JP3995445B2 - 台所用液体洗浄剤組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、台所用液体洗浄剤組成物に関し、更に詳しくは、泡立ちが良く、低温安定性に優れ、しかも洗浄時の手肌感触に優れた台所用液体洗浄剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、各種の食器、調理具や、住居用に用いられているガラス・陶器などの硬表面を洗浄するための洗浄剤としては、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤などが適宜組み合わされて使用されている。
【0003】
これらの洗浄剤は、優れた洗浄性能を有するものとして市販されているが、アニオン界面活性剤を高濃度に配合しているために、洗浄時のぬるつきが起きやすくなってきている。また、洗浄時にぬるつきがあると、使用時に滑りやすく洗いにくいばかりか、洗浄後の手肌への残存感があり、洗浄後のすすぎに大量の水を使用することとなり、作業性や経済性の点で問題となる。
【0004】
そこで、従来から手の感触を向上させた洗浄剤組成物としては、例えば、ノニオン界面活性剤を多量に配合したもの(特開平2−60999号公報)等が提案されているが、高濃度系における低温安定性が保証されていないこと、ノニオン性界面活性剤を多量に配合するため、アニオン界面活性剤が少なくなり泡立ち性が不足すること等の課題を有するものであった。このため、手の感触を向上させる組成物の開発が強く要望されている。
【0005】
一方、特開2000−144181号公報では、手の感触を向上させるため、芳香族カルボン酸を配合し、酸解離度を5〜95%の範囲になるように調整することにより、その目的を達成しているが、本願発明に用いるポリオキシエチレン脂肪酸アミドの配合は考慮されておらず、本願発明とは技術思想が相違するものである。
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、泡立ちが良く、低温保存時の液安定性に優れ、しかも洗浄時の手肌の感触に優れた台所用液体洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記従来の課題等を解決するために鋭意検討した結果、ポリオキシアルキレン脂肪酸アミド、芳香族カルボン酸を特定の比率で配合することにより、上記目的の台所用液体洗浄剤組成物が得られることを見い出し、本発明を感性するに至ったのである。
すなわち、本発明の台所用液体洗浄剤組成物は、(a)下記一般式(I)で表されるポリオキシエチレン脂肪酸アミド0.1〜30質量%、(b)芳香族カルボン酸又はその塩0.1〜10質量%、(c)アミンオキシド型界面活性剤0.5〜10質量%を含有し、(a):(b)の質量比が1:1〜10:1であり、かつ、(a)のポリオキシエチレン脂肪酸アミドを構成するオキシエチレン基として、
オキシエチレン基1モル :10〜40質量%
オキシエチレン基2モル :20〜50質量%
オキシエチレン基3モル :10〜35質量%
オキシエチレン基4モル : 0〜20質量%
オキシエチレン基5モル以上 : 10質量%未満
からなるポリオキシエチレン脂肪酸アミドを含有することを特徴とする。
【化2】
Figure 0003995445
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、以下において、「%」は質量%を意味する。
本発明の台所用液体洗浄剤組成物(以下、「液体洗浄剤組成物」という)は、(a)下記一般式(I)で表されるポリオキシエチレン脂肪酸アミド0.1〜30質量%、(b)芳香族カルボン酸又はその塩0.1〜10質量%、(c)アミンオキシド型界面活性剤0.5〜10質量%を含有し、(a):(b)の質量比が1:1〜10:1であり、かつ、(a)のポリオキシエチレン脂肪酸アミドを構成するオキシエチレン基として、
オキシエチレン基1モル :10〜40質量%
オキシエチレン基2モル :20〜50質量%
オキシエチレン基3モル :10〜35質量%
オキシエチレン基4モル : 0〜20質量%
オキシエチレン基5モル以上 : 10質量%未満
からなるポリオキシエチレン脂肪酸アミドを含有することを特徴とするものである。
【化3】
Figure 0003995445
【0009】
本発明に用いる(a)成分のポリオキシエチレン脂肪酸アミドは、下記一般式(I)で表わされるものが用いられる。
【化3】
Figure 0003995445
本発明に用いられるポリオキシエチレン脂肪酸アミドの脂肪酸残基は、炭素原子数6〜22の直鎖もしくは分岐鎖の飽和または不飽和の脂肪酸残基であり、例えば、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、パーム核油脂肪酸などが挙げられ、これらは単一または2種以上の混合物でも良い。これらの中でも、高い洗浄性能を発揮する点で、ラウリン酸またはヤシ油脂肪酸が好ましい。
【0010】
本発明における上記一般式(I)において、高い洗浄性能を発揮する点で、オキシエチレン基に限定したものである。また、本発明において、上記一般式(I)におけるnは平均で1〜4の数であり、高い泡性能を発揮する点で3以下であることが好ましい。
【0011】
本発明で用いられるポリオキシエチレン脂肪酸アミドを構成するオキシエチレン基は、
オキシエチレン基1モル :10〜40%
オキシエチレン基2モル :20〜50%
オキシエチレン基3モル :10〜35%
オキシエチレン基4モル : 0〜20%
オキシエチレン基5モル以上 : 10%未満
から成る分布範囲である。
このオキシエチレン基の分布が上記範囲外であると、洗浄性能または低温保存時の液安定性が損なわれることがあるため、好ましくない。
このオキシエチレン基が上記範囲に入るようなポリオキシエチレン脂肪酸アミドの製造法は、特に限定されず、例えば、脂肪酸メチルにモノエタノールアミン、ナトリウムメトキシドを加えて減圧下、80℃でアミド化した後、エチレンオキシドを加えて、90℃で付加反応させる手法などが挙げられる。
【0012】
本発明に用いる上記(a)成分のポリオキシエチレン脂肪酸アミドの含有量は、液体洗浄剤組成物全量に対して、0.1〜30%、好ましくは、1〜20%とすることが望ましい。
この(a)成分の含有量が0.1%未満では、十分な泡性能を発揮できず、また、30%を超えると、長期保存安定性に優れた洗浄剤組成物の製造が困難となる。
【0013】
本発明に用いる(b)成分の芳香族カルボン酸又はその塩としては、例えば、下記一般式(II)で表わされるもの又はその塩が挙げられる。
【化2】
Figure 0003995445
これらの上記一般式(II)で表わされる芳香族カルボン酸又はその塩としては、例えば、安息香酸、サリチル酸、トルイル酸、ジメチル安息香酸、エチル安息香酸、ジヒドロキシ安息香酸などが挙げられ、また、これらの塩(Na塩、K塩、Mg塩、Ca塩、アンモニウム塩)などが挙げられる。
【0014】
本発明に用いる(b)成分の含有量は、液体洗浄剤組成物全量に対して、0.1〜10%、好ましくは、0.5〜5%とすることが望ましい。
この(b)成分の含有量が0.1%未満では、低温安定性や手肌への感触が不十分であり、また、10%を越えると、液体洗浄剤組成物を安定に配合することが難しいこととなる。
【0015】
本発明においては、上記(a)成分のポリオキシエチレン脂肪酸アミドと上記(b)成分の芳香族カルボン酸の質量比は、10:1〜1:1とすることが必要であり、好ましくは、10:1〜2:1とすることが望ましい。
上記(a)成分のポリオキシエチレン脂肪酸アミドが(b)成分の芳香族カルボン酸より10倍を越えて配合されると、手肌の感触が不十分となり、また、等量未満では、泡性能が劣化するため、好ましくない。
【0016】
本発明の液体洗浄剤組成物には、更に、(c)成分として、アミンオキシド型界面活性剤を含有せしめることが好ましい。
本発明に用いることができる(c)成分のアミンオキシド型界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミンオキシド、ラウロイルアミドプロピルジメチルアミンオキシドなどが挙げられる。
この(c)成分のアミンオキシド型界面活性剤は、主に、洗浄性能の向上、洗浄剤による手荒れ防止目的で使用するものであり、液体洗浄剤組成物全量に対して、0.5〜10%含有されることが好ましく、更に好ましくは、1〜5%とすることが望ましい。
この(c)成分の含有量が0.5%未満であると、アミンオキシド型界面活性剤配合の効果が発揮されず、また、10%を越えて含有しても、効果は変わらず、コスト的に不経済となる。
【0017】
本発明の液体洗浄剤組成物には、更に、従来から使用されてきたアニオン界面活性剤や、非イオン界面活性剤や、両性界面活性剤、更にはその他の界面活性作用を有する化合物を本発明の効果を損なわない範囲で任意に組み合わせて使用して良い。
これらの中でも、好ましい界面活性作用を有する物質としてアニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、及び両性界面活性剤を挙げることができる。
【0018】
好ましい混合可能なアニオン界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩、石鹸、アミドエーテルカルボン酸塩、スルホコハク酸塩、アミノ酸系アニオン界面活性剤などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0019】
また、好ましい混合可能な非イオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド、脂肪酸グリコシドエステル、脂肪酸メチルグリコシドエステル、アルキルメチルグルカミド、アルキルアミンオキシドなどが一例として挙げられる。
【0020】
更に、好ましく配合可能な両性界面活性剤の例としては、例えば、アルキルベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルアミドベタイン、イミダゾリニウムベタイン、N−アルキルアミノ酸などが挙げられる。
【0021】
これらの界面活性剤は、単独で或いは適当な2種以上の組み合わせで配合可能である。
これらの界面活性剤は、好ましくは合計量で液体洗浄剤組成物全量に対して、10〜60%の範囲で使用することが望ましい。これらの合計配合量が、10%未満であると、十分な洗浄性能が得られず、60%を越えると、長期保存時に沈殿などを生じやすいため、好ましくない。
【0022】
また、本発明の液体洗浄剤組成物には、従来から使用されてきた他の添加物を本発明の効果を損なわない範囲で任意に組み合わせて配合してもよい。
配合可能な好ましい添加成分としては、例えば、グリコール酸、クエン酸、EDTA等の金属キレート剤、マグネシウム塩やカルシウム塩等の無機塩、低級アルコールやプロピレングリコール等の液体溶剤、BHT、アスコルビン酸等の酸化防止剤、芳香族スルホン酸などの液性調整剤、硫酸亜鉛、ポリリジン等の殺菌剤、天然多糖類や粘度鉱物等の粘度調整剤、着色剤、消炎剤、植物抽出物、酵素等の薬効成分、pH調整剤、香料、香料用溶剤、香料安定化剤などの通常用いられる物質が挙げられる。また、溶媒として通常は水(精製水、イオン交換水、純水等)が使用される。
本発明の液体洗浄剤組成物の粘度としては、25℃において、通常、30〜600mPa・s、好ましくは50〜400mPa・sの範囲に調整される。
また、本発明の液体洗浄剤組成物は、使用性、手肌への刺激性の点等からpH(原液)をpH調整剤等により、5.0〜8.0にすることが好ましい。
【0023】
香料として使用される香料原料のリストは、様々な文献、例えば「Perfume and Flavor Chemicals 」,Vol.I and II,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)および「合成香料 化学と商品知識」、印藤元一著、化学工業日報社(1996)および「Perfume and Flavor Materials of Natural Origin 」,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)および「香りの百科」、日本香料協会編、朝倉書店(1989)および「Perfumery Material Performance V.3.3」,Boelens Aroma Chemical Information Service(1996)および「Flower oils and Floral CompoundsIn Perfumery」,Danute Lajaujis Anonis,Allured Pub.Co.(1993)等で見られ、それぞれを引用することにより本明細書の開示の一部とされる。
【0024】
香料用溶剤としては、例えば、エタノール、アセチン(トリアセチン)、MMBアセテート(3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート)、エチレングリコールジブチレート、ヘキシレングリコール、ジブチルセバケート、デルチールエキストラ(イソプロピルミリステート)、メチルカルビトール(ジエチレングリコールモノメチルエーテル)、カルビトール(ジエチレングリコールモノエチルエーテル)、TEG(トリエチレングリコール)、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、フタル酸ジエチル、トリプロピレングリコール、アボリン(ジメチルフタレート)、デルチルプライム(イソプロピルパルミテート)、ジプロピレングリコールDPG−FC(ジプロピレングリコール)、ファルネセン、ジオクチルアジペート、トリブチリン(グリセリルトリブタノエート)、ヒドロライト−5(1,2−ペンタンジオール)、プロピレングリコールジアセテート、セチルアセテート(ヘキサデシルアセテート)、エチルアビエテート、アバリン(メチルアビエテート)、シトロフレックスA−2(アセチルトリエチルシトレート)、シトロフレックスA−4(トリブチルアセチルシトレート)、シトロフレックスNo.2(トリエチルシトレート)、シトロフレックスNo.4(トリブチルシトレート)、ドゥラフィックス(メチルジヒドロアビエテート)、MITD(イソトリデシルミリステート)、ポリリモネン(リモネンポリマー)、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等が挙げられる。
これら香料用溶剤は、香料組成物中に0.1〜99%配合されるが、好ましくは、0.1〜10%配合される。
【0025】
また、香料安定化剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ビタミンEとその誘導体、カテキン化合物、フラボノイド化合物、ポリフェノール化合物等が挙げられ、香料組成中に0.0001〜10%配合されるが、好ましくは、0.001〜5%配合される。これらの中で、好ましい安定化剤としては、ジブチルヒドロキシトルエンである。
本発明において、香料組成物とは、前記の香料成分、溶剤、香料安定化剤等からなる混合物である。本発明の液体洗浄剤組成物には、香料組成物が0.0001〜15%配合されるが、好ましくは、0.001〜10%配合される。
【0026】
本発明の液体洗浄剤組成物は、容器口部にキャップが装着され、該キャップの天面部に内外を貫く所定長さの注出口が形成されており、かつ容器本体の胴部を0.5〜1.5Kg/cm2/秒の力で押圧した時に、キャップ天面部の注出口から1回当たり0.1〜4.5g、より好ましくは0.1〜3.5gの内容液が排出されるように肉厚を設定した容器に収容された液体洗浄剤製品とすることが好ましい。
【0027】
なお、前記注出口内部側の液流入面積は12〜100mm2、該注出口外部側の最小穴口径は1.5〜4.0mmφの範囲とすることが好ましい。液流入面積が12mm2よりも小さい場合は内溶液の排出量が少なくなり過ぎ、100mm2を超える場合には、内溶液が一度に大量に出過ぎるおそれがある。
また、注出口外部側の最小穴口径が1.5mmφよりも小さい場合は1回当たりの排出量が少なく、使用性が悪くなり、4.0mmφを超える場合には排出される液体洗浄剤の流量が多過ぎ、量のコントロールが難しいこととなる。
【0028】
このように構成される本発明では、(a)上記一般式(I)で表されるポリオキシエチレン脂肪酸アミド0.1〜30質量%、(b)芳香族カルボン酸又はその塩0.1〜10質量%、(c)アミンオキシド型界面活性剤0.5〜10質量%とを含有し、上記(a):(b)の質量比が1:1〜10:1であり、かつ、上記(a)成分のポリオキシエチレン脂肪酸アミドを構成するオキシエチレン基として、上記分布範囲のポリオキシエチレン脂肪酸アミドを用いることにより、初めて、泡立ちが良く、低温保存時の液安定性に優れ、しかも洗浄時の手肌の感触に優れた台所用液体洗浄剤組成物が得られることとなる。
【0029】
【実施例】
次に、本発明を実施例及び比較例により、更に詳述するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0030】
〔実施例1〜4及び比較例1〜4〕
下記表1に示す各組成の液体洗浄剤組成物(全量100%)を調製した。
得られた各液体洗浄剤組成物について、下記評価方法により、泡性能(起泡力、泡質)、低温保存時の液安定性、及び手肌への感触の評価を行った。具体的な組成物の組成、その含有量及び各評価結果を下記表1に示す。
なお、香料組成物は、下記表2〜9に記載の組成となる香料組成物Aを用いた。また、各実施例及び各比較例に使用したポリオキシアルキレン脂肪酸アミドは脂肪酸のアルキル鎖長が12、オキシアルキレン基としてオキシエチレン基(平均付加モル数は約2)であるものを使用した。また、ポリオキシアルキレン基の分布は下記のとおりであった。
オキシアルキレン基1モル :19%
オキシアルキレン基2モル :38%
オキシアルキレン基3モル :30%
オキシアルキレン基4モル :10%
オキシアルキレン基5モル以上 : 3%
【0031】
〔起泡力の評価方法〕
スポンジ(スリーエム社製、スコッチブライト)に5%洗浄剤溶液40gを染み込ませ、片手で10回から20回握り、泡を立てる。もう片方の手に1枚当たり0.5gのバターを塗布した直径20cmの陶器皿を持ち、上記のスポンジで10回擦り洗いをする。擦り洗いの皿に泡が残らなくなるまでの皿の枚数を起泡力とした。
【0032】
〔泡質の評価方法〕
洗浄剤組成物5%を含む水溶液を調整し、その20gをスポンジに含ませ連続して10回圧縮して泡立てた。その後0.5gのバターを塗布した皿の表面を10回、裏面を5回スポンジでこすり洗いした時の泡の量と感触について、下記評価基準により官能評価を行い、泡質とした。
評価基準:
○:発生した泡の量が充分であり、しかもキメ細やかでクリーミーな感じの泡
×:発生した泡の量が不充分または、キメもが粗く水っぽい泡
【0033】
〔手肌への感触の評価方法〕
スポンジ(スリーエム社製、スコッチブライト)に5%洗浄剤溶液40gをしみこませ、片手で10回から20回握り、泡を立てる。もう片方の手に直径20cmの陶器皿を持ち、上記のスポンジで10回擦り洗いをする。その後洗面器にはった3リットルの水道水中で、上記の泡のついた皿、スポンジをすすぐ。その際に両方の手で泡・すすぎ液の感触を見て、以下の評価基準でパネラー10名以上の平均値として示した。
評価基準:
1点:著しくぬるつく
2点:1点よりは良いが著しくぬるつく
3点:ぬるつく
4点:3点よりは少ないが、ぬるつく
5点:ぬるつきがない
【0034】
〔低温保存時の液安定性の評価方法〕
各液体洗浄剤組成物100gをガラスビンに密閉し、−5℃で1ヶ月間静置したときの外観の変化を下記評価基準にて評価した。
評価基準:
○:沈殿、液分離を生じない
×:沈殿または液の分離が生じる
【0035】
【表1】
Figure 0003995445
【0036】
【表2】
Figure 0003995445
【0037】
【表3】
Figure 0003995445
【0038】
【表4】
Figure 0003995445
【0039】
【表5】
Figure 0003995445
【0040】
【表6】
Figure 0003995445
【0041】
【表7】
Figure 0003995445
【0042】
【表8】
Figure 0003995445
【0043】
【表9】
Figure 0003995445
【0044】
上記表1等の結果から明らかなように、本発明範囲となる実施例1〜4は、本発明の範囲外となる比較例1〜4に較べて、泡性能(起泡力、泡質)、低温保存時の液安定性及び手肌への感触に優れていることが判明した。
具体的に実施例を見ると、実施例1は、(a)成分のC12ポリオキシエチレン脂肪酸アミドと(b)成分の安息香酸ナトリウムを含有し、(a):(b)の質量比が5:2であり、実施例2〜4は実施例1と同様の(a)及び(b)成分を含有し、その質量比が順次、8:5、1:1、10:1であり、これらの場合は目的の泡性能(起泡力、泡質)、低温保存時の液安定性及び手肌への感触に優れていることが判る。
これに対して、比較例1は、(a)成分のポリオキシアルキレン脂肪酸アミドを含有しない場合であり、比較例2は、(b)成分の芳香族カルボン酸又はその塩を含有しない場合であり、比較例3は、(a):(b)の質量比が3:5となる場合であり、比較例4は、(a):(b)の質量比が30:1となる場合であり、これらの場合は、目的の優れた泡性能(起泡力、泡質)、低温保存時の液安定性及び手肌への感触に優れることの全ての要件を充足できないことが判る。
従って、以上の結果を考察すると、(a)上記一般式(I)で表されるポリオキシエチレン脂肪酸アミド0.1〜30質量%、(b)芳香族カルボン酸又はその塩0.1〜10質量%、(c)アミンオキシド型界面活性剤0.5〜10質量%を含有し、上記(a)成分:(b)成分の質量比を1:1〜10:1とし、かつ、(a)のポリオキシエチレン脂肪酸アミドを構成するオキシエチレン基を上記分布範囲とするものを用いることにより、初めて、泡性能(起泡力、泡質)が良く、低温保存時の液安定性に優れ、しかも洗浄時の手肌の感触に優れた液体洗浄剤組成物となることが判明した。
【0045】
〔実施例5〜11〕
次に、本発明の液体洗浄剤組成物を各種の用途に応じて配合した実施例を以下に示す。
(実施例5)
以下に示す組成のマイルドタイプの台所用洗剤を製造した。香料組成物には上記表2〜9記載の香料組成物Bを使用した。この台所用洗剤の起泡力、泡質、低温保存時の液安定性、手肌への感触については、上記各評価方法に沿って評価したところ非常に優れていた〔起泡力12、泡質○、低温保存時の液安定性○、手肌への感触4.9〕。
なお、実施例5〜11の香気安定性を確認するため、使用した容器は200mL容量で、検討した材質は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリエチレン/ナイロン複合素材、ナイロン/ポリプロピレン/アルミ/ポリエチレン複合素材、ポリエチレンテレフタレート/アルミ/ナイロン/ポリエチレン複合素材であったが、いずれも香気は正常であった。
【0046】
(台所用洗剤成分)
ポリオキシエチレン脂肪酸アミド 10.0%
C12ポリオキシエチレンアルキル硫酸Na(n=3) 2.0%
直鎖アルキル(C11〜14)ベンゼンスルホン酸Na 2.0%
C12アルキルジメチルアミンオキシド 1.0%
椰子油脂肪酸アミドプロピルベタイン 5.0%
C12ポリオキシエチレンアルキルエーテル(n=15) 10.0%
ポリエチレングリコール(重量平均分子量1000) 2.0%
エタノール 5.0%
安息香酸Na塩 5.0%
キシレンスルホン酸 中和量
クエン酸ナトリウム 1.0%
黄色203号 1.2ppm
香料組成物B 0.1%
精製水 残部
pH(原液) 6.5
【0047】
(実施例6)
以下に示す組成の弱酸マイルドタイプの台所用洗剤を製造した。香料組成物には上記表2〜9記載の香料組成物Aを使用した。この台所用洗剤の起泡力、泡質、低温保存時の液安定性、手肌への感触については、上記各評価方法に沿って評価したところ非常に優れていた〔起泡力12、泡質○、低温保存時の液安定性○、手肌への感触4.9〕。
(台所用洗剤成分)
ポリオキシエチレン脂肪酸アミド 8.0%
C12アルキル硫酸Na 1.0%
C12ポリオキシエチレンアルキル硫酸Na(n=3) 7.0%
α−オレフィン(C14)スルホン酸Na塩 2.0%
C12アルキルジメチルアミンオキシド 2.0%
ポリオキシエチレン(15)ラウリルエーテル 10.0%
ポリエチレングリコール(重量平均分子量1000) 2.0%
エタノール 7.0%
安息香酸Na塩 5.0%
パラトルエンスルホン酸 中和量
クエン酸ナトリウム 1.0%
黄色203号 1.2ppm
香料組成物A 0.1%
精製水 残部
pH(原液) 5.5
【0048】
(実施例7)
以下に示す組成の台所用洗剤を製造した。香料組成物には上記表2〜9記載の香料組成物Aを使用した。この台所用洗剤の起泡力、泡質、低温保存時の液安定性、手肌への感触については、上記各評価方法に沿って評価したところ非常に優れていた〔起泡力13、泡質○、低温保存時の液安定性○、手肌への感触4.6〕。
(台所用洗剤成分)
ポリオキシアルキレン脂肪酸アミド 3.0%
C12アルキル硫酸Na 4.0%
C12ポリオキシエチレンアルキル硫酸Na(n=3) 2.0%
α−オレフィン(C14)スルホン酸Na塩 8.0%
C12ジメチルアミンオキシド 6.0%
ポリエチレングリコール(重量平均分子量1000) 3.0%
エタノール 4.0%
安息香酸Na塩 2.0%
パラトルエンスルホン酸 中和量
クエン酸ナトリウム 1.0%
香料組成物A 0.1%
精製水 残部
pH(原液) 6.5
【0049】
(実施例8)
以下に示す組成の台所用洗剤を製造した。香料組成物には上記表2〜9記載の香料組成物Bを使用した。この台所用洗剤の起泡力、泡質、低温保存時の液安定性、手肌への感触については、上記各評価方法に沿って評価したところ非常に優れていた〔起泡力13、泡質○、低温保存時の液安定性○、手肌への感触4.5〕。
(台所用洗剤成分)
ポリオキシアルキレン(2)脂肪酸アミド 3.0%
C12アルキル硫酸Na 4.0%
C12ポリオキシエチレンアルキル硫酸Na(n=4) 15.0%
C12ジメチルアミンオキシド 9.0%
ポリオキシエチレン(10)ラウリルエーテル 4.0%
ポリエチレングリコール(重量平均分子量1000) 4.0%
C12アルキルポリグルコシド 4.0%
エタノール 5.0%
安息香酸Na塩 3.0%
パラトルエンスルホン酸 中和量
クエン酸ナトリウム 1.0%
黄色203号 1.2ppm
香料組成物B 0.1%
精製水 残部
pH(原液) 6.0
【0050】
(実施例9)
以下に示す組成の台所用洗剤を製造した。香料組成物には上記表2〜9記載の香料組成物Bを使用した。この台所用洗剤の起泡力、泡質、低温保存時の液安定性、手肌への感触については、上記各評価方法に沿って評価したところ非常に優れていた〔起泡力13、泡質○、低温保存時の液安定性○、手肌への感触4.4〕。
(台所用洗剤成分)
ポリオキシアルキレン脂肪酸アミド 3.0%
C12アルキル硫酸Na 14.0%
C12ポリオキシエチレンアルキル硫酸Na(n=2) 12.0%
C12ジメチルアミンオキシド 6.0%
ポリオキシエチレン(10)ラウリルエーテル 4.0%
安息香酸Na塩 3.0%
クメンスルホン酸 中和量
クエン酸ナトリウム 3.0%
香料組成物B 0.2%
精製水 残部
pH(原液) 6.8
【0051】
(実施例10)
以下に示す組成のジェルタイプの台所用洗剤を製造した。香料組成物には上記表2〜9記載の香料組成物Bを使用した。この台所用洗剤の起泡力、泡質、低温保存時の液安定性、手肌への感触については、上記各評価方法に沿って評価したところ非常に優れていた〔起泡力14、泡質○、低温保存時の液安定性○、手肌への感触4.5〕。
(台所用洗剤成分)
ポリオキシアルキレン脂肪酸アミド 4.5%
C12アルキル硫酸Na 13.0%
C12ポリオキシエチレンアルキル硫酸Na(n=3) 17.0%
C12ジメチルアミンオキシド 3.0%
C12ジメチルアミドプロピルアミンオキシド 3.0%
C12アルキルポリグルコシド 4.0%
C12アルキルスルホベタイン 2.0%
エタノール 5.0%
安息香酸Na塩 2.0%
パラトルエンスルホン酸 中和量
クエン酸ナトリウム 1.0%
香料組成物B 0.1%
精製水 残部
pH(原液) 6.5
【0052】
(実施例11)
以下に示す組成の液ジェルタイプの台所用洗剤を製造した。香料組成物には上記表2〜9記載の香料組成物Aを使用した。この台所用洗剤の起泡力、泡質、低温保存時の液安定性、手肌への感触については、上記各評価方法に沿って評価したところ非常に優れていた〔起泡力14、泡質○、低温保存時の液安定性○、手肌への感触4.6〕。
(台所用洗剤成分)
ポリオキシアルキレン(2)脂肪酸アミド 5.0%
C12アルキル硫酸Na 1.0%
C12ポリオキシエチレンアルキル硫酸Na(n=2) 10.0%
直鎖アルキル(C11〜14)ベンゼンスルホン酸Na 3.0%
C12アルキルジメチルアミンオキシド 5.0%
椰子油脂肪酸アミドプロピルベタイン 1.0%
C12ポリオキシエチレンアルキルエーテル(n=15) 6.0%
ポリエチレングリコール(重量平均分子量1000) 2.0%
エタノール 5.0%
安息香酸Na塩 2.0%
パラトルエンスルホン酸 中和量
クエン酸ナトリウム 1.0%
黄色203号 2.0ppm
青色1号 10.0ppm
香料組成物A 0.1%
精製水 残部
pH(原液) 6.5
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、泡立ちが良く、低温保存時の液安定性に優れ、しかも洗浄時の手肌の感触に優れると共に、洗浄性能の向上、洗浄剤による手荒れ防止効果を更に発揮せしめることができる台所用液体洗浄剤組成物が提供される。

Claims (1)

  1. (a)下記一般式(I)で表されるポリオキシエチレン脂肪酸アミド0.1〜30質量%、(b)芳香族カルボン酸又はその塩0.1〜10質量%、(c)アミンオキシド型界面活性剤0.5〜10質量%を含有し、(a):(b)の質量比が1:1〜10:1であり、かつ、(a)のポリオキシエチレン脂肪酸アミドを構成するオキシエチレン基として、
    オキシエチレン基1モル :10〜40質量%
    オキシエチレン基2モル :20〜50質量%
    オキシエチレン基3モル :10〜35質量%
    オキシエチレン基4モル : 0〜20質量%
    オキシエチレン基5モル以上 : 10質量%未満
    からなるポリオキシエチレン脂肪酸アミドを含有することを特徴とする台所用液体洗浄剤組成物。
    Figure 0003995445
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