JP4003525B2 - 収納装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、使用状態と格納状態とを切替え配置可能なトレイを備える収納装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の収納装置としては、例えば、実開昭64−40739号公報や実開平3−91244号公報により開示されるものが知られている。
【0003】
図14に示すように、前者の公報に開示される収納装置100(第1従来構成)は、トレイ部101と、ホルダ部102と、これらトレイ部101とホルダ部102とを格納するコンソールボックス103とを備えている。トレイ部101及びホルダ部102は、コンソールボックス103に対して、図14中の矢印A方向及びその逆方向にそれぞれ出没可能となっている。
【0004】
トレイ部101は、その下面の左右方向の両側部101aに沿って形成されたガイド溝104を有している。このガイド溝104に、ホルダ部102の左右方向の側部102aが係入され、ホルダ部102がトレイ部101に対して摺動可能となっている。
【0005】
ホルダ部102は、カップや缶等を挿入するための挿通孔105を有している。同ホルダ部102は、その前記矢印A方向の長さがトレイ部101よりも大きく形成されている。そして、トレイ部101及びホルダ部102の使用時には、ホルダ部102の挿通孔105が、トレイ部101から表出するようになっている。
【0006】
また、図15に示すように、後者の公報に開示される収納装置110(第2従来構成)は、ホルダ部111と、同ホルダ部111の下方に配置される受け部112と、これらホルダ部111と受け部112とを格納する格納部113とを備えている。ホルダ部111及び受け部112は、格納部113に対して、図15中の矢印B方向及びその逆方向にそれぞれ出没可能となっている。
【0007】
ホルダ部111は、カップや缶等を挿入するための挿通孔114を有している。また、ホルダ部111は、その前記矢印B方向の側面における内面側に、下方に向かって突出する係合部115を有している。受け部112は、その上面に開口を有する箱状に形成されている。また、受け部112は、その底面116から上方に向かって突出するとともに、受け部112の内部を前記矢印B方向において2分する中間壁117を有している。前記係合部115は、この中間壁117及び受け部112の前壁118と係合するようになっている。
【0008】
この収納装置110では、ホルダ部111を引き出すと、その係合部115と前記受け部112の前壁118とが係合して、ホルダ部111と受け部112とが重合された状態で移動する。この状態で、ホルダ部111をその挿通孔114が表出するまで移動させることで、カップや缶等を載置することができるようになる。この場合、受け部112の前壁118側の空間119が、カップや缶等の保持部となる。
【0009】
また、ホルダ部111をその挿通孔114が表出するまで移動させた後に、さらに受け部112のみを引き出すと、前記係合部115と前記中間壁117とが係合する。これにより、受け部112の前壁118側の空間119の上方が開放され、その空間119を小物等の収容部として使用することもできる。この場合、受け部112の格納部113側の空間120がカップや缶等の保持部となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来の収納装置においては、それぞれ以下のような問題が生じていた。
【0011】
すなわち、第1従来構成の収納装置100では、トレイ部101とホルダ部102とは、図14中の矢印A方向の動きが連動していなかった。このため、格納状態にあるトレイ部101及びホルダ部102を使用状態に切替え操作する際、それらトレイ部101とホルダ部102とをそれぞれ別に操作しなければならず、操作性の低下を招いていた。また、この第1従来構成の収納装置100では、ホルダ部102の挿通孔105に挿入されるカップや缶等の受け部として別途、例えば、コンソールボックス103に形成された水平面等を必要とするため、取付けの自由度が小さいという問題もあった。
【0012】
また、第2従来構成の収納装置110では、その受け部112に両空間119,120が受け部112の移動方向に沿って配列されている。このため、受け部112が前記矢印B方向に長くなり、格納部113、ひいては収納装置110の全体が同矢印B方向に長くなるという問題があった。
【0013】
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的としては、格納状態から使用状態に切替える際の操作性を向上するとともに、格納状態での切替え方向の長さを短くすることが可能な収納装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、スライド移動によって格納部内に格納された格納状態と、その格納部の外部に位置する使用状態とに配置される複数のトレイを重合した収納装置において、前記トレイの間には、隣り合う一方のトレイが所定量移動するまでは係合状態を維持するとともに、前記一方のトレイが所定量移動した後は、その係合が解除されて、隣り合う他方のトレイのみの移動を許容する係脱手段を設け、最上部トレイの上方に、飲み物用容器の周囲を保持する保持部を設け、前記最上部トレイを格納位置において解除可能にロックするための第1ロック手段と、最上部トレイのロック状態においてその下方に位置するトレイをロックするための第2ロック手段とを備え、前記第1ロック手段が最上部トレイと格納部との間に設けられ、第2ロック手段が前記保持部と最上部トレイの下方のトレイとの間に設けられ、保持部が上方に移動することにより、第2ロック手段によるロックが解除されることを要旨とするものである。
【0015】
上記発明によれば、格納状態から使用状態に切替え配置する際、隣り合うトレイの一方が所定量移動するまでは、その隣り合うトレイは重合状態で移動する。そして、前記隣り合うトレイの一方が所定量移動した後は、隣り合うトレイの他方のみがさらに移動可能となっている。このように、格納状態から使用状態に切替え配置する際、隣り合うトレイが連動して移動するため、操作性が向上される。また、格納時には、各トレイが重合した状態で格納されるため、収納装置におけるトレイの移動方向における長さを短くすることが可能となる。また、トレイの使用時には、必要に応じて、複数のトレイのいくつかのみを移動させることが可能となり、利便性が向上される。
また、収納装置に、飲み物用容器を保持するカップホルダ機能を付加することができる。また、トレイを格納状態から使用状態に切替え配置する際、最上部トレイが最初に使用状態になるようにすれば、利用頻度の高いカップホルダ機能を容易に使用することができ、利便性が向上される。
また、第1のロック手段により最上部トレイがロックされた状態では、第2ロック手段によりその下方のトレイもロックされる。結果として、最上部トレイ及びその下方のトレイの双方がロックされるため、トレイの意図しない突出を抑制できる。
また、保持部の上方移動により、下方のトレイに対するロックが解除されるため、解除操作が不要であり、ロック解除における煩わしさを避けることができる。
【0016】
(2)請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の収納装置において、前記保持部は、最上部トレイの格納状態では最上部トレイ上に重合され、最上部トレイが格納状態から前記使用状態に切替え配置される際には、前記最上部トレイの移動に連動して、同最上部トレイの底面から所定距離だけ上方に離間するように移動することを要旨とするものである。
【0017】
上記発明によれば、保持部の格納時には、同保持部が最上部トレイに重合された状態でコンパクトに収納される。また、保持部の使用時には、同保持部が最上部トレイの移動に連動して使用状態に切り替えられる。そして、飲み物用容器が、所定の間隔を有するトレイ部と保持部とにより安定した状態で保持される。
【0018】
(3)請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の収納装置において、第2ロック手段は、前記保持部に形成された係合突起を備え、その係合突起が最上部トレイの透孔を介して最上部トレイの下方のトレイの一部に係合することによりそのトレイがロックされることを要旨とするものである。
【0019】
従って、保持部に係合突起を一体形成して、最上部トレイに透孔を、その下方のトレイに係合突起が係合される部分を形成すればよい。このため、部品点数が増えることがなく、構成は極めて簡単である。
【0020】
(4)請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の収納装置において、前記保持部における開口部の間隔を、同開口部に挿入された飲み物用容器の外径に応じて調節する間隔調節機構を設けたことを要旨とするものである。
【0021】
上記発明によれば、外径または幅の異なる種々の飲み物用容器を、保持部により保持することが可能になる。このため、飲み物用容器の外径または幅の大小に関わらず、安定した状態でその飲み物用容器をより確実に保持することが可能となり、利便性がさらに向上される。
【0028】
(5)請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の収納装置において、前記間隔調節機構と対向するように設けられ、格納状態から使用状態に切替え配置される際には、前記最上部トレイの移動に連動して引き起こされるとともに、前記保持部と前記最上部トレイの底面との間に配置され、前記保持部により保持された飲み物用容器の外面に当接する補助支持部を備えることを要旨とするものである。
【0029】
上記発明によれば、飲み物用容器の外周面が保持部と補助支持部とにより保持され、飲み物用容器がさらに安定した状態で支持される。
【0030】
(6)請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の収納装置において、前記トレイのうち、最下部に配設される最下部トレイは、格納状態で外部に表出する側面に、前記格納状態から前記使用状態に切替え配置される際に操作者の指または棒状体が引掛けられる引掛部を有し、前記保持部には、前記引掛部の少なくとも一部と対応する位置に凹部を有することを要旨とするものである。
【0031】
上記発明によれば、操作者の指や棒状体を引掛部に対して容易に挿入することが可能になる。このため、各トレイを格納状態から使用状態に切替え配置する際の操作をより確実に行うことが可能となる。
【0032】
(7)請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の収納装置において、前記最下部トレイと異なるトレイには、前記引掛部と対応する位置に切欠部を有することを要旨とするものである。
【0033】
上記発明によれば、トレイを格納状態から使用状態に切替え配置する際、引掛部に挿入された操作者の指や棒状体が最下部トレイ以外のトレイに引っ掛かることが抑制される。このため、各トレイの格納状態から使用状態への移動を、所定の移動量でもってより確実かつ容易に行うことが可能となる。
【0034】
(8)請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の収納装置において、前記格納状態では、前記トレイのうち、最上部に配設される最上部トレイまたは最下部に配設される最下部トレイの前壁面のみが外部に表出することを要旨とするものである。
【0035】
上記発明によれば、格納部に格納されたトレイが、最上部トレイまたは最下部トレイの前側壁面により外部から視認されなくなる。このため、収納装置の意匠性が向上される。
【0036】
(9)請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の収納装置において、前記トレイの表出する部分を一旦格納部側へ押し込むことにより、そのトレイの格納状態を解除するプッシュオープン機構を備えることを要旨とするものである。
【0037】
上記発明によれば、トレイを格納状態から使用状態に切替え配置する際における収納装置の操作性が向上される。
【0038】
(10)請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか一項に記載の収納装置において、前記係脱手段は、隣り合う各トレイの対向面上に対をなすように設けられ、凹凸嵌合により、前記隣り合うトレイを連動させる凹部と凸部とからなることを要旨とするものである。
【0039】
上記発明によれば、簡単な構成で、トレイを格納状態から使用状態に切替え配置する際に、隣り合うトレイを連動させることが可能となる。また、隣り合うトレイの一方を所定量移動させた後に、僅かな力を加えることで、隣り合う他方のトレイを容易に移動させることが可能となる。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を、車両の後部座席用のアームレスト部に装着される収納装置に適用した一実施形態について、図1〜図13を参照して説明する。
【0041】
図1〜図6に示すように、この収納装置は、最上部トレイとしての上側トレイ20と、その上側トレイ20の下方に重合された最下部トレイとしての下側トレイ21と、これら両トレイ20,21が格納される格納部22とを備えている。そして、格納部22が前記アームレスト部(図示略)内に取着されている。また、各トレイ20,21は、車両の後部座席に着座する操作者としての乗員等によって、図1中に示す矢印C及びその逆方向にスライド移動され、格納状態と使用状態とに切替え配置されるようになっている。
【0042】
前記格納状態は、両トレイ20,21がともに格納部22内に格納された状態(図2参照)である。また、前記使用状態は、以下の2つの状態がある。すなわち、1つは、両トレイ20,21が格納部22の開口22aを介して車室内に移動され、上側トレイ20の底面としてのプレート部23が車室内から視認される状態(図3参照)である。この際、下側トレイ21のプレート部24は、上側トレイ20に覆われている。そして、もう1つは、図3にて示した使用状態から下側トレイ21のみがさらに車室内に移動され、両トレイ20,21の底面としてのプレート部23,24がともに車室内から視認される状態(図4参照)である。なお、ここでは、上側トレイ20のプレート部23のみが車室内から視認可能な状態を第1使用状態とし、両トレイ20,21のプレート部23,24がともに車室内から視認可能な状態を第2使用状態とする。
【0043】
本実施形態では、図4に示すように、下側トレイ21は、その先端側の端辺にプレート部24から上方に向かって突出する下側前方側壁25を有している。図2に示すように、同下側前方側壁25は、前記格納状態で格納部22の開口22aをほぼ塞ぐように形成されている。そして、格納状態では、下側前方側壁25の前壁面25aのみが、外部としての車室内に表出し、格納部22内の格納物が車室内からは視認されないようになっている。また、この下側トレイ21の下側前方側壁25は、前記格納状態から第1及び第2使用状態に切替え配置される際に、前記乗員の指が引掛けられる引掛部となっている。
【0044】
また、下側トレイ21は、その図1中の矢印Cの移動方向と平行をなす両端辺に側方側壁26が形成されている。図6に示すように、側方側壁26は、下側トレイ21のプレート部24から上方に向かって突出している。また、図1及び図4に示すように、側方側壁26は、その前記矢印C方向側の端部が下側前方側壁25に連続するように形成されている。
【0045】
上側トレイ20は、図6に示すように、その下側トレイ21の側方側壁26と対応する位置に、断面略逆U字形のガイド溝27を有している。同ガイド溝27には、その内面から側方に突出する突条28が形成されている。一方、前記下側トレイ21の側方側壁26には、その突条28と係合するように凹溝29が形成されている。そして、それら突条28と凹溝29とが係合するように下側トレイ21の側方側壁26が、上側トレイ20のガイド溝27内に摺動可能に係入されている。
【0046】
また、図2〜図4及び図6に示すように、上側トレイ20は、その先端側の端辺にプレート部23から上方に向かって突出する上側前方側壁30を有している。同上側前方側壁30には、前記下側トレイ21の引掛部である下側前方側壁25と対応するように切欠部31が形成されている。
【0047】
また、図2〜図4及び図6に示すように、上側トレイ20の上方には、カップや缶などの飲み物用容器の周囲を保持する保持部40が配置されている。図1に示すように、保持部40は、前記飲み物用容器が挿入される2つの開口部41と、下側トレイ21の下側前方側壁25の中央部と対応する位置に形成された凹部40aとを有している。凹部40aは、保持部40の先端側、すなわち図1中の矢印Cの移動方向側の端部における開口部41の間に形成されている。
【0048】
この保持部40は、前記格納状態では、上側トレイ20のプレート部23に接近して重合するようになっている(図2参照)。また、前記第1及び第2使用状態では、上側トレイ20の移動に連動して、上側トレイ20のプレート部23から所定距離だけ離間すべく引き起こされるようになっている(図3、図4参照)。
【0049】
図1〜図5に示すように、保持部40は、2つの支持部により、上側トレイ20に対して上下動可能に支持されている。この支持部の1つは、保持部40の前記先端側の端部の近傍に接続される第1支持部42である。第1支持部42は、その一端42a側が、係止ピン43を介して保持部40に対して回動可能に接続されている。また、第1支持部42は、その他端42b側が二又状になっている。そして、第1支持部42の他端42bは、それぞれが上側トレイ20における基端側の端辺、すなわち図1中の矢印C方向とは逆方向側の端辺近傍で係止ピン44を介して上側トレイ20に対して回動可能に接続されている。
【0050】
もう1つの支持部は、保持部40の基端側、すなわち図1中の矢印C方向とは逆方向側の端部の近傍に接続される第2支持部45である。第2支持部45は、その一端45a側が二又状になっており、この二又部46には、その前記上側トレイ20のガイド溝27(図6参照)と平行をなす側面に長穴状の開口を有するガイド穴47が形成されている。ガイド穴47には、係止ピン48が挿通されており、その係止ピン48は、ガイド穴47の一端47aと他端47bとの間を往復動する。前記保持部40の基端側の端部は、係止ピン48を介して第2支持部45に接続されている。
【0051】
また、第2支持部45は、その他端45b側も二又状になっている。そして、第2支持部45の他端45bは、第1支持部42の分岐部42c近傍で係止ピン49を介して上側トレイ20に対して回動可能に接続されている。なお、係止ピン49には、弦巻ばね(図示略)が巻回されており、この弦巻ばねの付勢力によって、第2支持部45が上側トレイ20に対して常に起立する方向に付勢されている。
【0052】
また、図2〜図5に示すように、第2支持部45には、その他端45b近傍に、外方に向かって突出する突出部50が形成されている。同突出部50は、前記第1及び第2使用状態では、第1支持部42の分岐部42cに当接して、第1支持部42の一端42aを所定距離だけ上側トレイ20から離間させるべく、同第1支持部42を持ち上げる役割を担っている(図3、図4参照)。一方、突出部50は、前記格納状態では、第1支持部42の分岐部42cには当接しないようになっており、第1支持部42は持ち上げられることなく、その一端42aが上側トレイ20に接近した状態となる(図2参照)。つまり、この格納状態では、保持部40が上側トレイ20にほぼ重合した状態となる。
【0053】
図1に示すように、保持部40には、前記開口部41内に挿入された飲み物用容器の外径に応じて開口部41の内周面の間隔を調節する間隔調節機構60が設けられている。本実施形態では、間隔調節機構60は、開口部41の内周面からの突出量が異なる2つの保持片、すなわち、突出量の小さい外周側保持片61と、突出量の大きい中心側保持片62とを備えている。
【0054】
図10に示すように、外周側保持片61と中心側保持片62とは、保持部40の前記先端側で固定された係止ピン63を介して、それぞれ独立して回動可能にかつ重合するように支持されている。そして、各保持片61,62は、保持部40とほぼ平行な状態をなす基準位置と、保持部40とほぼ直角な状態をなす折曲位置との間で回動されるようになっている。なお、各保持片61,62は、係止ピン63に巻回された弦巻ばね(図示略)の付勢力によって、それぞれ前記基準位置に配置される方向に常に付勢されている。
【0055】
また、前記第1支持部42の分岐部42cには、保持部40の開口部41内に挿入された飲み物用容器の外面に当接して、その飲み物用容器を補助的に支持する補助支持部51が一体的に形成されている。図1に示すように、補助支持部51は、分岐部42cの一部が間隔調節機構60と対向するよう上側トレイ20の両ガイド溝27に向かう方向に延設されることで形成されている。そして、補助支持部51は、前記格納状態から第1及び第2使用状態に切替え配置される際に上側トレイ20の移動に連動して引き起こされ、保持部40と上側トレイ20のプレート部23との間に位置するようになっている。
【0056】
また、図2〜図5に示すように、上側トレイ20と格納部22とには、前記格納状態で下側トレイ21の下側前方側壁25の前壁面25aを一旦格納部22側、すなわち図2中の矢印Dへ押し込むことにより、前記格納状態を解除するプッシュオープン機構70が配設されている。このプッシュオープン機構70は第1ロック手段を構成している。そして、プッシュオープン機構70は、上側トレイ20の基端部20aから突出形成された突出片20bにねじ71を介して揺動可能に取着された係止部72と、格納部22内にハート形のカム面を有するように形成されて、格納状態で係止部72と係合する係止部通路73とを備えている。
【0057】
また、プッシュオープン機構70は、前記格納状態で上側トレイ20を前記第1使用状態に切替え配置させる方向に付勢するばね74を備えている。すなわち、このばね74は、格納状態で上側トレイ20の突出片20bに折曲形成された折曲片20cに圧縮状態で当接して、上側トレイ20を図2中の矢印D方向とは逆方向に付勢している。また、ばね74は、前記第1及び第2使用状態では、前記上側トレイ20の折曲片20cには当接せず、格納部22の基端部22bの内面から開口22aに向かって突出するばね保持部75により、格納部22から離脱しないように保持されている。
【0058】
図1及び図7に示すように、格納部22の側壁22cには、ガイド孔80が形成されている。同ガイド孔80は、格納部22の開口22aから基端部22bに向かう方向(図7中の矢印Eの方向)に延びる長穴となっている。なお、図7では、格納部22の開口22a近傍のみを示している。また、ガイド孔80には、挿通部材81が挿通されており、同挿通部材81は、上側トレイ20のガイド溝27を構成する側壁27aにねじ82を介して固定されている。ここで、ガイド孔80は、前記矢印E方向の長さが、上側トレイ20における前記格納状態から第1使用状態に、及び、第1使用状態から格納状態に切替え配置される際の移動量にほぼ対応している。また、上側トレイ20は、前記格納状態から第1使用状態に切替え配置される際、挿通部材81がガイド孔80の先端側端部80aと当接することで、その移動が規制される。
【0059】
また、図1及び図7に示すように、格納部22の側壁22cと上側トレイ20の側壁27aとの間には、上側トレイ20を移動させる際に所定の摺動抵抗を付与する摺動抵抗付与部83が設けられている。同摺動抵抗付与部83は、格納部22の側壁22cから上側トレイ20の側壁27aに向かって膨出するように湾曲された板ばね84と、同板ばね84を格納部22の側壁22cに固定するためのクリップ85とを備えている。
【0060】
また、クリップ85は、板ばね84の外面の一部を覆う覆い部85aを有しており、この覆い部85aが上側トレイ20の側壁27aに所定の押圧力をもって摺接している。また、上側トレイ20の側壁27aの外面には、前記第1使用状態におけるクリップ85の覆い部85aの摺接位置に対応するように窪み部86が形成されている。この上側トレイ20の窪み部86と格納部22に固定されたクリップ85との係合により、上側トレイ20が第1使用状態に保持されるようになっている。その一方で、上側トレイ20を第1使用状態から格納状態に切替え配置すべく、格納部22側に移動されると、前記板ばね84が弾性変形され、窪み部86とクリップ85との係合が解除される。
【0061】
また、図1及び図8に示すように、上側トレイ20のプレート部23と下側トレイ21のプレート部24との間には、係脱手段としての凹凸嵌合部87が形成されている。凹凸嵌合部87は、下側トレイ21のプレート部24の上面に設けられる凸部88と、前記格納状態及び第1使用状態で、前記凸部88と対応するように上側トレイ20のプレート部23の下面に形成される凹部89とから構成されている。
【0062】
凸部88は、下側トレイ21のプレート部24から上側トレイ20に向かって膨出するように湾曲された板ばね88aと、同板ばね88aを下側トレイ21のプレート部24に固定するためのクリップ88bとを備えている。また、クリップ88bは、板ばね88aの外面の一部を覆う覆い部88cを有しており、この覆い部88cが上側トレイ20のプレート部23の下面及び凹部89に所定の押圧力をもって摺接している。ここで、凸部88と凹部89とは、前記格納状態から第1使用状態に切替え配置される間、または第1使用状態から格納状態に切替え配置される間は、それらの嵌合した状態、すなわち係合状態が維持される。また、前記挿通部材81と格納部22のガイド孔80の先端側端部80aとが当接した第1使用状態から凸部88と凹部89との嵌合力に抗して下側トレイ21がさらに図8の矢印Fの方向移動され、第2使用状態に切替え配置される。この際に、前記板ばね88aが弾性変形され、それら凸部88と凹部89との嵌合が解除される。なお、嵌合力とは、凸部88と凹部89との引っ掛かりによる抵抗と、クリップ88bの覆い部88cと凹部89の表面との摩擦抵抗によって決まる。
【0063】
また、図1及び図9に示すように、上側トレイ20の前記先端側端部におけるガイド溝27の近傍には、プレート部23のねじ穴90に螺入されて、その頭部がプレート部23の下面から下方に突出するストッパねじ91が設けられている。また、下側トレイ21のプレート部24には、前記第2使用状態でストッパねじ91の前記頭部と当接する当接部92が設けられている。下側トレ
イ21は、前記第1使用状態から第2使用状態に切替え配置される際、下側トレイ21の当接部92が上側トレイ20のストッパねじ91と当接することで、格納部22から離間する方向への移動が規制される。
【0064】
前記第1支持部42に下面には、下方へ向かって突出する係合突起131が一体形成されている。その係合突起131と対応するように、上側トレイ20のプレート部23には、係合孔としての透孔132が形成され、さらに、その透孔132と対応するように、下側トレイ21のプレート部24には、同じく係合孔としての透孔133が形成されている。そして、図2に示すように、第1支持部42が下方の倒伏状態に配置されたときには、係合突起131が透孔132を介して透孔133内に進入して、透孔133の内縁と係合し、この係合によって下側トレイ21がロックされる。また、このロック状態から第1支持部42が起立したときには、係合突起131が透孔132,133から抜け出て、下側トレイ21のロックが解除される。この実施形態においては、前記係合突起131及び透孔133により第2ロック手段が構成されている。
【0065】
さて、図2は、上側トレイ20及び下側トレイ21の格納状態を示している。この状態では、プッシュオープン機構70により上側トレイ20がロックされている。また、この状態では、第1支持部42が倒伏位置にあって、係合突起131が透孔132を介して下側トレイ21のプレート部24の透孔133に進入している。このため、この下側プレート部24も移動不能にロックされている。
【0066】
図2に示した格納状態から第1使用状態に切替え配置する際には、下側トレイ21の下側前方側壁25の前壁面25aを、図2中の矢印D方向に押圧する。すると、両トレイ20,21が同方向に移動し、プッシュオープン機構70の係止部72と係止部通路73との係合が解除される。その後、前壁面25aに対する押圧を解除すると、両トレイ20,21は、図5に示すように、ばね74の付勢力によって矢印D方向とは逆方向に所定量移動する。これにより、両トレイ20,21及び保持部40は、それらの先端側端部及びその近傍が格納部22の開口22aを介して車室内に表出する。
【0067】
次に、この状態から第1使用状態に切替え配置する際には、車室内に表出した保持部40の凹部40a内に操作者の指を挿入するとともに、挿入した指を下側トレイ21の下側前方側壁25に引掛けて、下側トレイ21を図5中の矢印G方向に移動させる。
【0068】
すると、両トレイ20,21及び保持部40は、それらの先端側端部から徐々に車室内に表出し、上側トレイ20の移動に連動して、第2支持部45が上側トレイ20のプレート部23に対して徐々に起立する。そして、第2支持部45の起立により、前記係止ピン48が第2支持部45のガイド穴47内を他端47bから一端47aに向かって変位する。同時に、第2支持部45の起立により、第2支持部45の突出部50と第1支持部42の分岐部42cとが当接し、第1支持部42の一端42aが上側トレイ20のプレート部23から徐々に離間する。こうして、保持部40が上側トレイ20のプレート部23から徐々に離間する。そして、上側トレイ20に固定された挿通部材81が格納部22のガイド孔80の先端側端部80aと当接する(図7参照)と、図3に示した第1使用状態に切替え配置される。
【0069】
ここで、前記凹凸嵌合部87における上側トレイ20の凹部89と下側トレイ21の凸部88との嵌合力は、摺動抵抗付与部83により付与される上側トレイ20の格納部22に対する摺動抵抗により生じる上側トレイ20が静止しようとする力に十分に打ち克つように設定されている。これにより、格納状態から第1使用状態になる間は、前記凹凸嵌合部87の嵌合状態が維持されているため、上側トレイ20と下側トレイ21とは重合された状態で共に移動する。
【0070】
一方、第1支持部42の起立により、その係合突起131が前記透孔132,133から抜け出て、下側トレイ21に対するロックが解除される。
次に、第1使用状態から第2使用状態に切替え配置する際には、操作者の指を下側トレイ21の下側前方側壁25に引掛けて、下側トレイ21を図3中の矢印H方向に移動させる。すると、上側トレイ20は、挿通部材81と格納部22のガイド孔80の先端側端部80aとの当接により、それ以上の移動が規制されているため、前記凹凸嵌合部87の嵌合が解除されて、下側トレイ21のみがさらに移動される。そして、下側トレイ21のプレート部24が徐々に車室内に表出する。そして、下側トレイ21の当接部92が上側トレイ20に固定されたストッパねじ91に当接する(図9参照)と、図4に示した第2使用状態に切替え配置される。
【0071】
次に、第2使用状態から格納状態に切替え配置する際には、下側トレイ21の下側前方側壁25を、格納部22に向かう方向、すなわち図4中の矢印I方向に移動させる。これにより、下側トレイ21の下側前方側壁25と上側トレイ20の上側前方側壁30とが接近して第1使用状態となる。この際、凹凸嵌合部87は、下側トレイ21の凸部88が上側トレイ20の凹部89に嵌合して嵌合状態となる。そして、下側トレイ21の下側前方側壁25をさらに矢印I方向に移動させると、第2支持部45が格納部22の開口22aによって上側トレイ20のプレート部23側に傾倒される。この第2支持部45の傾倒にともなって、その第2支持部45の突出部50と第1支持部42との当接が解除され、第1支持部42も、その一端42aがプレート部23に接近するように回動される。これにより、保持部40が上側トレイ20とほぼ重合した状態となる。そして、両トレイ20,21が重合された状態で格納部22内に格納される。最後に、ばね74の付勢力に抗して、下側トレイ21の下側前方側壁25を、格納部22の開口22a内に若干入り込むように押圧して、プッシュオープン機構70の係止部72と係止部通路73とを係合させ、各トレイ20,21を格納状態に切替え配置する。
【0072】
次に、保持部40の間隔調節機構60及び補助支持部51の動作について説明する。図10に示すように、第1または第2使用状態にある保持部40の開口部41に飲み物用容器として、例えば250ml缶95が挿入されると、各保持片61,62は共に前記基準位置のままで、折曲位置に向かって回動はしない。そして、開口部41に挿入された缶95は、開口部41の内周面と、基準位置にある中心側保持片62の先端部と、補助支持部51とにより保持された状態となる。
【0073】
また、図11に示すように、保持部40の開口部41に飲み物用容器として、例えば350ml缶96が挿入されると、中心側保持片62が基準位置から折曲位置に向かって所定角度だけ回動し、その先端部が缶96の外面に当接する。一方、外周側保持片61は、基準位置のままで、折曲位置に向かって回動はしない。そして、開口部41に挿入された缶96は、開口部41の内周面と、所定角度だけ回動した中心側保持片62の先端部と、補助支持部51とにより保持された状態となる。
【0074】
また、図12に示すように、保持部40の開口部41に、飲み物用容器として例えば、米国McDonald's Corporationで用いられるLサイズカップ97が挿入されると、両保持片61,62は、それぞれ基準位置から折曲位置に向かって所定角度だけ回動する。そして、開口部41に挿入されたカップ97は、開口部41の周縁と、それぞれ所定角度だけ回動した両保持片61,62の先端部とにより保持された状態となる。
【0075】
また、図13に示すように、保持部40の開口部41に飲み物用容器として、例えばコカ・コーラ社製の「Diet Coca-Cola」や「コカ・コーラ」の500mlペットボトルのような全周にわたりくびれ部を有するようなペットボトル98が挿入されると、外周側保持片61は基準位置のままである。そして、中心側保持片62が基準位置から折曲位置に向かって所定角度だけ回動し、その先端部がペットボトル98の膨らみ部98aの頂部よりも下方の外面に当接する。そして、開口部41に挿入されたペットボトル98は、開口部41の内周面と、所定角度だけ回動した中心側保持片62の先端部と、補助支持部51とにより保持された状態となる。
【0076】
従って、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、上側トレイ20と下側トレイ21との間に、凸部88(板ばね88a、クリップ88b)と凹部89とからなる凹凸嵌合部87を設けた。これにより、格納状態から第1使用状態に切替え配置する際、両トレイ20,21が連動して移動する。このため、格納状態から第1使用状態に切替え配置する際の操作性を向上することができる。また、格納時には、各トレイ20,21が重合した状態で格納されるため、収納装置におけるトレイ20,21の移動方向における長さを短くすることができる。また、必要に応じて、第1使用状態と第2使用状態とを使い分けることができ、収納装置の利便性を向上することができる。
【0077】
また、凹凸嵌合部87を凸部88と凹部89とから構成したため、簡単な構成でトレイ20,21を連動させることができる。また、凸部88と凹部89との嵌合には、板ばね88aの弾性力を利用している。このため、第1使用状態から第2使用状態に切替え配置する際、上側トレイ20のそれ以上の移動が規制された状態では、僅かな力を加えることで、下側トレイ21のみを容易に移動させることができる。
【0078】
(2)本実施形態では、保持部40を、上側トレイ20の上方に設けた。このため、飲み物用容器を保持するカップホルダ機能を収納装置に付加することができる。また、両トレイ20,21を引き出したとき、上側トレイ20は、最初に使用状態となるため、利用頻度の高いカップホルダ機能を容易に使用することができ、収納装置の利便性を向上することができる。
【0079】
(3)本実施形態では、保持部40に、開口部41の内周面の間隔を調整する間隔調節機構60を設けた。これにより、外径または幅の異なる種々の飲み物用容器を保持部40により保持することができる。このため、飲み物用容器の外径または幅の大小に関わらず、安定した状態でその飲み物用容器をより確実に保持することができ、収納装置の利便性をさらに向上することができる。
【0080】
(4)本実施形態では、保持部40を、第1支持部42と第2支持部45とを用い、格納状態では上側トレイ20のプレート部23と重合するように配置した。そして、第1及び第2使用状態では、保持部40を、上側トレイ20のプレート部23から所定距離だけ離間するように配置した。このため、保持部40の格納時には、同保持部40を格納部22内にコンパクトに収納することができる。また、保持部40の使用時には、同保持部40によって、飲み物用容器を安定した状態で保持することができる。
【0081】
(5)本実施形態では、保持部40の開口部41内に挿入された飲み物用容器を補助的に保持する補助支持部51を設けた。このため、飲み物用容器の外周面が保持部40と補助支持部51とにより保持され、飲み物用容器をさらに安定した状態で支持することができる。
【0082】
(6)本実施形態では、下側トレイ21に下側前方側壁25を設け、保持部40に凹部40aを設けた。これにより、操作者の指を下側トレイ21の下側前方側壁25に対して容易に挿入することができる。このため、各トレイ20,21を格納状態から第1使用状態に切替え配置する際の操作をより確実に行うことができる。
【0083】
(7)本実施形態では、上側トレイ20の上側前方側壁30に切欠部31を設けた。これにより、トレイ20,21を格納状態から第1使用状態に切替え配置する際、下側トレイ21の下側前方側壁25に挿入された操作者の指が上側トレイ20に引っ掛かることを抑制することができる。このため、各トレイ20,21の格納状態から第1使用状態への移動を、所定の移動量でもってより確実かつ容易に行うことができる。
【0084】
(8)本実施形態では、下側トレイ21の下側前方側壁25を、格納状態で、格納部22の開口22aのほぼ全体を覆うように形成して、下側前方側壁25の前壁面25aのみを車室内から視認されるようにした。これにより、格納状態では、格納部22の内部が、下側トレイ21の下側前方側壁25の前壁面25aにより車室内から視認されなくなる。このため、収納装置の意匠性を向上することができる。
【0085】
(9)本実施形態では、プッシュオープン機構70を設けた。このため、トレイ20,21を格納状態から第1使用状態に切替え配置する際における収納装置の操作性を向上することができる。
【0086】
(10)本実施形態では、下側トレイ21の周縁に、プレート部24から上方に向かって突出する下側前方側壁25と側方側壁26とを設けた。このため、車両走行時の振動、回転等により、下側トレイ21のプレート部24上に載置される載置物が不用意に落下することが抑制される。
【0087】
(11)本実施形態では、補助支持部51を第1支持部42の分岐部42cに対して一体的に設けた。このため、収納装置を構成する部品の点数が増大することを抑制することができる。
【0088】
(12)本実施形態では、凹凸嵌合部87における上側トレイ20の凹部89と下側トレイ21の凸部88との嵌合力を、摺動抵抗付与部83により付与される上側トレイ20の格納部22に対する摺動抵抗により生じる上側トレイ20が静止しようとする力に十分に打ち克つよう設定した。このため、トレイ20,21を格納状態から第1使用状態に切替え配置する際、下側トレイ21の移動に連動して、上側トレイ20を確実に移動させることができる。
【0089】
(13)本実施形態では、上側トレイ20が格納状態でロックされているときには、下側トレイ21もロックされる。従って、両トレイ20,21の双方が格納状態でロックされるため、両トレイ20,21の意図しない突出を抑制でき、両トレイ20,21を確実に使用,不使用状態に維持することができ、メリハリのある使い方が可能になる。しかも、第1支持部42の上方移動により、下側トレイ21に対するロックが解除されるため、解除操作が不要であり、ロック解除における煩わしさを避けることができる。加えて、以上の機能を達成するための構成として、係合突起131を第1支持部42に一体形成し、透孔132,133をそれぞれ上側トレイ20及び下側トレイ21にそれぞれ形成しただけである。このため、部品点数が多くなることがなく、構成が簡単である。
【0090】
(変形例)
なお、本発明の実施形態は、以下のように変形してもよい。
・前記実施形態では、凸部88を下側トレイ21のプレート部24の上面に設け、凹部89を上側トレイ20のプレート部23の下面に設ける構成とした。しかし、凸部88を上側トレイ20のプレート部23の下面に設け、凹部89を下側トレイ21のプレート部24の上面に設ける構成としてもよい。
【0091】
・また、前記実施形態において、例えば上側トレイ20のプレート部23の周縁に下がり壁を設けるとともに、下側トレイ21の周縁のみにプレート部24の前記下がり壁に係合するような側壁を形成する構成としてもよい。
【0092】
・また、前記実施形態では、凹凸嵌合部87の凸部88を、板ばね88aとクリップ88bと覆い部88cとから構成した。しかし、凸部88を、下側トレイ21のプレート部24を上方に膨出させることにより形成する構成としてもよい。
【0093】
・また、前記実施形態では、トレイ20,21を切替え配置する際、操作者の指を下側トレイ21の下側前方側壁25に引掛けるようにしたが、棒状体を下側前方側壁25に引掛けるようにしてもよい。
【0094】
・また、前記実施形態において、プッシュオープン機構70を省略した構成としてもよい。なお、このようにした場合には、格納状態で、トレイ20,21における外部に表出する部分に、両トレイ20,21を使用状態に切替え配置するための引掛部やつまみ等が配設される。
【0095】
・また、前記実施形態では、下側トレイ21に前壁面25aを設ける構成とした。しかし、例えば、第1使用状態から第2使用状態に切替え配置する際、上側トレイ20のみが移動する場合等には、前壁面を上側トレイ20に設ける構成としてもよい。
【0096】
・また、前記実施形態では、格納状態において、下側トレイ21の下側前方側壁25の前壁面25aのみが格納部22の開口22aを介して車室内に表出する構成とした。しかし、格納状態において、下側トレイ21の下側前方側壁25の前壁面25a以外にも、上側トレイ20等の格納物が車室内に表出する構成としてもよい。
【0097】
・また、前記実施形態では、上側トレイ20の上側前方側壁30に切欠部31を設ける構成とした。しかし、例えば、上側トレイ20の上側前方側壁30の高さが下側トレイ21の下側前方側壁25よりも低い場合等には、切欠部31を省略した構成としてもよい。
【0098】
・また、前記実施形態において、保持部40の凹部40aを省略した構成としてもよい。
・また、前記実施形態において、補助支持部51を第1支持部42とは別に設ける構成としてもよい。また、同補助支持部51を省略した構成としてもよい。
【0099】
・また、前記実施形態において、間隔調節機構60の保持片の数や開口部41に対する突出量等の配設態様は任意に設定可能である。また、間隔調節機構60を省略した構成としてもよい。
【0100】
・また、前記実施形態では、図1に示すように、保持部40は、その左右方向の一部が切除された構成とした。しかし、保持部40は、各開口部41の全周縁が連続する構成としてもよい。また、保持部40は、例えば、その左右方向の一部が開口部41の中心側に回動可能に設けられる構成としてもよい。
【0101】
・また、前記実施形態では、保持部40を、格納状態では上側トレイ20と重合するように、また、第1及び第2使用状態では、上側トレイ20のプレート部23から所定距離だけ離間するように設けた。しかし、保持部40を上側トレイ20のプレート部23から常に一定距離だけ離間するように設ける構成としてもよい。また、保持部40を省略した構成としてもよい。
【0102】
・また、前記実施形態では、2つのトレイ20,21を備える収納装置の例を示したが、トレイの数は2つには限定されない。このトレイを、例えば3つ、4つ等、複数備える収納装置であってもよい。
【0103】
・また、前記実施形態では、収納装置を、車両の後部座席用のアームレスト部に装着する例を示したが、収納装置が装着される部位は、後部座席用のアームレスト部には限定されない。同収納装置を、例えば、車両のセンターコンソールボックスやインストルメントパネル等に装着する構成としてもよい。
【0104】
また、収納装置を車両に装着する構成としたが、収納装置は、車両に装着されることには限定されない。同収納装置を、例えば、航空機、船舶、家具等に装着する構成としてもよい。
【0105】
その他、前記実施形態、並びに以上の記載から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に記載する。
(イ)前記トレイは、前記使用状態で、その周縁に上方に向かって突出する側壁を有することを特徴とする請求項1〜請求項10のうちいずれか一項に記載の収納装置。
【0106】
従って、この(イ)に記載の発明によれば、車両走行時の振動、回転等により、そのトレイ上に載置される載置物が不用意に落下することが抑制されるという効果が得られる。
【0107】
(ロ)前記補助支持部は、前記最上部トレイの移動に連動して前記保持部を前記最上部トレイの底面から所定距離だけ離間させる支持部に一体的に設けられることを特徴とする請求項5に記載の収納装置。
【0108】
従って、この(ロ)に記載の発明によれば、収納装置を構成する部品の点数が増大することを抑制することができるという効果が得られる。
(ハ)前記凹凸嵌合の嵌合力は、前記隣り合うトレイの一方に作用して、前記格納部または隣り合う一対のトレイとは異なる他のトレイに対して静止しようとする力に打ち克つように設定されていることを特徴とする請求項10に記載の収納装置。
【0109】
従って、この(ハ)に記載の発明によれば、隣り合う一対のトレイを格納状態から使用状態に切替え配置する際、隣り合う他方のトレイの移動に連動して、隣り合う一方のトレイを確実に移動させることができるという効果が得られる。
【0110】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、格納状態から使用状態に切替える際の操作性を向上するとともに、格納状態での切替え方向の長さを短くすることが可能になり、しかも、トレイの意図しない突出移動を抑制できる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態の収納装置の第2使用状態を示す平面図。
【図2】図1の4―4線での断面に相当する収納装置の格納状態を示す断面図。
【図3】図1の4―4線での断面に相当する収納装置の第1使用状態を示す断面図。
【図4】収納装置の第2使用状態を示す図1の4―4線断面図。
【図5】収納装置のプッシュオープン機構を解除した状態を示す断面図。
【図6】図1の6―6線断面図。
【図7】挿通部材、摺動抵抗付与部及びそれらの近傍を示す断面図。
【図8】凹凸嵌合部及びその近傍を示す断面図。
【図9】ストッパねじ及びその近傍を示す断面図。
【図10】中心側保持片と外周側保持片との回動状態に関する説明図。
【図11】中心側保持片と外周側保持片との回動状態に関する説明図。
【図12】中心側保持片と外周側保持片との回動状態に関する説明図。
【図13】中心側保持片と外周側保持片との回動状態に関する説明図。
【図14】第1従来構成の収納装置の平面図。
【図15】第2従来構成の収納装置の断面図。
【符号の説明】
20…最上部トレイとしての上側トレイ、21…最下部トレイとしての下側トレイ、22…格納部、23…底面としてのプレート部、25…引掛部としての下側前方側壁、25a…前壁面、31…切欠部、40…保持部、41…開口部、51…補助支持部、60…間隔調節機構、70…プッシュオープン機構、87…係脱手段としての凹凸嵌合部、88…凸部、89…凹部、95…飲み物用容器としての250ml缶、96…飲み物用容器としての350ml缶、97…飲み物用容器としてのLサイズカップ、98…飲み物用容器としての500mlペットボトル、131…係合突起、132…透孔、133…透孔。
Claims (10)
- スライド移動によって格納部内に格納された格納状態と、その格納部の外部に位置する使用状態とに配置される複数のトレイを重合した収納装置において、
前記トレイの間には、隣り合う一方のトレイが所定量移動するまでは係合状態を維持するとともに、前記一方のトレイが所定量移動した後は、その係合が解除されて、隣り合う他方のトレイのみの移動を許容する係脱手段を設け、
最上部トレイの上方に、飲み物用容器の周囲を保持する保持部を設け、
前記最上部トレイを格納位置において解除可能にロックするための第1ロック手段と、最上部トレイのロック状態においてその下方に位置するトレイをロックするための第2ロック手段とを備え、
前記第1ロック手段が最上部トレイと格納部との間に設けられ、第2ロック手段が前記保持部と最上部トレイの下方のトレイとの間に設けられ、保持部が上方に移動することにより、第2ロック手段によるロックが解除される
ことを特徴とする収納装置。 - 請求項1に記載の収納装置において、
前記保持部は、最上部トレイの格納状態では最上部トレイ上に重合され、最上部トレイが格納状態から前記使用状態に切替え配置される際には、前記最上部トレイの移動に連動して、同最上部トレイの底面から所定距離だけ上方に離間するように移動する
ことを特徴とする収納装置。 - 請求項1または2に記載の収納装置において、
第2ロック手段は、前記保持部に形成された係合突起を備え、その係合突起が最上部トレイの透孔を介して最上部トレイの下方のトレイの一部に係合することによりそのトレイがロックされる
ことを特徴とする収納装置。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の収納装置において、
前記保持部における開口部の間隔を、同開口部に挿入された飲み物用容器の外径に応じて調節する間隔調節機構を設けた
ことを特徴とする収納装置。 - 請求項4に記載の収納装置において、
前記間隔調節機構と対向するように設けられ、格納状態から使用状態に切替え配置される際には、前記最上部トレイの移動に連動して引き起こされるとともに、前記保持部と前記最上部トレイの底面との間に配置され、前記保持部により保持された飲み物用容器の外面に当接する補助支持部を備える
ことを特徴とする収納装置。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の収納装置において、
前記トレイのうち、最下部に配設される最下部トレイは、格納状態で外部に表出する側面に、前記格納状態から前記使用状態に切替え配置される際に操作者の指または棒状体が引掛けられる引掛部を有し、前記保持部には、前記引掛部の少なくとも一部と対応する位置に凹部を有する
ことを特徴とする収納装置。 - 請求項6に記載の収納装置において、
前記最下部トレイと異なるトレイには、前記引掛部と対応する位置に切欠部を有する
ことを特徴とする収納装置。 - 請求項1〜7のいずれか一項に記載の収納装置において、
前記格納状態では、前記トレイのうち、最上部に配設される最上部トレイまたは最下部に配設される最下部トレイの前壁面のみが外部に表出する
ことを特徴とする収納装置。 - 請求項1〜8のいずれか一項に記載の収納装置において、
前記トレイの表出する部分を一旦格納部側へ押し込むことにより、そのトレイの格納状態を解除するプッシュオープン機構を備える
ことを特徴とする収納装置。 - 請求項1〜9のいずれか一項に記載の収納装置において、
前記係脱手段は、隣り合う各トレイの対向面上に対をなすように設けられ、凹凸嵌合により、前記隣り合うトレイを連動させる凹部と凸部とからなる
ことを特徴とする収納装置。
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