JP3996747B2 - 電気融着時のコネクター差込み確認方法及び装置 - Google Patents

電気融着時のコネクター差込み確認方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、樹脂管による上下水道管やガス管等の配管工事において、樹脂管と電気融着継手を電気融着するに際して、電気融着装置のコネクターが継手のターミナル或いは該ターミナルに取付けたアダプターに融着が正常に行われる状態で差し込まれているかどうかを確認する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来技術】
上下水道管やガス管等の配管に近年、樹脂管が普及し、樹脂管を接続する継手にも電気融着継手が多用されるようになっている。こうした継手と樹脂管との融着は、電気融着装置のコネクターを継手のターミナルに差し込んで通電することにより行われるが、継手のサイズによってコネクターが継手のターミナルに適合できないときには、アダプターを用いて、コネクターをアダプターを介してターミナルに取付けることも行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
電気融着装置のコネクターを継手のターミナルに差し込んで電気融着するとき、アダプターを用いるときも同様であるが、コネクターやターミナル或いはアダプターの電極が錆付いていたり、電極にゴミ等の異物が付着していると、これらが電気抵抗となり、継手に必要な電気エネルギーが付与されなくなって融着不良を来す。
【0004】
コネクターの差込不足や傾き、或いはコネクターやターミナル、アダプターの変形等により電極同志の無接触或いは接触不良を生じたときも同様である。
本発明は、上記の問題を解消しようとするもので、電気融着装置のコネクターが継手のターミナル或いは該ターミナルに取付けたアダプターに融着が正常に行われる状態で差し込まれているかどうかを確認する方法及び装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題の解決手段】
請求項1に係わる発明は、電気融着装置のコネクターを継手のターミナル又は該ターミナルに取付けたアダプターに差し込んでコネクターの電極とターミナル又はアダプターの電極とを接触させた状態で通電し、電気融着する方法において、コネクターの電極を分割分離してコネクターをターミナル又はアダプターに差込後、コネクターの分割された電極間に検査用電流を流し、そのときの電気抵抗を測定することにより、コネクターがターミナル又はアダプターに正常な融着が可能な状態で差し込まれているかどうかを確認することを特徴とする。
【0006】
本発明によると、コネクターとターミナル又はアダプターの電極に錆付きがあったり、電極間にごみ等の異物が介在していると、またコネクターの差込不足や傾きにより電極同志の接触がないと、検出用電流を流したとき電気抵抗が検出される。したがって電気抵抗が0であると、こうした問題がなく、コネクターの電極とターミナル又はアダプターの電極が正常状態で接触していることが確認される。
【0007】
本発明ではまた、コネクターをターミナル又はアダプターに差し込む際には、電気抵抗0を計測するまで差し込めればよく、これにより差込過多や差込不足を防ぐことができる。そのため継手と管の電気融着を工場でロボットを使用して行う場合、電気抵抗0の検出がコネクターを差し込む際の位置決め機能を果たすようにもなる。
【0008】
請求項2に係わる発明は、請求項1に係わる発明を実施する装置に関するもので、コネクターの分割された電極間の電気抵抗を測定する抵抗測定回路を設けたことを特徴とする。
本発明の抵抗測定回路は、電気融着装置とは別個に独立して設けることもできるが、好ましくは電気融着装置に組み込まれる。電気融着装置の融着用電流供給回路又は継手の識別用抵抗読取回路に組み込み、電気抵抗値の算出やその表示を電気融着装置に組み込んだマイコンユニットやディスプレイを利用することにより構造が簡単となる。
【0009】
したがって請求項3に係わる発明は、請求項2に係わる発明の抵抗測定回路が電気融着装置に組み込まれることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1において、1は、電気融着継手2と樹脂管3とを電気融着する際に用いる電気融着装置で、CPUやメモリ等からなるマイコンユニット4と、継手2に融着用電流を供給する回路と、後述するコネクター5の分割分離された電極間の電気抵抗を測定する回路と、ディスプレイ6を有している。そして融着用電流供給回路はON−OFFによって電源7から継手2に融着用電流を供給し、或いはその遮断を行うスイッチ手段8を有し、また電気抵抗測定回路との切換えを行う切換スイッチ9を有している。
【0011】
電気抵抗測定回路は、測定用の電源11と、電流計測用のセンサー12を有し、センサー12によって測定された電流値と電源11の電圧とからマイコンユニット4が電気抵抗値を算出し、それをディスプレイ6に表示するようになっている。
【0012】
コネクター5は図3に示されるように、電極14が左右に分離分割され、コネクター5を継手2のターミナル15に差し込んだとき、ターミナルピン16に取付けたリングよりなる電極17に接触するようになっている。
継手2と管3を電気融着するに際しては、コネクター5をターミナル15に差し込んだのち電気融着装置1の測定開始ボタン(図1参照)を押す。すると、マイコンユニット4からの制御信号により、先ず両切換スイッチ9のうち、一方の切換スイッチ9が電気抵抗測定回路に切換えられ、電源11から測定用電流が一方のコネクター5の電極14、17間に送られる。そしてこのときの電流値が電気抵抗測定回路のセンサー12によって読み取られ、マイコンユニット4に出力される。マイコンユニット4は電源11の電圧と測定された電流値から電極間の電気抵抗を算出する。そしてこの抵抗値をディスプレイ6に表示する。
【0013】
作業者はディスプレイ6に表示される電気抵抗値を見て、電気抵抗値が0であれば、再度測定開始ボタンを押す。これにより、上記一方の切換スイッチ9が融着電流供給回路側に、他方の切換スイッチ9が電気抵抗測定回路側に切換わり、同様にして他方のコネクター5の電極14、17間の電気抵抗値が読取られ、ディスプレイ6に表示される。上記両切換スイッチ9の切換は、作業者が測定開始ボタンを押して行うのではなく、マイコンユニットにより自動的に行うようにすることもできる。
以上のようにしてディスプレイ6に表示される各コネクター5の電極間の電気抵抗値が0であるのを確認したのち、融着開始ボタン(図1参照)を押す。すると、マイコンユニット4からの制御信号により電気抵抗測定回路に切換られていた切換スイッチ9が融着電流供給回路側に切り換わり、かつスイッチ手段8がONとなって電源7から継手2に融着用電流が供給され、融着が開始される。
【0014】
ディスプレイ6に表示される電気抵抗が0でない場合には、コネクター5を押し込んだり、揺すったり、更にはコネクター5を引き抜いて電極14、17の点検をし、掃除をする。そして再度差込を行う。これらの作業を繰返しても電気抵抗が0にならなければ、継手2の交換或いはコネクター5の取換えを行う。
以上のようにしてコネクターをターミナルに差し込んだときの電極間の抵抗が0の状態で、電気融着が正常に行われる。
【0015】
コネクタ−5をターミナル15に直接取付けることができない場合には、図4に示すようなアダプター18が使用されるが、この場合にもコネクター5とアダプターの電極間の電気抵抗が同様にして計測される。そして電気抵抗が0の状態で融着が開始される。
【0016】
コネクターには図5に示すように、ターミナルピン21に埋め込んだ識別用抵抗22を読み取るための触針23を有するものがある。こうしたタイプのコネクタ−24には、電極間の電気抵抗を測定する回路のほかに、識別用抵抗22を読み取るための回路、すなわち触針23、識別用抵抗22及び電極14を含む回路が別に設けられる。
【0017】
【発明の効果】
請求項1及び2に係わる発明によると、電気融着継手と樹脂管とを電気融着する際、コネクターを継手のターミナル或いは該ターミナルに取付けたアダプターに差し込んだときの電極間の電気抵抗を読み取ることにより、コネクターがターミナル或いはアダプターに正常な融着を行うことができる状態で差し込まれているかどうかを確認することができ、また差込は、電気抵抗0を検出するまで行えばよく、この検出により差込みが確実に行われているかどうかを確認することができる。
【0018】
請求項3に係わる発明によると、電気抵抗測定回路を電気融着装置に組み込むことにより、電気融着装置に組み込んだ回路を利用したり、マイコンユニットやディスプレイを利用することができ、構造を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】継手と管を電気融着するのに用いる電気融着装置のブロック図。
【図2】ターミナルに差し込んだコネクターの断面図。
【図3】図2のA−A線断面図。
【図4】アダプターの部分断面正面図。
【図5】コネクターの別の例を示す断面図。
【符号の説明】
1・・電気融着装置
2・・電気融着継手
3・・樹脂管
4・・マイコンユニット
5、24・・コネクター
6・・ディスプレイ
7、11・・電源
8・・スイッチ手段
9・・切換スイッチ
12・・センサー
14、17・・電極
15・・ターミナル
16、21・・ターミナルピン
18・・アダプター
22・・識別用抵抗
23・・触針

Claims (3)

  1. 電気融着装置のコネクターを継手のターミナル又は該ターミナルに取付けたアダプターに差し込んでコネクターの電極とターミナル又はアダプターの電極とを接触させた状態で通電し、電気融着する方法において、コネクターの電極を分割分離してコネクターをターミナル又はアダプターに差込後、コネクターの分割された電極間に検査用電流を流し、そのときの電気抵抗を測定することにより、コネクターがターミナル又はアダプターに正常な融着が可能な状態で差し込まれているかどうかを確認することを特徴とする電気融着時のコネクター差込み確認方法。
  2. コネクターの分割された電極間の電気抵抗を測定する抵抗測定回路を設けたことを特徴とする請求項1記載の方法を実施する装置。
  3. 上記抵抗測定回路が電気融着装置に組み込まれることを特徴とする請求項2記載の装置。
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