JP4001504B2 - 無線装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、陸上固定間通信システム、移動通信システム、衛星通信システム等、無線通信システム全般における無線装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
無線通信システムにおける電波伝搬は大気の状態や気象によって変動するが、システムを構築するにあたってはこれらの影響が無視できない。使用する電波の周波数帯によって影響の大きさは異なるが、例えば、10GHz帯以下では電離層やラジオダクトによる影響が大きく、10GHz以上の準ミリ波帯、ミリ波帯では降雨や降雪による影響が大きいことが知られている。
【0003】
気象条件を考慮した無線通信システムの従来例1として、特開平11−136184号公報が上げられる。以下、図16を用いてこの従来例1について説明する。無線サービスエリア1601は想定するシステム毎に異なる大きさを持つ。無線送信基地局1602に設置された基地局アンテナ1603からは、送信電力可変送信機1604によって増幅された送信波1605が360°の全周囲の方向に放射される。電界強度監視受信機1606は、無線サービスエリア1601の境界線の内側で境界線近くの少なくとも1箇所に設置されている。無線送信基地局1602から送信された送信波1605は、電界強度監視受信機1606に設置された受信アンテナ1607で受信されて、その電界強度が検出される。電界強度監視受信機1606で検出された電界強度情報は、伝送線1608によって無線送信基地局1602に返される。
【0004】
無線送信基地局1602の送信電力可変送信機1604では、受け取った電界強度情報に応じて増幅度が制御される。具体的には電界強度監視受信機1606で検出される電界強度が一定になるように制御される。このように制御を行うことによって、気象条件の悪化等によって、送信波1605の伝搬損失が大きくなる場合においても、無線サービスエリア1601内で常に一定の電界強度でサービスを受けられるようになる。
【0005】
また、気象条件を考慮した無線通信システムの従来例2として、特開平11−274950号公報が上げられる。この従来例2は、2地点間で対向する無線局の送信電力補償制御方法に関するものであり、対向局からの信号波の受信レベルを監視し、降雨判定レベルを用いながら無線局の送信電力を制御するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、大気の状態や気象の変化によって、電波の伝搬状態が変化するという性質は、無線装置の実現や無線通信システムの構築において重要な課題であり、従来の技術である従来例1では、無線通信システムを提供するにあたって、無線送信基地局の他に電界強度監視受信機、及び無線送信基地局と電界強度監視受信機をつなぐ伝送線を設置しなければならない。特に一つの無線送信基地局がカバーする無線サービスエリアが小さいシステムでは、電界強度監視受信機と伝送線が多数必要となり、コストが嵩んでしまう。
【0007】
また従来の技術である従来例2は、降雨判定レベルとして、雨が降っているか否かを決定する受信レベルを人が経験的に設定しなければならないものである。また、雨が降っているか否かの気象情報は、対向局からの受信レベルを用いて間接的に行っているものであり、信頼性が低いものであった。
【0008】
本発明は、このような課題を解決するためのものであり、気象条件によらずに性能が良好であり且つ低コストで実現可能な無線装置及び無線通信システムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る無線装置は、気象情報を獲得する気象情報獲得手段と、無線信号を送受信し、かつ無線伝搬路の周波数選択性を補償する波形等化器を有する無線手段と、前記気象情報を用いて前記無線手段を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段が前記気象情報を用いて前記波形等化器のパラメータを制御することを特徴とする。
この構成により、無線伝搬路における電波伝搬特性は気象条件によって大きく異なるが、気象情報獲得手段によって獲得された気象情報に基づいて波形等化器のパラメータを適切に制御することが可能となる。
【0010】
また、請求項2に係る無線装置は、請求項1に記載の無線装置において、気象情報獲得手段が、気象観測を行うためのセンサーであることを特徴とする。
この構成により、無線装置が存在するまさにその位置における気象条件を、リアルタイムに把握することが可能となる。
【0011】
また、請求項3に係る無線装置は、請求項2に記載の無線装置において、センサーが降雨雪センサーであることを特徴とする。
この構成により、周波数が10GHz以上の準ミリ波帯やミリ波帯の電波の電波強度を大きく減衰させる降雨や降雪の気象条件正確に把握することが可能となる。
【0012】
また、請求項4に係る無線装置は、請求項1に記載の無線装置において、気象情報獲得手段が、通信網に接続し気象情報を獲得する通信網接続手段であることを特徴とする。
この構成により、通信網接続手段を用いて、インターネット等から無線手段を制御するのに有効な気象条件を獲得することが可能となる。
【0013】
また、請求項5に係る無線装置は、請求項1に記載の無線装置において、気象情報獲得手段が、放送を受信し気象情報を獲得する放送受信手段であることを特徴とする。
この構成により、放送受信手段を用いて、ラジオ放送、テレビ放送等から無線手段を制御するのに有効な気象条件を獲得することが可能となる。
【0014】
また、請求項6に係る無線装置は、請求項1に記載の無線装置において、気象情報獲得手段が、衛星からの電波を受信し気象情報を獲得する衛星通信受信手段であることを特徴とする。
この構成により、衛星通信受信手段を用いて、衛星放送から無線手段を制御するのに有効な気象条件を獲得することが可能となる。
【0015】
また、請求項7に係る無線装置は、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の無線装置において、日時情報を獲得する日時情報獲得手段を備え、気象情報獲得手段の出力情報と日時情報とにより把握される気象情報を用いて、無線手段を制御することを特徴とする。
この構成により、日時情報獲得手段を用いて、無線伝搬路における電波伝搬特性に関連する季節や昼夜等の日時情報を獲得することが可能である。
【0016】
また、請求項に係る無線装置の制御方法は、無線信号を送受信し、波形等化器によって無線伝搬路の周波数選択性を補償し、気象情報獲得手段によって気象情報を獲得した後、制御手段によって前記気象情報獲得手段の気象情報を用いて、前記波形等化器のパラメータを制御することを特徴とする。
この構成により、無線伝搬路における電波伝搬特性は気象条件によって大きく異なるが、気象情報獲得手段によって獲得された気象情報に基づいて波形等化器のパラメータを適切に制御することが可能となる。
【0017】
また、請求項に係る無線装置の制御方法は、請求項に記載の無線装置の制御方法において、気象情報獲得手段が、気象観測を行うためのセンサーであることを特徴とする。
この構成により、無線装置が存在するまさにその位置における気象条件を、リアルタイムに把握することが可能となる。
【0018】
また、請求項10に係る無線装置の制御方法は、請求項に記載の無線装置の制御方法において、センサーが降雨雪センサーであることを特徴とする。
この構成により、周波数が10GHz以上の準ミリ波帯やミリ波帯の電波の電波強度を大きく減衰させる降雨や降雪の気象条件正確に把握することが可能となる。
【0019】
また、請求項11に係る無線装置の制御方法は、請求項に記載の無線装置の制御方法において、気象情報獲得手段が、通信網に接続し気象情報を獲得する通信網接続手段であることを特徴とする。
この構成により、通信網接続手段を用いて、インターネット等から無線手段を制御するのに有効な気象条件を獲得することが可能となる。
【0020】
また、請求項12に係る無線装置の制御方法は、請求項に記載の無線装置の制御方法において、気象情報獲得手段が、放送を受信し気象情報を獲得する放送受信手段であることを特徴とする。
この構成により、放送受信手段を用いて、ラジオ放送、テレビ放送等から無線手段を制御するのに有効な気象条件を獲得することが可能となる。
【0021】
また、請求項13に係る無線装置の制御方法は、請求項に記載の無線装置の制御方法において、気象情報獲得手段が、衛星からの電波を受信し気象情報を獲得する衛星通信受信手段であることを特徴とする。
この構成により、衛星通信受信手段を用いて、衛星放送から無線手段を制御するのに有効な気象条件を獲得することが可能となる。
【0022】
また、請求項14に係る無線装置の制御方法は、請求項ないし請求項13のいずれかに記載の無線装置の制御方法において、日時情報を獲得する日時情報獲得手段を備え、気象情報獲得手段の出力情報と日時情報とにより把握される気象情報を用いて、無線手段を制御することを特徴とする。
この構成により、日時情報獲得手段を用いて、無線伝搬路における電波伝搬特性に関連する季節や昼夜等の日時情報を獲得することが可能である。
【0023】
また、請求項15に記載の無線装置の制御プログラムは、コンピュータを、気象情報を獲得する気象情報獲得手段と、無線伝搬路の周波数選択性を補償する波形等化器のパラメータを制御する波形等化器制御手段して機能させることを特徴とする。
この構成により、無線伝搬路における電波伝搬特性に影響を与えて送受の無線装置間の電波伝搬経路(マルチパス条件)を変化させる気象条件によって波形等化器の動作をON/OFFしたり、その動作パラメータを変更したりすることが可能となる。
【0024】
また、請求項16に記載の無線装置は、請求項7に記載の無線装置において、受信性能を測定する受信性能測定手段と、日時情報、気象情報、受信性能、及び無線手段の制御状態を格納する記憶手段と、記憶手段に記憶された情報を表示する表示手段と、制御手段の制御方法を操作する情報を入力する入力手段とを備えることを特徴とする。
この構成により、記憶手段に格納された過去の受信性能を参考にして、無線手段の制御方法の変更が可能となる。
【0025】
また、請求項17に記載の無線通信システムは、受信性能を測定する受信性能測定手段と、日時情報、気象情報、受信性能、及び無線信号を送受信する無線手段の制御状態を格納する記憶手段と、記憶手段に記憶された情報を表示する表示手段と、前記無線手段を制御する制御手段の制御方法を操作する情報を入力する入力手段とを備える無線装置を、少なくとも1つ備え、各無線装置は通信手段によって遠隔操作装置と接続され、各無線装置は前記遠隔操作装置にて制御可能であることを特徴とする。
この構成により、無線装置が設置された場所に人が出向かなくても、無線装置から離れた場所に設置されたメンテナンスセンタ等から無線手段の制御方法を変更することが可能となり、また、各無線装置の稼動状態を一カ所で監視することも可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の無線装置の実施形態について、第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態、第4の実施形態、第5の実施形態、第6の実施形態、第7の実施形態の順に図面を参照して詳細に説明する。
【0027】
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る無線装置の構成を示すブロック図である。同図において、本実施形態の無線装置は、送信データの圧縮と誤り訂正符号化を行う符号化器101、符号化された送信データをベースバンド変調し無線信号として送信する無線送信部102、無線信号を受信しベースバンド復調までを行う無線受信部103、復調信号の誤り訂正復号とデータの伸長を行う復号器104、センサー105、制御手段106で構成される。ここで無線送信部102及び無線受信部103をあわせたものが無線部100であり、無線部100は無線手段に該当する。
【0028】
無線送信部102は、デジタル無線通信の無線送信部の一般的な構成である。符号化器101の出力データは波形生成部107に入力される。波形生成部107では、入力された送信データに制御データが付加され、このデータからベースバンド変調信号が生成される。生成されたバースバンド変調信号は、DA変換器108に入力され、デジタル信号からアナログ信号に変換される。変換されたアナログ信号は直交変調器109に入力され、直交変調されて、ミキサ部110に入力される。ミキサ部110に入力された信号は、所望の周波数にアップコンバートされ、送信電力制御手段であるアンプ部111で増幅され、送信アンテナ112から無線信号として送信される。
【0029】
また、無線受信部103は、デジタル無線通信の無線受信部の一般的な構成である。無線信号は受信アンテナ113で受信され、ミキサ部114にて所望の周波数にダウンコンバートされる。ダウンコンバートされた信号は直交復調器115に入力され、直交復調されて、AD変換器116に入力される。AD変換器116に入力された信号は、アナログ信号からデジタル信号に変換され、デジタル検波部117に入力される。デジタル検波部117では入力されたデジタル信号がベースバンド復調され、復号器104に入力される。
【0030】
また、センサー105は、無線装置が設置されている場所、或いは存在する場所における各種の気象情報を獲得する気象情報獲得手段に該当し、降雨量や降雨強度等を測定する降雨センサー、積雪量や降雪強度等を測定する降雪センサー、外気温を測定する温度センサー、湿度を測定する湿度センサー、明るさを測定する日照センサー等、気象情報を獲得可能な各種センサーの組み合わせによって構成される。
【0031】
また、制御手段106は、センサー105からの出力情報に基づいて無線送信部102と無線送信部103の制御を行い、例えばMPU(Micro Processing Unit)で実現される。
【0032】
次に、以上説明した構成を備える本実施形態の無線装置における動作について詳細に説明する。制御手段106の動作の第1例として、制御手段106がセンサー105の出力情報に基づいて、無線送信部102に含まれるアンプ部111を制御する例を説明する。第1例では、センサー105は降雨センサーであり、制御手段106はMPUであり、アンプ部111は増幅量を変えることが可能なアンプであるとする。また、図2は制御手段106の動作の第1例に係る制御手段の動作を示すフローチャートであり、これを用いて説明する。尚、以後の本実施の形態の説明において、括弧内の符号は各フローチャートの符号に対応している。
【0033】
まず、制御手段106は降雨センサーから降雨情報を受け取り(S201)、雨が降っているかどうかを判定する(S202)。雨が降っていない場合(No)には、アンプ部111の増幅量を晴天時のデフォルト値にセット(S203)して終了する。雨が降っている場合(Yes)には、降雨センサーから降雨強度情報を受け取り(S204)、降雨強度情報に対して統計的な手法を用いるなどして、降雨による電波強度の減衰量を推定する(S205)。そして、電波強度の推定減衰量に基づいてアンプ部111の増幅量を制御して(S206)終了する。
【0034】
特に周波数が10GHz以上の準ミリ波帯やミリ波帯においては、降雨よって電波強度が大きく減衰する。従ってアンプ部111の増幅量については、推定減衰量が大きい場合には、アンプ部111の増幅量を晴天時のデフォルト値に較べて大幅に大きくし、推定減衰量が小さい場合にはアンプ部111の増幅量を晴天時のデフォルト値に較べて小幅に大きくするように制御する。この増幅量は、ROMにテーブルで保持するか、計算によって算出すればよい。
【0035】
この第1例では、気象情報獲得手段として降雨センサーを用いることで、降雨センサーから得られる降雨強度に基づいて制御手段106がアンプ部111の増幅量を適切に変更できる。このため降雨という気象条件の変化と関係なく、無線通信サービスエリア内で一定の電界強度でのサービスを提供することが可能となり、特に準ミリ波帯、ミリ波帯で効果が大きい。また、センサーを無線装置上に配置するだけでよいことから、安価に無線通信システムを構成することが可能となる。
【0036】
また、センサー105に、例えば降雨センサー、降雪センサー、温度センサー、湿度センサー、日照センサー等の気象情報を獲得できる各種のセンサーを用い、気象条件に応じて最適な送受信を行うように無線手段を動作させることができるため、その性能が気象条件によらずに良好となる無線装置が得られる。また、無線装置が存在するまさにその位置における気象条件を、リアルタイムに把握できるといった利点もある。
【0037】
また、特に周波数が10GHz以上の準ミリ波帯やミリ波帯においては、降雨や降雪よって電波強度が大きく減衰するが、降雨雪センサーを備えることで降雨や降雪といった気象条件を用いて無線手段を適切に制御することが可能になる。
【0038】
次に、制御手段106の動作の第2例として、制御手段106がセンサー105の出力情報に基づいて、無線受信部103に含まれるデジタル検波部117を制御する例を説明する。第2例においても、センサー105は降雨センサーであり、制御手段106はMPUであるとする。また、デジタル検波器117の内部には伝搬路の周波数選択性を補償する波形等化器が具備されているものとする。このデジタル検波部117の詳細なブロック図を図3に示す。また、図4は周波数選択性の有する無線伝搬路の一例を示す説明図、図5は第2例に係る制御手段の動作を示すフローチャートであり、これらを用いて説明する。
【0039】
図3はデジタル検波部117の詳細なブロック図である。帯域制限フィルタ301は、AD変換器116から入力されたデジタル信号をフィルタリングする。フィルタリングされた信号はスイッチ302を介して、遅延検波器303あるいは波形等化器304に入力され、検波が行われ、復号器104への入力信号が得られる。スイッチ302は、制御手段106から制御される。遅延検波器303を用いているが、これは変調方式がπ/4シフトQPSK方式であるシステムに対応した場合の例であり、変調方式が16QAM方式ならば同期検波器とすればよく、変調方式に応じて異なるものとなる。また、波形等化器304は、無線伝搬路の周波数選択性(マルチパス)を補償するものであり、代表的なものに判定帰還型等化器(DFE)や最尤系列推定フィルタ(MLSE)などがある。波形等化器304の方式やこれを動作させるパラメータは制御手段106から与えることが可能である。
【0040】
図4は無線伝搬路の電波伝搬の一例である。一般に、送信局401と受信局402の2つの無線局間には電波伝搬経路が多数存在し、受信局402では異なる経路を伝搬してきた複数の無線信号が重ね合わさって受信される。また、反射体403は送信局401及び受信局402の遠方に存在する例えば山岳やビル等である。このとき、受信局402では、送信局401からほぼ直進した直接波404と、送信局401からいったん反射体403方向に向かい、反射体403で反射された後に到達した遅延波405が、重ね合わされて受信される。
【0041】
いま、天候が晴天であり、遅延波405のレベルが直接波404のレベルと比較して相対的に無視できない場合には、受信局402では波形等化器304が必要となる。一方、電波伝搬経路が同一の場合においても、天候が雨天の場合には、晴天の場合と比較して単位伝搬距離あたりの無線信号の伝搬損が大きくなるため、遅延波405のレベルが直接波404と比較して相対的に無視できるようになり、波形等化器304を用いなくとも、通常の検波器である遅延検波器305で検波すれば十分な受信性能が得られるようになる。
【0042】
以上を鑑みると、図4のような無線伝搬路を仮定した場合には、制御手段106は図5のフローチャートのように動作すればよい。すなわち、まず、制御手段106は降雨センサーから降雨情報を受け取り(S501)、雨が降っているかどうかを判定する(S502)。雨が降っていない場合(No)には、遅延波405のレベルが直接波404のレベルと比較して相対的に無視できないことから、制御手段106はスイッチ302を波形等化器304側につなぎ、波形等化器を動作させる状態にして(S503)終了する。雨が降っている場合(Yes)には、降雨センサーから降雨強度情報を受け取り(S504)、降雨強度情報に対して統計的な手法を用いるなどして、降雨による電波強度の減衰量を推定する(S505)。次に電波強度減衰量による判定を行い(S506)、電波強度の推定減衰量がある敷居値よりも大きい場合(Yes)には、遅延波405のレベルが直接波404のレベルと比較して相対的に十分に小さいことから、制御手段106はスイッチ302を遅延検波器303側につなぎ、波形等化器を動作させない状態にして(S507)終了する。一方、電波強度の推定減衰量がある敷居値以下の場合(No)には、遅延波405のレベルが直接波404のレベルと比較して相対的に無視できないことから、制御手段106はスイッチ302を波形等化器304側につなぎ、波形等化器を動作させる状態にして(S503)終了する。
【0043】
この第2例では、気象情報獲得手段として降雨センサーを用いることで、降雨センサーから得られる降雨強度に基づいて制御手段106が波形等化器304を動作させるのがよいか否かを制御できる。無線伝搬路が周波数選択性を持たない場合には、波形等化器は動作させない方が良好な受信性能となることが多いが、本構成によると、天候に応じて適切に波形等化器のON/OFFを行えることから、気象条件によらず良好な受信性能を有する無線装置が得られる。この第2例では、送受信の受信装置の位置が、ともにほぼ固定されいる無線通信システムで特に効果がある。
【0044】
なお、図3では、遅延検波器303と波形等化器304のいずれかをスイッチ302選択するような構成としているが、降雨強度情報に応じて、波形等化器のパラメータ(フィルタタップ数、適応アルゴリズムやこれに付随するパラメータ等)を変更するような制御を行ってもよい。
【0045】
次に、制御手段106の動作の第3例として、制御手段106がセンサー105の出力情報に基づいて、無線受信部103に含まれる受信アンテナ113を制御する例を説明する。
【0046】
第3例においても、センサー105は降雨センサーであり、制御手段106はMPUであるとする。また、受信アンテナ113は、受信指向性を変化させることができる指向性アンテナであるとする。第2例は無線伝搬路の周波数選択性をデジタル検波部117の内部の波形等化器によって補償するものであったが、第3例は受信アンテナ113に指向性アンテナを採用し、これによって周波数選択性を補償する。図6は制御手段106の動作の第3例を示すフローチャートであり、これを用いて説明する。なお、無線伝搬路の条件は第2例と同じ図4を想定している。図4に関して、無線伝搬路の電波伝搬の天候への依存性については、第2例の説明で述べたのでここでは省略する。
【0047】
この時、制御手段106は図6のフローチャートのように動作すればよい。すなわち、まず、制御手段106は降雨センサーから降雨情報を受け取り(S601)、雨が降っているかどうかを判定する(S602)。雨が降っていない場合(No)には、遅延波405のレベルが直接波404のレベルと比較して相対的に無視できないことから、制御手段106は受信アンテナ113の指向性を直接波404の方向に向けるように制御して(S603)終了する。これによって、遅延波405が受信されなくなるから、無線伝搬路の周波数選択性は補償される。雨が降っている場合(Yes)には、降雨センサーから降雨強度情報を受け取り(S604)、降雨強度情報に対して統計的な手法を用いるなどして、降雨による電波強度の減衰量を推定する(S605)。次に電波強度減衰量による判定を行い(S606)、電波強度の推定減衰量がある敷居値よりも大きい場合(Yes)には、遅延波405のレベルが直接波404のレベルと比較して相対的に十分に小さく、遅延波405は無視できることから、制御手段106は受信アンテナ113の指向性を特に制御しない状態にして(S607)終了する。一方、電波強度の推定減衰量がある敷居値以下の場合(No)には、遅延波405のレベルが直接波404のレベルと比較して相対的に大きいことから、制御手段106は受信アンテナ113の指向性を直接波404の方向に向けるように制御して(S603)終了する。
【0048】
この第3例では、気象情報獲得手段として降雨センサーを用いることで、降雨センサーから得られる降雨強度に基づいて制御手段106が受信アンテナ113の指向性を制御するか否かを決定する。本構成によると、天候に応じて適切に受信アンテナ113の指向性を制御できることから、気象条件によらず良好な受信性能を有する無線装置が得られる。この第3例も第2例と同様に、送受信の受信装置の位置が、ともにほぼ固定されいる無線通信システムで特に効果がある。
【0049】
また、受信アンテナ113にアレーアンテナを用いる場合には、デジタル検波部117においてソフトウェアによるデジタル信号処理にてアンテナ指向性を制御することになる。ところが雨天で降雨強度が大きい場合には、指向性制御が不要となるため、デジタル検波部117におけるソフトウェア処理量が少なくなるといった効果もある。
【0050】
なお、この第3例では、アンテナ指向性の制御を受信アンテナ113に対して行っているが、送信アンテナ112の指向性を制御して、無線伝搬路の周波数選択性が生じないようにしてもよい。
【0051】
また、第1例から第3例まで、いずれもセンサーとして降雨センサーを取り上げて説明しているが、降雪によっても降雨とほぼ同じような無線伝搬路の特性変化が生じるため、これを降雪センサーとしてもよい。また、温度計センサー、湿度計センサー、日照センサー等の他の気象情報を獲得できるセンサーによる気象情報を用いて、無線装置を制御することもできる。
【0052】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図7は、本発明の第2の実施形態に係る無線装置の構成を示すブロック図である。なお、図7において図1と共通する構成部分には、図1と同一符号を付して説明を省略する。
【0053】
図7に示す無線装置は、図1と比較して、気象情報獲得手段としてセンサー105の代わりに通信網接続手段701を設けている点が異なる。通信網とは例えばインターネットがあげられる。制御手段106は、通信網接続手段701を介して、気象情報を通信網702から獲得するように動作し、獲得した気象情報に応じて無線送信部102及び無線受信部103の制御を行う。制御手段106は、例えば第1の実施形態で説明した図2、図5、または図6のように動作する。
【0054】
通信網接続手段701を設けたことにより、無線装置側で通信網上の様々なコンテンツ、あるいは無線装置の管理者が作成したコンテンツを利用して無線装置を制御することが可能となる。また、無線装置は気象情報を通信網上から獲得することで、センサーを設けるのと比較して、より安価に気象条件によらず良好な性能を有する無線装置を構成できる。
【0055】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図8は、本発明の第3の実施形態に係る無線装置の構成を示すブロック図である。なお、図8において図1と共通する構成部分には、図1と同一符号を付して説明を省略する。
【0056】
図8に示す無線装置は、図1と比較して、気象情報獲得手段をセンサー105の代わりにFM受信機801としている点が異なる。FM受信機801は、放送受信手段に該当する。FM受信機801では、FM放送局802からの放送が受信される。制御手段106では、FM受信機801で受信されたFM放送による気象情報が獲得され、その結果に応じて無線送信部102及び無線受信部103の制御を行う。制御手段106は、例えば第1の実施形態で説明した図2、図5、または図6のように動作する。
【0057】
FM受信機801を設けたことにより、一般に放送されているFM多重放送を受信するだけで気象情報を獲得できることから、センサーを設けるのと比較して、より安価に気象条件によらず良好な性能を有する無線装置を構成できる。尚、放送受信手段としては、テレビ放送やAMラジオ放送等の放送を受信できる受信手段であってもよい。
【0058】
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図9は、本発明の第4の実施形態に係る無線装置の構成を示すブロック図である。なお、図9において図1と共通する構成部分には、図1と同一符号を付して説明を省略する。
【0059】
図9に示す無線装置は、図1と比較して、気象情報獲得手段をセンサー105の代わりに衛星受信機901としている点が異なる。衛星受信機901は、衛星通信受信手段に該当する。衛星受信機901では、人工衛星902からの電波が受信される。制御手段106では、衛星受信機901で受信された衛星放送から気象情報が獲得され、その結果に応じて無線送信部102及び無線受信部103の制御を行う。制御手段106は、例えば第1の実施形態で説明した図2、図5、または図6のように動作する。
【0060】
衛星受信機901を設けたことにより、一般に放送されている衛星放送を受信するだけで気象情報を獲得できることから、センサーを設けるのと比較して、より安価に気象条件によらず良好な性能を有する無線装置を構成できる。また、衛星放送はFM放送とは違い、無線装置がどこに存在しても利用できるといった利点もある。尚、衛星受信機901の機能としては、単に衛星放送から気象情報を獲得するのみではなく、各種の通信衛星からの信号から気象情報を抜き出したり、気象衛星から直接気象情報を獲得したりできるような構成としてもよい。
【0061】
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。図10は、本発明の第5の実施形態に係る無線装置の構成を示すブロック図である。なお、図10において図1と共通する構成部分には、図1と同一符号を付して説明を省略する。図10に示す無線装置は、図1と比較して、日時情報獲得手段1001を追加した構成をとる。
【0062】
日時情報獲得手段1001としては、例えば無線装置に内蔵されたカレンダーや時計が該当し、制御手段106はセンサー105から得られる気象情報に加え、日時情報獲得手段1001から得られる日時情報も用いて、無線送信部102及び無線受信部103を制御する。無線伝搬路は、気象条件のみならず季節や昼夜等の日時にも関係して変化するため、気象情報と日時情報を組み合わせて無線装置を制御することで良好な性能を有する無線装置を構成できる。
【0063】
無線伝搬路が気象条件と日時によって変化する一例として、ラジオダクトがあげられる。ラジオダクトの発生原因としては、移流現象、夜間冷却、沈降現象が主なものである(1992年、社団法人電子情報通信学会発行の無線通信の電波伝搬を参照)。移流現象では、海岸地方において昼間には湿気を含む海風が、夜間には陸風が吹き、これによってラジオダクトが形成される。また、夜間冷却では、夜間に生じる大地の放射冷却により地表面付近に温度逆転が起こり、これによってラジオダクトが形成される。また、沈降現象では、高気圧圏で見られる下降気流によって乾燥した冷たい空気が蒸発の盛んな湿った空気に近づき、ラジオダクトが形成される。いずれにおいても、天候、気温や風向等の気象情報に加えて日時情報を加味することによって、ラジオダクトの発生可能性を知ることができる。また、地域性もあるが、ラジオダクトは初夏から秋口にかけて発生することが多いため、この季節の情報も手掛かりとなる。
【0064】
図11は固定無線伝搬路のモデル図である。図11のような伝搬路モデルが適用できるのは、周波数が10GHz以下のマイクロ波帯である。それより周波数の高い準ミリ波、ミリ波ではラジオダクトによる干渉の影響はほとんどないためである。ラジオダクト1101が上空に存在する場合には、送信局1102と受信局1103の無線局間には大きく分けて3つの電波伝搬経路が存在する。受信局1103では、送信局1102からほぼ直進した直接波1104、上空のラジオダクトで反射してきたダクト波1105、及び地表で反射してきた大地反射波1106が合成された信号が受信される。このうち、直接波1104とダクト波1105の干渉によって無線伝搬路には周波数選択性が生じるため、ラジオダクトが発生している環境では、波形等化器を用いてこれを補償するか、受信局1103の受信アンテナの指向性を直接波1104方向に絞ることによってダクト波1105を受信しないようにすればよい。
【0065】
以上を鑑みると、制御手段106は図12のフローチャートように動作すればよい。ここで図12のフローチャートは、無線受信部103に波形等化器が備えられていること、更には、図4の無線伝搬路に示した遅延波405が存在しないことを前提としている。
【0066】
まず制御手段106は、センサー105から気象情報を受け取るとともに、日時情報獲得手段1001から日時情報を受け取り、時系列の順に保持する(S1201)。次に、制御手段106では、保持された日時情報と気象情報から、ラジオダクトの発生可能性を判定する(S1202)。ラジオダクトが発生している可能性が低いと判定した場合(No)には、ダクト波1105による直接波1104への干渉はないため、制御手段106は無線受信部103における波形等化器を動作させない状態にして(S1203)終了する。一方、ラジオダクトが発生している可能性が高いと判定した場合(Yes)には、ダクト波1105と直接波1104によって無線伝搬路に周波数選択性が生じているため、制御手段106は無線受信部103における波形等化器を動作させる状態にして(S1204)終了する。
【0067】
また、制御手段106の動作の別例を図13のフローチャートに示す。ここで図13のフローチャートは、無線受信部103の受信アンテナが指向性アンテナであること、更には、図4の無線伝搬路に示した遅延波405が存在しないことを前提としている。
【0068】
まず制御手段106は、センサー105から気象情報を受け取るとともに、日時情報獲得手段1001から日時情報を受け取り、時系列の順に保持する(S1301)。次に、制御手段106では、保持された日時情報と気象情報から、ラジオダクトの発生可能性を判定する(S1302)。ラジオダクトが発生している可能性が低いと判定した場合(No)には、ダクト波1105による直接波1104への干渉はないため、制御手段106は無線受信部103における受信アンテナの指向性を制御しない状態にして(S1303)終了する。一方、ラジオダクトが発生している可能性が高いと判定した場合(Yes)には、ダクト波1105と直接波1104によって無線伝搬路に周波数選択性が生じているため、制御手段106は無線受信部103における受信アンテナの指向性を直接波1104方向に向けるように制御して(S1304)終了する。
【0069】
本実施形態では、制御手段106が気象情報に加え、日時情報も用いて無線受信部103中の波形等化器や指向性アンテナを制御するように構成しているため、気象条件によらずに良好な受信性能を有する無線装置が得られている。
【0070】
なお、本実施形態の説明はマイクロ波帯以下の周波数での性能劣化要因となるラジオダクトによって行ったが、この限りではない。
【0071】
また、図13の説明では、アンテナ指向性の制御を受信アンテナ113に対して行っているが、送信アンテナ112の指向性を制御して、無線伝搬路の周波数選択性が生じないようにしてもよい。
【0072】
また、本実施形態の説明は、第1の実施の形態との組み合わせによって記載したが、第2ないし第4の実施の形態と組み合わせることも可能である。すなわち、図10における気象情報獲得手段であるセンサー105の代わりとして、通信網接続手段、放送受信手段、または衛星通信受信手段としてもよい。
【0073】
また、日時情報獲得手段1001を、通信網接続手段、放送受信手段、衛星通信手段等にすることにより、インターネット、各種ラジオ放送、衛星放送等から日時情報を獲得するようにしてもよい。
【0074】
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。図14は、本発明の第6の実施形態に係る無線装置の構成を示すブロック図である。なお、図14において図1と共通する構成部分には、図1と同一符号を付して説明を省略する。
【0075】
図14に示す無線装置は、図1と比較して、日時情報獲得手段1401、記憶手段1402、表示手段1403、入力手段1404、及び受信性能測定手段1405を追加した構成をとる。例えば、記憶手段1402はメモリ、ハードディスク等が該当し、表示手段1403はモニタが該当し、入力手段1404はキーボードが該当する。また、受信性能測定手段1405は、無線受信部103に含まれるデジタル検波部117から得られる推定ビット誤り率や、復号器104から得られる機能チャネルのCRC情報等を用いて、受信性能を測定する。
【0076】
以下、図14を用いて第6の実施形態を説明する。制御手段106は、センサー105から獲得した気象情報と日時情報獲得手段1401から獲得した日時情報、無線送信部102及び無線受信部103の無線部への制御情報(波形等化器制御、指向性アンテナ制御、アンプ増幅量制御等)、更には受信性能測定手段1405からの受信性能情報を記憶手段1402に格納する。記憶手段1402に記憶された各種情報は、表示手段1403にて閲覧可能である。無線装置をメンテナンスする者は、表示手段1403に表示された各種情報に基づき、制御手段106の無線装置への制御方法を、入力手段1404からの入力によって変更可能である。例えば、図2のステップS206におけるアンプ部111の増幅量の制御値を変更したり、図5のステップS506における波形等化器のON/OFFに用いる電波強度推定減衰量の敷居値を変更したりすることができる。
【0077】
このような構成にすることによって、実運用での無線装置の性能を確認した上で、制御手段106による無線部への制御を、より良好な制御に変更できるようになるため、無線装置の性能をより向上させることが出来る。また、無線伝搬路の電波伝搬特性の変化(例えば大規模なビルが建築され、マルチパス条件が変わる等)に柔軟に対応できるといった利点もある。
【0078】
なお、本実施形態の説明は、第1の実施の形態との組み合わせによって記載したが、第2ないし第4の実施の形態と組み合わせることも可能である。すなわち、図14における気象情報獲得手段であるセンサー105の代わりとして、通信網接続手段、放送受信手段、または衛星通信受信手段としてもよい。
【0079】
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。図15は、本発明の第7の実施形態に係る無線通信システムの構成を示すブロック図である。
【0080】
図15において、複数の無線装置1501は、それぞれが図14の構成をとる。また、1502は通信手段であり、例えばインターネット、専用線、PSTN(Public Switched Telephone Network)などの通信網が該当する。また、1503は遠隔操作装置であり、メンテナンスセンタ1504内に設置されている。複数の無線装置1501の記憶手段1402に格納された情報は、通信手段1502を介して、遠隔操作装置1503に送出される。無線装置1501をメンテナンスする者は、遠隔操作装置1503で得られた情報に基づき、各無線装置の制御方法を遠隔操作装置1503にて入力し送信する。送信されたデータは、通信手段1502を介して該当する無線装置1501に到達し、制御手段106によって無線部制御方法が変更される。
【0081】
本実施形態の無線通信システムでは、複数の無線装置を、通信手段を介して遠隔操作装置に接続している。これによって無線装置が設置された場所に人が出向かなくても、無線装置から離れた場所に設置されたメンテナンスセンタ等から無線部の制御方法を変更することが可能となり、無線装置のメンテナンスがし易くなるという効果がある。また、各無線装置の稼働状態を一カ所で監視できるという利点もある。
【0082】
尚、上述のすべての実施の形態において、制御手段106をMPUとして説明している。しかしながら、MPUに限られるものではなく、制御手段106として、コンピュータを用いることも可能である。コンピュータを制御手段として用いた場合には、コンピュータを、気象情報を獲得する気象情報獲得手段と、無線信号を送受信する無線手段の送信電力を制御する送信電力制御手段として機能させるための無線装置の制御プログラムを用意し動作させることで、MPUの場合と同様な効果を得ることが可能となる。
【0083】
また、コンピュータを、気象情報を獲得する気象情報獲得手段と、無線伝搬路の周波数選択性を補償する波形等化器のパラメータを制御する波形等化器制御手段して機能させるための無線装置の制御プログラムを用意し動作させることで、MPUの場合と同様な効果を得ることが可能となる。
【0084】
【発明の効果】
以上のように本発明に係る無線装置では、無線信号を送信或いは受信する無線手段に加え、気象情報を獲得する気象情報獲得手段を設けることにより、無線伝搬路における電波伝搬特性が気象条件によって大きく異なるものの、気象情報獲得手段によって獲得された気象情報に基づいて、制御手段が無線手段の波形等化器を適切に制御することから、気象条件によらずに性能が良好であり且つ低コストで実現可能な無線装置及び無線通信システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係る無線装置の構成を示すブロック図
【図2】 上記実施形態の第1例に係る制御手段の動作を示すフローチャート
【図3】 上記実施形態の第2例に係るデジタル検波部の構成を示すブロック図
【図4】 周波数選択性の有する無線伝搬路の一例を示す説明図
【図5】 上記実施形態の第2例に係る制御手段の動作を示すフローチャート
【図6】 上記実施形態の第3例に係る制御手段の動作を示すフローチャート
【図7】 本発明の第2の実施形態に係る無線装置の構成を示すブロック図
【図8】 本発明の第3の実施形態に係る無線装置の構成を示すブロック図
【図9】 本発明の第4の実施形態に係る無線装置の構成を示すブロック図
【図10】 本発明の第5の実施形態に係る無線装置の構成を示すブロック図
【図11】 固定マイクロ波伝搬路のモデル図
【図12】 本発明の第5の実施形態に係る制御手段の動作を示す第1のフローチャート
【図13】 本発明の第5の実施形態に係る制御手段の動作を示す第2のフローチャート
【図14】 本発明の第6の実施形態に係る無線装置の構成を示すブロック図
【図15】 本発明の第7の実施形態に係る無線通信システムの構成を示すブロック図
【図16】 従来の無線通信システムの構成を示すブロック図
【符号の説明】
100 無線部
101 符号化器
102 無線送信部
103 無線受信部
104 復号器
105 センサー(気象情報獲得手段)
106 制御手段
107 波形生成部
108 DA変換器
109 直交変調器
110、114 ミキサ部
111 アンプ部(送信電力制御手段)
112 送信アンテナ
113 受信アンテナ
115 直交復調器
116 AD変換器
117 デジタル検波部
304 波形等化器
701 通信網接続手段
801 FM受信機(放送受信手段)
901 衛星受信機(衛星通信受信手段)
1001、1401 日時情報獲得手段
1402 記憶手段
1403 表示手段
1404 入力手段
1405 受信性能測定手段
1501 無線装置
1502 通信手段
1503 遠隔操作装置

Claims (17)

  1. 気象情報を獲得する気象情報獲得手段と、
    無線信号を送受信し、かつ無線伝搬路の周波数選択性を補償する波形等化器を有する無線手段と、
    前記気象情報を用いて前記無線手段を制御する制御手段と、
    を備え、前記制御手段が前記気象情報を用いて前記波形等化器のパラメータを制御することを特徴とする無線装置。
  2. 前記気象情報獲得手段は、気象観測を行うためのセンサーであることを特徴とする請求項1記載の無線装置。
  3. 前記センサーが降雨雪センサーであることを特徴とする請求項2記載の無線装置。
  4. 前記気象情報獲得手段は、通信網に接続して気象情報を獲得する通信網接続手段であることを特徴とする請求項1記載の無線装置。
  5. 前記気象情報獲得手段は、放送を受信して気象情報を獲得する放送受信手段であることを特徴とする請求項1記載の無線装置。
  6. 前記気象情報獲得手段は、衛星からの電波を受信して気象情報を獲得する衛星通信受信手段であることを特徴とする請求項1記載の無線装置。
  7. 日時情報を獲得する日時情報獲得手段を備え、前記気象情報獲得手段の出力情報と前記日時情報とにより把握される気象情報を用いて、前記無線手段を制御することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の無線装置。
  8. 無線信号を送受信し、波形等化器によって無線伝搬路の周波数選択性を補償し、
    気象情報獲得手段によって気象情報を獲得した後、制御手段によって前記気象情報獲得手段の気象情報を用いて、前記波形等化器のパラメータを制御することを特徴とする無線装置の制御方法。
  9. 前記気象情報獲得手段は、気象観測を行うためのセンサーであることを特徴とする請求項記載の無線装置の制御方法。
  10. 前記センサーは降雨雪センサーであることを特徴とする請求項記載の無線装置の制御方法。
  11. 前記気象情報獲得手段は、通信網に接続して気象情報を獲得する通信網接続手段であることを特徴とする請求項記載の無線装置の制御方法。
  12. 前記気象情報獲得手段は、放送を受信して気象情報を獲得する放送受信手段であることを特徴とする請求項記載の無線装置の制御方法。
  13. 前記気象情報獲得手段は、衛星からの電波を受信して気象情報を獲得する衛星通信受信手段であることを特徴とする請求項記載の無線装置の制御方法。
  14. 日時情報を獲得する日時情報獲得手段を備え、前記気象情報獲得手段の出力情報と日時情報とにより把握される気象情報を用いて、前記無線手段を制御することを特徴とする請求項ないし請求項13のいずれかに記載の無線装置の制御方法。
  15. コンピュータを、気象情報を獲得する気象情報獲得手段と、無線伝搬路の周波数選択性を補償する波形等化器のパラメータを制御する波形等化器制御手段して機能させるための無線装置の制御プログラム。
  16. 受信性能を測定する受信性能測定手段と、日時情報、気象情報、受信性能、及び前記無線手段の制御状態を格納する記憶手段と、記憶手段に記憶された情報を表示する表示手段と、前記制御手段の制御方法を操作する情報を入力する入力手段と、
    を備えることを特徴とする請求項7記載の無線装置。
  17. 受信性能を測定する受信性能測定手段と、日時情報、気象情報、受信性能、及び無線信号を送受信する無線手段の制御状態を格納する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された情報を表示する表示手段と、前記無線手段を制御する制御手段の制御方法を操作する情報を入力する入力手段とを備える無線装置を、少なくとも1つ備え、各無線装置は通信手段によって遠隔操作装置と接続され、前記各無線装置は前記遠隔操作装置にて制御可能であることを特徴とする無線通信システム。
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