JP3994597B2 - セラミック多層基板の製造方法および製造装置 - Google Patents

セラミック多層基板の製造方法および製造装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミック多層基板の製造方法および製造装置に関するものであり、特に複数枚のグリーンシートを積層し、圧着する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置において、ICチップやLSIチップ等の半導体素子は、基板に設けられた半導体素子搭載部に収納されて実用に供されている。アルミナ等のセラミック多層は耐熱性、耐久性、熱伝導性等に優れるため、この基板の材料として適しており、セラミック製の半導体基板は現在盛んに使用されている。
【0003】
このセラミック製の半導体基板は、基板サイズを縮小し、搭載ボードへの搭載密度を向上させ、また電気特性を向上させるため、一般に複数枚のグリーンシートを積層および焼成してセラミック多層基板が製造される。
【0004】
このようなセラミック多層基板においては、グリーンシート積層体を圧着する際、平行圧着板にてグリーンシート積層体の上下から圧力をかけ、グリーンシート積層体を一体化する製造方法が採られている。このグリーンシート積層体を圧着するときの圧力により、グリーンシート積層体が伸びて変形し、焼成後の基板の寸法精度を下げる原因となる場合がある。セラミック多層基板においては、この寸法精度の向上が望まれている。ここで、寸法精度とは、寸法のばらつきの度合いを示すものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、グリーンシート積層体を圧着する際のグリーンシート積層体の伸びや変形を低減する製造方法として、▲1▼グリーンシート積層体を枠の内部にはめ込み、グリーンシート積層体が周囲へ伸びるのを抑えた状態でグリーンシート積層体の上下から加圧するか、または静水圧プレスを行うセラミック多層基板の製造方法が知られている。
【0006】
しかしながら、上記の▲1▼のセラミック多層基板の製造方法では、製造治具、製造工具あるいは製造設備が高価であるという問題があった。また、製造工程が複雑になり、製造工数が増大するという問題があった。
【0007】
また、▲2▼グリーンシート積層体の製品部分の外周部よりも外側に相対する部分に形成された拘束溝を有する拘束型を用いてグリーンシート積層体を拘束し、圧着するセラミック多層基板の製造方法が知られている。
【0008】
しかしながら、上記の▲2▼のセラミック多層基板の製造方法では、圧着時に加熱すると、グリーンシート積層体に含有される溶剤が気化し、この気化した溶剤ガスがグリーンシート積層体の内部から外部に脱気されず、グリーンシートが剥離したり、ふくれが発生したりして圧着不良が発生する恐れがあるという問題があった。
【0009】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、圧着不良を防止し、寸法精度を向上するセラミック多層基板の製造方法および製造装置を提供することを目的とする。
【0010】
本発明の他の目的は、製造設備が安価であり、製造が容易で、製造工数を低減するセラミック多層基板の製造方法および製造装置を提供することにある。
【0011】
本発明の請求項1記載のセラミック多層基板の製造装置によると、グリーンシート積層体の一方の面側に配された上圧着板と、前記グリーンシート積層体の他方の面側に配され、かつ、下圧着板本体と、前記上圧着板の下面部と相対し、グリーンシート積層体を上に乗せることが可能な上面部と、前記上面部の外周に設けられ、前記グリーンシート積層体の裏面と当接してグリーンシート積層体を拘束することが可能な拘束溝と、前記下圧着板本体と上面部との間に設けられる付勢手段と、を有する下圧着板と、前記拘束溝を横切るように形成された脱気溝とを備えている。このため、まず、圧着時の加熱により気化した溶剤ガスをグリーンシート積層体の周囲から外部に排出する。次に、拘束溝によりグリーンシート積層体を拘束し、圧着時のグリーンシート積層体の伸びおよび変形を低減すると共に、脱気溝によりグリーンシート積層体の脱気を行う。したがって、圧着時の加熱によりグリーンシート積層体に含有される溶剤が気化しても、この気化した溶剤ガスはグリーンシート積層体の内部から外部に排出される。その結果、グリーンシートが剥離したり、ふくれが発生したりすることを防止して圧着不良を防止し、グリーンシート積層体の寸法精度を向上することができる。さらに、グリーンシート積層体に相対する下圧着板に拘束溝を形成し、この拘束溝を横切るように脱気溝を形成すればよいので、安価な製造装置とすることができる。
【0012】
本発明の請求項2記載のセラミック多層基板の製造装置によると、拘束溝は、グリーンシート積層体の製品部分の外周部よりも外側に相対する部分に形成されるので、グリーンシート積層体の製品部分を傷つけるのを防ぐことができる。しがって、製品不良の発生を抑えることができる。
【0013】
本発明の請求項3記載のセラミック多層基板の製造方法によると、圧着時に、グリーンシート積層体の製品部分の上下面に圧力を負荷し、その後、グリーンシート積層体の他方の面側に配した下圧着板に形成された拘束溝によりグリーンシート積層体を拘束し、拘束溝を横切るように形成された脱気溝によりグリーンシート積層体の脱気を行う。このため、圧着時に、グリーンシート積層体の伸びおよび変形が低減されると共に、圧着時の加熱によりグリーンシート積層体に含有される溶剤が気化しても、この気化した溶剤ガスはグリーンシート積層体の内部から外部に排出される。したがって、グリーンシートが剥離したり、ふくれが発生したりすることを防止して圧着不良を防止し、グリーンシート積層体の寸法精度を向上することができる。さらに、下圧着板に拘束溝を形成し、この拘束溝を横切るように脱気溝を形成すればよいので、製造設備が安価であり、製造が容易で、製造工数を低減することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の複数の実施例を図面に基づいて説明する。
(第1実施例)
本発明を低温焼成のガラスセラミック多層基板の製造方法および製造装置に適用した第1実施例について、図1〜図7を用いて説明する。
【0017】
まず、ガラスセラミックスのグリーンシート積層体の作製方法について述べる。ここで、ガラスセラミックスの原料粉末は、CaO−Al23−SiO2−B23系のガラス粉末60wt%とAl23粉末40wt%とを混合した粉体状のセラミックスであり、平均粒径は約3.5μmである。
【0018】
(1) ガラスセラミック粉体にジオキシルフタレートの可塑剤と、アクリル樹脂のバインダと、例えばトルエン、キシレン、アルコール類等の溶剤とを加え、十分に混練して粘度2000〜40000cpsのスラリーを作製し、ドクターブレード法によって例えば0.3mm厚の4枚のガラスセラミックグリーンシートを形成する。
【0019】
(2) 打ち抜き型やパンチングマシーン等を用いて、ガラスセラミックグリーンシートを所望の形状に加工し、また、複数の所定位置に例えば0.3mmφのビアホールを打ち抜き形成し、各ビアホールにAg系導体材料を充填する。また、ガラスセラミックグリーンシートの表面あるいは裏面に内部配線用のAg、Ag−Pd、Ag−Pt、Ag−Pd−Pt、Cu等の導体ペーストをスクリーン印刷する。
【0020】
(3) 図5およぼ図6に示すように、それぞれのガラスセラミックグリーンシート1を積層し、このグリーンシート積層体2を例えば110℃、100kg/cm2の条件で熱圧着して一体化する。
【0021】
ここで、グリーンシート積層体2の熱圧着装置100について説明する。
図1および図2に示すように、熱圧着装置100は、第1の圧着板としての上圧着板30と、第2の圧着板としての下圧着板40との互いに相対する2つの圧着板から構成される。上圧着板30は、グリーンシート積層体2の外周部20とほぼ同等の大きさの外周部32と、グリーンシート積層体2の表面2aと接することが可能な平らな下面部31とを有している。
【0022】
下圧着板40は、上圧着板30の下面部31と相対し、グリーンシート積層体2の裏面2bと接することが可能な平板状の上面部41と、この上面部41の外周に設けられ、グリーンシート積層体2を上に乗せてグリーンシート積層体2を拘束することが可能な拘束部43とを有している。拘束部43は、グリーンシート積層体2の外周部20とほぼ同等の大きさの外周部42と、グリーンシート積層体2の外周部20よりも小さく、グリーンシート積層体2の製品部分の外周部21よりも大きい内周部46と、外周部42と内周部46との間に形成される外溝44および内溝45と、拘束部43の4角に外溝44および内溝45をそれぞれ4本に分断するように形成される脱気溝47とを有している。
【0023】
外溝44および内溝45は、グリーンシート積層体2の製品部分を外周部21の4角を除いて取囲む概略ロ字形に形成されており、その断面形状はV字形をしている。外溝44および内溝45の幅は制限するものではないが0.2〜2.0mmの範囲が好ましく、外溝44および内溝45の深さは制限するものではないが0.03〜1.00mmの範囲が好ましい。外溝44および内溝45の幅が0.2mm未満であるか、または2.0mmより大きいと、圧着時のグリーンシート積層体2の伸びおよび変形を低減する効果が小さくなる恐れがある。また、外溝44および内溝45の深さが0.03mm未満であるか、または1.00mmより大きいと、圧着時のグリーンシート積層体の伸びおよび変形を低減する効果が小さくなる恐れがある。ここで、外溝44および内溝45は、特許請求の範囲に記載された「拘束溝」を構成している。
【0024】
4箇所の脱気溝47は、圧着時の加熱によりグリーンシート積層体2に含有される溶剤が気化したとき、この気化した溶剤ガスをグリーンシート積層体2の内部から外部に脱気するためのものであって、外溝44および内溝45が不連続になるように、すなわち外溝44および内溝45を横切るように形成されている。脱気溝47が外溝44および内溝45を横切るように形成されることにより、圧着時におけるグリーンシート積層体2の脱気を滞りなく行わせることができる。なお、脱気溝47の幅および深さは外溝44および内溝45の幅および深さと概略同等である。
【0025】
次に、熱圧着装置100の作動について、図2、図3および図4を用いて説明する。
図2に示すように、下圧着板40の拘束部43の上にグリーンシート積層体2を乗せ、グリーンシート積層体2および下圧着板40を固定して上圧着板30を矢印Y方向に移動すると、上圧着板30の下面部31がグリーンシート積層体2の表面2aに接する。さらに上圧着板30に矢印Y方向の力を加えると、図3に示すように、グリーンシート積層体2の裏面2bが下圧着板40の上面部41に接し、拘束部43の外溝44および内溝45にくい込む。これにより、グリーンシート積層体2が矢印X方向に伸びるのを低減することができる。
【0026】
このとき、図3および図4に示すように、脱気溝47によりグリーンシート積層体2の脱気を行うので、圧着の加熱によりグリーンシート積層体2に含有される溶剤が気化しても、この気化した溶剤ガスはグリーンシート積層体2の内部から外部に排出される。これにより、グリーンシートが剥離したり、ふくれが発生したりすることを防止して圧着不良が防止され、グリーンシート積層体2の寸法精度が向上される。
【0027】
次に、図7に示すように、熱圧着されたグリーンシート積層体10を製品となる部分の外周部21に沿って切断する。熱圧着されたグリーンシート積層体10を外周部21に沿って切断すると、グリーンシート積層体の製品部分50が得られる。このグリーンシート積層体の製品部分50を、電気式連続ベルト炉を使用して空気中で900℃、20分の保持条件で焼成し、ガラスセラミック多層基板を作製する。なお、導体ペーストがCuの場合は還元または中性雰囲気で焼成する。
【0028】
次に、図1に示す第1実施例の下圧着板40の拘束部43に脱気溝47を形成していない比較例について、図16、図17および図18を用いて説明する。比較例においては、脱気溝を形成していないことを除いて他は第1実施例と同様であり、第1実施例と同一構成部分に同一符号を付す。
【0029】
図16および図17に示すように、比較例の熱圧着装置は、上圧着板30と、下圧着板140との互いに相対する2つの圧着板から構成される。下圧着板140は、上圧着板30の下面部31と相対し、グリーンシート積層体2の裏面2bと接することが可能な平板状の上面部141と、この上面部141の外周に設けられ、グリーンシート積層体2を上に乗せてグリーンシート積層体2を拘束することが可能な拘束部143とを有している。拘束部143は、グリーンシート積層体2の外周部20とほぼ同等の大きさの外周部142と、グリーンシート積層体2の外周部20よりも小さく、グリーンシート積層体2の製品部分の外周部21よりも大きい内周部146と、外周部142と内周部146との間に形成される外溝144および内溝145とを有している。外溝144および内溝145は、グリーンシート積層体2の製品部分の外周部21を取囲むロ字形に形成されており、その断面形状はV字形をしている。
【0030】
比較例においては、図17に示すように、下圧着板140の拘束部143の上にグリーンシート積層体2を乗せ、グリーンシート積層体2および下圧着板140を固定して上圧着板30を矢印Y方向に移動すると、上圧着板30の下面部31がグリーンシート積層体2の表面2aに接する。さらに上圧着板30に矢印Y方向の力を加えると、図18に示すように、グリーンシート積層体2の裏面2bが下圧着板140の上面部141に接し、拘束部143の外溝144および内溝145にくい込む。このとき、圧着の加熱によりグリーンシート積層体2に含有される溶剤が気化し、この気化した溶剤ガスはグリーンシート積層体2の内部から外部に排出されることが困難である。このため、グリーンシートが剥離したり、ふくれが発生したりしてグリーンシート積層体2に圧着不良が発生する恐れがある。
【0031】
一方、第1実施例においては、脱気溝47により圧着時にグリーンシート積層体2の脱気を行うので、圧着時の加熱によりグリーンシート積層体2に含有される溶剤が気化しても、この気化した溶剤ガスはグリーンシート積層体2の内部から外部に排出される。したがって、グリーンシートが剥離したり、ふくれが発生したりすることを防止して圧着不良を防止し、グリーンシート積層体2の寸法精度を向上することができる。
【0032】
(第2実施例)
第2実施例を図8および図9に示す。
第2実施例においては、図1および図4に示す第1実施例の下圧着板40の拘束部43の4角に脱気溝47を形成する替わりに、拘束部の4辺に脱気溝を形成したものであり、脱気溝を形成した位置および脱気溝の形状を除いて他は第1実施例と同様であり、第1実施例と同一構成部分に同一符号を付す。
【0033】
図8および図9に示すように、第2実施例の第2の圧着板としての下圧着板60は、上圧着板30の下面部と相対し、グリーンシート積層体の裏面と接することが可能な平板状の上面部61と、この上面部61の外周に設けられ、グリーンシート積層体を上に乗せてグリーンシート積層体を拘束することが可能な拘束部63とを有している。拘束部63は、グリーンシート積層体の外周部とほぼ同等の大きさの外周部62と、グリーンシート積層体の外周部よりも小さく、グリーンシート積層体の製品部分の外周部21よりも大きい内周部66と、外周部62と内周部66との間に形成される外溝64および内溝65と、拘束部の4辺に外溝64および内溝65をそれぞれ4本に分断するように形成される脱気溝67とを有している。
【0034】
外溝64および内溝65は、グリーンシート積層体の製品部分の外周部21の一部を除いて取囲む概略ロ字形に形成されており、その断面形状はV字形をしている。ここで、外溝64および内溝65は、特許請求の範囲に記載された「拘束溝」を構成している。
【0035】
4箇所の脱気溝67は、圧着時の加熱によりグリーンシート積層体に含有される溶剤が気化したとき、この気化した溶剤ガスをグリーンシート積層体の内部から外部に脱気するためのものであって、グリーンシート積層体の非製品部分に形成される位置合わせのためのピン穴22に相対する部分に、ピン穴22の外径よりも大きい外径で形成されており、外溝64および内溝65が不連続になるように、すなわち外溝64および内溝65を横切るように概略Φ字形に形成されている。脱気溝67が外溝64および内溝65を横切るように形成されることにより、圧着時におけるグリーンシート積層体の脱気を滞りなく行わせると共に、位置合わせのためのピン穴22が変形することを防止することができる。
【0036】
第2実施例においては、図9に示すように、脱気溝67により圧着時にグリーンシート積層体の脱気を行うので、圧着時の加熱によりグリーンシート積層体に含有される溶剤が気化しても、この気化した溶剤ガスはグリーンシート積層体の内部から外部に排出される。したがって、グリーンシートが剥離したり、ふくれが発生したりすることを防止して圧着不良を防止し、グリーンシート積層体の寸法精度を向上することができる。さらに、脱気溝67は、拘束部63のピン穴22に相対する部分に形成されているので、圧着時に、ピン穴22が変形することを防止することができる。
【0037】
(第3実施例)
第3実施例を図10〜図15に示す。
第3実施例においては、図1〜図4に示す第1実施例の下圧着板40の上面部41をグリーンシート積層体2側に付勢する付勢手段を上面部41の下部に配設したものであり、付勢手段が設けられ、上面部が移動可能なことを除いて他は第1実施例と同様であり、第1実施例と同一構成部分に同一符号を付す。
【0038】
図10および図11に示すように、第2実施例の第2の圧着板としての下圧着板70は、下圧着板本体72と、上圧着板30の下面部31と相対し、グリーンシート積層体2を上に乗せることが可能な平板状の上面部71と、この上面部71の外周に設けられ、グリーンシート積層体2の裏面2bと当接してグリーンシート積層体を拘束することが可能な拘束部43と、下圧着板本体72と上面部71との間に設けられる付勢手段としての圧縮コイルスプリング73とを有している。圧縮コイルスプリング73は、上面部71をグリーンシート積層体2側に付勢しているので、上面部71の上にグリーンシート積層体2を乗せ、グリーンシート積層体2および下圧着板70を固定して上圧着板30を矢印Y方向に移動すると、図12および図14に示すように、上圧着板30の下面部31がグリーンシート積層体2の表面2aに接し、さらに拘束部43がグリーンシート積層体2の裏面2bと当接してグリーンシート積層体2の製品部分の上下面に圧力が負荷される。このため、圧着時の加熱により気化した溶剤ガスをグリーンシート積層体2の周囲から外部に排出することができる。ここで、下面部31と、上面部71と、圧縮コイルスプリング73とは、特許請求の範囲に記載された「加圧手段」を構成している。
【0039】
図12において、さらに上圧着板30に矢印Y方向の力を加えると、図13に示すように、グリーンシート積層体2の裏面2bが拘束部43の外溝44および内溝45にくい込む。このとき、図13および図15に示すように、脱気溝47によりグリーンシート積層体2の脱気を行うので、圧着の加熱によりグリーンシート積層体2に含有される溶剤が気化しても、この気化した溶剤ガスはグリーンシート積層体2の内部から外部に排出される。これにより、グリーンシートが剥離したり、ふくれが発生したりすることを防止し、グリーンシート積層体2の圧着不良を防止することができる。
【0040】
第3実施例においては、まず、グリーンシート積層体2の製品部分の上下面に加圧手段により圧力を負荷し、圧着時の加熱により気化した溶剤ガスをグリーンシート積層体2の周囲から外部に排出する。次に、外溝44および内溝45によりグリーンシート積層体2を拘束してグリーンシート積層体2の伸びおよび変形を低減すると共に、脱気溝67により溶剤ガスをグリーンシート積層体2の内部から外部に排出させ、グリーンシートが剥離したり、ふくれが発生したりすることを確実に防止して圧着不良を確実に防止し、グリーンシート積層体2の寸法精度を向上することができる。
【0041】
以上説明した本発明の複数の実施例においては、圧着時に、外溝および内溝によりグリーンシート積層体を拘束し、脱気溝によりグリーンシート積層体の脱気を行う。このため、圧着時に、グリーンシート積層体の伸びおよび変形が低減されると共に、圧着時の加熱によりグリーンシート積層体に含有される溶剤が気化しても、この気化した溶剤ガスはグリーンシート積層体の内部から外部に排出される。したがって、グリーンシートが剥離したり、ふくれが発生したりすることを防止して圧着不良を防止し、グリーンシート積層体の寸法精度を向上することができる。さらに、拘束部に拘束溝を形成し、この拘束溝を横切るように脱気溝を形成すればよいので、製造設備が安価であり、製造が容易で、製造工数を低減することができる。
【0042】
上記複数の実施例では、下圧着板に拘束部を設けたが、本発明では、上圧着板に拘束部を設けてもよいし、下圧着板と上圧着板との両方に拘束部を設けてもよい。また本発明においては、拘束溝および脱気溝の断面形状および本数に制限はない。また本発明においては、グリーンシート積層体の製品部分の外周部に相対する部分より外側に拘束溝および脱気溝が形成されていれば、どのような形状の拘束溝および脱気溝が形成されていてもよい。
【0043】
本発明においては、低温焼成のガラスセラミック多層基板に限らず、アルミナ基板、窒化アルミ基板、ムライト基板等どのようなセラミック多層基板に適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を低温焼成のガラスセラミック多層基板の製造方法および製造装置に適用した第1実施例を示す模式的平面図である。
【図2】本発明を低温焼成のガラスセラミック多層基板の製造方法および製造装置に適用した第1実施例を示す模式的断面図である。
【図3】本発明を低温焼成のガラスセラミック多層基板の製造方法および製造装置に適用した第1実施例を示すものであって、図4のIII−III線断面図である。
【図4】本発明を低温焼成のガラスセラミック多層基板の製造方法および製造装置に適用した第1実施例を示す模式的平面図である。
【図5】本発明の第1実施例を説明するためのグリーンシートを示す模式的斜視図である。
【図6】本発明の第1実施例を説明するためのグリーンシート積層体を示す模式的斜視図である。
【図7】本発明の第1実施例を説明するためのグリーンシート積層体の切断を示す模式的斜視図である。
【図8】本発明を低温焼成のガラスセラミック多層基板の製造方法および製造装置に適用した第2実施例を示す模式的平面図である。
【図9】本発明を低温焼成のガラスセラミック多層基板の製造方法および製造装置に適用した第2実施例を示す模式的平面図である。
【図10】本発明を低温焼成のガラスセラミック多層基板の製造方法および製造装置に適用した第3実施例を示す模式的平面図である。
【図11】本発明を低温焼成のガラスセラミック多層基板の製造方法および製造装置に適用した第3実施例を示す模式的断面図である。
【図12】本発明を低温焼成のガラスセラミック多層基板の製造方法および製造装置に適用した第3実施例を示すものであって、図14のXII−XII線断面図である。
【図13】本発明を低温焼成のガラスセラミック多層基板の製造方法および製造装置に適用した第3実施例を示すものであって、図15のXIII−XIII線断面図である。
【図14】本発明を低温焼成のガラスセラミック多層基板の製造方法および製造装置に適用した第3実施例を示す模式的平面図である。
【図15】本発明を低温焼成のガラスセラミック多層基板の製造方法および製造装置に適用した第3実施例を示す模式的平面図である。
【図16】比較例による低温焼成のガラスセラミック多層基板の製造方法および製造装置を示す模式的平面図である。
【図17】比較例による低温焼成のガラスセラミック多層基板の製造方法および製造装置を示す模式的断面図である。
【図18】比較例による低温焼成のガラスセラミック多層基板の製造方法および製造装置を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1 グリーンシート
2 グリーンシート積層体
10 熱圧着されたグリーンシート積層体
20 グリーンシート積層体の外周部
21 グリーンシート積層体の製品部分の外周部
30 上圧着板(第1の圧着板)
31 下面部
40 下圧着板(第2の圧着板)
41 上面部
43 拘束部
44 外溝(拘束溝)
45 内溝(拘束溝)
47 脱気溝
50 製品部分
60 下圧着板(第2の圧着板)
61 上面部
63 拘束部
64 外溝(拘束溝)
65 内溝(拘束溝)
67 脱気溝
70 下圧着板(第2の圧着板)
71 上面部(加圧手段)
73 圧縮コイルスプリング(加圧手段)
100 熱圧着装置

Claims (3)

  1. 複数枚のグリーンシートを積層し、この積層したグリーンシート積層体を圧着し、焼成してなるセラミック多層基板を製造する装置であって、
    前記グリーンシート積層体の一方の面側に配された圧着板と、
    前記グリーンシート積層体の他方の面側に配され、かつ、下圧着板本体と、前記上圧着板の下面部と相対し、前記グリーンシート積層体を上に乗せることが可能な上面部と、前記上面部の外周に設けられ、前記グリーンシート積層体の裏面と当接してグリーンシート積層体を拘束することが可能な拘束溝と、前記下圧着板本体と上面部との間に設けられる付勢手段と、を有する下圧着板と、
    前記拘束溝を横切るように形成された脱気溝と、
    を備えることを特徴とするセラミック多層基板の製造装置。
  2. 前記拘束溝は、前記グリーンシート積層体の製品部分の外周部よりも外側に相対する部分に形成されていることを特徴とする請求項記載のセラミック多層基板の製造装置。
  3. 複数枚のグリーンシートを積層し、この積層したグリーンシート積層体を圧着し、焼成してなるセラミック多層基板を製造する方法であって、
    圧着時に、
    前記グリーンシート積層体の製品部分の上下面に圧力を負荷する工程と、
    前記圧力を負荷する工程の後に、前記グリーンシート積層体の他方の面側に配した圧着板に形成された拘束溝により前記グリーンシート積層体を拘束し、前記拘束溝を横切るように形成された脱気溝により前記グリーンシート積層体の脱気を行う工程と、
    を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のセラミック多層基板の製造装置を用いたセラミック多層基板の製造方法。
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