JP3996917B2 - 鉄道車両 - Google Patents
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また、高速電磁弁144を介して流路300へ作動油を還流させるアンロード(ダンパに減衰力を発生させない)経路や、無通電状態(フェイル時ともいう)においてオリフィス135を介して流路300へ作動油を還流させるフェイル用流路が備えられている。
また、セミアクティブダンパは、約半分のタイミングでアンロードになるため制振効果が十分ではなかった。例えば、対向車両とのすれ違いの際に車体が空力外乱を受けて加振し、横揺れを生じた場合に車体と台車が同位相で左右に振れるようなことが多く見られる。このとき、セミアクティブダンパではオンロードになるタイミングが少なく、かつオンロードであってもダンパ速度が小さすぎて十分な制御効果を発揮できない問題があった。
また、本発明に係る鉄道車両は、前記振動抑制装置が、前記振動制振用ダンパが車体に対して横向きに配置され、前記電油ハイブリッドアクチュエータは台車の外側にて車体に沿って配置され、車体側に軸支されたスイングアームを介して連結されたものであることを特徴とする。
また、本発明に係る鉄道車両は、前記振動抑制装置が、前記振動制振用ダンパと電油ハイブリッドアクチュエータとが一直線上に配置され、それぞれ車体に取り付けられた直動システムによって連結されたものであることを特徴とする。
先ず、図5は、振動制振用ダンパ2の一例を示す回路図である。この振動制振用ダンパ2は、ピストン25を挟んでヘッド側室23とロッド側室24が設けられ、そのピストン25には両室を連通する流路が形成され、ロッド側室24からヘッド側室23へのみ流れが生じるようにチェック弁26が設けられている。また、ヘッド側室23の断面積はピストンロッド22の断面積の2倍に設定され、ピストンロッド22が伸長および圧縮する何れの方向のストロークに対しても、振動制振用ダンパ2から排出される作動油の量が同じになるように構成されている。
そこで、車両には車体の横揺れに伴う加速度を検出する不図示の加速度センサが設けられ、不図示の制御装置では、その加速度信号と併せて処理した検知手段30からの検出信号に基づいて高速電磁弁39の切換えが判断され、ソレノイドにONまたはOFFの信号が出力される。すなわち、振動制振用ダンパ2に減衰力を発生させるか否か、つまりアンロードかオンロードかの判定が行われ、その判定に従って高速電磁弁39へON/OFF信号が送られる。
ところで、ピストンロッド22の速度が速くロッド側室24からの吐出流量が大きい場合は、流路31から油タンク28に接続された流路53の高圧リリーフ弁41が作動することになる。
そのため、ロッド側室24の作動油は流路31へ吐出され、シーケンスアンロード弁37が開状態のため、流路32から分岐流路40へと流れる。そして、シーケンスアンロード弁37から流路33を流れ流路34を通って油タンク28へと還流する。このとき、上記の流路32からオリフィス36を通って流路34へと還流するものもあるが、殆どは流路33を通ることになる。従って、このとき振動制振用ダンパ2は、流路抵抗が小さくなっているため制振力も小さくなる。
振動制振用ダンパ2はその性質上、ピストンロッド22の移動方向と同じ方向には減衰力を発生できないので、制御入力速度信号の方向とピストンロッド22の移動の方向が等しい場合には、アンロードの判定がなされ、ビットが異なる場合には、オンロードの判定がなされる。
駆動部3Bでは、図6に示すように、サーボモータ54が油圧ポンプ55とコントローラ61とに挟まれるようにして設けられている。そして、サーボモータ54はコントローラ61によってその駆動が制御され、油圧シリンダ3Aは、そのサーボモータ54の駆動によってピストンロッド51の伸縮量及び伸縮速度の操作が行われるようになっている。
これらストロークセンサ62およびロータリエンコーダ63はコントローラ61に接続され、各検出信号がコントローラ61に送られるようになっている。すなわち電油ハイブリッドアクチュエータ3では、コントローラ61がストロークセンサ62とロータリエンコーダ63の検出信号に基づいてサーボモータ54をフィードバック制御するように構成されている。
シャトル弁64は、配管57と配管58とを連通する流路66上の2箇所に弁座が形成され、それぞれに当接・離間するボール弁体B1,B2が配置されている。そして、弁座同士をつなぐ流路上には連結バーが挿入され、その連結バーによって一対のボール弁体B1,B2が一体になって弁の開閉が交互に切り換えられるようになっている。
先ず、油圧ポンプ55のポート55aから作動油が吐出されると、油圧シリンダ3Aの摩擦抵抗によりピストンロッド51が動きだす前に、ポート55a側に接続されているため供給側となった配管57内の圧力が上昇する。その圧力でシャトル弁64のボール弁体B1が弁座に当接し、そのボール弁体B1と連結バーを介し連結されたボール弁体B2が弁座から離間する。このためポート55b側の配管57と油タンク65とが連通する。油圧ポンプ55からロッド側室59へ供給される作動油の圧力によってピストンロッド51が収縮作動する。そして、ヘッド側室60から流出する作動油の流量のうち油圧ポンプ55の吸入量よりも余分な量の作動油は油タンク65へ戻される。
前述した振動制振用ダンパ2によるオンロードとアンロードとの切り換えによる制振制御は、カルノップ理論が用いられ、加速度センサによって得られる車体の地面に対する左右方向の絶対速度(スカイフック速度)と、検知手段30から得られるダンパの伸縮情報とから、図9に示すようにオンロード(ON)とアンロード(UN)が判定される。
その一方で、本実施形態では、伸長作動する振動制振用ダンパ2の伸びに対し、電油ハイブリッドアクチュエータ3の油圧シリンダ3Aがそれよりも速く伸びるように制御する。すると、振動制振用ダンパ2が前述した制振制御によってオンロード状態からアンロード状態への変化をキャンセルしてオンロード状態を維持することができるようになる。
先ず、振動制振用ダンパ2がアンロード状態であるか否かが確認される(S101)。そこで、振動制振用ダンパ2がアンロード状態の場合には(S101:YES)、電油ハイブリッドアクチュエータ3のストロークに余裕があるか否かが確認される(S102)。一方、アンロード状態にない場合には(S101:NO)、電油ハイブリッドアクチュエータ3の伸縮速度VH と、振動制振用ダンパ2の伸縮速度VS が比較される(S103)。そして、フルアクティブダンパの伸縮速度VH がセミアクティブダンパの伸縮速度VS より大きい場合には(S103:YES)、電油ハイブリッドアクチュエータ3のストロークに余裕があるか否かが確認される(S102)。
また、S103に戻って伸縮速度VH がVS より小さい場合には(S103:NO)、電油ハイブリッドアクチュエータ3のストロークを中立に戻した場合に振動制振用ダンパ2がアンロード状態になるか否かの確認が行われる(S104)。そして、アンロード状態になる場合には中立に戻り、(S104:NO/S107)アンロード状態にならない場合にはそのままのストロークが維持される(S104:YES/S105)。
また、電油ハイブリッドアクチュエータ3は多くの精密部品によって構成されている。そのため、本実施形態のものが振動に強くはない場合でも、振動抑制装置1はその電油ハイブリッドアクチュエータ3が車体に取り付けられて上下振動にさらされないため、振動による影響が小さくて済む。
また、電油ハイブリッドアクチュエータ3は重量が大きいものであるが、本実施形態では振動制振用ダンパ2と分離可能な構成になっているため容易に着脱することができる。
更に、電油ハイブリッドアクチュエータ3は、サーボモータ54の出力と油圧ポンプ55の容量との限界によって大ストロークの急激な横揺れ等に対してロック状態、又はリリーフ状態となってしまうが、セミアクティブダンパである振動制振用ダンパ2が直列に接続されているので、そのアンロード状態によって乗客が大きな衝撃を感じなくて済むようにできる。
振動抑制装置5は、動力源を持たない油圧シリンダからなる振動制振用ダンパ2と、電気エネルギを動力源とする電油ハイブリッドアクチュエータ3とが、直動システムであるLMガイド81を介して連結されている。振動制振用ダンパ2と電油ハイブリッドアクチュエータ3とは、図示するように一直線上に配置され、ともに車体に対して横向きに取り付けられている。
このとき振動抑制装置5では、図2に示す振動制振用ダンパ2が伸びるとすると、それによってLMガイド81のガイドブロック83が右に押される。そして、電油ハイブリッドアクチュエータ3は、サーボモータ54の駆動を停止しているならば油圧シリンダ3A内の作動油の流れが制限されて伸縮が抑えられる。そのため、このときはセミアクティブダンパである振動制振用ダンパ2だけの制振制御になる。
更に、図8に示すように回生回路を構成することにより、油圧シリンダ3Aからの作動油によって油圧ポンプ55を回転してサーボモータ54から逆起電力が発生させ、その電力をインバータ75を介してバッテリ76に安定化して蓄えることにより、回生電力を振動制振用ダンパ2の駆動に利用することにより省エネが実現できる。
また、電油ハイブリッドアクチュエータ3は多くの精密部品によって構成されている。そのため、本実施形態のものが振動に強くはない場合でも、振動抑制装置1はその電油ハイブリッドアクチュエータ3が車体に取り付けられて上下振動にさらされないため、振動による影響が小さくて済む。
また、電油ハイブリッドアクチュエータ3は重量が大きいものであるが、本実施形態でも振動制振用ダンパ2と分離可能な構成になっているため容易に着脱することができる。
更に、電油ハイブリッドアクチュエータ3は、サーボモータ54の出力と油圧ポンプ55の容量との限界によって大ストロークの急激な横揺れ等に対してロック状態、又はリリーフ状態となってしまうが、セミアクティブダンパである振動制振用ダンパ2が直列に接続されているので、そのアンロード状態によって乗客が大きな衝撃を感じなくて済むようにできる。
振動抑制装置6は、動力源を持たない油圧シリンダからなる振動制振用ダンパ2と、電気エネルギを動力源とする電油ハイブリッドアクチュエータ3とが、L形スイングアーム85を介して連結されている。振動制振用ダンパ2と電油ハイブリッドアクチュエータ3とは、図示するように直角に配置され、振動制振用ダンパ2は車体に対して横向きに取り付けられ、電油ハイブリッドアクチュエータ3は車体に沿って取り付けられている。
このとき振動抑制装置6では、振動制振用ダンパ2が伸びるとすると、それによってL形スイングアーム85が図3において反時計回りに回転する。そして、電油ハイブリッドアクチュエータ3は、サーボモータ54の駆動を停止しているならば油圧シリンダ3A内の作動油の流れが制限されて伸縮が抑えられる。そのため、このときはセミアクティブダンパである振動制振用ダンパ2だけの制振制御になる。
更に、図8に示すように回生回路を構成することにより、油圧シリンダ3Aからの作動油によって油圧ポンプ55を回転してサーボモータ54から逆起電力が発生させ、その電力をインバータ75を介してバッテリ76に安定化して蓄えることにより、回生電力を振動制振用ダンパ2の駆動に利用することにより省エネが実現できる。
また、電油ハイブリッドアクチュエータ3は多くの精密部品によって構成されている。そのため、本実施形態のものが振動に強くはない場合でも、振動抑制装置1はその電油ハイブリッドアクチュエータ3が車体に取り付けられて上下振動にさらされないため、振動による影響が小さくて済む。
また、電油ハイブリッドアクチュエータ3は重量が大きいものであるが、本実施形態でも振動制振用ダンパ2と分離可能な構成になっているため容易に着脱することができる。
更に、電油ハイブリッドアクチュエータ3は、サーボモータ54の出力と油圧ポンプ55の容量との限界によって大ストロークの急激な横揺れ等に対してロック状態、又はリリーフ状態となってしまうが、セミアクティブダンパである振動制振用ダンパ2が直列に接続されているので、そのアンロード状態によって乗客が大きな衝撃を感じなくて済むようにできる。
振動抑制装置7は、動力源を持たない油圧シリンダからなる振動制振用ダンパ2と、電気エネルギを動力源とする電油ハイブリッドアクチュエータ3とが直接連結され、車体に対して横向きに取り付けられている。振動制振用ダンパ2と電油ハイブリッドアクチュエータ3とは、共にシリンダチューブ21,52が固定され、逆向きにピストンロッド22,51が突設されている。そして、振動制振用ダンパ2もピストンロッド22先端が車体側に軸着され電油ハイブリッドアクチュエータ3のピストンロッド51先端が台車側に軸着されている。
すなわち、振動制振用ダンパ2では、オンロードとアンロードの切り換えによる制振制御はカルノップ理論が用いられ、加速度センサによって得られる車体の地面に対する左右方向の絶対速度(スカイフック速度)と、検知手段30から得られるダンパの伸縮情報とから、図9に示すようにオンロード(ON)とアンロード(UN)が判定される。そして、特にセミアクティブダンパだけでは制振力が得られないアンロード時に揺れが大きくなってしまうため、電油ハイブリッドアクチュエータ3を利用して、アンロードを強制的にオンロード状態にすることにより制振力を得て振動を効果的に抑えるようにしている。
このとき振動抑制装置7では、振動制振用ダンパ2が伸びる場合に電油ハイブリッドアクチュエータ3がサーボモータ54の駆動を停止しているならば、油圧シリンダ3A内の作動油の流れが制限されて伸縮が抑えられる。そのため、このときはセミアクティブダンパである振動制振用ダンパ2だけの制振制御になる。
更に、図8に示すように回生回路を構成することにより、油圧シリンダ3Aからの作動油によって油圧ポンプ55を回転してサーボモータ54から逆起電力が発生させ、その電力をインバータ75を介してバッテリ76に安定化して蓄えることにより、回生電力を振動制振用ダンパ2の駆動に利用することにより省エネが実現できる。
また、電油ハイブリッドアクチュエータ3は多くの精密部品によって構成されている。そのため、本実施形態のものが振動に強くはない場合でも、振動抑制装置1はその電油ハイブリッドアクチュエータ3が車体に取り付けられて上下振動にさらされないため、振動による影響が小さくて済む。
更に、電油ハイブリッドアクチュエータ3は、サーボモータ54の出力と油圧ポンプ55の容量との限界によって大ストロークの急激な横揺れ等に対してロック状態、又はリリーフ状態となってしまうが、セミアクティブダンパである振動制振用ダンパ2が直列に接続されているので、そのアンロード状態によって乗客が大きな衝撃を感じなくて済むようにできる。
2 振動制振用ダンパ
3 電油ハイブリッドアクチュエータ
4 スイングアーム
21,52 シリンダチューブ
22,51 ピストンロッド
Claims (6)
- 油圧シリンダの作動油の流れを制御することにより伸縮するピストンロッドに作用する抵抗を調節する振動制振用ダンパと、電気エネルギを動力源として油圧を制御することにより油圧シリンダのピストンロッドを伸縮させる電油ハイブリッドアクチュエータとを備え、その振動制振用ダンパの一端が台車側に連結され、電油ハイブリッドアクチュエータの一端が車体側に連結されて、振動制振用ダンパの他端と電油ハイブリッドアクチュエータの他端が、電油ハイブリッドアクチュエータの伸縮荷重が前記振動制振用ダンパに対して軸方向に作用するように連結されたものであって、振動制振用ダンパをアンロード状態にしたときに、アンロード状態の振動制振用ダンパが伸縮しようとするその動作よりも速く電油ハイブリッドアクチュエータを同じ伸縮作動させるようにした振動抑制装置を有することを特徴とする鉄道車両。
- 請求項1に記載する鉄道車両において、
前記振動抑制装置は、前記振動制振用ダンパと電油ハイブリッドアクチュエータとが平行又は所定の角度で配置され、車体側に軸支されたスイングアームを介して連結されたものであることを特徴とする鉄道車両。 - 請求項1に記載する鉄道車両において、
前記振動抑制装置は、前記振動制振用ダンパが車体に対して横向きに配置され、前記電油ハイブリッドアクチュエータは台車の外側にて車体に沿って配置され、車体側に軸支されたスイングアームを介して連結されたものであることを特徴とする鉄道車両。 - 請求項1に記載する鉄道車両において、
前記振動抑制装置は、前記振動制振用ダンパと電油ハイブリッドアクチュエータとが一直線上に配置され、それぞれ車体に取り付けられた直動システムによって連結されたものであることを特徴とする鉄道車両。 - 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載する鉄道車両において、
前記振動抑制装置は、油圧シリンダの変位が大きくなったら、徐々にピストンが真ん中に戻るように弱いゲインのフィードバックをかけるようにして、前記電油ハイブリッドアクチュエータを制御するようにしたものであることを特徴とする鉄道車両。 - 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載する鉄道車両において、
車両電源と前記電油ハイブリッドアクチュエータから発生する起電力を蓄えるバッテリとを備え、
前記振動制振用ダンパおよび電油ハイブリッドアクチュエータは、車両電源の電力によって駆動が制御され、前記振動制振用ダンパは更に、切り換え装置によって車両電源とバッテリとの接続が切り換えられ、それぞれの電力によって駆動が制御されるようにしたものであることを特徴する鉄道車両。
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