JP4002773B2 - 光ディスク装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクに欠陥があって記録できない場合でも交替領域を利用して記録する代替機能を備える光ディスク装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
書き込みが可能な情報記録媒体であるＣＤ−Ｒ（Ｃompact Ｄisc Ｒecordable）や、消去及び書換え可能な情報記録媒体であるＣＤ−ＲＷ（Ｃompact Ｄisc Ｒewritable）等の光ディスクに対してレーザ光を照射することで、情報の記録又は再生を行う光ディスク装置がある。
【０００３】
このような光ディスク装置において、データが正しく記録・再生できない欠陥が存在した場合でもデータの信頼性を保証できるようにするために欠陥管理システムが導入されている。このような欠陥管理システムないし方式として、ＤＶＤ−ＲＡＭが知られている他、ＣＤ−ＲＷディスクに対しては、Ｍt．Ｒainierが知られている。
【０００４】
ここでは、ＣＤ−ＲＷディスクに対するＭt．Ｒainierに注目する。このＭt．Ｒainierには、大きく分けてバックグランドフォーマット（Ｂackground Ｆormat）と欠陥管理システムとの２つの機能がある。Ｂackground Ｆormatとは、ＣＤの最小情報単位であるブロック（Ｂlock）単位での書込みを可能にするための固定パケットフォーマット（Ｆixed Ｐacket Ｆormat）を、ホストコンピュータが光ディスクに対してアクセスを行っていないバックグランドで行うものである。
【０００５】
もう一つの機能である欠陥管理システムとは、光ディスク上に後述するような複数のデータ領域ＤＡと交替専用領域ＳＡとが交互に存在し、欠陥領域の交替にこの交替専用領域ＳＡを用いるようにしたものである。また、欠陥情報と交替情報とを管理する欠陥管理テーブルも別途存在し、この欠陥管理テーブルには欠陥領域のアドレスと交替領域のアドレスとが１対１対応で登録されている。即ち、交替したデータ元のアドレスと、交替先のデータのアドレスといった欠陥管理情報は、リードイン領域（Ｌead-Ｉn Ａrea）内のＭＴＡ（Ｍain Ｔable Ａrea）とＰrogram Ａreaの最後の位置にあるＳＴＡ（Ｓecondary Ｔable Ａrea）とに欠陥管理テーブルとして記録される。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
このような欠陥管理システムにおいて、記録領域内のデータを再生する場合には、ホストコンピュータからきた要求範囲内に欠陥があるか否かを欠陥管理テーブルを検索して確認し、交替されているデータが存在する場合には、データ領域ＤＡ内のデータと共に、交替専用領域ＳＡ内のデータも再生し、これらを正しく転送する必要がある。
【０００７】
ところが、このように記録・再生動作を行う毎に欠陥管理テーブルを検索していては、交替を含まないデータ領域ＤＡの記録・再生にも処理時間がかかってしまう。
【０００８】
本発明は、欠陥による交替処理を含まないデータ領域に関する記録又は再生に要する処理時間を短縮できる光ディスク装置を提供することを目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
請求項１記載の発明は、複数のデータ領域ＤＡと交替専用領域ＳＡとが交互に存在するフォーマットの光ディスクに対して情報の記録又は再生を行う光ディスク装置において、
前記複数のデータ領域ＤＡの中のデータ領域ＤＡｎに欠陥がある場合に交替専用領域ＳＡｎを用いて記録する交替処理手段と、
前記交替専用領域ＳＡｎ内に記録された情報の再生のために欠陥領域のアドレスと交替領域のアドレスとを対応付けて欠陥情報と交替情報とを管理する欠陥管理テーブルと、
前記光ディスクのリードイン領域の未使用領域に前記複数のデータ領域ＤＡ毎に当該データ領域ＤＡに対して交替処理が行われたか否かを示すフラグを記録して交替フラグテーブルを作成する交替フラグテーブル作成手段と、
情報の記録又は再生時に前記交替フラグテーブルを参照して前記欠陥管理テーブルを検索するか否かを決定する交替フラグテーブル参照手段と、
前記光ディスクのフォーマットとして前記データ領域ＤＡと交替専用領域ＳＡとの個数が所定数以上であるか否かを判定するフォーマット判定手段を備え、
前記交替フラグテーブル参照手段は前記フォーマット判定手段により所定数以上であると判定された場合に前記交替フラグテーブルを参照し、
所定数未満であると判定された場合には前記交替フラグテーブルを参照せずに前記欠陥管理テーブルを検索することを特徴とする光ディスク装置である。
【００１０】
従って、各データ領域ＤＡｎ毎に当該データ領域ＤＡｎに対して交替処理が行われたか否かを示すフラグを記録して交替フラグテーブルを光ディスクのリードイン領域の未使用領域に作成することにより、情報の記録又は再生時にはこの交替フラグテーブルを参照して欠陥管理テーブルを検索するか否かを決定することで、欠陥による交替処理を含まないデータ領域ＤＡｎに関しては欠陥管理テーブルの検索を要しないため、その記録又は再生に要する処理時間が短縮される。
また、データ領域ＤＡと交替専用領域ＳＡとを交互に有する現状のフォーマットではデータ領域ＤＡと交替専用領域ＳＡとの個数として所定数が規定されているが、今後の動向としては所定数よりも少ないフォーマットの規定が考えられ、その場合には、例えば全て欠陥管理テーブルに収めることも可能で交替フラグテーブルを作成してもそのフラグを判断するのが難しい状況も考えられるが、データ領域ＤＡと交替専用領域ＳＡとの個数が少ないフォーマットの場合には交替フラグテーブルを参照しないので、無駄な交替フラグ検索を省くことが可能となる。
【００１１】
請求項２記載の発明は、請求項１記載の光ディスク装置において、前記交替フラグテーブル作成手段は、前記光ディスクのリードイン領域の所定領域に複数個の同一の交替フラグテーブルを複数個のセクタに亘って連続して作成する。
【００１２】
従って、或るデータ領域ＤＡｎが交替されているか否かを示すフラグを記録したセクタが後にゴミや、傷、劣化などの影響で再生することができなくなる可能性があり、この場合には、データ領域ＤＡｎが交替されているか否かを判定することができないが、複数個の同一の交替フラグテーブルを複数個のセクタに亘って連続して作成することで、或るデータ領域ＤＡｎが交替されているか否かを確実に判定することが可能となる。
【００１３】
請求項３記載の発明は、請求項１又は２記載の光ディスク装置において、前記交替フラグテーブル作成手段は、前記リードイン領域と同一の前記交替フラグテーブルを前記光ディスクのリードアウト領域の所定領域に対しても作成する。
【００１４】
従って、リードイン領域だけでなくリードアウト領域にも交替フラグテーブルを作成することで、或るデータ領域ＤＡｎが交替されているか否かのフラグを再生できる確率がより一層向上する。
【００１５】
請求項４記載の発明は、請求項１ないし３の何れか一記載の光ディスク装置において、前記交替フラグテーブル作成手段は、交替処理が行われたか否かを示すフラグとともに、交替処理が行われている場合にはその交替先頭アドレスも記録した前記交替フラグテーブルを作成する。
【００１６】
従って、或るデータ領域ＤＡｎが交替処理を含む領域である場合、当該データ領域ＤＡｎの記録又は再生は欠陥管理テーブルを検索・確認して行われるが、そのデータ領域ＤＡｎの交替処理が当該データ領域を構成する規定数のパケットの後半でしか行われていないような場合、それ以前のパケット領域に対して、記録又は再生時に欠陥管理テーブルの確認を行うのは無駄であるが、交替フラグテーブルにおいては交替先頭アドレスも記録されているので、その交替先頭アドレスまでは検索を行う必要がなく、交替の行われていないデータ領域ＤＡｎの記録又は再生に要する処理時間をより一層短縮することが可能となる。
【００１９】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施の形態を図１ないし図５に基づいて説明する。本実施の形態の光ディスク装置は、記録可能な記録媒体としてＭt．Ｒainierフォーマットに従うＣＤ−ＲＷディスクなる光ディスク１を対象とし、Ｍt．Ｒainierによる欠陥管理システムを有する情報記録再生装置への適用例を示す。図１はこの情報記録再生装置（ドライブ装置）の構成を示す概略ブロック図である。
【００２０】
光ディスク１はスピンドルモータ２を含む回転駆動手段によって回転駆動される。スピンドルモータ２はモータドライバ３とサーボ手段４とによってＣＬＶ方式等に従い駆動制御される。光ピックアップ５は特に図示しない光源としての半導体レーザ、光学系、フォーカシングアクチュエータ、トラッキングアクチュエータ、受光素子、ポジションセンサ等を内蔵しており、レーザ光を光ディスク１の記録面に照射する。
【００２１】
光ピックアップ５は図示しないシークモータによりスレッジ方向（ディスク半径方向）に移動可能とされている。これらのフォーカシングアクチュエータ、トラッキングアクチュエータ、シークモータは受光素子やポジションセンサから得られる信号に基づきモータドライバ３とサーボ手段４とによってレーザスポットを光ディスク１上の目的の場所に位置させるように制御する。
【００２２】
データ再生時には、光ピックアップ５で得られた再生信号をリードアンプ６で増幅して２値化した後、ＣＤデコーダ７に入力してデインターリーブとエラー訂正の処理を行う。さらに、そのデインターリーブとエラー訂正の処理後のデータをＣＤ−ＲＯＭデコーダ８に入力してデータの信頼性を高めるためのエラー訂正処理を行う。
【００２３】
その後、ＣＤ−ＲＯＭデコーダ８で処理したデータをバッファマネージャ９によって一旦バッファＲＡＭ１０に蓄積し、セクタデータとして揃ったときにＡＴＡＰＩやＳＣＳＩ等のホストインタフェース（Ｉ／Ｆ）１１によってホスト側へ一気に転送する。また、音楽データの場合、ＣＤデコーダ７から出力されるデータをＤ／Ａコンバータ１２に入力してアナログのオーディオ信号を取り出す。
【００２４】
一方、データ記録時には、ＡＴＡＰＩやＳＣＳＩ等のＩ／Ｆ１１によってホストから転送されたデータを受信すると、そのデータをバッファマネージャ９によって一旦バッファＲＡＭ１０に蓄積する。バッファＲＡＭ１０に或る程度のデータが溜まったときに記録を開始するが、その前にレーザスポットを書き込み開始地点に位置させる。その書き込み開始地点はトラックの蛇行によって予め光ディスク１に刻まれているウォブル信号によって求められる。そのウォブル信号にはＡＴＩＰと称する絶対時間情報が含まれており、ＡＴＩＰデコーダ１３によってＡＴＩＰの情報を取り出す。
【００２５】
また、ＡＴＩＰデコーダ１３が生成する同期信号はＣＤエンコーダ１４に入力されて正確な位置でのデータの書き出しを可能にしている。バッファＲＡＭ１０のデータは、ＣＤ−ＲＯＭエンコーダ１５やＣＤエンコーダ１４でエラー訂正コードの付加やインターリーブを行ってレーザコントロール回路１６、光ピックアップ５を介して光ディスク１に記録される。
【００２６】
このような情報記録再生装置は、上述の各部の動作を制御するとともに後述する各機能を実行するためのＣＰＵ１７、ＲＯＭ１８及びＲＡＭ１９からなるマイクロコンピュータ２０を備えている。また、２１は不揮発性メモリである。
【００２７】
ついで、本実施の形態で用いられている光ディスク１であるＣＤ−ＲＷに対するＭt．Ｒainierのフォーマット例を図２を参照して説明する。ディスクフォーマットは図示の如く、内周側から外周側に向けて、リードイン領域（Ｌead-Ｉn Ａrea）、プログラム領域（Ｐrogram Ａrea）、リードアウト領域（Ｌead-Ｏut Ａrea）に大別される。
【００２８】
この内、リードイン領域（Ｌead-Ｉn Ａrea）は、未使用領域とＭＴＡ（ＭainＴable Ａrea）とに２分されている。ＭＴＡは１つのＭＩＰ（Ｍain Ｉnformation Ａrea）と、最大８つの欠陥管理テーブルとしてのＭＤＴ（Ｍain ＤefectＴable）とからなる。ＭＴＡの大きさは可変である。ＭＩＰにはＭＤＴや後述するＳＤＴのアドレス情報や、ディスクのフォーマット状態（後述のＧＡＡ，ＳＡ，ＤＡのサイズやディスクステータス等）が含まれている。ＭＤＴには、交替先のアドレスのみが記録されているフリーエントリー（Ｆree entry）と、欠陥セクタアドレスとその交替先のアドレスが記録されているユーズドエントリー（Ｕsed entry）と、後未使用のＵnusable entryとからなる。
【００２９】
プログラム領域（Ｐrogram Ａrea）においては、まず、pre-gapは１５０ブロックからなり、オレンジブック（Ｏrange Ｂook）に基づいている。ＧＡＡ（Ｇeneral Ａpplication Ａrea）はＭＲＷを実装していないドライブが、ＭＲＷディスクであることを認識するための領域であり、Ｍethod３のドライバなどが含まれている領域である。ＳＡ（Ｓpare Ａrea）は欠陥セクタの交替専用領域である。ＤＡ（Ｄata Ａrea）はユーザ用のデータ領域である。データ領域ＤＡのサイズは１３６パケットであるが、最後のデータ領域ＤＡのみ光ディスク１の容量に合わせて変化する。このようにこのフォーマットでは、データ領域ＤＡと交替専用領域ＳＡとが交互に存在するものであり、Ｍt．Ｒainierのフォーマット例の場合、データ領域ＤＡと交替専用領域ＳＡとの個数は各々６４個に規定されている。
【００３０】
また、本実施の形態では、当該光ディスク装置に対して光ディスク１が挿入され、ディスク情報を取得する際に後述するように交替フラグテーブルの取得も行わせるものであるが、当該交替フラグテーブルの構築はフォーマット時に行われる。もっとも、交替フラグテーブルが存在しない交替ディスクが挿入された場合には、その時点で構築する。この交替フラグテーブル３１は、例えば、図３に示すように、各データ領域ＤＡｎ（ｎ＝１〜ｎ）毎に当該データ領域ＤＡｎに対して交替処理が行われたか否かを示すフラグ（交替Ｆlag）を記録したもので、フラグ＝０が交替処理なし、フラグ＝１が交替処理ありを示す。さらに、本実施の形態の交替フラグテーブル３１では、交替処理が行われている場合にはその交替先頭アドレスも記録されている。このような交替フラグテーブル３１は、図４に示すように、ＡＴＩＰ情報で得られたリードイン領域の未使用領域である先頭アドレスより記録することにより作成されるが、本実施の形態では、同じ情報を持つセクタ（同一の交替フラグテーブル３１）が１パケット分（＝３２セクタ分）記録されることにより作成される。
【００３１】
このような構成において、ホスト側から記録又は再生要求があった場合にＣＰＵ１７により実行される処理制御例を図５に示す概略フローチャートを参照して説明する。まず、ホストからのデータの記録又は再生要求を取得すると（ステップＳ１）、その要求に従い記録又は再生処理を行うことになるが、それに先立ち、リードイン領域の交替フラグテーブル３１をロードする（Ｓ２）。そして、記録又は再生要求された領域内のデータ領域ＤＡｎに関して交替フラグがあるか否かをチェックする（Ｓ３）。これらのステップＳ２，Ｓ３の処理が交替フラグテーブル参照手段の機能として実行される。
【００３２】
この判断において、当該データ領域ＤＡｎに対して交替フラグがあれば（Ｓ３のＹ）、従来技術として記述したように、リードイン領域中に含まれている交替管理テーブルであるＭＤＴを検索し、当該データ領域ＤＡｎに対する交替専用領域ＳＡｎのアドレスを見出す（Ｓ４）。そして、得られた交替先の交替専用領域ＳＡｎ中の対応するアドレスのデータを転送することにより再生を行い、又は、得られた交替先の交替専用領域ＳＡｎ中の対応するアドレス位置に記録を行い（Ｓ５）、引き続き、本来の記録又は再生処理を実行する（Ｓ６）。
【００３３】
一方、交替フラグテーブル参照処理において当該データ領域ＤＡｎに対して交替フラグがなければ（Ｓ３のＮ）、交替管理テーブルを検索することなく、そのまま記録又は再生処理を実行する（Ｓ６）。従って、情報の記録又は再生時には交替フラグテーブル３１を参照して欠陥管理テーブルを検索するか否かを決定することで、欠陥による交替処理を含まないデータ領域ＤＡｎに関しては欠陥管理テーブルの検索を要しないため、その記録又は再生に要する処理時間が短縮される。
【００３４】
一方、このような記録又は再生処理において、欠陥があるか否かが随時チェックされ（Ｓ７）、欠陥がなく（Ｓ７のＮ）、かつ、記録又は再生処理が終了であれば（Ｓ８のＹ）、処理を終了する。記録又は再生処理において、欠陥がある場合には（Ｓ７のＹ）、交替処理を実行する（Ｓ９）。周知の技術であるため、詳細は省略するが、欠陥のあるデータ領域ＤＡｎに代えて対応する交替専用領域ＳＡｎを用いてデータを記録するとともに、欠陥管理テーブルに関して当該欠陥領域のアドレスと交替領域のアドレスとを対応付けて欠陥情報と交替情報とを記録する。このステップＳ９の処理が交替処理手段の機能として実行される。さらに、当該交替処理を行った場合には、交替フラグテーブル３１において対応するデータ領域ＤＡｎについて交替フラグ＝１を設定する（Ｓ１０）。ちなみに、交替フラグテーブル３１において、交替フラグ＝０は初期設定されている。このステップＳ１０の処理が交替フラグテーブル作成手段の機能として実行される。その後、記録又は再生処理が終了であれば（Ｓ８のＹ）、処理を終了する。
【００３５】
ところで、交替フラグテーブル３１にロードした場合、当該テーブルを記録したセクタがその後にゴミや、傷、劣化などの影響で再生することができなくなる可能性があり、この場合には、データ領域ＤＡｎが交替されているか否かを判定することができなくなる。この点、本実施の形態では、交替フラグテーブル３１として、ＡＴＩＰ情報で得られたリードイン領域の先頭アドレスより、同じ情報を持つセクタを１パケット分（＝３２セクタ分）として記録を行っているので、或るセクタについて再生できなくても他のセクタを利用することで、或るデータ領域ＤＡｎが交替されているか否かを確実に判定することができる。
【００３６】
この点、リードイン領域の所定領域に記録されている交替フラグテーブル３１と同じ交替フラグテーブル３１を、図６に示すように、リードアウト領域についてもその所定領域、例えば先頭アドレスより１パケット分（＝３２セクタ）繰返し記録しておけば、或るデータ領域ＤＡｎが交替されているか否かのフラグを再生できる確率がより一層向上する。
【００３７】
また、本実施の形態で対象としているＣＤ−ＲＷのＭt．Ｒainierのフォーマットによれば、１つのデータ領域ＤＡは最後以外は１３６パケットで構成されている。ここに、前述したように或るデータ領域ＤＡｎが欠陥により交替処理を含むデータ領域である場合、当該データ領域ＤＡｎに対する記録又は再生は欠陥管理テーブルを確認して行われる。しかし、例えば当該データテーブルＤＡｎの交替処理が１３０パケット目しか行われていないような場合、そのパケット以前の領域に対して、記録又は再生時に欠陥管理テーブルの確認を行うのは無駄である。この点、本実施の形態では、図３に示したように、交替フラグテーブル３１には交替処理を含むか否かの交替フラグだけでなく、交替処理が行われた場合には交替先頭アドレスも記録されているので、その交替先頭アドレスの領域までは欠陥管理テーブルを検索する必要がなくなる。よって、交替の行われていないデータ領域ＤＡｎの記録又は再生に要する処理時間をより一層短縮することが可能となる。
【００３８】
本発明の第二の実施の形態を図７に基づいて説明する。第一の実施の形態で示した部分は同一符号を用いて示し、説明も省略する。
【００３９】
本実施の形態では、光ディスク１のフォーマットとしてデータ領域ＤＡと交替専用領域ＳＡとの個数の将来的な変更を想定したものである。即ち、現状のＣＤ−ＲＷのＭt．Ｒainierのフォーマットではデータ領域ＤＡと交替専用領域ＳＡとの対の個数として６４個が規定されているが、今後の動向としては所定数よりも少ないフォーマットの規定が考えられる。その場合には、例えば全て欠陥管理テーブルに収めることも可能で交替フラグテーブルを作成してもそのフラグを判断するのが難しい状況も考えられる。より具体的に、データ領域ＤＡと交替専用領域ＳＡとの対が８個以下の場合は、１つの欠陥管理テーブルＭＤＴの中に情報が収まるので、本実施の形態では、所定数として８個に設定し、光ディスク１のフォーマット状態をチェックし、データ領域ＤＡと交替専用領域ＳＡとの対の個数が８個以上かどうかを判定するようにしたものである（Ｓ１１）。このステップＳ１１の処理がフォーマット判定手段の機能として実行される。
【００４０】
この判定において、データ領域ＤＡと交替専用領域ＳＡとの対の個数が８個以上の場合のみ（Ｓ１１のＹ）、前述した如く、交替フラグテーブル３１が参照され（Ｓ２）、以降の処理を行う。従って、データ領域ＤＡと交替専用領域ＳＡとの個数が８個未満と少ないフォーマットの場合には交替フラグテーブル３１を参照せず、直接、欠陥管理テーブルを検索するので（Ｓ４）、無駄な交替フラグ検索を省くことが可能となる。
【００４１】
【発明の効果】
請求項１記載の発明によれば、各データ領域ＤＡｎ毎に当該データ領域ＤＡｎに対して交替処理が行われたか否かを示すフラグを記録して交替フラグテーブルを光ディスクのリードイン領域の未使用領域に作成し、情報の記録又は再生時にはこの交替フラグテーブルを参照して欠陥管理テーブルを検索するか否かを決定するようにしたので、欠陥による交替処理を含まないデータ領域ＤＡｎに関しては欠陥管理テーブルの検索を要しないため、その記録又は再生に要する処理時間を短縮することができる。
また、請求項１記載の光ディスク装置において、データ領域ＤＡと交替専用領域ＳＡとの個数が少ないフォーマットの場合には交替フラグテーブルを参照しないので、無駄な交替フラグ検索を省くことができる。
【００４２】
請求項２記載の発明によれば、請求項１記載の光ディスク装置において、複数個の同一の交替フラグテーブルを複数個のセクタに亘って連続して作成するようにしたので、フラグを記録したセクタが後にゴミや、傷、劣化などの影響をうけることになっても、或るデータ領域ＤＡｎが交替されているか否かを確実に判定することができる。
【００４３】
請求項３記載の発明によれば、請求項１又は２記載の光ディスク装置において、従って、リードイン領域だけでなくリードアウト領域にも交替フラグテーブルを作成することで、或るデータ領域ＤＡｎが交替されているか否かのフラグを再生できる確率をより一層向上させることができる。
【００４４】
請求項４記載の発明によれば、請求項１ないし３の何れか一記載の光ディスク装置において、交替フラグテーブルに交替先頭アドレスも記録するようにしたので、その交替先頭アドレスまでは検索を行う必要がなく、交替の行われていないデータ領域ＤＡｎの記録又は再生に要する処理時間をより一層短縮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第一の実施の形態を示す光ディスク装置のブロック構成図である。
【図２】ディスクフォーマット例を示す説明図である。
【図３】交替フラグテーブルを示す説明図である。
【図４】リードイン領域を示す説明図である。
【図５】処理制御例を示す概略フローチャートである。
【図６】リードアウト領域を示す説明図である。
【図７】本発明の第二の実施の形態の処理制御例を示す概略フローチャートである。
【符号の説明】
１ 光ディスク
３１ 交替フラグテーブル
Ｓ２，Ｓ３ 交替フラグ参照テーブル参照手段
Ｓ９ 交替処理手段
Ｓ１０ 交替フラグテーブル作成手段
Ｓ１１ フォーマット判定手段

Claims (4)

1. 複数のデータ領域ＤＡと交替専用領域ＳＡとが交互に存在するフォーマットの光ディスクに対して情報の記録又は再生を行う光ディスク装置において、
   前記複数のデータ領域ＤＡの中のデータ領域ＤＡｎに欠陥がある場合に交替専用領域ＳＡｎを用いて記録する交替処理手段と、
   前記交替専用領域ＳＡｎ内に記録された情報の再生のために欠陥領域のアドレスと交替領域のアドレスとを対応付けて欠陥情報と交替情報とを管理する欠陥管理テーブルと、
   前記光ディスクのリードイン領域の未使用領域に前記複数のデータ領域ＤＡ毎に当該データ領域ＤＡに対して交替処理が行われたか否かを示すフラグを記録して交替フラグテーブルを作成する交替フラグテーブル作成手段と、
   情報の記録又は再生時に前記交替フラグテーブルを参照して前記欠陥管理テーブルを検索するか否かを決定する交替フラグテーブル参照手段と、
   前記光ディスクのフォーマットとして前記データ領域ＤＡと交替専用領域ＳＡとの個数が所定数以上であるか否かを判定するフォーマット判定手段を備え、
   前記交替フラグテーブル参照手段は前記フォーマット判定手段により所定数以上であると判定された場合に前記交替フラグテーブルを参照し、
   所定数未満であると判定された場合には前記交替フラグテーブルを参照せずに前記欠陥管理テーブルを検索することを特徴とする光ディスク装置。
2. 前記交替フラグテーブル作成手段は、前記光ディスクのリードイン領域の所定領域に複数個の同一の交替フラグテーブルを複数個のセクタに亘って連続して作成することを特徴とする請求項１記載の光ディスク装置。
3. 前記交替フラグテーブル作成手段は、前記リードイン領域と同一の前記交替フラグテーブルを前記光ディスクのリードアウト領域の所定領域に対しても作成することを特徴とする請求項１又は２記載の光ディスク装置。
4. 前記交替フラグテーブル作成手段は、交替処理が行われたか否かを示すフラグとともに、交替処理が行われている場合にはその交替先頭アドレスも記録した前記交替フラグテーブルを作成することを特徴とする請求項１ないし３の何れか一記載の光ディスク装置。

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