JP3999341B2 - 輪転印刷機の洗浄装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、輪転印刷機においてインキローラの洗浄を行う洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の輪転印刷機においては、印刷作業の終了時あるいはインキ壷内のインキの色を替えるいわゆる色替え時などには、次の印刷作業の支障とならないように、印刷作業の合間にインキ壷内のインキの排出と、インキ移送ローラ群の各ローラの周面に付着したインキを洗浄するインキローラの洗浄とが行われる。
その洗浄装置としては、例えば、インキ移送ローラ群の上流側のインキローラに噴射した洗浄液を下流側のインキローラの周面に当接させたブレードによってインキの廃液を洗浄液槽内に掻き取る装置がある。しかしながら、この装置では、インキローラの周面を洗浄する度にブレードの先端と洗浄液槽にインキが付着しているため、清掃する必要があり作業者の負担となっていた。
【0003】
そこで、この作業者の負担を軽減する洗浄装置として、ブレードで掻き取ったインキの廃液を洗浄布で回収するものがある。特許第2514153号公報に開示されたものは、インキローラの周面にパッドを介して押し当てた洗浄布によってインキローラの周面のインキの廃液を拭き取ると同時に、洗浄布をインキローラの周面に当接させたブレードにも押し当てることにより、ブレードによって掻き取ったインキの廃液を洗浄布で回収するものである。
また、実開平4−130842号公報に開示されたものは、インキローラの周面のインキの廃液をブレードによって掻き取り、ブレードをインキローラの周面から接離自在として、ブレードを離間させたときにブレードの背面側に待機させている洗浄布に、ブレードを当接させインキの廃液を回収するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した前者の装置では、洗浄布をインキローラに強く押し当てる構造であるために、洗浄中高速で回転するインキローラの周面によって洗浄布が切断されやすく、これを防止するためには耐久性の高い専用の高価な洗浄布を使用する必要がある。また、洗浄布が拭き取るインキの廃液の粘性によって、洗浄布がインキローラに引っ張られインキローラに巻き込まれ洗浄障害を発生させるおそれもあった。
また、後者の装置では、洗浄中にブレードをインキローラの周面から間欠的に離間させる構造としているので、離間させている間の時間的ロスにより洗浄時間が余計にかかるといった問題がある。
【0005】
したがって、本発明は上記した従来の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、洗浄時間の短縮を図るとともに、洗浄障害の発生を防止した輪転印刷機の洗浄装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明に係る輪転印刷機の洗浄装置は、インキローラ上のインキ廃液を掻き落とす洗浄ブレードと、この洗浄ブレードによる洗浄動作中に走行し、この洗浄ブレードによって掻き落とされたインキ廃液を回収する洗浄ウェブとを備えた輪転印刷機の洗浄装置において、前記洗浄ブレードを、インキローラの周面に当接して廃液を掻き落とす先端部と、この先端部に連続し掻き落とされた廃液を下方に案内する廃液案内部とによって形成し、前記インキローラに前記洗浄ブレードの先端部が当接しているときに前記洗浄ウェブを洗浄ブレードの廃液案内部に接触させることにより前記洗浄ブレード上のインキ廃液を回収する廃液回収手段と、洗浄ウェブをインキローラの周面へ近接する第1の位置および離間する第2の位置との間を往復動させる駆動手段とを備え、前記洗浄ウェブは、前記第1の位置に位置することにより、前記インキローラの周面に添接しないで前記インキローラに先端部が当接している前記洗浄ブレードの廃液案内部に添接するものである。
したがって、洗浄中にブレードをインキローラの周面に当接させた状態で、洗浄ウェブをブレードの廃液案内部に接触させてインキ廃液を回収する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。図1は本発明に係る輪転印刷機の洗浄装置が適用されるインキ装置の側面図、図2は本発明の第1の実施の形態に係る洗浄装置を構成する洗浄ユニットを展開した正面図、図3は図2に示す洗浄ユニットの側面図、図4(A)〜(C)は同じく洗浄動作を説明するための側面図である。
図1において、2は周面に版が装着された版胴であって、印刷機のフレーム(図示せず)間に版胴2の軸の両端が軸受を介して回転自在に支持されている。後述するインカーフレーム26間には、インキ供給装置4とインキローラ群5とで構成されたインキ装置3が設けられている。
【0008】
インキ供給装置4は、インキ壺ローラ6と、インキ壷ローラ6の周面に先端が近接するインキブレード7と、インキ壷ローラ6とインキブレード7を挟む左右一対のインキせき8と、インキ壷ローラ6の周面、インキブレード7およびインキせき8によって構成されてインキ10が蓄えられるインキ壺9を備える。版胴2の周面には、2つの振りローラ11にアーム(図示せず)を介して支持されたそれぞれ一対のインキ着ローラ12が着脱自在に対接している。振りローラ11の上方には3個のインキ練りローラ13が互いに周面を対接して振りローラ11間に直列に設けられている。14はインキ壺ローラ6とインキ練りローラ15とに交互に接触しながら両ローラ6,15間を往復動するインキ呼び出しローラ、16aはインキ練りローラ15と対接するインキ練りローラである。
【0009】
インキ練りローラ16aと一端側のインキ練りローラ13との間にはインキ振りローラ17a、インキ練りローラ16b、インキ振りローラ17bがインキ移送順に設けられている。これらローラ11〜17b等によって、インキローラ群5が構成されている。このインキ移送ローラ群5の上方には、洗浄作業時に洗浄液19を練りローラ15、16aの周面に供給する洗浄ノズル18がローラの軸線方向に沿って複数個架設されている。
【0010】
図3に示すように、廃液回収手段としての洗浄ユニット20は振りローラ11の近傍に設けられている。洗浄ユニット20は、振りローラ11の胴長よりもやや長く形成された洗浄ブレード21と、洗浄ブレード21の全長よりもわずかに長い幅を有し、洗浄ブレード21によって掻き落とされたインキの廃液を拭き取る洗浄布22と、洗浄布22を供給する供給ロール23と、洗浄布22を巻取る巻取りロール24とを備える。
【0011】
図2において、27は左右一対のインカーフレーム26の外側にそれぞれ枢着されたインキブレード着脱用の一対のエアシリンダーであり、エアシリンダー27のロッド27aにはナックルジョイント28の一端が連結されている。ナックルジョイント28の他端にはレバー29が枢着され、レバー29はインカーフレーム26に回動自在に支持された軸30の外側に突出した突出端部30aに固着されている。軸30のインカーフレーム26から内側に突出した突出端部30bには、インカーフレーム26間に延在するインキブレード固定バー31が固定されている。インキブレード固定バー31には洗浄ブレード21が固定されている。
【0012】
エアシリンダー27のロッド27aが後退した状態において、洗浄ブレード21の先端部21aは、振りローラ11の周面から離間している(図3中実線で示す)。この場合、洗浄ブレード21の先端部21aとは洗浄ブレード21先端の断面三角形状の鋭角部分のみを言う。エアシリンダー27が作動しロッド27aが進出すると、レバー29はナックルジョイント28を介して回動し、その回動運動は軸30を介してインキブレード固定用バー31に伝達される。インキブレード固定用バー31の回動により、洗浄ブレード21の先端部21aは、振りローラ11の周面に当接する(図3中二点鎖線で示す)。
【0013】
33は左右一対のインカーフレーム26にそれぞれ枢着されたユニット揺動用の一対のエアシリンダーであって、エアシリンダー33のロッド33aにはナックルジョイント34の一端が連結されている。ナックルジョイント34の他端にはレバー35が枢着され、レバー35はインカーフレーム26に回動自在に支持された軸36の外側に突出した突出端部36aに固着されている。軸36のインカーフレーム26から内側に突出した突出端部36bには、インカーフレーム38の内側面に沿うように上下方向に延在するユニットホルダー38の下端部38aが固着されている。
【0014】
40はステー46によって相対向するように連結された一対のユニットフレームであって、上下端部にピン42,41が植設されている。ユニットフレーム40は、ピン42、41がユニットホルダー38の上下端部38b,38aに枢支されることにより、ユニットホルダー38に支持されている。供給ロール23および巻取りロール24は、それぞれピン41およびピン42と軸芯を同一にしてユニットフレーム40間に回動自在に支持されている。44,45は供給ロール23と布巻取りロール24との間に張架された洗浄布22が添接される棒状の布ガイドであって、ユニットフレーム40間に回動自在に支持されている。
【0015】
このように構成された洗浄ユニット20において、図3に示すように、洗浄ブレード21の先端部21aが振りローラ11の周面から離間した状態において、エアシリンダー33のロッド33aが後退すると、布ガイド44,45間に張架された洗浄布22は、洗浄ブレード21の廃液案内部としての背面(振りローラ11との対接面と反対側の面)21cおよび先端部21aの傾斜面に添接する。このように、洗浄布22が振りローラ11の周面から離間した位置を第2の位置という。エアシリンダー33のロッド33aが後退した状態においてエアシリンダー27のロッド27aが進出すると、洗浄ブレード21の先端部21aが軸30を中心に矢印A方向に回動し振りローラ11の周面に当接する。このとき、両布ガイド44,45間に張架された洗浄布22は、洗浄ブレード21の基端部21bに添接する。
【0016】
洗浄ブレード21の先端部21aが振りローラ11の周面に当接した状態において、エアシリンダー33が作動しロッド33aが進出すると、レバー35はナックルジョイント34を介して回動する。レバー35の回動運動は軸36を介してユニットホルダー38に伝達され、ユニットホルダー38の上端部38bが下端部38aを回動中心として回動する。このユニットホルダー38の回動に伴って、ユニットフレーム40の上端部のピン42が、下端部のピン41を回動中心として矢印B方向に回動し、布ガイド44,45間に張架された洗浄布22は洗浄ブレード21の背面21cの全体に添接する。このように、洗浄布22が振りローラ11の周面に近接した位置を第1の位置という。
【0017】
図2において、48はユニットホルダー38の一方に固定されたロッド48aを有する布巻取り用のエアシリンダーであって、ロッド48aは一方向クラッチによって布巻取りロール24の一端側の軸と連結されたレバー49に植設されたピン50に対向している。エアシリンダー48が作動してロッド48aが進出すると、ロッド48aがピン50に当接しレバー49は所定の角度だけ回動する。レバー49の回動により、一方向クラッチを介して布巻取りロール24が回動することにより、洗浄布22が一定量巻取られる。したがって、洗浄布22は洗浄動作中に一定量づつ間欠的に走行する。
【0018】
次に、このように構成された輪転印刷機の洗浄装置の洗浄動作を図4(A)〜(C)を用いて説明する。
インキ洗浄ボタン(図示せず)を操作すると、呼び出しローラ14の往復動作が停止し、呼び出しローラ14は図1に示すように練りローラ15と接触した状態となる。このとき、図4(A)に示すように、洗浄布22は洗浄ブレード21の背面21cおよび先端部21aの背面側斜面に添接している。
【0019】
次に、エアシリンダ27が作動してロッド27aが進出すると、洗浄ブレード21の先端部21aは、振りローラ11から離間した状態から、図4(B)に示すように、振りローラ11の周面に当接した状態に移行する。このとき、布ガイド44,45間に張架された洗浄布22は、洗浄ブレード21の背面21cから離れ、基端部21bのみに添接している。
【0020】
この状態において、洗浄ノズル18から練りローラ15、16間に洗浄液19が供給される。供給された洗浄液19は、インキ移送ローラ群5のローラ13〜17bの周面に付着したインキを洗浄しながら振りローラ11に移送され、インキの廃液として洗浄ブレード21の先端部21aによって掻き落とされる。洗浄ブレード21によって掻き落とされたインキの廃液は、洗浄ブレード21の先端部21aに連続する傾斜した背面21cに沿ってガイドされて下方に流れ、基端部21bで洗浄布22によって拭き取られる。
【0021】
この場合、洗浄ブレード21の背面21cおよび先端部21aの傾斜面と洗浄布22との間に隙間が形成されているので、洗浄ブレード21によって掻き落とされたインキの廃液は、洗浄ブレード21から溢れ出ることはない。このように、インキの廃液は洗浄ブレード21の基端部21bで洗浄布22によって拭き取られる。したがって、インキの廃液は間欠送りされる洗浄布22に均一に拭き取られるので、洗浄布22による拭き取り量が低下することがない。
【0022】
洗浄動作中、エアシリンダー48は所定の時間周期で作動する。これにより、ロッド48aが進出して洗浄布22が布巻取りロール24に一定量だけ間欠的に巻き取られ、新しい洗浄布22が洗浄ブレード21の基端部21bに次々に添接する。
【0023】
ローラの洗浄開始から所定時間が経過すると、エアシリンダー33が作動してロッド33aが進出する。これにより、巻取りロール24と布ガイド45とが供給ロール23を回動中心として、図4(C)に示すように、矢印B方向に回動し、布ガイド44,45間に張架された洗浄布22が洗浄ブレード21の背面21c全面に添接する。この状態でエアシリンダー48が作動されることにより、新しい洗浄布22が供給リール23から洗浄ブレード21の背面21cに送り出され、洗浄ブレード21の背面21cに堆積するインキが拭き取られる。このとき、洗浄布22は洗浄ブレード21の先端部21aの斜面に添接しないが、インキ廃液は先端部21aの斜面の下端から洗浄布22に吸収されて回収される。
【0024】
このように、ローラの洗浄後に洗浄ブレード21の背面21cも清掃されかつ先端部21aの斜面上のインキ廃液も吸収されるので、インキの掻き取り量が減少することがなく、洗浄能力の低下を防止できる。
【0025】
なお、上述した洗浄布22を洗浄ブレード21の背面21c全面に接触および離間させる動作と、洗浄布22の間欠的な送り動作とは、洗浄ブレード21の先端部21aが振りローラ11の周面に当接し、インキの廃液を掻き落とす洗浄中に所定回数繰り返し行われる。
【0026】
ローラの洗浄が終了すると、洗浄ノズル18からの洗浄液19の噴射が停止され、エアシリンダー33が作動される。これにより、ロッド33aが後退し、図4(B)に示すように、洗浄布22が洗浄ブレード21の背面21cから離間される。次に、エアシリンダー27が作動されてロッド27aが後退することにより、図4(A)に示すように、洗浄ブレード21が振りローラ11の周面から離間される。
【0027】
このとき、エアシリンダー48が作動されてロッド48aが進出することによって、洗浄布22は洗浄ブレード21の背面21cおよび先端部21aの斜面に添接する。これにより、新しい洗浄布22によって洗浄ブレード21の先端部21aの斜面に付着したインキが拭き取られる。このように、洗浄動作終了時に洗浄ブレード21の先端部21aの斜面が洗浄布22によって清掃されるので、次の洗浄時に洗浄障害が発生するようなことがない。
【0028】
なお、図4(A)の状態から図4(C)の状態に移行する際に、図4(B)の状態を瞬時に経由して図4(C)に移行するようにしてもよい。また、図4(B)の状態を経由することなく、図4(A)の状態から図4(C)の状態へ直接移行するようにしてもよい。このような場合には、振りローラ11の周面の洗浄動作は図4(C)の状態で行われる。
【0029】
本実施の形態によれば、洗浄動作中に洗浄ブレード21が振りローラ11に当接した状態が保持されるので、洗浄ブレード21が間欠的に振りローラ11から離間する従来と比較して洗浄時間が短縮される。また、洗浄布22が振りローラ11に接触しない構造としたので、洗浄布22の振りローラ11への巻き込まれることがなく、洗浄障害が防止される。さらに、洗浄布22が振りローラ11によって切断されるようなこともないので、耐久性の高い専用の高価な洗浄布を使用する必要もなく、汎用されている廉価な洗浄布を使用できる。
【0030】
図5は本発明の第2の実施の形態による洗浄装置の洗浄ユニットの側面図であり、第1の実施の形態と同一部分については同一符号を付してその説明を省略する。
図5に示すように、下側の布ガイド44と供給ロール23との間の洗浄布22の走行路に、布ガイド44と振りローラ11との間隔よりも振りローラ11側に近接して棒状の布ガイド52が設けられている。布ガイド52はユニットフレーム40間に回動自在に支持されている。
【0031】
この構成において、供給ロール23から引き出された洗浄布22は一旦布ガイド52に巻回された後、布ガイド44と布ガイド45との間に張架されている。このため、布ガイド52に巻回された洗浄布22は、布ガイド44において供給ロール23と対向する側に巻回されている。すなわち、洗浄布22は洗浄ブレード21の基端部21bおよび背面21cと離間した状態で、布ガイド44を時計方向に回転するように走行する。
【0032】
次に、このように構成された洗浄装置の動作を図6(A)〜(C)を用いて説明する。図6(A)に示すように、非洗浄状態では洗浄ブレード21の先端部21aが振りローラ11の周面から離間している。この状態でエアシリンダー27が作動すると、図6(B)に示すように、洗浄ブレード21が矢印A方向に回動して先端部21aが振りローラ11の周面に当接し、洗浄布22は洗浄ブレード21から完全に離れる。このとき、洗浄ブレード21の基端部21bは布ガイド52,44間に張架された洗浄布22の上方に位置する。
【0033】
この状態で、振りローラ11の周面に当接した洗浄ブレード21の先端部21aによって掻き落とされたインキの廃液は、傾斜した洗浄ブレード21の背面21cを経て基端部21bに流れる。その後、インキ廃液は基端部21bから布ガイド52と布ガイド44との間に張架された洗浄布22の受け部分22aに落下し、この受け部分22aで吸収されて回収される。
【0034】
次に、洗浄布22を所定回数間欠送りしてインキの廃液の回収を終了した後、洗浄ブレード21の背面21cに堆積するインキを拭き取るために、エアシリンダー33が作動されてロッド33aが進出する。これにより、図6(C)に示すように、布ガイド44,45間に張架された洗浄布22が、矢印B方向に回動して洗浄ブレード21の背面21cの全面に添接する。この状態において、エアシリンダー48が作動されて新しい洗浄布22が供給リール23から洗浄ブレード21の背面に送り出されることにより、洗浄ブレード21の背面21cが清掃される。このとき、洗浄ブレード21の先端部21aの斜面上のインキ廃液も洗浄布22に吸収される。
【0035】
図6(B)と図6(C)の状態を所定回数繰り返した後、エアシリンダ33、27を順次復旧させて図6(A)に示す初期状態に戻る。このとき、洗浄布22の最後の走行を行い、洗浄ブレード21の先端部21aの斜面に堆積したインキ廃液を洗浄布22で拭き取ることにより、次回の洗浄動作に待機する。
【0036】
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。この第3の実施の形態の構成は図3に示す第1の実施の形態と基本的に同一であるためその説明は省略する。第3の実施の形態と第1の実施の形態との相違点は、図3に示す布ガイド45がより上方に配置されるとともに、洗浄動作終了後に初期状態に復帰するまでのシーケンス動作が相違することにある。
【0037】
図7(A)〜(D)は本発明の第3の実施の形態による洗浄装置の洗浄ユニットの動作図である。図7(A)に示す初期状態からエアシリンダー27、33が順次作動することにより、図7(B)の状態を経て図7(C)の状態に移行し、振りローラ11の洗浄動作が行われる。ここまでのシーケンスは図4(A)〜(C)と同一である。なお、図7(A)の状態から図7(C)の状態に移行する際に、図7(B)の状態を瞬時に経由して図7(C)に移行するようにしてもよい。また、図7(B)の状態を経由することなく、図7(A)の状態から図7(C)の状態へ直接移行するようにしてもよい。
【0038】
振りローラ11の洗浄動作終了後、エアシリンダー33が復旧することなくエアシリンダー27のみが復旧することにより、図7(D)に示すように、洗浄ブレード21の先端部21aが振りローラ11の周面から離間する。このとき、洗浄布21は振りローラ11の周面に依然として近接した位置で布ガイド44、45間に張架されているので、初期位置への復帰途中で洗浄ブレード21は洗浄布21に所定角度で当接する。その後、洗浄ブレード21の先端部21aは洗浄布22の張力に抗して布ガイド45の下方に潜り込む。この状態において、洗浄布22を間欠送りすることにより、洗浄ブレード21の背面21cおよび先端部21bの斜面だけでなく、洗浄ブレード21の先端部の頂部(鋭角部分)のインキ廃液も拭き取られる。
【0039】
しかる後、エアシリンダー33が復旧して洗浄ユニット20が振りローラ11から離間する位置に揺動することにより、洗浄布22が振りローラ11の周面から離間して図7(A)に示す初期位置に復帰する。この位置でさらに洗浄布22を巻き取って巻き取りローラ24に巻き取られた汚れた洗浄布22をきれいな洗浄布22で覆うことにより、拭き取ったインキ廃液がたれるのを防止する。なお、洗浄ブレードが初期位置へ復帰する途中でなく初期位置に復帰した状態において、洗浄ブレード21の先端部21aの頂部を初期位置に復帰する前の洗浄布22で拭き取るようにしてもよい。
【0040】
このように本実施の形態によれば、布ガイド45を第1の実施の形態よりも洗浄ブレード21の先端部21aから離れるように配置している。このため、図7(C)の状態から洗浄ブレード21のみを振りローラ11の周面から離間させたときに、洗浄ブレード21の先端部21aが布ガイド45に当接することなく、布ガイド45の下方に潜り込むことができる。
【0041】
なお、上記各実施の形態においては、布ガイド44、45、52は洗浄ユニット20に支持されかつ供給ロール23および巻き取りロール24を備える洗浄ユニット20の揺動によって振りローラ11の周面に近接および離間するように構成した。しかしながら、図8に示すように、供給ロール23および巻き取りロール24からなる洗浄布走行機構を固定にして布ガイドの少なくとも一部を振りローラ11の周面に近接および離間するように構成してもよい。
【0042】
図8は本発明の第4の実施の形態を示す洗浄ユニットの側面図である。
この第4の実施の形態は、第1の実施の形態の変形例であり、第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付してある。51はロッド51aを有するエアシリンダーであり、ロッド51aの先端部は揺動レバー52にピンを介して連結されている。揺動レバー52は廃液回収手段としての洗浄布走行機構70のユニットフレーム40間に回転自在に支持された布ガイド44を中心に揺動自在に支持され、布ガイド45は揺動レバーの揺動端部に回転自在に支持されている。60は、布ガイド44、45、エアシリンダー51、揺動レバー52から構成され、洗浄布走行機構70によって走行される洗浄布22のガイド位置を振りローラ11の周面に近接する位置と離間する位置にシフトさせる廃液回収手段としてのガイドシフト機構である。
【0043】
このような構成において、図4(B)の状態から図4(C)の状態に移行する場合には、洗浄ユニット20(図3)を揺動させる代わりに、エアーシリンダ51を作動してロッド51aを進出させることにより、ガイドシフト機構60の揺動レバー52は振りローラ11の周面に近接する位置にシフトする。これにより、図4(C)と同様に、洗浄ブレード21の背面21cに洗浄布22が添接し、洗浄ブレード21上のインキ廃液が拭き取られる。また、図4(C)の状態において、エアーシリンダ51が復旧動作することにより、図4(B)に示すように、揺動レバー51は振りローラ11の周面から離間する位置にシフトする。瞬時後の洗浄ブレード21の初期位置への復帰により図4(A)の状態に復旧する。
【0044】
なお、上記各実施の形態においては、洗浄動作中に洗浄布22を洗浄ブレード21の背面21cに繰り返し接触および離間させるようにしたが、洗浄動作中に間欠走行する洗浄布22を洗浄ブレード21の背面21cに接触し続けるようにしてもよい。
【0045】
また、上記各実施の形態においては、巻取りロール24と布ガイド45とを備えた洗浄ユニット20が供給ロール23を回動中心として矢印B方向に回動するようにしたが、布ガイド44を回動中心として回動するようにしてもよい。
以上説明したように本発明によれば、インキブレードがインキローラに当接した状態でインキ廃液の回収を行うことができるので、インキブレードが間欠的にインキローラから離間する従来と比較して洗浄時間が短縮される。また、洗浄ウェブがインキローラに接触しないので、洗浄ウェブがインキローラに巻き込まれて洗浄障害が発生するようなこともない。さらに、洗浄ウェブがインキローラによって切断されるようなこともないので、耐久性の高い専用かつ高価な洗浄布を使用する必要もなく、廉価な汎用の洗浄布を使用できる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1記載の発明によれば、洗浄動作中に駆動手段によって洗浄ウェブをブレードの廃液案内部に添接させることにより、洗浄動作中においてブレードをインキローラに当接した状態を保持できるので、ブレードが間欠的にインキローラから離間する従来と比較して洗浄時間が短縮される。また、洗浄ウェブがインキローラに接触しない構造としたことにより、洗浄ウェブがインキローラに巻き込まれて洗浄障害が発生するようなこともない。さらに、洗浄ウェブがインキローラによって切断されるようなこともないので、耐久性の高い専用の高価な洗浄布を使用する必要もなく、汎用されている廉価な洗浄布を使用できる。
【0047】
また、請求項2記載の発明によれば、洗浄ブレードの廃液案内部および先端部の斜面だけでなく、洗浄ブレードの先端部の頂部のインキ廃液をも拭き取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る輪転印刷機の洗浄装置が適用されるインキ装置の側面図である。
【図2】 本発明の第1の実施の形態に係る輪転印刷機の洗浄装置における洗浄ユニットを展開した正面図である。
【図3】 図2に示す洗浄ユニットの側面図である。
【図4】 本発明の第1の実施の形態に係る輪転印刷機の洗浄装置における洗浄動作を説明するための側面図である。
【図5】 本発明の第2の実施の形態に係る輪転印刷機の洗浄装置における洗浄ユニットの側面図である。
【図6】 本発明の第2の実施の形態における洗浄動作を説明するための側面図である。
【図7】 本発明の第3の実施の形態における洗浄動作を説明するための洗浄ユニットの側面図である。
【図8】 本発明の第4の実施の形態に係る輪転印刷機の洗浄装置における洗浄ユニットの側面図である。
【符号の説明】
11…振りローラ、18…洗浄ノズル、19…洗浄液、20…洗浄ユニット、21…洗浄ブレード、21a…先端部、21b…基端部、21c…廃液案内部、22…洗浄布、23…供給ロール、24…巻取りロール、33…エアシリンダ、38…ユニットホルダ、40…ユニットフレーム、44,45…布ガイド棒、52…第3の布ガイド棒。
Claims (3)
- インキローラ上のインキ廃液を掻き落とす洗浄ブレードと、この洗浄ブレードによる洗浄動作中に走行し、この洗浄ブレードによって掻き落とされたインキ廃液を回収する洗浄ウェブとを備えた輪転印刷機の洗浄装置において、前記洗浄ブレードを、インキローラの周面に当接して廃液を掻き落とす先端部と、この先端部に連続し掻き落とされた廃液を下方に案内する廃液案内部とによって形成し、前記インキローラに前記洗浄ブレードの先端部が当接しているときに前記洗浄ウェブを洗浄ブレードの廃液案内部に接触させることにより前記洗浄ブレード上のインキ廃液を回収する廃液回収手段と、洗浄ウェブをインキローラの周面へ近接する第1の位置および離間する第2の位置との間を往復動させる駆動手段とを備え、前記洗浄ウェブは、前記第1の位置に位置することにより、前記インキローラの周面に添接しないで前記インキローラに先端部が当接している前記洗浄ブレードの廃液案内部に添接することを特徴とする輪転印刷機の洗浄装置。
- 請求項1記載の輪転印刷機の洗浄装置において、洗浄ブレードの先端部をインキローラの周面に当接する位置および離間する位置との間を往復動させる駆動手段とを設け、洗浄ウェブが第1の位置に位置し、前記洗浄ブレードがインキローラの周面に当接する位置から離間することにより、少なくとも前記ブレードの先端部の頂部の廃液を走行する前記洗浄ウェブによって拭き取ることを特徴とする輪転印刷機の洗浄装置。
- 請求項1記載の輪転印刷機の洗浄装置において、前記洗浄ブレードの先端部が前記インキローラに当接しているときに、前記駆動手段により前記洗浄ウェブの前記廃液案内部に対する接離動作を繰り返し行うことを特徴とする輪転印刷機の洗浄装置。
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