JP3996259B2 - ボトルの搬送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、飲料物等のボトルの搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、飲料物をボトルに充填するシステムにおいて、圧縮エアーを利用してボトルを搬送する装置が使用されている。この種の搬送装置は、ボトルをその首部から吊り下げられた状態で支持しつつ所定の搬送経路に沿って案内するネックガイドと、ボトルの胴部を案内するボディガイドとを有している。圧縮エアーはネックガイド上に突出したボトルの口部付近に吹き付けられ、それによりネックガイドに沿った方向の推進力がボトルに加えられる。この推進力によりボトルがネックガイドおよびボディガイドに沿って搬送される。ネックガイドによる首部の案内方向とボディガイドによる胴部の案内方向とは搬送ラインの全長に亘って一致している。例えばネックガイドが直線状に延びている部分ではボディガイドも直線状に延び、ネックガイドが円弧状に湾曲する部分ではボディガイドも円弧を描いて湾曲する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した搬送装置では、搬送途中にボトルがその軸線の周りに回転する。この回転の影響を考慮してボディガイドとボトルの胴部との間の隙間量を調整しないとボトルを円滑に搬送できないことがある。この傾向は特に胴部の断面が方形状のボトルを搬送する場合に顕著である。
【0004】
すなわち、図14(a)に示したように、ボディガイドGb,GbとボトルBとの隙間量δが不足する場合には、ボトルBが僅かに回転しただけでボトルBがボディガイドGb,Gbに噛み込まれて停止し、後続するボトルBが詰まって搬送が不可能となる。
【0005】
図14(b)に示すように隙間量δを大きく設定した場合には、搬送途中でボトルBが回転してもボディガイドGbに噛み込まれるおそれはない。しかしながら、ボトルBをその側面の法線方向に搬送することを前提として設計されたシステムにおいては、ボトルBが本来の搬送姿勢から大きく回転した不正な姿勢のまま搬送されると、搬送経路の下流側に設置された機械でボトルBが噛み込まれる等してシステムが停止するおそれがある。
【0006】
このようなボトルの姿勢の乱れを防ぐため、例えばボトルの胴部を一対のベルトで挟持しつつ搬送してボトルの回転そのものを阻止する装置も試みられているが、ボトルを強く拘束することになるためにボトルのへこみ等のダメージが生じ易い欠点がある。
【0007】
本発明は、断面方形状のボトルを搬送する場合において、そのボトルを側面の法線方向と搬送方向とがほぼ一致する正しい姿勢で搬送でき、回転により姿勢が乱れたボトルが導かれた場合にはその姿勢の乱れを搬送途中で修正でき、ボトルにダメージも与えない搬送装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0009】
請求項1の発明は、ボトル(B)をその首部(Bn)から吊り下げられた状態で支持しつつ所定の搬送経路に沿って案内するネックガイド(3,3)と、ネックガイド(3,3)に支持されたボトル(B)に対してネックガイド(3,3)に沿った推進力を加える送り手段(2,13,14)と、ネックガイド(3,3)に沿って搬送されるボトル(B)の胴部(Bb)を案内するボディガイド(5)とを具備し、ボディガイド(5)には、ネックガイド(3,3)から吊り下げられたボトル(B)の胴部(Bb)を当該ボトル(B)の首部(Bn)からみて搬送経路の側方に押し退ける方向変換部(5a)が設けられており、方向変換部(5a)は、胴部(Bb)が首部(Bn)の移動軌跡に対して異なる移動軌跡を描くように構成されていることを特徴とする。
【0011】
これらの発明によれば、ボトル(B)の胴部(Bb)が搬送経路の途中で側方に押し退けられてボトル(B)がその首部(Bn)を支点として左右に振れ動く(図8参照)。このような動作を与えると、不正な姿勢のまま方向変換部(5a)に導かれたボトル(B)が正しい姿勢に修正されることが確認されている。そして、特に胴部(Bb)を蛇行させた場合に姿勢の修正効果が高まることも確認されている。その理由は必ずしも明確ではないが、胴部(Bb)を左右に振ることでボトル(B)が回転し易くなり、そのような状態のボトル(B)が後続する他のボトル(B)と接触して搬送方向に押し出されると、その押出力によりボトル(B)を回転させるモーメントが発生して姿勢が修正されるものと推測される。
【0014】
請求項2の発明は、ボトル(B)をその首部(Bn)から吊り下げるように支持しつつ所定の搬送経路に沿って案内するネックガイド(3,3)と、ネックガイド(3,3)に支持されたボトル(B)に対してネックガイド(3,3)に沿った推進力を加える送り手段(2,13,14)と、ネックガイド(3,3)に沿って搬送されるボトル(B)の胴部(Bb)を案内するボディガイド(5)とを具備し、ボディガイド(5)には、搬送経路を横断する方向に位置調整可能な可動部材(23)が設けられ、可動部材(23)には、胴部(Bb)と接触する当接部(30)が設けられており、ボディガイド(5)は、胴部(Bb)が首部(Bn)の移動軌跡に対して蛇行した移動軌跡を描くように構成されていることを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、可動部材(23)の位置を調整して当接部(30)を胴部(Bb)と接触させ、それにより胴部(Bb)を搬送経路の側方に押し退けることができる。当接部(30)の位置が調整できるので、ボトル(B)の形状や搬送条件の変化に対応して当接部(30)の位置を最適に調整できる。また、ボトル(B)の胴部(Bb)が搬送経路の途中で側方に押し退けられてボトル(B)がその首部(Bn)を支点として左右に振れ動く(図8参照)。このような動作を与えると、不正な姿勢のままボディガイド(5)に導かれたボトル(B)が正しい姿勢に修正されることが確認されている。そして、特に胴部(Bb)を蛇行させた場合に姿勢の修正効果が高まることも確認されている。その理由は必ずしも明確ではないが、胴部(Bb)を左右に振ることでボトル(B)が回転し易くなり、そのような状態のボトル(B)が後続する他のボトル(B)と接触して搬送方向に押し出されると、その押出力によりボトル(B)を回転させるモーメントが発生して姿勢が修正されるものと推測される。
【0016】
請求項3の発明は、請求項2記載のボトルの搬送装置において、可動部材(23)が搬送経路に沿って複数並べて設けられていることを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、各可動部材(23)に設けられた当接部(30)の位置をそれぞれ独立して変化させることができるので、ボディガイド(5)によって規定される胴部(Bb)の案内経路(Rb)を種々の形状に変化させることができる。例えば、ボトル(B)の胴部(Bb)が搬送経路の側方に徐々に押し退けられるように各可動部材(23)の位置を調整できる。
【0018】
請求項4の発明は、請求項2記載のボトルの搬送装置において、可動部材(23)が搬送経路の両側に設けられていることを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、可動部材(23)の当接部(30)を搬送経路の左右両側からボトル(B)の胴部(Bb)に接触させて胴部(Bb)を左右に揺り動かすことができる。これにより、請求項1の発明による修正効果を高めることができる。
【0020】
請求項5の発明は、請求項2記載のボトルの搬送装置において、当接部には、ボトル(B)の胴部(Bb)と接触しつつ回転可能なローラ(30)が設けられていることを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、ローラ(30)が回転しつつ胴部(Bb)と接触するため、当接部と胴部(Bb)との間にこすれが発生せず、胴部(Bb)が傷つくおそれがない。
【0022】
請求項6の発明は、請求項5記載のボトルの搬送装置において、ローラ(30)の少なくとも外周には、弾性部材からなるボトル保護部(30)が設けられていることを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、ボトル保護部(30)の弾性によりボトル(B)の胴部(Bb)が接触したときの衝撃が和らげられ、ボトル(B)の変形や損傷が防がれる。
【0024】
請求項7の発明は、請求項2記載のボトルの搬送装置において、当接部(30)とボトル(B)との接触位置をボトル(B)の高さ方向に調整可能としたことを特徴とする。
【0025】
この発明によれば、ボトル(B)の高さや搬送条件の変化に応じて当接部(30)の高さを調整し、ボトル(B)と当接部(30)とを最適な位置で接触させることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1〜図3は本発明が適用された搬送装置を示すものである。この搬送装置1は、工場等の床面に対して所定の高さに設置されたダクト2と、そのダクト2の下面に取り付けられた一対のネックガイド3,3と、ダクト2の側面からロッド4…を介して吊り下げられた一対のボディガイド5,5とを有している。
【0027】
ダクト2は、断面方形の中空管状に形成された外筒部10と、その外筒部10の内側に配置された断面方形の中空管状の内筒部11とを有する。内筒部11の下面中央には、ダクト2の全長に亘って開口部11aが形成される。この開口部11aの両側縁にネックガイド3,3が不図示のボルト等を利用して固定される。ネックガイド3はレール状の部材であり、ダクト2の全長に亘って延びている。ネックガイド3の先端部には、ボトルB、特に首部Bnから胴部Bbへと拡大する部分との干渉を避けるための面取部3aが設けられる。
【0028】
ネックガイド3,3同士の隙間はボトルBの首部Bnの直径よりも大きくかつネックリングBrの直径よりも小さい。ボトルBの口部BmおよびネックリングBrは、ダクト2の長手方向の端部から内筒部11の内部に挿入される。内筒部11内に挿入されたネックリングBrがネックガイド3,3の上面に係止されてボトルBがダクト2から宙吊り状態で支持される。
【0029】
ダクト2の外筒部10はエアー供給装置13と接続される。エアー供給装置13は、例えばエアコンプレッサ等の空気源と、その空気源からの圧縮空気の供給および停止を切り替える空圧制御回路とを組み合せて構成される。図3から明らかなように、内筒部11の両側壁11b,11bには、エアー供給装置13から外筒部10内に導かれた圧縮エアーを内筒部11の内部に導くための複数のノズル部14…がダクト2の長手方向に適宜間隔をおいて形成されている。
【0030】
ノズル部14は、内筒部11の側壁11bを貫通する開口14aと、その開口14aの位置からダクト2の幅方向(図3の左右方向)の中心部に向かって斜めに延びた案内壁14bとを有している。図3に矢印Fで示したように、外筒部10内に供給された圧縮エアーは開口14aから案内壁14bに沿って内筒部11の内部に噴出してボトルBの口部Bmに吹き付けられる。これにより、ボトルBの口部Bmに推進力が加えられてボトルBが矢印Dcで示す搬送方向(ダクト2の長手方向に等しい。)に搬送される。なお、図3のノズル部14を設けるためには、内筒部11の側壁11bに開口14aとなるべきスリットを形成し、そのスリットから搬送方向下流側へ一定範囲の側壁11bを内筒部11の外方へ変形させて案内壁14bを形成すればよい。以上の外筒部10、エアー供給装置13およびノズル部14により、ボトルBの送り手段が構成される。エアー供給装置13から外筒部10に供給される圧縮エアーに例えば過酸化水素等の殺菌剤を混入させ、ボトルBを搬送しつつその口部Bm等を殺菌することもできる。
【0031】
図1および図2に示したように、ダクト2の外筒部10の両側壁10a,10aには、複数のブラケット15…がダクト2の長手方向に適宜間隔をおいて取り付けられる。ブラケット15にはロッド4の上端部が固定される。そして、ダクト2の長手方向に隣接する一対のロッド4,4の間にボディガイド5が取り付けられる。
【0032】
ボディガイド5は、ロッド4,4に取り付けられる一対の取付具20,20と、取付具20,20の間に掛け渡される平板状のベース21と、ボトルBの搬送方向に沿って所定のピッチで並んだ状態でベース21の下面に取り付けられる多数のローラブラケット(可動部材)23…とを有している。
【0033】
図4に示すように、取付具20には抜き孔20aが形成されている。また、取付具20の側面にはその抜き孔20aに向けてボルト24がねじ込まれている。抜き孔20aにロッド4を挿通し、ボルト24を締め付けてその先端に配置された当て金25をロッド4に押し当てることにより、取付具20がロッド4に固定される。この取付構造によれば、ボルト24を緩めて取付具20の取付位置をロッド4の長手方向に変化させ、それによりボディガイド5の位置をボトルBの高さ方向に調整できる。
【0034】
取付具20には一対の長孔20b,20bが形成されている。取付具20の下面側から長孔20bに挿入されたボルト26が、取付具20の上面に載置されたベース21にねじ込まれて取付具20とベース21とが相互に連結される。
【0035】
図4および図5に示したように、ローラブラケット23は細長い板状の部材として構成されている。ローラブラケット23の中心線上には長孔23aが設けられる。この長孔23aに挿入されるボルト27がベース21にねじ込まれてローラブラケット23がベース21の下面に取り付けられる。図5(a)に示すように、ローラブラケット23の先端(ボトルBと対向する側)には、ボルト28およびブッシュ29を介してローラ30が回転自在に取り付けられている。図1から明らかなように、ローラ30はボトルBの胴部Bbと接触してこれを案内する当接部として機能する。ローラ30は樹脂やゴム等の弾性材料にて構成される。これにより、ローラ30の全体がボトル保護部として機能する。但し、ローラ30の外周のみに弾性部材を設けてもよい。ローラ30とボトルBとが接触したときにローラ30を確実に回転させるため、ローラ30の外周面はボトルBに対して滑りを生じにくい材料で形成することが望ましい。なお、図5(b)に示したように、ブッシュ29に代えてローラベアリング31を設けてもよい。
【0036】
以上のように構成されたボディガイド5によれば、ボルト27を緩めてローラブラケット23を長孔23aの方向に移動させることにより、各ローラ30の位置をボトルBの搬送方向(図4の矢印Dc方向)と直交する方向にそれぞれ独立して変化させることができる。これにより、ボディガイド5,5間に形成されるボトルBの胴部Bbの案内経路を種々の形状に設定することができる。
【0037】
図6は波状の案内経路Rbが生じるようにローラ30…の位置を調整した例を示しており、図7はその案内経路Rbに沿ってボトルBの胴部Bbが移動する様子を示している。なお、図7ではボディガイド5,5を連続した曲線にて表現しているが、それらの曲線は図6のローラ30の外周を結んで得られるものに等しい。また、この案内経路Rbの上方に設置されたネックガイド3,3によるボトルBの首部Bnの案内経路はその中心線Lnで代表して示すように直線状に延びている。
【0038】
以上のようにローラ30の位置が設定された場合、ボディガイド5,5間の案内経路Rbに導かれたボトルBの胴部Bbがローラ30と接触して搬送方向側方に押し退けられ、その結果、案内経路Rb内の胴部Bbの移動軌跡が図7に破線Lbで示したように蛇行する。これにより、ボトルBは図8に示すように首部Bnを支点として左右に揺れ動きつつ搬送方向下流側へ送られる。このような動作を搬送途中のボトルBに与えると、仮に搬送方向上流側から不正な姿勢のボトルB(図7に破線で示す。)が送られた場合でも、そのボトルBが案内経路Rbに沿って蛇行する途中で正しい向きに修正され、ボディガイド5の下流には常に正しい姿勢のボトルBが搬送される。
【0039】
以上のように構成された搬送装置1は例えば図9に示す飲料物の無菌充填システムに使用される。この無菌充填システムは、ボトルB(図1参照)の予備成形体としてのパリソンを受け入れて整列させるパリソン搬入装置101と、そのパリソンをボトルBへと成形する成形装置102と、成形装置102にて成形されたボトルBの外観を検査する検査装置103と、ボトルBの内面にミスト化された殺菌剤を供給する殺菌剤供給装置104と、ボトルBの口部Bmに所定の内栓を打ち込む打栓装置105と、内栓が打ち込まれたボトルBを所定時間高温に保持する高温保持装置106と、ボトルBを貯蔵するアキューム装置107と、アキューム装置107から取り出されたボトルBに所定の飲料物を充填する充填装置108とを有している。充填装置108は無菌チャンバC1にて覆われ、その他の装置101〜107はすべてクリーンルームC2に設置される。
【0040】
上述したシステムにおいては、成形装置102から充填装置108までが所定の搬送ライン109a,109b,109c,109d,109e,109fにて結ばれる。これら搬送ライン109a〜109fには、圧縮エアーを利用した搬送装置や、スクリューコンベアを利用した搬送装置等を適宜使い分けて設置してよいが、例えば成形装置102と検査装置103とを結ぶ搬送ライン109aを搬送装置1にて構成し、特に検査装置103の直前に上述したボディガイド5,5を設置してボトルBを常に正しい姿勢で検査装置103に導くとよい。充填装置108に通じる搬送ライン109fを搬送装置1にて構成し、充填装置108の直前にボディガイド5,5を設置してもよい。
【0041】
図6の設定例では、搬送方向下流側へ向かうほどローラ30…が徐々に突出する部分が方向変換部5aとして機能する。但しローラ30の配置は図6の設定例に限定されず、種々変更できる。ローラ30の配置に関する変形例を図10および図11に示す。なお、各図において首部の移動経路はその中心線Lnで代表して示している。
【0042】
図10(a)は案内経路Rbの幅が搬送方向下流側へ向かうほど狭くなる幅変更部5b,5bが生じるように各ローラ30…の位置を調整した例である。この例では、案内経路Rbの幅が狭まる過程でボトルの姿勢が徐々に揃えられ、幅変更部5bの終端までにすべてのボトルの姿勢が揃う。
【0043】
図10(b)および図10(c)はそれぞれ案内経路Rbの幅を変化させるとともに、左右のボディガイド5,5のローラ30,30を首部の移動軌跡Lnに対して非対称に配置して方向変換部5aと幅変更部5bとを同時に形成した例である。
【0044】
図11はローラ30をボトルの搬送経路の片側のみに設けた例を示しており、図11(a)は図10(a)の下側のローラ30の配置と、図11(b)は図10(b)の下側のローラ30の配置と、図11(c)は図10(c)の下側のローラ30の配置とそれぞれ共通する。これらの例では、反対側に首部の移動軌跡Lnと平行に延びるボディガイド5′を設置してもよいし、ボディガイドを省略してもよい。
【0045】
図12はボトルBの搬送経路の両側にそれぞれ複数(図では2つ)のボディガイド5…を設け、ローラ30を高さ方向に関して複数の点でボトルBと接触させた例である。この場合、各ボディガイド5の位置は、他のボディガイド5の影響を受けることなく独立して調整可能である。
【0046】
方向変換部5aや幅変更部5bの最適形状は、使用されるボトルの大きさや搬送条件に応じて変化することがあり、その変化に合せてローラ30の位置を適宜調整することが望ましい。但し、使用するボトルが一定でかつ搬送条件も常に一定の場合には方向変換部や幅変更部を一定形状に固定でき、それらの形状を調整可能とするまでもない。
【0047】
以上の実施形態では、多数のローラ30を搬送方向に並べて案内経路Rbを規定したが、ローラ30に代え、樹脂やアルミニウム等の曲げ変形可能な柔軟性を有する材料にて構成された棒材や板材等にて案内経路を規定し、その棒材を適宜曲げ変形させて方向変換部や幅変更部を形成してもよい。ローラ30に代えてブラシを設けてもよい。ボトルの胴部にその搬送経路を横断する方向から圧縮エアーを吹き付けて胴部を首部の側方に押し退けることもできる。
【0048】
図13は上述したボディガイド5とは別に、ボトルBの搬送経路と平行に延びるストッパ板40を設置し、これをエアーシリンダ等のアクチュエータ41のロッド41aと接続して搬送経路と直交する方向に往復させる例である。この例では、ストッパ板40を前進させることにより、姿勢の乱れたボトルBの胴部Bbとストッパ板40とを接触させて胴部Bbを搬送経路の側方に押し退け、それによりボトルBの姿勢を正しい向きに修正することができる。
【0049】
【発明の効果】
以上に説明したように、請求項1の発明によれば、首部から吊り下げられた状態で搬送されるボトルの胴部をボディガイドの方向変換部に導くことにより、当該胴部を首部に対して異なる方向に運動させることができるので、断面方形状のボトルを搬送する場合において、不正な姿勢で搬送されるボトルをその搬送途中で正しい姿勢に修正できる。これにより、搬送装置の下流に設置される各種の作業機や検査機等に対して常に正しい姿勢でボトルを提供でき、ボトルの詰まりによる充填システムの停止等を未然に防止できる。また、ボトルを拘束してその向きを強制的に変更するのではなく、ボトルがそれに加わる推進力や後続するボトルからの圧力によって自ら正しい姿勢に回転するきっかけとなるようにボトルの胴部を搬送方向の側方に変位させているので、ボトルのへこみや損傷が生じるおそれが小さく、搬送に起因する不良ボトルの発生率を低下させることができる。さらに、連続して搬送されるボトルを一本ずつ停止させてその向きを修正する必要もなく、そのような停止が必要な搬送装置と比較して搬送効率を大きく向上させることができる。
【0050】
また、請求項2〜7の発明によれば、可動部材の当接部の位置を調整することにより、ボトルの形状や搬送条件に応じた最適な形状の方向修正部や幅変更部をボディガイド上に形成して請求項1〜3の搬送装置を実現できる。特に請求項3の発明によれば、ボディガイドによって規定される胴部の案内経路を種々の形状に変化させることができ、請求項4の発明によれば、搬送経路の両側からボトルの胴部を揺り動かして請求項2の発明の効果を高めることができる。さらに、請求項5の発明によれば、当接部と胴部との間のこすれをなくして胴部が傷つくおそれを解消でき、請求項6の発明によればボトルの胴部が接触したときの衝撃を和らげてボトルの変形や損傷を防止できる。請求項7の発明によれば、ボトルと当接部とを最適な位置で接触させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された搬送装置の搬送方向と直交する方向の断面図。
【図2】図1の搬送装置の側面図。
【図3】図1のダクトのIII−III線に沿った断面図。
【図4】図1のボディガイドとロッドとの連結部分を図1の矢印IV方向みた状態を示す図。
【図5】図4のV−V線に沿った断面図。
【図6】図1の搬送装置において、波状の案内経路が生じるようにローラを設定した例を示す図。
【図7】図6の案内経路をボトルの胴部が移動する様子を模式的に示す図。
【図8】図6の案内経路を移動するボトルをその搬送方向からみた状態を示す図。
【図9】図1の搬送装置が適用される充填システムの概略構成を示す斜視図。
【図10】図6の変形例を示す図。
【図11】図6のさらに他の変形例を示す図。
【図12】図1の搬送装置において、搬送経路の片側に複数のボディガイドを設置した例を示す図。
【図13】搬送経路と直交する方向に前進および後退可能なストッパにより、ボトルの姿勢を修正する例を示す図。
【図14】従来の搬送装置の問題点を示す図。
【符号の説明】
1 搬送装置
2 ダクト
3 ネックガイド
4 ロッド
5 ボディガイド
5a 方向変換部
5b 幅変更部
13 エアー供給装置
14 ノズル部
20 取付具
21 ベース
23 ローラブラケット(可動部材)
29 ブッシュ
30 ローラ(ボトル保護部)
31 ローラベアリング
40 ストッパ板
41 アクチュエータ
B ボトル
Bb 胴部
Bm 口部
Bn 首部
Br ネックリング
Claims (7)
- ボトルをその首部から吊り下げられた状態で支持しつつ所定の搬送経路に沿って案内するネックガイドと、前記ネックガイドに支持された前記ボトルに対して前記ネックガイドに沿った推進力を加える送り手段と、前記ネックガイドに沿って搬送されるボトルの胴部を案内するボディガイドとを具備し、前記ボディガイドには、前記ネックガイドから吊り下げられた前記ボトルの前記胴部を当該ボトルの前記首部からみて前記搬送経路の側方に押し退ける方向変換部が設けられており、
前記方向変換部は、前記前記胴部が前記首部の移動軌跡に対して異なる移動軌跡を描くように構成されていることを特徴とするボトルの搬送装置。 - ボトルをその首部から吊り下げるように支持しつつ所定の搬送経路に沿って案内するネックガイドと、前記ネックガイドに支持された前記ボトルに対して前記ネックガイドに沿った推進力を加える送り手段と、前記ネックガイドに沿って搬送されるボトルの胴部を案内するボディガイドとを具備し、前記ボディガイドには、前記搬送経路を横断する方向に位置調整可能な可動部材が設けられ、前記可動部材には、前記胴部と接触する当接部が設けられており、
前記ボディガイドは、前記胴部が前記首部の移動軌跡に対して蛇行した移動軌跡を描くように構成されていることを特徴とするボトルの搬送装置。 - 前記可動部材が前記搬送経路に沿って複数並べて設けられていることを特徴とする請求項2記載のボトルの搬送装置。
- 前記可動部材が前記搬送経路の両側に設けられていることを特徴とする請求項2記載のボトルの搬送装置。
- 前記当接部には、前記ボトルの前記胴部と接触しつつ回転可能なローラが設けられていることを特徴とする請求項2記載のボトルの搬送装置。
- 前記ローラの少なくとも外周には、弾性部材からなるボトル保護部が設けられていることを特徴とする請求項5記載のボトルの搬送装置。
- 前記当接部と前記ボトルとの接触位置を前記ボトルの高さ方向に調整可能としたことを特徴とする請求項2記載のボトルの搬送装置。
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