JP4002215B2 - フィルム固定装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、温室,園芸ハウス,牛舎,豚舎,鶏舎,雨天練習場,倉庫,駐車場,駐輪場あるいは仮設テント等に張設したフィルムの固定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばフィルムを張設した温室にあっては、フィルムに皺が形成されないようにフィルムを張設する必要がある。
このため、従来、図1,2に示すように、上面の開口部を幅狭にしたシート止着溝1aを有する長尺支持フレーム1のシート止着溝1aに、台形波状に屈曲加工された弾性的な係止線条2を、シート3を押し込んだ状態で嵌合させている。また、シート止め材1と係止線条2の間に中レール4a,4bを介在させ、中レール4a,4bの全面をフィルムに当接させる態様をとって係止線条2を嵌合させ、フィルムの止着を強固にしている(特開2001−309726号公報,特開2002−142575号公報参照)。
特開平6−14656号公報では、図3に示すように、固定部材5と支持部材6との間にフィルム3を挟持し、次いで固定部材5の上から固定用ビス7を、フィルム4を貫通してハウス骨材8まで打ち込み、固定部材5と支持部材6とを固定することにより、フィルムを固定することが記載されている。さらに特公平7−121182号公報では、固定部材5と支持部材6の断面形状を、フィルムの押さえ込み箇所9を増やすように設計変更することにより、緊張力を高めて張設し、皺の発生を防いでいる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前者の特開2001−309726号公報,特開2002−142575号公報に記載されたような中レール4a,4bを使用する技術では、一方の中レールの底部フレームを他方の中レールのガイド溝に嵌合させ、かつ中レールの側面を長尺支持フレーム1のシート止着溝1a内面に当接させるようにしている。そしてさらに中フレームを押されるために台形波状の係止線条2を嵌合させている。このように中レールおよび係止線条を使用しての固定では、部品点数が多くなっている。また、長尺支持フレーム1内への中レール4a,4bの嵌合作業および台形波状の係止線条2の嵌合作業を必要とするのでフィルムの張設作業が煩雑になり、施工性が悪くなる。このようなことから、全体としてコスト高となる。さらにまた、嵌合させた中レールあるいは係止線条はその後取出し難いので、フィルムの張替えが困難である。取外しのための治具も必要になる。
【0004】
後者の特開平6−14656号公報、特公平7−121182号公報に記載されたような技術では、固定部材5の上から固定用ビス7を、フィルム4を貫通してハウス骨材3まで打ち込み、固定部材5と支持部材6とを固定することにより、フィルム4を固定している。このような態様では、固定部材5そのものが複雑形状になるばかりでなく、固定用ビスを別途必要とするためコスト高になる。また、ビス打ち作業も必要で、作業が煩雑化する。さらに、フィルム4は固定用ビス7で孔が空けられているので、ビス孔から漏水する可能性がある。さらにまた、この孔がビスによるものであるため、切込みが生成されており、風雨によるフィルムの振動等の僅かな張力変化が累積して応力集中を起こし、フィルムが破断しやすいという欠点がある。
本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、製造およびフィルム張設作業が容易で、しかも緊張力の強いフィルム固定装置を提供すること目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のフィルム固定装置は、その目的を達成するため、水平な底部11と、該底部11の両端から上方に伸びる側壁部12と、該側壁上方に設けられた固定部材辺嵌合空間13と、該固定部材辺嵌合空間13の上端を画定し且つ水平な固定部材辺21の当該嵌合空間13への嵌合を案内する支持案内部14を有する断面形状の支持部材10と、前記固定部材辺嵌合空間13に嵌合する寸法を有する固定部材辺21と、該固定部材辺21の一端に設けた押圧部を兼ねる下方案内辺22を有する断面形状の固定部材20とからなり、固定部材20の固定部材辺21が支持部材10の固定部材辺嵌合空間13に嵌合されて、フィルムが一重で支持部材10と固定部材20とにより圧接保持されると共に固定部材辺嵌合空間13内においてフィルムが固定部材辺21に沿うようにしてフィルムを固定する構成としている。
【0006】
支持部材10の固定部材辺嵌合空間13が、両方の側壁部12の上端で外側に90度以下の角度で曲げられて外側下方に伸びる横辺部15と、該横辺部15の先端で90度以下の角度で内側に曲げられて上方に伸びる支持係止め辺16で横方向を画定されており、支持案内部14が支持係止め辺16の上端で先端が内側に巻き込まれた断面形状を有するとともに、固定部材20の固定部材辺21が支持部材10の支持案内部14先端間距離よりも広く且つ上記横辺部15の幅方向外方先端間距離よりも狭い幅を有する基部23と、該基部23の一端で先端が上方内側に巻き込まれた固定上案内部24と、上記基部23の他端で90度以下の角度で曲げられて内側上方に伸びる固定係止め辺25とからなり、下方案内辺22が前記固定係止め辺25の先端で90度以下の角度で外側に曲げられて外側下方に伸び、その先端に先端が下方内側に巻き込まれた固定下案内部26を有する断面形状を有し、支持部材10と固定部材20が、当該固定部材20の固定上案内部24が前記支持部材10の一方の横辺部15と支持案内部14の間に嵌合され、固定部材20の基部23下面が支持部材10の横辺部15上面と接触しているとともに、固定部材20の固定上案内部24の湾曲外面が支持部材10の支持係止め辺16の内面と接触しており、固定部材20の固定係止め辺25と固定下案内部26の間に前記支持部材10の他方の支持案内部14が嵌合され、固定部材20の固定係止め辺25および下方案内辺22の内面が支持部材10の支持案内部14の湾曲外面と接触する位置関係にあることが好ましい。
【0007】
本発明フィルム固定装置を構成する固定部材20は、既存の、すなわち図1,2において1で示されるような長尺支持フレームにも嵌合させてフィルムを固定することができる。この場合、支持部材10’は、水平な底部11’と、該底部11’の上方に設けられた固定部材辺嵌合空間13’と、該固定部材辺嵌合空間13’の上端を画定し且つ固定部材辺21の当該嵌合空間13’への嵌合を案内する支持案内部14’を有する断面形状となる。
そして、支持部材10’の固定部材辺嵌合空間13’が、支持部材10’の両先端で90度以下の角度で内側に曲げられて上方に伸びる支持係止め辺16’で横方向を画定されており、支持案内部14’が支持係止め辺16’の上端で先端が巻き込まれた断面形状を有するとともに、固定部材20の固定部材辺21が支持部材10’の支持案内部14’先端間距離よりも広く且つ上記支持部材10’の幅方向外方先端間距離よりも狭い幅を有する基部23と、該基部23の一端で先端が上方内側に巻き込まれた固定上案内部24と、上記基部23の他端で90度以下の角度で曲げられて内側上方に伸びる固定係止め辺25とからなり、下方案内辺22が前記固定係止め辺25の先端で90度以下の角度で外側に曲げられて外側下方に伸び、その先端に先端が下方内側に巻き込まれた固定下案内部26を有する断面形状を有し、支持部材10’と固定部材20が、当該固定部材20の固定上案内部24が前記支持部材10’の底部11’と支持案内部14’の間に嵌合され、固定部材20の固定上案内部24の先端が、支持部材10’の内面と支持係止め辺16’の内面とに接触しているとともに、固定部材20の固定上案内部24の湾曲外面が支持部材10’の支持係止め辺16’の内面と接触しており、固定部材20の固定係止め辺25と固定下案内部26の間に前記支持部材10’の他方の支持案内部14’が嵌合され、固定部材20の固定係止め辺25および下方案内辺22の内面が支持部材10’の支持案内部14’の湾曲外面と接触する位置関係にあることが好ましい。
【0008】
前記の支持部材10,10’がビス31等でハウスの骨材30に固定されている。
1つの骨材30に2個の支持部材10,10’を並列で設置してもよい。この場合、それぞれの支持部材10,10’に嵌め込まれた2つの固定部材20同士を連結するカバー部材33を設置すると、さらに固定強度が増加する。
フィルムを固定する際、支持部材10の2つの側壁部12間に嵌る補助固定部材32を使用することもできる。補助固定部材としては、側壁部12間距離と同じまたは僅かに広い幅を有する断面U字状の棒状体、あるいは台形波状に屈曲加工された弾性的線条体を使用することもできる。
【0009】
【実施の形態】
本発明者等は、構造が簡素で、製造およびフィルム張設作業が容易で、しかも緊張力を高く維持できるフィルムの固定装置について検討した。
その結果、素材として金属板を使用し、金属板の弾性復元作用を最大限活用することにより、フィルムの保持・固定力の強い固定構造を見出した。また固定装置構造を検討する上で、金属板の弾性復元力を最大限活用して着脱作業が容易な構造を見出した。
まず図5を用いて本発明の第1の態様について説明する。本発明固定装置を構成する1つの要素である支持部材10(図5a)は、温室等の骨組みを構成する骨材の上面にビス等で固定されるレール状のものである。このレール状支持部材10の断面形状は、水平な底部11と、この底部11の両端から上方に伸びる側壁部12と、側壁上方に設けられた固定部材辺嵌合空間13と、固定部材辺嵌合空間13の上端を画定し且つ固定部材辺21の当該嵌合空間13への嵌合を案内する支持案内部14を有する形状に成形されている。側壁部12は、90度以下の角度で曲げられて内側上方に伸びるものが好ましい。そして側壁上方に設けられた固定部材辺嵌合空間13は、側壁部12の上端で外側に90度以下の角度で曲げられて外側下方に伸びる横辺部15と、この横辺部15の先端で90度以下の角度で内側に曲げられて上方に伸びる支持係止め辺16と、この係止め辺16の上端で先端が内側に巻き込まれた上記支持案内部14とで画定される断面形状を有するものが好ましい。
この形状は、所定幅に裁断された金属帯を多段のロール成形を行った後、切断することにより成形することができる。多段の曲げ加工により、幅方向端面は、先端が内側に巻き込まれた態様となっているので、切断端面がフィルムに当接して破断の原因となるようなキズを付けることはない。そして、素材として冷延鋼板を用いる場合、0.4〜0.8mm程度の板厚であれば十分である。
【0010】
フィルムを固定するため、上記レール状支持部材10に長尺の固定部材20を被せる態様を採る。
長尺状の固定部材20(図5b)の断面形状は、前記固定部材辺嵌合空間13に嵌合する寸法を有する固定部材辺21と、この固定部材辺21の一端に設けた押圧部を兼ねる下方案内辺22を有する形状に成形されている。固定部材20の固定部材辺21は、支持部材10の支持案内部14先端間距離よりも広く且つ上記横辺部15の幅方向外方先端間距離よりも狭い幅を有する基部23と、この基部23の一端で先端が上方内側に巻き込まれた固定上案内部24と、上記基部23の他端で90度以下の角度で曲げられて内側上方に伸びる固定係止め辺25と、この固定係止め辺25の先端で90度以下の角度で外側に曲げられて外側下方に伸びる上記下方案内辺22と、この下方案内辺22の先端で先端が下方内側に巻き込まれた固定下案内部26を有する形に成形されているものが好ましい。
【0011】
この際、各部材を構成する金属板の弾性復元力の作用で、固定部材20の固定上案内部24が前記支持部材10の一方の横辺部15と支持案内部14の間に嵌合され、固定部材20の基部23下面が支持部材10の横辺部15上面と接触しているとともに、固定部材20の固定上案内部24の湾曲外面が支持部材10の支持係止め辺16の内面と接触しており、固定部材20の固定係止め辺25と固定下案内部26の間に前記支持部材10の他方の支持案内部14が嵌合され、固定部材20の固定係止め辺25および下方案内辺22の内面が支持部材10の支持案内部14の湾曲外面と接触する位置関係になるように寸法調整されている。この形状も、所定幅に裁断された金属帯を多段のロール成形を行った後、切断することにより成形することができる。板厚も前記支持部材と同程度で十分である。金属板の切断端面がフィルムに当接して破断の原因となるようなキズを付けることがないことは、前述した通りである。そして、素材として冷延鋼板を用いる場合、0.4〜0.8mm程度の板厚であれば十分である。
【0012】
次に、この固定装置を使用して温室にフィルムを張り付ける態様を説明する。所要数のレール状支持部材10を、温室を構成する骨材30にビス31等を用いて固定する。この際、フィルムの張り付け方向により、骨材30に沿って配置する場合と、図6に示すように、複数の骨材30からなる列に直交するようにレール状支持部材10を配置する場合が考えられる。レール状支持部材10の配置は、温室構造体の全体に亘って細かく配置する必要はない。少なくとも下端部,天井上端部を含めた主要箇所には、温室構造体の全長に亘りレール状支持部材10を配置し、他の中間部分にあっては、例えば千鳥状等の配設も可能である。必要張力を勘案しつつ適宜の設置を行えばよい。
【0013】
本発明フィルム固定装置を使用してフィルムを固定した状態を図7に示す。
張設する面積にあった寸法のフィルムをレール状支持部材10上に載置し、順次長尺の固定部材20を被着させて行く。固定部材20の被着は、その固定部材辺21を支持部材10の固定部材辺嵌合空間13にはめ込む。すなわち、支持部材10の一方の横辺部15と支持案内部14の間に固定部材20の固定上案内部24を押し込み、その後、固定部材20の固定上案内部24側端部を支点にして下方案内辺22を下方に押し下げ、固定部材20の基部23と固定係止め辺25との折り曲げ部を、支持部材10の他方の支持案内部14を外側に押し広げるように支持案内部14と横辺部15の間に押し込むことにより行われる。固定部材20の固定上案内部24側端部を支点にした回転作用と支持部材10の弾性変形作用を有効に利用することにより、下方案内辺22を下方に押し下げる比較的小さい押し込み力で支持案内部14を外側に押し広げることができ、固定部材20の被着作業は、いわゆるワンタッチで行うことができる。
【0014】
両部材の素材として、0.4〜0.8mm程度の冷延鋼板が使用されていると、被着後、支持部材10および固定部材の変形部は弾性復元して元の形状に戻り、フィルムは、固定部材20の基部23下面と支持部材10の横辺部15上面、固定部材20の固定上案内部24の湾曲外面と支持部材10の支持係止め辺16の内面、固定部材20の固定係止め辺25および下方案内辺22の内面と支持部材10の支持案内部14の湾曲外面とで圧接保持されることとなる。保持力が強く、時間が経ても保持力が低下するようなこともなく、高い緊張力でフィルムを張設できる。
なお、支持部材10の高さは、降雪等でフィルム自身が伸び、弛んでもフィルムが下部の骨材に接触して滑雪を妨害したり結露水が溜まることがないように、フィルムの厚さ,強さ等を勘案して、弛んだフィルムが骨材に接触しないように予め調整しておくことが好ましい。
【0015】
ところで、固定部材20の固定上案内部24側の保持力と固定係止め辺25側の保持力を対比してみると、固定上案内部24側の保持力の方が格段に強い。固定上案内部24側から外れることはない。そこで実際にフィルムを張設した際にフィルムが受ける荷重で固定部材20が外れることを防ぐためにも、展張フィルムが広い方に向けて固定上案内部24側を配するように固定部材20を被着することが好ましい。フィルム端部側には固定係止め辺25側を配する。フィルムが広く張られている領域にあっては、上記固定上案内部24側,固定係止め辺25側の方向を互い違いにすることで、フィルム中間部を固定することも可能である。
【0016】
上記したように、本発明フィルム固定装置を構成する固定部材20は、既存の、すなわち図1,2において1で示されるような長尺支持フレームにも嵌合させてフィルムを固定することができる。この場合、図8に示すように、支持部材10’は、水平な底部11’と、該底部11’の上方に設けられた固定部材辺嵌合空間13’と、該固定部材辺嵌合空間13’の上端を画定し且つ固定部材辺21の当該嵌合空間13’への嵌合を案内する支持案内部14’を有する断面形状のレール状長尺体となる。底部11’の上方に設けられた固定部材辺嵌合空間13’と固定部材20の形状・大きさおよび固定部材20を支持部材10’の固定部材辺嵌合空間13’に嵌め込んだ時の各部位の位置関係は上位態様と全く同様となる(図9参照)。
【0017】
さらに、フィルムのサイズには限界があり、大きな温室を1枚のフィルムのみで張設することはできない。また場合によっては部所に応じて光透過度の異なるフィルムを張設する必要もある。
複数枚のフィルムで張設する場合に、1つの方法として、支持部材10の側壁部12間に嵌め込まれる補助固定部材32を使用する方法があげられる。
この場合、図10に示すように、支持部材10上に1枚目のフィルムFの端部を載置した後、支持部材10の側壁部12間に補助固定部材32を押し込んでフィルムFを仮止めし、その後に2枚目のフィルムF端部を載置し、固定部材20を被着して、2枚のフィルムを同時に固定するものである。このときの補助固定部材32としては、従来から使用されている台形波状に屈曲加工されたスプリングや、側壁部12間距離と同じまたは僅かに広い幅を有する断面U字状の棒状体を使用することができる。
【0018】
複数枚のフィルムで張設する2つめの方法として、骨材30に固定する支持部材10を2列並列に設置することがあげられる。この場合、図11に示すように、2つの支持部材10を並列で骨材30に固定し、一方の支持部材10上にフィルムFの端部を載置し、張設フィルムが広がる方に向けて固定上案内部24側を配するように固定部材20を押し込んで、フィルムFを固定する。さらに他方の支持部材10上に他のフィルムFの端部を載置し、張設フィルムが広がる方(上記とは逆の方向)に向けて固定上案内部24側を配するように固定部材20を押し込んで、フィルムFを固定する。
【0019】
さらに、支持部材10の支持案内部14を嵌合した固定部材20の固定係止め辺25の間にカバー部材33を配することが好ましい。このカバー部材33の配設により、固定部材20の固定係止め辺25側からの外れもなくなり、フィルムの固定強度はさらに増加する。
カバー部材33は、平面板の両端部が90度以下の角度で下方内側に折り曲げられ、固定係止め辺25の間に押し込まれる際に外方に押し広げられ、押し込まれた後板材の弾性復元作用で折り曲げ辺の内面が固定係止め辺25の外面に接触するように寸法調整されたものが好ましい。カバー部材33にも板厚0.4〜0.8mm程度の冷延鋼板を使用することが好ましい。
【0020】
支持部材10および固定部材20、さらにはカバー部材33を構成する金属板素材としては、アルミニウム合金板、ステンレス鋼板等も使用できるが、安価で成形性に優れ弾性復元力の大きい板厚0.4〜0.8mm程度の冷延鋼板を使用することが好ましい。さらに耐食性の観点から、塗装鋼板,めっき鋼板、特にZn−Al−Mg系の溶融めっき鋼板を使用することが好ましい。骨材30を構成する素材としても、支持部材10との接触面の耐食性改善のために、Zn−Al−Mg系溶融めっき鋼板を使用することが好ましい。
【0021】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明においては、フィルム固定装置を構成する支持部材と固定部材の形状を工夫することにより、製造およびフィルム張設作業が容易で、しかも緊張力の強いフィルム固定装置を提供することができた。特に、支持部材と固定部材の形状を、フィルムが素材金属板の切断端面に触れることがない形とすることにより、フィルムのキズ付きが防止でき、支持部材と固定部材の接触点を多くすることにより、強い保持力で緊張力を高くフィルムを張設することができる。また固定部材の回転作用と支持部材の弾性変形作用を最大限活用できて、比較的小さい押し込み力で固定部材を支持部材に嵌着することができるようになり、フィルム張設作業をいわゆるワンタッチで行えるようになった。さらにフィルム張替え時に固定部材を比較的小さな力で支持部材から取り外すことができ、フィルムの張替え作業も容易に行えるようになった。しかも、本発明によるフィルムの固定装置を構成する支持部材、固定部材のいずれもが、金属板を順次折り曲げて製造された構造となっているので、コスト安で製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来のフィルム固定方法を説明する図
【図2】 従来のフィルム固定構造の断面図
【図3】 従来のフィルム固定方法の他の例を説明する図
【図4】 従来のフィルム固定構造の他の断面図
【図5】 本発明フィルム固定装置を構成する固定部材(a)と支持部材(b)のそれぞれの断面形状を説明する図
【図6】 本発明のフィルム固定装置の支持部材を骨材に固定する態様を説明する図
【図7】 本発明フィルム固定装置を使用してフィルムを固定した状態を説明する断面図
【図8】 本発明フィルム固定装置を構成する別の態様の固定部材(a)と支持部材(b)のそれぞれの断面形状を説明する図
【図9】 本発明の別の態様のフィルム固定装置を使用してフィルムを固定した状態を説明する断面図
【図10】 補助固定部材を使用して2枚のフィルムを固定する態様を説明する断面図
【図11】 本発明の2つのフィルム固定装置を使用して2枚のフィルムを固定した状態を説明する断面図
【符号の説明】
10,10’:支持部材 11,11’:底部 12:側壁部 13,13’:固定部材辺嵌合空間 14,14’:支持案内部 15:横辺部
16,16’:支持係止め辺
20:固定部材 21:固定部材辺 22:下方案内辺 23:基部
24:固定上案内部 25:固定係止め辺 26:固定下案内部
30:骨材 31:ビス 32:補助固定部材 33:カバー部材
F:フィルム
Claims (8)
- 水平な底部(11)と、該底部(11)の両端から上方に伸びる側壁部(12)と、該側壁上方に設けられた固定部材辺嵌合空間(13)と、該固定部材辺嵌合空間(13)の上端を画定し且つ固定部材辺(21)の当該嵌合空間(13)への嵌合を案内する支持案内部(14)を有する断面形状の支持部材(10)と、
前記固定部材辺嵌合空間(13)に嵌合する寸法を有する水平な固定部材辺(21)と、該固定部材辺(21)の一端に設けた押圧部を兼ねる下方案内辺(22)を有する断面形状の固定部材(20)と
からなり、
固定部材(20)の固定部材辺(21)が支持部材(10)の固定部材辺嵌合空間(13)に嵌合されて、フィルムが一重で前記支持部材(10)と前記固定部材(20)とにより圧接保持されると共に前記固定部材辺嵌合空間(13)内において前記フィルムが前記固定部材辺(21)に沿うようにして前記フィルムを固定するフィルム固定装置。 - 支持部材(10)の固定部材辺嵌合空間(13)は、
両方の側壁部(12)の上端で外側に90度以下の角度で曲げられて外側下方に伸びる横辺部(15)と、
該横辺部(15)の先端で90度以下の角度で内側に曲げられて上方に伸びる支持係止め辺(16)で横方向を画定されており、支持案内部(14)は支持係止め辺(16)の上端で先端が内側に巻き込まれた断面形状を有するとともに、固定部材(20)の固定部材辺(21)が支持部材(10)の支持案内部(14)先端間距離よりも広く且つ上記横辺部(15)の幅方向外方先端間距離よりも狭い幅を有する基部(23)と、
該基部(23)の一端で先端が上方内側に巻き込まれた固定上案内部(24)と、
上記基部(23)の他端で90度以下の角度で曲げられて内側上方に伸びる固定係止め辺(25)と
からなり、
下方案内辺(22)が前記固定係止め辺(25)の先端で90度以下の角度で外側に曲げられて外側下方に伸び、その先端に先端が下方内側に巻き込まれた固定下案内部(26)を有する断面形状を有し、支持部材(10)と固定部材(20)が、当該固定部材(20)の固定上案内部(24)が前記支持部材(10)の一方の横辺部(15)と支持案内部(14)の間に嵌合され、固定部材(20)の基部(23)下面が支持部材(10)の横辺部(15)上面と接触しているとともに、固定部材(20)の固定上案内部(24)の湾曲外面が支持部材(10)の支持係止め辺(16)の内面と接触しており、固定部材(20)の固定係止め辺(25)と固定下案内部(26)の間に前記支持部材(10)の他方の支持案内部(14)が嵌合され、固定部材(20)の固定係止め辺(25)および下方案内辺(22)の内面が支持部材(10)の支持案内部(14)の湾曲外面と接触する位置関係にある請求項1に記載のフィルム固定装置。 - 水平な底部(11')と、該底部(11')の上方に設けられた固定部材辺嵌合空間(13')と、該固定部材辺嵌合空間(13')の上端を画定し且つ固定部材辺(21)の当該嵌合空間(13')への嵌合を案内する支持案内部(14')を有する断面形状の支持部材(10')と、
前記固定部材辺嵌合空間(13')に嵌合する寸法を有する水平な固定部材辺(21)と、該固定部材辺(21)の一端に設けた押圧部を兼ねる下方案内辺(22)を有する断面形状の固定部材(20)と
からなり、
固定部材(20)の固定部材辺(21)が支持部材(10')の固定部材辺嵌合空間(13')に嵌合されて、フィルムが一重で前記支持部材(10’)と前記固定部材(20)とにより圧接保持されると共に前記固定部材辺嵌合空間(13’)内において前記フィ ルムが前記固定部材辺(21)に沿うようにして前記フィルムを固定するフィルム固定装置。 - 支持部材(10')の固定部材辺嵌合空間(13')は、
支持部材(10')の両先端で90度以下の角度で内側に曲げられて上方に伸びる支持係止め辺(16')で横方向を画定されており、支持案内部(14')は支持係止め辺(16')の上端で先端が巻き込まれた断面形状を有するとともに、固定部材(20)の固定部材辺(21)が支持部材(10')の支持案内部(14')先端間距離よりも広く且つ上記支持部材(10')の幅方向外方先端間距離よりも狭い幅を有する基部(23)と、
該基部(23)の一端で先端が上方内側に巻き込まれた固定上案内部(24)と、
上記基部(23)の他端で90度以下の角度で曲げられて内側上方に伸びる固定係止め辺(25)と
からなり、
下方案内辺(22)が前記固定係止め辺(25)の先端で90度以下の角度で外側に曲げられて外側下方に伸び、その先端に先端が下方内側に巻き込まれた固定下案内部(26)を有する断面形状を有し、支持部材(10')と固定部材(20)が、当該固定部材(20)の固定上案内部(24)が前記支持部材(10')の底部(11')と支持案内部(14')の間に嵌合され、固定部材(20)の固定上案内部(24)の先端が、支持部材(10')の内面と支持係止め辺(16')の内面とに接触しているとともに、固定部材(20)の固定上案内部(24)の湾曲外面が支持部材(10')の支持係止め辺(16')の内面と接触しており、固定部材(20)の固定係止め辺(25)と固定下案内部(26)の間に前記支持部材(10')の他方の支持案内部(14')が嵌合され、固定部材(20)の固定係止め辺(25)および下方案内辺(22)の内面が支持部材(10')の支持案内部(14')の湾曲外面と接触する位置関係にある請求項3に記載のフィルム固定装置。 - 支持部材(10、10')の底部(11、11')が建造物の骨材に固定されている請求項1〜4のいずれか一項に記載のフィルム固定装置。
- 1つの骨材に2つの支持部材(10、10')が並列に固定されている請求項5に記載のフィルム固定装置。
- それぞれが支持部材(10、10')の支持案内部(14、14')を嵌合した固定部材(20)の固定係止め辺(25)の間を覆うカバー部材(33)を備えている請求項6に記載のフィルム固定装置。
- 支持部材(10)の側壁部(12)間に嵌め込まれる補助固定部材(32)を備えている請求項1,2,5〜7のいずれか一項に記載のフィルム固定装置。
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