JP2008136051A - デジタル放送受信装置とこれを用いたデジタル放送受信システム - Google Patents

デジタル放送受信装置とこれを用いたデジタル放送受信システム Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、受信性能と消費電力がトレードオフとなる受信モードを切り替えることにより受信性能と消費電力を両立する受信装置において、受信エラーを発生させることなく受信モードの切り替えを行うことを目的とする。
【解決手段】本発明の受信装置1は、第1受信電力で動作し第1受信感度の第1受信モードと、第1受信感度よりも悪い第2受信感度の第2受信モードと、第1動作電力よりも小さい第2動作電力で動作し第2受信感度よりも悪い第3受信感度の第3受信モードを有する。この構成において、第1受信モードとしているときに受信環境が良好となった場合には第2受信モード、第3受信モードの順で切り替え制御を行い、受信環境が劣悪となった場合には第2受信モード、第1受信モードの順で切り替え制御を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、受信性能と動作電力がトレードオフとなる受信モードを受信環境に応じて切り替える受信装置とこれを用いた受信システムに関する。
近年、小型の携帯受信端末においてダイバーシティ受信方式の採用が進んでいる。すなわち、小型端末では受信アンテナを小さくする必要があるため低利得のアンテナとなり、また利用者が移動しながら受信するなど受信環境が劣悪であるため、2本のアンテナを用いそれぞれの受信信号を選択あるいは合成するダイバーシティ受信により、大幅に受信感度を改善することができる。
しかし、ダイバーシティ受信方式はアンテナおよび受信部を2系統有するため、バッテリーで駆動される携帯端末においては、消費電力の増加が課題となる。
そこで、受信環境が劣悪な場合にはダイバーシティ受信として高感度にし、受信環境が良好な場合には1系統のみの受信部で受信(以下、シングル受信)して低消費電力とすることにより、受信性能改善と消費電力低減の両立を図る手法が提案されている。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開平11−150497号公報
しかし、ダイバーシティ受信はシングル受信に比べて大幅に良好な受信感度を有するため、受信環境に応じた切り替え制御を行った場合に、ダイバーシティ受信とシングル受信の切り替えが頻発し、受信エラーが発生する場合がある。
すなわち、ダイバーシティ受信の受信感度となる入力レベルとシングル受信の受信感度となる入力レベルの中間の入力レベルにおいては、シングル受信では受信不可となり、ダイバーシティ受信では十分なマージンを持って受信できる入力レベル範囲が存在するため、この入力レベル範囲においてはシングル受信とダイバーシティ受信の切り替えが頻発する。
そこで本発明は、ダイバーシティ受信の受信感度とシングル受信の受信感度の中間の受信感度となる第3の受信モードを使うことにより、切り替えの頻発をなくし、受信エラーの発生を防ぐことを目的とする。
上記目的を達成する為に、本発明の受信装置は、第1受信電力で動作し第1受信感度の第1受信モードと、第1受信感度よりも悪い第2受信感度の第2受信モードと、第1動作電力よりも小さい第2動作電力で動作し第2受信感度よりも悪い第3受信感度の第3受信モードを有することを特徴とする。
上記構成により、第1受信モードと第2受信モード、および第2受信モードと第3受信モードの感度差が、第1受信モードと第3受信モードの感度差よりも小さくなるため、切り替え制御の際に受信モード間の感度差が大きいことに起因する切り替え頻発を防ぐことができ、受信エラーを発生させることなく受信モード間の状態遷移を行うことが可能となる。
(実施の形態1)
以下、本発明における実施の形態1について説明する。
図1において、受信装置1は第1受信部2と、第2受信部3と、これら第1受信部2と第2受信部3の出力側に接続されたダイバーシティ部4と、このダイバーシティ部4の出力側に接続された誤り訂正部5と、この誤り訂正部5の出力側に接続されたデコード部6と、このデコード部6の出力側に接続された表示部7と、誤り訂正部5に接続されたBER(Bit Error Rate)計測部8と、このBER計測部8からの信号に基づき第1受信部2と第2受信部3とを制御する制御部9とから構成される。なお受信装置1の構成としては、これら構成要素を全て有する場合もあるし、これら構成要素のうち、1個あるいは複数個を有する場合もある。
この構成において、受信装置1は第1受信部2と第2受信部3を用いてダイバーシティを行うダイバーシティ受信モード、あるいは第1受信部2または第2受信部3のいずれか一方のみを用い他方を電源OFFとするシングル受信モードで動作することができる。また、いずれの受信モードであっても誤り訂正部5が出力する信号をデコード部6において受信信号を送信側のデータに復元し、この復元されたデータを表示部7で表示することができる。
図2はダイバーシティ受信モードおよびシングル受信モードの受信感度特性を示したものである。横軸は受信部への入力レベルで縦軸は受信信号の誤り率(BER)を示している。受信感度は一般に、BERが、デコード部において送信データを正常に復元できる限界値(以下、BER限界)となる入力レベルで定義される。図2の例においては、シングル受信モードの受信感度は−98dBmで、ダイバーシティ受信モードの受信感度は−101dBmであり、ダイバーシティ受信モードがシングル受信モードに比べて3dBだけ感度が良好である。一方、高周波回路で構成される受信部は一般に消費電力が大きいため、ダイバーシティ受信モードとした場合の消費電力は、一方の受信部を電源OFFとするシングル受信モードの消費電力に比べて大幅に増大する。なお、上記例における各数値(−98dBm、−101dBm、3dB)は受信装置1の性能に依存するものであり、一例として示したものである。
制御部9は受信環境に応じてダイバーシティ受信モードとシングル受信モードの切り替え制御を行う。受信環境を取得する手段として、自動利得制御電圧(AGC)やキャリアノイズレベル比(C/N)、BERなど種々の方法があるが、本実施の形態においてはBERを用いる方法を例として説明する。すなわち、BER計測部8が出力するBERが予め設定した閾値よりも小さい場合には受信部への入力レベルが大きく受信環境が良好と判断し、ダイバーシティ受信モードからシングル受信モードに切り替える(以下、ダイバーシティ受信モードからシングル受信モードに切り替えるためのBERの閾値を解除閾値と呼ぶ)。一方、BER計測部8が出力するBERが予め設定した閾値よりも大きい場合には受信部への入力レベルが小さく受信環境が劣悪と判断し、シングル受信モードからダイバーシティ受信モードに切り替える(以下、シングル受信モードからダイバーシティ受信モードに切り替えるためのBERの閾値を起動閾値と呼ぶ)。この制御により、受信環境が良好な場合にはシングル受信モードとして消費電力を削減することができ、受信環境が劣悪な場合にはダイバーシティ受信として受信性能を確保することができる。
しかし、シングル受信モードの受信感度とダイバーシティ受信モードの受信感度の差が約3dBと大きいため、これらの中間の入力レベルにおいては切り替えが頻発する現象が起こる。図3を用いてこの現象を説明する。図3には前述の解除閾値と起動閾値が示されている。シングル受信モードで起動閾値となる入力レベルa以下で、かつダイバーシティ受信モードで解除閾値となる入力レベルc以上となるレベル範囲(以下、レベル範囲A)では、シングル受信モードの場合にはBERが起動閾値より大きくなるため、制御部9はダイバーシティ受信モードに切り替えを行い、ダイバーシティ受信モードの場合にはBERが解除閾値よりも小さいため、制御部9はシングル受信モードに切り替えを行う。その結果、周期的にシングル受信モードとダイバーシティ受信モードが切り替わることになり、受信装置1がこのレベル範囲Aに定常的に存在する場合には受信モードの切り替えが頻発することになる。さらに、シングル受信モードで誤り限界となる入力レベルb(すなわち、感度レベル)以下で、かつダイバーシティ受信モードで解除閾値となる入力レベルc以上となるレベル範囲(以下、レベル範囲B)では、切り替えが周期的に発生する結果、受信エラーが発生する。つまり、シングル受信モードとなっている期間はBER限界以上の誤りが発生し、後段のデコード部6で送信データを正常に復元できない。なお、解除閾値を小さく設定することによってレベル範囲Aおよびレベル範囲Bを狭くすることもできるが、BERの測定精度を上げるためには測定時間を長くする必要があり、受信環境の変化に対する追従性が遅くなる。具体例として、携帯端末向けのデジタル放送(ワンセグ)においては、MPEGトランスポートストリーム(TS)のデータ伝送速度が約416kbpsであるため、BERを1E−6の精度で計測する場合には約2秒間測定する必要があり、適応制御の追従性として許容できない。
そこで、本発明はダイバーシティ受信モードの受信感度よりも悪く、かつシングル受信モードの受信感度よりも良い受信感度を有する第3の受信モード(以下、中間受信モード)を用いる。中間受信モードはダイバーシティ受信モードをなんらかの方法で感度劣化させることにより作ることができる。
中間受信モードを作る一例として受信部に含まれるRFGCA(Radio Frequency Gain Control Amp)の利得を低くする方法があり、図5を用いて説明する。図5における受信部10は、図1における第1受信部2又は第2受信部3である。図5において、受信部10は、アンテナ11と、アンテナ11に接続されたRFフィルタ12と、RFフィルタ12および後述のRFAGC(Radio Frequency Automatic Gain Control)16に接続されたRFGCA13と、VCO(Voltage Controlled Oscillator)15と、RFGCA13およびVCO15に接続されたミキサ14と、ミキサ14に接続されたIFフィルタ17と、IFフィルタ17に接続されたIFGCA18と、IFGCA18に接続されたADC(Analog Digital Converter)19と、ADC19に接続された復調部20と、ミキサ14に接続されたRFAGC16で構成される。また受信部10の外部にある制御部9はRFAGC16に接続されている。この構成を用いて受信部10は、アンテナ11で受信した受信信号に含まれる不要波をRFフィルタ12で抑圧し、RFGCA13で信号レベルが所定レベル範囲となるように制御を行う。次に、受信部10は、VCO15が出力するローカル信号とRFGCA13の出力信号をミキサ14で混合し所定の中間周波数(IF)に変換する。次に、受信部10は、ミキサ14の出力信号に対してIFフィルタ17で所望帯域以外の不要波を除くことにより最終的な信号濾過を行い、さらにIFGCA18においてADC19の入力レンジに合うように利得制御を行う。次に、受信部10は、A/DコンバータであるADC19でIFGCA19の出力信号をA/D変換することによりデジタル信号への変換を行い、復調部20で復調して後段のダイバーシティ部(図示せず)に接続される。一般に受信装置の受信感度Sは信号帯域幅と温度で決まる雑音指数と、受信機の構成で決まる雑音指数Fと、信号の変調方式で定まる所要C/Nから定まり、(数1)で表される。ここで、Kはボルツマン定数、Tは温度、Bは信号帯域幅である。
Figure 2008136051
ここで、RFGCA13の利得を低くすることにより受信感度を劣化させることができることを説明する。RFGCAの利得をG1、RFGCAの雑音指数をF1、ミキサ14以降の雑音指数をF2とすると、受信機全体の雑音指数Fは(数2)で表される。
Figure 2008136051
つまり、RFGCAの利得G1を小さくすることにより、受信装置全体の雑音指数Fが大きくなり、その結果、(数1)における受信装置の受信感度Sが大きくなり受信感度が劣化する。この関係を利用し、ダイバーシティ受信モードにおける2系統の受信部2、3それぞれに対して、RFGCA13の利得を制御するRFAGC16に対して制御部9から強制的に制御値を設定することにより、ダイバーシティ受信モードよりも受信感度が悪く、またシングル受信モードよりも受信感度が良い中間受信モードを作ることができる。
この他、中間受信モードを作る手段としては、受信部10の各回路の電流値を制限することによりトランジスタの増幅度を制限して利得や雑音指数を劣化させることにより受信感度が劣化することが知られており、この手段を利用することができる。この場合には中間受信モードとしている期間はダイバーシティ受信モードよりも消費電力を下げられるため、さらに消費電力削減に対して効果がある。また、ADC19におけるA/D変換のビット精度を悪くすることによっても感度劣化をさせ、中間受信モードを作ることが可能である。その他にも中間受信モードを作成する方法はあるが、本発明は中間受信モードの作り方によらず、切り替えの周期的発生に起因する受信エラーの発生に対して改善効果を有するものである。
中間受信モードを用いて切り替えを行った場合の動作を図4を用いて説明する。中間受信モードはダイバーシティ受信モードより受信感度が悪く、かつシングル受信モードより受信感度が良くなるように作られる。図4の例ではfが中間受信モードの受信感度で、ダイバーシティ受信モードの受信感度gよりも悪く、シングル受信モードの受信感度cよりも良くなっている。ここでダイバーシティ受信モードと中間受信モードの間の切り替え制御を考えると、中間受信モードで起動閾値となる入力レベルeは、ダイバーシティ受信モードで解除閾値となる入力レベルdよりも小さいため、レベル範囲Aが存在せず、周期的な切り替えは発生しない。また中間受信モードとシングル受信モードの間の切り替え制御を考えると、シングル受信モードで起動閾値となる入力レベルaと中間受信モードで解除閾値となる入力レベルbで定まるレベル範囲Aにおいて、中間受信モードとシングル受信モードの周期的な切り替えが発生する。しかし、シングル受信モードでBER限界となる入力レベルcはbよりも小さい値となっているためレベル範囲Bは存在せず、シングル受信モードとなっている期間においても受信エラーは発生しない。さらにレベル範囲Aもなくすためには、受信感度が中間受信モードより悪く、シングル受信モードよりも良い第4の受信モードをさらに作り、4つの受信モードを用いて切り替え制御を行うことにより可能となる。
本実施の形態の構成を用いて、制御を行う具体例を図6および図7を用いて説明する。
図6は従来の、ダイバーシティ受信モードとシングル受信モードを切り替える場合の制御フローの一例である。まずは、制御部9は、BER計測部から出力されたBERを取得する。次に、制御部9は、現在の受信モードがダイバーシティ受信モードである場合にはBERと解除閾値を比較し、BERが解除閾値より小さい場合には受信環境が良好であるためシングル受信モードへ切り替える制御を行い、BERが解除閾値よりも大きい場合には切り替え制御を行わずにBER取得ステップへ戻る。また、制御部9は、現在の受信モードがシングル受信モードである場合にはBERと起動閾値を比較し、BERが起動閾値よりも大きい場合には受信環境が劣悪であるためダイバーシティ受信モードへ切り替える制御を行い、BERが起動閾値よりも小さい場合には切り替え制御を行わずにBER取得ステップへ戻る。ダイバーシティ受信モードとシングル受信モードの感度差が約3dBと大きいため、この制御方法では前述のとおり、レベル範囲Aが存在するため周期的に受信モードの切換えが発生し、さらにレベル範囲Bも存在するため受信エラーが発生する。
図7は本発明における制御方法の一例である。制御部9は、BER取得後、シングル受信モードの場合、BERが起動閾値よりも大きい場合には中間受信モードへ切り替え制御を行う。ダイバーシティ受信モードの場合、制御部9は、BERが解除閾値よりも小さい場合には中間受信モードへ切り替え制御を行う。また中間受信モードの場合、制御部9は、BERが起動閾値よりも大きい場合にはダイバーシティ受信モードへ切り替え制御を行い、BERが解除閾値よりも小さい場合にはシングル受信モードへ切り替え制御を行い、BERが起動閾値よりも小さくかつ解除閾値よりも大きい場合には何もせずにBER取得ステップへ戻る。この制御フローにより、3つの受信モードを受信環境に応じて切り替え制御を行うことができ、前述のとおり、レベル範囲Aおよびレベル範囲Bを狭くする、あるいはなくすことが可能となる。
以上の説明より、受信感度と消費電力がトレードオフとなる受信モードを受信環境に応じて切り替え制御を行う場合に、本実施の形態の構成を用いることにより、周期的な切り替えが発生し、受信エラーが発生する現象をなくし、スムーズな切り替え制御を実現することができる。
なお、本実施の形態においては、ダイバーシティ受信モードとシングル受信モードの切り替えを例として説明しているが、受信部が1系統のみでダイバーシティ構成を有さない受信装置においても、本発明は効果を有する。すなわち、受信部の回路構成において、受信感度は良いが消費電力は大きい高感度モードと、受信感度は悪いが消費電力は小さい省電力モードを、受信環境に応じて切り替え制御を行う場合に、2つの受信モードの中間の受信感度となる第3の受信モードを用いることにより、同様にスムーズな切り替え制御を行うことが可能となる。
この場合においては、一般に高感度モードと省電力モードで移動受信特性(レイリー特性)の性能差が小さいあるいは同等となる。従って、受信感度レベル付近では受信モードの適応切り替えが有効な効果を奏するが、受信感度レベルよりも高い移動受信感度レベル付近では受信モードの適応切り替えの効果が小さく、場合によっては切り替えに起因する特性劣化が生ずる。この現象を回避するためには、例えば受信感度レベルよりも大きい一定レベル以上となった場合には適応切り替え制御を停止し省電力モードとする方法がある。あるいは受信装置に移動検出器(図示せず)を設け、所定速度以上の場合には適応切り替え制御を停止し省電力モードとする方法などが考えられる。
また、受信感度と消費電力がトレードオフとなる受信モードの適応制御に限らず、妨害特性と消費電力、周波数特性と消費電力、温度特性と消費電力など、各種受信モード間の適応切り替え制御を行う際に、それぞれの特性の中間受信モードを作ることにより受信エラーの発生をなくす効果を得ることができる。
本発明の受信装置および制御方法は、受信性能と消費電力がトレードオフとなる受信モードを受信環境において切り替え制御を行う場合に、中間受信性能となる受信モードを利用することにより、切り替え制御による受信エラーの発生を起こさずに状態遷移を行うことができる。携帯端末向けテレビ受信機などバッテリー駆動の携帯型受信端末において、受信性能とバッテリー持続時間の両立を実現する際に、本発明は特に有用である。
本発明の実施の形態1における受信装置のブロック図 ダイバーシティ受信モードおよびシングル受信モードの受信感度特性を示す図 ダイバーシティ受信モードおよびシングル受信モードの受信感度特性を示す図 ダイバーシティ受信モードおよびシングル受信モードの受信感度特性を示す図 本発明の実施の形態1における受信部のブロック図 同受信装置の動作フローチャート 同受信装置の他の動作フローチャート
符号の説明
1 受信装置
2 第1受信部
3 第2受信部
4 ダイバーシティ部
5 誤り訂正部
6 デコード部
7 表示部
8 BER計測部
9 制御部
10 受信部
11 アンテナ
12 RFフィルタ
13 RFGCA
14 ミキサ
15 VCO
16 RFAGC
17 IFフィルタ
18 IFGCA
19 ADC
20 復調部
本発明は、受信性能と動作電力がトレードオフとなる受信モードを受信環境に応じて切り替える受信装置とこれを用いた受信システムに関する。
近年、小型の携帯受信端末においてダイバーシティ受信方式の採用が進んでいる。すなわち、小型端末では受信アンテナを小さくする必要があるため低利得のアンテナとなり、また利用者が移動しながら受信するなど受信環境が劣悪であるため、2本のアンテナを用いそれぞれの受信信号を選択あるいは合成するダイバーシティ受信により、大幅に受信感度を改善することができる。
しかし、ダイバーシティ受信方式はアンテナおよび受信部を2系統有するため、バッテリーで駆動される携帯端末においては、消費電力の増加が課題となる。
そこで、受信環境が劣悪な場合にはダイバーシティ受信として高感度にし、受信環境が良好な場合には1系統のみの受信部で受信(以下、シングル受信)して低消費電力とすることにより、受信性能改善と消費電力低減の両立を図る手法が提案されている。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開平11−150497号公報
しかし、ダイバーシティ受信はシングル受信に比べて大幅に良好な受信感度を有するため、受信環境に応じた切り替え制御を行った場合に、ダイバーシティ受信とシングル受信の切り替えが頻発し、受信エラーが発生する場合がある。
すなわち、ダイバーシティ受信の受信感度となる入力レベルとシングル受信の受信感度となる入力レベルの中間の入力レベルにおいては、シングル受信では受信不可となり、ダイバーシティ受信では十分なマージンを持って受信できる入力レベル範囲が存在するため、この入力レベル範囲においてはシングル受信とダイバーシティ受信の切り替えが頻発する。
そこで本発明は、受信モードの切り替えの頻発をなくし、受信エラーの発生を防ぐことを目的とする。
上記目的を達成する為に、本発明の受信装置は、高感度モードと、前記高感度モードにおける受信感度より悪い受信感度を有する省電力モードと、前記高感度モードにおける受信感度より悪くて前記省電力モードにおける受信感度より良い受信感度を有する中間モードとを切り替え可能な受信部と、前記受信部の出力側に接続されて受信環境を取得する受信環境取得部と、前記受信部が前記高感度モードの場合に、前記受信環境取得部が取得する受信環境が解除閾値より良好になれば、前記受信部を前記中間モードに切り替え、前記受信部が中間モードの場合に、前記受信環境取得部が取得する受信環境が第1閾値より良好になれば、前記受信部を前記省電力モードに切り替える制御部とを有することを特徴とする。
上記構成により、高感度モードと中間モード、および中間モードと省電力モードの感度差が、高感度モードと省電力モードの感度差よりも小さくなるため、切り替え制御の際に受信モード間の感度差が大きいことに起因する切り替え頻発を防ぐことができ、受信エラーを発生させることを抑制しながら受信モード間の状態遷移を行うことが可能となる。
(実施の形態1)
以下、本発明における実施の形態1について説明する。
図1において、受信装置1は第1受信部2と、第2受信部3と、これら第1受信部2と第2受信部3の出力側に接続されたダイバーシティ部4と、このダイバーシティ部4の出力側に接続された誤り訂正部5と、この誤り訂正部5の出力側に接続されたデコード部6 と、このデコード部6の出力側に接続された表示部7と、誤り訂正部5に接続されたBE R(Bit Error Rate)計測部8と、このBER計測部8からの信号に基づき第1受信部2と第2受信部3とを制御する制御部9とから構成される。なお受信装置1の構成としては、これら構成要素を全て有する場合もあるし、これら構成要素のうち、1個あるいは複数個を有する場合もある。
この構成において、受信装置1は第1受信部2と第2受信部3を用いてダイバーシティを行うダイバーシティ受信モード、あるいは第1受信部2または第2受信部3のいずれか一方のみを用い他方を電源OFFとするシングル受信モードで動作することができる。また、いずれの受信モードであっても誤り訂正部5が出力する信号をデコード部6において受信信号を送信側のデータに復元し、この復元されたデータを表示部7で表示することができる。
図2はダイバーシティ受信モードおよびシングル受信モードの受信感度特性を示したものである。横軸は受信部への入力レベルで縦軸は受信信号の誤り率(BER)を示している。受信感度は一般に、BERが、デコード部において送信データを正常に復元できる限界値(以下、BER限界)となる入力レベルで定義される。図2の例においては、シングル受信モードの受信感度は−98dBmで、ダイバーシティ受信モードの受信感度は−1 01dBmであり、ダイバーシティ受信モードがシングル受信モードに比べて3dBだけ感度が良好である。一方、高周波回路で構成される受信部は一般に消費電力が大きいため、ダイバーシティ受信モードとした場合の消費電力は、一方の受信部を電源OFFとするシングル受信モードの消費電力に比べて大幅に増大する。なお、上記例における各数値( −98dBm、−101dBm、3dB)は受信装置1の性能に依存するものであり、一例として示したものである。
制御部9は受信環境に応じてダイバーシティ受信モードとシングル受信モードの切り替え制御を行う。受信環境を取得する手段として、自動利得制御電圧(AGC)やキャリアノイズレベル比(C/N)、BERなど種々の方法があるが、本実施の形態においてはBERを用いる方法を例として説明する。すなわち、BER計測部8が出力するBERが予め設定した閾値よりも小さい場合には受信部への入力レベルが大きく受信環境が良好と判断し、ダイバーシティ受信モードからシングル受信モードに切り替える(以下、ダイバーシティ受信モードからシングル受信モードに切り替えるためのBERの閾値を解除閾値と呼ぶ)。一方、BER計測部8が出力するBERが予め設定した閾値よりも大きい場合には受信部への入力レベルが小さく受信環境が劣悪と判断し、シングル受信モードからダイバーシティ受信モードに切り替える(以下、シングル受信モードからダイバーシティ受信モードに切り替えるためのBERの閾値を起動閾値と呼ぶ)。この制御により、受信環境が良好な場合にはシングル受信モードとして消費電力を削減することができ、受信環境が劣悪な場合にはダイバーシティ受信として受信性能を確保することができる。
しかし、シングル受信モードの受信感度とダイバーシティ受信モードの受信感度の差が約3dBと大きいため、これらの中間の入力レベルにおいては切り替えが頻発する現象が起こる。図3を用いてこの現象を説明する。図3には前述の解除閾値と起動閾値が示されている。シングル受信モードで起動閾値となる入力レベルa以下で、かつダイバーシティ受信モードで解除閾値となる入力レベルc以上となるレベル範囲(以下、レベル範囲A) では、シングル受信モードの場合にはBERが起動閾値より大きくなるため、制御部9はダイバーシティ受信モードに切り替えを行い、ダイバーシティ受信モードの場合にはBERが解除閾値よりも小さいため、制御部9はシングル受信モードに切り替えを行う。その結果、周期的にシングル受信モードとダイバーシティ受信モードが切り替わることになり、受信装置1がこのレベル範囲Aに定常的に存在する場合には受信モードの切り替えが頻発することになる。さらに、シングル受信モードで誤り限界となる入力レベルb(すなわち、感度レベル)以下で、かつダイバーシティ受信モードで解除閾値となる入力レベルc以上となるレベル範囲(以下、レベル範囲B)では、切り替えが周期的に発生する結果、受信エラーが発生する。つまり、シングル受信モードとなっている期間はBER限界以上の誤りが発生し、後段のデコード部6で送信データを正常に復元できない。なお、解除閾値を小さく設定することによってレベル範囲Aおよびレベル範囲Bを狭くすることもできるが、BERの測定精度を上げるためには測定時間を長くする必要があり、受信環境の変化に対する追従性が遅くなる。具体例として、携帯端末向けのデジタル放送(ワンセグ)においては、MPEGトランスポートストリーム(TS)のデータ伝送速度が約416kbpsであるため、BERを1E−6の精度で計測する場合には約2秒間測定する必要があり、適応制御の追従性として許容できない。
そこで、本発明はダイバーシティ受信モードの受信感度よりも悪く、かつシングル受信モードの受信感度よりも良い受信感度を有する第3の受信モード(以下、中間受信モード)を用いる。中間受信モードはダイバーシティ受信モードをなんらかの方法で感度劣化させることにより作ることができる。
中間受信モードを作る一例として受信部に含まれるRFGCA(Radio Frequency Gain Control Amp)の利得を低くする方法があり、図5を用いて説明する。図5における受信部10は、図1における第1受信部2又は第2受信部3である。図5において、受信部10は、アンテナ11と、アンテナ11に接続されたRFフィルタ12と、RFフィルタ12および後述のRFAGC(Radio Frequency Automatic Gain Control)16に接続されたRFGCA13と、VCO(Voltage Controlled Oscillator)15と、RFGCA13およびVCO15に接続されたミキサ14と、ミキサ14に接続されたIFフィルタ17と、IFフィルタ17に接続されたIFGCA18と、IFGCA18に接続されたADC(Analog Digital Converter)19と、ADC19に接続された復調部20と、ミキサ14に接続されたRFAGC16で構成される。また受信部10の外部にある制御部9はRFAGC16に接続されている。この構成を用いて受信部10は、アンテナ11で受信した受信信号に含まれる不要波をRFフィルタ12で抑圧し、RFGCA13で信号レベルが所定レベル範囲となるように制御を行う。次に、受信部10は、VCO15が出力するローカル信号とRFGCA13の出力信号をミキサ14で混合し所定の中間周波数(IF)に変換する。次に、受信部10は、ミキサ14の出力信号に対してIFフィルタ17で所望帯域以外の不要波を除くことにより最終的な信号濾過を行い、さらにIFGCA18においてADC19の入力レンジに合うように利得制御を行う。次に、受信部10は、A/DコンバータであるADC19でIFGCA18の出力信号をA/D変換することによりデジタル信号への変換を行い、復調部20で復調して後段のダイバーシティ部(図示せず)に接続される。一般に受信装置の受信感度Sは信号帯域幅と温度で決まる雑音指数と、受信機の構成で決まる雑音指数Fと、信号の変調方式で定まる所要C/Nから定まり、(数1)で表される。ここで、Kはボルツマン定数、Tは温度、Bは信号帯域幅である。
Figure 2008136051
ここで、RFGCA13の利得を低くすることにより受信感度を劣化させることができることを説明する。RFGCAの利得をG1、RFGCAの雑音指数をF1、ミキサ14以降の雑音指数をF2とすると、受信機全体の雑音指数Fは(数2)で表される。
Figure 2008136051
つまり、RFGCAの利得G1を小さくすることにより、受信装置全体の雑音指数Fが大きくなり、その結果、(数1)における受信装置の受信感度Sが大きくなり受信感度が劣化する。この関係を利用し、ダイバーシティ受信モードにおける2系統の受信部2、3それぞれに対して、RFGCA13の利得を制御するRFAGC16に対して制御部9から強制的に制御値を設定することにより、ダイバーシティ受信モードよりも受信感度が悪く、またシングル受信モードよりも受信感度が良い中間受信モードを作ることができる。
この他、中間受信モードを作る手段としては、受信部10の各回路の電流値を制限することによりトランジスタの増幅度を制限して利得や雑音指数を劣化させることにより受信感度が劣化することが知られており、この手段を利用することができる。この場合には中間受信モードとしている期間はダイバーシティ受信モードよりも消費電力を下げられるため、さらに消費電力削減に対して効果がある。また、ADC19におけるA/D変換のビット精度を悪くすることによっても感度劣化をさせ、中間受信モードを作ることが可能である。その他にも中間受信モードを作成する方法はあるが、本発明は中間受信モードの作り方によらず、切り替えの周期的発生に起因する受信エラーの発生に対して改善効果を有するものである。
中間受信モードを用いて切り替えを行った場合の動作を図4を用いて説明する。中間受信モードはダイバーシティ受信モードより受信感度が悪く、かつシングル受信モードより受信感度が良くなるように作られる。図4の例ではfが中間受信モードの受信感度で、ダイバーシティ受信モードの受信感度gよりも悪く、シングル受信モードの受信感度cよりも良くなっている。ここでダイバーシティ受信モードと中間受信モードの間の切り替え制御を考えると、中間受信モードで起動閾値となる入力レベルeは、ダイバーシティ受信モードで解除閾値となる入力レベルdよりも小さいため、レベル範囲Aが存在せず、周期的な切り替えは発生しない。また中間受信モードとシングル受信モードの間の切り替え制御を考えると、シングル受信モードで起動閾値となる入力レベルaと中間受信モードで解除閾値となる入力レベルbで定まるレベル範囲Aにおいて、中間受信モードとシングル受信モードの周期的な切り替えが発生する。しかし、シングル受信モードでBER限界となる入力レベルcはbよりも小さい値となっているためレベル範囲Bは存在せず、シングル受信モードとなっている期間においても受信エラーは発生しない。さらにレベル範囲Aもなくすためには、受信感度が中間受信モードより悪く、シングル受信モードよりも良い第4 の受信モードをさらに作り、4つの受信モードを用いて切り替え制御を行うことにより可能となる。
本実施の形態の構成を用いて、制御を行う具体例を図6および図7を用いて説明する。
図6は従来の、ダイバーシティ受信モードとシングル受信モードを切り替える場合の制御フローの一例である。まずは、制御部9は、BER計測部から出力されたBERを取得する。次に、制御部9は、現在の受信モードがダイバーシティ受信モードである場合にはBERと解除閾値を比較し、BERが解除閾値より小さい場合には受信環境が良好であるためシングル受信モードへ切り替える制御を行い、BERが解除閾値よりも大きい場合には切り替え制御を行わずにBER取得ステップへ戻る。また、制御部9は、現在の受信モードがシングル受信モードである場合にはBERと起動閾値を比較し、BERが起動閾値よりも大きい場合には受信環境が劣悪であるためダイバーシティ受信モードへ切り替える制御を行い、BERが起動閾値よりも小さい場合には切り替え制御を行わずにBER取得ステップへ戻る。ダイバーシティ受信モードとシングル受信モードの感度差が約3dBと大きいため、この制御方法では前述のとおり、レベル範囲Aが存在するため周期的に受信モードの切換えが発生し、さらにレベル範囲Bも存在するため受信エラーが発生する。
図7は本発明における制御方法の一例である。制御部9は、BER取得後、シングル受信モードの場合、BERが起動閾値よりも大きい場合には中間受信モードへ切り替え制御を行う。ダイバーシティ受信モードの場合、制御部9は、BERが解除閾値よりも小さい場合には中間受信モードへ切り替え制御を行う。また中間受信モードの場合、制御部9は、BERが起動閾値よりも大きい場合にはダイバーシティ受信モードへ切り替え制御を行い、BERが解除閾値よりも小さい場合にはシングル受信モードへ切り替え制御を行い、BERが起動閾値よりも小さくかつ解除閾値よりも大きい場合には何もせずにBER取得ステップへ戻る。この制御フローにより、3つの受信モードを受信環境に応じて切り替え制御を行うことができ、前述のとおり、レベル範囲Aおよびレベル範囲Bを狭くする、あるいはなくすことが可能となる。
以上の説明より、受信感度と消費電力がトレードオフとなる受信モードを受信環境に応じて切り替え制御を行う場合に、本実施の形態の構成を用いることにより、周期的な切り替えが発生し、受信エラーが発生する現象を抑制し、スムーズな切り替え制御を実現することができる。
なお、本実施の形態においては、ダイバーシティ受信モードとシングル受信モードの切り替えを例として説明しているが、受信部が1系統のみでダイバーシティ構成を有さない受信装置においても、本発明は効果を有する。すなわち、受信部の回路構成において、受信感度は良いが消費電力は大きい高感度モードと、受信感度は悪いが消費電力は小さい省電力モードを、受信環境に応じて切り替え制御を行う場合に、2つの受信モードの中間の受信感度となる中間モードを用いることにより、同様にスムーズな切り替え制御を行うことが可能となる。
この場合においては、一般に高感度モードと省電力モードで移動受信特性(レイリー特性)の性能差が小さいあるいは同等となる。従って、受信感度レベル付近では受信モードの適応切り替えが有効な効果を奏するが、受信感度レベルよりも高い移動受信感度レベル付近では受信モードの適応切り替えの効果が小さく、場合によっては切り替えに起因する特性劣化が生ずる。この現象を回避するためには、例えば受信感度レベルよりも大きい一定レベル以上となった場合には適応切り替え制御を停止し省電力モードとする方法がある。あるいは受信装置に移動検出器(図示せず)を設け、所定速度以上の場合には適応切り替え制御を停止し省電力モードとする方法などが考えられる。
また、受信感度と消費電力がトレードオフとなる受信モードの適応制御に限らず、妨害特性と消費電力、周波数特性と消費電力、温度特性と消費電力など、各種受信モード間の適応切り替え制御を行う際に、それぞれの特性の中間受信モードを作ることにより受信エラーの発生をなくす効果を得ることができる。
本発明の受信装置および制御方法は、受信性能と消費電力がトレードオフとなる受信モードを受信環境において切り替え制御を行う場合に、中間受信性能となる受信モードを利用することにより、切り替え制御による受信エラーの発生を起こさずに状態遷移を行うことができる。携帯端末向けテレビ受信機などバッテリー駆動の携帯型受信端末において、受信性能とバッテリー持続時間の両立を実現する際に、本発明は特に有用である。
本発明の実施の形態1における受信装置のブロック図 ダイバーシティ受信モードおよびシングル受信モードの受信感度特性を示す図 ダイバーシティ受信モードおよびシングル受信モードの受信感度特性を示す図 ダイバーシティ受信モードおよびシングル受信モードの受信感度特性を示す図 本発明の実施の形態1における受信部のブロック図 同受信装置の動作フローチャート 同受信装置の他の動作フローチャート
符号の説明
1 受信装置
2 第1受信部
3 第2受信部
4 ダイバーシティ部
5 誤り訂正部
6 デコード部
7 表示部
8 BER計測部
9 制御部
10 受信部
11 アンテナ
12 RFフィルタ
13 RFGCA
14 ミキサ
15 VCO
16 RFAGC
17 IFフィルタ
18 IFGCA
19 ADC
20 復調部
本発明は、受信性能と動作電力がトレードオフとなる受信モードを受信環境に応じて切り替えるデジタル放送受信装置とこれを用いたデジタル放送受信システムに関する。
近年、小型の携帯受信端末においてダイバーシティ受信方式の採用が進んでいる。すなわち、小型端末では受信アンテナを小さくする必要があるため低利得のアンテナとなり、また利用者が移動しながら受信するなど受信環境が劣悪であるため、2本のアンテナを用いそれぞれの受信信号を選択あるいは合成するダイバーシティ受信により、大幅に受信感度を改善することができる。
しかし、ダイバーシティ受信方式はアンテナおよび受信部を2系統有するため、バッテリーで駆動される携帯端末においては、消費電力の増加が課題となる。
そこで、受信環境が劣悪な場合にはダイバーシティ受信として高感度にし、受信環境が良好な場合には1系統のみの受信部で受信(以下、シングル受信)して低消費電力とすることにより、受信性能改善と消費電力低減の両立を図る手法が提案されている。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開平11−150497号公報
しかし、ダイバーシティ受信はシングル受信に比べて大幅に良好な受信感度を有するため、受信環境に応じた切り替え制御を行った場合に、ダイバーシティ受信とシングル受信の切り替えが頻発し、受信エラーが発生する場合がある。
すなわち、ダイバーシティ受信の受信感度となる入力レベルとシングル受信の受信感度となる入力レベルの中間の入力レベルにおいては、シングル受信では受信不可となり、ダイバーシティ受信では十分なマージンを持って受信できる入力レベル範囲が存在するため、この入力レベル範囲においてはシングル受信とダイバーシティ受信の切り替えが頻発する。
そこで本発明は、受信モードの切り替えの頻発をなくし、受信エラーの発生を防ぐことを目的とする。
上記目的を達成する為に、本発明のデジタル放送受信装置は、高感度モードと、この高感度モードにおける受信感度より悪い受信感度を有する低感度モードとを切り替え可能な受信部と、この受信部の出力側に接続されて受信信号の誤り率を取得する受信環境取得部と、前記受信部が前記高感度モードの場合に、前記受信環境取得部が取得する受信信号の誤り率が解除閾値より小さくなれば、前記受信部を前記低感度モードに切り替え、前記受信部が前記低感度モードの場合に、前記受信環境取得部が取得する受信信号の誤り率が前記解除閾値より大きい起動閾値より大きくなれば、前記受信部を前記高感度モードに切り替える制御部とを有し、前記低感度モードから前記高感度モードに切り替わる入力レベルは前記高感度モードから前記低感度モードに切り替わる入力レベルより小さいことを特徴とする。
上記構成により、高感度モードと低感度モードの感度差が小さくなるため、切り替え制御の際切り替え頻発を防ぐことができ、受信エラーの発生を抑制しながら受信モード間の状態遷移を行うことが可能となる。
(実施の形態1)
以下、本発明における実施の形態1について説明する。
図1において、受信装置1は第1受信部2と、第2受信部3と、これら第1受信部2と第2受信部3の出力側に接続されたダイバーシティ部4と、このダイバーシティ部4の出力側に接続された誤り訂正部5と、この誤り訂正部5の出力側に接続されたデコード部6
と、このデコード部6の出力側に接続された表示部7と、誤り訂正部5に接続されたB
E R(Bit Error Rate)計測部8と、このBER計測部8からの信号に基
づき第1受信部2と第2受信部3とを制御する制御部9とから構成される。なお受信装置1の構成としては、これら構成要素を全て有する場合もあるし、これら構成要素のうち、1個あるいは複数個を有する場合もある。
この構成において、受信装置1は第1受信部2と第2受信部3を用いてダイバーシティを行うダイバーシティ受信モード、あるいは第1受信部2または第2受信部3のいずれか一方のみを用い他方を電源OFFとするシングル受信モードで動作することができる。また、いずれの受信モードであっても誤り訂正部5が出力する信号をデコード部6において受信信号を送信側のデータに復元し、この復元されたデータを表示部7で表示することができる。
図2はダイバーシティ受信モードおよびシングル受信モードの受信感度特性を示したものである。横軸は受信部への入力レベルで縦軸は受信信号の誤り率(BER)を示している。受信感度は一般に、BERが、デコード部において送信データを正常に復元できる限界値(以下、BER限界)となる入力レベルで定義される。図2の例においては、シングル受信モードの受信感度は−98dBmで、ダイバーシティ受信モードの受信感度は−1
01dBmであり、ダイバーシティ受信モードがシングル受信モードに比べて3dBだ
け感度が良好である。一方、高周波回路で構成される受信部は一般に消費電力が大きいため、ダイバーシティ受信モードとした場合の消費電力は、一方の受信部を電源OFFとするシングル受信モードの消費電力に比べて大幅に増大する。なお、上記例における各数値( −98dBm、−101dBm、3dB)は受信装置1の性能に依存するものであり、一例として示したものである。
制御部9は受信環境に応じてダイバーシティ受信モードとシングル受信モードの切り替え制御を行う。受信環境を取得する手段として、自動利得制御電圧(AGC)やキャリアノイズレベル比(C/N)、BERなど種々の方法があるが、本実施の形態においてはBERを用いる方法を例として説明する。すなわち、BER計測部8が出力するBERが予め設定した閾値よりも小さい場合には受信部への入力レベルが大きく受信環境が良好と判断し、ダイバーシティ受信モードからシングル受信モードに切り替える(以下、ダイバーシティ受信モードからシングル受信モードに切り替えるためのBERの閾値を解除閾値と呼ぶ)。一方、BER計測部8が出力するBERが予め設定した閾値よりも大きい場合には受信部への入力レベルが小さく受信環境が劣悪と判断し、シングル受信モードからダイバーシティ受信モードに切り替える(以下、シングル受信モードからダイバーシティ受信
モードに切り替えるためのBERの閾値を起動閾値と呼ぶ)。この制御により、受信環境が良好な場合にはシングル受信モードとして消費電力を削減することができ、受信環境が劣悪な場合にはダイバーシティ受信として受信性能を確保することができる。
しかし、シングル受信モードの受信感度とダイバーシティ受信モードの受信感度の差が約3dBと大きいため、これらの中間の入力レベルにおいては切り替えが頻発する現象が起こる。図3を用いてこの現象を説明する。図3には前述の解除閾値と起動閾値が示されている。シングル受信モードで起動閾値となる入力レベルa以下で、かつダイバーシティ受信モードで解除閾値となる入力レベルc以上となるレベル範囲(以下、レベル範囲A)
では、シングル受信モードの場合にはBERが起動閾値より大きくなるため、制御部9
はダイバーシティ受信モードに切り替えを行い、ダイバーシティ受信モードの場合にはBERが解除閾値よりも小さいため、制御部9はシングル受信モードに切り替えを行う。その結果、周期的にシングル受信モードとダイバーシティ受信モードが切り替わることになり、受信装置1がこのレベル範囲Aに定常的に存在する場合には受信モードの切り替えが頻発することになる。さらに、シングル受信モードで誤り限界となる入力レベルb(すなわち、感度レベル)以下で、かつダイバーシティ受信モードで解除閾値となる入力レベルc以上となるレベル範囲(以下、レベル範囲B)では、切り替えが周期的に発生する結果、受信エラーが発生する。つまり、シングル受信モードとなっている期間はBER限界以上の誤りが発生し、後段のデコード部6で送信データを正常に復元できない。なお、解除閾値を小さく設定することによってレベル範囲Aおよびレベル範囲Bを狭くすることもできるが、BERの測定精度を上げるためには測定時間を長くする必要があり、受信環境の変化に対する追従性が遅くなる。具体例として、携帯端末向けのデジタル放送(ワンセグ)においては、MPEGトランスポートストリーム(TS)のデータ伝送速度が約416kbpsであるため、BERを1E−6の精度で計測する場合には約2秒間測定する必要があり、適応制御の追従性として許容できない。
そこで、本発明はダイバーシティ受信モードの受信感度よりも悪く、かつシングル受信モードの受信感度よりも良い受信感度を有する第3の受信モード(以下、中間受信モード)を用いる。中間受信モードはダイバーシティ受信モードをなんらかの方法で感度劣化させることにより作ることができる。
中間受信モードを作る一例として受信部に含まれるRFGCA(Radio Freq
uency Gain Control Amp)の利得を低くする方法があり、図5を用いて説明する。図5における受信部10は、図1における第1受信部2又は第2受信部3である。図5において、受信部10は、アンテナ11と、アンテナ11に接続されたRFフィルタ12と、RFフィルタ12および後述のRFAGC(Radio Freque
ncy Automatic Gain Control)16に接続されたRFGCA13と、VCO(Voltage Controlled Oscillator)15と、RFGCA13およびVCO15に接続されたミキサ14と、ミキサ14に接続されたIFフィルタ17と、IFフィルタ17に接続されたIFGCA18と、IFGCA18に接続されたADC(Analog Digital Converter)19と、ADC19に接続された復調部20と、ミキサ14に接続されたRFAGC16で構成される。また受信部10の外部にある制御部9はRFAGC16に接続されている。この構成を用いて受信部10は、アンテナ11で受信した受信信号に含まれる不要波をRFフィルタ12で抑圧し、RFGCA13で信号レベルが所定レベル範囲となるように制御を行う。次に、受信部10は、VCO15が出力するローカル信号とRFGCA13の出力信号をミキサ14で混合し所定の中間周波数(IF)に変換する。次に、受信部10は、ミキサ14の出力信号に対してIFフィルタ17で所望帯域以外の不要波を除くことにより最終的な信号濾過を行い、さらにIFGCA18においてADC19の入力レンジに合うように利得制御を行う。次に、受信部10は、A/DコンバータであるADC19でIFGCA18の出力信号をA/D変換することによりデジタル信号への変換を行い、復調部20で復調して後段のダイバーシティ部(図示せず)に接続される。一般に受信装置の受信感度Sは信号帯域幅と温度で決まる雑音指数と、受信機の構成で決まる雑音指数Fと、信号の変調方式で定まる所要C/Nから定まり、(数1)で表される。ここで、Kはボルツマン定数、Tは温度、Bは信号帯域幅である。
Figure 2008136051
ここで、RFGCA13の利得を低くすることにより受信感度を劣化させることができることを説明する。RFGCAの利得をG1、RFGCAの雑音指数をF1、ミキサ14以降の雑音指数をF2とすると、受信機全体の雑音指数Fは(数2)で表される。
Figure 2008136051
つまり、RFGCAの利得G1を小さくすることにより、受信装置全体の雑音指数Fが大きくなり、その結果、(数1)における受信装置の受信感度Sが大きくなり受信感度が劣化する。この関係を利用し、ダイバーシティ受信モードにおける2系統の受信部2、3それぞれに対して、RFGCA13の利得を制御するRFAGC16に対して制御部9から強制的に制御値を設定することにより、ダイバーシティ受信モードよりも受信感度が悪く、またシングル受信モードよりも受信感度が良い中間受信モードを作ることができる。
この他、中間受信モードを作る手段としては、受信部10の各回路の電流値を制限することによりトランジスタの増幅度を制限して利得や雑音指数を劣化させることにより受信感度が劣化することが知られており、この手段を利用することができる。この場合には中間受信モードとしている期間はダイバーシティ受信モードよりも消費電力を下げられるため、さらに消費電力削減に対して効果がある。また、ADC19におけるA/D変換のビット精度を悪くすることによっても感度劣化をさせ、中間受信モードを作ることが可能である。その他にも中間受信モードを作成する方法はあるが、本発明は中間受信モードの作り方によらず、切り替えの周期的発生に起因する受信エラーの発生に対して改善効果を有するものである。
中間受信モードを用いて切り替えを行った場合の動作を図4を用いて説明する。中間受信モードはダイバーシティ受信モードより受信感度が悪く、かつシングル受信モードより受信感度が良くなるように作られる。図4の例ではfが中間受信モードの受信感度で、ダイバーシティ受信モードの受信感度gよりも悪く、シングル受信モードの受信感度cよりも良くなっている。ここでダイバーシティ受信モードと中間受信モードの間の切り替え制御を考えると、中間受信モードで起動閾値となる入力レベルeは、ダイバーシティ受信モードで解除閾値となる入力レベルdよりも小さいため、レベル範囲Aが存在せず、周期的な切り替えは発生しない。また中間受信モードとシングル受信モードの間の切り替え制御を考えると、シングル受信モードで起動閾値となる入力レベルaと中間受信モードで解除閾値となる入力レベルbで定まるレベル範囲Aにおいて、中間受信モードとシングル受信モードの周期的な切り替えが発生する。しかし、シングル受信モードでBER限界となる入力レベルcはbよりも小さい値となっているためレベル範囲Bは存在せず、シングル受信モードとなっている期間においても受信エラーは発生しない。さらにレベル範囲Aもなくすためには、受信感度が中間受信モードより悪く、シングル受信モードよりも良い第4
の受信モードをさらに作り、4つの受信モードを用いて切り替え制御を行うことにより
可能となる。
本実施の形態の構成を用いて、制御を行う具体例を図6および図7を用いて説明する。
図6は従来の、ダイバーシティ受信モードとシングル受信モードを切り替える場合の制御フローの一例である。まずは、制御部9は、BER計測部から出力されたBERを取得する。次に、制御部9は、現在の受信モードがダイバーシティ受信モードである場合にはBERと解除閾値を比較し、BERが解除閾値より小さい場合には受信環境が良好であるためシングル受信モードへ切り替える制御を行い、BERが解除閾値よりも大きい場合には切り替え制御を行わずにBER取得ステップへ戻る。また、制御部9は、現在の受信モードがシングル受信モードである場合にはBERと起動閾値を比較し、BERが起動閾値よりも大きい場合には受信環境が劣悪であるためダイバーシティ受信モードへ切り替える制御を行い、BERが起動閾値よりも小さい場合には切り替え制御を行わずにBER取得ステップへ戻る。ダイバーシティ受信モードとシングル受信モードの感度差が約3dBと大きいため、この制御方法では前述のとおり、レベル範囲Aが存在するため周期的に受信モードの切換えが発生し、さらにレベル範囲Bも存在するため受信エラーが発生する。
図7は本発明における制御方法の一例である。制御部9は、BER取得後、シングル受信モードの場合、BERが起動閾値よりも大きい場合には中間受信モードへ切り替え制御を行う。ダイバーシティ受信モードの場合、制御部9は、BERが解除閾値よりも小さい場合には中間受信モードへ切り替え制御を行う。また中間受信モードの場合、制御部9は、BERが起動閾値よりも大きい場合にはダイバーシティ受信モードへ切り替え制御を行い、BERが解除閾値よりも小さい場合にはシングル受信モードへ切り替え制御を行い、BERが起動閾値よりも小さくかつ解除閾値よりも大きい場合には何もせずにBER取得ステップへ戻る。この制御フローにより、3つの受信モードを受信環境に応じて切り替え制御を行うことができ、前述のとおり、レベル範囲Aおよびレベル範囲Bを狭くする、あるいはなくすことが可能となる。
以上の説明より、受信感度と消費電力がトレードオフとなる受信モードを受信環境に応じて切り替え制御を行う場合に、本実施の形態の構成を用いることにより、周期的な切り替えが発生し、受信エラーが発生する現象を抑制し、スムーズな切り替え制御を実現することができる。
なお、本実施の形態においては、ダイバーシティ受信モードとシングル受信モードの切り替えを例として説明しているが、受信部が1系統のみでダイバーシティ構成を有さない受信装置においても、本発明は効果を有する。すなわち、受信部の回路構成において、受信感度が良い高感度モードと、受信感度が悪い低感度モードを、受信環境に応じて切り替え制御を行う場合に、低感度モードから高感度モードに切り替わる入力レベルを高感度モードから低感度モードに切り替わる入力レベルより小さくすることにより、同様にスムーズな切り替え制御を行うことが可能となる。
この場合においては、一般に高感度モードと低感度モードで移動受信特性(レイリー特性)の性能差が小さいあるいは同等となる。従って、受信感度レベル付近では受信モードの適応切り替えが有効な効果を奏するが、受信感度レベルよりも高い移動受信感度レベル付近では受信モードの適応切り替えの効果が小さく、場合によっては切り替えに起因する特性劣化が生ずる。この現象を回避するためには、例えば受信感度レベルよりも大きい一定レベル以上となった場合には適応切り替え制御を停止し低感度モードとする方法がある。あるいは受信装置に移動検出器(図示せず)を設け、所定速度以上の場合には適応切り替え制御を停止し低感度モードとする方法などが考えられる。
また、受信感度と消費電力がトレードオフとなる受信モードの適応制御に限らず、妨害特性と消費電力、周波数特性と消費電力、温度特性と消費電力など、各種受信モード間の適応切り替え制御を行う際に、それぞれの特性の中間受信モードを作ることにより受信エラーの発生をなくす効果を得ることができる。
本発明の受信装置および制御方法は、受信性能と消費電力がトレードオフとなる受信モードを受信環境において切り替え制御を行う場合に、低感度モードから高感度モードに切り替わる入力レベルを高感度モードから低感度モードに切り替わる入力レベルより小さくすることにより、切り替え制御による受信エラーの発生を起こさずに状態遷移を行うことができる。携帯端末向けテレビ受信機などバッテリー駆動の携帯型受信端末において、受信性能とバッテリー持続時間の両立を実現する際に、本発明は特に有用である。
本発明の実施の形態1における受信装置のブロック図 ダイバーシティ受信モードおよびシングル受信モードの受信感度特性を示す図 ダイバーシティ受信モードおよびシングル受信モードの受信感度特性を示す図 ダイバーシティ受信モードおよびシングル受信モードの受信感度特性を示す図 本発明の実施の形態1における受信部のブロック図 同受信装置の動作フローチャート 同受信装置の他の動作フローチャート
符号の説明
1 受信装置
2 第1受信部
3 第2受信部
4 ダイバーシティ部
5 誤り訂正部
6 デコード部
7 表示部
8 BER計測部
9 制御部
10 受信部
11 アンテナ
12 RFフィルタ
13 RFGCA
14 ミキサ
15 VCO
16 RFAGC
17 IFフィルタ
18 IFGCA
19 ADC
20 復調部
本発明は、受信性能と動作電力がトレードオフとなる受信モードを受信環境に応じて切り替えるデジタル放送受信装置とこれを用いたデジタル放送受信システムに関する。
近年、小型の携帯受信端末においてダイバーシティ受信方式の採用が進んでいる。すなわち、小型端末では受信アンテナを小さくする必要があるため低利得のアンテナとなり、また利用者が移動しながら受信するなど受信環境が劣悪であるため、2本のアンテナを用いそれぞれの受信信号を選択あるいは合成するダイバーシティ受信により、大幅に受信感度を改善することができる。
しかし、ダイバーシティ受信方式はアンテナおよび受信部を2系統有するため、バッテリーで駆動される携帯端末においては、消費電力の増加が課題となる。
そこで、受信環境が劣悪な場合にはダイバーシティ受信として高感度にし、受信環境が良好な場合には1系統のみの受信部で受信(以下、シングル受信)して低消費電力とすることにより、受信性能改善と消費電力低減の両立を図る手法が提案されている。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開平11−150497号公報
しかし、ダイバーシティ受信はシングル受信に比べて大幅に良好な受信感度を有するため、受信環境に応じた切り替え制御を行った場合に、ダイバーシティ受信とシングル受信の切り替えが頻発し、受信エラーが発生する場合がある。
すなわち、ダイバーシティ受信の受信感度となる入力レベルとシングル受信の受信感度となる入力レベルの中間の入力レベルにおいては、シングル受信では受信不可となり、ダイバーシティ受信では十分なマージンを持って受信できる入力レベル範囲が存在するため、この入力レベル範囲においてはシングル受信とダイバーシティ受信の切り替えが頻発する。
そこで本発明は、受信モードの切り替えの頻発をなくし、受信エラーの発生を防ぐことを目的とする。
上記目的を達成する為に、本発明のデジタル放送受信装置は、高感度モードと、この高感度モードにおける受信感度より悪い受信感度を有する低感度モードとを切り替え可能な受信部と、この受信部の出力側に接続されて受信信号の誤り率を取得する受信環境取得部と、前記受信部が前記高感度モードの場合に、前記受信環境取得部が取得する受信信号の誤り率が解除閾値より小さくなれば、前記受信部を前記低感度モードに切り替え、前記受信部が前記低感度モードの場合に、前記受信環境取得部が取得する受信信号の誤り率が前記解除閾値より大きい起動閾値より大きくなれば、前記受信部を前記高感度モードに切り替える制御部とを有し、前記低感度モードから前記高感度モードに切り替わる入力レベルは前記高感度モードから前記低感度モードに切り替わる入力レベルより小さく、かつ前記低感度モードと前記高感度モードの感度差は3dBより小さいことを特徴とする。
上記構成により、高感度モードと低感度モードの感度差が小さくなるため、切り替え制御の際の切り替え頻発を防ぐことができ、受信エラーの発生を抑制しながら受信モード間の状態遷移を行うことが可能となる。
(実施の形態1)
以下、本発明における実施の形態1について説明する。
図1において、受信装置1は第1受信部2と、第2受信部3と、これら第1受信部2と第2受信部3の出力側に接続されたダイバーシティ部4と、このダイバーシティ部4の出力側に接続された誤り訂正部5と、この誤り訂正部5の出力側に接続されたデコード部6
と、このデコード部6の出力側に接続された表示部7と、誤り訂正部5に接続されたB
E R(Bit Error Rate)計測部8と、このBER計測部8からの信号に基
づき第1受信部2と第2受信部3とを制御する制御部9とから構成される。なお受信装置1の構成としては、これら構成要素を全て有する場合もあるし、これら構成要素のうち、1個あるいは複数個を有する場合もある。
この構成において、受信装置1は第1受信部2と第2受信部3を用いてダイバーシティを行うダイバーシティ受信モード、あるいは第1受信部2または第2受信部3のいずれか一方のみを用い他方を電源OFFとするシングル受信モードで動作することができる。また、いずれの受信モードであっても誤り訂正部5が出力する信号をデコード部6において受信信号を送信側のデータに復元し、この復元されたデータを表示部7で表示することができる。
図2はダイバーシティ受信モードおよびシングル受信モードの受信感度特性を示したものである。横軸は受信部への入力レベルで縦軸は受信信号の誤り率(BER)を示している。受信感度は一般に、BERが、デコード部において送信データを正常に復元できる限界値(以下、BER限界)となる入力レベルで定義される。図2の例においては、シングル受信モードの受信感度は−98dBmで、ダイバーシティ受信モードの受信感度は−1
01dBmであり、ダイバーシティ受信モードがシングル受信モードに比べて3dBだ
け感度が良好である。一方、高周波回路で構成される受信部は一般に消費電力が大きいため、ダイバーシティ受信モードとした場合の消費電力は、一方の受信部を電源OFFとするシングル受信モードの消費電力に比べて大幅に増大する。なお、上記例における各数値( −98dBm、−101dBm、3dB)は受信装置1の性能に依存するものであり、一例として示したものである。
制御部9は受信環境に応じてダイバーシティ受信モードとシングル受信モードの切り替え制御を行う。受信環境を取得する手段として、自動利得制御電圧(AGC)やキャリアノイズレベル比(C/N)、BERなど種々の方法があるが、本実施の形態においてはBERを用いる方法を例として説明する。すなわち、BER計測部8が出力するBERが予め設定した閾値よりも小さい場合には受信部への入力レベルが大きく受信環境が良好と判断し、ダイバーシティ受信モードからシングル受信モードに切り替える(以下、ダイバーシティ受信モードからシングル受信モードに切り替えるためのBERの閾値を解除閾値と呼ぶ)。一方、BER計測部8が出力するBERが予め設定した閾値よりも大きい場合には受信部への入力レベルが小さく受信環境が劣悪と判断し、シングル受信モードからダイバーシティ受信モードに切り替える(以下、シングル受信モードからダイバーシティ受信
モードに切り替えるためのBERの閾値を起動閾値と呼ぶ)。この制御により、受信環境が良好な場合にはシングル受信モードとして消費電力を削減することができ、受信環境が劣悪な場合にはダイバーシティ受信として受信性能を確保することができる。
しかし、シングル受信モードの受信感度とダイバーシティ受信モードの受信感度の差が約3dBと大きいため、これらの中間の入力レベルにおいては切り替えが頻発する現象が起こる。図3を用いてこの現象を説明する。図3には前述の解除閾値と起動閾値が示されている。シングル受信モードで起動閾値となる入力レベルa以下で、かつダイバーシティ受信モードで解除閾値となる入力レベルc以上となるレベル範囲(以下、レベル範囲A)
では、シングル受信モードの場合にはBERが起動閾値より大きくなるため、制御部9
はダイバーシティ受信モードに切り替えを行い、ダイバーシティ受信モードの場合にはBERが解除閾値よりも小さいため、制御部9はシングル受信モードに切り替えを行う。その結果、周期的にシングル受信モードとダイバーシティ受信モードが切り替わることになり、受信装置1がこのレベル範囲Aに定常的に存在する場合には受信モードの切り替えが頻発することになる。さらに、シングル受信モードで誤り限界となる入力レベルb(すなわち、感度レベル)以下で、かつダイバーシティ受信モードで解除閾値となる入力レベルc以上となるレベル範囲(以下、レベル範囲B)では、切り替えが周期的に発生する結果、受信エラーが発生する。つまり、シングル受信モードとなっている期間はBER限界以上の誤りが発生し、後段のデコード部6で送信データを正常に復元できない。なお、解除閾値を小さく設定することによってレベル範囲Aおよびレベル範囲Bを狭くすることもできるが、BERの測定精度を上げるためには測定時間を長くする必要があり、受信環境の変化に対する追従性が遅くなる。具体例として、携帯端末向けのデジタル放送(ワンセグ)においては、MPEGトランスポートストリーム(TS)のデータ伝送速度が約416kbpsであるため、BERを1E−6の精度で計測する場合には約2秒間測定する必要があり、適応制御の追従性として許容できない。
そこで、本発明はダイバーシティ受信モードの受信感度よりも悪く、かつシングル受信モードの受信感度よりも良い受信感度を有する第3の受信モード(以下、中間受信モード)を用いる。中間受信モードはダイバーシティ受信モードをなんらかの方法で感度劣化させることにより作ることができる。
中間受信モードを作る一例として受信部に含まれるRFGCA(Radio Freq
uency Gain Control Amp)の利得を低くする方法があり、図5を用いて説明する。図5における受信部10は、図1における第1受信部2又は第2受信部3である。図5において、受信部10は、アンテナ11と、アンテナ11に接続されたRFフィルタ12と、RFフィルタ12および後述のRFAGC(Radio Freque
ncy Automatic Gain Control)16に接続されたRFGCA13と、VCO(Voltage Controlled Oscillator)15と、RFGCA13およびVCO15に接続されたミキサ14と、ミキサ14に接続されたIFフィルタ17と、IFフィルタ17に接続されたIFGCA18と、IFGCA18に接続されたADC(Analog Digital Converter)19と、ADC19に接続された復調部20と、ミキサ14に接続されたRFAGC16で構成される。また受信部10の外部にある制御部9はRFAGC16に接続されている。この構成を用いて受信部10は、アンテナ11で受信した受信信号に含まれる不要波をRFフィルタ12で抑圧し、RFGCA13で信号レベルが所定レベル範囲となるように制御を行う。次に、受信部10は、VCO15が出力するローカル信号とRFGCA13の出力信号をミキサ14で混合し所定の中間周波数(IF)に変換する。次に、受信部10は、ミキサ14の出力信号に対してIFフィルタ17で所望帯域以外の不要波を除くことにより最終的な信号濾過を行い、さらにIFGCA18においてADC19の入力レンジに合うように利得制御を行う。次に、受信部10は、A/DコンバータであるADC19でIFGCA
18の出力信号をA/D変換することによりデジタル信号への変換を行い、復調部20で復調して後段のダイバーシティ部(図示せず)に接続される。一般に受信装置の受信感度Sは信号帯域幅と温度で決まる雑音指数と、受信機の構成で決まる雑音指数Fと、信号の変調方式で定まる所要C/Nから定まり、(数1)で表される。ここで、Kはボルツマン定数、Tは温度、Bは信号帯域幅である。
Figure 2008136051
ここで、RFGCA13の利得を低くすることにより受信感度を劣化させることができることを説明する。RFGCAの利得をG1、RFGCAの雑音指数をF1、ミキサ14以降の雑音指数をF2とすると、受信機全体の雑音指数Fは(数2)で表される。
Figure 2008136051
つまり、RFGCAの利得G1を小さくすることにより、受信装置全体の雑音指数Fが大きくなり、その結果、(数1)における受信装置の受信感度Sが大きくなり受信感度が劣化する。この関係を利用し、ダイバーシティ受信モードにおける2系統の受信部2、3それぞれに対して、RFGCA13の利得を制御するRFAGC16に対して制御部9から強制的に制御値を設定することにより、ダイバーシティ受信モードよりも受信感度が悪く、またシングル受信モードよりも受信感度が良い中間受信モードを作ることができる。
この他、中間受信モードを作る手段としては、受信部10の各回路の電流値を制限することによりトランジスタの増幅度を制限して利得や雑音指数を劣化させることにより受信感度が劣化することが知られており、この手段を利用することができる。この場合には中間受信モードとしている期間はダイバーシティ受信モードよりも消費電力を下げられるため、さらに消費電力削減に対して効果がある。また、ADC19におけるA/D変換のビット精度を悪くすることによっても感度劣化をさせ、中間受信モードを作ることが可能である。その他にも中間受信モードを作成する方法はあるが、本発明は中間受信モードの作り方によらず、切り替えの周期的発生に起因する受信エラーの発生に対して改善効果を有するものである。
中間受信モードを用いて切り替えを行った場合の動作を図4を用いて説明する。中間受信モードはダイバーシティ受信モードより受信感度が悪く、かつシングル受信モードより受信感度が良くなるように作られる。図4の例ではfが中間受信モードの受信感度で、ダイバーシティ受信モードの受信感度gよりも悪く、シングル受信モードの受信感度cよりも良くなっている。ここでダイバーシティ受信モードと中間受信モードの間の切り替え制御を考えると、中間受信モードで起動閾値となる入力レベルeは、ダイバーシティ受信モードで解除閾値となる入力レベルdよりも小さいため、レベル範囲Aが存在せず、周期的な切り替えは発生しない。また中間受信モードとシングル受信モードの間の切り替え制御を考えると、シングル受信モードで起動閾値となる入力レベルaと中間受信モードで解除閾値となる入力レベルbで定まるレベル範囲Aにおいて、中間受信モードとシングル受信モードの周期的な切り替えが発生する。しかし、シングル受信モードでBER限界となる入力レベルcはbよりも小さい値となっているためレベル範囲Bは存在せず、シングル受信モードとなっている期間においても受信エラーは発生しない。さらにレベル範囲Aもなくすためには、受信感度が中間受信モードより悪く、シングル受信モードよりも良い第4
の受信モードをさらに作り、4つの受信モードを用いて切り替え制御を行うことにより
可能となる。
本実施の形態の構成を用いて、制御を行う具体例を図6および図7を用いて説明する。
図6は従来の、ダイバーシティ受信モードとシングル受信モードを切り替える場合の制御フローの一例である。まずは、制御部9は、BER計測部から出力されたBERを取得する。次に、制御部9は、現在の受信モードがダイバーシティ受信モードである場合にはBERと解除閾値を比較し、BERが解除閾値より小さい場合には受信環境が良好であるためシングル受信モードへ切り替える制御を行い、BERが解除閾値よりも大きい場合には切り替え制御を行わずにBER取得ステップへ戻る。また、制御部9は、現在の受信モードがシングル受信モードである場合にはBERと起動閾値を比較し、BERが起動閾値よりも大きい場合には受信環境が劣悪であるためダイバーシティ受信モードへ切り替える制御を行い、BERが起動閾値よりも小さい場合には切り替え制御を行わずにBER取得ステップへ戻る。ダイバーシティ受信モードとシングル受信モードの感度差が約3dBと大きいため、この制御方法では前述のとおり、レベル範囲Aが存在するため周期的に受信モードの切換えが発生し、さらにレベル範囲Bも存在するため受信エラーが発生する。
図7は本発明における制御方法の一例である。制御部9は、BER取得後、シングル受信モードの場合、BERが起動閾値よりも大きい場合には中間受信モードへ切り替え制御を行う。ダイバーシティ受信モードの場合、制御部9は、BERが解除閾値よりも小さい場合には中間受信モードへ切り替え制御を行う。また中間受信モードの場合、制御部9は、BERが起動閾値よりも大きい場合にはダイバーシティ受信モードへ切り替え制御を行い、BERが解除閾値よりも小さい場合にはシングル受信モードへ切り替え制御を行い、BERが起動閾値よりも小さくかつ解除閾値よりも大きい場合には何もせずにBER取得ステップへ戻る。この制御フローにより、3つの受信モードを受信環境に応じて切り替え制御を行うことができ、前述のとおり、レベル範囲Aおよびレベル範囲Bを狭くする、あるいはなくすことが可能となる。
以上の説明より、受信感度と消費電力がトレードオフとなる受信モードを受信環境に応じて切り替え制御を行う場合に、本実施の形態の構成を用いることにより、周期的な切り替えが発生し、受信エラーが発生する現象を抑制し、スムーズな切り替え制御を実現することができる。
なお、本実施の形態においては、ダイバーシティ受信モードとシングル受信モードの切り替えを例として説明しているが、受信部が1系統のみでダイバーシティ構成を有さない受信装置においても、本発明は効果を有する。すなわち、受信部の回路構成において、受信感度が良い高感度モードと、受信感度が悪い低感度モードを、受信環境に応じて切り替え制御を行う場合に、低感度モードから高感度モードに切り替わる入力レベルを高感度モードから低感度モードに切り替わる入力レベルより小さくすることにより、同様にスムーズな切り替え制御を行うことが可能となる。
この場合においては、一般に高感度モードと低感度モードで移動受信特性(レイリー特性)の性能差が小さいあるいは同等となる。従って、受信感度レベル付近では受信モードの適応切り替えが有効な効果を奏するが、受信感度レベルよりも高い移動受信感度レベル付近では受信モードの適応切り替えの効果が小さく、場合によっては切り替えに起因する特性劣化が生ずる。この現象を回避するためには、例えば受信感度レベルよりも大きい一定レベル以上となった場合には適応切り替え制御を停止し低感度モードとする方法がある。あるいは受信装置に移動検出器(図示せず)を設け、所定速度以上の場合には適応切り替え制御を停止し低感度モードとする方法などが考えられる。
また、受信感度と消費電力がトレードオフとなる受信モードの適応制御に限らず、妨害特性と消費電力、周波数特性と消費電力、温度特性と消費電力など、各種受信モード間の適応切り替え制御を行う際に、それぞれの特性の中間受信モードを作ることにより受信エラーの発生をなくす効果を得ることができる。
本発明の受信装置および制御方法は、受信性能と消費電力がトレードオフとなる受信モードを受信環境において切り替え制御を行う場合に、低感度モードから高感度モードに切り替わる入力レベルを高感度モードから低感度モードに切り替わる入力レベルより小さくすることにより、切り替え制御による受信エラーの発生を起こさずに状態遷移を行うことができる。携帯端末向けテレビ受信機などバッテリー駆動の携帯型受信端末において、受信性能とバッテリー持続時間の両立を実現する際に、本発明は特に有用である。
本発明の実施の形態1における受信装置のブロック図 ダイバーシティ受信モードおよびシングル受信モードの受信感度特性を示す図 ダイバーシティ受信モードおよびシングル受信モードの受信感度特性を示す図 ダイバーシティ受信モードおよびシングル受信モードの受信感度特性を示す図 本発明の実施の形態1における受信部のブロック図 同受信装置の動作フローチャート 同受信装置の他の動作フローチャート
符号の説明
1 受信装置
2 第1受信部
3 第2受信部
4 ダイバーシティ部
5 誤り訂正部
6 デコード部
7 表示部
8 BER計測部
9 制御部
10 受信部
11 アンテナ
12 RFフィルタ
13 RFGCA
14 ミキサ
15 VCO
16 RFAGC
17 IFフィルタ
18 IFGCA
19 ADC
20 復調部

Claims (11)

  1. 第1受信電力で動作し第1受信感度の第1受信モードと、前記第1受信感度よりも悪い第2受信感度の第2受信モードと、前記第1動作電力よりも小さい第2動作電力で動作し前記第2受信感度よりも悪い第3受信感度の第3受信モードを有することを特徴とする受信装置。
  2. 前記第1受信モードがダイバーシティ受信であり、前記第2受信モードが受信感度を劣化させたダイバーシティ受信であり、前記第3受信モードがシングル受信としたことを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
  3. 前記第2受信モードは受信回路内のRFGCAの利得を下げることにより作ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の受信装置。
  4. 前記第2受信モードは受信回路に用いる電流値を制限することにより作ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の受信装置。
  5. 前記第2受信モードはA/Dコンバータの変換精度を劣化させることにより作ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の受信装置。
  6. 受信感度が異なる4以上の受信モードを有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の受信装置。
  7. 地上デジタル放送を受信することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1つに記載の受信装置。
  8. 受信環境が予め設定した閾値より劣悪な場合に、前記受信装置が前記第1受信モードの場合には前記第2受信モードに切り替え、前記受信装置が前記第2受信モードの場合には前記第3受信モードに切り替え、受信環境が予め設定した閾値より良好な場合に、前記受信装置が前記第3受信モードの場合には前記第2受信モードに切り替え、前記受信装置が前記第2受信モードの場合には前記第1受信モードに切り替えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の受信装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1つに記載された受信装置の出力側に順に接続されたデコード部と、表示部とを有することを特徴とする受信システム。
  10. 受信環境が予め設定した閾値より劣悪な場合に、前記受信装置が前記第1受信モードの場合には前記第2受信モードに切り替え、前記受信装置が前記第2受信モードの場合には前記第3受信モードに切り替え、受信環境が予め設定した閾値より良好な場合に、前記受信装置が前記第3受信モードの場合には前記第2受信モードに切り替え、前記受信装置が前記第2受信モードの場合には前記第1受信モードに切り替えることを特徴とする請求項9に記載の受信システム。
  11. 受信環境を受信信号のビットエラーレートで判断することを特徴とする請求項10に記載の受信システム。
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