;60℃)1200部加え、150℃で30分混練後、キシレン1000部を加えさらに1時間混練、水とキシレンを除去後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、さらに3本ロールミルで2パスし、マスターバッチ顔料を得た。
ポリエステル樹脂 100部
酸価 3 水酸基価 25
Mn 45000 Mw/Mn 4.0 Tg 60℃
上記マスターバッチ 8部
サリチル酸亜鉛誘導体(ボントロンE84、オリエント化学) 2部
上記材料をミキサーで混合後2本ロールミルで溶融混練し、混練物を圧延冷却した。ここで、顔料の最大径は0.4μmであった。その後粉砕分級を行ない、重量平均粒径7.5μmの粒子Eを得た。
【0027】
(製造例5)
シアントナー
水 600部
Pigment Blue15:3 含水ケーキ(固形分50%) 1200部
をフラッシャーでよく撹拌する。ここに、ポリエステル樹脂(酸価;3、水酸基価;25、Mn;45000、Mw/Mn;4.0、Tg;60℃)1200部加え、150℃で30分混練後、キシレン1000部を加えさらに1時間混練、水とキシレンを除去後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、さらに3本ロールミルで2パスし、マスターバッチ顔料を得た。
ポリエステル樹脂 100部
酸価 3 水酸基価 25
Mn 45000 Mw/Mn 4.0 Tg 60℃
上記マスターバッチ 5部
サリチル酸亜鉛誘導体(ボントロンE84、オリエント化学) 2部
上記材料をミキサーで混合後2本ロールミルで溶融混練し、混練物を圧延冷却した。ここで、顔料の最大径は0.4μmであった。その後粉砕分級を行ない、重量平均粒径7.5μmの粒子Fを得た。
【0028】
(実施例1)
製造例1で得られた粒子Aをヘンシェルミキサー(FM−20B 三井鉱山株式会社製)に投入し、外添剤投入前に300秒間の撹拌を行なった。この時、混合機回転数n=30(1/秒)、羽根直径d=0.265(m)、羽根枚数h=2(枚)であり、n^2×d×t×h=14.3×10^4となる。この前処理の後疎水性シリカ(R972 日本アエロジル)を0.8wt%添加し180秒混合してトナーを得た。この時、前撹拌終了後から添加剤混合開始までの時間は3分間であった。得られたトナーを一成分現像装置を持つ実験機にて画像を形成し、5000枚の画像を出した後の画像を限度見本と比べて画像の転写不良による白抜け、文字太りそして地汚れ、濃度低下、転写ちりについての評価を行ない画像再現性を確認した。評価結果を表2に記載する。
【0029】
(実施例2)
外添剤混合前の撹拌を30を秒とし、混合機回転数n=20(1/秒)、羽根直径d=0.265(m)、羽根枚数h=2(枚)で、n^2×d×t×h=6.4×10^3とした他は実施例1同様に処理を行なった。評価結果を表2に記載する。
【0030】
(実施例3)
外添剤混合前の撹拌を510秒とし、混合機回転数n=300(1/秒)、羽根直径d=0.265(m)、羽根枚数h=2(枚)で、n^2×d×t×h=24.3×10^4とした他は実施例1同様に処理を行なった。評価結果を表2に記載する。
【0031】
(実施例4−参考例)
前処理終了後から添加剤混合開始までの時間を8分間とした他は実施例1と同様に処理を行なった。評価結果を表2に記載する。
【0032】
(実施例5−参考例)
粒子Bを用いて実施例1同様に処理をした。評価結果を表2に記載する。
【0033】
(実施例6)
製造例2〜5で得られたカラートナーを実施例1と同様にそれぞれ処理を行なった。得られた各色のトナーをフルカラー実験機にて画像を形成し、限度見本と比べての画像の中抜け、文字太りそして地汚れ、転写ちりについての評価を行なった。評価結果を表2に記載する。
【0034】
(実施例7)
実施例3の疎水性シリカの代わりに酸化チタン(MT−150A、テイカ)を1.0重量%添加して各色トナーを得た。実施例6と同様に評価を行なった。評価結果を表2に記載する。
【0035】
(実施例8)
実施例1で添加剤を疎水性シリカ(H2000、ヘキスト)を0.6重量%、酸化チタン(MT−150A、テイカ)を0.9重量%として各色トナーを作製し実施例6と同様に評価を行なった。評価結果を表2に記載する。
【0036】
(比較例1)
製造例1で得られた粒子Bをヘンシェルミキサーに投入し、外添剤投入前に30秒間の撹拌を行なった。この時、混合機回転数n=15(1/秒)、羽根直径d=0.265(m)、羽根枚数h=2(枚)であり、n^2×d×t×h=3.6×10^3となる。この前処理の後疎水性シリカ(R972、日本アエロジル)を0.8wt%添加し180秒混合してトナーを得た。得られたトナーを一成分現像装置を持つ実験機にて画像を形成し、5000枚の画像を出した後の画像を限度見本と比べて画像の転写不良による白抜け、文字太りそして地汚れ、濃度低下、転写ちりについての評価を行ない画像再現性を確認した。評価結果を表2に記載する。
【0037】
(比較例2)
製造例1で得られた粒子Aをヘンシェルミキサーに投入し、外添剤投入前に60秒間の撹拌を行なった。この時、混合機回転数n=30(1/秒)、羽根直径d=0.265(m)、羽根枚数h=2(枚)であり、n^2×d×t×h=28.6×10^4となる。この前処理の後疎水性シリカ(R972、日本アエロジル)を0.8wt%添加し180秒混合してトナーを得た。得られたトナーを一成分現像装置を持つ実験機にて画像を形成し、5000枚の画像を出した後の画像を限度見本と比べて画像の転写不良による白抜け、文字太りそして地汚れ、濃度低下、転写ちりについての評価を行ない画像再現性を確認した。評価結果を表2に記載する。
【0038】
(比較例3)
製造例1で得られた粒子Aに疎水性シリカ(R972、日本アエロジル)を0.8wt%添加し180秒混合してトナーを得た。得られたトナーを一成分現像装置を持つ実験機にて画像を形成し、5000枚の画像を出した後の画像を限度見本と比べて画像の転写不良による白抜け、文字太りそして地汚れ、濃度低下、転写ちりについての評価を行ない画像再現性を確認した。評価結果を表2に記載する。
【0039】
【表1】
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】
以上、詳細かつ具体的な説明から明らかなように、本発明により添加剤の適性混合が可能となり、地汚れ、画像濃度低下、転写不良による白抜け、転写ちりなどがない、画像再現性の安定したトナーを提供することができるという極めて優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に適する撹拌羽根を有する混合機を横から見た図である。
【図2】本発明の実施に適する撹拌羽根を有する混合機を真上から見た図である。
【符号の説明】
1 混合槽
2 混合槽内部
3 撹拌羽根1
4 撹拌羽根2
5 排出口
Claims (3)
- 少なくとも結着樹脂、着色剤からなる混練物を粉砕することによって得られる重量平均粒子径5〜10μmの乾式トナー粒子に撹拌羽根を有する混合装置により添加剤を混合することによって得られる静電荷像現像用トナーであって、添加剤の混合前にトナー粒子のみを該混合装置によって下記条件で撹拌してトナー粒子の凝集度を55%以下とし、次いで該撹拌後5分以内に、トナー粒子100重量部に対し添加剤として疎水化されたシリカ微粒子0.1〜1.2重量部を添加混合してなり、しかも凝集度が5〜20%であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
n^2×d×t×h=5×10^3〜25×10^4
[式中、n:混合機回転数(1/秒)、d:羽根直径(m)、t:混合時間(秒)、h:羽根枚数(枚)] - 少なくとも結着樹脂、着色剤からなる混練物を粉砕することによって得られる重量平均粒子径5〜10μmの乾式トナー粒子に撹拌羽根を有する混合装置により添加剤を混合することによって得られる静電荷像現像用トナーであって、添加剤の混合前にトナー粒子のみを該混合装置によって下記条件で撹拌してトナー粒子の凝集度を55%以下とし、次いで該撹拌後5分後以内に、トナー粒子100重量部に対し添加剤として酸化チタン微粒子0.1〜1.2重量部を添加混合してなり、しかも凝集度が5〜20%であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
n^2×d×t×h=5×10^3〜25×10^4
[式中、n:混合機回転数(1/秒)、d:羽根直径(m)、t:混合時間(秒)、h:羽根枚数(枚)] - 少なくとも結着樹脂、着色剤からなる混練物を粉砕することによって得られる重量平均粒子径5〜10μmの乾式トナー粒子に撹拌羽根を有する混合装置により添加剤を混合することによって得られる静電荷像現像用トナーであって、添加剤の混合前にトナー粒子のみを該混合装置によって下記条件で撹拌してトナー粒子の凝集度を55%以下とし、次いで該撹拌後5分以内に、トナー粒子に対し添加剤としてシリカと酸化チタンの比率が1/9〜6/4の混合物を添加混合してなり、しかも凝集度が5〜20%であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
n^2×d×t×h=5×10^3〜25×10^4
[式中、n:混合機回転数(1/秒)、d:羽根直径(m)、t:混合時間(秒)、h:羽根枚数(枚)]
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