JPH10337852A - 輪転印刷機の洗浄装置 - Google Patents

輪転印刷機の洗浄装置

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JPH10337852A
JPH10337852A JP9150498A JP9150498A JPH10337852A JP H10337852 A JPH10337852 A JP H10337852A JP 9150498 A JP9150498 A JP 9150498A JP 9150498 A JP9150498 A JP 9150498A JP H10337852 A JPH10337852 A JP H10337852A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗浄時間の短縮を図るとともに、洗浄障害の
発生を防止する。 【解決手段】 ブレード21は、軸30を回動中心とし
て先端部21aが、振りローラ11の周面に接離自在と
なっている。供給ロール23から供給される洗浄布22
は、巻取りロール24によって巻き取られ両布ガイド4
4,45間に張設される。そして、駆動装置によって布
ガイド45および巻き取りロール24が矢印A方向に回
動し、洗浄布22は洗浄中のブレード21に接離自在と
なっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、輪転印刷機におい
てインキローラの洗浄を行う洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の輪転印刷機においては、印刷作
業の終了時あるいはインキ壷内のインキの色を替えるい
わゆる色替え時などには、次の印刷作業の支障とならな
いように、印刷作業の合間にインキ壷内のインキの排出
と、インキ移送ローラ群の各ローラの周面に付着したイ
ンキを洗浄するインキローラの洗浄とが行われる。その
洗浄装置としては、例えば、インキ移送ローラ群の上流
側のインキローラに噴射した洗浄液を下流側のインキロ
ーラの周面に当接させたブレードによってインキの廃液
を洗浄液槽内に掻き取る装置がある。しかしながら、こ
の装置では、インキローラの周面を洗浄する度にブレー
ドの先端と洗浄液槽にインキが付着しているため、清掃
する必要があり作業者の負担となっていた。
【0003】そこで、この作業者の負担を軽減する洗浄
装置として、ブレードで掻き取ったインキの廃液を洗浄
布で回収するものがある。特許第2514153号公報
に開示されたものは、インキローラの周面にパッドを介
して押し当てた洗浄布によってインキローラの周面のイ
ンキの廃液を拭き取ると同時に、洗浄布をインキローラ
の周面に当接させたブレードにも押し当てることによ
り、ブレードによって掻き取ったインキの廃液を洗浄布
で回収するものである。また、実開平4−130842
号公報に開示されたものは、インキローラの周面のイン
キの廃液をブレードによって掻き取り、ブレードをイン
キローラの周面から接離自在として、ブレードを離間さ
せたときにブレードの背面側に待機させている洗浄布
に、ブレードを当接させインキの廃液を回収するもので
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た前者の装置では、洗浄布をインキローラに強く押し当
てる構造であるために、洗浄中高速で回転するインキロ
ーラの周面によって洗浄布が切断されやすく、これを防
止するためには耐久性の高い専用の高価な洗浄布を使用
する必要がある。また、洗浄布が拭き取るインキの廃液
の粘性によって、洗浄布がインキローラに引っ張られイ
ンキローラに巻き込まれ洗浄障害を発生させるおそれも
あった。また、後者の装置では、洗浄中にブレードをイ
ンキローラの周面から間欠的に離間させる構造としてい
るので、離間させている間の時間的ロスにより洗浄時間
が余計にかかるといった問題がある。
【0005】したがって、本発明は上記した従来の問題
に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、
洗浄時間の短縮を図るとともに、洗浄障害の発生を防止
した輪転印刷機の洗浄装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明に係る輪転印刷機の洗浄装置は、インキロー
ラ上のインキ廃液を掻き落とす洗浄ブレードと、この洗
浄ブレードによる洗浄動作中に走行し、この洗浄ブレー
ドによって掻き落とされたインキ廃液を回収する洗浄ウ
ェブとを備えた輪転印刷機の洗浄装置であって、前記洗
浄ブレードを、インキローラの周面に当接して廃液を掻
き落とす先端部と、この先端部に連続し掻き落とされた
廃液を下方に案内する廃液案内部とによって形成し、前
記インキローラに前記洗浄ブレードの先端部が当接して
いるときに前記洗浄ウェブを洗浄ブレードの廃液案内部
に接触させることにより前記洗浄ブレード上のインキ廃
液を回収する廃液回収手段を設けたものである。したが
って、洗浄中にブレードをインキローラの周面に当接さ
せた状態で、洗浄ウェブをブレードの廃液案内部に接触
させてインキ廃液を回収する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づいて説明する。図1は本発明に係る輪転印刷機の洗
浄装置が適用されるインキ装置の側面図、図2は本発明
の第1の実施の形態に係る洗浄装置を構成する洗浄ユニ
ットを展開した正面図、図3は図2に示す洗浄ユニット
の側面図、図4(A)〜(C)は同じく洗浄動作を説明
するための側面図である。図1において、2は周面に版
が装着された版胴であって、印刷機のフレーム(図示せ
ず)間に版胴2の軸の両端が軸受を介して回転自在に支
持されている。後述するインカーフレーム26間には、
インキ供給装置4とインキローラ群5とで構成されたイ
ンキ装置3が設けられている。
【0008】インキ供給装置4は、インキ壺ローラ6
と、インキ壷ローラ6の周面に先端が近接するインキブ
レード7と、インキ壷ローラ6とインキブレード7を挟
む左右一対のインキせき8と、インキ壷ローラ6の周
面、インキブレード7およびインキせき8によって構成
されてインキ10が蓄えられるインキ壺9を備える。版
胴2の周面には、2つの振りローラ11にアーム(図示
せず)を介して支持されたそれぞれ一対のインキ着ロー
ラ12が着脱自在に対接している。振りローラ11の上
方には3個のインキ練りローラ13が互いに周面を対接
して振りローラ11間に直列に設けられている。14は
インキ壺ローラ6とインキ練りローラ15とに交互に接
触しながら両ローラ6,15間を往復動するインキ呼び
出しローラ、16aはインキ練りローラ15と対接する
インキ練りローラである。
【0009】インキ練りローラ16aと一端側のインキ
練りローラ13との間にはインキ振りローラ17a、イ
ンキ練りローラ16b、インキ振りローラ17bがイン
キ移送順に設けられている。これらローラ11〜17b
等によって、インキローラ群5が構成されている。この
インキ移送ローラ群5の上方には、洗浄作業時に洗浄液
19を練りローラ15、16aの周面に供給する洗浄ノ
ズル18がローラの軸線方向に沿って複数個架設されて
いる。
【0010】図3に示すように、廃液回収手段としての
洗浄ユニット20は振りローラ11の近傍に設けられて
いる。洗浄ユニット20は、振りローラ11の胴長より
もやや長く形成された洗浄ブレード21と、洗浄ブレー
ド21の全長よりもわずかに長い幅を有し、洗浄ブレー
ド21によって掻き落とされたインキの廃液を拭き取る
洗浄布22と、洗浄布22を供給する供給ロール23
と、洗浄布22を巻取る巻取りロール24とを備える。
【0011】図2において、27は左右一対のインカー
フレーム26の外側にそれぞれ枢着されたインキブレー
ド着脱用の一対のエアシリンダーであり、エアシリンダ
ー27のロッド27aにはナックルジョイント28の一
端が連結されている。ナックルジョイント28の他端に
はレバー29が枢着され、レバー29はインカーフレー
ム26に回動自在に支持された軸30の外側に突出した
突出端部30aに固着されている。軸30のインカーフ
レーム26から内側に突出した突出端部30bには、イ
ンカーフレーム26間に延在するインキブレード固定バ
ー31が固定されている。インキブレード固定バー31
には洗浄ブレード21が固定されている。
【0012】エアシリンダー27のロッド27aが後退
した状態において、洗浄ブレード21の先端部21a
は、振りローラ11の周面から離間している(図3中実
線で示す)。この場合、洗浄ブレード21の先端部21
aとは洗浄ブレード21先端の断面三角形状の鋭角部分
のみを言う。エアシリンダー27が作動しロッド27a
が進出すると、レバー29はナックルジョイント28を
介して回動し、その回動運動は軸30を介してインキブ
レード固定用バー31に伝達される。インキブレード固
定用バー31の回動により、洗浄ブレード21の先端部
21aは、振りローラ11の周面に当接する(図3中二
点鎖線で示す)。
【0013】33は左右一対のインカーフレーム26に
それぞれ枢着されたユニット揺動用の一対のエアシリン
ダーであって、エアシリンダー33のロッド33aには
ナックルジョイント34の一端が連結されている。ナッ
クルジョイント34の他端にはレバー35が枢着され、
レバー35はインカーフレーム26に回動自在に支持さ
れた軸36の外側に突出した突出端部36aに固着され
ている。軸36のインカーフレーム26から内側に突出
した突出端部36bには、インカーフレーム38の内側
面に沿うように上下方向に延在するユニットホルダー3
8の下端部38aが固着されている。
【0014】40はステー46によって相対向するよう
に連結された一対のユニットフレームであって、上下端
部にピン42,41が植設されている。ユニットフレー
ム40は、ピン42、41がユニットホルダー38の上
下端部38b,38aに枢支されることにより、ユニッ
トホルダー38に支持されている。供給ロール23およ
び巻取りロール24は、それぞれピン41およびピン4
2と軸芯を同一にしてユニットフレーム40間に回動自
在に支持されている。44,45は供給ロール23と布
巻取りロール24との間に張架された洗浄布22が添接
される棒状の布ガイドであって、ユニットフレーム40
間に回動自在に支持されている。
【0015】このように構成された洗浄ユニット20に
おいて、図3に示すように、洗浄ブレード21の先端部
21aが振りローラ11の周面から離間した状態におい
て、エアシリンダー33のロッド33aが後退すると、
布ガイド44,45間に張架された洗浄布22は、洗浄
ブレード21の廃液案内部としての背面(振りローラ1
1との対接面と反対側の面)21cおよび先端部21a
の傾斜面に添接する。このように、洗浄布22が振りロ
ーラ11の周面から離間した位置を第2の位置という。
エアシリンダー33のロッド33aが後退した状態にお
いてエアシリンダー27のロッド27aが進出すると、
洗浄ブレード21の先端部21aが軸30を中心に矢印
A方向に回動し振りローラ11の周面に当接する。この
とき、両布ガイド44,45間に張架された洗浄布22
は、洗浄ブレード21の基端部21bに添接する。
【0016】洗浄ブレード21の先端部21aが振りロ
ーラ11の周面に当接した状態において、エアシリンダ
ー33が作動しロッド33aが進出すると、レバー35
はナックルジョイント34を介して回動する。レバー3
5の回動運動は軸36を介してユニットホルダー38に
伝達され、ユニットホルダー38の上端部38bが下端
部38aを回動中心として回動する。このユニットホル
ダー38の回動に伴って、ユニットフレーム40の上端
部のピン42が、下端部のピン41を回動中心として矢
印B方向に回動し、布ガイド44,45間に張架された
洗浄布22は洗浄ブレード21の背面21cの全体に添
接する。このように、洗浄布22が振りローラ11の周
面に近接した位置を第1の位置という。
【0017】図2において、48はユニットホルダー3
8の一方に固定されたロッド48aを有する布巻取り用
のエアシリンダーであって、ロッド48aは一方向クラ
ッチによって布巻取りロール24の一端側の軸と連結さ
れたレバー49に植設されたピン50に対向している。
エアシリンダー48が作動してロッド48aが進出する
と、ロッド48aがピン50に当接しレバー49は所定
の角度だけ回動する。レバー49の回動により、一方向
クラッチを介して布巻取りロール24が回動することに
より、洗浄布22が一定量巻取られる。したがって、洗
浄布22は洗浄動作中に一定量づつ間欠的に走行する。
【0018】次に、このように構成された輪転印刷機の
洗浄装置の洗浄動作を図4(A)〜(C)を用いて説明
する。インキ洗浄ボタン(図示せず)を操作すると、呼
び出しローラ14の往復動作が停止し、呼び出しローラ
14は図1に示すように練りローラ15と接触した状態
となる。このとき、図4(A)に示すように、洗浄布2
2は洗浄ブレード21の背面21cおよび先端部21a
の背面側斜面に添接している。
【0019】次に、エアシリンダ27が作動してロッド
27aが進出すると、洗浄ブレード21の先端部21a
は、振りローラ11から離間した状態から、図4(B)
に示すように、振りローラ11の周面に当接した状態に
移行する。このとき、布ガイド44,45間に張架され
た洗浄布22は、洗浄ブレード21の背面21cから離
れ、基端部21bのみに添接している。
【0020】この状態において、洗浄ノズル18から練
りローラ15、16間に洗浄液19が供給される。供給
された洗浄液19は、インキ移送ローラ群5のローラ1
3〜17bの周面に付着したインキを洗浄しながら振り
ローラ11に移送され、インキの廃液として洗浄ブレー
ド21の先端部21aによって掻き落とされる。洗浄ブ
レード21によって掻き落とされたインキの廃液は、洗
浄ブレード21の先端部21aに連続する傾斜した背面
21cに沿ってガイドされて下方に流れ、基端部21b
で洗浄布22によって拭き取られる。
【0021】この場合、洗浄ブレード21の背面21c
および先端部21aの傾斜面と洗浄布22との間に隙間
が形成されているので、洗浄ブレード21によって掻き
落とされたインキの廃液は、洗浄ブレード21から溢れ
出ることはない。このように、インキの廃液は洗浄ブレ
ード21の基端部21bで洗浄布22によって拭き取ら
れる。したがって、インキの廃液は間欠送りされる洗浄
布22に均一に拭き取られるので、洗浄布22による拭
き取り量が低下することがない。
【0022】洗浄動作中、エアシリンダー48は所定の
時間周期で作動する。これにより、ロッド48aが進出
して洗浄布22が布巻取りロール24に一定量だけ間欠
的に巻き取られ、新しい洗浄布22が洗浄ブレード21
の基端部21bに次々に添接する。
【0023】ローラの洗浄開始から所定時間が経過する
と、エアシリンダー33が作動してロッド33aが進出
する。これにより、巻取りロール24と布ガイド45と
が供給ロール23を回動中心として、図4(C)に示す
ように、矢印B方向に回動し、布ガイド44,45間に
張架された洗浄布22が洗浄ブレード21の背面21c
全面に添接する。この状態でエアシリンダー48が作動
されることにより、新しい洗浄布22が供給リール23
から洗浄ブレード21の背面21cに送り出され、洗浄
ブレード21の背面21cに堆積するインキが拭き取ら
れる。このとき、洗浄布22は洗浄ブレード21の先端
部21aの斜面に添接しないが、インキ廃液は先端部2
1aの斜面の下端から洗浄布22に吸収されて回収され
る。
【0024】このように、ローラの洗浄後に洗浄ブレー
ド21の背面21cも清掃されかつ先端部21aの斜面
上のインキ廃液も吸収されるので、インキの掻き取り量
が減少することがなく、洗浄能力の低下を防止できる。
【0025】なお、上述した洗浄布22を洗浄ブレード
21の背面21c全面に接触および離間させる動作と、
洗浄布22の間欠的な送り動作とは、洗浄ブレード21
の先端部21aが振りローラ11の周面に当接し、イン
キの廃液を掻き落とす洗浄中に所定回数繰り返し行われ
る。
【0026】ローラの洗浄が終了すると、洗浄ノズル1
8からの洗浄液19の噴射が停止され、エアシリンダー
33が作動される。これにより、ロッド33aが後退
し、図4(B)に示すように、洗浄布22が洗浄ブレー
ド21の背面21cから離間される。次に、エアシリン
ダー27が作動されてロッド27aが後退することによ
り、図4(A)に示すように、洗浄ブレード21が振り
ローラ11の周面から離間される。
【0027】このとき、エアシリンダー48が作動され
てロッド48aが進出することによって、洗浄布22は
洗浄ブレード21の背面21cおよび先端部21aの斜
面に添接する。これにより、新しい洗浄布22によって
洗浄ブレード21の先端部21aの斜面に付着したイン
キが拭き取られる。このように、洗浄動作終了時に洗浄
ブレード21の先端部21aの斜面が洗浄布22によっ
て清掃されるので、次の洗浄時に洗浄障害が発生するよ
うなことがない。
【0028】なお、図4(A)の状態から図4(C)の
状態に移行する際に、図4(B)の状態を瞬時に経由し
て図4(C)に移行するようにしてもよい。また、図4
(B)の状態を経由することなく、図4(A)の状態か
ら図4(C)の状態へ直接移行するようにしてもよい。
このような場合には、振りローラ11の周面の洗浄動作
は図4(C)の状態で行われる。
【0029】本実施の形態によれば、洗浄動作中に洗浄
ブレード21が振りローラ11に当接した状態が保持さ
れるので、洗浄ブレード21が間欠的に振りローラ11
から離間する従来と比較して洗浄時間が短縮される。ま
た、洗浄布22が振りローラ11に接触しない構造とし
たので、洗浄布22の振りローラ11への巻き込まれる
ことがなく、洗浄障害が防止される。さらに、洗浄布2
2が振りローラ11によって切断されるようなこともな
いので、耐久性の高い専用の高価な洗浄布を使用する必
要もなく、汎用されている廉価な洗浄布を使用できる。
【0030】図5は本発明の第2の実施の形態による洗
浄装置の洗浄ユニットの側面図であり、第1の実施の形
態と同一部分については同一符号を付してその説明を省
略する。図5に示すように、下側の布ガイド44と供給
ロール23との間の洗浄布22の走行路に、布ガイド4
4と振りローラ11との間隔よりも振りローラ11側に
近接して棒状の布ガイド52が設けられている。布ガイ
ド52はユニットフレーム40間に回動自在に支持され
ている。
【0031】この構成において、供給ロール23から引
き出された洗浄布22は一旦布ガイド52に巻回された
後、布ガイド44と布ガイド45との間に張架されてい
る。このため、布ガイド52に巻回された洗浄布22
は、布ガイド44において供給ロール23と対向する側
に巻回されている。すなわち、洗浄布22は洗浄ブレー
ド21の基端部21bおよび背面21cと離間した状態
で、布ガイド44を時計方向に回転するように走行す
る。
【0032】次に、このように構成された洗浄装置の動
作を図6(A)〜(C)を用いて説明する。図6(A)
に示すように、非洗浄状態では洗浄ブレード21の先端
部21aが振りローラ11の周面から離間している。こ
の状態でエアシリンダー27が作動すると、図6(B)
に示すように、洗浄ブレード21が矢印A方向に回動し
て先端部21aが振りローラ11の周面に当接し、洗浄
布22は洗浄ブレード21から完全に離れる。このと
き、洗浄ブレード21の基端部21bは布ガイド52,
44間に張架された洗浄布22の上方に位置する。
【0033】この状態で、振りローラ11の周面に当接
した洗浄ブレード21の先端部21aによって掻き落と
されたインキの廃液は、傾斜した洗浄ブレード21の背
面21cを経て基端部21bに流れる。その後、インキ
廃液は基端部21bから布ガイド52と布ガイド44と
の間に張架された洗浄布22の受け部分22aに落下
し、この受け部分22aで吸収されて回収される。
【0034】次に、洗浄布22を所定回数間欠送りして
インキの廃液の回収を終了した後、洗浄ブレード21の
背面21cに堆積するインキを拭き取るために、エアシ
リンダー33が作動されてロッド33aが進出する。こ
れにより、図6(C)に示すように、布ガイド44,4
5間に張架された洗浄布22が、矢印B方向に回動して
洗浄ブレード21の背面21cの全面に添接する。この
状態において、エアシリンダー48が作動されて新しい
洗浄布22が供給リール23から洗浄ブレード21の背
面に送り出されることにより、洗浄ブレード21の背面
21cが清掃される。このとき、洗浄ブレード21の先
端部21aの斜面上のインキ廃液も洗浄布22に吸収さ
れる。
【0035】図6(B)と図6(C)の状態を所定回数
繰り返した後、エアシリンダ33、27を順次復旧させ
て図6(A)に示す初期状態に戻る。このとき、洗浄布
22の最後の走行を行い、洗浄ブレード21の先端部2
1aの斜面に堆積したインキ廃液を洗浄布22で拭き取
ることにより、次回の洗浄動作に待機する。
【0036】次に、本発明の第3の実施の形態を説明す
る。この第3の実施の形態の構成は図3に示す第1の実
施の形態と基本的に同一であるためその説明は省略す
る。第3の実施の形態と第1の実施の形態との相違点
は、図3に示す布ガイド45がより上方に配置されると
ともに、洗浄動作終了後に初期状態に復帰するまでのシ
ーケンス動作が相違することにある。
【0037】図7(A)〜(D)は本発明の第3の実施
の形態による洗浄装置の洗浄ユニットの動作図である。
図7(A)に示す初期状態からエアシリンダー27、3
3が順次作動することにより、図7(B)の状態を経て
図7(C)の状態に移行し、振りローラ11の洗浄動作
が行われる。ここまでのシーケンスは図4(A)〜
(C)と同一である。なお、図7(A)の状態から図7
(C)の状態に移行する際に、図7(B)の状態を瞬時
に経由して図7(C)に移行するようにしてもよい。ま
た、図7(B)の状態を経由することなく、図7(A)
の状態から図7(C)の状態へ直接移行するようにして
もよい。
【0038】振りローラ11の洗浄動作終了後、エアシ
リンダー33が復旧することなくエアシリンダー27の
みが復旧することにより、図7(D)に示すように、洗
浄ブレード21の先端部21aが振りローラ11の周面
から離間する。このとき、洗浄布21は振りローラ11
の周面に依然として近接した位置で布ガイド44、45
間に張架されているので、初期位置への復帰途中で洗浄
ブレード21は洗浄布21に所定角度で当接する。その
後、洗浄ブレード21の先端部21aは洗浄布22の張
力に抗して布ガイド45の下方に潜り込む。この状態に
おいて、洗浄布22を間欠送りすることにより、洗浄ブ
レード21の背面21cおよび先端部21bの斜面だけ
でなく、洗浄ブレード21の先端部の頂部(鋭角部分)
のインキ廃液も拭き取られる。
【0039】しかる後、エアシリンダー33が復旧して
洗浄ユニット20が振りローラ11から離間する位置に
揺動することにより、洗浄布22が振りローラ11の周
面から離間して図7(A)に示す初期位置に復帰する。
この位置でさらに洗浄布22を巻き取って巻き取りロー
ラ24に巻き取られた汚れた洗浄布22をきれいな洗浄
布22で覆うことにより、拭き取ったインキ廃液がたれ
るのを防止する。なお、洗浄ブレードが初期位置へ復帰
する途中でなく初期位置に復帰した状態において、洗浄
ブレード21の先端部21aの頂部を初期位置に復帰す
る前の洗浄布22で拭き取るようにしてもよい。
【0040】このように本実施の形態によれば、布ガイ
ド45を第1の実施の形態よりも洗浄ブレード21の先
端部21aから離れるように配置している。このため、
図7(C)の状態から洗浄ブレード21のみを振りロー
ラ11の周面から離間させたときに、洗浄ブレード21
の先端部21aが布ガイド45に当接することなく、布
ガイド45の下方に潜り込むことができる。
【0041】なお、上記各実施の形態においては、布ガ
イド44、45、52は洗浄ユニット20に支持されか
つ供給ロール23および巻き取りロール24を備える洗
浄ユニット20の揺動によって振りローラ11の周面に
近接および離間するように構成した。しかしながら、図
8に示すように、供給ロール23および巻き取りロール
24からなる洗浄布走行機構を固定にして布ガイドの少
なくとも一部を振りローラ11の周面に近接および離間
するように構成してもよい。
【0042】図8は本発明の第4の実施の形態を示す洗
浄ユニットの側面図である。この第4の実施の形態は、
第1の実施の形態の変形例であり、第1の実施の形態と
同一部分には同一符号を付してある。51はロッド51
aを有するエアシリンダーであり、ロッド51aの先端
部は揺動レバー52にピンを介して連結されている。揺
動レバー52は廃液回収手段としての洗浄布走行機構7
0のユニットフレーム40間に回転自在に支持された布
ガイド44を中心に揺動自在に支持され、布ガイド45
は揺動レバーの揺動端部に回転自在に支持されている。
60は、布ガイド44、45、エアシリンダー51、揺
動レバー52から構成され、洗浄布走行機構70によっ
て走行される洗浄布22のガイド位置を振りローラ11
の周面に近接する位置と離間する位置にシフトさせる廃
液回収手段としてのガイドシフト機構である。
【0043】このような構成において、図4(B)の状
態から図4(C)の状態に移行する場合には、洗浄ユニ
ット20(図3)を揺動させる代わりに、エアーシリン
ダ51を作動してロッド51aを進出させることによ
り、ガイドシフト機構60の揺動レバー52は振りロー
ラ11の周面に近接する位置にシフトする。これによ
り、図4(C)と同様に、洗浄ブレード21の背面21
cに洗浄布22が添接し、洗浄ブレード21上のインキ
廃液が拭き取られる。また、図4(C)の状態におい
て、エアーシリンダ51が復旧動作することにより、図
4(B)に示すように、揺動レバー51は振りローラ1
1の周面から離間する位置にシフトする。瞬時後の洗浄
ブレード21の初期位置への復帰により図4(A)の状
態に復旧する。
【0044】なお、上記各実施の形態においては、洗浄
動作中に洗浄布22を洗浄ブレード21の背面21cに
繰り返し接触および離間させるようにしたが、洗浄動作
中に間欠走行する洗浄布22を洗浄ブレード21の背面
21cに接触し続けるようにしてもよい。
【0045】また、上記各実施の形態においては、巻取
りロール24と布ガイド45とを備えた洗浄ユニット2
0が供給ロール23を回動中心として矢印B方向に回動
するようにしたが、布ガイド44を回動中心として回動
するようにしてもよい。以上説明したように本発明によ
れば、インキブレードがインキローラに当接した状態で
インキ廃液の回収を行うことができるので、インキブレ
ードが間欠的にインキローラから離間する従来と比較し
て洗浄時間が短縮される。また、洗浄ウェブがインキロ
ーラに接触しないので、洗浄ウェブがインキローラに巻
き込まれて洗浄障害が発生するようなこともない。さら
に、洗浄ウェブがインキローラによって切断されるよう
なこともないので、耐久性の高い専用かつ高価な洗浄布
を使用する必要もなく、廉価な汎用の洗浄布を使用でき
る。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
によれば、洗浄動作中に駆動手段によって洗浄ウェブを
ブレードの廃液案内部に添接させることにより、洗浄動
作中においてブレードをインキローラに当接した状態を
保持できるので、ブレードが間欠的にインキローラから
離間する従来と比較して洗浄時間が短縮される。また、
洗浄ウェブがインキローラに接触しない構造としたこと
により、洗浄ウェブがインキローラに巻き込まれて洗浄
障害が発生するようなこともない。さらに、洗浄ウェブ
がインキローラによって切断されるようなこともないの
で、耐久性の高い専用の高価な洗浄布を使用する必要も
なく、汎用されている廉価な洗浄布を使用できる。
【0047】また、請求項2記載の発明によれば、洗浄
ブレードの廃液案内部および先端部の斜面だけでなく、
洗浄ブレードの先端部の頂部のインキ廃液をも拭き取る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る輪転印刷機の洗浄装置が適用さ
れるインキ装置の側面図である。
【図2】 本発明の第1の実施の形態に係る輪転印刷機
の洗浄装置における洗浄ユニットを展開した正面図であ
る。
【図3】 図2に示す洗浄ユニットの側面図である。
【図4】 本発明の第1の実施の形態に係る輪転印刷機
の洗浄装置における洗浄動作を説明するための側面図で
ある。
【図5】 本発明の第2の実施の形態に係る輪転印刷機
の洗浄装置における洗浄ユニットの側面図である。
【図6】 本発明の第2の実施の形態における洗浄動作
を説明するための側面図である。
【図7】 本発明の第3の実施の形態における洗浄動作
を説明するための洗浄ユニットの側面図である。
【図8】 本発明の第4の実施の形態に係る輪転印刷機
の洗浄装置における洗浄ユニットの側面図である。
【符号の説明】
11…振りローラ、18…洗浄ノズル、19…洗浄液、
20…洗浄ユニット、21…洗浄ブレード、21a…先
端部、21b…基端部、21c…廃液案内部、22…洗
浄布、23…供給ロール、24…巻取りロール、33…
エアシリンダ、38…ユニットホルダ、40…ユニット
フレーム、44,45…布ガイド棒、52…第3の布ガ
イド棒。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インキローラ上のインキ廃液を掻き落と
    す洗浄ブレードと、この洗浄ブレードによる洗浄動作中
    に走行し、この洗浄ブレードによって掻き落とされたイ
    ンキ廃液を回収する洗浄ウェブとを備えた輪転印刷機の
    洗浄装置において、前記洗浄ブレードを、インキローラ
    の周面に当接して廃液を掻き落とす先端部と、この先端
    部に連続し掻き落とされた廃液を下方に案内する廃液案
    内部とによって形成し、前記インキローラに前記洗浄ブ
    レードの先端部が当接しているときに前記洗浄ウェブを
    洗浄ブレードの廃液案内部に接触させることにより前記
    洗浄ブレード上のインキ廃液を回収する廃液回収手段を
    設けたことを特徴とする輪転印刷機の洗浄装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の輪転印刷機の洗浄装置に
    おいて、洗浄ウェブをインキローラの周面へ近接する第
    1の位置および離間する第2の位置との間を往復動させ
    る駆動手段と、洗浄ブレードの先端部をインキローラの
    周面に当接する位置および離間する位置との間を往復動
    させる駆動手段とを設け、洗浄ウェブが第1の位置に位
    置し、前記洗浄ブレードがインキローラの周面に当接す
    る位置から離間することにより、少なくとも前記ブレー
    ドの先端部の頂部の廃液を走行する前記洗浄ウェブによ
    って拭き取ることを特徴とする輪転印刷機の洗浄装置。
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