JP3996330B2 - 高周波パッケージ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は高周波パッケージに関し、より詳細には、例えば準ミリ波〜約70〜90GHz帯の高周波信号を利用する半導体素子及びその周辺に形成された高周波回路を収容する高周波パッケージに関する。
【0002】
【従来の技術】
高周波パッケージは誘電体基板上に形成された半導体素子実装領域及びその周辺部の高周波回路を環状枠体及びこの上に設けられた蓋体で密閉封止することにより構成されており、高周波信号は前記枠体の側壁部を貫通する信号線層を介して入出力されるようになっている。
【0003】
図10は従来のこの種高周波パッケージを示した模式図であり、(a)は側面断面図、(b)は(a)におけるA−A線断面部分の斜視図である。誘電体基板41は厚みがTの略直方体板形状に形成されており、誘電体基板41の下面41bにはグランド層42が形成される一方、誘電体基板41の上面41aの所定箇所には、略環形状をした誘電体材料製の枠体44が一体的に形成されている。枠体44の内側領域44dにおける誘電体基板上面41aの所定箇所には、幅がw1 の略薄板形状をした回路部43aが複数個形成される一方、枠体44を挟んで回路部43aと対向する箇所には、これと同様(幅がw1 )のリード部43bがそれぞれ形成されている。回路部43aの一端部とリード部43bの一端部とは幅がw2 の導体部43cを介して接続されており、この導体部43cは枠体44の側壁部44a内に埋設されている。これら回路部43a、リード部43b、導体部43cを含んで信号線層43が構成されている。また導体部43cとこの近傍の側壁部44aとを含んで構成される回路の特性インピーダンスを回路部43a、リード部43bのそれと同等にするため、導体部43cの幅w2 は回路部43a及びリード部43bの幅w1 より小さい所定値に設定されている。そして信号線層43における反射損失を抑えて伝送損失を小さくするために、回路部43a、リード部43b、導体部43cにおける各特性インピーダンスの整合が図れるようになっている。
【0004】
誘電体基板上面41aにおける枠体内側領域44dの略中央部には半導体素子45が実装されており、半導体素子45のパッド45aと回路部43aの他端部とはボンディングワイヤ45bを介して接続されている。枠体44上部には蓋体46が接続(ハーメチックシール)されており、この蓋体46により誘電体基板41上の枠体内側領域44dが密閉・封止されている。これら誘電体基板41、グランド層42、信号線層43、枠体44、蓋体46等を含んでマイクロストリップ線路タイプの高周波パッケージ40が構成されている。そして高周波信号(図示せず)は、信号線層43のリード部43bより導体部43c、回路部43a等を介して半導体素子45に入力される一方、半導体素子45より信号線層43の回路部43a、導体部43c等を介してリード部43bより出力されるようになっている。
しかしながらこのように構成された高周波パッケージ40では、導体部43cの幅w2 が狭いので、この寸法精度を確保することが難しく、また抵抗が大きくなり、伝送損失が増大し易い。また製造する際、導体部43cの両端部と側壁部44aの内外面44b、44cとを正確に位置合わせすることが難しいという問題があった。
【0005】
この問題に対処するため、信号線層が埋設される枠体の側壁部分を薄く形成したものが開発されている。図11は従来のこの種高周波パッケージの主要部を模式的に示した斜視図であり、図中41、42は図10に示したものと同様の誘電体基板、グランド層を示している。誘電体基板41の上面41aの所定箇所には略環形状をした誘電体材料製の枠体54がこれと一体的に形成され、枠体54における側壁部54aの所定箇所には凹部54bが形成されている。一方、誘電体基板41の上面41aの所定箇所には幅がw1 の略薄板形状をした信号線層53が形成されている。この信号線層53の一端部53a側は枠体54の内側領域54cに形成され、信号線層53の他端部53b側は枠体54の外側領域54dに形成されており、信号線層53の略中央部は凹部54b近傍の側壁部54a内に埋設されている。その他の構成は図10に示したものと略同様であるのでここではその構成の詳細な説明は省略することとする。これら誘電体基板41、グランド層42、信号線層53、枠体54等を含んで高周波パッケージが構成されている。そして高周波信号(図示せず)は、他端部53b側より信号線層53等を介して半導体素子45(図10)に入力される一方、半導体素子45より信号線層53等を介して他端部53b側より出力されるようになっている。
【0006】
しかしながらこのように構成された高周波パッケージでは、側壁部54aの厚みe1 を薄く設定する必要があり、製造が難しいという問題があった。
また図10、図11に示したマイクロストリップ線路タイプの高周波パッケージでは、ミリ波や準ミリ波のようなより高周波数帯域の信号を処理する場合、半導体素子45と信号線層43、53、グランド層42との接続損失や、信号線層43、53における放射損失が大きくなり易いという問題があった。この問題に対処するため、近年、誘電体基板の一主面側に信号線層及びグランド層が形成され、これらの上に半導体素子45がフリップチップ実装される、いわゆるコプレナ・ウェーブガイドタイプの高周波パッケージが開発されている。
【0007】
図12は従来のこの種高周波パッケージの略前半部を模式的に示した部分断面斜視図であり(特開平2−87701号公報)、図中61は金属基板を示している。略直方体板形状の金属基板61上の所定箇所にはセラミック板63が固定され、セラミック板63を挟む左右両側には例えば3個の導体層64a、3個のセラミック層64bを交互に積層した積層板64が一体的に形成されている。これらセラミック板63、積層板64等を含んで外形が略直方体板形状をした誘電体基板62が構成されている。誘電体基板62上の所定箇所には幅がw1 の略薄板形状をした信号線層65が図中矢印前後方向に形成されると共に、信号線層65の左右両側にはギャップgを介してグランド層66が形成されている。そして金属基板61と枠体内部領域67aにおける信号線層65近傍のグランド層66とは、左右各1個の導体ビア66aを介して接続されている。また信号線層65の略中央部、及びこの近傍のグランド層66上にはセラミック板68が図中矢印左右方向に形成され、セラミック板68の両端部には例えば2個の導体層69a、3個のセラミック層69bを交互に積層した積層板69が一体的に形成されている。これらセラミック板68、積層板69を含んで略井の字形状の枠体67が構成されている。枠体67の上面や、積層体64、69の前端面64c、69c、及び右端面64d、69d等には、導体層71がメタライズにより形成されている。これら誘電体基板62、信号線層65、グランド層66、枠体67、導体層71等を含んでコプレナ・ウェーブガイドタイプの高周波パッケージが構成されている。
【0008】
このように構成された高周波パッケージでは、枠体67の内部領域67aに半導体素子(図示せず)を挿入し、信号線層65、グランド層66上にフリップチップ実装することが可能となる。また信号線層65がグランド層66、導体層64a、69a、71、及び金属基板61を介して取り囲まれることにより、電磁的にシールドされると共に、積層板64、69等を介し、信号線層65等の環共振が抑制されるため、準ミリ波(〜30GHz帯)における高周波特性を優れたものにすることが可能となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記図10、図11に示したマイクロストリップ線路タイプの高周波パッケージにおいては、上述したように、ミリ波のような高周波帯域の信号を処理する場合、半導体素子45と信号線層43、53、グランド層42との接続損失や、信号線層43、53の放射損失が大きくなり易いという課題があった。また導体部43cの幅w2 を狭く設定することが難しく、導体部43cの両端部と側壁部44aの内外面44b、44cとを正確に位置合わせするのが困難であり(図10)、また凹部54b近傍の側壁部54aの厚みe1 を薄く設定するのが面倒である(図11)という課題があった。
【0010】
また上記図12に示したコプレナ・ウェーブガイドタイプの高周波パッケージにおいては、30GHzを超える帯域の高周波特性に劣るおそれがある。またセラミック板68の厚みe0 を薄く設定するのが難しいと共に、セラミック板63、68と積層板64、69とを含んで構成される誘電体基板62や枠体67を製造するのが面倒であるという課題があった。
【0011】
また上記図10〜図12に示した高周波パッケージにおいては、いずれも信号線層43、53、65の一部が枠体44、54、67に埋設されており、これらの短絡を阻止するため、枠体44、54、67は誘電体材料を用いて形成されている。この結果、製造が面倒となり易く、コストが高くつき易いという課題があった。
【0012】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、準ミリ波〜約70〜90GHz帯域における高周波特性に優れ、かつ良好な封止構造とすることができると共に、製造が容易で、コストを削減することができる高周波パッケージを提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段及びその効果】
上記目的を達成するために本発明に係る高周波パッケージ(1)は、誘電体基板の一主面側に環状枠体と、該環状枠体の内外領域に前記環状枠体を挟んで対向して形成された第1及び第2の信号線層と、これら第1及び第2の信号線層の周囲にギャップを介してそれぞれ形成された第1及び第2のグランド層とを備える一方、前記誘電体基板の他主面側には第3の信号線層と、該第3の信号線層の周囲にギャップを介して形成された第3のグランド層とを備え、かつ前記第1及び第2の信号線層の各一端部と前記第3の信号線層の両端部とを接続する第1の導体ビアを備えると共に、前記第1〜第3の信号線層を挟んで、その両側に前記第1及び第2のグランド層と前記第3のグランド層とを接続する複数個の第2の導体ビアが所定間隔で形成されていることを特徴としている。
なお、前記枠体と前記第1、第2のグランド層とは導通し、共に電位が零であることが望ましい。
【0014】
上記した高周波パッケージ(1)によれば、誘電体基板の一主面側に環状枠体と、該環状枠体の内外領域に前記環状枠体を挟んで対向して形成された第1及び第2の信号線層と、これら第1及び第2の信号線層の周囲にギャップを介してそれぞれ形成された第1及び第2のグランド層とを備える一方、前記誘電体基板の他主面側には第3の信号線層と、該第3の信号線層の周囲にギャップを介して形成された第3のグランド層とを備え、かつ前記第1及び第2の信号線層の各一端部と前記第3の信号線層の両端部とを接続する第1の導体ビアを備えると共に、前記第1〜第3の信号線層を挟んで、その両側に前記第1及び第2のグランド層と前記第3のグランド層とを接続する複数個の第2の導体ビアが所定間隔で形成されているので、前記枠体の側壁部内を通すことなく前記第1の信号線層、前記第1の導体ビア、第3の信号線層、前記第1の導体ビア、前記第2の信号線層を含んで構成される信号線電極を容易に形成することができると共に、前記第1のグランド層、前記第2の導体ビア、前記第3のグランド層、前記第2の導体ビア、前記第2のグランド層を含んで構成されるグランド電極を容易に形成することができ、かつ該グランド電極と前記信号線電極とを含んで構成されるコプレナ・ウェーブガイドを形成することができる。また前記第2の導体ビアにより、前記第1の導体ビアに基づくインピーダンスの変化を軽減させて反射損失を減少させることができると共に、前記信号線電極から放射された電磁波が前記誘電体基板中に放射されるのを防止することができ、これらの結果、準ミリ波〜ミリ波帯域における高周波特性を優れたものとすることができる。また前記信号線電極が前記枠体に接触しないため、該枠体を金属製にして、電磁的にシールドさせることができ、封止を確実なものとすることができる。これらの結果、前記グランド層、前記環状枠体、蓋体等により十分に接地させることができ、安定した高周波信号を伝送することができると共に、コストを著しく削減することができる。
【0015】
また本発明に係る高周波パッケージ(2)は、上記高周波パッケージ(1)において、前記誘電体基板の比誘電率をεr 、前記第1〜第3の信号線層及び前記第1の導体ビアを伝播する高周波信号の空気中における波長をλとするとき、前記第2の導体ビアどうしの間隔Dが、D<λ/(2×εr1/2) の範囲に設定されていることを特徴としている。
なお、間隔Dの下限は小さい程よいが、前記誘電体基板に第2の導体ビアどうしを接近して形成する技術により自ら限定される。
【0016】
上記した高周波パッケージ(2)によれば、前記誘電体基板の比誘電率をεr 、前記第1〜第3の信号線層及び前記第1の導体ビアを伝播する高周波信号の空気中における波長をλとするとき、前記第2の導体ビアどうしの間隔Dが、D<λ/(2×εr1/2) の範囲に設定されているので、前記第1〜第3の信号線層及び前記第1の導体ビアより前記第1〜第3の信号線層の垂直方向へ放射された高周波信号が前記第2の導体ビアの隙間Dを介して前記誘電体基板側に漏れ出すのを阻止し、隙間Dに起因する不要モードによりリップルが発生するのを防止することができ、この結果、より波長が短い高周波領域における高周波特性を優れたものとすることができる。
【0017】
また本発明に係る高周波パッケージ(3)は、上記高周波パッケージ(1)または(2)において、前記誘電体基板の比誘電率をεr 、前記第1〜第3の信号線層及び前記第1の導体ビアを伝播する高周波信号の空気中における波長をλとするとき、前記第1〜第3の信号線層と前記第2の導体ビアとの距離Wが、W<λ/(4×εr1/2) の範囲に設定されていることを特徴としている。
なお、共振によるリップルの発生がある程度の帯域を有することから、利用しようとする高周波信号の周波数の1.15倍の波長をλに代入し、距離Wを求めるのが望ましい。
また、距離Wの下限は小さい程よいが、実際的には前記第1〜第3の信号線層の幅、前記ギャップ、前記第2の導体ビアの直径等により自ら限定される。
【0018】
上記した高周波パッケージ(3)によれば、前記誘電体基板の比誘電率をεr 、前記第1〜第3の信号線層及び前記第1の導体ビアを伝播する高周波信号の空気中における波長をλとするとき、前記第1〜第3の信号線層と前記第2の導体ビアとの距離Wが、W<λ/(4×εr1/2) の範囲に設定されているので、前記第1〜第3の信号線層及び前記第1の導体ビアより前記第1〜第3の信号線層に関して略垂直方向に放射された高周波信号における、前記第2の導体ビアまでの距離Wに起因する共振の発生を防止すると共に、リップルの発生を防止することができる。また高周波パッケージ(2)を前提とするものの場合、その相乗効果により、一層波長が短い高周波帯域における高周波特性を優れたものとすることができる。
【0019】
また本発明に係る高周波パッケージ(4)は、上記高周波パッケージ(1)〜(3)のいずれかにおいて、前記第1の導体ビアの中心と前記第1の導体ビアに近接する少なくとも1個の前記第2の導体ビアとの距離をWS とし、前記第1の導体ビアに近接する前記第2の導体ビアを除く第2の導体ビアと前記第1〜第3の信号線層との距離をWとした場合、前記第1の導体ビアを中心としてWS >Wの関係が成り立つ半径WS の円弧上及び/又は該円弧の外側に、前記第1の導体ビアに近接する前記第2の導体ビアが配置されていることを特徴としている。
なお、距離WS が大きくなると電磁界放射が生じて伝送特性が低下し易いので、前記誘電体基板の比誘電率をεr 、前記第1〜第3の信号線層及び前記第1の導体ビアを伝播する高周波信号の空気中における波長をλとするとき、前記距離WS はλ/(2×εr1/2) よりも短い方が望ましい。
【0020】
上記した高周波パッケージ(4)によれば、前記第1の導体ビアの中心と前記第1の導体ビアに近接する少なくとも1個の前記第2の導体ビアとの距離をWS とし、前記第1の導体ビアに近接する前記第2の導体ビアを除く第2の導体ビアと前記第1〜第3の信号線層との距離をWとした場合、前記第1の導体ビアを中心としてWS >Wの関係が成り立つ半径WS の円弧上及び/又は該円弧の外側に、前記第1の導体ビアに近接する前記第2の導体ビアが配置されているので、リップルの発生を防止することができると共に、前記第1の導体ビアに近接する前記第2の導体ビアにより前記第1の導体ビアを伝送する信号の反射損失をより減少させることができ、これらの結果、伝送特性をより優れたものとすることができる。
【0021】
また本発明に係る高周波パッケージ(5)は、上記高周波パッケージ(1)〜(4)のいずれかにおいて、前記誘電体基板の比誘電率をεr 、前記第1〜第3の信号線層及び前記第1の導体ビアを伝播する高周波信号の空気中における波長をλ、前記誘電体基板の厚みをTとするとき、前記第1の導体ビア間の距離Lが、2×T<L<λ/(εr1/2) の範囲に設定されていることを特徴としている。
なお、共振や第1の導体ビアの直径によるリップルの発生がある程度の帯域を有することから、利用しようとする高周波信号の周波数の1.15倍の波長をλに代入し、距離Lを求めるのが望ましい。
【0022】
上記した高周波パッケージ(5)によれば、前記誘電体基板の比誘電率をεr 、前記第1〜第3の信号線層及び前記第1の導体ビアを伝播する高周波信号の空気中における波長をλ、前記誘電体基板の厚みをTとするとき、前記第1の導体ビア間の距離Lが、2×T<L<λ/(εr1/2) の範囲に設定されているので、前記第1の導体ビア間の距離Lが長い場合に起因して生じ易い共振の発生を阻止し、リップルの発生を防止することができると共に、距離Lが短過ぎる場合に起因して生じ易い前記第1の導体ビア間における電磁界の干渉及びそれに伴う振動の発生を抑制することができる。また高周波パッケージ(2)及び/又は(3)を前提とするものの場合、その相乗効果により、さらに一層波長が短い高周波領域における高周波特性を優れたものとすることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る高周波パッケージの実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、従来例と同一機能を有する構成部品には同一の符号を付すこととする。
【0024】
図1は実施の形態(1)に係る高周波パッケージを模式的に示した部分断面斜視図である。また図2は実施の形態(1)に係る高周波パッケージの主要部を拡大して示した模式図であり、(a)は図1におけるA−A線断面図、(b)は平面図、(c)は下面図である。誘電体基板11はアルミナセラミック等を用いて厚みがTの略直方体板形状に形成され、誘電体基板上面11aの所定箇所には略環形状をした枠体12が形成されている。枠体12は誘電体基板11と略同様の膨張係数を有するコバールまたはインバー合金を用いて形成されており、枠体12の側壁部12aの厚みはe0 に設定されている。
【0025】
枠体内側領域12bの略中央部には半導体素子(図示せず)を搭載するスペース11cが形成され、スペース11cを挟んで対向する誘電体基板上面11aの所定箇所には、幅がw1 の略薄板形状をした信号線層14がそれぞれ形成されている。一方、枠体外側領域12cにおける枠体12を挟んで信号線層14と対向する箇所には幅がw2 の略薄板形状をした信号線層15が形成されている。信号線層14、15の周囲にはギャップg1 、g2 を介してグランド層22、23が一体的に形成されており、これらによりコプレナ・ウェーブガイドが構成されている。他方、誘電体基板下面11bの所定箇所には、枠体側壁部12aをまたぐ態様で幅がw3 の略薄板形状をした信号線層16が形成されている。信号線層16の周囲にはギャップg3 を介してグランド層24が形成されており、これらによりコプレナ・ウェーブガイドが構成されている。
【0026】
信号線層14、15の端部14a、15aには導体ビア17の上端部がそれぞれ接続され、導体ビア17の下端部は信号線層16の両端部16a、16bにそれぞれ接続されている。この導体ビア17の直径はd1 、導体ビア17と信号線層14、15の端部14b、15bとの距離はL0 、導体ビア17どうしの距離はLにそれぞれ設定されている。
この距離Lは、誘電体基板11の比誘電率をεr 、信号線電極13を伝播する高周波信号の空気中における波長をλ、誘電体基板11の厚みをTとするとき、2×T<L<λ/(εr1/2) の範囲に設定されている。この際、共振や導体ビア17の直径d1 によるリップルの発生がある程度の帯域を有することから、利用しようとする高周波信号の周波数の1.15倍の波長をλに代入し、距離Lを求めるのが望ましい。これら信号線層14、導体ビア17、信号線層16、導体ビア17、信号線層15を含んで信号線電極13が構成されている。
【0027】
信号線層14、15、16を挟むその両側には、グランド層22、23とグランド層24とを接続する直径がd2 の導体ビア25a、25bがそれぞれ形成されている。これら導体ビア25aどうし、導体ビア25bどうしの間隔はDに設定されている。この間隔Dは誘電体基板11の比誘電率をεr 、信号線電極13を伝播する高周波信号の空気中における波長をλとするとき、D<λ/(2×εr1/2) の範囲に設定されている。間隔Dの下限は小さい程よいが、誘電体基板11に導体ビア25aどうし、導体ビア25bどうしを接近して形成する技術により自ら限定される。
【0028】
また導体ビア25a、25bの中心と信号線層14、15、16の中心線との距離はそれぞれWに設定されている。この距離Wは、誘電体基板11の比誘電率をεr 、信号線電極13を伝播する高周波信号の空気中における波長をλとするとき、W<λ/(4×εr1/2) の範囲に設定されている。この際、共振によるリップルの発生がある程度の帯域を有することから、利用しようとする高周波信号の周波数の1.15倍の波長をλに代入し、距離Wを求めるのが望ましい。また距離Wの下限は小さい程よいが、実際的には信号線層14、15、16の幅w1 、w2 、w3 、ギャップg1 〜g3 、導体ビア25a、25bの直径d2 等により自ら限定される。これらグランド層22、導体ビア25a、25b、グランド層24、導体ビア25a、25b、グランド層23を含んでグランド電極21が構成されている。またこれらグランド電極21と信号線電極13とを含んでコプレナ・ウェーブガイド20が構成されており、スペース11c近傍のコプレナ・ウェーブガイド20上には、図示しない半導体素子がフリップ実装されるようになっている。
枠体12上には略直方体板形状をしたコバールまたはインバー合金製の蓋体26が配設され、蓋体26と枠体12とはハンダ、ロウ付け(共に図示せず)等を用いて接続されている。これら誘電体基板11、枠体12、コプレナ・ウェーブガイド20、蓋体26、図示しないバイアス回路等を含んで高周波パッケージ10が構成されている。
【0029】
このように構成された高周波パッケージ10を使用する場合、高周波信号(図示せず)は信号線層端部15bより信号線電極13、信号線層端部14bを介して半導体素子に入力される一方、半導体素子より信号線層端部14b、信号線電極13を介して信号線層端部15bより出力される。
【0030】
上記説明から明らかなように、実施の形態(1)に係る高周波パッケージ10では、誘電体基板11の一主面11a側に環状枠体12と、環状枠体12の内外領域12b、12cに環状枠体12を挟んで対向して形成された信号線層14、15と、これら信号線層14、15の周囲にギャップg1 、g2 を介してそれぞれ形成されたグランド層22、23とを備える一方、誘電体基板11の他主面11b側には信号線層16と、信号線層16の周囲にギャップg3 を介して形成されたグランド層24とを備え、かつ信号線層14、15の各一端部14a、15aと信号線層16の両端部16a、16bとを接続する導体ビア17を備えると共に、信号線層14〜16を挟んで、その両側にグランド層22、23とグランド層24とを接続する複数個の導体ビア25a、25bが所定間隔Dで形成されているので、枠体12の側壁部12a内を通すことなく信号線層14、導体ビア17、信号線層16、導体ビア17、信号線層15を含んで構成される信号線電極13を容易に形成することができると共に、グランド層22、導体ビア25a、25b、グランド層24、導体ビア25a、25b、グランド層23を含んで構成されるグランド電極21を容易に形成することができ、かつグランド電極21と信号線電極13とを含んで構成されるコプレナ・ウェーブガイド20を形成することができる。また複数個の導体ビア25a、25bにより、導体ビア17に基づくインピーダンスの変化を軽減させて反射損失を減少させることができると共に、信号線電極13から放射された電磁波が誘電体基板11中に放射されるのを防止することができ、これらの結果、準ミリ波〜ミリ波帯域における高周波特性を優れたものとすることができる。また信号線電極13が枠体12に接触しないため、枠体12を金属製にして電磁的にシールドさせることができ、封止を確実なものとすることができる。これらの結果、グランド層22〜24、枠体12、蓋体26により十分に接地させることができ、安定した高周波信号を伝送することができると共に、コストを著しく削減することができる。
【0031】
また、誘電体基板11の比誘電率をεr 、信号線電極13を伝播する高周波信号の空気中における波長をλとするとき、導体ビア25aどうし、導体ビア25bどうしの間隔Dが、D<λ/(2×εr1/2) の範囲に設定されているので、信号線電極13より信号線層14〜16の垂直方向へ放射された高周波信号が導体ビア25a、25bの隙間Dを介して誘電体基板11側に漏れ出すのを阻止し、隙間Dに起因する不要モードによりリップルが発生するのを防止することができ、この結果、より波長が短い高周波領域における高周波特性を優れたものとすることができる。
【0032】
また、誘電体基板11の比誘電率をεr 、信号線電極13を伝播する高周波信号の空気中における波長をλとするとき、信号線層14〜16と導体ビア25a、25bとの距離Wが、W<λ/(4×εr1/2) の範囲に設定されているので、信号線電極13より信号線層14〜16に関して略垂直方向に放射された高周波信号における、導体ビア25a、25bまでの距離Wに起因する共振の発生を防止すると共に、リップルの発生を防止することができる。また導体ビア25a、25bの間隔Dを、D<λ/(2×εr1/2) の範囲に設定した場合との相乗効果により、一層波長が短い高周波領域における高周波特性を優れたものとすることができる。
【0033】
また、誘電体基板11の比誘電率をεr 、信号線電極13を伝播する高周波信号の空気中における波長をλ、誘電体基板11の厚みをTとするとき、導体ビア間17の距離Lが、2×T<L<λ/(εr1/2) の範囲に設定されているので、導体ビア17間の距離Lが長い場合に起因する共振の発生を阻止し、リップルの発生を防止することができると共に、距離Lが短過ぎる場合に起因する導体ビア17間における電磁界の干渉及びそれに伴う振動の発生を抑制することができる。また導体ビア25a、25bの間隔Dを、D<λ/(2×εr1/2) の範囲に設定した場合、信号線層14〜16と導体ビア25a、25bとの距離Wを、W<λ/(4×εr1/2) の範囲に設定した場合との相乗効果により、さらに一層波長が短い高周波領域における高周波特性を優れたものとすることができる。
【0034】
なお、実施の形態(1)に係る高周波パッケージ10では、枠体12がコバール、インバー合金等の金属を用いて形成されている場合について説明したが、別の実施の形態のものでは、枠体が誘電体材料を用いて形成されていてもよい。この場合、枠体表面に導体が形成され、この導体がグランド層22、23と接続されていることが望ましい。
【0035】
また、実施の形態(1)に係る高周波パッケージ10では、誘電体基板11上に形成された枠体12に、ハンダ等を介して蓋体26を接続して封止する場合について説明したが、別の実施の形態のものでは、これら枠体及び蓋体が一体化された態様のキャップを誘電体基板11上に接続して封止してもよい。
【0036】
また、実施の形態(1)に係る高周波パッケージ10では、誘電体基板11の下方が開放されている場合について説明したが、別の実施の形態のものでは、誘電体基板11の下面11bに別の誘電体基板が積層されていてもよい。この場合、信号線層16の幅w3 や信号線層16、グランド層24間のギャップg3 は積層する別の誘電体基板の比誘電率の値も考慮して再設計するのが望ましい。
【0037】
図3は実施の形態(2)に係る高周波パッケージの主要部を拡大して示した模式的平面図であり、図中14〜16、17は図1、図2に示したものと同様の信号線層、導体ビアをそれぞれ示している。信号線層14〜16を挟んでその両側には導体ビア17を中心とする半径WS の円弧上に直径がd2 の各2個の導体ビア35a、35bがそれぞれ形成されており、これら導体ビア35a、35bはグランド層22、23とグランド層24(図1、図2)とを接続するようになっている。また半径WS の円領域内を除いて信号線層14〜16を挟んでその両側には、グランド層22、23とグランド層24とを接続する直径がd2 の導体ビア35c、35dがそれぞれ所定間隔をおいて複数個形成されている。図1、図2に示したものと略同様、導体ビア35c、35dの中心と信号線層14〜16の中心線との距離WはそれぞれW<λ/(4×εr1/2) の範囲に設定されている。また共振によるリップルの発生がある程度の帯域を有することから、利用しようとする高周波信号の周波数の1.15倍の波長をλに代入し、距離Wを求めるのが望ましい。また距離Wの下限は小さい程よいが、実際的には信号線層14、15、16の幅w1 、w2 、w3 (図1、図2)、ギャップg1 〜g3 、導体ビア35c、35dの直径d2 等により自ら限定される。
【0038】
一方、距離WS と距離WとはWS >Wの関係に設定されている。また距離WS があまり大きくなると電磁界放射が生じて伝送特性が低下し易いので、誘電体基板11の比誘電率をεr 、信号線層14〜16及び導体ビア17を伝播する高周波信号の空気中における波長をλとするとき、半径WS はλ/(2×εr1/2) よりも短い方が望ましい。
【0039】
これら導体ビア35a〜35dどうしの間隔DはD<λ/(2×εr1/2) の範囲に設定されている。また間隔Dの下限は小さい程よいが、誘電体基板11に導体ビア35a、35cどうし、導体ビア35b、35dどうしを接近して形成する技術により自ら限定される。
【0040】
その他の構成は図1、図2に示したものと略同様であるので、ここではその構成の詳細な説明は省略することとする。これらグランド層22、導体ビア35a〜35d、グランド層24、導体ビア35a〜35d、グランド層23を含んでグランド電極31が構成され、これらグランド電極31と信号線電極13とを含んでコプレナ・ウェーブガイド30が構成されている。これら誘電体基板11、枠体12、コプレナ・ウェーブガイド30、蓋体、バイアス回路(共に図示せず)等を含んで実施の形態(2)に係る高周波パッケージが構成されている。
【0041】
上記説明から明らかなように、実施の形態(2)に係る高周波パッケージでは、導体ビア17の中心と導体ビア17に近接する各2個の導体ビア35a、35bとの距離をWS とし、導体ビア17に近接する導体ビア35a、35bを除く導体ビア35c、35dと信号線層14〜16との距離をWとした場合、導体ビア17を中心としてWS >Wの関係が成り立つ半径WS の円弧上に、導体ビア17に近接する導体ビア35c、35dが配置されているので、リップルの発生を防止することができると共に、導体ビア17に近接する導体ビア35a、35bにより導体ビア17を伝送する信号の反射損失をより減少させることができ、これらの結果、伝送特性をより優れたものとすることができる。
【0042】
なお、実施の形態(2)に係る高周波パッケージでは、各2個の導体ビア35a、35bがいずれも半径WS の円弧上に配置されている場合について説明したが、別の実施の形態では導体ビア35a、35bの内の1個が半径WS の円弧上に配置され、残りの導体ビア35a、35bが半径WS の円弧の外側に配置されていてもよい。
【0043】
また、実施の形態(2)に係る高周波パッケージでは、導体ビア35a、35b及び導体ビア35c、35dの直径がいずれもd2 である場合について説明したが、別の実施の形態では、導体ビア35a〜35dの直径はそれぞれ異なっていてもよい。
【0044】
また、実施の形態(2)に係る高周波パッケージでは、導体ビア17どうしの距離Lが2×T<L<λ/(εr1/2) の範囲に設定されている場合について説明したが、別の実施の形態では、距離Lはこの範囲でなくともよい。
【0045】
また、実施の形態(2)に係る高周波パッケージでは、導体ビア35c、35dと信号線層14〜16との距離WがW<λ/(4×εr1/2) の範囲に設定されている場合について説明したが、別の実施の形態では、距離Wはこの範囲でなくともよい。
【0046】
また、実施の形態(2)に係る高周波パッケージでは、導体ビア35a〜35dどうしの間隔DがD<λ/(2×εr1/2) の範囲に設定されている場合について説明したが、別の実施の形態では、間隔Dはこの範囲でなくともよい。
【0047】
【実施例及び比較例】
以下、実施例に係る高周波パッケージを用い、以下の実験条件で伝送特性及び反射特性を調査した結果について説明する。
実施例1〜4、比較例1、2に係る高周波パッケージの誘電体基板11の厚みT、比誘電率εr 、信号線層14〜16の幅w1 〜w3 、導体ビア17と信号線層14、15の端部14b、15bとの距離L0 、信号線層14〜16とグランド層22〜24とのギャップg1 〜g3 、導体ビア17及び導体ビア25a、25b(共に図2)、35a〜35d(図3)の直径d1 、d2 をそれぞれ下記の表1に示した。
【0048】
【表1】
Figure 0003996330
また、実施例1〜4、比較例1〜2に係る高周波パッケージの導体ビア25a、25bまたは導体ビア35a〜35dどうしの間隔D、信号線層14〜16と導体ビア25a、25bまたは導体ビア35c、35dとの距離W、導体ビア17間の距離L、導体ビア17と導体ビア35a、35bとの距離WS をそれぞれ下記の表2(設定値欄)に示した。
なお表2には、実施例1〜4、比較例1〜2に係る高周波パッケージごとに、誘電体基板11の厚みTと、利用しようとする高周波が70GHz(代入するときの値が80GHz)の場合の波長λとに基づき、演算した間隔D、距離W、L、WS の規定値をそれぞれ併記し、上記設定値が適合しているか否かについて○印または×印により明確にした。
【0049】
【表2】
Figure 0003996330
表2より明らかなように、実施例1のものは間隔D、実施例2のものは間隔D及び距離L、実施例3のものは間隔D及び距離W、L、実施例4のものは間隔D及び距離L、WS がそれぞれ規定値に適合している。一方、比較例1は導体ビア25a、25bが全く形成されていない(ただし、距離Lのみは規定値に適合している)もの、比較例2は導体ビア25a、25bが導体ビア17近傍における信号線層16の両側のみに形成され、信号線層14、15の両側には形成されていない(ただし、距離Lのみは規定値に適合している)ものを選んだ。
試験装置としてはネットワークアナライザを使用し、グランド・シグナル・グランドピッチが0.25mmのエアー・コプレナープローブにより、蓋体26(図2)を外した状態において実施例1〜4、比較例1〜2に係る高周波パッケージの伝送特性S21及び反射特性S11を測定した。
【0050】
図4〜図7は実施例1〜4に係る高周波パッケージのネットワークアナライザ測定結果を示したグラフであり、(a)は伝送特性、(b)は反射特性を示している。また図8、図9は比較例1、2に係る高周波パッケージのネットワークアナライザ測定結果を示したグラフであり、(a)は伝送特性、(b)は反射特性を示している。
図4より明らかなように、実施例1に係る高周波パッケージでは、距離W、Lの影響により約65GHz近傍にリップルが発生したが、例えば車載レーダ等に応用可能な72〜78GHz帯において、S21>−1.5dB、S11<−10dBという優れた伝送特性、反射特性を有していた。
また図5より明らかなように、実施例2に係る高周波パッケージでは、約72GHzまでリップルがなく、約72GHz以下において、S21>−1.3dB、S11<−10dBという優れた伝送特性、反射特性を有していた。信号線層14の幅w1 やギャップg1 を比較的小さく設定した場合でも、伝送損失が少なく、ミリ波帯の高周波信号を伝送し得ることが分かった。
また図6より明らかなように、実施例3に係る高周波パッケージでは、約90GHzまでリップルがなく、約90GHz以下において、S21>−1.7dB、S11<−9.5dBというきわめて優れた伝送特性、反射特性を有していた。
【0051】
また図7より明らかなように、実施例4に係る高周波パッケージでは、導体ビア35a、35bが導体ビア17を中心とする半径0.52mmの円弧上に形成されているので、60〜78GHz帯においてS21>−1.5dB、S11<−20dBという、実施例2の場合よりもさらに優れた伝送特性、反射特性を有するものが得られた。
【0052】
一方、導体ビア25a、25bが全く形成されていない比較例1では、図8より明らかなように、10〜11GHzごとに鋭いリップルが生じており、高周波帯域で使用するのが困難であった。
また導体ビア25a、25bが一部にしか形成されていない比較例2では、約40GHz以上において、S21が−2.5dB以下であり、ミリ波帯域で使用するのが困難であった。
【0053】
上記結果から明らかなように、実施例1〜3に係る高周波パッケージでは、信号線層14〜16を挟んでその両側に導体ビア25a、25bが所定間隔で形成されているため、伝送特性、反射特性を優れたものにすることができた。
【0054】
また実施例4に係る高周波パッケージでは、導体ビア17近傍に形成された導体ビア35a、35bと導体ビア17との距離WS が信号線層14〜16とその両側に形成された導体ビア35c、35dとの距離Wよりも大きく設定されているため、伝送特性、反射特性をより一層優れたものにすることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高周波パッケージの実施の形態(1)を模式的に示した部分断面斜視図である。
【図2】実施の形態(1)に係る高周波パッケージの主要部を拡大して示した模式図であり、(a)は図1におけるA−A線断面図、(b)は平面図、(c)は下面図である。
【図3】実施の形態(2)に係る高周波パッケージの主要部を拡大して示した模式的平面図である。
【図4】実施例1に係る高周波パッケージのネットワークアナライザ測定結果を示したグラフであり、(a)は伝送特性、(b)は反射特性を示している。
【図5】実施例2に係る高周波パッケージのネットワークアナライザ測定結果を示したグラフであり、(a)は伝送特性、(b)は反射特性を示している。
【図6】実施例3に係る高周波パッケージのネットワークアナライザ測定結果を示したグラフであり、(a)は伝送特性、(b)は反射特性を示している。
【図7】実施例4に係る高周波パッケージのネットワークアナライザ測定結果を示したグラフであり、(a)は伝送特性、(b)は反射特性を示している。
【図8】比較例1に係る高周波パッケージのネットワークアナライザ測定結果を示したグラフであり、(a)は伝送特性、(b)は反射特性を示している。
【図9】比較例2に係る高周波パッケージのネットワークアナライザ測定結果を示したグラフであり、(a)は伝送特性、(b)は反射特性を示している。
【図10】従来の高周波パッケージを示した模式図であり、(a)は側面断面図、(b)は(a)におけるA−A線断面部分の斜視図である。
【図11】従来の別の高周波パッケージの主要部を模式的に示した斜視図である。
【図12】従来のさらに別の高周波パッケージの略前半部を模式的に示した部分断面斜視図である。
【符号の説明】
10 高周波パッケージ
11 誘電体基板
11a 上面
11b 下面
12 枠体
12b 内側領域
12c 外側領域
14、15、16 信号線層
14a、15a、16a、16b 端部
17、25a、25b 導体ビア
22、23、24 グランド層
1 〜g3 ギャップ

Claims (5)

  1. 誘電体基板の一主面側に環状枠体と、該環状枠体の内外領域に前記環状枠体を挟んで対向して形成された第1及び第2の信号線層と、これら第1及び第2の信号線層の周囲にギャップを介してそれぞれ形成された第1及び第2のグランド層とを備える一方、前記誘電体基板の他主面側には第3の信号線層と、該第3の信号線層の周囲にギャップを介して形成された第3のグランド層とを備え、かつ前記第1及び第2の信号線層の各一端部と前記第3の信号線層の両端部とを接続する第1の導体ビアを備えると共に、前記第1〜第3の信号線層を挟んで、その両側に前記第1及び第2のグランド層と前記第3のグランド層とを接続する複数個の第2の導体ビアが所定間隔で形成されていることを特徴とする高周波パッケージ。
  2. 前記誘電体基板の比誘電率をεr 、前記第1〜第3の信号線層及び前記第1の導体ビアを伝播する高周波信号の空気中における波長をλとするとき、前記第2の導体ビアどうしの間隔Dが、
    D<λ/(2×εr1/2)
    の範囲に設定されていることを特徴とする請求項1記載の高周波パッケージ。
  3. 前記誘電体基板の比誘電率をεr 、前記第1〜第3の信号線層及び前記第1の導体ビアを伝播する高周波信号の空気中における波長をλとするとき、前記第1〜第3の信号線層と前記第2の導体ビアとの距離Wが、
    W<λ/(4×εr1/2)
    の範囲に設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の高周波パッケージ。
  4. 前記第1の導体ビアの中心と前記第1の導体ビアに近接する少なくとも1個の前記第2の導体ビアとの距離をWS とし、前記第1の導体ビアに近接する前記第2の導体ビアを除く第2の導体ビアと前記第1〜第3の信号線層との距離をWとした場合、前記第1の導体ビアを中心としてWS >Wの関係が成り立つ半径WS の円弧上及び/又は該円弧の外側に、前記第1の導体ビアに近接する前記第2の導体ビアが配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載の高周波パッケージ。
  5. 前記誘電体基板の比誘電率をεr 、前記第1〜第3の信号線層及び前記第1の導体ビアを伝播する高周波信号の空気中における波長をλ、前記誘電体基板の厚みをTとするとき、前記第1の導体ビア間の距離Lが、
    2×T<L<λ/(εr1/2)
    の範囲に設定されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の高周波パッケージ。
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