JP3997039B2 - キーレスエントリー装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信装置に係わり、特に、携帯用送信機からID(識別)コードを含む情報信号を送信し、受信機で受信した情報信号中のIDコードが登録されている参照コードと一致した際に被制御機器が制御されるもので、携帯用送信機のIDコードをユーザーによって登録される通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、携帯用送信機と受信機とからなり、携帯用送信機の操作部を操作することによりIDコードを含む情報信号を送信した際に、受信機側で受信した情報信号からIDコードを抽出し、そのIDコードが既登録されている参照コードと一致した際に、被制御機器を制御することが可能になる通信装置としては、例えば自動車のキーレスエントリー装置が知られている。
【0003】
このキーレスエントリー装置において、携帯用送信機は各ユーザーがそれぞれ携帯するものであり、受信機は自動車内に設置されるものである。
【0004】
図7は、既知のキーレスエントリー装置に用いる携帯用送信機の構成の一例を示すブロック図であり、図8は、既知のキーレスエントリー装置に用いる受信機の構成の一例を示すブロック図である。
【0005】
図7に示されるように、携帯用送信機70は、1個以上の操作スイッチを有する操作スイッチ部71と、機能コード変換部72と、送信コード変換部73と、IDコード記憶部74と、送信部75と、送信アンテナ76とを備える。そして、これらの構成要素71乃至76は、図7に図示されるように接続されている。
【0006】
また、受信機80は、受信部81と、信号処理部82と、参照コード記憶部83と、機能コード記憶部84と、信号処理部82に内蔵された制御信号発生部85と、自動車のイグニッションキー86と、受信アンテナ87とを備え、信号処理部82と制御信号発生部85は制御部(CPU)に内蔵され、参照コード記憶部83と機能コード記憶部84はEEPROMに内蔵されている。そして、これらの構成要素81乃至87は、図8に図示されるように接続されている。
【0007】
前記構成を有する携帯用送信機70及び受信機80は、それぞれ次のように動作する。
【0008】
まず、携帯用送信機70において、操作スイッチ部71は、ユーザーが所望するいずれかの操作スイッチを操作することにより、自動車の被制御機構の操作、例えばドアの施錠や解錠、トランク開等を行う各種のスイッチ情報を発生する。機能コード変換部72は、操作スイッチ部71から出力されたスイッチ情報をその情報内容に対応した機能コードに変換する。IDコード記憶部74は、それぞれの携帯用送信機70に固有のIDコードを記憶している。送信コード変換部73は、機能コード変換部72から出力された機能コードとIDコード記憶部74から読み出したIDコードに、先頭コードと終了コード等を付加した送信コードを形成する。送信部75は、送信コード変換部73で形成された送信コードを電磁波等に載せた送信信号に変換し、この送信信号を送信アンテナ76を通して送信する。
【0009】
一方、受信機80において、受信部81は、受信アンテナ87を通して送信信号を受信し、送信コードを再生する。信号処理部82は、送信コード中のIDコードと参照コード記憶部83に記憶されている参照コードとを比較し、IDコードと参照コードとの一致が確認された場合、送信コード中の機能コードと機能コード記憶部84に記憶されている機能コードとを照合する。制御信号発生部85は、照合によって合致した機能コードに対応した制御信号を発生する。この制御信号は、対応する自動車の被制御機構、例えばドアに供給され、ドアの施錠や解錠が行なわれる。
【0010】
この場合、前記既知のキーレスエントリー装置におけるそれぞれの携帯用送信機70に割り当てられるIDコードは、携帯用送信機70の製造時にIDコード記憶部74に記憶されたもので、携帯用送信機70に固有のものであり、受信機80の参照コード記憶部83に記憶されている参照コードは、携帯用送信機70から送信されてきたIDコードを抽出し、抽出したIDコードを参照コード記憶部83に書き込み、参照コードとして記憶されるものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
前記既知のキーレスエントリー装置においては、それぞれの携帯用送信機70に割り当てられるIDコードが、携帯用送信機70の製造時にIDコード記憶部74に記憶された携帯用送信機70に固有のものであり、受信機80の参照コード記憶部83に記憶されている参照コードも、携帯用送信機70から送信されてきたIDコードを抽出し、抽出したIDコードを参照コード記憶部83に書き込むことによって、参照コードとして登録されるものである。
【0012】
一般に、キーレスエントリー装置を利用するユーザーは、自己の携帯用送信機70と他人の携帯用送信機70との間に互換性がないことを要望する傾向があるため、自己の携帯用送信機70のIDコードと他人の携帯用送信機70のIDコードとを異ならせること、すなわちそれぞれの携帯用送信機70のIDコードを異ならせる必要がある。
【0013】
ところで、前記既知のキーレスエントリー装置における携帯用送信機70は、製造時に1台毎に異なるIDコードをメーカー側でIDコード記憶部74に書き込んでいることから、IDコード書き込み装置が必要であり、かつ、IDコードの管理が煩雑になるという問題がある。
【0014】
本発明は、このような技術的背景に鑑みてなされたもので、その目的は、携帯用送信機に割り当てられるIDコードを、携帯用送信機を操作することによって登録することを可能にしたキーレスエントリー装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明によるキーレスエントリー装置は、1個以上の操作スイッチとIDコードが登録される第1記憶部と第1制御部と送信部とを備える携帯用送信機、及び、受信部と参照コードが記憶される第2記憶部と第2制御部と制御信号発生部とを備える受信機とからなり、携帯用送信機がIDコードを含む情報信号を電磁波として送信し、受信機が、受信した電磁波中のIDコードと参照コードとを比較し、それらが一致したときに制御信号発生部から被制御機器に制御信号を供給可能になるものであって、携帯用送信機は、クロック信号を発生するクロック発生部と、クロック発生部が発生したクロック信号をカウントするカウンタとを備え、IDコードは、該IDコード全体を複数に区分した複数のIDコード区分からなり、携帯用送信機は、当該携帯用送信機を所定の時間の間当該携帯用送信機の新たなIDを当該携帯用送信機に登録し得るID登録モードに設定するID登録モード設定手段を備え、第1制御部は、ID登録モード設定手段によってID登録モードに設定されたとき、1個以上の操作スイッチのスイッチ操作回数の合計が複数回となるように操作し、スイッチを1回操作する度毎に、その操作タイミングによってカウンタによるカウンタ数値を設定して該設定したカウンタ数値によってIDコード区分を形成し、形成した各IDコード区分を第1記憶部に順次供給して複数のIDコード区分におけるそれぞれのIDコード区分として収納することにより携帯用送信機の新たなIDコードとして登録する第1の構成を具備する。
【0016】
また、前記目的を達成するために、本発明によるキーレスエントリー装置は、1個以上の操作スイッチとIDコードが登録される第1記憶部と第2記憶部と第1制御部と送信部とを備える携帯用送信機、及び、受信部と参照コードが記憶される第3記憶部と第2制御部と制御信号発生部とを備える受信機とからなり、携帯用送信機がIDコードを含む情報信号を電磁波として送信し、受信機が、受信した電磁波中のIDコードと参照コードとを比較し、それらが一致したときに制御信号発生部から被制御機器に制御信号を供給可能になるものであって、携帯用送信機は、クロック信号を発生するクロック発生部と、クロック発生部が発生したクロック信号をカウントするカウンタとを備え、IDコードは、該IDコード全体を複数に区分した複数のIDコード区分からなり、携帯用送信機は、当該携帯用送信機を所定の時間の間当該携帯用送信機の新たなIDを当該携帯用送信機に登録し得るID登録モードに設定するID登録モード設定手段を備え、第1制御部は、ID登録モード設定手段によってID登録モードに設定されたとき、1個以上の操作スイッチのスイッチ操作回数の合計が複数回となるように操作し、スイッチを1回操作する度毎に、その操作タイミングによってカウンタによるカウンタ数値を設定して該設定したカウンタ数値によってIDコード区分を形成し、形成した各IDコード区分を第2記憶部に順次供給して複数のIDコード区分におけるそれぞれのIDコード区分として収納し、第2記憶部に全てのIDコード区分を収納したき、全てのIDコード区分を合体して第1記憶部に転送し、携帯用送信機の新たなIDコードとして登録する第2の構成を具備する。
【0017】
さらに、前記目的を達成するために、本発明によるキーレスエントリー装置は、1個以上の操作スイッチとIDコードが登録される第1記憶部と第2記憶部と第1制御部と送信部とを備える携帯用送信機、及び、受信部と参照コードが記憶される第3記憶部と第2制御部と制御信号発生部とを備える受信機とからなり、携帯用送信機がIDコードを含む情報信号を電磁波として送信し、受信機が、受信した電磁波中のIDコードと参照コードとを比較し、それらが一致したときに制御信号発生部から被制御機器に制御信号を供給可能になるものであって、携帯用送信機は、クロック信号を発生するクロック発生部と、クロック発生部が発生したクロック信号をカウントするカウンタとを備え、IDコードは、該IDコード全体を複数に区分した複数のIDコード区分からなり、携帯用送信機は、当該携帯用送信機を所定の時間の間当該携帯用送信機の新たなIDを当該携帯用送信機に登録し得るID登録モードに設定するID登録モード設定手段を備え、第1制御部は、ID登録モード設定手段によってID登録モードに設定されたとき、1個以上の操作スイッチのスイッチ操作回数の合計が複数回となるように操作し、スイッチを1回操作する度毎に、その操作タイミングによってカウンタによるカウンタ数値を設定して該設定したカウンタ数値によってIDコード区分を形成し、第2記憶部に最後のIDコード区分を除く全てのIDコード区分を順次収納し、最後のIDコード区分が形成されると、第2記憶部に収納した各IDコード区分を読み出し、読み出した各IDコード区分と最後のIDコード区分とを合体して第1記憶部に転送し、携帯用送信機の新たなIDコードとして登録する第3の構成を具備する。
【0018】
前記第1乃至び第3の構成によれば、携帯用送信機において、ユーザーによる操作スイッチの所定の操作をID登録モード設定手段が検知すると、第1制御部がID登録モードに設定され、ID登録モードに設定された第1制御部は、ユーザーが1個以上の操作スイッチを複数回操作する度毎に、その操作に対応してランダムな値を示すIDコード区分を形成し、形成したIDコード区分を順次第1記憶部に供給し、供給された全てのIDコード区分をIDコードとして登録する(第1の構成)か、または、形成したIDコード区分を順次RAMからなる第2記憶部に収納し、全てのIDコード区分が第2記憶部に収納されたとき、第2記憶部から全てのIDコード区分を合体して読み出し、読み出した全てのIDコード区分をIDコードとして第1記憶部に転送登録する(第2の構成)か、形成したIDコード区分を順次RAMからなる第2記憶部に収納し、最後のIDコード区分を除く各IDコード区分が第2記憶部に収納され、最後のIDコード区分が形成されたとき、第2記憶部から各IDコード区分を読み出し、読み出した各IDコード区分と最後のIDコード区分とを合体してIDコードとして第1記憶部に転送登録する(第3の構成)ようにしているので、ユーザーの操作により携帯用送信機にIDコードの登録を行なうことが可能になり、この場合、登録されるIDコードは、ユーザーによって選択することができず、ユーザーの意志に係わりないランダムなものになるので、自己の携帯用送信機と他人の携帯用送信機との間に互換性のない携帯用送信機を得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0020】
図1及び図2は、本発明によるキーレスエントリー装置の第1の実施の形態を示すブロック図であって、図1は携帯用送信機10の構成を示すブロック図、図2は受信機20の構成を示すブロック図である。
【0021】
図1に示されるように、携帯用送信機10は、1個以上の操作スイッチを備える操作スイッチ部(操作SW)1と、制御部(第1制御部)(CPU)2と、送信部3と、EEPROM(第1記憶部)4と、表示部5と、送信アンテナ6とを備えている。この場合、操作スイッチ部1は、ドアロックスイッチ11 と、ドアアンロックスイッチ12 と、トランク開スイッチ13 と、パニックスイッチ14 等を備える。制御部2は、機能コード変換部21 と、送信コード形成部22 と、モード制御部23 と、IDコード発生部24 と、クロック信号発生部25 と、カウンタ26 とを備える。EEPROM4は、IDコード記憶部41 を内蔵する。表示部5は、少なくとも1個の発光ダイオード(LED)を備える。
【0022】
そして、操作スイッチ部1と、制御部2と、送信部3と、EEPROM4と、IDコード記憶部41 と、表示部5と、送信アンテナ6は、図1に図示されるように接続されている。また、操作スイッチ部1におけるドアロックスイッチ11 と、ドアアンロックスイッチ12 と、トランク開スイッチ13 と、パニックスイッチ14 は、図1に図示されるように接続され、制御部2における機能コード変換部21 と、送信コード形成部22 と、モード制御部23 と、IDコード発生部24 と、クロック信号発生部25 と、カウンタ26 は、同じく図1に図示されるように接続されている。
【0023】
一方、図2に示されるように、受信機20は、受信部11と、制御部(第2制御部)(CPU)12と、EEPROM(第2記憶部)13と、受信アンテナ14とを備えている。この場合、制御部12は、信号処理部121 を内蔵している。信号処理部121 は、制御信号発生部122 を内蔵し、外部のイグニッションキー15からの信号が入力される。EEPROM13は、参照コード記憶部131 と、機能コード記憶部132 とを内蔵している。
【0024】
そして、受信部11と、制御部12と、EEPROM13と、受信アンテナ14と、イグニッションキー15は、図2に図示されるように接続されている。また、制御部12における信号処理部121 と制御信号発生部122 は、図2に図示されるように接続され、EEPROM13における参照コード記憶部131 と、機能コード記憶部132 は、同じく図2に図示されるように接続されている。
【0025】
ところで、前記構成による携帯用送信機10及び受信機20は、ユーザーが取得した時点(製品購入時点)に、未だ、携帯用送信機10のIDコード記憶部41 にIDコードが登録されておらず、しかも、受信機20の参照コード記憶部131 にも参照コードが登録されていない。このため、ユーザーは、携帯用送信機10及び受信機20を使用する前に、携帯用送信機10のIDコード記憶部41 にIDコードを登録し、IDコードを登録した携帯用送信機10を用いて受信機20の参照コード記憶部131 に参照コードを収納する必要がある。
【0026】
図3は、図1に図示された携帯用送信機10において、IDコード記憶部41 にIDコードを登録する際の操作手順の一例を示す説明図である。
【0027】
図3に図示の説明図を用い、携帯用送信機10のIDコード記憶部41 にIDコードを登録するときの操作手順を説明すると、次の通りである。
【0028】
ユーザーは、携帯用送信機10の操作スイッチ部1の1つ以上の操作スイッチを用いた所定の操作、例えば最初にトランク開スイッチ13 を操作し、その操作が行なわれてから100ミリ秒以内にトランク開スイッチ13 とともにドアロックスイッチ11 を1秒以上操作し、その後にトランク開スイッチ13 とドアロックスイッチ11 との操作を停止する所定の操作を行うと、モード制御部23 がこの所定の操作が行なわれたことを検知し、制御部2をID登録モードに設定する。制御部2がID登録モードに設定されると、カウンタ26 をリセットした後、カウンタ26 においてクロック信号発生部25 から供給されるクロック信号の第1回目のカウントを開始させ、モード制御部23 から表示部5の1つのLED、例えば赤色LEDに第1パルス信号を供給する。赤色LEDは、第1パルス信号の供給により500ミリ秒の間隔で、200ミリ秒の間複数回にわたって点灯し、携帯用送信機10がID登録モードに設定されたことをユーザーに知らせる。なお、赤色LEDの断続的な点灯は、携帯用送信機10がID登録モードに設定されている間中続く。
【0029】
次に、ユーザーは、携帯用送信機10の操作スイッチ部1の後から操作したスイッチ、例えばドアロックスイッチ11 を100ミリ秒以上操作した後、ドアロックスイッチ11 の操作を停止すると、IDコード発生部24 から表示部5の他のLED、例えば緑色LEDに第2パルス信号が供給され、緑色LEDを1回だけ500ミリ秒間点灯する。そして、緑色LEDの点灯が終了したとき、カウンタ26 におけるクロック信号の第1回目のカウント値が確定し、確定したカウント値がIDコード発生部24 を通してEEPROM4のIDコード記憶部41 に供給され、第1IDコード区分として収納される。このとき、カウンタ26 は、リセットされ、引き続いて供給されるクロック信号の第2回目のカウントを開始し、IDコード発生部24 から赤色LEDに第1パルス信号が前と同様に複数回供給され、赤色LEDが断続的に点灯する。
【0030】
次いで、ユーザーは、ドアロックスイッチ11 を再び100ミリ秒以上操作した後、ドアロックスイッチ11 の操作を停止すると、IDコード発生部24 から緑色LEDに再び第2パルス信号が供給され、緑色LEDを1回だけ500ミリ秒間点灯する。そして、今回の緑色LEDの点灯が終了したとき、カウンタ26 におけるクロック信号の第2回目のカウント値が確定し、確定したカウント値がIDコード発生部24 を通してIDコード記憶部41 に供給され、第2IDコード区分として収納される。このときも、カウンタ26 は、リセットされ、引き続いて供給されるクロック信号の第3回目のカウントを開始し、赤色LEDが断続的に点灯する。
【0031】
続いて、ユーザーは、ドアロックスイッチ11 を三度び100ミリ秒以上操作した後、ドアロックスイッチ11 の操作を停止すると、IDコード発生部24 から緑色LEDに第2パルス信号が供給され、緑色LEDを1回だけ前の2回よりも長い1秒の間点灯する。そして、今回の緑色LEDの点灯が終了したとき、カウンタ26 におけるクロック信号の第3回目のカウント値が確定し、確定したカウント値がIDコード発生部24 を通してIDコード記憶部41 に供給され、第3IDコード区分として収納される。
【0032】
そして、IDコード記憶部41 に収納された第1乃至第3IDコード区分は、全体として1つのIDコードを形成している。
【0033】
この場合、IDコード記憶部41 に順次収納される第1乃至第3IDコード区分(3つのカウント値)は、それぞれ8ビットのものであって、IDコード記憶部41 の各IDコード区分には、00000000から11111111までの256通りのデータ値の中の1つが収納される。
【0034】
カウンタ26 がリセットされた後に、カウンタ26 で行われる第1回目のクロック信号のカウントは、クロック信号が印加される毎に00000000から11111111まで順に変化し、11111111まで達した後は00000000に戻り、再び11111111に向かって変化する。そして、第1回目の緑色LEDの点灯が終了したときのカウンタ26 のカウント値が第1コード区分としてIDコード記憶部41 に収納される。
【0035】
その後に、カウンタ26 がリセットされ、カウンタ26 で行われる第2回目及び第3回目のクロック信号のカウントも、前述の場合と同じで、第2回目の緑色LEDの点灯が終了したときのカウンタ26 のカウント値が第2コード区分としてIDコード記憶部41 に、第3回目の緑色LEDの点灯が終了したときのカウンタ26 のカウント値が第3コード区分としてIDコード記憶部41 にそれぞれ収納される。
【0036】
このように、第1の実施の形態の携帯用送信機10におけるIDコード記憶部41 に収納された第1乃至第3コード区分(カウント値)は、ユーザーによって行なわれるスイッチの操作タイミングによってランダムに設定されるものである。このため、第1乃至第3コード区分の全体によって形成されるIDコードについては一つの携帯用送信機10に登録されるときのIDコードと、他の携帯用送信機10に同じ登録手段を用いて登録されるIDコードとが一致する確率は極めて小さく、互換性を有しない携帯用送信機10を得ることができる。
【0037】
この場合、携帯用送信機10は、制御部2がID登録モードになってから10秒が経過した場合、制御部2がID登録モードから通常モードに自動的に復帰し、表示部5の赤色LEDの点滅が終了する。
【0038】
そして、図3に図示されるように、第3回目のカウント値が確定して緑色LEDの3回目の点灯が終了し、IDコード記憶部41 にIDコードの登録が行われたとき、制御部2は、ID登録モードに設定されてから10秒が経過する前であっても、ID登録モードから通常モードに復帰する。
【0039】
次に、図4は、携帯用送信機10のIDコード記憶部41 にIDコードを登録する際に、IDコードの登録ができないときの一例を示す動作説明図である。
【0040】
図4を用いて、IDコードの登録ができないときの動作を説明する。
【0041】
図4に示すように、ユーザーによる操作スイッチ部1の所定の操作の実行によって、携帯用送信機10の制御部2がID登録モードに設定されるまでの操作手順は、既に述べた図3に図示の操作手順と同じである。
【0042】
次に、ユーザーは、携帯用送信機10の操作スイッチ部1の後から操作したスイッチ、例えばドアロックスイッチ11 を100ミリ秒以上操作した後でその操作を終了すると、IDコード発生部24 から表示部5の緑色LEDに第2パルス信号が供給され、緑色LEDを500ミリ秒の間点灯する。そして、緑色LEDの点灯が終了したとき、カウンタ26 のクロック信号の第1回目のカウント値が確定し、確定したカウント値がIDコード発生部24 を通してIDコード記憶部41 に供給され、第1IDコード区分としてIDコード記憶部41 に収納される。このとき、カウンタ26 は、リセットされ、引き続いて供給されるクロック信号の第2回目のカウントを開始し、IDコード発生部24 から赤色LEDに第1パルス信号が前と同様に複数回供給され、赤色LEDが断続的に点灯する。
【0043】
その後、ユーザーは、携帯用送信機10の操作スイッチ部1の後から操作したスイッチ、例えばドアロックスイッチ11 を操作しないで、制御部2がID登録モードに設定されてから10秒が経過してしまうと、制御部2は、ID登録モードから通常モードに自動的に復帰する。このときには、第1回目のカウント値が確定されるだけで、第2回目及び第3回目のカウント値が確定されないので、IDコード発生部24 はIDコード記憶部41 に収納された第1IDコード区分(第1回目のカウント値)を廃棄し、IDコード記憶部41 にIDコードの登録が行われない。
【0044】
IDコード記憶部41 にIDコードの登録が行われない状態は、第1回目及び第2回目のカウント値がそれぞれ確定された後、制御部2がID登録モードから通常モードに自動的に復帰した場合も同じである。
【0045】
続いて、図5は、本発明によるキーレスエントリー装置の第2の実施の形態を示すブロック図であって、携帯用送信機10’の構成を示すブロック図である。
【0046】
図5に示されるように、第2の実施の形態における携帯用送信機10’(以下、携帯用送信機10’という)の構成と、第1の実施の形態における携帯用送信機10(以下、携帯用送信機10という)の構成との違いは、携帯用送信機10’がRAM{第2(一時)記憶部}7を備え、RAM7がIDコード発生部24 に結合されているのに対し、携帯用送信機10がこのようなRAM7を備えていない点だけであって、その他に、携帯用送信機10’と携帯用送信機10との間に構成上の違いはない。このため、携帯用送信機10’の構成については、これ以上の説明を省略する。
【0047】
また、第2の実施の形態における受信機20の構成は、図2に図示された第1の実施の形態による受信機20の構成と同じであるので、第2の実施の形態における受信機20は、図示を省略する。
【0048】
前記構成を有する携帯用送信機10’において、IDコード記憶部41 にIDコードを登録する際の操作手順を図3を用いて説明すると、次の通りである。
【0049】
まず、ユーザーによる操作スイッチ部1の所定の操作の実行によって、携帯用送信機10の制御部2がID登録モードに設定されるまでの動作経緯は、既に述べた図3に図示の動作経緯と同じである。
【0050】
次に、ユーザーによる携帯用送信機10の操作スイッチ部1の後から操作したスイッチの操作、それに続くそのスイッチの操作終了によって、カウンタ26 のクロック信号の第1回目のカウント値が確定するまでの動作経緯も、既に述べた図3に図示の動作経緯と同じである。
【0051】
そして、第1回目のカウント値が確定したとき、そのカウント値は、IDコード発生部24 を通してRAM6に供給され、RAM6の第1記憶エリアに第1IDコード区分として収納される。この後、カウンタ26 は、リセットされ、引き続いて供給されるクロック信号の第2回目のカウントを開始し、IDコード発生部24 から赤色LEDに第1パルス信号が前と同様に複数回供給され、赤色LEDが断続的に点灯する。
【0052】
次いで、ユーザーによる携帯用送信機10の操作スイッチ部1の後から操作したスイッチの2度目の操作、それに続くそのスイッチの操作終了によって、カウンタ26 のクロック信号の第2回目のカウント値が確定するまでの動作経緯も、既に述べた図3に図示の動作経緯と同じである。
【0053】
そして、第2回目のカウント値が確定したとき、そのカウント値は、IDコード発生部24 を通してRAM6に供給され、RAM6の第2記憶エリアに第2IDコード区分として収納される。この後、カウンタ26 は、リセットされ、引き続いて供給されるクロック信号の第3回目のカウントを開始し、IDコード発生部24 から赤色LEDに第1パルス信号が前と同様に複数回供給され、赤色LEDが断続的に点灯する。
【0054】
続いて、ユーザーによる携帯用送信機10の操作スイッチ部1の後から操作したスイッチの3度目の操作、それに続くそのスイッチの操作終了によって、カウンタ26 のクロック信号の第3回目のカウント値が確定するまでの動作経緯も、既に述べた図3に図示の動作経緯と同じである。
【0055】
そして、第3回目のカウント値が確定したとき、そのカウント値は、IDコード発生部24 を通してRAM6に供給され、RAM6の第3記憶エリアに第3IDコード区分として収納される。
【0056】
この後、IDコード発生部24 は、RAM6の第1乃至第3記憶エリアに、第1乃至第3IDコード区分がそれぞれ収納されると、RAM6から第1乃至第3IDコード区分を読み出して合体し、この合体した第1乃至第3IDコード区分をIDコードとしてEEPROM4のIDコード記憶部41 に転送供給し、登録する。
【0057】
この場合、RAM6の第1乃至第3記憶エリアに収納される第1乃至第3IDコード区分(3つのカウント値)は、前記第1の実施の形態と同様それぞれ8ビットのもので、第1乃至第3記憶エリアには、00000000から11111111までの256通りのデータ値の中の1つが収納される。
【0058】
なお、前記実施の形態においては、携帯用送信機10’のRAM6に第1乃至第3記憶エリアを用意し、第1乃至第3記憶エリアにそれぞれ第1乃至第3IDコード区分を順次収納した後、第1乃至第3IDコード区分を読み出して合体し、IDコードとしてIDコード記憶部41 に登録するようにしたものである。
【0059】
これに対し、第3の実施の形態として、RAM6に第1記憶エリアと第2記憶エリアだけを用意しておき、第1記憶エリア及び第2記憶エリアにそれぞれ第1IDコード区分及び第2IDコード区分を順次収納した後、IDコード発生部24 が第3回目のカウント値を確定し、第3IDコード区分が得られたとき、この第3IDコード区分をRAM6に収納せずにIDコード発生部24 内に保持し、RAM6から第1IDコード区分及び第2IDコード区分を読み出したとき、読み出した第1IDコード区分と第2IDコード区分に第3IDコード区分を合体させてIDコードを形成し、このIDコードをIDコード記憶部41 に収納登録するようにしても良い。
【0060】
この場合、IDコードを形成しているIDコード区分の数が4つまたはそれ以上であった場合には、最後のIDコード区分を除いた各IDコード区分をRAM6に順次収納し、その後に最後のIDコードが得られたとき、最後のIDコードをRAM6に収納せずにIDコード発生部24 内に保持し、RAM6から最後のIDコード区分を除いた各IDコード区分を読み出したとき、読み出した各IDコード区分と最後のIDコード区分とを合体させてIDコードを形成し、このIDコードをIDコード記憶部41 に収納登録する。
【0061】
また、携帯用送信機10’においても、制御部2がID登録モードになってから10秒が経過した場合またはIDコード記憶部41 へのIDコードの登録が終了した場合、制御部2がID登録モードから通常モードに自動的に復帰する。
【0062】
このように、この第2の実施の形態においても、RAM6に収納された第1乃至第3コード区分(カウント値)がユーザーによって行なわれるスイッチの操作タイミングによってランダムに設定され、その設定値を任意に選択できないものである。このため、第1乃至第3コード区分を合体して得たIDコードを携帯用送信機10’に登録したときのIDコードと、他の携帯用送信機10’に同じ登録手段を用いて登録したIDコードとが一致する確率は極めて小さく、互換性を有しない携帯用送信機10’が得られる。
【0063】
一方、携帯用送信機10’において、IDコード記憶部41 にIDコードの登録ができないときの動作の一例を図4を用いて説明すると、次の通りである。
【0064】
図4に示すように、ユーザーによる操作スイッチ部1の所定の操作の実行によって、携帯用送信機10’の制御部2がID登録モードに設定されるまでの操作手順は、既に述べた図3に図示の操作手順と同じである。
【0065】
また、ユーザーによる携帯用送信機10’の操作スイッチ部1の後から操作したスイッチの操作、それに続くそのスイッチの操作終了によってカウンタ26 のクロック信号の第1回目のカウント値を確定し、確定したカウント値をRAM7の第1記憶エリアにIDコード区分として収納するまでの操作手順は、既に述べた図3に図示の操作手順と同じである。
【0066】
この後、ユーザーは、携帯用送信機10の操作スイッチ部1の後から操作したスイッチを操作しないで、制御部2がID登録モードに設定されてから10秒が経過してしまうと、制御部2は、ID登録モードから通常モードに自動的に復帰する。このときには、第1回目のカウント値が確定されるだけで、第2回目及び第3回目のカウント値が確定されないので、IDコード発生部24 はRAM7の第1記憶エリアに収納された第1IDコード区分(第1回目のカウント値)を廃棄し、IDコード記憶部41 にはIDコードの登録が行われない。
【0067】
また、IDコード記憶部41 にIDコードの登録が行われない状態は、第1回目及び第2回目のカウント値がそれぞれ確定された後、制御部2がID登録モードから通常モードに自動的に復帰した場合も同じである。
【0068】
なお、第1及び第3の実施の形態においては、携帯用送信機10、10’の第1制御部2をID登録モードに設定するための操作手順として、操作スイッチ部1のいづれか1つのスイッチを操作している間に他の1つのスイッチを操作するようにしているものであるが、本発明における携帯用送信機10、10’の第1制御部2をID登録モードに設定する際の操作手順は前述のものに限られるものでなく、2個以上のスイッチを予め決められた順番に操作する、例えば、最初にドアロックスイッチ11 を操作し、その次にトランク開閉スイッチ13 を操作し、その後でドアアンロックスイッチ12 を操作するようにしてもよく、特定されたいずれか1個のスイッチを予め決められた時間以上の操作を繰り返し実行する、例えば、ドアアンロックスイッチ12 を1秒間操作した後、1秒の間隔をおいて再度ドアアンロックスイッチ12 を1秒間操作するようにしてもよい。
【0069】
また、第1及び第3の実施の形態においては、ID登録モードの設定を行う際に使用したドアロックスイッチ11 を、カウント値の確定のためにも使用しているが、特にこれらのスイッチとして同じスイッチを使用する必要はない。そして、3回のカウント値の確定については、どのスイッチを使用するかは任意であり、どのスイッチを操作したとしても区別を付けることはない。この場合、3回のカウント値の確定の際に、ランダムにスイッチを選択操作してカウント値を確定できるようにすれば、ユーザーに多大な注意深さを求める必要がない。
【0070】
一方、第1及び第3の実施の形態のように、1つのスイッチだけの使用を義務付ければ、スイッチの意図しない誤操作によってIDコードが登録されることを防止することができ、また、3回のカウントの確定毎に特定のスイッチの使用を義務付ければ、より確実なIDコードの登録が可能になる。
【0071】
さらに、第1及び第3の実施の形態においては、スイッチの操作によりカウンタ26 のカウントを停止させ、カウンタ値の確定が行われる度にカウンタ26 をリセットしている例を挙げて説明したが、カウンタ26 のリセットを行わずに、継続してカウントを行うようにしてもよい。
【0072】
この場合、カウンタ26 におけるカウントのサイクルタイムは、任意に設定できるが、サイクルタイムを約500m秒に設定すると、ユーザーの早い操作に対しても十分対応でき、かつ、ランダム性の優れたIDコードを登録できる。
【0073】
また、第1及び第3の実施の形態において、図3に図示している操作(点灯)時間及び操作(点灯)間隔は、いずれも一例を挙げたに過ぎないもので、それらの操作(点灯)時間及び操作(点灯)間隔は任意に変更することができる。
【0074】
次に、図6は、受信機20の参照コード記憶部101 に携帯用送信機10または携帯用送信機10’を用いて参照コードの書込みを行なう際の操作手順の一例を示す説明図である。
【0075】
図6を用いて、受信機20の参照コード記憶部101 に参照コードの書込みを行う際の操作手順について説明する。この操作においては、携帯用送信機10と携帯用送信機10’との間で異なる点がないので、以下、携帯用送信機10における操作を代表して説明する。
【0076】
ユーザーは、携帯用送信機10を携帯し、自動車のイグニッションキー15をアクセサリ(ACC)位置からオン(ON)位置に切替え、信号処理部121 にキー入力パルスを供給する。次に、ユーザーは、信号処理部121 にキー入力パルスを供給してから時間T1以内に、携帯用送信機10の操作スイッチ部1のいずれかのスイッチを操作し、その操作によって得られたIDコードaを送信コードに変換した後、送信信号として携帯用送信機10から送信する。受信機20は、この送信信号を受信部11で受信した後、信号処理部121 に供給し、送信コード中のIDコードaを抽出する。次いで、ユーザーは、スイッチ操作を終了してから時間T2以内にイグニッションキー15をON位置からACC位置に切替え、信号処理部121 へのキー入力パルスの供給を停止する。この時点に、最初の状態に戻り、第1動作サイクルが終了する。
【0077】
続いて、ユーザーは、第1の動作サイクルにおけるキー入力パルスの供給を停止してから時間T3以内に、再び、第1動作サイクルと同様にイグニッションキー15と携帯用送信機10のスイッチを操作し、第1動作サイクルと同じ動作過程を経て第2動作サイクルが終了する。
【0078】
続いて、第3動作サイクル及び第4動作サイクルにおいても同様の操作が行われる。この場合、第4動作サイクルにおいては、キー入力パルスの供給が開始してから時間T1以内に、信号処理部91 で送信コード中のIDコードdを抽出するまでの動作態様は第1乃至第3動作サイクルの動作態様と同じであるが、IDコードdの供給が停止されてから時間T4が経過した時点に、信号処理部121 を含む制御部12の動作モードが通常動作モードから参照コード書込みモードに変換され、以後、参照コードの書込みを行なうことが可能になる。
【0079】
この参照コードの書込みを行なう際の操作手順は、次の通りである。
【0080】
ユーザーは、制御部12の動作モードが参照コード書込みモードに変換された後、参照コードの書き込みをする携帯用送信機10を操作し、IDコードeを含む送信コードを送信信号として送信し、受信機20側に伝送する。受信機20の信号処理部121 は、キー入力パルスが供給されているときに送信コードが供給されると、送信コードの供給が停止してから時間T4以内に送信コードの中のIDコードeを参照コードとして参照コード記憶部131 に供給し、参照コード記憶部131 に最初の参照コードの書き込みを行なう。このとき、参照コードの書込みが正常に行なわれたことは、例えば、時間T5の間ドアロック状態またはドアアンロック状態にすることによってユーザーに知らせる。
【0081】
次に、他の携帯用送信機10の参照(ID)コード(第2の参照コード)の書込みを行いたい場合には、ユーザーは、前記の場合と同様にしてこの携帯用送信機10を操作し、参照コード記憶部131 に第2の参照コードの書き込みを行う。
【0082】
以下、同様に、参照コードの書込みを行いたい他の携帯用送信機10があれば、前述の参照コードの書込みの操作手順と同じ操作手順によりその参照コードが参照コード記憶部131 に書込まれる。
【0083】
この場合、制御部12は、参照コード書込みモードに設定された後、設定時間T6が経過すると、参照コード書込みモードから通常動作モードに自動的に復帰する。
【0084】
この場合、図6には、前記各時間T1、T2、T3、T4、T5、T6の好適な時間範囲が図示されているが、それらの時間T1乃至T6は必ずしも図示の時間範囲に限定されるものではない。
【0085】
なお、前記説明は、携帯用送信機10を用いて受信機20の参照コード記憶部131 に参照コードの書き込みを行った場合であるが、携帯用送信機10’を用いても同じように参照コードの書き込みを行うことができる。
【0086】
続いて、携帯用送信機10(または携帯用送信機10’)のIDコード記憶部41 にIDコードが登録され、受信機20の参照コード記憶部101 にIDコードに対応した参照コードが登録されている場合、携帯用送信機10と受信機20との間で行われる動作(通常動作)について述べる。
【0087】
ユーザーが操作スイッチ部1のいずれかの操作スイッチ、例えば、自動車のドアをロック(施錠)するロックスイッチ11 を操作すると、ロックスイッチ11 からその操作をしたことを表すロックスイッチ情報が出力され、機能コード変換部21 に供給される。機能コード変換部21 は、ロックスイッチ情報を受けると、ロックスイッチ情報をそれに対応した機能コードに変換して送信コード形成部22 に供給する。送信コード形成部22 は、機能コードが供給されると、その機能コードに、IDコード記憶部41 から読み出したこの携帯用送信機10に固有のIDコードや、先頭コード及び終了コード等を付加して送信コードを形成し、形成した送信コードを送信部3に供給する。送信部3は、供給された送信コードを電波等の無線信号に載せた送信信号を形成し、この送信信号を送信アンテナ6から送信する。
【0088】
一方、受信機20が携帯用送信機10からの送信信号を受信アンテナ14で受けると、受信信号として受信部11に供給され、受信部11が受信信号中の送信コードを再生し、得られた送信コードを信号処理部121 に供給する。信号処理部121 は、供給された送信コード中のIDコードを抽出し、抽出したIDコードと参照コード記憶部131 に登録されている参照コードとを比較する。そして、IDコードと参照コードとが一致した場合、送信コード中の機能コードと機能コード記憶部132 に収納されている各種の機能コードとを照合する。制御信号発生部122 は、照合により合致した機能コードに対応した制御信号、この例においては自動車のドアをロック(施錠)する制御信号を発生し、この制御信号によってドアがロック(施錠)される。
【0089】
また、操作スイッチ部1の他の操作スイッチ、例えば自動車のドアをアンロック(解錠)するアンロックスイッチ21 を操作した場合、自動車側においてその操作スイッチに対応した機能操作が行われる。
【0091】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に記載の発明によれば、携帯用送信機において、ユーザーによる操作スイッチの所定の操作によってID登録モード設定手段が駆動され、それにより第1制御部がID登録モードに設定されると、第1制御部は、ユーザーが1個以上の操作スイッチを複数回操作する度毎に、その操作に対応してランダムな値を示すIDコード区分を形成し、形成したIDコード区分を順次EEPROMからなる記憶部に収納し、全体のIDコード区分が収納された段階でそれらのIDコード区分をIDコードとして記憶部に登録しているので、携帯用送信機側においてユーザーによるIDコードの登録を行なうことが可能になるだけでなく、登録されるIDコードをユーザー側で選択することができず、ユーザーの意志に係わりなくランダムな値にすることができるので、自己の携帯用送信機と他人の携帯用送信機との間に互換性のない携帯用送信機が得られるという効果がある。
【0092】
また、請求項2に記載の発明によれば、携帯用送信機において、ユーザーによる操作スイッチの所定の操作によってID登録モード設定手段が駆動され、それにより第1制御部がID登録モードに設定されると、第1制御部は、ユーザーが1個以上の操作スイッチを複数回操作する度毎に、その操作に対応してランダムな値を示すIDコード区分を形成し、形成したIDコード区分を順次RAMからなる第2記憶部に収納し、全てのIDコード区分が第2記憶部に収納されると、第2記憶部から全てのIDコード区分を合体して読み出し、読み出した全てのIDコード区分をIDコードとしてEEPROMからなる第1記憶部に転送登録するようにしているので、携帯用送信機側においてユーザーによるIDコードの登録を行なうことが可能になるだけでなく、登録されるIDコードをユーザー側で選択することができず、ユーザーの意志に係わりなくランダムな値にすることができるので、自己の携帯用送信機と他人の携帯用送信機との間に互換性のない携帯用送信機が得られるという効果がある。
【0093】
さらに、請求項3に記載の発明によれば、携帯用送信機において、ユーザーによる操作スイッチの所定の操作によってID登録モード設定手段が駆動され、それにより第1制御部がID登録モードに設定されると、第1制御部は、ユーザーが1個以上の操作スイッチを複数回操作する度毎に、その操作に対応してランダムな値を示すIDコード区分を形成し、形成したIDコード区分を順次RAMからなる第2記憶部に収納し、最後のIDコード区分を除く各IDコード区分が第2記憶部に収納され、最後のIDコード区分が形成されたとき、第2記憶部から各IDコード区分を読み出し、読み出した各IDコード区分と最後のIDコード区分とを合体してIDコードとして第1記憶部に転送登録するようにしているので、携帯用送信機側においてユーザーによるIDコードの登録を行なうことが可能になるだけでなく、登録されるIDコードをユーザー側で選択することができず、ユーザーの意志に係わりなくランダムな値にすることができるので、自己の携帯用送信機と他人の携帯用送信機との間に互換性のない携帯用送信機が得られ、この他に、最後のIDコード区分をRAM6に収納する処理と、最後のIDコード区分をRAM6から読み出す処理が省略され、効率的にIDコードをIDコード記憶部41 に登録することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるキーレスエントリー装置の第1の実施の形態を示すブロック図であって、携帯用送信機の構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明によるキーレスエントリー装置の一つの実施の形態を示すブロック図であって、受信機の構成を示すブロック図である。
【図3】図1に図示された携帯用送信機において、IDコード記憶部にIDコードを登録する際の操作手順の一例を示す説明図である。
【図4】携帯用送信機のIDコード記憶部にIDコードを登録する際に、IDコードの登録ができないときの一例を示す動作説明図である。
【図5】 本発明によるキーレスエントリー装置の第2の実施の形態を示すブロック図であって、携帯用送信機の構成を示すブロック図である。
【図6】受信機の参照コード記憶部に携帯用送信機を用いて参照コードの書込みを行なう際の操作手順の一例を示す説明図である。
【図7】既知のキーレスエントリー装置に用いる携帯用送信機の構成の一例を示すブロック図である。
【図8】既知のキーレスエントリー装置に用いる受信機の構成の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 操作スイッチ部(操作SW)
11 ドアロックスイッチ
12 ドアアンロックスイッチ
13 トランク開スイッチ
14 パニックスイッチ
2 制御部(第1制御部)(CPU)
21 機能コード変換部
22 送信コード形成部
23 モード制御部
24 IDコード発生部
25 クロック信号発生部
26 カウンタ
3 送信部
4 第1記憶部(EEPROM)
41 IDコード記憶部
5 表示部(LED)
6 送信アンテナ
7 一時(第2)記憶部(RAM)
10、10’ 携帯用送信機
11 受信部
12 制御部(第2制御部)(CPU)
121 信号処理部
122 制御信号発生部
13 記憶部(第3記憶部)(EEPROM)
131 コード記憶部
132 機能コード記憶部
14 受信アンテナ
15 イグニッションキー
20 受信機
Claims (8)
- 1個以上の操作スイッチとIDコードが登録される第1記憶部と第1制御部と送信部とを備える携帯用送信機、及び、受信部と参照コードが記憶される第2記憶部と第2制御部と制御信号発生部とを備える受信機とからなり、前記携帯用送信機が前記IDコードを含む情報信号を電磁波として送信し、前記受信機が、前記受信した電磁波中の前記IDコードと前記参照コードとを比較し、それらが一致したときに前記制御信号発生部から被制御機器に制御信号を供給可能になるキーレスエントリー装置であって、前記携帯用送信機は、クロック信号を発生するクロック発生部と、前記クロック発生部が発生したクロック信号をカウントするカウンタとを備え、前記IDコードは、該IDコード全体を複数に区分した複数のIDコード区分からなり、前記携帯用送信機は、当該携帯用送信機を所定の時間の間当該携帯用送信機の新たなIDを当該携帯用送信機に登録し得るID登録モードに設定するID登録モード設定手段を備え、前記第1制御部は、前記ID登録モード設定手段によってID登録モードに設定されたとき、前記1個以上の操作スイッチのスイッチ操作回数の合計が複数回となるように操作し、スイッチを1回操作する度毎に、その操作タイミングによって前記カウンタによるカウンタ数値を設定して該設定したカウンタ数値によって前記IDコード区分を形成し、形成した各IDコード区分を前記第1記憶部に順次供給して前記複数のIDコード区分におけるそれぞれのIDコード区分として収納することにより前記携帯用送信機の新たなIDコードとして登録することを特徴とするキーレスエントリー装置。
- 1個以上の操作スイッチとIDコードが登録される第1記憶部と第2記憶部と第1制御部と送信部とを備える携帯用送信機、及び、受信部と参照コードが記憶される第3記憶部と第2制御部と制御信号発生部とを備える受信機とからなり、前記携帯用送信機が前記IDコードを含む情報信号を電磁波として送信し、前記受信機が、前記受信した電磁波中の前記IDコードと前記参照コードとを比較し、それらが一致したときに前記制御信号発生部から被制御機器に制御信号を供給可能になるキーレスエントリー装置であって、前記携帯用送信機は、クロック信号を発生するクロック発生部と、前記クロック発生部が発生したクロック信号をカウントするカウンタとを備え、前記IDコードは、該IDコード全体を複数に区分した複数のIDコード区分からなり、前記携帯用送信機は、当該携帯用送信機を所定の時間の間当該携帯用送信機の新たなIDを当該携帯用送信機に登録し得るID登録モードに設定するID登録モード設定手段を備え、前記第1制御部は、前記ID登録モード設定手段によってID登録モードに設定されたとき、前記1個以上の操作スイッチのスイッチ操作回数の合計が複数回となるように操作し、スイッチを1回操作する度毎に、その操作タイミングによって前記カウンタによるカウンタ数値を設定して該設定したカウンタ数値によって前記IDコード区分を形成し、形成した各IDコード区分を前記第2記憶部に順次供給して前記複数のIDコード区分におけるそれぞれのIDコード区分として収納し、前記第2記憶部に全てのIDコード区分を収納したき、前記全てのIDコード区分を合体して前記第1記憶部に転送し、前記携帯用送信機の新たなIDコードとして登録することを特徴とするキーレスエントリー装置。
- 1個以上の操作スイッチとIDコードが登録される第1記憶部と第2記憶部と第1制御部と送信部とを備える携帯用送信機、及び、受信部と参照コードが記憶される第3記憶部と第2制御部と制御信号発生部とを備える受信機とからなり、前記携帯用送信機が前記IDコードを含む情報信号を電磁波として送信し、前記受信機が、前記受信した電磁波中の前記IDコードと前記参照コードとを比較し、それらが一致したときに前記制御信号発生部から被制御機器に制御信号を供給可能になるキーレスエントリー装置であって、前記携帯用送信機は、クロック信号を発生するクロック発生部と、前記クロック発生部が発生したクロック信号をカウントするカウンタとを備え、前記IDコードは、該IDコード全体を複数に区分した複数のIDコード区分からなり、前記携帯用送信機は、当該携帯用送信機を所定の時間の間当該携帯用送信機の新たなIDを当該携帯用送信機に登録し得るID登録モードに設定するID登録モード設定手段を備え、前記第1制御部は、前記ID登録モード設定手段によってID登録モードに設定されたとき、前記1個以 上の操作スイッチのスイッチ操作回数の合計が複数回となるように操作し、スイッチを1回操作する度毎に、その操作タイミングによって前記カウンタによるカウンタ数値を設定して該設定したカウンタ数値によって前記IDコード区分を形成し、前記第2記憶部に最後のIDコード区分を除く全てのIDコード区分を順次収納し、前記最後のIDコード区分が形成されると、前記第2記憶部に収納した各IDコード区分を読み出し、読み出した各IDコード区分と前記最後のIDコード区分とを合体して前記第1記憶部に転送し、前記携帯用送信機の新たなIDコードとして登録することを特徴とするキーレスエントリー装置。
- 前記ID登録モード設定手段は、前記1個以上の操作スイッチと、前記1個以上の操作スイッチの予め決められた態様の操作に起因してID登録モードを設定する前記第1制御部内のモード制御部とからなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のキーレスエントリー装置。
- 前記1個以上の操作スイッチの予め決められた態様の操作は、2個以上の操作スイッチを予め決められた順番に操作することであることを特徴とする請求項4に記載のキーレスエントリー装置。
- 前記携帯用送信機は、前記IDコード区分の収納状態を示す報知手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のキーレスエントリー装置。
- 前記報知手段は、発光ダイオードによる光報知を行うものであることを特徴とする請求項6に記載のキーレスエントリー装置。
- 前記第1制御部は、ID登録モードの設定時に、最後のIDコード区分を除いた一のIDコード区分が入力された後、所定の時間が経過してもIDコード区分が入力されない場合、ID登録モードの設定を解除することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のキーレスエントリー装置。
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